説明

定流量エゼクタおよびイオン交換装置

【課題】 加圧水頭圧の低下を防止または抑制した吸引力の高い定流量エゼクタおよび安定した再生液の供給が可能なイオン交換装置を提供することである。
【解決手段】 エゼクタにおいて、駆動流体が通過する孔を有し定流量化機能をなす環状弾性体11をノズル10として兼用し、環状弾性体11は、その上流側の駆動圧が高くなると、孔12の径が小さくなって、駆動流体流路の断面積を狭くし、駆動圧が低くなると、孔12の径が大きくなって、駆動流体流路の断面積を広くする弾性変形を生ずることで定流量化機能をなすように構成されていることを特徴とする。また、イオン交換装置において、このエゼクタを用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、定流量化機能を有する定流量エゼクタおよびこの定流量エゼクタを用いたイオン交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水や地下水などの原水に含まれる硬度分(カルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)や硝酸性窒素(硝酸イオンおよび亜硝酸イオン)などをイオン交換樹脂により吸着除去するイオン交換装置が知られている。これらのイオン交換装置のうち、陽イオン交換樹脂を使用して水中の硬度分をナトリウムイオンやカリウムイオンへ置換するものは、通常、軟水装置と呼ばれる。一方、前記イオン交換装置のうち、陰イオン交換樹脂を使用して硝酸性窒素を塩化物イオンへ置換するものは、通常、硝酸性窒素除去装置と呼ばれる。
【0003】
前記軟水装置の再生においては、再生に適したイオン交換樹脂と再生剤原液としての塩水との接触時間を維持する為に、特許文献1に記載のように、エゼクタの上流側に定流量弁などの定流量化手段を設けることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−156354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この出願の発明者は、特許文献1の方式では、つぎのような課題が存在することを見出した。すなわち、特許文献1のように、エゼクタのノズルから離れた位置に定流量化手段を設けると、定流量化手段により圧力損失が生じ、駆動水頭圧が低下する。その結果、エゼクタの加圧水頭圧が低下して、十分な塩水吸引力が得られない。ここで、「駆動水頭圧」とは、(駆動水圧力−ノズル出口の噴流の圧力)を流体の比重量で割った値である。また、エゼクタの吸引力を表す「加圧水頭圧」とは、(吐出口における吐出液の圧力−吸引口における吸引液の圧力)を流体の比重量で割った値である。
【0006】
この発明の解決しようとする課題は、加圧水頭圧の低下を防止または抑制した吸引力の高い定流量エゼクタおよび安定した再生液の供給が可能なイオン交換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、 駆動流体が通過する孔を有し定流量化機能をなす環状弾性体をノズルとして兼用し、前記環状弾性体は、その上流側の駆動圧が高くなると、前記孔の径が小さくなって、駆動流体流路の断面積を狭くし、前記駆動圧が低くなると、前記孔の径が大きくなって、駆動流体流路の断面積を広くする弾性変形を生ずることで定流量化機能をなすように構成されていることを特徴とする定流量エゼクタ。駆動流体が通過する孔を有し定流量化機能をなす環状弾性体をノズルとして兼用したことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、定流量化機能をなす前記環状弾性体そのものがノズルに兼用されるので、ノズルの上流側で駆動圧が低下せず、定流量化機能を発揮しつつ、加圧水頭圧の低下,すなわちエゼクタの吸引力の低下を防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、イオン交換装置において、請求項1の定流量エゼクタを再生剤原液を吸引するエゼクタとして用いたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、前記定流量エゼクタにおける加圧水頭圧の低下が防止または抑制されているので、安定,かつ効率の良い再生液の供給を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、駆動水頭圧および加圧水頭圧の低下を防止または抑制した吸引力の高い定流量エゼクタを提供できるとともに、安定した再生液の供給が可能なイオン交換装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この定流量エゼクタの発明の実施の形態を説明する。この発明の実施の形態は、軟水装置などのイオン交換装置に好適に実施される。
