完全開口式の飲料用缶エンド
本発明は、中央パネル(30)と、前記中央パネル(30)を取り囲む皿穴(22)と、皿穴(22)に近接して配置され、取り外し可能な開口パネル(54)を定める、主切り目(50)と、ガス抜き用切り目(46)とを有する、完全開口式飲料用エンド(14)に関する。飲料用エンド(14)は、開けたときに30psi(207kPa)を超えるまで加圧された製品に使用されるように適合されており、開ける際に、ガス抜き用切り目(46)が最初に切断されて、中央パネル(30)の外面と内面との間の圧力差を制御するように適合され、それにより、主切り目(50)が、制御された信頼性の高い方式で引き裂かれることを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に飲料用缶に関し、より具体的には、飲料用缶エンド内に作られる飲用開口部のサイズに関する。缶の中に収容された飲料を缶から直接飲むという楽しみを増すために、このような飲用開口部のサイズを大きくして欲しいと望む消費者からの圧力が高まっている。
【背景技術】
【0002】
従来の完全開口式缶エンドは、エンドの中央パネルの主要部を取り巻いて延びる、取り外し可能なパネルを定める切り目(スコア)を含む。タブが、取り外し可能なパネルにリベットによって取り付けられる。タブは、リベットの一方の側に後端部又はハンドル端部を、リベットの反対側に先端部を有しており、タブは、その先端部が切り目に隣接するか又は触れるように置かれるように位置決めされている。缶エンドを開けるために、ユーザは、タブの後端部又はハンドル端部を持ち上げ、それにより、タブが、リベットを中心として旋回し、切り目に隣接する先端部を押し、取り外し可能なパネルがエンドの残りの部分から切り離されるまで、切り目の裂けを広げる。典型的には、完全開口式エンドは、従来のシーミング技術によって食品用缶本体に取り付けられる。
【0003】
完全開口式食品用缶エンドは主として、食品用缶内部に収容された食品が全部取り出せるように設計される。この食品は、わずかに負圧下で詰められることが多い。しかしながら、正の内圧を有する加圧された食品用缶が提案される場合には、その内圧は比較的低いものであり、単に食品用缶の構造的剛性を維持するために必要とされる内圧によって定められ、比較的「薄肉」であることが多い。
【0004】
従来の飲料用缶内では、炭酸清涼飲料又はビールのような飲料製品は、典型的には食品用缶内の内圧よりかなり高い圧力下で保持されており、その結果、ユーザが最初に開けるときに、又は不都合な取り扱いを受けたときに、エンドの「噴出」に関連する問題が生じる。これらの理由のため、従来の飲料用缶は、消費者が安全に開けることができる制限された開口部を定めるエンドを有する。
【0005】
1998年1月27日発行の特許文献1(レイノルド メタルズ(REYNOLDS METALS CO))は、いくつかの飲料用缶で現在使用されてい」るような、従来の「開口が大きいエンド」(すなわち、比較的大きい開口を有するエンド)を記載する。この特許は、約322.58mm2(0.5平方インチ)の「標準サイズの開口」と、約322.58−483.87mm2(0.5〜0.75平方インチ)の「より広い開口」とを記載し、これは、中央パネルの比較的小さい裂けを表す。
【0006】
完全開口式飲料用缶エンドは、過去には販売されていたが、それらは重大な安全上の問題があって、現在は市場から撤退している。缶エンドがその中心でガス抜きされ、切り目が、次に缶エンドのパネルの縁部に至り、次にその周辺部の取り巻くように広がる、「らせん状の切り目付き」エンドが、サッポロビール用に生産された。エンドが直径66mmと比較的大きく、52mmの中央パネル・サイズを有するので、ガス抜きは重要であった。ガス抜きすることなくエンドを開けた場合には、パネルは、破裂して、消費者に向けて飛んでくるであろう。したがって、安全なガス抜きを提供し、開ける前に缶内の内圧を解放するために通気孔が使用された。しかしながら、その結果として生じる開けられたエンドパネルのらせん状の幾何学的形状は、いくつかの長い露出した切り口を有するので非常に危険であり、この理由のために、この缶エンド構成は撤退した。
【0007】
従来の飲料用缶は、祭り及びイベントでの販売が禁止されていることが多いが、それは、開けられた飲料用缶が投げられたときに、制限された開口部は、缶の内容物がすばやく排出されることを妨げるからである。それゆえ、従来の飲料用缶は、祭り又はイベントにおいて、販売された時点で開けたとしてもやはり、投げられたら危険な飛び道具となりかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5711448号明細書
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明は、中央パネルと、中央パネルを取り囲む皿穴と、皿穴に近接して配置され、取り外し可能な開口パネルを定める、主切り目と、ガス抜き用切り目とを有する完全開口式飲料用缶エンドを提供し、該飲料用缶エンドは、開けたときに207kPa(30psi)を超える圧力下で保持される製品に使用されるように適合され、開ける際に、ガス抜き用切り目は、最初に切断されて、中央パネルの外面と内面との間の圧力差を制御するように適合されることを特徴とする。こうすることで、中央パネルの外面と内面との間の圧力差は、ゆるやかに平衡に達する。これにより、主切り目が、制御された信頼性の高い方式で引き裂かれることが可能になる。缶は、少なくとも483kPa(70psi)、586kPa(85psi)又は621kPa(90psi)の内圧用の等級とすることもできる。
【0010】
さらに、主切り目は、(いったん開口パネルが取り外されたあとでは)エンドの飲み口リップに近接する外壁と、開口パネルに近接する内壁と、主切り目の基部の平坦部とを有することができる。平坦部は、主切り目の内壁に近接した平坦部の厚さより主切り目の外壁に近接した方の厚さの方がより薄い。この構成により、開口パネルが取り外された後で、平坦部が開口パネルに付着したまま残ることを保証する。
【0011】
好ましくは、主切り目の中心線は、皿穴と中央パネルとの間の移行半径の中心から0.000と0.508mm(0.020インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.254mm(0.010インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.152mm(0.006インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.102mm(0.004インチ)との間、最も好ましくは0.000と0.051mm(0.002インチ)との間に配置される。
【0012】
静止状態におけるタブ先端は、水平方向に測定して、主切り目の内縁部から半径方向内方に、0.000と0.203mm(0.008インチ)との間、より好ましくは0.000と0.127mm(0.005インチ)との間に離間配置される。タブ先端が中央パネルに接触した、部分的に作動された状態では、タブ先端は、ほぼ、主切り目の中心線と主切り目の内縁部から半径方向内側に0.127mm(0.005インチ)との間にあり、より好ましくは、主切り目の内縁部から0.051mm(0.002インチ)以内にある。消費者にとっての利点の1つは、開けた後で、この飲料用缶が飲用グラスのようになることである。消費者は、缶のどの向きからでも飲むことができ、缶の内容物を、口に流し込まずに少しずつ飲むことができる。さらに、開けた後で、缶の内容物は、目で見ることができ、色、炭酸の程度、及び泡(ウィジェット入りビールの場合)を見せる。
