説明

定量ディスペンサーおよびそのアセンブリ

閉鎖端および開放端を有する実質的に円筒状の容器を備える分配キャニスタであって、容器の前記開放端にフェルールで分配手段が装備される分配キャニスタ;実質的に円筒状の付属部品であって、容器の閉鎖端に隣接するように位置決めされ、キャニスタと付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する部品;を備える分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付属部品(特に、用量カウンタ)およびディスペンサ(特に、定量ディスペンサ)を有する、分配キャニスタのアセンブリに関し、このようなアセンブリ、並びに、用量カウンタなどの付属部品をディスペンサキャニスタに固定する方法を含む。
【背景技術】
【0002】
定量ディスペンサ、特に、加圧定量ディスペンサは、ほぼ半世紀前に導入されてから、例えば、喘息および他の症状の治療に重要な役割を果たしてきた。更に、定量医薬ディスペンサの使用は、患者に、例えば、肺、鼻腔および/又は口腔前庭、又は舌下に薬剤を投与するますます重要な方法になってきている。
【0003】
薬剤は、一般に、好適な噴射剤、および、適宜他の成分と一緒に配合され、容器、例えば、エーロゾルバイアル瓶に装填される。分配キャニスタを提供するため、容器には、典型的には、閉鎖位置と放出位置との間を移動可能な細長い出口部材(例えば、弁棒)を備える弁、特に定量弁などの分配手段がフェルールで嵌装される。分配キャニスタは、典型的には、アクチュエータと共に使用され、アクチュエータは、典型的には患者側ポート、例えば、マウスピース若しくは鼻用に構成されているポートを有する。アクチュエータは、典型的には、分配手段の出口部材を受容するように構成されているソケット、並びに、ソケットおよび患者側ポートと開放連通するオリフィスを有する支持ブロックを備える。容器および支持ブロックは、デバイスの作動中又は噴射中、出口部材が放出位置に移動し、それによって1回分の用量を分配することができるように、互いに対して相互に移動可能である。アダプタは、また、典型的には、支持ブロックの反対側に延び、容器の少なくとも一部を収容するチャンバを提供する細長い又は略円筒状の部分を具備する。チャンバ内に容器の適切な整列を配置および支持することを容易にするため、典型的には、チャンバに1つ以上のリブを設ける。必要なおよび/又は望ましい医薬分配性能を達成するため、アクチュエータおよび分配キャニスタの、特に互いに関する多くの重要な設計特徴がある。例えば、定量吸入器では、アクチュエータを通り噴霧を同伴する空気流路の設計は、必要な、および/又は所望される、および/又は一貫した管内での(in vitro)用量送達および呼吸に適するフラクションの提供を容易にするように考慮される。
【0004】
定量医薬デバイスの使用で起こる問題は、患者が任意の時点で容器内の薬剤の量を正確に確認できないことが多いということである。極端な場合、内容物が既に消費されているため、緊急の状況にあり、即時の薬剤投与を必要とする可能性がある患者に、容器から1回分の用量が分配されない場合がある。
【0005】
例えば、国際公開第95/26769号パンフレット、同第95/08484号パンフレット、同第96/03172号パンフレット、同第96/39337号パンフレット、同第99/57019号パンフレット、米国特許第5,622,163号明細書、および米国特許第5,871,007号明細書に、分配キャニスタの容器の閉鎖端に取り付けられる定量医薬品用の付属部品としての用量カウンタが多数、提案されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
容器の閉鎖端に取り付けられる付属部品としての用量カウンタは、現存の定量医薬分配製品設計を、又は、用量カウンタに関する開発の最後の段階でこのような製品設計を改装するという魅力的な可能性を提供するが、微調整された製品特性に干渉しないように、付属部品の組み込みを可能にする堅牢なアセンブリを製造する実用性において、又はその提供において、かなりの問題があることが分かった。例えば、製造中(製造ラインで)、用量カウンタを取り付けるために容器の閉鎖端に塗布される接着剤の使用は、計数機構の汚染、又は更に悪いことには分配手段の汚染に繋がり、従って、用量カウンタおよび/又は分配手段の性能障害に繋がる可能性があることが分かった。更に、圧着、把持、又はねじ係合スカート、環状クランプなどなどの手段による取り付けは、アクチュエータおよび/又は分配キャニスタの再設計、並びに、従って、個々の部品の適切な協調又は調整を確実にし、且つ、分配製品の必要なおよび/又は所望の性能特性を達成するために、かなりの製品開発を必要とする。従って、用量カウンタが付属部品としてキャニスタの閉鎖端にしっかりと取り付けられ、且つ、同時に、製造する際の接着剤の使用、並びに分配キャニスタおよび/又は分配キャニスタを受容するように構成されるアクチュエータの再設計に関する問題を克服する、分配キャニスタ−用量カウンタアセンブリを提供する必要が引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
