説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】非通紙時に定着部材と加圧部材とを離間させる定着装置において、ブリスタの発生を抑制するとともにファーストプリント時間を無駄に長くしない定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト12と、定着ベルト12に当接しニップ部を形成する加圧ローラ13と、加圧ローラ13を定着ベルト12との圧接方向及び離脱方向への移動可能に支持するニップ圧付与機構部30と、を備え、ニップ圧付与機構部30は、定着処理の時に加圧ローラ13を定着ベルト12に所定のニップ圧で圧接させ、前記定着処理の前に該定着処理の条件に応じた定着ベルト12と加圧ローラ13との離間量tで該加圧ローラ13を定着ベルト12から離脱させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニップ圧付与機構部を有する定着装置、及び該定着装置を備える複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機やレーザプリンター等の画像形成装置においては、電子写真方式を用いて感光体ドラム等の画像担持体にトナー画像を形成し、該トナー画像を用紙に転写し、そのトナー画像を担持する用紙を定着装置を通して定着してコピーを作成する手段を用いている。
【0003】
前記定着装置としては、一般の熱ローラ方式又はベルト方式の熱定着装置が用いられている。すなわち、熱ローラ方式は、加熱源を設けた定着ローラと加圧ローラとを所定の圧力(ニップ圧)で当接させてニップ部を形成するものであり、ベルト方式は、例えば定着ローラ、加熱ローラを含む複数のローラに張架した定着ベルトを挟んで定着ローラと加圧ローラを所定のニップ圧で当接させてニップ部を形成するものである。いずれの方式においても、前記ニップ部にトナー画像を担持する用紙を通過させて、ニップ部より熱と圧力を加えてトナー画像を定着することを行う。
【0004】
ここで、定着ローラや加圧ローラには表層に弾性体層が形成されており、該定着ローラと加圧ローラを静止状態で当接させたまま、そのニップ圧力を長期間保持するようにしていると、定着ローラ及び加圧ローラの弾性体層に永久変形が生じてしまい、ニップ圧力が開放されても前記弾性体層の変形が元に戻らず、以降の定着処理においてニップ部で騒音や画質品質の低下が発生する問題が発生した。
【0005】
この対策として、定着ローラに加圧ローラを圧接するための圧力を付与する加圧手段と、前記加圧手段の加圧力に抗して定着ローラに対する加圧ローラの圧接状態を解除する加圧解除手段を持つ加圧手段(ニップ圧付与機構)の構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、前記定着装置において、フレームに支持される加熱ローラに対して、加圧ローラアームに支持される加圧ローラを、スプリングを用いて押圧するニップ圧付与機構を備える構成が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このとき、ニップ圧付与機構における加圧ローラアームとカム装置により揺動される揺動レバーとの間に、接続レバー部材とスプリングとを配置し、カム装置によりニップ圧力を設定する際に、カム変位量はスプリングを介して伝わる構成としている。また、ニップ圧を解除する場合には、スプリングの張力を開放する状態で、加圧ローラを離間させるようにしている(加圧解除手段)。
【0007】
また、画像形成装置によって作像、転写された未定着画像を用紙に定着する際、用紙の種類、サイズなどの条件により予め定められた多段階の加圧ローラと定着ローラとの加圧力設定値のうち最適なものを選択し加圧力を変更する手段として、駆動装置の動作量に応じて加圧力を変化させる加圧力調節装置と、加圧力が基準となる所定の値にあることを検知する検知装置と、駆動装置の動作量を任意に設定可能な制御装置とを有する定着装置で、且つ転写紙の通紙が行われていない時には基準位置まで加圧力を戻すニップ圧付与機構の構成が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、ある条件下でトナー画像を形成するとブリスタを発生するという問題があった。このブリスタには、ペーパブリスタとトナーブリスタが知られている。
【0009】
ペーパブリスタとは、トナー画像の加熱定着時に用紙(記録媒体ともいう)内部の水分が加熱されて水蒸気を発生し、用紙内部の水蒸気圧が上昇することで、この水蒸気が用紙の外に排出されようとするが、用紙としてコート紙を使用しており用紙表面の塗工層が阻害してその排出がスムーズにいかない場合、この水蒸気が用紙内部で急激に膨張して局所的なフクレを生ずるものである。
【0010】
また、上記のペーパブリスタに対し、トナーブリスタとは、用紙上にトナー画像が形成されている場合に起こるものである。トナーとトナーの隙間、トナーと用紙の隙間の空気(および水分)が定着される際に膨張するが、コート紙では塗工された用紙側あるいは裏面にトナー画像が形成された用紙の通気性が悪いためこの熱膨張した気体の逃げ場がなくなり、その結果、トナー層内に気泡が発生し、定着画像が乱れるという現象である。このトナーブリスタは、とくにコート紙の両面に画像形成する時に発生しやすかった。
