説明

定着ローラの製造方法及び製造装置

【課題】薄肉化された円筒状の芯金の定着ローラにおいて、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ2の内側に挿入されるマグネットローラ5と、該定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロ11と、を有する定着ローラの製造装置20において、前記マグネットローラ5が、該マグネットローラ5と平行に設けられた芯棒3の芯軸4を支点にして摺動可能とした第一のアーム7の先端近傍に該マグネットローラ5の芯軸6によって回転可能に固定され、そして、前記成形用磁性体コロ11が、前記マグネットローラ5と平行に移動する断面コの字の支持部14の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピン15を支点にして摺動可能とした、第二のアーム16の先端近傍に該成形用磁性体コロ11の芯軸12によって回転可能に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられる定着ローラの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、転写紙、OHPフィルム等の記録媒体に転写されたトナー像(未定着画像)を記録媒体に定着させる定着装置が用いられている。かかる定着装置は、内部にハロゲンヒータ等の加熱手段を有する定着ローラと、これに対向して設けられた加圧ローラと、によって構成されている。
【0003】
定着ローラは、芯金、該芯金上に形成された弾性層、及び、該弾性層上に形成されたフッ素樹脂膜等の離型剤塗布膜で構成される離型層を有している。最近では、定着ローラの熱応答性の向上やウォームアップ時間の短縮を図るために、芯金の薄肉化が要求されるようになってきたので、肉厚0.4〜1.0mm程度の薄肉化された円筒状のアルミ合金パイプが用いられている。
【0004】
このような薄肉化された円筒状のアルミ合金パイプを芯金に有する定着ローラの製造においては、加熱溶融された定着ローラの表面に塗布された離型剤塗布膜に金属コロを押し当てて離型剤塗布膜を平滑にするもの(特許文献1を参照。)が提案されているが、かかる定着ローラの表面に塗布された離型剤塗布膜を平滑にする定着ローラの製造方法においては、芯金を薄肉化すると、芯金の剛性が低くなってしまうので、金属コロを離型剤塗布膜に押し当てて平滑処理を施す時に、芯金にたわみ、つぶれ等の塑性変形が起きてしまう、という問題があった。
【特許文献1】特開2003−91190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
【0006】
即ち、本発明は、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の定着ローラを製造することができる定着ローラの製造方法及び製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、該定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、を有する定着ローラの製造装置であって、
(イ)前記マグネットローラが、該マグネットローラと平行に設けられた芯棒の芯軸を支点にして摺動可能とした第一のアームの先端近傍に該マグネットローラの芯軸によって回転可能に固定され、そして、
(ロ)前記成形用磁性体コロが、前記マグネットローラと平行に移動する断面コの字の支持部の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピンを支点にして摺動可能とした、第二のアームの先端近傍に該成形用磁性体コロの芯軸によって回転可能に固定されている
ことを特徴とする定着ローラの製造装置である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、
(イ)前記第一のアームの根本部分に該第一のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記芯棒の芯軸が挿入されており、そして、
(ロ)前記第二のアームの根本部分に該第二のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記支持部に設けられたピンが挿入されている
ことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記定着ローラの一方の端面が、前記定着ローラの製造装置における置駆動側に設けられた回転可能な主軸センターにセットされると共に、前記定着ローラの他方の端面が、前記定着ローラの製造装置における反置駆動側に設けられたスラストベアリングで固定されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記マグネットローラが、電磁石で構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、純鉄製リングが、前記成形用磁性体コロに組み込まれていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載された発明は、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にする定着ローラの製造において、