閉鎖端および開放端を有する実質的に円筒状の容器を備える分配キャニスタであって、容器の前記開放端にフェルールで分配手段が装備される分配キャニスタ、
実質的に円筒状の付属部品であって、容器の閉鎖端に隣接するように位置決めされ、キャニスタと付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する部品、および、
裏に接着剤が付いているフィルムであって、フィルムがキャニスタ−部品インターフェースを横切って延び、その上縁が付属部品の周りに配置され、その下縁がフェルールの上縁の近傍で容器の周りに配置されるように、キャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付けられ、容器の外面および付属部品の外面に接着されるフィルム、
を備える、分配キャニスタ−付属部品アセンブリの提供であり;前記裏に接着剤が付いているフィルムは、少なくとも2つのセクションを備え、第1のセクションは、前記上縁付近又は実質的に前記上縁から始端し、キャニスタ−部品インターフェースを横切ってフィルムの下縁の方に延び、第2のセクションは、実質的に前記下縁から始端し、フィルムの上縁の方に延び、前記第1のセクションで又は前記第1のセクションより前で終端し、フィルムの第1のセクションの第1の端部位は、フィルムの第1のセクションの第2の端部位に重なり、フィルムの第2のセクションの端部位は重ならない。
【0008】
驚くべきことに、前述の裏に接着剤が付いているフィルムを使用し、容器の閉鎖端を覆うように位置決めされる付属部品を容器にしっかりと固定し、容器の閉鎖端と用量カウンタとの間に接着剤を塗布する必要なく、又は他の種類の取り付け手段を使用することなく、堅牢な分配キャニスタ−付属部品アセンブリを提供できることが分かった。裏に接着剤が付いているフィルムを分配キャニスタ−付属部品(位置決めされているが固定されていない)のサブアセンブリの周囲に貼付し、キャニスタ−部品インターフェースを覆うように延びるフィルムの第1のセクションに重なりを提供することによって、付属部品は容器にしっかりと安定に固定される。接着されたフィルムの第2のセクションは、アセンブリの全体的な堅牢性および不正変更防止性を促進し、更に、第2のセクションは重なりを有していないため、分配キャニスタ−付属部品アセンブリは、リブなどのアクチュエータの内部構造に干渉することなく、分配キャニスタを受容するように構成されているアクチュエータと一緒に有利に使用され得る。
【0009】
従って、本発明の別の態様は、本明細書に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリと、開放型チャンバを画定する細長い又は略円筒状の部分を備えるアクチュエータとを備える複数用量の薬剤を分配するためのディスペンサの提供であり、分配キャニスタ−付属部品アセンブリの分配キャニスタはアダプタに受容され、容器の少なくとも一部、および前記容器の周りにある裏に接着剤が付いているフィルムの第2のセクションは、一部又は完全に前記チャンバ内に配置される。
【0010】
本明細書に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリおよびディスペンサは、付属部品として用量カウンタを用いることに関して特に有利であり、前記アセンブリおよびディスペンサは、他の種類の付属部品(容器延長部分、ボタンタイマーなど)と一緒に使用するのに望ましい場合がある。
【0011】
ディスペンサは、典型的には、定量ディスペンサ、更に詳細には、定量吸入器などの加圧定量ディスペンサである。
【0012】
本発明の追加の態様は、実質的に円筒状の付属部品を分配キャニスタの実質的に円筒状の容器の閉鎖端に固定するための、裏に接着剤が付いているフィルムを提供することであり、裏に接着剤が付いているフィルムは、2つのセクションを備え、第1のセクションは、上縁付近又は実質的に上縁から始端し、フィルムの下縁の方に延び、第2のセクションは、実質的に下縁から始端し、フィルムの上縁の方に延び、前記第1のセクションで又は前記第1のセクションより前で終端し、第1のセクションの幅の長さは、容器の周囲の長さより大きく、第2のセクションの幅の長さは、容器の周囲の長さに等しいか又はそれより小さい。
【0013】
分配キャニスタ−部品サブアセンブリから外側を向く裏に接着剤が付いているフィルムの表面は、印刷可能であってよい。これは、後で表面に印、例えば、製品に関する製品情報を示す印を印刷し得るという点で有利である。裏に接着剤が付いているフィルムのフィルムは、紙又はポリマー、更に好適にはポリマーで製造されていてもよい。製造し易いように、接着剤は望ましくは感圧接着剤である。