【0011】
そこで、ブリスタ対応として(例えば、コート紙の両面画像形成時におけるすでにトナー画像が形成されている裏面(第1面)に対して)、加圧ローラの温度をある一定温度以上上昇させないために、非通紙時に定着部材(定着ローラまたは定着ベルト)に対して、加圧ローラを一定の間隔で離間させる機構が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、ブリスタの発生確率が少ない条件の画像形成の場合にも、画像形成しない時(非通紙時)に定着部材と加圧部材(加圧ローラ)を一定の間隔で離間させた状態としていると、いざ画像を形成しようとした時に前記加圧手段を動作させてその状態から定着部材に加圧ローラを押圧させてニップ幅を形成するまでに時間を要してしまい、ファーストプリント時間が無駄に長くなる不具合が発生する。
【0013】
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、非通紙時に定着部材と加圧部材とを離間させる定着装置において、ブリスタの発生を抑制するとともにファーストプリント時間を無駄に長くしない定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト12、定着ローラ12R)と、前記定着部材に当接しニップ部を形成する加圧部材(加圧ローラ13)と、前記加圧部材を前記定着部材との圧接方向及び離脱方向への移動可能に支持する圧接離脱機構部(ニップ圧付与機構部30)と、を備え、前記圧接離脱機構部は、定着処理の時に前記加圧部材を前記定着部材に所定のニップ圧で圧接させ(図2)、前記定着処理の前に該定着処理の条件に応じた前記定着部材と前記加圧部材との離間量で該加圧部材を前記定着部材から離脱させている(図5)ことを特徴とする定着装置(定着装置100、図1〜図5,図7)。
〔2〕 前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に前記加熱部材と接する面にトナー画像を有する用紙を通紙するときよりもトナー画像を有さない用紙を通紙するときを小とすることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔3〕 前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に用紙としてコート紙を通紙するときよりも非コート紙を通紙するときを小とすることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔4〕 前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に通紙する用紙の厚みで区分されて設定されることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔5〕 前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、当該定着装置近傍の湿度で区分されて設定されることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置200、図6)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、定着条件(両面画像形成・片面画像形成、紙種、紙厚、画像形成装置内の湿度)としてトナー画像にブリスタの発生確率が高い場合に対しては、定着処理前の時に、定着部材から加圧部材を十分に離間させて該加圧部材の温度上昇を抑制するので(通常離脱制御という)、トナー画像のブリスタの発生を防止することができる。また、定着条件としてブリスタの発生確率が少ない場合には、定着部材から加圧部材をあまり離間させないようにするので、ブリスタの発生をさせることなく前記通常離脱制御のときよりも画像形成処理が可能となるまでの所要時間(ファーストプリント時間)を短くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る定着装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る定着装置におけるニップ圧付与機構部の構成を示す概略図である。
【図3】図2のニップ圧付与機構部におけるアクチュエータ及び動力伝達機構の構成を示す概略図である。
【図4】図2のニップ圧付与機構部における加圧の様子を示す概略図である。