【0013】
装填者にとっての利点の1つは、缶をもはや飛び道具として使用することができないので、祭り及びイベントで販売できることである。より大きな完全開口部は、いったん開けられると、缶が投げられたときに、飲料の大部分がその中に残らないことを保証する。そのうえ、密封された飲料用缶は、提供するときにすぐに新たに開けることができるため、イベント中の合間の時間に多くの飲料を新鮮に提供することができるので、グラスより好ましい。
【0014】
ここで、本発明を、添付の図面を参照して、例示のみの目的で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態による飲料用エンド(タブは図示せず)を有する缶の平面図を示す。
【図2】本発明による飲料用エンドを組み込んだ容器の、ガス抜き位置の(ガス抜き用切り目が切断された後の)タブを含む、三次元図を示す。
【図3】図2に示された容器及び飲料用エンドの、後ろ側から見た三次元図を示す。
【図4】ガス抜き用切り目が破断した後、主切り目の切断が始まったときの、図2及び図3に示される容器及び飲料用エンドの(図2に示されたのと同じ側から見た)三次元図を示す。
【図5】ガス抜き用切り目が破断した後、主切り目の切断が始まったときの、図2及び図3に示される容器及び飲料用エンドの(図3に示されたのと同じ側から見た)三次元図を示す。
【図6】主切り目が完全に切断されて、開口部が露出され、開口パネルが取り外されるようになった後の、容器及び飲料用エンドの三次元図を示す。
【図7A】(従来技術)従来の飲料用エンド上で使用される、標準的な(対称の)切り目の縦断面を示す略断面図である。
【図7B】本発明によるエンド上の主切り目に使用される、(非対称の)切り目の縦断面を示す略断面図である。
【図8】缶本体に取り付けられた、本発明による缶エンドの部分断面図である。
【図9】図2に示される缶の平面図である。
【図10A】本発明の第2の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10B】本発明の第3の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10C】本発明の第4の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10D】本発明の第5の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
飲料用缶10は、シーム16において互いに接合された、缶本体12と缶エンド14とを含む。缶本体12及びシーム16は、市販の炭酸飲料の標準に従う従来のものであることが好ましい。
【0017】
図1は、分かり易くするためにタブを省略した第1の実施形態の缶エンド14を示す。缶エンド14は、壁部分20と、皿穴22と、中央パネル30とを含む。シェル構造(すなわち、シェル・プレスを残すタブを除いた缶エンド)は、壁20と、皿穴22と、中央パネル30とを含む構成を有する。図1に示される実施形態において、缶エンドは、クラウン コーク アンド シール(Crown Cork&Seal)によって供給されるような従来のスーパーエンド(SuperEnd)(登録商標)飲料用缶エンドが好ましい。
【0018】
皿穴22は、壁20の下部から延びており、湾曲した底部24と、底部24から上に延びる内壁26とを含む。内壁26は、半径Rを有する移行部28を経て中央パネル30に移行する直線部を有する。図8に最も良く示されるように、半径Rの原点は点Cである。単一の半径及び単一の原点を有しない湾曲した移行部を有する実施形態については、平均を用いることができる。
【0019】
中央パネル30は、リベット34と、口ひげ状切り目46と、主切り目50と、破断防止用切り目52とを含む。リベット34は、従来のものであることが好ましい。タブ36は、リベット34によって中央パネル30に取り付けられる。タブ36は、ソリッドタブ、すなわち、一体化したヒンジを伴わないものであることが好ましい。中央パネル30は、シームされていない又は加圧されていない状態において、実質的に平面であることが好ましい。
【0020】
口ひげ状切り目46は、加圧され且つ充填された缶10のガス抜きを可能にするように構成される。207kPa(30psi)を超える内圧に対しては、出願人の同時係属中の米国特許出願第12/796972号に記載されたガス抜き用切り目が好ましい。タブ36がそのハンドル又は後端38によって持ち上げられると、口ひげ状切り目46は、主切り目50よりも前に破断して、充填された缶10内の内圧をガス抜きするように設計される。
【0021】
主切り目50は、中央パネル30の周辺部の周りに延び、取り外し可能な開口パネル54を定める。図6に示されるように、タブ36は、開口パネル54に取り付けられる。主切り目50が切断されると、応力を減らし、弛んだ金属を引き取る(take up)ように、従来の破断防止用切り目52もまた、主切り目50の半径方向内側に開口パネル54上に配置される。開口パネル54が取り外されると、リップ32が残される。リップ32は、シーム16の内縁部から半径方向内向きに突出する缶エンド14の部分である。さらに、開口パネル54は、後で詳述するように、デボス及びエンボスを含むことができる。
【0022】
発明者らは、タブ36を作動させたときに切り目50の初期断裂を促進するのに十分な剛性の缶エンド14上の位置に主切り目50が位置するように、缶エンド14を構成することの重要性を認識した。図8は、缶エンド14の第1の実施形態の拡大図であり、主切り目50の領域における缶エンド14を剛性化する、主切り目50と皿穴22から中央パネル30への移行部28との間の関係を示す。
【0023】
主切り目50の中心線は、皿穴22の構造的剛性が過度のパネルのたわみを防いで切り目の初期破断を促進するように、タブ先端40が中央パネル30に接触する点において皿穴22の近くにあることが好ましい。例えば、移行の湾曲原点Cと主切り目50の垂直中心との間の水平距離は、0.000インチとすることができる(すなわち、同じ垂直軸上に置かれる)。主切り目が皿穴22の構造的性能を妨げないように、主切り目50の中心線は、点Cの半径方向外側に延びないことが好ましい。図1の実施形態において、主切り目50の中心線は、皿穴の剛性化の恩恵を受けるために、点Cから水平方向に測定して、好ましくは0.508mm(0.020インチ)以内、さらに好ましくは0.254mm(0.010インチ)以内、さらに好ましくは0.152mm(0.0060インチ)、さらに好ましくは0.102mm(0.004インチ)、さらにいっそう好ましくは0.0051mm(0.002インチ)にある。主切り目の中心線と点Cとの間の距離の上限は、美観又は飲用の機能的な観点により定めることもできる。
【0024】
代替的に、主切り目50は、皿穴22から離間配置することもできるが、エンボス、デボス又は同様の隆起部のような構造的補剛材の近くに配置することが好ましい。主切り目及び皿穴の構成及び距離は、飲料用缶エンドの加工及び設計を熟知した当業者が本明細書を検討すると理解するであろうパラメータに従って選択することができる。
【0025】