【0014】
本発明の更に別の態様は、実質的に円筒状の付属部品を、閉鎖端および開放端を有する実質的に円筒状の容器を備える分配キャニスタに固定する方法であって、容器の前記開放端にフェルールで分配手段が装備され、以下の工程、即ち、
a)付属部品を容器の閉鎖端に隣接するように位置決めし、キャニスタと付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する工程、
b)本明細書に記載の、裏に接着剤が付いているフィルムを提供する工程、
c)フィルムの上縁が付属部品の周りに配置され、フィルムの下縁がフェルールの上縁の近傍で容器の周りに配置されるように、且つ、フィルムの第1のセクションが、キャニスタ−部品インターフェースを横切って延び、フィルムの第1のセクションの第1の端部位は、フィルムの第1のセクションの第2の端部位に重なるが、フィルムの第2のセクションの端部位は重ならないように、裏に接着剤が付いているフィルムをキャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付け、裏に接着剤が付いているフィルムを容器の外面および付属部品の外面に接着させる工程、
を含む方法を提供することである。
【0015】
前記、並びに、本発明の他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、特許請求の範囲、および添付の図面で更に良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、本明細書に記載される本発明の特定の態様、望ましい態様、および好ましい態様の全ての組み合わせを包含することを理解されたい。
【0017】
本発明の様々な態様を更によく理解するため、最初に、付属部品のない例示的な慣用的ディスペンサを説明する。図1に、例示的なディスペンサ、特に加圧定量吸入器を示す。ディスペンサは、分配キャニスタ(10)とアクチュエータ(20)を備える。典型的には、分配キャニスタは、典型的には凹状の形態である閉鎖端(2)と、開放端(3、非表示)とを有する実質的に円筒状の容器(1)、特に、エーロゾル容器を備える。容器の開放端に、閉鎖位置と放出位置との間を移動可能な細長い出口部材(5)、特に弁棒を有する、分配手段(4)、特に分配弁、更に詳細には定量弁が装備される。分配手段は、通常、フェルール(6)で容器に取り付けられる。フェルールは、典型的には、圧着により容器に固定されるが、溶接、接着剤、スナップ嵌め、ねじ嵌めなどの、他の手段で容器に好適に固定することができる。フェルールの用語は、本明細書では、分配手段の容器への取り付けを可能にするのに使用される分配キャニスタの任意の部品又は要素を意味するものと理解される。フェルールは、分配手段の一体部品若しくは容器の一体部品であってもよく、或いは、例えば、取り付けリング又はカップの形態の別々の部品であってもよい。固定(例えば、圧着)後、フェルールは、典型的には、容器の開放端付近にシール縁部(7)(例えば、折り畳まれた縁部)、および、容器の周りに上縁又は上境界(8)(例えば、圧着された縁部)を示す。容器(1)は、フェルールの上縁に隣接する狭窄した部分(11)を有してもよく、容器は、そのときフェルールの上縁の近傍に肩(9)を有する。アダプタ(20)は、典型的には、ソケット(22)を有する支持ブロック(21)を備える。分配キャニスタ(10)の出口部材(5)(例えば、定量分配弁の細長い弁棒の分配端)は、ソケット(22)に受容され、従って支持ブロック(21)内に位置決めされる。容器(1)および支持ブロック(21)は、「A」と印を付けられた軸に沿って互いに対して相互に移動可能である。アダプタは、典型的には、マウスピース(23)などの患者側ポートを具備し、支持体は、ソケットおよびマウスピース(23)と開放連通するオリフィス(24)を有する。アダプタは、典型的には、チャンバ(26)を画定する支持ブロックの反対側に延びる細長い又は略円筒状の部分(25)も具備し、分配キャニスタの容器(1)の少なくとも一部を収容する。円筒状の部分のチャンバ内に位置決めされる1つ以上のリブ(27)は、容器を正しい位置に配置および支持することを助ける。
【0018】
本発明による分配キャニスタ−付属部品アセンブリは、分配キャニスタ、付属部品、および、裏に接着剤が付いているフィルムを備える。これは、このようなアセンブリの一実施形態を示す図2を参照することによって最もよく理解される。図示されているアセンブリ(100)で分かるように、実質的に円筒状の付属部品(60)は、実質的に円筒状の分配キャニスタ(10)の容器(1)の閉鎖端(2)に隣接するように位置決めされ、キャニスタと付属部品との間にインターフェース(70)を有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する。