【図5】図2のニップ圧付与機構部における定着ベルトから加圧ローラの離脱状態を示す概略図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図7】本発明に係る定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る定着装置について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の一実施の形態における構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明に係る定着装置100は、定着カバー100cの内部に、定着部材である定着ローラ11と、定着ローラ11及び加熱ローラ14を含む複数のローラに一定のテンションで架け渡された定着ベルト12と、前記定着ローラ11に定着ベルト12を介して下側で回動可能に圧接し定着ニップ部(単にニップ部ともいう)Nを形成する加圧部材である加圧ローラ13と、前記定着ニップ部Nのシート排出側であって先端が定着ベルト12に近接して配置され定着ベルト12へのシートPの巻き付きを防止する分離爪16aと、前記定着ニップ部Nのシート排出側であって先端が加圧ローラ13に当接して配置され加圧ローラ13へのシートPの巻き付きを防止する分離爪16bと、クリーニングウェブを押し付けて定着ベルト12のクリーニングを行うクリーニング機構17と、を備える。また、定着ベルト12表層にシートPの剥離性を向上させるためのオイルを塗布するオイル塗布装置21と、加圧ローラ13表層にシートPの剥離性を向上させるためのオイルを塗布するオイル塗布装置22を備える。
【0018】
ここで、定着ローラ11は、金属の芯金ローラ表層にシリコンゴム層を有したものである。該シリコンゴム層は、ソリッドゴムからなるものとしてもよいが、ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト12の熱を吸収しにくいように、発泡(スポンジ状)のシリコンゴムを用いることが好ましい。
【0019】
また定着ベルト12は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性体層を形成した2層構造となっている。
【0020】
また、加熱ローラ14は、アルミ又は鉄の中空ローラで内部にハロゲンヒータなどのヒータ14hからなる熱源を有している。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、加熱ローラ14の中空ローラの肉厚部分には複数の中空のパイプがその長手方向が加熱ローラ14の幅方向とされ、加熱ローラ14の円周方向に均等に埋め込まれたヒートパイプ14aを有する。ヒートパイプ14aにより、ヒータ14hからローラ表面への熱伝達が改善され、定着ベルト12が速く均一に加熱されるようになる。
【0021】
加圧ローラ13は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性体層が設けられた円筒形状のローラである。定着の際など必要なときに、加圧ローラ13は、内部に配置されたヒータ13hの発熱により所定の温度まで加熱される。
【0022】
定着装置100の駆動の際には、例えば定着ローラ11が外部から入力される駆動力によって駆動されて図中時計回り方向に回転する。これに伴って、定着ベルト12がテンションローラ15の押圧により適切なテンションが付与された状態でシートPを排出する方向(図1では時計回り方向)に回転する。あるいは、加圧ローラ13を図中反時計回り方向に回転するように駆動させ、定着ローラ11が図中時計回り方向につれ回りされる結果、定着ベルト12が回転するようにしてもよい。
【0023】
また、定着の際には、定着ベルト12は、加熱ローラ14内部に配置されたヒータ14hの発熱によりサーミスタ(不図示)で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。なお、本発明では、定着ベルト12を介して定着部材(定着ローラ11)と加圧部材(加圧ローラ13)が間接的に当接する形態を示したが、これに限定されるものではなく、定着部材(定着ローラ11)と加圧部材(加圧ローラ13)が直接当接する形態としてもよい。
【0024】
また、加圧ローラ13は、該加圧ローラ13の圧接離脱機構部であるニップ圧付与機構部30により、定着ベルト12を介して定着ローラ11に当接しての圧接状態及び離間しての離脱状態の切替が可能となっている。
【0025】
図2,図3に、本発明の要部をなすニップ圧付与機構部30の詳細構成を示す。図2はニップ圧付与機構部30を加圧ローラ13のローラ軸方向の一方の側面から見た図、図3は定着装置100上方から見たアクチュエータ及び駆動伝達機構の構成図である。
【0026】
ニップ圧付与機構部30は、前記加圧部材(加圧ローラ13)を前記定着部材(定着ローラ11)との圧接方向及び離脱方向への移動可能に支持する支持部材(第2加圧アーム33)、前記支持部材に対して押圧可能に弾性体(弾性体34)を介して連結される駆動部材(第1加圧アーム32)、電力供給を受けて駆動しかつ駆動後の停止位置を保持するアクチュエータ(アクチュエータ36)、前記アクチュエータの駆動を前記駆動部材に伝達する駆動伝達機構(駆動伝達機構31b)を有し、電力供給を受けた前記アクチュエータの駆動を前記駆動伝達機構を介して前記駆動部材に伝達することにより前記支持部材を押圧して前記支持部材を前記加圧部材とともに移動させ、前記加圧部材を前記定着部材に所定のニップ圧で当接させて保持するものである。
【0027】