図7Aは、従来の飲料用エンドの開口切り目に現在使用されている、対称形の切り目の形状130を示す。対称形の切り目130は、同一であるが対向する向きの一対の側壁130a及び130bと、概ね平らな平坦部130cとを含む、概ね台形の形状を有する。実際には、(断面図中の)どこで切り目130が切断するかを正確に制御又は予測することは困難である。平坦部130cは、切断されて側壁130a及び130bのどちらかの基部のところで延びた場合、縁部を鋭利にする。この縁部は、ユーザを傷つける可能性がフィレットよりも高い。フィレットは、平坦部130cの切り目残余部がそこの平坦部からきれいに破断した、切り目の側壁(すなわち、平坦部130cの切り目残余部の部分がまったく又はごくわずかしか付着したままとなっていない、切り目の側壁の部分)である。
【0026】
図7Bは、本発明による缶エンド14において用いられる非対称形の主切り目50を示す。非対称形の主切り目50は、中央パネル30の外面に対して2つの異なる深さX及びYまで延びる一対の側壁51x及び51yを有する。主切り目50は、平坦部を有する。本明細書において、「平坦部」という用語は、一般に、上面又は幅を指し、「切り目残余部」という用語は、厚さを指す。平坦部の端部56x及び56y(図7Bに示される断面図中)は、平坦部が切り目側壁51x及び51yに移行する点として定められる。開けられた状態において、平坦部の端部56x及び56yにおける厚さは、切り目残余部の厚さTa及びTbを有する。
【0027】
厚さTa及びTbは、皿穴22に対する主切り目50の近さ、缶エンドの厚さ及び材料、所望の圧力等級、タブの構成などのような、缶エンド14の所望のパラメータに応じて選択することができる。図1に示される実施形態については、中央パネル30の厚さは、0.191mm(0.0075インチ)と0.330mm(0.013インチ)との間であり、切り目50の上部における幅は、おおよそ0.178mm(0.007インチ)であり、切り目平坦部56の幅は、0.025mm(0.001インチ)と0.076mm(0.003インチ)との間である。Taは、0.051mm(0.002インチ)と0.102mm(0.004インチ)との間であり、Tbは、0.064mm(0.0025インチ)と1.143mm(0.045インチ)との間である。
【0028】
切り目平坦部56の薄い方の端部56xにおける切り目残余は、厚い方の端部56yにおける切り目残余部よりも容易に破断する傾向がある。この傾向は、主切り目50内の破断の位置を制御するのに有利である。この点に関して、切り目50の断面構造は、平坦部130cの切り目残余部が、リップ32ではなくむしろ開口パネル54に付着したまま残るように構成され(すなわち、平坦部の外側の端部56xにおける切り目残余の方が、平坦部の内側端部56yにおける切り目残余よりも薄いとので)、したがって、より滑らかな外形を有するリップ32が残される。
【0029】
また、発明者らは、所与の切り目について、タブの構造及び動作が、主切り目の破断の信頼性及び予測可能性に影響を及ぼすことを見いだした。この点に関して、タブの先端40が主切り目50から遠すぎる場合には、エンド14は、主切り目50だけにおいて破断するよりもむしろ、主切り目50と破断防止用切り目52との間で、又は破断防止用切り目52内で破断することがある。タブ36の作動時に測定すると、タブ先端40が(主切り目の破断の前に)最初に缶エンド14に接するときに、タブ先端40は、主切り目50に及んで外側の切り目壁51xに触れないことが好ましい。タブ先端40は、缶エンド14に接するときに、主切り目50の中心線の位置で、又は開口パネル54上で、主切り目50の内縁部60(図7B参照)の半径方向内側に0.127mm(0.005インチ)以内にあることが好ましい。タブの先端40は、内縁部60の半径方向内側に0.051mm(0.002インチ)以内にあることがさらに好ましい。
【0030】
ユーザはまた、動かす前の静止状態におけるタブを用いてタブ先端40の位置を測定することもできる。この点に関して、タブ先端40は、縁部60から半径方向内側に測定して、主切り目50の内縁部60から0.000と0.0203mm(0.008インチ)との間にあることが好ましく、0.000と0.127mm(0.005インチ)との間にあることがさらに好ましい。その初期接触状態と静止状態との間での、主切り目50に対するタブ先端40の位置の差異は、タブの作動プロセス中の逸れ(shunting)に依るものである。タブ36は、作動及び開けるプロセス中に、主としてリベット34の近傍のパネル30のたわみ、及びガス抜き用切り目46の開口のために、図1に示されるエンドにおいて約0.76mm(0.003インチ)前方に逸れる。タブの先端の逸れの大きさは、缶の内圧にも依存する。一般に、内圧が高いほど、対応してより大きい規模の逸れが生じる。簡単にするために、主切り目50に対するタブ先端位置について提供される寸法は、例えば図9に示されるように、エンド14をまっすぐ見下ろして顕微鏡を用いて測定される。
【0031】
主切り目50に対するタブ先端40の位置は、特定の缶エンドの設計パラメータ、例えば、主切り目の構成、タブの設計、ガス抜き用切り目の設計、内圧、並びに缶エンドの加工及び設計を熟知した当業者が本明細書を検討して理解するであろうその他の要因に従って選択することができる。
【0032】
図2から図6は、充填された缶10(製品の液面は図示せず)に適用される第1の実施形態の飲料用エンド14の異なる三次元図を示す。図2及び図3は、エンド14の動作を示す。ユーザは、最初に、リベット34を中心として旋回するタブ36の後端38を持ち上げる。リベット34に加えられる力及びモーメント並びに中央パネル30の対応する局所的なたわみが、ガス抜き用切り目46を切断してガス抜き穴48を生じさせる(図3参照)。好ましくは、ガス抜き用切り目46は、缶内の内圧が、阻まれることなくガス抜き用切り目48の割れ目を断裂させるように、フラップの形態を取り、それにより、フラップをたわませて、207kPa(30psi)を超える、例えば、483kPa(70psi)、586kPa(85psi)及び621kPa(90psi)並びにそれ以上の圧力のガス抜きをするようになっている。
【0033】
図4及び図5に示されるように、ユーザは次に、タブ36を持ち上げ続け、それにより、上述のように、タブ先端40が中央パネル30上の主切り目50に近いところを押すようにさせる。タブ先端40は、主切り目50を平坦部の外側端部56xにおいて切断する。次に、ユーザは、タブ36を引き上げて、主切り目50の残りの部分を破断する。割れ目は、平坦部56の切り目残余部が開口パネル54に付着するように、平坦部の外側端部56xにおいて開口パネル54の周りに広がることが好ましい。リップ32は、缶組立体10の一部に残り、理想的にはフィレットの断面構造(すなわち、平坦部56に関連する切り目残余部の大部分が付着したまま残っていない断面構造)を有する。
【0034】
いったん主切り目50が完全に切断されると、結果として生じた開口パネル54は、廃棄することができ、ユーザは、開口部58から直接飲むことができる。
【0035】
図8は、上述のように、皿穴22及び中央パネル30の相対的な高さ及び構成、並びに主切り目50及び破断防止用切り目52の相対的な位置を示す。本発明は、図8に示されるエンドの特定の実施形態に制限されるものではない。例えば、図10A、図10B、図10C及び図10Dは、本発明を使用することができるエンド構造体14a、14b、14c及び14dのさらなる実施形態を示す。図10Aから図10Dに示される実施形態を説明するために、第1の実施形態に関して上述した構造体の参照番号が再度使用されるが、文字記号が付記される。
