説明

定着装置およびこれを備える画像形成装置

【課題】記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部までの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部での記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体が加圧ローラ側へ撓むのを防止することができる定着装置およびこれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】定着ローラ91は、基部91Aと、その外周側に設けられた定着側弾性層91Bとを有し、加圧ローラ92は、基部92Aと、その外周側に設けられた加圧側弾性層92Bと、記録媒体の通過方向におけるニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層92Bの変形量を調整する変形量調整手段とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置およびこれを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用するプリンタ、コピー、ファクシミリなどの画像形成装置には、トナー像を担持する感光ドラムや中間転写ベルト等のトナー像担持体からトナー像の転写を未定着状態で受けた紙等の記録媒体を加圧しながら加熱することにより、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置が備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる定着装置は、例えば、互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラと、この定着ローラを加熱するヒータとを有している。定着動作時には、記録媒体上のトナー像を定着ローラ側にして、定着ローラおよび加圧ローラの圧接により形成されたニップ部に、記録媒体を通紙することにより、記録媒体を加熱および加圧して、記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させる。
従来、加圧ローラの硬度が周方向にて均一である。したがって、記録媒体の搬送方向におけるニップ部の上流側と下流側での定着ローラおよび/または加圧ローラの変形量は同じになり、また、ニップ部では、定着ローラが加圧ローラに食い込むようにして、主として加圧ローラが変形する。
【0003】
ところで、近年の画像形成装置の小型化により、一般に、トナー像担持体から記録媒体へのトナー像の転写位置と、定着ローラおよび加圧ローラの圧接により形成されたニップ部との間の距離が小さくなっている。このような場合、通常、トナー像担持体から記録媒体へトナー像を安定的に転写するために、ニップ部での記録媒体の搬送速度が転写位置での記録媒体の搬送速度よりも遅くなっている。その結果、記録媒体は、転写位置とニップとの間で撓むようになる。
【0004】
しかし、従来では、ニップ部にて、定着ローラが加圧ローラに食い込むようにして、主として加圧ローラが変形しているため、ニップ部に突入した記録媒体に対し定着ローラ側へもたらす力が生じる。その結果、記録媒体がトナー像担持体側へ撓んで、トナー像担持体と記録媒体との距離が小さくなって、一旦記録媒体上に転写されたトナー像がトナー像担持体に再転写して、画像品位を低下させるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】特公昭59−7390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部までの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部での記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体が加圧ローラ側へ撓むのを防止することができる定着装置およびこれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の定着装置は、互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラと、
前記定着ローラを加熱するヒータとを有し、
前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接により形成されたニップ部に、未定着像を担持する記録媒体を通過させて、前記記録媒体を加熱・加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着装置であって、
前記定着ローラは、基部と、その外周側に設けられた定着側弾性層とを有し、
前記加圧ローラは、基部と、その外周側に設けられた加圧側弾性層と、前記記録媒体の通過方向における前記ニップ部の上流側での圧接力を前記ニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように前記加圧側弾性層の変形量を調整する変形量調整手段とを有していることを特徴とする。
【0008】