ここで、図2に示すように、ニップ圧付与機構部30は、駆動部材である第1加圧アーム32と、支持部材である第2加圧アーム33と、第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33のそれぞれの一方の端部間で固定されたスプリングばねである弾性体34と、定着装置100のフレームに固定され、第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33のそれぞれの他方の端部を支持し、該第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33の回転(旋回)の支点となる支持軸35と、を有する。また、弾性体34の第2加圧アーム33側の端部にはネジ及びロックナットで構成された加圧調整手段34aが設けられている。
【0028】
また、ニップ圧付与機構部30は、第1加圧アーム32を支持しつつ前記アクチュエータの駆動力により回転する加圧カム31cを有する。また、第1加圧アーム32の加圧カム31cが支持する箇所には、カム従動側コロであるカムフォロア32aが実装されている。これにより、アクチュエータの駆動が加圧カム31cの支持位置の変化として第1アーム32に伝達される構成となっている。
【0029】
なお、前述した加圧カム31c、第1加圧アーム32、第2加圧アーム33、弾性体34、支持軸35は、加圧ローラ13のローラ軸方向の両端側それぞれに設けられ、加圧ローラ13のローラ軸両端に作用する一対のカム装置の構成となっている。また、一対の加圧カム31cは、カム駆動軸31jで連結されており、該カム駆動軸31jの回転駆動により連動して回転する。
【0030】
また、図3に示すように、ニップ圧付与機構部30は、駆動機構として、電力供給を受けて駆動しかつ駆動後の停止位置を保持する機能を有するアクチュエータ36と、アクチュエータ36の駆動トルクを拡大するための減速機構31aと、アクチュエータ36の駆動を減速機構31aに伝達する電磁クラッチ31dと、アクチュエータ36(減速機構31a)の回転駆動をカム駆動軸31jに伝達するギアである駆動伝達機構31bと、を備えている。アクチュエータ36は、所望の回転角度に回転駆動させることが可能なステッピングモータであることが好ましい。
【0031】
なお、カム駆動軸31jに円盤状のエンコーダ37が取りつけられており、エンコーダ37の回転位置を光学センサ38で読み取ることにより、加圧カム31cの位相(カム位相)を検出しニップ加圧状態とニップ解除状態を検出することができる。これにより、光学センサ38で読み取られる加圧カム31cの位相位置に基づいて、カム装置を駆動するアクチュエータ36をニップ加圧状態とニップ解除状態の間の任意の位置に停止させることが可能である。
【0032】
ここで、ニップ圧付与機構部30により、加圧ローラ13を定着ローラ11側へ移動させて圧接すること(ニップ圧付与)、及び定着ローラ11から引き離す方向に移動させて離脱すること(ニップ解除)は、以下のようにして行われる。図4を参照して説明する。
【0033】
(圧接動作)
まず、アクチュエータ36に電力が供給されて、アクチュエータ36が回転駆動し、この駆動力が駆動伝達機構31bを介してカム駆動軸31jに伝えられ、カム駆動軸31jが回転することにより加圧カム31cが図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該加圧カム31cが第1加圧アーム32のカムフォロア32aを押し上げる(図4の(1)部分の矢印方向)。
第1加圧アーム32のカムフォロア32aが押されると、第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として回転する(図4では反時計回り方向)。すると、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性体34もともに回転し、該弾性体34が一定の圧力で第2加圧アーム33(図4中斜線部分)の端部を押し上げる(図4の(2)部分の矢印方向)。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性体34側の端部が押し上げられると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として回転する(図4では反時計回り方向)。
ついで、第2加圧アーム33の弾性体34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが加圧ローラ13のローラ軸13jに当接し、定着ローラ11方向に押すように作用する(図4の(3)部分の矢印方向)。
最後に、第2加圧アーム33の加圧部33aがローラ軸13jを定着ローラ11方向に押して移動する途中で、加圧ローラ13が定着ベルト12を介して定着ローラ11に当接し、弾性体34の弾性力に基づいた一定の圧力で圧接する状態となり定着ニップ部Nを形成する(図4の(4)部分の矢印方向)。このとき、弾性体34の力が加圧ローラ13と定着ローラ11との間の反力にバランスした状態で、該弾性体34は撓むようになり、第2加圧アーム33の回転に伴って加圧カム31cが上死点に達した位置で、両ローラ間でのニップ圧は最大となる。すなわち、加圧カム31cの上死点で第1加圧アーム32を押し上げる状態では、第1加圧アーム32と第2加圧アーム33との間に配置した弾性体34の力により、第2加圧アーム33を上に向けて付勢し、加圧ローラ13を定着ローラ11に向けて押圧し、最大ニップ圧で定着ニップ部Nを形成する。