【0036】
エンド14a、14、14c及び14dの各々は、缶本体12a、12b、12c、12d上にシームされる。図10A、10B、10C及び10Dは、開口パネルが取り外され、ユーザがそこから飲む準備ができている缶を示す。エンドの実施形態14a、14b、14c及び14dの主切り目、開口パネル、タブ、及び開口パネルのすべての部分は、第1の実施形態の缶エンド14に関して上で説明されとおりである。
【0037】
図10Aのエンド14aは、第1の実施形態のエンド14に関して説明されたSuperEnd(登録商標)飲料用缶エンドの変形である。移行壁28aの半径の中心Cの位置が、図10Aに示される。
【0038】
図10Bのエンド14bは、コンテイナー ディベロップメント リミテッド(Container Development Limited)によって商業的に供給されるエンドの断面図である。図10Cのエンド14cは、メタル コンテイナー コーポレイション(Metal Container Corporation)によって供給されるLOFと称されるエンドの断面図である。エンド14b及び14cの各々は、移行部28b及び28cの基部に、それぞれ、内壁部分29b及び29cを有する。本発明は、主切り目が部分29b又は29c内に位置するように、移行部半径の中心Cb及びCcの半径方向外側に主切り目50b、50cを配置することを含む。
【0039】
図10Dのエンド14dは、従来のB64エンドの略断面図である。移行壁28dの半径の中心Cの場所が、図10Dに示される。
【符号の説明】
【0040】
10:缶
12:缶本体
14:缶エンド
16:シーム
20:壁部分
22:皿穴
24:底部
26:内壁
28:移行部
30:中央パネル
32:リップ
34:リベット
36:タブ
38:ハンドル又は後端
40:タブ先端
46:ガス抜き用切り目
48:ガス抜き穴
50:主切り目
52:破断防止用切り目
54:開口パネル
56:平坦部
58:開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に飲料用缶に関し、より具体的には、飲料用缶エンド内に作られる飲用開口部のサイズに関する。缶の中に収容された飲料を缶から直接飲むという楽しみを増すために、このような飲用開口部のサイズを大きくして欲しいと望む消費者からの圧力が高まっている。
【背景技術】
【0002】
従来の完全開口式缶エンドは、エンドの中央パネルの主要部を取り巻いて延びる、取り外し可能なパネルを定める切り目(スコア)を含む。タブが、取り外し可能なパネルにリベットによって取り付けられる。タブは、リベットの一方の側に後端部又はハンドル端部を、リベットの反対側に先端部を有しており、タブは、その先端部が切り目に隣接するか又は触れるように置かれるように位置決めされている。缶エンドを開けるために、ユーザは、タブの後端部又はハンドル端部を持ち上げ、それにより、タブが、リベットを中心として旋回し、切り目に隣接する先端部を押し、取り外し可能なパネルがエンドの残りの部分から切り離されるまで、切り目の裂けを広げる。典型的には、完全開口式エンドは、従来のシーミング技術によって食品用缶本体に取り付けられる。
【0003】
完全開口式食品用缶エンドは主として、食品用缶内部に収容された食品が全部取り出せるように設計される。この食品は、わずかに負圧下で詰められることが多い。しかしながら、正の内圧を有する加圧された食品用缶が提案される場合には、その内圧は比較的低いものであり、単に食品用缶の構造的剛性を維持するために必要とされる内圧によって定められ、比較的「薄肉」であることが多い。
【0004】
従来の飲料用缶内では、炭酸清涼飲料又はビールのような飲料製品は、典型的には食品用缶内の内圧よりかなり高い圧力下で保持されており、その結果、ユーザが最初に開けるときに、又は不都合な取り扱いを受けたときに、エンドの「噴出」に関連する問題が生じる。これらの理由のため、従来の飲料用缶は、消費者が安全に開けることができる制限された開口部を定めるエンドを有する。
【0005】
1998年1月27日発行の特許文献1(レイノルド メタルズ(REYNOLDS METALS CO))は、いくつかの飲料用缶で現在使用されてい」るような、従来の「開口が大きいエンド」(すなわち、比較的大きい開口を有するエンド)を記載する。この特許は、約322.58mm2(0.5平方インチ)の「標準サイズの開口」と、約322.58−483.87mm2(0.5〜0.75平方インチ)の「より広い開口」とを記載し、これは、中央パネルの比較的小さい裂けを表す。
【0006】
完全開口式飲料用缶エンドは、過去には販売されていたが、それらは重大な安全上の問題があって、現在は市場から撤退している。缶エンドがその中心でガス抜きされ、切り目が、次に缶エンドのパネルの縁部に至り、次にその周辺部の取り巻くように広がる、「らせん状の切り目付き」エンドが、サッポロビール用に生産された。エンドが直径66mmと比較的大きく、52mmの中央パネル・サイズを有するので、ガス抜きは重要であった。ガス抜きすることなくエンドを開けた場合には、パネルは、破裂して、消費者に向けて飛んでくるであろう。したがって、安全なガス抜きを提供し、開ける前に缶内の内圧を解放するために通気孔が使用された。しかしながら、その結果として生じる開けられたエンドパネルのらせん状の幾何学的形状は、いくつかの長い露出した切り口を有するので非常に危険であり、この理由のために、この缶エンド構成は撤退した。
【0007】
従来の飲料用缶は、祭り及びイベントでの販売が禁止されていることが多いが、それは、開けられた飲料用缶が投げられたときに、制限された開口部は、缶の内容物がすばやく排出されることを妨げるからである。それゆえ、従来の飲料用缶は、祭り又はイベントにおいて、販売された時点で開けたとしてもやはり、投げられたら危険な飛び道具となりかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5711448号明細書
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明は、中央パネルと、中央パネルを取り囲む皿穴と、皿穴に近接して配置され、取り外し可能な開口パネルを定める、主切り目と、ガス抜き用切り目とを有する完全開口式飲料用缶エンドを提供し、該飲料用缶エンドは、開けたときに207kPa(30psi)を超える圧力下で保持される製品に使用されるように適合され、開ける際に、ガス抜き用切り目は、最初に切断されて、中央パネルの外面と内面との間の圧力差を制御するように適合されることを特徴とする。こうすることで、中央パネルの外面と内面との間の圧力差は、ゆるやかに平衡に達する。これにより、主切り目が、制御された信頼性の高い方式で引き裂かれることが可能になる。缶は、少なくとも483kPa(70psi)、586kPa(85psi)又は621kPa(90psi)の内圧用の等級とすることもできる。
【0010】
さらに、主切り目は、(いったん開口パネルが取り外されたあとでは)エンドの飲み口リップに近接する外壁と、開口パネルに近接する内壁と、主切り目の基部の平坦部とを有することができる。平坦部は、主切り目の内壁に近接した平坦部の厚さより主切り目の外壁に近接した方の厚さの方がより薄い。この構成により、開口パネルが取り外された後で、平坦部が開口パネルに付着したまま残ることを保証する。