前記該薄肉化された円筒状の芯金を有する定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、前記定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、の磁力による互いに引き合う性質を用いて、該定着ローラの表面に塗布された離型剤塗布膜を平滑化することを特徴とする定着ローラの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、該定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、を有する定着ローラの製造装置であって、(イ)前記マグネットローラが、該マグネットローラと平行に設けられた芯棒の芯軸を支点にして摺動可能とした第一のアームの先端近傍に該マグネットローラの芯軸によって回転可能に固定され、そして、(ロ)前記成形用磁性体コロが、前記マグネットローラと平行に移動する断面コの字の支持部の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピンを支点にして摺動可能とした、第二のアームの先端近傍に該成形用磁性体コロの芯軸によって回転可能に固定されているので、定着ローラがその内側に挿入されたマグネットローラによって補強され、そのために、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の定着ローラを製造することができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、(イ)前記第一のアームの根本部分に該第一のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記芯棒の芯軸が挿入されており、そして、(ロ)前記第二のアームの根本部分に該第二のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記支持部に設けられたピンが挿入されているので、マグネットローラ及び成形用磁性体コロが、それぞれ、該第一のアームの軸方向及び該第二のアームの軸方向に移動可能となって、定着ローラがその内側に挿入されたマグネットローラによって補強され、しかも、定着ローラ、成形用磁性体コロ、及び、マグネットローラが、常に同一線上において一定の圧力で接触し、それらのために、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きないさらに安定した品質の定着ローラを製造することができる。また、定着ローラを主軸にセットする際には、マグネットローラ及び成形用磁性体コロが自重で下がって、マグネットローラと成形用磁性体コロとの間のクリアランスを大きくすることができるので、定着ローラを定着ローラの製造装置にセットしやすくなる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、前記定着ローラの一方の端面が、前記定着ローラの製造装置における置駆動側に設けられた回転可能な主軸センターにセットされると共に、前記定着ローラの他方の端面が、前記定着ローラの製造装置における反置駆動側に設けられたスラストベアリングで固定されるので、定着ローラ自体に多少の振れがあっても振れを解消しながら、定着ローラの表面を平滑にすることができ、そのために、さらに安定した品質の定着ローラを製造することができる。
【0016】
請求項4に記載された発明によれば、前記マグネットローラが電磁石で構成されているので、該マグネットローラの磁力を可変することができ、そのために、定着ローラの表面の粗さを任意に設定することができる。
【0017】
請求項5に記載された発明によれば、純鉄製リングが前記成形用磁性体コロに組み込まれているので、より強い磁力が得られ、そのために、さらに安定した品質の定着ローラを製造することができる。
【0018】
請求項6に記載された発明によれば、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にする定着ローラの製造において、前記該薄肉化された円筒状の芯金を有する定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、前記定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、の磁力による互いに引き合う性質を用いて、該定着ローラの表面に塗布された離型剤塗布膜を平滑化するので、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の定着ローラを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造装置の一部断面平面図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造装置の側面図である。図3は、マグネットローラが第一のアームによって芯棒に固定されることを示す説明図であって、(a)は、側面の説明図であり、そして、(b)は、(a)におけるA−A線断面図である。図4は、成形用磁性体コロが第二のアームによって支持部に固定されることを示す説明図であって、(a)は、側面の説明図であり、そして、(b)は、(a)におけるB−B線一部断面説明図である。
【0020】
図1,2において、20は、定着ローラの製造装置である。定着ローラの製造装置20は、定着ローラ2の内側に挿入されるマグネットローラ5と、該定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロ11と、を有している。この定着ローラの製造装置20においては、前記マグネットローラ5が、該マグネットローラ5と平行に設けられた芯棒3の芯軸4を支点にして摺動可能とした第一のアーム7の先端近傍に該マグネットローラ5の芯軸6によって回転可能に固定され、そして、前記成形用磁性体コロ11が、前記マグネットローラ5と平行に移動する断面コの字の支持部14の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピン15を支点にして摺動可能とした、第二のアーム16の先端近傍に該成形用磁性体コロ11の芯軸によって回転可能に固定されている。
