説明

定量塗布容器

【課題】容器体の口頸部に取り付けた支持部材に対して昇降する計量室との間にスプリングを装着することで、使い勝手が良く、内容物の気密性を損なうことなく、かつ簡易に組み立てることができる定量注出容器を提供する。
【解決手段】口頸部8を起立する容器体2と、口頸部外面へ取り付けた固定筒16上部から内向きフランジ状頂壁20を連設して、該頂壁上面から連結筒24を起立させた支持部材14と、中間部外面に外向きフランジ状底壁46が連設され、かつ該支持部材の連結筒に対して昇降自在かつ液密に嵌合させた昇降筒42と、外向きフランジ状底壁の外縁部に、上端にノズル状の開口部56を有する上部小径の周壁52の下端部を連結してなり、昇降筒とともに計量室58を形成する注出キャップ50と、計量室の外面を覆う密閉キャップ76とを具備する定量塗布容器であり、連結筒外方の内向きフランジ状頂壁20上面と外向きフランジ状底壁下面との間に弾性部材84を介装した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量塗布容器、特に頭髪に塗布する薬剤を収納するのに適した定量塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
育毛剤などの定量塗布容器として、容器体の口頸部に計量筒部材を嵌着し、計量部材内計量室の容器側の開口(透孔)と外部側の開口(挿通孔)を交互に開閉する栓筒(弁部材)を設け、栓筒を引き上げて容器を反転させることで容器体内の液体を計量室内へ流下させ、次に栓筒を押し下げて計量室内の液体を栓筒を介して頭部に塗布するように構成したものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−337910号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしこの容器では、栓筒を外方へ引き出した後に再び内方へ戻すと、常に計量室内部と外部が連通しているため、逆さにして頭髪に薬剤を塗布する際に少量ずつの塗布が難しく、過剰に注出されるおそれがあった。
【0004】
そこで本発明は、容器体の口頸部に取り付けた支持部材とこの支持部材に対して昇降する計量室との間にスプリングを装着することで、使い勝手が良く、内容物の気密性を損なうことなく、かつ簡易に組み立てることができる定量塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
口頸部8を起立する容器体2と、
上記口頸部8外面へ取り付けた固定筒16上部から内向きフランジ状頂壁20を連設して、該頂壁上面から連結筒24を起立させた支持部材14と、
中間部外面に外向きフランジ状底壁46が連設され、かつ該支持部材14の連結筒24に対して昇降自在かつ液密に嵌合させた昇降筒42と、
該外向きフランジ状底壁46の外縁部に、上端にノズル状の開口部56を有する上部小径の周壁52の下端部を連結してなり、該昇降筒42とともに計量室58を形成する注出キャップ50と、
該計量室58の外面を覆う密閉キャップ76とを具備し、
該開口部56を挿通する押圧突子66と押圧突子66下方のスカート68と該注出キャップ50の上部下面に上方付勢するバネ材70とを備える注出弁部材64によって該開口部を開閉する注出弁72を形成し、更に該昇降筒42内にその昇降により開閉する流入弁60を形成した定量塗布容器において、
該連結筒24外方の内向きフランジ状頂壁20上面と該外向きフランジ状底壁46下面との間に弾性部材84を介装するとともに、該密閉キャップ76は注出キャップ50を介して昇降筒42を押下げ可能に形成され、かつその押下げ状態を保持できるように容器体2側に対して取り付け、更に弾性部材84の弾性力が、該バネ材70の弾性力よりも大きくなるように設定している。
【0006】
本手段は、計量室の昇降用の手段としてスプリングなどの弾性部材を採用したもので、キャップを外したときにその弾性力で計量室が自動的に上昇して流入弁が閉じるようにしたものである。しかしながら、この弾性部材の弾性力をどの程度の大きさに設定するかが問題であり、この弾性力が小さ過ぎると、キャップを外して押圧突子を頭皮に押しつけたときにこの押圧突子を付勢するバネ材の代わりに弾性部材が圧縮され、流出弁が開放されてしまう可能性がある。
【0007】