図2は、圧接動作の制御を行ったときの定着装置100の状態である。
【0034】
なお、定着装置100の操作側、駆動(反操作)側でのニップ圧の加圧力バランスは加圧調整手段34aを調整することで調整可能である。また、ニップ圧力設定時にカム装置で第2加圧アーム33を最大限押し上げた状態においてニップ圧力が不足している場合は加圧調整手段34aを再設定することにより補うことができる。
【0035】
このように、定着装置100が駆動し、定着処理(画像形成処理)が行われるときにはニップ圧付与機構部30により加圧ローラ13の定着ローラ11への押し当てが一定の圧力で行われる。また、この圧接状態は、アクチュエータ36に電力が供給されている限り保持される。
【0036】
(離脱動作)
まず、アクチュエータ36からの駆動力により加圧カム31cを前記圧接状態のときの角度位置からさらに一定の回転角だけ回転させると、該加圧カム31cが第1加圧アーム32のカムフォロア32aを押し上げることが解除される(図4の(1)部分の矢印とは反対方向)。
第1加圧アーム32の押し上げが解除されると、定着ニップ部N−加圧部33a−弾性体34を経由した反発力を伴って第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として圧接の場合とは反対方向に回転する(図4では時計回り方向)とともに、弾性体34の弾性力が解放される。ついで、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性体34とともに第2加圧アーム33の端部も圧接の場合とは反対方向に引張られる(図4の(2)部分の矢印とは反対方向)。また、加圧ローラ13及び第2加圧アーム33の自重が第2加圧アーム33の端部に対して圧接の場合とは反対方向に押すように作用する。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性体34側の端部が引き下げられる方向に力が作用すると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として圧接の場合とは反対方向に回転する(図4では時計回り方向)。
ついで、第2加圧アーム33の弾性部材34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが圧接の場合とは反対方向に回転するので加圧ローラ13のローラ軸13jから離れる方向に移動する(図2の(3)部分の矢印とは反対方向)。
これにより、加圧ローラ13が押圧されることが解除されるので、加圧ローラ13は定着ローラ11から離間する方向に移動し、定着ニップ部Nの形成は解消されて離脱状態となる(図4の(4)部分の矢印とは逆方向)。
このように、定着装置100の駆動が停止するときなどにはニップ圧付与機構部30により加圧ローラ13の定着ローラ11への押し当てが解除されて、定着ベルト12から離間する(離脱状態)。
【0037】
ここで、ニップ圧付与機構部30は、離脱動作において定着ベルト12と加圧ローラ13との離間の程度を任意に調整することが可能である。詳しくは、エンコーダ37の回転位置を光学センサ38で読み取ることにより得られる加圧カム31cの位相(カム位相)からニップ解除状態における定着ベルト12と加圧ローラ13との間の離間量を検出することが可能であることから、加圧カム31cの位相を見ながらカム装置を駆動するアクチュエータ36の停止位置を調整し、加圧ローラ13を定着ベルト12からの加圧ローラ13の離間量が所望の値となるように離脱させている。
【0038】
図5は、離脱動作の制御を行ったときの定着装置100の状態を示す断面図である。
ここでは、加圧ローラ13は定着ベルト12から所定の離間量tだけ離れた状態で保持され、例えば定着ベルト12から輻射熱を受けても、後に行われる画像形成処理におけるトナー画像にブリスタを発生させない程度にその温度上昇が抑えられるようになっている。
【0039】
なお、弾性体34の弾性力は、ニップ圧を付与するときのみ大きく発揮され、ニップ解除に際しては弾性体34の弾性力も解除されるようになる。また、弾性体34への荷重を増加させることなくニップ圧を解除することが可能であり、離脱動作としてカム装置をアクチュエータ36で駆動する際に回転トルクが小さくてすむため小型のアクチュエータ36を使用することができる。
【0040】
以上のように、ニップ圧を付与する際に、弾性体34に最大の張力を発揮させることが可能であるとともに、ニップ圧付与機構部30として大きな駆動力を設定する必要がなく、その駆動機構の小型化を図ることができる。さらに、このような駆動機構を用いることにより、弾性体34やその他の作動部材(第1加圧アーム32、第2加圧アーム33)への荷重が小さいため、部品強度を大きくする必要がなく軽量化を図ることができる。また、経時変化が大きく生じることがなく、弾性体34の伸びや、第1加圧アーム32、第2加圧アーム33等の変形、支持部のガタ等の発生を防止し、装置の耐久性を向上させることができる。