【0013】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1は、駆動流体としての駆動液が通過する孔を有し定流量化機能を発揮する環状弾性体をエゼクタのノズルとして兼用させることを特徴としている。
【0014】
この実施の形態1によれば、前記環状弾性体がエゼクタのノズルとして機能する。すなわち、前記孔を通過する際に駆動液が減圧され、この減圧により再生剤原液などの吸引液を吸引する。また、前記環状弾性体が、弾性変形することにより定流量化手段として機能する。この実施の形態1においては、定流量化のための減圧とエゼクタの吸引作用の為の減圧とが同時に生ずるので、定流量化のための減圧による駆動水頭圧および加圧水頭圧の低下を防止することができ、従来のような加圧水頭圧の低下による吸引力の低下を防止することができる。
【0015】
つぎに、この実施の形態1の構成要素について説明する。前記環状弾性体は、駆動液の圧力(駆動水圧力であって、以下、駆動圧と称する。)が高くなると駆動液流路の断面積を狭くし、逆に駆動圧が低下すると駆動液流路の断面積を広くすることにより、駆動圧の変動に対して駆動液の流量を定流量化する機能を有するものであれば、形状および材質は、特定のものに限定されない。この環状弾性体は、そのほぼ中央部に駆動液が通過する孔を形成しており、この孔の径の変化により駆動液流路の断面積の調整作用を行う。
【0016】
この実施の形態1のエゼクタは、駆動液入口および吐出液の吐出口を備えた本体と、この本体内の前記駆動液入口および前記吐出口間に設けられるノズル部とを含み、このノズル部による減圧液流により吸引液が吸引される位置に吸引液の吸引口を前記本体に備えている。駆動液は、通常は水であるが、用途に応じて水以外の液とすることができる。また、駆動液は、液体以外の流体とすることができる。この実施の形態1では、定流量化のための前記環状弾性体が前記ノズルを兼用している。
【0017】
前記の実施の形態1の定流量エゼクタは、イオン交換装置の再生剤原液の吸引用のエゼクタとして用いることができる。このイオン交換装置によれば、前記定流量エゼクタにより定流量機能を発揮しつつ、吸引力の低下を防止または抑制することができるので、安定かつ効率よく再生剤原液を吸引することができる。
【0018】
前記イオン交換装置としては、好ましくは、軟水装置とするが、これに限定されるものではない。また、前記軟水装置としては、対向流再生、並行流再生など再生方式に限定されることなく、種々の再生方式および構造のものが実施の対象となる。
【実施例1】
【0019】
以下、この発明の定流量エゼクタの実施例1を図面に基づいて説明する。図1は、同実施例1の縦断面の説明図であり、図2は、同実施例1の作動状態を説明する要部断面の説明図であり、図3は、同実施例1の作用効果を説明する特性図である。
【0020】
この実施例1のエゼクタ1は、駆動液入口2,吐出液(駆動液と吸引液との混合液)の吐出口3および吸引液の吸引口4を備えた筒状の本体5と、この本体5内の前記駆動液入口2および前記吐出口3間に設けられるノズル部6と、このノズル部6および前記吸引口4の下流側に設けられる混合部(のど部と称することができる。)7と、この混合部7と筒状体により一体的に形成されこの混合部7の下流側に設けられる拡散部(ディフューザーまたは拡大管と称することができる。)8とを主要部として備える。
【0021】
前記ノズル部6は、前記本体5内に装着される筒状のノズル支持体9と、この支持体9に装着されるエゼクタのノズル10を兼用する環状弾性体11とを含んで構成されている。
【0022】
前記環状弾性体11は、そのほぼ中央部に駆動液が通過する孔12を形成している。そして、この環状弾性体11は、駆動圧が高くなると、図2に示すように、前記孔12の径が部分的に小さくなって、駆動液流路の断面積を狭くし、逆に駆動圧が低下すると、前記孔12の径が大きくなって、駆動液流路の断面積を広くする弾性変形を生ずるするように構成されている。すなわち、駆動圧の変動に対して駆動液の流量をほぼ一定とする定流量化機能を有するように構成されている。