【0011】
好ましくは、主切り目の中心線は、皿穴と中央パネルとの間の移行半径の中心から0.000と0.508mm(0.020インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.254mm(0.010インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.152mm(0.006インチ)との間、さらに好ましくは0.000と0.102mm(0.004インチ)との間、最も好ましくは0.000と0.051mm(0.002インチ)との間に配置される。
【0012】
静止状態におけるタブ先端は、水平方向に測定して、主切り目の内縁部から半径方向内方に、0.000と0.203mm(0.008インチ)との間、より好ましくは0.000と0.127mm(0.005インチ)との間に離間配置される。タブ先端が中央パネルに接触した、部分的に作動された状態では、タブ先端は、ほぼ、主切り目の中心線と主切り目の内縁部から半径方向内側に0.127mm(0.005インチ)との間にあり、より好ましくは、主切り目の内縁部から0.051mm(0.002インチ)以内にある。消費者にとっての利点の1つは、開けた後で、この飲料用缶が飲用グラスのようになることである。消費者は、缶のどの向きからでも飲むことができ、缶の内容物を、口に流し込まずに少しずつ飲むことができる。さらに、開けた後で、缶の内容物は、目で見ることができ、色、炭酸の程度、及び泡(ウィジェット入りビールの場合)を見せる。
【0013】
装填者にとっての利点の1つは、缶をもはや飛び道具として使用することができないので、祭り及びイベントで販売できることである。より大きな完全開口部は、いったん開けられると、缶が投げられたときに、飲料の大部分がその中に残らないことを保証する。そのうえ、密封された飲料用缶は、提供するときにすぐに新たに開けることができるため、イベント中の合間の時間に多くの飲料を新鮮に提供することができるので、グラスより好ましい。
【0014】
ここで、本発明を、添付の図面を参照して、例示のみの目的で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態による飲料用エンド(タブは図示せず)を有する缶の平面図を示す。
【図2】本発明による飲料用エンドを組み込んだ容器の、ガス抜き位置の(ガス抜き用切り目が切断された後の)タブを含む、三次元図を示す。
【図3】図2に示された容器及び飲料用エンドの、後ろ側から見た三次元図を示す。
【図4】ガス抜き用切り目が破断した後、主切り目の切断が始まったときの、図2及び図3に示される容器及び飲料用エンドの(図2に示されたのと同じ側から見た)三次元図を示す。
【図5】ガス抜き用切り目が破断した後、主切り目の切断が始まったときの、図2及び図3に示される容器及び飲料用エンドの(図3に示されたのと同じ側から見た)三次元図を示す。
【図6】主切り目が完全に切断されて、開口部が露出され、開口パネルが取り外されるようになった後の、容器及び飲料用エンドの三次元図を示す。
【図7A】(従来技術)従来の飲料用エンド上で使用される、標準的な(対称の)切り目の縦断面を示す略断面図である。
【図7B】本発明によるエンド上の主切り目に使用される、(非対称の)切り目の縦断面を示す略断面図である。
【図8】缶本体に取り付けられた、本発明による缶エンドの部分断面図である。
【図9】図2に示される缶の平面図である。
【図10A】本発明の第2の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10B】本発明の第3の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10C】本発明の第4の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【図10D】本発明の第5の実施形態により取り外される取り外し可能な開口パネルを備えた缶エンドを示す缶の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
飲料用缶10は、シーム16において互いに接合された、缶本体12と缶エンド14とを含む。缶本体12及びシーム16は、市販の炭酸飲料の標準に従う従来のものであることが好ましい。
【0017】
図1は、分かり易くするためにタブを省略した第1の実施形態の缶エンド14を示す。缶エンド14は、壁部分20と、皿穴22と、中央パネル30とを含む。シェル構造(すなわち、シェル・プレスを残すタブを除いた缶エンド)は、壁20と、皿穴22と、中央パネル30とを含む構成を有する。図1に示される実施形態において、缶エンドは、クラウン コーク アンド シール(Crown Cork&Seal)によって供給されるような従来のスーパーエンド(SuperEnd)(登録商標)飲料用缶エンドが好ましい。
【0018】
皿穴22は、壁20の下部から延びており、湾曲した底部24と、底部24から上に延びる内壁26とを含む。内壁26は、半径Rを有する移行部28を経て中央パネル30に移行する直線部を有する。図8に最も良く示されるように、半径Rの原点は点Cである。単一の半径及び単一の原点を有しない湾曲した移行部を有する実施形態については、平均を用いることができる。
【0019】
中央パネル30は、リベット34と、口ひげ状切り目46と、主切り目50と、破断防止用切り目52とを含む。リベット34は、従来のものであることが好ましい。タブ36は、リベット34によって中央パネル30に取り付けられる。タブ36は、ソリッドタブ、すなわち、一体化したヒンジを伴わないものであることが好ましい。中央パネル30は、シームされていない又は加圧されていない状態において、実質的に平面であることが好ましい。
【0020】
口ひげ状切り目46は、加圧され且つ充填された缶10のガス抜きを可能にするように構成される。207kPa(30psi)を超える内圧に対しては、出願人の同時係属中の米国特許出願第12/796972号に記載されたガス抜き用切り目が好ましい。タブ36がそのハンドル又は後端38によって持ち上げられると、口ひげ状切り目46は、主切り目50よりも前に破断して、充填された缶10内の内圧をガス抜きするように設計される。
【0021】
主切り目50は、中央パネル30の周辺部の周りに延び、取り外し可能な開口パネル54を定める。図6に示されるように、タブ36は、開口パネル54に取り付けられる。主切り目50が切断されると、応力を減らし、弛んだ金属を引き取る(take up)ように、従来の破断防止用切り目52もまた、主切り目50の半径方向内側に開口パネル54上に配置される。開口パネル54が取り外されると、リップ32が残される。リップ32は、シーム16の内縁部から半径方向内向きに突出する缶エンド14の部分である。さらに、開口パネル54は、後で詳述するように、デボス及びエンボスを含むことができる。
【0022】
発明者らは、タブ36を作動させたときに切り目50の初期断裂を促進するのに十分な剛性の缶エンド14上の位置に主切り目50が位置するように、缶エンド14を構成することの重要性を認識した。図8は、缶エンド14の第1の実施形態の拡大図であり、主切り目50の領域における缶エンド14を剛性化する、主切り目50と皿穴22から中央パネル30への移行部28との間の関係を示す。
【0023】