【0021】
このように、前記マグネットローラ5が、該マグネットローラ5と平行に設けられた芯棒3の芯軸4を支点にして摺動可能とした第一のアーム7の先端近傍に回転可能に固定され、そして、前記成形用磁性体コロ11が、前記マグネットローラ5と平行に移動する断面コの字の支持部14の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピン15を支点にして摺動可能とした、第二のアーム16の先端近傍に回転可能に固定されていると、定着ローラ2がその内側に挿入されたマグネットローラ5によって補強され、そのために、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の定着ローラ2を製造することができる。
【0022】
前記フッ素樹脂は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等フッ素系樹脂、又は、これらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたものであるが、好ましくは、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)である。
【0023】
本発明の定着ローラの製造装置20においては、前記第一のアーム7の根本部分に該第一のアーム7の軸方向に長穴8が設けられていると共に、この長穴8に前記芯棒3の芯軸4が挿入されており、そして、前記第二のアーム16の根本部分に該第二のアーム16の軸方向に長穴17が設けられていると共に、この長穴17に前記支持部14に設けられたピン15が挿入されている。
【0024】
また、図3,4に示されているように、前記第一のアーム7の根本部分に該第一のアーム7の軸方向に長穴8が設けられていると共に、この長穴8に前記芯棒3の芯軸4が挿入されており、そして、前記第二のアーム16の根本部分に該第二のアーム16の軸方向に長穴17が設けられていると共に、この長穴17に前記支持部14に設けられたピン15が挿入されていると、マグネットローラ5及び成形用磁性体コロ11が、それぞれ、該第一のアーム7の軸方向及び該第二のアーム16の軸方向に移動可能となって、定着ローラ2がその内側に挿入されたマグネットローラ5によって補強され、そのために、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きないさらに安定した品質の定着ローラ2を製造することができる。
【0025】
かかる定着ローラの製造装置20を用いて定着ローラ2を製造するには、まず、主軸側センター1に定着ローラ2をセットした後、マグネットローラ5を芯棒3と共に定着ローラ2の内部に挿入する。この時、図2における波線で示す位置に、マグネットローラ5が自重で下がると共に、成形用磁性体コロ11も自重で下がるので、マグネットローラ5と成形用磁性体コロ11との間のクリアランス9を大きくすることができ、そのために、定着ローラ2を定着ローラの製造装置20にセットしやすくなる。
【0026】
定着ローラ2の端面は、スラストベアリング18で保持される。このような状態で主軸側センター1を矢印で示すように回転させて、成形用磁性体コロ11を定着ローラ2に近づけていくと、成形用磁性体コロ11と定着ローラ2の内部のマグネットローラ5とが互いに磁力で引き合うので、定着ローラ2、成形用磁性体コロ11、及び、マグネットローラ5は、常に同一線上において一定の圧力で接触することができ、そのために、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜を平滑にしても、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きないさらに安定した品質の定着ローラを製造することができる。
【0027】
また、前述のとおり、前記定着ローラ2の一方の端面が、前記定着ローラの製造装置20における置駆動側に設けられた回転可能な主軸センター1にセットされると共に、前記定着ローラ2の他方の端面が、前記定着ローラの製造装置20における反置駆動側に設けられたスラストベアリング18で固定されると、定着ローラ2自体に多少の振れがあっても振れを解消しながら、定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面を平滑にすることができ、そのために、さらに安定した品質の定着ローラ2を製造することができる。
【0028】
前記マグネットローラ5は、好ましくは、電磁石で構成されている。このように、前記マグネットローラが電磁石で構成されていると、該マグネットローラ5の磁力を可変することができ、そのために、定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜の粗さを任意に設定することができる。
【0029】
また、本発明の定着ローラの製造装置20においては、好ましくは、純鉄製リング13が前記成形用磁性体コロ11に組み込まれている。このように、純鉄製リング13が前記成形用磁性体コロ11に組み込まれていると、より強い磁力が得られ、そのために、さらに安定した品質の定着ローラ2を製造することができる。
【0030】