【0023】
前記環状弾性体11は、この実施例1では、形状を図示の輪状とし、材質をゴムとしている。
【0024】
この実施例1の動作を説明する。前記駆動液入口2から流入した駆動液は、前記環状弾性体11の孔12を通過する際に減圧される。この駆動液の減圧流により、前記吸引口4から吸引液が吸引され、駆動液と吸引液とが前記混合部7にて混合されて、前記拡散部8を経て前記吐出口3から吐出される。
【0025】
こうしたエゼクタ機能に加えて、この実施例1においては、前記環状弾性体11は、弾性変形により定流量化手段として機能する。この定流量化機能は、前述のように前記環状弾性体11の弾性変形により前記孔12の径を変化させることで実現される。
【0026】
この実施例1の作用効果について、定流量化手段を前記エゼクタ1の上流側に別個に設けた比較例(特許文献1に相当)との比較により、図3に基づき説明する。図3は、前記定流量エゼクタ1を軟水装置(後述する図8に示す)に用いた場合の、実験結果を示し、定流量化手段の上流における駆動圧(kPa)の変化に対するこの実施例1および比較例
の駆動水量(L/min)および加圧水頭圧(kPa)の変化と推定塩濃度(wt%)の変化とを示
している。
【0027】
図3の実験例からつぎのことが分かる。駆動水量は、実施例1および比較例とでほぼ同じであり、前記環状弾性体10の定流量化機能は比較例と同様に発揮されている。一方、エゼクタの吸引力を示す加圧水頭圧は、同じ駆動圧において比較すると実施例1の方が比較例よりも高い値を示し、塩水吸引力が高いことを示している。当然ながら、推定塩濃度も実施例1の方が比較例1よりも高い値を示している。この効果は、駆動圧が高いほどより顕著に現れることを示している。
【0028】
以上の如く、この実施例1によれば、定流量化のための減圧とエゼクタの吸引作用の為の減圧とが同時に生ずるので、定流量化のための減圧による駆動水頭圧の低下を防止する
ことができ、従来のような加圧水頭圧の低下による吸引力の低下を防止することができる。
【0029】
(実施例1の変形例)
この発明は前記実施例1に限定されるものではなく、前記定量エゼクタの各構成要
素は、本発明を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前記環状弾性体11の形状は、図4および図5のように変更可能である。図4,5の環状弾性体11は、前記孔12の入口側をR状に(角張らせず丸く)形成したものである。前記環状弾性体11は、上流側の圧力と下流側の圧力との差圧により変形し、その結果、前記孔12の径が変化して流量調整を行うものである。図4,5の形状とすることで、前記孔12の径の変化を少なくすることができ、流量調整能力を変えることができる。
【0030】
また、前記環状弾性体11の形状は、図6および図7のように構成することができる。図6,7の環状弾性体11は、前記孔12の入口側に環状の突部14を形成し、かつ孔12の入口をR状に形成したものである。こうした形状とすることで前記環状弾性体11の変形量を大きくすることができ、流量調整能力を変えることができる。
【0031】
(実施例1のイオン交換装置への適用例)
前記実施例1は、軟水装置などのイオン交換装置に好適に用いられる。例えば、図8に示すイオン交換装置21に適用される。勿論、前記実施例1は、図8以外のエゼクタを用いたイオン交換装置やその他の装置に適用可能なことはいうまでもない。以下、図8のイオン交換装置21を簡単に説明する。
【0032】
図8において、イオン交換装置21は、樹脂収容部22と、コントロールバルブユニット23と、再生剤タンク24とを主に備えている。前記樹脂収容部22は、支持材である珪石25および処理材である陽イオン交換樹脂26が下方からこの順で充填された樹脂筒27を備えており、この樹脂筒27の開口部は、蓋部材28で閉鎖されている。そして、この蓋部材28には、前記コントロールバルブユニット23が装着されており、前記イオン交換装置21の通水作動の流路と再生作動の流路とを制御器(図示省略)からの指令信号によって切り換えることができるように構成されている。
【0033】