【0019】
好適な付属部品は、分配キャニスタ容器の閉鎖端に隣接するように位置決め可能な、任意の種類の実質的に円筒状の付属部品、特に(機械又は電子)用量カウンタとすることができる。以下本明細書で使用する時、「付属部品」の用語は、好ましい付属部品として用量カウンタを包含することを理解されたい。望ましくは、付属部品の直径は、容器の閉鎖端における容器の直径に等しいか、又は実質的に等しい(例えば、±5%)。製造中および/又は転換中に付属部品の位置決めを容易にするため、および/又は、その後の付属部品の容器への固定を容易にするため、容器の閉鎖端および付属部品の底面は、有利には、互いに噛み合う輪郭を有する。例えば、分配キャニスタ容器の閉鎖端は、典型的には、凹状であり、従って、付属部品の底面が対応する凸状の形態を有することが有利である。望ましくは、合わせ面の境界、即ち、容器の閉鎖端と付属部品の底面は、キャニスタ−部品インターフェースの間隙が最小限になるように配置される。
【0020】
図2に示される実施形態では、図示される付属部品(60)は、作動ボタン(61)、および、ディスペンサの用量カウント又は使用量を表示するディスプレイ(図示せず)を有する国際公開第99/57019号パンフレットに開示されるタイプの用量カウンタである。付属部品の底面(62)は、望ましい凸状の形態を有し、容器の閉鎖端(2)は、凹状の形態である。容器(1)の開放端に、フェルール(6)で固定される分配手段(4)が装備される。
【0021】
分配手段は、好適には、閉鎖位置と放出位置との間を移動可能な細長い出口部材、特に弁棒を有する、分配弁、更に詳細には定量弁である。
【0022】
再度、図2に示される実施形態を参照すると、裏に接着剤が付いているフィルム(40)はキャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付けられ、容器(1)の外面および付属部品(60)の外面に接着されている。裏に接着剤が付いているフィルムの上縁(41)は、付属部品の周りに配置され、下縁(42)はフェルール(6)の上縁(8)の近傍、更に詳細には容器の肩(9)付近に配置されている。従って、フィルム(40)は、キャニスタ−部品インターフェース(70)を横切って延びる。図2に示されているアセンブリの裏に接着剤が付いているフィルムは、2つのセクションを有し、第1のセクション(43)は、実質的に上縁(41)から始端し、キャニスタ−部品インターフェース(70)を横切ってフィルムの下縁の方に延びる。第2のセクション(46)は、実質的に下縁(42)から始端し、フィルムの上縁の方に延び、第1のセクションの下境界で終端する。図2で分かるように、フィルムの第1のセクション(43)の一方の端部位(44)は、第1のセクションのもう一方の端部位(45)に重なるが、フィルムの第2のセクションの端部位(47、48)は重ならない。
【0023】
裏に接着剤が付いているフィルムは、少なくとも2つのセクションを備え、第1のセクションは、前記上縁付近又は実質的に前記上縁から始端し、フィルムの下縁の方に向かい、第2のセクションは、実質的に前記下縁から始端し、フィルムの上縁の方に延び、前記第1のセクションで又は前記第1のセクションより前で終端するが、フィルムは、例えば、第1のセクションと第2のセクションとの間、および/又は第1のセクションの上境界とフィルムの上縁との間に配置される追加のセクションを具備してもよいことを認識されたい。
【0024】
これは、分配キャニスタの実質的に円筒状の容器の閉鎖端に付属部品を固定するために使用するのに好適な、裏に接着剤が付いているフィルムの多数の実施形態の上面図を示す、図3(a)〜(e)を参照することによって更によく理解できる。図3に示される、裏に接着剤が付いているフィルムの実施形態はそれぞれ、上縁および下縁(41、42)並びに第1および第2のセクション(43、46)を有する。図(e)に示される実施形態は、第1のセクションと第2のセクション(43、46)との間に配置される2つの追加のセクション(50、51)、並びに、第1のセクションに隣接し上縁(41)の方に向かうセクション(49)を有する。図示される実施形態から認識できるように、フィルムのコーナーおよびその各セクションは、典型的には丸みが付けられている。第1のセクション(43)の幅(該当する場合、最も狭い幅)は、第2のセクション(46)の幅(該当する場合、最大の幅)より大きい。
【0025】
アセンブリの分配キャニスタ−付属部品で、裏に接着剤が付いているフィルムの第1のセクションが重なり、且つ第2のセクションが重ならないことを確実にするため、第1のセクションの幅(該当する場合、最も狭い幅)の長さは、容器の周囲の長さより大きく、第2のセクションの幅(該当する場合、最大の幅)の長さは、容器の周囲の長さに等しいか、又はそれより小さい。望ましくは、第1のセクションの幅の長さは、容器の周囲の長さより約2%超、更に望ましくは約5%超だけ長い。一般に、第1のセクションの幅の長さは、容器の周囲の長さより約10%以下だけ長い。