これにより、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側における定着ローラの外周面が加圧ローラ側を凸面とする湾曲面となる。このような湾曲面は、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側で記録媒体を加圧ローラ側の位置へもたらす。したがって、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部までの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部での記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体は加圧ローラ側へ撓むこととなる。その結果、記録媒体が中間転写体等のトナー像担持体からトナーの転写を受ける際に、転写位置を通過した後の記録媒体の領域がトナー像担持体に接近して記録媒体上のトナー像がトナー像担持体に再転写するのを防止して、良好な画像を得ることができる。
【0009】
本発明の定着装置では、前記変形量調整手段は、前記加圧側弾性層内において、前記加圧ローラの軸線方向と平行な方向に延び、かつ、その横断面が前記加圧側弾性層の内周側から外周側へ向けて延びる長手形状をなし、前記加圧側弾性層の他の部分よりも容易に変形する変形容易部で構成され、前記変形容易部の横断面は、その長手方向が前記加圧ローラの半径方向に対し傾斜し、かつ、前記長手形状の前記加圧側弾性層の外周側の端部が前記加圧ローラの回転方向下流側に向いていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0010】
本発明の定着装置では、前記変形容易部は、前記加圧側弾性層に形成された孔であることが好ましい。
これにより、より簡単な構成で、加圧側弾性層に変形容易部を形成することができる。
本発明の定着装置では、前記変形容易部の横断面形状は、長方形または楕円形であることが好ましい。
これにより、より簡単な構成で、加圧側弾性層に変形容易部を形成することができる。
【0011】
本発明の定着装置では、前記変形容易部は、前記加圧ローラの軸線方向でのほぼ全域に亘って形成されていることが好ましい。
これにより、定着ローラの軸線方向全域に亘って、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側における定着ローラの外周面を加圧ローラ側を凸面とする湾曲面とすることができる。その結果、より確実に、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0012】
本発明の定着装置では、前記変形容易部は、前記加圧ローラの軸線方向での端部が先細りとなっていることが好ましい。
これにより、変形容易部の端部からその隣接部へ加圧側弾性層の変形量を徐々に変化させて、変形容易部の端部とその隣接部との間での加圧側弾性層の変形量の急激な変化を防止して、加圧側弾性層の耐久性の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の定着装置では、前記変形容易部は、前記加圧ローラの周方向に複数点在していることが好ましい。
これにより、常に、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。したがって、記録媒体がニップ部に突入するタイミングを加圧ローラの回転状態と同期させなくても、ニップ部の上流側の記録媒体を加圧ローラ側にもたらすことができる。
【0014】
本発明の定着装置では、前記変形容易部は、前記加圧ローラの外周面側に偏在していることが好ましい。
これにより、変形容易部の形状効果をより効果的に発現させて、より確実に、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0015】
本発明の定着装置では、前記変形容易部の横断面における長手方向での長さをL[mm]とし、前記変形容易部の横断面における長手方向に直角な方向での長さをL[mm]としたときに、L/Lが0.2〜0.8であることが好ましい。
これにより、より確実に、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0016】
本発明の定着装置では、前記変形容易部の横断面にてその長手方向に延びる線と、前記変形容易部の横断面の前記他端を通り前記加圧ローラの半径方向に延びる線とのなす角をθ[°]としたときに、θが0〜45[°]であることが好ましい。
これにより、より確実に、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0017】
本発明の画像形成装置は、一連の画像形成プロセスによって画像を記録媒体に記録する画像形成装置であって、本発明の定着装置を備えることを特徴とする。
これにより、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部までの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部での記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体が加圧ローラ側へ撓むのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の定着装置およびこれを備える画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図4に基づき説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の1実施形態を示す全体構成の模式的断面図、図2は、図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置の好適な実施形態を示す模式的断面図、図3は、図2におけるA−A線断面図、図4は、図2に示す定着装置の部分拡大図、図4は、図2に示す定着装置の他の形態を説明するための部分拡大図である。
【0019】
§画像形成装置§
本発明の定着装置に先立ち、本発明の定着装置を備える画像形成装置を簡単に説明する。