前記蓋部材28には、原水を前記樹脂筒27内へ案内する流入路(符号省略)が形成されており、この流入路の入口には、前記コントロールバルブユニット23を介して原水ライン29が接続されている。すなわち、この原水ライン29の一部は、前記コントロールバルブユニット23内に形成されている。一方、前記流入路の出口は、前記樹脂筒27内へ向かって開口している。
【0034】
また、前記蓋部材28には、処理水である軟水を前記樹脂筒27外へ案内する流出路(符号省略)が形成されており、この流出路の入口には、前記樹脂筒27の底部へ延びる集水パイプ30が接続されている。そして、この集水パイプ30の先端部には、前記陽イオン交換樹脂26の処理水側への流出を阻止する第一スクリーン部材31が装着されている。一方、前記流出路の出口には、前記コントロールバルブユニット23を介して処理水ライン32が接続されている。すなわち、この処理水ライン32の一部は、前記コントロールバルブユニット23内に形成されている。
【0035】
前記原水ライン29には、上流側から順にストレーナ33および第一開閉弁34が設けられており、この第一開閉弁34は、前記コントロールバルブユニット23を構成している。また、前記処理水ライン32には、第二開閉弁35が設けられており、この第二開閉弁35は、前記コントロールバルブユニット23を構成している。
【0036】
ここで、前記コントロールバルブユニット23の構成について、さらに詳細に説明する。前記コントロールバルブユニット23内において、前記第一開閉弁34の上流側の前記原水ライン29は、前記第二開閉弁35の下流側の前記処理水ライン35とバイパスライン36で接続されている。このバイパスライン36には、第三開閉弁37が設けられている。この第三開閉弁37の上流側の前記バイパスライン36は、前記第一開閉弁34の下流側の前記原水ライン29と再生液調製ライン38で接続されている。この再生液調製ライン38には、前記バイパスライン36側から順に第四開閉弁39,および定流量エゼクタ1が設けられている。ここにおいて、また、前記エゼクタ1は、流れ方向の断面積を急縮小させるノズル10を有している。
【0037】
前記エゼクタ1の吐出口3は、前記再生剤タンク24内に配置されたフロート弁ユニット43と再生剤供給ライン44で接続されており、この再生剤供給ライン44には、第五開閉弁45が設けられている。すなわち、前記エゼクタ1は、駆動水としての原水が前記ノズル10から吐出されるときに発生する負圧を利用して、前記再生剤タンク24内の再生剤原液(たとえば、塩化ナトリウムの飽和水溶液)を吸引可能に構成されている。そして、前記エゼクタ1において、前記再生剤タンク24からの再生剤原液は、原水で所定濃度(たとえば、8〜12重量%)にまで希釈されるようになっている。
【0038】
前記再生剤タンク24は、前記陽イオン交換樹脂26の再生に使用する再生剤原液を調製するタンクであって、その内部には、再生剤である固形塩46(たとえば、粒状やペレット状の塩化ナトリウム)が貯蔵されている。そして、この固形塩46を前記再生剤供給ライン44を介して前記再生剤タンク24内に補給された原水と接触させることにより溶解させ、再生剤原液を生成するように構成されている。
【0039】
前記フロート弁ユニット43は、前記再生剤供給ライン44を介して前記再生剤タンク24内へ原水が補給されると、フロート47と連動する弁体48が上昇し、所定水位で原水の流入を遮断するように作動する。逆に、前記フロート弁ユニット43は、前記エゼクタ1内が負圧になると、前記フロート47と連動する前記弁体48が下降し、前記再生剤供給ライン44へ再生剤原液を流出させるように作動する。そして、前記再生剤タンク24内の再生剤原液が所定水位まで消費されると、前記フロート弁ユニット23に内蔵された中空ボール49が前記再生剤供給ライン44の開口部へ移動し、再生剤原液およびエアの吸引を遮断する。
【0040】
前記第二開閉弁35の上流側の前記処理水ライン32には、前記コントロールバルブユニット23の外部へ延びる第一排水ライン50が接続されている。この第一排水ライン50には、第六開閉弁51が設けられている。また、前記第一開閉弁34の下流側の前記原水ライン29は、前記第六開閉弁51の下流側の前記第一排水ライン50と第二排水ライン52で接続されている。この第二排水ライン52には、前記原水ライン29側から順に第七開閉弁53およびオリフィス54が設けられている。ここにおいて、前記オリフィス54は、前記樹脂筒27から排水される逆洗水を所定範囲の流量に調節するためのものである。