「支持部材」は、計量室を昇降可能に支持するためのものであり、後述の昇降筒本体が昇降自在に、かつ液密に嵌合する連結筒を有している。また、この連結筒の外面と後述の脚筒内面との間に弾性部材収納空間を有している。
【0008】
「昇降筒」は、少なくとも直筒状の昇降筒本体の中間部外面に計量室の底壁となる外向きフランジ状底壁を連設させており、後述の実施形態では、該外向きフランジ状底壁の外縁部から垂下した筒壁(内筒部)を支持部材の固定筒外面へ摺動自在に嵌合させている。
【0009】
「注出キャップ」は、昇降筒の外向きフランジ状底壁の外周部に下端部を連結した周壁を有し、該周壁の上部を上内方へ屈曲させて、好ましくは上端開口の略釣鐘形に形成している。
【0010】
「計量室」は、昇降筒と注出キャップとで形成しており、その昇降筒本体を上記連結筒に液密にかつ上下に摺動可能に嵌合させることで、上限位置と下限位置との間を昇降可能に形成されている。
【0011】
「弾性部材」は、支持部材と計量室との間にこの計量室を上方付勢するために介装されている。この弾性部材の弾性力は、計量室が上限位置にあるときに少なくとも押圧突子上方付勢用のバネ材の弾性力よりも大きいように設定している。更に、上記連結筒からの液漏れを防止するために、この連結筒と昇降筒本体とは比較的固く嵌合させる必要があるので、これら両者の抵抗力に打ち勝てる程度の大きさの弾性力が必要となる。弾性部材は、合成樹脂製でも良いが、弾発力が大きいことから金属製とすることが望ましい。もっとも、この場合には、内容液が金属製の弾性部材と接触しないように連結筒及び昇降筒本体の液密性を特に高く設定する必要がある。
【0012】
「密閉キャップ」は、計量室の外面を液密かつ気密に覆うものである。密閉キャップは、容器体に対して直接乃至間接に取り付けることができる。例えば密閉キャップの下部を、容器体の胴部の上端部に嵌合させてもよく、支持部材の後述の案内筒外面に嵌合させて支持部材を介して容器体に取り付けることもできる。密閉キャップは、有頂筒形の外蓋と、この外蓋内に内装され、計量室の開口部を除く形状に沿って付形された内蓋とで形成することができる。
【0013】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ該計量室58の底部外周部側から上記固定筒16の外面に脚筒48を垂下し、これら脚筒48及び固定筒16の両対向面の一方に、計量室58の上限位置及び下限位置規制用の係合凹部92を、他方にこの係合凹部92内に上下動可能に挿入された係合突子94をそれぞれ形成し、外向きフランジ状底壁46と内向きフランジ状頂壁20との間に弾性部材84が弾性圧縮された状態で該係合突子94が係合凹部92内に係止されるように設けている。
【0014】
本手段では、計量室の上限位置及び下限位置を規制するために、換言すれば弾性部材が伸びる範囲を規制するために、相互に係合する係合凹部及び係合突子を設けている。該弾性部材は、計量室が上限位置にある状態で、係止突子を頭皮に押し当てて、バネ材を圧縮した際に圧縮されないように構成している。
【0015】
「係合凹部」は、該計量室の昇降巾に対向する上下巾を有して、該脚筒又は固定筒の周面に形成されている。
【0016】
第3の手段は、第1の手段を有し、かつ、 該固定筒16の外面に連結片9を介してこの固定筒を囲成する案内筒18を連結するとともに、この案内筒18を固定筒16上方に延長して、この延長筒部分の内面側まで、該計量室58の底部外周部側から脚筒48を垂下し、これら脚筒48及び案内筒18の両対向面の一方に、計量室58の上限位置及び下限位置規制用の係合凹部92を、他方にこの係合凹部92内に上下動可能に挿入された係合突子94をそれぞれ形成し、外向きフランジ状底壁46と内向きフランジ状頂壁20との間に弾性部材84が弾性圧縮された状態で該係合突子94が係合凹部92内に係止するように設け、更に該案内筒18の外面に密閉キャップ76を嵌合させている。
【0017】
本手段では、計量室側の脚筒を案内するための案内筒を固定筒の回りに設け、これら脚筒と案内筒との間に第2の手段と同様の係合凹部及び係合突子を形成するとともに、計量室の密閉性を高めるために、案内筒の外面に密閉キャップを嵌合(好ましくは螺合)させている。
【0018】