主切り目50の中心線は、皿穴22の構造的剛性が過度のパネルのたわみを防いで切り目の初期破断を促進するように、タブ先端40が中央パネル30に接触する点において皿穴22の近くにあることが好ましい。例えば、移行の湾曲原点Cと主切り目50の垂直中心との間の水平距離は、0.000インチとすることができる(すなわち、同じ垂直軸上に置かれる)。主切り目が皿穴22の構造的性能を妨げないように、主切り目50の中心線は、点Cの半径方向外側に延びないことが好ましい。図1の実施形態において、主切り目50の中心線は、皿穴の剛性化の恩恵を受けるために、点Cから水平方向に測定して、好ましくは0.508mm(0.020インチ)以内、さらに好ましくは0.254mm(0.010インチ)以内、さらに好ましくは0.152mm(0.0060インチ)、さらに好ましくは0.102mm(0.004インチ)、さらにいっそう好ましくは0.0051mm(0.002インチ)にある。主切り目の中心線と点Cとの間の距離の上限は、美観又は飲用の機能的な観点により定めることもできる。
【0024】
代替的に、主切り目50は、皿穴22から離間配置することもできるが、エンボス、デボス又は同様の隆起部のような構造的補剛材の近くに配置することが好ましい。主切り目及び皿穴の構成及び距離は、飲料用缶エンドの加工及び設計を熟知した当業者が本明細書を検討すると理解するであろうパラメータに従って選択することができる。
【0025】
図7Aは、従来の飲料用エンドの開口切り目に現在使用されている、対称形の切り目の形状130を示す。対称形の切り目130は、同一であるが対向する向きの一対の側壁130a及び130bと、概ね平らな平坦部130cとを含む、概ね台形の形状を有する。実際には、(断面図中の)どこで切り目130が切断するかを正確に制御又は予測することは困難である。平坦部130cは、切断されて側壁130a及び130bのどちらかの基部のところで延びた場合、縁部を鋭利にする。この縁部は、ユーザを傷つける可能性がフィレットよりも高い。フィレットは、平坦部130cの切り目残余部がそこの平坦部からきれいに破断した、切り目の側壁(すなわち、平坦部130cの切り目残余部の部分がまったく又はごくわずかしか付着したままとなっていない、切り目の側壁の部分)である。
【0026】
図7Bは、本発明による缶エンド14において用いられる非対称形の主切り目50を示す。非対称形の主切り目50は、中央パネル30の外面に対して2つの異なる深さX及びYまで延びる一対の側壁51x及び51yを有する。主切り目50は、平坦部を有する。本明細書において、「平坦部」という用語は、一般に、上面又は幅を指し、「切り目残余部」という用語は、厚さを指す。平坦部の端部56x及び56y(図7Bに示される断面図中)は、平坦部が切り目側壁51x及び51yに移行する点として定められる。開けられた状態において、平坦部の端部56x及び56yにおける厚さは、切り目残余部の厚さTa及びTbを有する。
【0027】
厚さTa及びTbは、皿穴22に対する主切り目50の近さ、缶エンドの厚さ及び材料、所望の圧力等級、タブの構成などのような、缶エンド14の所望のパラメータに応じて選択することができる。図1に示される実施形態については、中央パネル30の厚さは、0.191mm(0.0075インチ)と0.330mm(0.013インチ)との間であり、切り目50の上部における幅は、おおよそ0.178mm(0.007インチ)であり、切り目平坦部56の幅は、0.025mm(0.001インチ)と0.076mm(0.003インチ)との間である。Taは、0.051mm(0.002インチ)と0.102mm(0.004インチ)との間であり、Tbは、0.064mm(0.0025インチ)と1.143mm(0.045インチ)との間である。
【0028】
切り目平坦部56の薄い方の端部56xにおける切り目残余は、厚い方の端部56yにおける切り目残余部よりも容易に破断する傾向がある。この傾向は、主切り目50内の破断の位置を制御するのに有利である。この点に関して、切り目50の断面構造は、平坦部130cの切り目残余部が、リップ32ではなくむしろ開口パネル54に付着したまま残るように構成され(すなわち、平坦部の外側の端部56xにおける切り目残余の方が、平坦部の内側端部56yにおける切り目残余よりも薄いとので)、したがって、より滑らかな外形を有するリップ32が残される。
【0029】
また、発明者らは、所与の切り目について、タブの構造及び動作が、主切り目の破断の信頼性及び予測可能性に影響を及ぼすことを見いだした。この点に関して、タブの先端40が主切り目50から遠すぎる場合には、エンド14は、主切り目50だけにおいて破断するよりもむしろ、主切り目50と破断防止用切り目52との間で、又は破断防止用切り目52内で破断することがある。タブ36の作動時に測定すると、タブ先端40が(主切り目の破断の前に)最初に缶エンド14に接するときに、タブ先端40は、主切り目50に及んで外側の切り目壁51xに触れないことが好ましい。タブ先端40は、缶エンド14に接するときに、主切り目50の中心線の位置で、又は開口パネル54上で、主切り目50の内縁部60(図7B参照)の半径方向内側に0.127mm(0.005インチ)以内にあることが好ましい。タブの先端40は、内縁部60の半径方向内側に0.051mm(0.002インチ)以内にあることがさらに好ましい。
【0030】
ユーザはまた、動かす前の静止状態におけるタブを用いてタブ先端40の位置を測定することもできる。この点に関して、タブ先端40は、縁部60から半径方向内側に測定して、主切り目50の内縁部60から0.000と0.0203mm(0.008インチ)との間にあることが好ましく、0.000と0.127mm(0.005インチ)との間にあることがさらに好ましい。その初期接触状態と静止状態との間での、主切り目50に対するタブ先端40の位置の差異は、タブの作動プロセス中の逸れ(shunting)に依るものである。タブ36は、作動及び開けるプロセス中に、主としてリベット34の近傍のパネル30のたわみ、及びガス抜き用切り目46の開口のために、図1に示されるエンドにおいて約0.76mm(0.003インチ)前方に逸れる。タブの先端の逸れの大きさは、缶の内圧にも依存する。一般に、内圧が高いほど、対応してより大きい規模の逸れが生じる。簡単にするために、主切り目50に対するタブ先端位置について提供される寸法は、例えば図9に示されるように、エンド14をまっすぐ見下ろして顕微鏡を用いて測定される。
【0031】
主切り目50に対するタブ先端40の位置は、特定の缶エンドの設計パラメータ、例えば、主切り目の構成、タブの設計、ガス抜き用切り目の設計、内圧、並びに缶エンドの加工及び設計を熟知した当業者が本明細書を検討して理解するであろうその他の要因に従って選択することができる。
【0032】
図2から図6は、充填された缶10(製品の液面は図示せず)に適用される第1の実施形態の飲料用エンド14の異なる三次元図を示す。図2及び図3は、エンド14の動作を示す。ユーザは、最初に、リベット34を中心として旋回するタブ36の後端38を持ち上げる。リベット34に加えられる力及びモーメント並びに中央パネル30の対応する局所的なたわみが、ガス抜き用切り目46を切断してガス抜き穴48を生じさせる(図3参照)。好ましくは、ガス抜き用切り目46は、缶内の内圧が、阻まれることなくガス抜き用切り目48の割れ目を断裂させるように、フラップの形態を取り、それにより、フラップをたわませて、207kPa(30psi)を超える、例えば、483kPa(70psi)、586kPa(85psi)及び621kPa(90psi)並びにそれ以上の圧力のガス抜きをするようになっている。