本実施形態の画像形成装置10は、一連の画像形成プロセスによって画像を記録媒体に記録するものであり、図1に示すように、静電的な潜像を担持し図示矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75が配設されている。また、画像形成装置10は、図1にて下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ82を有し、その給紙トレイ82に対して記録媒体Pの搬送方向下流に、二次転写ユニット80、定着装置90が記録媒体Pの搬送方向に沿って順次配設されている。また、二次転写ユニット80と定着装置90との間には、搬送ガイド87が配設されている。
【0020】
感光体20は、円筒状の導電性基材(図示せず)と、その外周面に形成された感光層(図示せず)とを有し、その軸線まわりに図1中矢印方向に回転可能となっている。
帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光体20上に、レーザを照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
【0021】
現像ユニット50は、ブラック現像装置51と、マゼンタ現像装置52と、シアン現像装置53と、イエロー現像装置54との4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、潜像をトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いて現像を行う。
【0022】
本実施形態における現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に感光体20に対向するように、回転可能となっている。具体的には、この現像ユニット50は、軸50aを中心として回転可能な保持体55の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、保持体55の回転により、4つの現像装置51、52、53、54が相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。
【0023】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色のトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。中間転写体70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。
【0024】
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体Pに転写するための装置である。
搬送ガイド87は、二次転写ユニット80でトナー像の転写を受けた記録媒体Pの裏面(トナー像を担持する面と反対側の面)と摺接しながら、この記録媒体Pを定着装置90へ案内するものである。
【0025】
定着装置90は、前述したようにトナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、記録媒体P上のトナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。なお、定着装置90については、後に詳述する。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接する例えばゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
【0026】
次に、このように構成された画像形成装置10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写体70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転しながら、帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた露光処理を受ける。これにより、感光体20上に第1色目の画像情報に応じた潜像が形成される。
【0027】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、現像位置にて感光体20と対向している。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。このとき、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0028】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部に回収される。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0029】
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ82から、給紙ローラ84、レジローラ86によって二次転写ユニット80へ搬送される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体Pに転写される。このとき、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
記録媒体Pに転写されたフルカラートナー像は、定着装置90によって加熱および加圧されて記録媒体Pに融着される。
【0030】
§定着装置§
ここで、定着装置90を図2ないし図4に基づいて詳細に説明する。
定着装置90は、図2に示すように、互いに圧接回転する定着ローラ91および加圧ローラ92と、定着ローラ91を加熱するためのヒータ93と、定着ローラ91の温度を検知するための温度検知体94と、定着ローラ91および加圧ローラ92のそれぞれの周面の一部を覆うカバー95とを有している。