尚、上記第2の手段又は第3の手段において、「計量室の底部外周部」とは、計量室底壁の外周部分及び該注出キャップの下端部の何れか一方又は双方をいうものとする。そして脚筒は、後述の如く該計量室底壁の外周部分及び注出キャップの下端部の双方から垂下する各筒壁で2重筒状に形成することができ、又、それら計量室底壁の外周部分及び注出キャップ下端部の何れか一方のみから垂下した単一の筒壁で形成することもできる。
【0019】
更に、上記第2の手段又は第3の手段において、該係合凹部92は、該脚筒48と固定筒16又は案内筒18との各周面の何れかに形成することができ、またその周面の周方向一部に形成することもできる。
【発明の効果】
【0020】
第1の手段に係る発明は、次の効果を奏する。
○密閉キャップ76を外すだけで計量室58が上昇し、押圧突子66の押込みによる使用可能な状態となるので、使い勝手が良い。
○密閉キャップ76を外した状態で、弾性部材84の弾性力がバネ材70の弾性力よりも大としたから、押圧突子66を頭皮に押し当てたときにこの押圧突子66のみを計量室58内へ後退させ、注出弁72を確実に開閉できる。
【0021】
第2の手段、第3の手段に係る発明によれば、弾性部材84は、計量室58の上限位置で、押圧突子66を頭皮に押し当てたときのその押圧力によって圧縮されることがなく、押圧突子66のみを確実に内方へ押し込むことができる。
【0022】
更に第3の手段に係る発明によれば、案内筒18の外面に密閉キャップ76を嵌合させることが可能に設けたから、密閉性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1乃至図3は、本発明の第1の実施形態に係る定量塗布容器を示している。
【0024】
まずこの定量塗布容器の構成のうち基本構成を説明すると、この容器は、容器体2と、支持部材14と、昇降筒42と、注出キャップ50と、注出弁部材64と、密閉キャップ76とで構成されている。
【0025】
容器体2は、胴部4の上端から半ドーム形の肩部6を介して口頸部8を起立している。該肩部6の下端には係合凹条10を周設している。また、該口頸部8の外面には3つの係止突条を周設している。
【0026】
支持部材14は、該口頸部8外面に嵌合させた固定筒16の上部に内向きフランジ状頂壁20を連設させて、この内向きフランジ状頂壁の内縁から縦長の連通筒22を起立している。またこの連通筒22を囲成して、内向きフランジ状頂壁20の中間部及び外縁部から、背の低い連結筒24と、該固定筒16を真っ直ぐ上方へ延長した延長筒壁部17とをそれぞれ起立している。図示の連通筒22は、内向きフランジ状頂壁20と一体に連続成形された上端開口の下半筒部と、この下半筒部の上部開口内に下端部を嵌合した上端閉塞の上半筒部とで形成されており、該上半筒部の上端面からは後述の押圧突子の縦孔内への嵌挿用の栓棒26を起立している。また、該下半筒部には複数の窓孔28を縦設しており、更に該上半筒部の上下方向中間部には鍔30を付設し、この鍔のやや下方に複数の通孔を開口している。
【0027】
昇降筒42は、昇降筒本体44の上下方向中間部から外向きフランジ状底壁46を突設するとともにこの底壁46の外縁部から内筒部48aを垂下している。又、該底壁の外周部には、注出キャップ50周壁下端部の嵌着用の環状凹溝が周設されている。
【0028】
注出キャップ50は、該環状凹溝内へ下端部を嵌着させた周壁52の上部を内方に湾曲してその上端部をノズル状の開口部56とするとともに、該周壁52の外面下端部から突出する外方張出部より、上記内筒部48a外面に嵌合する外筒部48bを垂下している。該外筒部48b及び内筒部48aは脚筒48を形成している。
【0029】
該昇降筒42と注出キャップ50とは計量室58を形成しており、かつ昇降筒本体44の外面を上記支持部材14の連結筒24に上下摺動自在に嵌合させて昇降自在に構成している。また昇降筒本体44の上端部内面には、上記連通筒22の鍔30を液密に当接させて、上記計量室58の昇降により開閉する流入弁60に形成している。尚、昇降筒本体44の上端を、該鍔30の下面に液密に当接させて流入弁60を形成することもできる。
【0030】
注出弁部材64は、上記開口部56を挿通する筒状の押圧突子66の下端部から、斜めやや下方へ傾斜したスカート68を介して、円錐台形で筒壁に複数の連通孔を縦設したバネ材70を突出してなり、このバネ材の下端部を該外向きフランジ状底壁46の上面に当接させることで、該スカート68上面を注出キャップ50の周壁52の内周部下面に上方付勢させて当接し、これら両面で注出弁72を形成している。また、該押圧突子66は上半部を開口部56から突出しており、この押圧突子66の上半部外面に複数の注出溝を縦設している。