【0041】
このイオン交換装置21の再生工程は、つぎのようにして行われる。前記再生工程では、前記制御器からの指令信号により、前記第三開閉弁37,前記第四開閉弁39,前記第五開閉弁45および前記第六開閉弁51は、それぞれ開状態に設定される。一方、前記第一開閉弁34,前記第二開閉弁35,前記第七開閉弁53は、それぞれ閉状態に設定される。前記原水ライン29を流れる原水は、希釈水(駆動水)として、前記バイパスライン36および前記再生液調製ライン38を介して前記エゼクタ1の一次側へ供給される。前記エゼクタ1において、前記ノズル10の吐出側で負圧が発生すると、前記再生剤供給ライン44内も負圧となり、前記フロート47と連動する前記弁体48が下降する。この結
果、前記再生剤タンク24内の再生剤原液が前記再生剤供給ライン44を介して吸引可能となり、前記エゼクタ1内では、再生剤原液が原水で所定濃度まで希釈され、再生液が調製される。前記エゼクタ1からの再生液は、前記再生液調製ライン38および前記原水ライン29の一部を介して前記樹脂筒27内の上部へ供給される。この再生液は、前記陽イオン交換樹脂26の充填層を下降流で通過し、前記陽イオン交換樹脂26を再生させる。すなわち、前記陽イオン交換樹脂26の充填層に対して並流再生(co-flow regeneration)が行われる。そして、前記陽イオン交換樹脂26の充填層を通過した再生液は、前記第一スクリーン部材31および前記集水パイプ30を介して前記樹脂筒27から排出されたのち、前記処理水ライン32および前記第一排水ライン50を介して系外へ排出される。ここにおいて、前記再生剤タンク24内の再生剤原液が所定水位まで消費されると、前記中空ボール49が前記再生剤供給ライン44の開口部へ移動し、再生剤原液およびエアの吸引を遮断する。
【0042】
このイオン交換装置21によれば、前記定流量エゼクタ1を用いているので、前記定流量エゼクタ1により定流量機能を発揮しつつ、吸引力の低下を防止または抑制することができる。したがって、駆動圧の変動に拘わらず、定流量と高い加圧水頭圧を維持できるので、安定かつ効率よく再生剤原液を吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施例1の縦断面の説明図である。
【図2】同実施例1の動作を説明する図である。
【図3】同実施例1の効果を説明する図である。
【図4】環状弾性体の変形例を示す側面の説明図である。
【図5】環状弾性体の変形例を示す縦断面の説明図である。
【図6】環状弾性体の他の変形例を示す縦断面の説明図である。
【図7】環状弾性体の他の変形例を示す縦断面の説明図である。
【図8】この発明を実施したイオン交換装置の概略の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 定流量エゼクタ
2 駆動液入口
3 吐出口
4 吸引口
10 ノズル
11 環状弾性体
21 イオン交換装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動流体が通過する孔を有し定流量化機能をなす環状弾性体をノズルとして兼用し、前記環状弾性体は、その上流側の駆動圧が高くなると、前記孔の径が小さくなって、駆動流体流路の断面積を狭くし、前記駆動圧が低くなると、前記孔の径が大きくなって、駆動流体流路の断面積を広くする弾性変形を生ずることで定流量化機能をなすように構成されていることを特徴とする定流量エゼクタ。
【請求項2】
請求項1の定流量エゼクタを再生剤原液を吸引するエゼクタとして用いたことを特徴とするイオン交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−229696(P2012−229696A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150978(P2012−150978)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2006−242466(P2006−242466)の分割
【原出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】