【0031】
この定着装置90は、定着ローラ91および加圧ローラ92の圧接により形成されるニップ部Nに対し、図2にて下方から、未定着像を担持する記録媒体がニップ部Nへ搬送され、前記記録媒体を加熱および加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる。本実施形態では、ニップ部Nに搬送される記録媒体は定着ローラ91側に未定着像を担持している。
定着ローラ91は、円筒状をなし、その軸線まわりに回転可能となっている。
【0032】
また、定着ローラ91は、図2および図3に示すように、円柱状をなす金属製の基部(芯金)91Aと、基部91Aの外周面を覆う定着側弾性層91Bと、定着側弾性層91Bの外周面を覆う離型層91Cとを有している。
また、離型層91Cの厚さは、10〜80μmであるのが好ましく、20〜50μmであるのがより好ましい。これにより、離型層91Cに必要な強度を保ちつつ、定着側弾性層91Bの弾性を十分に発揮させることができる。
【0033】
また、離型層91Cの構成材料としては、例えば、PTFE、PFAなどを好適に用いることができる。
また、定着側弾性層91Bの厚さは、0.3〜5mmであるのが好ましく、0.3〜3mmであるのがより好ましい。これにより、定着側弾性層91Bの耐久性とヒータ93から定着ローラ91の外周面への熱伝導性とを優れたものとしつつ、後述するような比較的小さい湾曲面を定着ローラ91の外周面に形成することができる。
【0034】
また、定着ローラ91の内部空間には、ヒータ93が配設され、定着ローラ91は、ヒータ93により加熱される。これにより、加圧ローラ92において、後述する加圧側弾性層92Bの弾性を十分に発揮させて、十分なニップ部幅を得つつ、定着ローラ91を効率よく加熱して、ニップ部Nの温度を安定的なものとすることができる。
このような定着ローラ91の温度を検知するための温度検知体94は、例えばサーミスタであり、定着ローラ91の周面に接触または近接して設けられている。このような温度検知体94によって検知された温度に基づき、図示しない制御手段により、定着ローラ91の外表面が目標温度となるように、前述したヒータ93の駆動が制御される。
【0035】
加圧ローラ92は、円筒状または円柱状をなし、その軸線まわりに回転可能となっているとともに、定着ローラ91に圧接している。
また、加圧ローラ92は、図2および図3に示すように、円柱状をなす金属製の基部(芯金)92Aと、基部92Aの外周面を覆う加圧側弾性層92Bと、加圧側弾性層92Bの外周面を覆う離型層92Cとを有している。
加圧側弾性層92Bの構成材料としては、例えば、Siゴム、EPDM、フッ素ゴムなどを好適に用いることができる。
【0036】
また、加圧側弾性層92Bは、図2ないし図4に示すように、加圧ローラ91の軸線に平行な方向に延びる孔として形成された変形容易部92B1を有している。このような変形容易部92B1の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、基部92A上に均質な弾性層を形成した後に、これにドリルやレーザ等により穿孔する方法、中空弾性部材を予め基部92A上に配置し、その上に弾性材料を付与する方法、弾性層を押出し成型する際に、予め孔を設けた形状に押出し成型する方法等が挙げられる。
【0037】
この変形容易部92B1は、加圧側弾性層92Bの他の部分よりも容易に変形するものであり、図4に示すように、その横断面が加圧側弾性層92Bの内周側から外周側に向けて延びる長手形状(本実施形態では楕円形状)をなしている。そして、変形容易部92B1の横断面は、その長手方向が加圧ローラ92の半径方向に対し傾斜し、かつ、長手形状の加圧側弾性層92Bの外周側の端部が加圧ローラ92の回転方向下流側に向いている。
【0038】
このような変形容易部92B1は、その横断面の長手方向での外力に対しては、比較的剛性が高いため、変形量が少なく、その横断面の長手方向に直角な方向(すなわち、幅方向)での外力に対しては、比較的剛性が低いため、変形量が大きくなる。したがって、変形容易部92B1は、図4に示すように、その横断面の長手形状の外周側端部が加圧ローラ92の回転方向下流側に向いているため、記録媒体の通過方向におけるニップ部Nの上流側(以下、ニップ部Nの上流側という)では変形量が小さく、記録媒体の通過方向におけるニップ部Nの下流側(以下、ニップ部Nの下流側という)では変形量が大きくなる。その結果、ニップ部Nの上流側での圧接力がニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくなる。
すなわち、変形容易部92B1は、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように、加圧側弾性層92Bの変形量を調整する変形量調整手段を構成する。
【0039】
ニップ部Nの上流側での圧接力がニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくなると、ニップ部Nの上流側における定着ローラ91の外周面が加圧ローラ92側を凸面とする湾曲面となる。これにより、ニップ部Nの上流側で記録媒体を加圧ローラ92側(すなわち、搬送ガイド87側)の位置へもたらす。したがって、記録媒体へのトナー像の転写位置(すなわち、中間転写体70と二次転写ユニット80との対向部)からニップ部Nまでの距離が短く、かつ、ニップ部Nでの記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合にあっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体は加圧ローラ92側へ撓むこととなる。その結果、記録媒体が中間転写体70からトナーの転写を受ける際に、転写位置を通過した記録媒体の領域が中間転写体70に接近して記録媒体上のトナー像が中間転写体70に再転写するのを防止することができる。