【0041】
また、ニップ圧付与機構部30は、加圧カム31cのカム位相を制御することにより第1加圧アーム32引いては第2加圧アーム33の移動量を調整して、前記ニップ圧を調整することが可能である。
【0042】
ニップ圧付与機構30は、加圧カム31cを使用しており、該加圧カム31cのカム位相の変化に伴い連続的に定着ニップ部Nにおけるニップ圧が変化する機構となっている。そこで、カム駆動軸31jに取りつけられたエンコーダ37と該エンコーダ37の回転位置を検出する光学センサ38を用いて、加圧カム31cのカム位相とニップ圧の関係を予め記録しておき、その関係に基づいて加圧カム31cを目標のカム位相位置に駆動させることで任意のニップ圧を設定することができる。このとき、ニップ圧付与機構部30は、弾性体34の変形量または定着ニップ部Nにおける定着ローラ11の変形量が所定量一定となるように加圧カム31cのカム位相を制御して、ニップ圧を調整するとよい。
【0043】
ここで、ニップ圧付与機構部30は、通紙する記録媒体(シートP)の種類またはサイズを切替えるときに、加圧カム31cのカム位相を制御して前記ニップ圧を調整することが好ましい。これにより、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)やサイズの記録媒体・画像への対応が可能となる。また、このとき市場での想定紙種、サイズから求められるニップ幅(加圧力)を決定し、それに応じたニップ圧を自動で設定出来るようにするとよい。
【0044】
このような構成の定着装置100では、ニップ圧付与機構部30は、定着処理の時に加圧ローラ13を定着ベルト12に所定のニップ圧で圧接させ、前記定着処理の前に該定着処理の条件に応じた定着ベルト12と加圧ローラ13との離間量で該加圧ローラ13を定着ベルト12から離脱させていることを特徴とするものである。なお、定着処理の前とは、所定の画像処理条件(定着条件)の印刷要求があった時、すなわち定着処理の条件が確定した時から対象のシートPが定着装置100に進入する時までの間をいう。
【0045】
すなわち、定着装置100では、つぎのような圧接・離脱動作の制御が行われる。ここでは、すでに加熱ローラ14のヒータ14hが定着ベルト12を目標温度に温度維持するように加熱制御が行われている待機状態(非通紙待機モード)にあるものとする。なおこのとき、定着ベルト12は静止し、定着ローラ11から加圧ローラ13がブリスタ発生抑制可能な離間量で離脱している状態である。
【0046】
(S11) 画像形成装置(詳細は後述)が印刷ジョブの信号を受信して印刷要求を受けると、定着処理の条件を含む画像形成条件(両面画像形成・片面画像形成の区分、シートPの紙種、厚み、定着ベルト12の目標温度、ニップ部Nのニップ圧など)が設定される。
(S12) 定着装置100において、ステップS11で設定された条件にしたがって定着処理の準備動作が行われる。例えば、定着ローラ11を駆動回転させることにより定着ベルト12を回転させながら、ヒータ14hを発熱させて定着ベルト12が目標温度となるように加熱制御を行う。
【0047】
(S13) 同時に、ステップS11で設定された定着処理の条件に基づいて、定着ベルト12と加圧ローラ13との離間量tを設定し、ニップ圧付与機構部30は設定された離間量tとなるように離脱状態の調整を行う。
【0048】
このとき、定着ベルト12と加圧ローラ13との離間量tをつぎのように設定するとよい。
(a)この後に行われる定着処理の時に加圧ローラ13と接する面にトナー画像を有するシートPを通紙する場合(両面画像形成のとき)に対応する離間量をt1、トナー画像を有さないシートPを通紙する場合(片面画像形成のとき)に対応する離間量をt2とするとき、t1>t2の関係とする。
(b)この後に行われる定着処理の時にシートPとしてコート紙を通紙する場合に対応する離間量をt3、普通紙などコート紙でない用紙(非コート紙)を通紙する場合に対応する離間量をt4とするとき、t3>t4の関係とする。
(c)この後に行われる定着処理の時にシートPとしてある基準厚みd以上の用紙を通紙する場合に対応する離間量をt5、基準厚みd未満の用紙を通紙する場合に対応する離間量をt6とするとき、t5>t6の関係とする。
(d)画像形成装置内(定着装置100周辺など)に設置されている湿度センサで検出される湿度レベルがある湿度レベルのスレッシュs以上の場合に対応する離間量をt7、スレッシュs未満の場合に対応する離間量をt8とするとき、t7>t8の関係とする。
【0049】
なお、離間量t1,t3,t5.t7は、その後に行われる画像形成処理においてトナー画像にブリスタの発生確率が高い場合であっても、トナー画像にブリスタを発生させない程度に加圧ローラ13の温度上昇を抑えるために必要な離間量である。
【0050】
(S14) 画像形成処理(定着処理)の準備動作が完了すると、ニップ圧付与機構部30により加圧ローラ13が定着ベルト12を介して定着ローラ11に圧接され、所定のニップ圧となるように圧接動作の制御が行われる。また、所定の搬送速度となるように駆動制御が行われ、画像形成処理が開始される。