次に、本発明の定着ローラの製造方法を図1,2を用いて説明する。本発明の定着ローラの製造方法においては、薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ロ−ラ2の表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面を平滑にする。そして、本発明の定着ローラの製造においては、前記該薄肉化された円筒状の芯金を有する定着ローラ2の内側に挿入されるマグネットローラ5と、前記定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロ11と、の磁力による互いに引き合う性質を用いて、該定着ローラ2の表面に塗布された離型剤塗布膜を平滑化する。このように、前記該薄肉化された円筒状の芯金を有する定着ローラ2の内側に挿入されるマグネットローラ5と、前記定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロ11と、の磁力による互いに引き合う性質を用いて、該定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜、例えば、フッ素樹脂塗布膜に成形用磁性体コロ11を押し当てて該定着ローラ2の表面の離型剤塗布膜を平滑にすると、たわみ、つぶれ等の塑性変形の起きない安定した品質の定着ローラ2を製造することができる。
【0031】
前記定着ローラ2は、例えば、芯金、前記芯金上に設けた耐熱性ゴムで構成される弾性層、及び、前記弾性層上に塗布されたフッ素樹脂塗布膜等の離型剤塗布膜を有したものである。前記フッ素樹脂は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等フッ素系樹脂、又は、これらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたものであるが、好ましくは、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造装置の一部断面平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造装置の側面図である。
【図3】マグネットローラが第一のアームによって芯棒に固定されることを示す説明図であって、(a)は、側面の説明図であり、そして、(b)は、(a)におけるA−A線断面図である。
【図4】成形用磁性体コロが第二のアームによって支持部に固定されることを示す説明図であって、(a)は、側面の説明図であり、そして、(b)は、(a)におけるB−B線一部断面説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 主軸センター
2 定着ローラ
3 芯棒
4 (芯棒の)芯軸
5 マグネットローラ
6 (マグネットローラの)芯軸
7 第一のアーム
8 (第一のアームの)長穴
9 クリアランス
11 成形用磁性体コロ
12 (成形用磁性体コロの)芯軸
13 純鉄製リング
14 支持部
15 ピン
16 第二のアーム
17 (第二のアームの)長穴
18 スラストベアリング
20 定着ローラの製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、該定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、を有する定着ローラの製造装置であって、
(イ)前記マグネットローラが、該マグネットローラと平行に設けられた芯棒の芯軸を支点にして摺動可能とした第一のアームの先端近傍に該マグネットローラの芯軸によって回転可能に固定され、そして、
(ロ)前記成形用磁性体コロが、前記マグネットローラと平行に移動する断面コの字の支持部の内側における一方の面と他方の面とに固定されたピンを支点にして摺動可能とした、第二のアームの先端近傍に該成形用磁性体コロの芯軸によって回転可能に固定されている
ことを特徴とする定着ローラの製造装置。
【請求項2】
(イ)前記第一のアームの根本部分に該第一のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記芯棒の芯軸が挿入されており、そして、
(ロ)前記第二のアームの根本部分に該第二のアームの軸方向に長穴が設けられていると共に、この長穴に前記支持部に設けられたピンが挿入されている
ことを特徴とする請求項1に記載の定着ローラの製造装置。
【請求項3】
前記定着ローラの一方の端面が、前記定着ローラの製造装置における置駆動側に設けられた回転可能な主軸センターにセットされると共に、前記定着ローラの他方の端面が、前記定着ローラの製造装置における反置駆動側に設けられたスラストベアリングで固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ローラの製造装置。
【請求項4】
前記マグネットローラが、電磁石で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着ローラの製造装置。
【請求項5】
純鉄製リングが、前記成形用磁性体コロに組み込まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着ローラの製造装置。
【請求項6】
薄肉化された円筒状の芯金を有する加熱溶融された定着ローラの表面の離型剤塗布膜に成形用磁性体コロを押し当てて該定着ローラの表面を平滑にする定着ローラの製造において、
前記該薄肉化された円筒状の芯金を有する定着ローラの内側に挿入されるマグネットローラと、前記定着ローラの表面の離型剤塗布膜に押し当てられる磁性体で構成される成形用磁性体コロと、の磁力による互いに引き合う性質を用いて、該定着ローラの表面に塗布された離型剤塗布膜を平滑化することを特徴とする定着ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−52249(P2007−52249A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237469(P2005−237469)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】