【0031】
密閉キャップ76は、有頂筒形の外蓋78とこの外蓋に内装した内蓋80とからなる。外蓋78は、筒壁の下端部内面に付設した係合リブ82を上記係合凹条10内に嵌合させている。また内蓋80は、該押圧突子66を収納する有頂の小カップ体の下端から注出キャップ50の周壁52と脚筒外筒部48bの上半部分との各外面に沿ってこれら各外面を気密に覆い、この外筒部48b下半部分から離れて下端部を外蓋78の下部内面に当接している。
【0032】
本発明においては、上記連結筒24と固定筒延長筒壁部17との間隙内で、内向きフランジ状頂壁20の上面と外向きフランジ状底壁46の下面との間にスプリングで形成する弾性部材84を介装している。この弾性部材84は、該連結筒24と昇降筒本体44との間の摩擦力に打ち勝って計量室58を押し上げることができる弾性力を有し、またその弾性力は、バネ材70の弾性力よりも大きくなるように設定する。図示例では、該計量室底壁の外周部から内筒部48aにつながる内向き段部86を形成し、この内向き段部86に該弾性部材84の上端部を係止させている。また、該延長筒壁部17の内面には弾性部材84抜止め用の凸部88を付設している。
【0033】
更に上記脚筒内筒部48aの内面下部には、凹溝である係合凹部92を、また固定筒16の一部(図示例では延長筒壁部寄りの部分)外面には、該係合凹部92を上下動可能に挿入した環状凸条として係合突子94をそれぞれ周設しており、この係合突子が係合凹部92内の下端部乃至上端部に係止することで計量室58の上限位置及び下限位置をそれぞれ規制している。又、該係合凹部92の底壁下部には肉薄の括れ部96を設けている。
【0034】
尚、図示例と異なり、固定筒16の外面に係合凹部を、脚筒48の内面に係合突子をそれぞれ形成しても良い。
【0035】
上記構成において、図1の状態から密閉キャップ76を装着したままで容器を逆さまにすると、容器体2内の液体が窓孔28及び通孔32から流入弁60を通って計量室58内へ入り、容器を正立状態に戻すと、昇降筒本体44の高さに応じた液体を計量室58内に残して、残りの液体が容器体2内へ戻るので計量が完了する。次に密閉キャップ76を容器体2から外すと、弾性部材84が計量室58を押上げて流入弁60が閉じる。ここで係合突子94は係合凹部92の下端に突き当たって計量室58を上限位置に静止させる。この状態から容器を逆さまにして上記押圧突子66を利用者の頭皮に押し当てると、バネ材70のみが弾性圧縮され、このとき押圧突子66上部外面の縦溝を介して計量室58内の液体を頭皮に塗布することができる。
【0036】
使用を終了したときには、密閉キャップ76の係合リブ82を再び容器体2の係合凹条10に嵌合させると、弾性部材84が弾性圧縮することで計量室58が下降して流入弁60が開き、次の計量に備える。
【0037】
図4乃至図6は本発明の第2の実施形態に係る容器を示している。この実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで説明を省略する。
【0038】
本実施形態において、支持部材14は、容器体口頸部8の外面へ嵌合する固定筒16と、この固定筒の外側へ小間隙を存して重ねた案内筒18とを連結片9で連結した2重筒に形成している。該案内筒18は、計量室58の外向きフランジ状底壁46とほぼ同じ高さに形成しており、この案内筒18の上部内面に係合突子94を付設している。また脚筒の外筒部48b外面には上下一対のリブを設け、これら両リブ間の外面部分を嵌合凹部92に形成している。更に該案内筒の下部外面には密閉キャップ76との螺合用のねじが形成されている。
【0039】
また、密閉キャップ76の内蓋80は、注出キャップ50の周壁52から更に案内筒18外面に沿って垂下され、案内筒18下部に螺合するとともに、案内筒18下端から外方に延びて外蓋78の下端面に係止している。
【0040】
尚、図示例とは反対に案内筒18内面に係合凹部を、また脚筒48外面にはその係合突子をそれぞれ形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る容器の縦断面図である。