【0026】
裏に接着剤が付いているフィルムの上縁から下縁までの選択される、および/又は所望される全高(例えば、図3aで「h」と印が付けられている)は、特定の分配キャニスタ−付属部品サブアセンブリの寸法に依存する。典型的には、全高は、フィルムがキャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付けられるとき、上縁が付属部品の周りに配置され、下縁がフェルールの上縁の近傍で容器の周りに配置されるように選択される。フェルールの上縁の近傍に肩を有する容器では、望ましくは、下縁は、肩付近で容器の周りに配置される。裏に接着剤が付いているフィルムの第2のセクションの選択される、および/又は所望される高さ(例えば、図3aではh’の印が付けられている)は、下記に更に詳細に記載されるように、ディスペンサーを提供するのに使用される、特定の分配キャニスタおよびアクチュエータの寸法に依存する。
【0027】
図2に示されるキャニスタ−付属部品アセンブリ(100)を具備する、本発明によるディスペンサー(200)の一実施形態を示す図4を参照すると、アクチュエータ(20)は、開放型チャンバ(26)を画定する細長い又は略円筒状の部分(25)を備える。キャニスタ−付属部品アセンブリの分配キャニスタ(10)は、アクチュエータ(20)に受容される。容器(1)の少なくとも一部、および、前記容器の周りにある裏に接着剤が付いているフィルム(40)の第2のセクション(46)は、一部、チャンバ内に配置される。他の実施形態では、第2のセクション全部がチャンバ内に配置されてもよい。
【0028】
好ましい実施形態では、チャンバはその内面に、内側に突出し、且つチャンバの開放端の方に垂直に延びる1つ以上のリブ(27)を有する。チャンバの開放端の方に向かう1つ又は複数のリブの端部(該当する場合、その内側コーナーによって画定される)は、第1の水平位置(図4で「R」の印が付けられている)を画定する。異なる長さを有する2つ以上のリブを具備する実施形態では、最上端(ここでも該当する場合、その内側コーナーによって画定される)は、前記第1の水平位置を画定する。図4から認識できるように、容器の閉鎖端の方に向かう第2のセクションの上境界は、第2の水平位置(「S」の印が付けられている)を画定する。第2のセクションは、ディスペンサが停止しているとき、およびディスペンサの作動中、第2の水平位置(S)が第1の水平位置(R)に又はそれより上に配置され、それより下に(アクチュエータの支持ブロック(21)の方向に)下がらないような高さ(h’)を有する。裏に接着剤が付いているフィルムの第2のセクションの上境界がリブの端部に配置されるか、又はそれを越えて(容器の閉鎖端に向かう方向に)延びることを確実にすることによって、分配キャニスタをアクチュエータに挿入する際、ディスペンサの作動中、および、アクチュエータ内でアセンブリが回転する際、裏に接着剤が付いているフィルムの干渉および/又は引っ掛かり、特に、重なり合う部位の継ぎ目における干渉および/又は引っ掛かりを最小限にするか又は無くすことができる。
【0029】
本発明によるディスペンサに使用されるアクチュエータ並びに分配キャニスタは、図1に示されるディスペンサに関連して記載される任意の構造的特徴を好適に具備してもよいことを理解されたい。
【0030】
典型的には、裏に接着剤が付いているフィルムの厚さは、その外面が、アクチュエータのチャンバ内に配置されるどの内部構造にも接触していない状態を維持するように選択される。望ましくは、裏に接着剤が付いているフィルムの厚さは、200ミクロン以下、更に望ましくは160ミクロン以下である。分配キャニスタ−付属部品アセンブリの安定性および堅牢性を確実にするため、裏に接着剤が付いているフィルムの最小限の厚さは、望ましくは、40ミクロン以上、更に望ましくは80ミクロン以上である。
【0031】
裏に接着剤が付いているフィルムの外面、即ち、キャニスタ−部品サブアセンブリから外側を向く表面は、望ましくは印刷可能である。有利には、裏に接着剤が付いているフィルムの外面は、印、例えば、分配製品についての情報に関する印が印刷されている。フィルムは、好適には、紙又はポリマーで製造されている。好適なポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、又は酢酸セルロースなどの熱可塑性ポリマーが挙げられる。好ましくは、フィルムは、高光沢不透明白色ポリエチレン材料で製造されている。好適には、フィルムは、10N/mm2以上の引張強度を有する。裏に接着剤が付いているフィルムの坪量は、50〜100g/m2の範囲であってもよい。接着剤は、望ましくは、アクリル感圧接着剤などの感圧接着剤である。