【0040】
本実施形態では、変形容易部92B1が加圧側弾性層92Bに形成された孔であるので、より簡単な構成で、加圧側弾性層92Bに変形容易部92B1を形成することができる。
また、変形容易部92B1の横断面形状が楕円形であるので、より簡単な構成で、加圧側弾性層92Bに変形容易部92B1を形成することができる。なお、変形容易部92B1の横断面形状は、図5に示すように、長方形であってもよく、この場合も、変形容易部92B1の横断面形状が楕円形である場合と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、変形容易部92B1は、図3に示すように、加圧ローラ92の軸線方向でのほぼ全域に亘って形成されている。これにより、定着ローラ91の軸線方向全域に亘って、ニップ部Nの下流側における定着ローラ91の外周面を湾曲面Rとすることができる。その結果、より確実に、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することができる。
【0042】
また、変形容易部92B1は、図2に示すように、加圧ローラ92の周方向に複数点在している。これにより、常に、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層92Bの変形量を調整することができる。したがって、記録媒体がニップ部Nに突入するタイミングを加圧ローラ92の回転状態と同期させなくても、ニップ部Nの上流側の記録媒体を加圧ローラ92側にもたらすことができる。
【0043】
また、変形容易部92B1は、図2および図4に示すように、加圧側弾性層92Bの外周面側に偏在している。これにより、変形容易部92B1の形状効果をより効果的に発現させて、より確実に、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層92Bの変形量を調整することができる。
また、加圧側弾性層92Bの厚さは、0.3〜10mmであるのが好ましく、0.6〜8mmであるのがより好ましい。これにより、加圧側弾性層92Bの耐久性を優れたものとしつつ、ニップ部Nの幅を十分なものとすることができる。
【0044】
また、変形容易部92B1の横断面における長手方向での長さをL[mm]とし、変形容易部92B1の横断面における長手方向に直角な方向での長さをL[mm]としたときに、L/Lが0.2〜0.8であるのが好ましく、0.3〜0.6であるのがより好ましい。これにより、より確実に、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層92Bの変形量を調整することができる。
【0045】
また、変形容易部92B1の横断面の長手方向に延びる線と、変形容易部92B1の横断面の中心を通り加圧ローラ92の半径方向に延びる線とのなす角をθ[°]としたときに、θが0〜45[°]であるのが好ましく、10〜30[°]であるのがより好ましい。これにより、より確実に、ニップ部Nの上流側での圧接力をニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層92Bの変形量を調整することができる。
【0046】
また、離型層92Cの厚さは、10〜80μmであるのが好ましく、20〜50μmであるのがより好ましい。これにより、離型層92Cに必要な強度を保ちつつ、加圧側弾性層92Bの弾性を十分に発揮させることができる。
また、離型層92Cの構成材料としては、例えば、PTFE、PFAなどを好適に用いることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の定着装置90は、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部Nまでの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部Nでの記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体が加圧ローラ92側へ撓むのを防止することができる。その結果、記録媒体から中間転写体70へのトナー像の再転写を防止して、良好な画像を形成することができる。
【0048】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を図6に基づき説明する。以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図6は、本実施形態の定着装置を説明するための図である。
本実施形態の定着装置90’は、加圧ローラの加圧側弾性層の構成が異なる以外は、第1実施形態の定着装置90と同様である。
【0049】
定着装置90’に備えられた加圧ローラ92’は、図6に示すように、加圧ローラ92’の軸線方向における加圧側弾性層92’Bの両端部にのみ、加圧ローラ91の軸線に平行な方向に延びる孔として形成された変形容易部92’B1が形成されている。
これにより、ニップ部Nの長手方向(定着ローラ91の軸線に平行な方向)での端部においてのみ、ニップ部Nの上流側での圧接力がニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくなる。また、加圧ローラ92’の軸線方向における加圧側弾性層92’Bの端部での硬度が中央部での硬度よりも小さくなっている。
【0050】