【0051】
以上のような圧接・離脱動作の制御を行うことにより、定着条件(両面画像形成・片面画像形成、紙種、紙厚、画像形成装置内(例えば定着装置100周辺)の湿度)としてトナー画像にブリスタの発生確率が高い場合に対しては、定着処理前の時に、定着ベルト12から加圧ローラ13を十分に離間させて加圧ローラ13の温度上昇を抑制するので(通常離脱制御という)、トナー画像のブリスタの発生を防止することができる。また、前記定着条件としてブリスタの発生確率が少ない場合には、定着ベルト12から加圧ローラ13をあまり離間させないようにするため、ブリスタの発生をさせることなく前記通常離脱制御のときよりも画像形成処理が可能となるまでの所要時間(ファーストプリント時間)を短くすることが可能となる。
【0052】
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図6に、本発明に係る画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに本発明の定着装置100を組み込んでいる。
【0053】
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写ベルト210が配置されており、該転写ベルト210の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体205Y、205M、205C、205Kが転写ベルト210の転写面に沿って並置されている。
【0054】
各感光体205Y、205M、205C、205Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する光書き込み装置201、帯電装置202Y,202M,202C,202K、現像装置203Y,203M,203C,203K、1次転写装置204Y,204M,204C,204K及びクリーニング装置が配置されている。また、各現像装置203Y,203M,203C,203Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。
【0055】
転写ベルト210は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体205Y、205M、205C、205Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つである従動ローラ211に対向する位置に転写ローラ212が設けられている。また、転写ローラ212から定着装置100までのシートPの搬送経路は横パスとなっている。
【0056】
なお、定着装置100に付帯して、定着装置100で使用されたシートPの離型性改善のためのオイルを回収するオイルタンク251、オイルタンク251内のオイルを再度定着装置100に供給するオイルポンプ252などのオイル循環機構を備えている。
【0057】
給紙部200Bは、記録媒体としてのシートPを積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ220内のシートPを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
【0058】
本発明の画像形成装置200における画像形成に当たっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置204Yにより転写ベルト210上に1次転写される。他の感光体205M、205C、205Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
【0059】
つぎに、感光体205Y、205M、205C、205Kから転写ベルト210上に1次転写されたトナー像Tは、従動ローラ211、転写ローラ212により搬送されてきたシートPに転写される。トナー像Tが転写されたシートPは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト12と加圧ローラ13との定着ニップ部Nにて定着が行なわれる。
【0060】
また、定着ベルト12,加圧ローラ13にはオイル塗布装置21,22によりそれぞれ適当量のオイルが塗布されており、また必要に応じて定着ニップ部Nの出側に配置された分離爪16a,16bが機能することから、シートPは定着ベルト12,加圧ローラ13に巻き付くことなく定着ニップ部Nの出側に排出される。
ついで、定着ニップ部Nから排出されたシートPは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
【0061】