【0033】
図4及び図5に示されるように、ユーザは次に、タブ36を持ち上げ続け、それにより、上述のように、タブ先端40が中央パネル30上の主切り目50に近いところを押すようにさせる。タブ先端40は、主切り目50を平坦部の外側端部56xにおいて切断する。次に、ユーザは、タブ36を引き上げて、主切り目50の残りの部分を破断する。割れ目は、平坦部56の切り目残余部が開口パネル54に付着するように、平坦部の外側端部56xにおいて開口パネル54の周りに広がることが好ましい。リップ32は、缶組立体10の一部に残り、理想的にはフィレットの断面構造(すなわち、平坦部56に関連する切り目残余部の大部分が付着したまま残っていない断面構造)を有する。
【0034】
いったん主切り目50が完全に切断されると、結果として生じた開口パネル54は、廃棄することができ、ユーザは、開口部58から直接飲むことができる。
【0035】
図8は、上述のように、皿穴22及び中央パネル30の相対的な高さ及び構成、並びに主切り目50及び破断防止用切り目52の相対的な位置を示す。本発明は、図8に示されるエンドの特定の実施形態に制限されるものではない。例えば、図10A、図10B、図10C及び図10Dは、本発明を使用することができるエンド構造体14a、14b、14c及び14dのさらなる実施形態を示す。図10Aから図10Dに示される実施形態を説明するために、第1の実施形態に関して上述した構造体の参照番号が再度使用されるが、文字記号が付記される。
【0036】
エンド14a、14、14c及び14dの各々は、缶本体12a、12b、12c、12d上にシームされる。図10A、10B、10C及び10Dは、開口パネルが取り外され、ユーザがそこから飲む準備ができている缶を示す。エンドの実施形態14a、14b、14c及び14dの主切り目、開口パネル、タブ、及び開口パネルのすべての部分は、第1の実施形態の缶エンド14に関して上で説明されとおりである。
【0037】
図10Aのエンド14aは、第1の実施形態のエンド14に関して説明されたSuperEnd(登録商標)飲料用缶エンドの変形である。移行壁28aの半径の中心Cの位置が、図10Aに示される。
【0038】
図10Bのエンド14bは、コンテイナー ディベロップメント リミテッド(Container Development Limited)によって商業的に供給されるエンドの断面図である。図10Cのエンド14cは、メタル コンテイナー コーポレイション(Metal Container Corporation)によって供給されるLOFと称されるエンドの断面図である。エンド14b及び14cの各々は、移行部28b及び28cの基部に、それぞれ、内壁部分29b及び29cを有する。本発明は、主切り目が部分29b又は29c内に位置するように、移行部半径の中心Cb及びCcの半径方向外側に主切り目50b、50cを配置することを含む。
【0039】
図10Dのエンド14dは、従来のB64エンドの略断面図である。移行壁28dの半径の中心Cの場所が、図10Dに示される。
【符号の説明】
【0040】
10:缶
12:缶本体
14:缶エンド
16:シーム
20:壁部分
22:皿穴
24:底部
26:内壁
28:移行部
30:中央パネル
32:リップ
34:リベット
36:タブ
38:ハンドル又は後端
40:タブ先端
46:ガス抜き用切り目
48:ガス抜き穴
50:主切り目
52:破断防止用切り目
54:開口パネル
56:平坦部
58:開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央パネル(30)と、前記中央パネル(30)を取り囲む皿穴(22)と、前記皿穴(22)に近接して配置され、取り外し可能な開口パネル(54)を定める、主切り目(50)と、ガス抜き用切り目(46)とを有する完全開口式飲料用エンド(14)であって、前記飲料用エンド(14)は、開けたときに30psi(200kPa)を超えるまで加圧された製品に使用されるように適合されており、開ける際に、前記ガス抜き用切り目(46)が最初に切断されて、前記中央パネル(30)の外面と内面との間の圧力差を制御するように適合され、それにより、主切り目(50)が、制御された信頼性の高い方式で引き裂かれることを可能にすることを特徴とする、完全開口式飲料用エンド(14)
【請求項2】
少なくとも70psi(483kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項3】
少なくとも85psi(586kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1または請求項2に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項4】
少なくとも90psi(621kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項5】
前記飲料用エンド(14)は、先端(40)とハンドル(38)とを有するタブ(36)を含み、前記タブは、ユーザによって持ち上げられて、前記ガス抜き用切り目(46)と、次に前記主切り目(50)との連続的な断裂を開始することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項6】
前記タブ(36)は、ソリッドであり、ヒンジを有しないことを特徴とする、請求項5に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項7】
前記タブ(36)は、前記タブの初期作動の際に前記タブ先端(40)が前記主切り目(50)内に又は前記主切り目(50)に近接するように位置決めされることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項8】
前記主切り目50の中心線は、前記皿穴(22)と前記中央パネル(30)との間の移行半径(28、R)の中心から、0.000と0.508mm(0.020インチ)との間に配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項9】
静止状態における前記タブ(36)の前記先端(40)は、水平方向に測定して、前記主切り目(50)の内縁部(60)から半径方向内側に0.000と0.203mm(0.008インチ)との間に離間配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項10】
前記主切り目(50)は、非対称形の切り目形状を有することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項11】
前記主切り目(50)は、リップ(32)に近接する外壁(51x)と前記開口パネル(52)に近接する内壁(51y)とを有し、前記内壁及び前記外壁(51x、51y)は、平坦部(56)によって隔てられ、前記外壁(51x)に隣接する前記平坦部(56)の切り目残余部の厚さ(Ta)は、前記内壁(51y)に隣接する前記平坦部(56)の切り目残余部の厚さ(Tb)より薄く、そのことにより、前記エンド(14)の前記中央パネル(30)から前記開口パネル(52)が分離されたときに、前記平坦部(56)は、前記開口パネル(52)に付着したままとなることを特徴とする、請求項10に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項12】