したがって、定着ローラ91の軸線方向での端部においては、ニップ部Nの上流側における定着ローラ91の外周面が加圧ローラ92’側を凸面とする湾曲面となり、前述した第1実施形態と同様に、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部Nまでの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部Nでの記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部との間で記録媒体が加圧ローラ92’側へ撓むのを防止することができる。
【0051】
これに加えて、本実施形態では、加圧ローラ92’の軸線方向における加圧側弾性層92’Bの端部での硬度が中央部での硬度よりも小さくなっているため、ニップ部Nの長手方向(加圧ローラ92’の軸線に平行な方向)における端部の幅が中央部の幅よりも大きくなる。その結果、記録媒体は、ニップ部Nを通過している範囲において、その幅方向(ニップ部Nの長手方向)での端部側が中央部側よりも定着ローラ91側に巻き付くような状態、すなわち幅方向に湾曲した状態となる。これにより、ニップ部N通過後の記録媒体のコシが増大して、定着ローラ91に接触する部材を設けなくても、定着後の記録媒体を定着ローラ91から剥離することができる。
【0052】
また、図6に示すように、加圧ローラ92’の軸線方向における変形容易部92’B1の端部が先細りとなっている。これにより、変形容易部92’B1の端部からその隣接部へ加圧側弾性層92’Bの変形量を徐々に変化させて、変形容易部92’B1の端部とその隣接部との間での加圧側弾性層92’Bの変形量の急激な変化(ストレスの発生)を防止して、加圧側弾性層92’Bの耐久性の向上を図ることができる。
【0053】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を図7に基づき説明する。以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図7は、本実施形態の定着装置を説明するための図である。
本実施形態の定着装置90’’は、加圧ローラの加圧側弾性層の構成が異なる以外は、第1実施形態の定着装置90と同様である。
【0054】
定着装置90’’に備えられた加圧ローラ92’’は、図7に示すように、加圧ローラ92’’の軸線方向における加圧側弾性層92’’Bの中央部にのみ、加圧ローラ91の軸線に平行な方向に延びる孔として形成された変形容易部92’’B1が形成されている。
これにより、ニップ部Nの長手方向(定着ローラ91の軸線に平行な方向)での中央部においてのみ、ニップ部Nの上流側での圧接力がニップ部Nの下流側での圧接力よりも大きくなる。また、加圧ローラ92’’の軸線方向における加圧側弾性層92’’Bの端部での硬度が中央部での硬度よりも小さくなっている。
【0055】
したがって、定着ローラ91の軸線方向での中央部においては、ニップ部Nの上流側における定着ローラ91の外周面が加圧ローラ92’’側を凸面とする湾曲面となり、前述した第1実施形態と同様に、記録媒体へのトナー像の転写位置からニップ部Nまでの距離が記録媒体の搬送方向での長さよりも短く、かつ、ニップ部Nでの記録媒体の通過速度が転写位置での記録媒体の通過速度より遅い場合であっても、転写位置とニップ部Nとの間で記録媒体が加圧ローラ92’’側へ撓むのを防止することができる。
【0056】
これに加えて、本実施形態では、加圧ローラ92’の軸線方向における加圧側弾性層92’Bの中央部での硬度が端部での硬度よりも小さくなっているため、加圧ローラ92’’の軸線方向での端部の回転方向での撓みが抑えられる。その結果、加圧ローラ92’’の軸線方向での端部と中央部とでその外径(周長)が同じであっても、ニップ部Nの長手方向(加圧ローラ92’の軸線に平行な方向)全域に亘って、ニップ部Nの幅を均一なものとすることができる。これにより、ニップ部Nの幅方向での端部と中央部とでの記録媒体の搬送速度差により定着後の記録媒体に皺が生じるのを防止しつつ、良好な定着性を得ることができる。
【0057】
また、図7に示すように、加圧ローラ92’’の軸線方向における変形容易部92’’B1の端部が先細りとなっている。これにより、変形容易部92’’B1の端部からその隣接部へ加圧側弾性層92’’Bの変形量を徐々に変化させて、変形容易部92’’B1の端部とその隣接部との間での加圧側弾性層92’’Bの変形量の急激な変化(ストレスの発生)を防止して、加圧側弾性層92’’Bの耐久性の向上を図ることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
例えば、本発明の定着装置および画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
本発明の変形量調整手段は、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整するものであれば、前述した実施形態に限定されない。例えば、前述した実施形態のような変形容易部に代えて、加圧側弾性層の他の部分よりも変形し難い難変形部を加圧側弾性層内または基部に設けて、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整することもできる。
【0059】
また、前述した実施形態では、変形容易部が加圧側弾性層に形成された孔として形成されたものについて説明したが、変形容易部は、加圧側弾性層の他の部分よりも容易に変形するものであればよい。例えば、加圧側弾性層に形成された孔に、加圧側弾性層の他の部分よりも容易に変形な材料が充填されていてもよい。