以上のように、本発明に係る定着装置100を有する画像形成装置により、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)やサイズの記録媒体・画像への対応が可能となる。また、装置停止時には定着装置100における定着ローラ11と加圧ローラ13の圧接状態が解除され、お互いのローラ表層が変形してしまうことを防ぐことができる。さらに、画像形成処理(定着処理)前の時に、定着ベルト12から加圧ローラ13を所定の離間量tとなるように離脱させて加圧ローラ13の温度上昇を抑制しその後に行われる画像形成処理におけるブリスタの発生を防止する(通常離脱制御)が、定着条件(両面画像形成・片面画像形成、紙種、紙厚、画像形成装置200内の湿度)としてブリスタの発生確率が少ない場合には、前記離間量tよりも小さい離間量t’で定着ベルト12から加圧ローラ13を離脱させるので、ブリスタの発生をさせることなく前記通常離脱制御のときよりも画像形成処理が可能となるまでの所要時間を短くすることが可能となる。
【0062】
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0063】
例えば、図1の定着装置100に代えて、ローラ同士が当接して定着ニップ部Nを形成する定着装置を用いてもよい。
図7は、本発明の定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例を示す断面図である。この定着装置100は、図1の定着装置100おける定着ベルト方式のものから、定着ローラ12Rと加圧ローラ13が直接当接してニップ部Nを形成する熱ローラ方式の構成となっている。また、定着ローラ12Rはヒータ12hにより加熱されるようになっている。この定着装置100においても、ニップ圧付与機構部30により、図1の定着装置100と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
11,12R 定着ローラ
12 定着ベルト
12h,13h,14h ヒータ
13 加圧ローラ
13j ローラ軸
14 加熱ローラ
14a ヒートパイプ
15 テンションローラ
16a,16b 分離爪
17 クリーニング機構
21,22 オイル塗布装置
30 ニップ圧付与機構部(圧接離脱機構部)
31a 減速機構
31b 駆動伝達機構
31c 加圧カム
31d 電磁クラッチ
31j カム駆動軸
32 第1加圧アーム
32a カムフォロア
33 第2加圧アーム
33a 加圧部
34 弾性体
34a 加圧調整手段
35 支持軸
36 アクチュエータ
37 エンコーダ
38 光学センサ
100 定着装置
100c 定着カバー
200 画像形成装置
200A 画像形成部
200B 給紙部
201 光書込み装置
202Y,202C,202M,202K 帯電装置
203Y,203M,203C,203K 現像装置
204Y,204M,204C,204K 1次転写装置
205Y,205C,205M,205K 感光体
210 転写ベルト
211 従動ローラ
212 転写ローラ
215 スタッカ
220 給紙トレイ
251 オイルタンク
252 オイルポンプ
P シート(記録媒体)
T トナー像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開平11−125985号公報
【特許文献2】特開平5−173446号公報
【特許文献3】特開2002−202684号公報
【特許文献4】特開2005−215580号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に設けられる定着部材と、
前記定着部材に当接しニップ部を形成する加圧部材と、
前記加圧部材を前記定着部材との圧接方向及び離脱方向への移動可能に支持する圧接離脱機構部と、を備え、
前記圧接離脱機構部は、定着処理の時に前記加圧部材を前記定着部材に所定のニップ圧で圧接させ、前記定着処理の前に該定着処理の条件に応じた前記定着部材と前記加圧部材との離間量で該加圧部材を前記定着部材から離脱させていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に前記加熱部材と接する面にトナー画像を有する用紙を通紙するときよりもトナー画像を有さない用紙を通紙するときを小とすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に用紙としてコート紙を通紙するときよりも非コート紙を通紙するときを小とすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項4】
前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、該定着処理の時に通紙する用紙の厚みで区分されて設定されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項5】
前記定着部材と前記加圧部材との離間量は、当該定着装置近傍の湿度で区分されて設定されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−186203(P2011−186203A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51647(P2010−51647)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】