【0032】
付属部品は、付属部品を容器の閉鎖端に隣接するように位置決めし、キャニスタと付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成し、裏に接着剤が付いているフィルムをキャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付け、裏に接着剤が付いているフィルムを容器の外面および付属部品の外面に接着させることによって、分配キャニスタの容器に固定される。裏に接着剤が付いているフィルムを位置決めされたサブアセンブリの周りに取り付けることと、接着させることは、典型的には、同時に行われる。裏に接着剤が付いているフィルムは、フィルムの上縁が付属部品の周りに配置され、フィルムの下縁がフェルールの上縁の近傍で容器の周りに配置されるように、且つ、フィルムの第1のセクションが、キャニスタ−部品インターフェースを横切って延び、フィルムの第1のセクションの第1の端部位が、フィルムの第1のセクションの第2の端部位に重なるが、フィルムの第2のセクションの端部位は重ならないように取り付けられ、接着される。
【0033】
分配キャニスタ−付属部品アセンブリおよびディスペンサは、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に網羅的に例証することができない、裏に接着剤が付いているフィルムの一定の範囲の形態を組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】例示的なディスペンサ、特に、慣用的なプレス・アンド・ブリーズ(press−and−breathe)タイプの加圧定量吸入器の垂直部分断面図である。
【図2】本発明による分配キャニスタ−付属部品アセンブリの一実施形態の垂直図である。
【図3a】本発明による裏に接着剤が付いているフィルムの一実施形態の上面図である。
【図3b】本発明による裏に接着剤が付いているフィルムの一実施形態の上面図である。
【図3c】本発明による裏に接着剤が付いているフィルムの一実施形態の上面図である。
【図3d】本発明による裏に接着剤が付いているフィルムの一実施形態の上面図である。
【図3e】本発明による裏に接着剤が付いているフィルムの一実施形態の上面図である。
【図4】図2に示される分配キャニスタ−付属部品アセンブリを備える本発明によるディスペンサの一実施形態の垂直部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖端および開放端を有する実質的に円筒状の容器を備える分配キャニスタであって、前記容器の前記開放端にフェルールで分配手段が装備される分配キャニスタ、
実質的に円筒状の付属部品であって、前記容器の閉鎖端に隣接するように位置決めされ、前記キャニスタと前記付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する部品、および、
裏に接着剤が付いているフィルムであって、フィルムが前記キャニスタ−部品インターフェースを横切って延び、その上縁が前記付属部品の周りに配置され、その下縁が前記フェルールの上縁の近傍で前記容器の周りに配置されるように、前記キャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付けられ、前記容器の外面および前記付属部品の外面に接着されるフィルム、
を備える分配キャニスタ−付属部品アセンブリであり;前記裏に接着剤が付いているフィルムは、少なくとも2つのセクションを備え、第1のセクションは、前記上縁付近又は実質的に前記上縁から始端し、前記キャニスタ−部品インターフェースを横切って前記フィルムの下縁の方に延び、第2のセクションは、実質的に前記下縁から始端し、前記フィルムの上縁の方に延び、前記第1のセクションで又は前記第1のセクションより前で終端し、前記フィルムの前記第1のセクションの第1の端部位は、前記フィルムの前記第1のセクションの第2の端部位に重なり、前記フィルムの前記第2のセクションの端部位は重ならない、分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項2】
前記付属部品が用量カウンタである、請求項1に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項3】
前記キャニスタ−部品サブアセンブリから外側を向く前記裏に接着剤が付いているフィルムの表面が、印刷可能である、請求項1又は2に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項4】
前記キャニスタ−部品サブアセンブリから外側を向く前記裏に接着剤が付いているフィルムの表面に、印が印刷されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項5】