また、変形容易部の形状、位置、大きさは、加圧側弾性層の他の部分よりも容易に変形し、かつ、記録媒体の通過方向におけるニップ部の上流側での圧接力をニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように加圧側弾性層の変形量を調整するものであれば任意である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる画像形成装置の全体構成を示す模式的断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置を示す模式的断面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図2に示す定着装置の部分拡大断面図である。
【図5】図2に示す定着装置の他の形態を説明するための部分拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における定着装置を説明するための図である。
【図7】本発明の第3実施形態における定着装置を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
10‥‥‥画像形成装置 20‥‥‥感光体 30‥‥‥帯電ユニット 40‥‥‥露光ユニット 50‥‥‥現像ユニット 50a‥‥‥軸 51‥‥‥ブラック現像装置 52‥‥‥マゼンタ現像装置 53‥‥‥シアン現像装置 54‥‥‥イエロー現像装置 55‥‥‥保持体 55a〜55d‥‥‥保持部 60‥‥‥一次転写ユニット 70‥‥‥中間転写体 75‥‥‥クリーニングユニット 76‥‥‥クリーニングブレード 80‥‥‥二次転写ユニット 82‥‥‥給紙トレイ 84‥‥‥給紙ローラ 86‥‥‥レジローラ 87‥‥‥搬送ガイド 90、90’、90’’‥‥‥定着装置 91‥‥‥定着ローラ(回転体) 91A‥‥‥基部 91B‥‥‥定着側弾性層 91C‥‥‥離型層 92、92’、92’’‥‥‥加圧ローラ(回転体) 92A‥‥‥基部 92B、92’B‥‥‥加圧側弾性層 92B1、92’B1、92’’B1‥‥‥変形容易部 92C‥‥‥離型層 93‥‥‥ヒータ 94‥‥‥温度検知体 95‥‥‥カバー N‥‥‥ニップ部 P‥‥‥記録媒体 R‥‥‥湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラと、
前記定着ローラを加熱するヒータとを有し、
前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接により形成されたニップ部に、未定着像を担持する記録媒体を通過させて、前記記録媒体を加熱・加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着装置であって、
前記定着ローラは、基部と、その外周側に設けられた定着側弾性層とを有し、
前記加圧ローラは、基部と、その外周側に設けられた加圧側弾性層と、前記記録媒体の通過方向における前記ニップ部の上流側での圧接力を前記ニップ部の下流側での圧接力よりも大きくするように前記加圧側弾性層の変形量を調整する変形量調整手段とを有していることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記変形量調整手段は、前記加圧側弾性層内において、前記加圧ローラの軸線方向と平行な方向に延び、かつ、その横断面が前記加圧側弾性層の内周側から外周側へ向けて延びる長手形状をなし、前記加圧側弾性層の他の部分よりも容易に変形する変形容易部で構成され、前記変形容易部の横断面は、その長手方向が前記加圧ローラの半径方向に対し傾斜し、かつ、前記長手形状の前記加圧側弾性層の外周側の端部が前記加圧ローラの回転方向下流側に向いている請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記変形容易部は、前記加圧側弾性層に形成された孔である請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記変形容易部の横断面形状は、長方形または楕円形である請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記変形容易部は、前記加圧ローラの軸線方向でのほぼ全域に亘って形成されている請求項2ないし4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記変形容易部は、前記加圧ローラの軸線方向での端部が先細りとなっている請求項2ないし5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記変形容易部は、前記加圧ローラの周方向に複数点在している請求項2ないし6のいずれかに記載の定着装置。
【請求項8】
前記変形容易部は、前記加圧ローラの外周面側に偏在している請求項2ないし7のいずれかに記載の定着装置。
【請求項9】
前記変形容易部の横断面における長手方向での長さをL[mm]とし、前記変形容易部の横断面における長手方向に直角な方向での長さをL[mm]としたときに、L/Lが0.2〜0.8である請求項2ないし8のいずれかに記載の定着装置。
【請求項10】
前記変形容易部の横断面にてその長手方向に延びる線と、前記変形容易部の横断面の前記他端を通り前記加圧ローラの半径方向に延びる線とのなす角をθ[°]としたときに、θが0〜45[°]である請求項2ないし9のいずれかに記載の定着装置。
【請求項11】
一連の画像形成プロセスによって画像を記録媒体に記録する画像形成装置であって、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−251249(P2006−251249A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66373(P2005−66373)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】