前記中央パネル(30)は、前記主切り目(50)の内側に半径方向に位置決めされた第2の破断防止用切り目(52)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項13】
前記皿穴(22)の基部から前記中央パネル(30)までの高さは、1.5mmを上回ることを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項14】
切り口の安全性を最大にするために、前記開口部(58)は、開けられた後に、パネル・フィレット(37)の半径方向0.5mm以内に位置決めされることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項15】
中に製品が収容された容器本体(12)と、シーム(16)によってそこに連結された請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)とを含む、密封容器。
【請求項1】
中央パネル(30)と、前記中央パネル(30)を取り囲む皿穴(22)と、前記皿穴(22)に近接して配置され、取り外し可能な開口パネル(54)を定める、主切り目(50)と、ガス抜き用切り目(46)とを有する完全開口式飲料用エンド(14)であって、前記飲料用エンド(14)は、開けたときに30psi(200kPa)を超えるまで加圧された製品に使用されるように適合されており、開ける際に、前記ガス抜き用切り目(46)が最初に切断されて、前記中央パネル(30)の外面と内面との間の圧力差を制御するように適合され、それにより、主切り目(50)が、制御された信頼性の高い方式で引き裂かれることを可能にすることを特徴とする、完全開口式飲料用エンド(14)
【請求項2】
少なくとも70psi(483kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項3】
少なくとも85psi(586kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1または請求項2に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項4】
少なくとも90psi(621kPa)の圧力下で保持される製品に使用されるように適合された、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項5】
前記飲料用エンド(14)は、先端(40)とハンドル(38)とを有するタブ(36)を含み、前記タブは、ユーザによって持ち上げられて、前記ガス抜き用切り目(46)と、次に前記主切り目(50)との連続的な断裂を開始することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項6】
前記タブ(36)は、ソリッドであり、ヒンジを有しないことを特徴とする、請求項5に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項7】
前記タブ(36)は、前記タブの初期作動の際に前記タブ先端(40)が前記主切り目(50)内に又は前記主切り目(50)に近接するように位置決めされることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項8】
前記主切り目50の中心線は、前記皿穴(22)と前記中央パネル(30)との間の移行半径(28、R)の中心から、0.000と0.508mm(0.020インチ)との間に配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項9】
静止状態における前記タブ(36)の前記先端(40)は、水平方向に測定して、前記主切り目(50)の内縁部(60)から半径方向内側に0.000と0.203mm(0.008インチ)との間に離間配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項10】
前記主切り目(50)は、非対称形の切り目形状を有することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項11】
前記主切り目(50)は、リップ(32)に近接する外壁(51x)と前記開口パネル(52)に近接する内壁(51y)とを有し、前記内壁及び前記外壁(51x、51y)は、平坦部(56)によって隔てられ、前記外壁(51x)に隣接する前記平坦部(56)の切り目残余部の厚さ(Ta)は、前記内壁(51y)に隣接する前記平坦部(56)の切り目残余部の厚さ(Tb)より薄く、そのことにより、前記エンド(14)の前記中央パネル(30)から前記開口パネル(52)が分離されたときに、前記平坦部(56)は、前記開口パネル(52)に付着したままとなることを特徴とする、請求項10に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項12】
前記中央パネル(30)は、前記主切り目(50)の内側に半径方向に位置決めされた第2の破断防止用切り目(52)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項13】
前記皿穴(22)の基部から前記中央パネル(30)までの高さは、1.5mmを上回ることを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項14】
切り口の安全性を最大にするために、前記開口部(58)は、開けられた後に、パネル・フィレット(37)の半径方向0.5mm以内に位置決めされることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)。
【請求項15】
中に製品が収容された容器本体(12)と、シーム(16)によってそこに連結された請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の完全開口式飲料用エンド(14)とを含む、密封容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【公表番号】特表2013−503788(P2013−503788A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527320(P2012−527320)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062877
【国際公開番号】WO2011/026900
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(506128042)クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062877
【国際公開番号】WO2011/026900
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(506128042)クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
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