前記裏に接着剤が付いているフィルムのフィルムが、紙又はポリマーで製造されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項6】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分配キャニスタ−付属部品アセンブリ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のキャニスタ−付属部品アセンブリと、開放型チャンバを画定する細長い又は略円筒状の部分を備えるアクチュエータとを備える複数用量の薬剤を分配するためのディスペンサであって、前記分配キャニスタ−付属部品アセンブリの前記分配キャニスタが、前記アダプタに受容され、前記容器の少なくとも一部、および、前記容器の周りにある前記裏に接着剤が付いているフィルムの前記第2のセクションが一部又は完全に前記チャンバ内に配置される、ディスペンサ。
【請求項8】
前記チャンバがその内面に、内側に突出し、且つ前記チャンバの開放端の方に垂直に延びる1つ以上のリブを有し、前記裏に接着剤が付いているフィルムの前記第2のセクションは、前記ディスペンサが停止しているとき、および前記ディスペンサの作動中、前記容器の閉鎖端の方に向かう前記第2のセクションの境界によって画定される水平位置が、前記チャンバの開放端の方に向かう1つ又は複数のリブの端部によって画定される水平位置に又はそれより上に配置され、それより下に下がらないような高さを有する、請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
実質的に円筒状の付属部品を分配キャニスタの実質的に円筒状の容器の閉鎖端に固定するための、裏に接着剤が付いているフィルムであって、前記裏に接着剤が付いているフィルムは、2つのセクションを備え、第1のセクションは、前記上縁付近又は実質的に前記上縁から始端し、前記フィルムの下縁の方に延び、第2のセクションは、実質的に前記下縁から始端し、前記フィルムの上縁の方に延び、前記第1のセクションで又は前記第1のセクションより前で終端し、前記第1のセクションの幅の長さは、前記容器の周囲の長さより大きく、前記第2のセクションの幅の長さは、前記容器の周囲の長さに等しいか又はそれより小さい、裏に接着剤が付いているフィルム。
【請求項10】
前記裏に接着剤が付いているフィルムの外面が、印刷可能である、請求項9に記載の裏に接着剤が付いているフィルム。
【請求項11】
前記外面に印が印刷されている、請求項9又は請求項10に記載の裏に接着剤が付いているフィルム。
【請求項12】
前記裏に接着剤が付いているフィルムのフィルムが、紙又はポリマーで製造されている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の裏に接着剤が付いているフィルム。
【請求項13】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の裏に接着剤が付いているフィルム。
【請求項14】
実質的に円筒状の付属部品を、閉鎖端および開放端を有する実質的に円筒状の容器を備える分配キャニスタに固定する方法であって、前記容器の前記開放端にフェルールで分配手段が装備され、以下の工程、
a)前記付属部品を前記容器の閉鎖端に隣接するように位置決めし、前記キャニスタと前記付属部品との間にインターフェースを有する略円筒状のキャニスタ−部品サブアセンブリを形成する工程、
b)請求項9〜13のいずれか1項に記載の、裏に接着剤が付いているフィルムを提供する工程、および
c)前記フィルムの上縁が前記付属部品の周りに配置され、前記フィルムの下縁が前記フェルールの上縁の近傍で前記容器の周りに配置されるように、且つ、前記フィルムの前記第1のセクションが、前記キャニスタ−部品インターフェースを横切って延び、前記フィルムの前記第1のセクションの第1の端部位が、前記フィルムの前記第1のセクションの第2の端部位に重なるが、前記フィルムの前記第2のセクションの端部位は重ならないように、裏に接着剤が付いているフィルムを前記キャニスタ−部品サブアセンブリの周囲に取り付け、前記裏に接着剤が付いているフィルムを前記容器の外面および前記付属部品の外面に接着させる工程、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−520263(P2007−520263A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543815(P2006−543815)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/036450
【国際公開番号】WO2005/060441
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】