【図2】図1容器の計量途中の状態を示す縦断面図である。
【図3】図1容器の計量完了の状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る容器の縦断面図である。
【図5】図4容器の計量途中の状態を示す縦断面図である。
【図6】図4容器の計量完了の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
2…容器体 4…胴部 6…肩部 8…口頸部 9…連結片
10…係合凹条 14…支持部材 16…固定筒 17…延長筒壁部
18…案内筒 20…内向きフランジ状頂壁 22…連通筒
24…連結筒 26…栓棒 28…窓孔 30…鍔 42…昇降筒
44…昇降筒本体 46…外向きフランジ状底壁 48…脚筒 48a…内筒部
48b…外筒部 50…注出キャップ 52…周壁 56…開口部
58…計量室 60…流入弁 64…注出弁部材 66…押圧突子 68…スカート
70…バネ材 72…注出弁 76…密閉キャップ 78…外蓋 80…内蓋
82…係合リブ 84…弾性部材 86…内向き段部 88…凸部
92…係合凹部 94…係合突子 96…括れ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部8を起立する容器体2と、
上記口頸部8外面へ取り付けた固定筒16上部から内向きフランジ状頂壁20を連設して、該頂壁上面から連結筒24を起立させた支持部材14と、
中間部外面に外向きフランジ状底壁46が連設され、かつ該支持部材14の連結筒24に対して昇降自在かつ液密に嵌合させた昇降筒42と、
該外向きフランジ状底壁46の外縁部に、上端にノズル状の開口部56を有する上部小径の周壁52の下端部を連結してなり、該昇降筒42とともに計量室58を形成する注出キャップ50と、
該計量室58の外面を覆う密閉キャップ76とを具備し、
該開口部56を挿通する押圧突子66と押圧突子66下方のスカート68と該注出キャップ50の上部下面に向けて上方付勢するバネ材70とを備える注出弁部材64によって該開口部を開閉する注出弁72を形成し、更に該昇降筒42内にその昇降により開閉する流入弁60を形成した定量塗布容器において、
該連結筒24外方の内向きフランジ状頂壁20上面と該外向きフランジ状底壁46下面との間に弾性部材84を介装するとともに、該密閉キャップ76は注出キャップ50を介して昇降筒42を押下げ可能に形成され、かつその押下げ状態を保持できるように容器体2側に対して取り付け、更に弾性部材84の弾性力が、該バネ材70の弾性力よりも大きくなるように設定したことを特徴とする定量塗布容器。
【請求項2】
該計量室58の底部外周部側から上記固定筒16の外面に脚筒48を垂下し、これら脚筒48及び固定筒16の両対向面の一方に、計量室58の上限位置及び下限位置規制用の係合凹部92を、他方にこの係合凹部92内に上下動可能に挿入された係合突子94をそれぞれ形成し、外向きフランジ状底壁46と内向きフランジ状頂壁20との間に弾性部材84が弾性圧縮された状態で該係合突子94が係合凹部92内に係止されるように設けたことを特徴とする、請求項1記載の定量塗布容器。
【請求項3】
該固定筒16の外面に連結片9を介してこの固定筒を囲成する案内筒18を連結するとともに、この案内筒18を固定筒16上方に延長して、この延長筒部分の内面側まで、該計量室58の底部外周部側から脚筒48を垂下し、これら脚筒48及び案内筒18の両対向面の一方に、計量室58の上限位置及び下限位置規制用の係合凹部92を、他方にこの係合凹部92内に上下動可能に挿入された係合突子94をそれぞれ形成し、外向きフランジ状底壁46と内向きフランジ状頂壁20との間に弾性部材84が弾性圧縮された状態で上記係合突子94が係合凹部92内に係止するように設け、更に上記案内筒18の外面に密閉キャップ76を嵌合させたことを特徴とする、請求項1に記載の定量塗布容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−8550(P2007−8550A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193189(P2005−193189)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】