説明

害虫捕獲器

【課題】捕獲器内部に誘引しやすくし、且つ誘引された飛翔性害虫を確実に薬剤と接触させて効果的に捕獲及び/又は防除することができる害虫捕獲器の提供。
【解決手段】開口部16,17を備えた容器11と、容器11に収容された、少なくとも害虫誘引成分を含んだ薬剤と、を備え、開口部16,17を介して容器11内に害虫を誘引する害虫捕獲器10であって、容器11の内面に、前記薬剤に向かって線状突起部18が設けられている。これにより、更なる誘引性を得て、効果的に捕獲及び/又は防除を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハエ、コバエ等の飛翔性害虫を容器内に誘引して捕獲及び/又は防除するのに用いられる害虫捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の害虫捕獲器としては、容器に飛翔性害虫の進入口を設けるとともに容器内部に害虫誘引成分を含んだ薬剤を収納して、当該害虫誘引成分を周囲雰囲気中に揮散して、飛翔性害虫を容器内部に誘引して死に至らしめて防除するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−142643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年、生活用品に対するユーザの清潔志向への傾向は顕著であり、前記特許文献1等に開示された従来の害虫捕獲器も例外ではなく、これら害虫捕獲器においても更に誘引性を向上させ、捕獲、防除の効果を高めたものの提供が望まれている。そのため、害虫誘引成分について検討、改良がなされているがそれだけでは充分と言えない。これは即ち、優れた害虫誘引成分を用いても飛翔性害虫を捕獲器周辺、さらにその内部まで誘引することが難しい、あるいは内部に進入したとしても薬剤と接触せずに捕獲器外部へと飛び去っていくことがあるためである。したがって、害虫誘引成分に優れた殺虫剤を配合したところで所望の効果を得ることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は捕獲器内部に誘引しやすくし、且つ誘引された飛翔性害虫を確実に薬剤と接触させて効果的に捕獲及び/又は防除することができる害虫捕獲器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る害虫捕獲器は、下記を構成としている。
【0007】
(1) 開口部を備えた容器と、少なくとも害虫誘引成分を含むとともに該容器に収容される薬剤と、を備え、該開口部を介して前記容器内に害虫を誘引して捕獲及び/又は防除する害虫捕獲器であって、
前記容器の内面に、前記薬剤に向かって線状突起部が設けられている
ことを特徴とする害虫捕獲器。
(2) 前記線状突起部が、前記容器の内面に等間隔で配設されている
ことを特徴とする前記(1)の害虫捕獲器。
(3) 前記容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられている
ことを特徴とする前記(1)又は(2)の害虫捕獲器。
(4) 開口部を備えた容器と、少なくとも害虫誘引成分を含むとともに該容器に収容される薬剤と、を備え、該開口部を介して前記容器内に害虫を誘引して捕獲及び/又は防除する害虫捕獲器であって、
前記容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられ、
少なくとも当該突出部の側部に、前記開口部が設けられている
ことを特徴とする害虫捕獲器。
(5) 前記薬剤が、前記容器の底部に収容されており、
該底部に嵩上げ部が設けられている
ことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(6) 前記容器が、本体と、ドーム形状にして該本体に組み付けられる蓋体と、を有し、
少なくとも該蓋体に前記開口部が配置されている
ことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(7) 前記突出部が、複数設けられている
ことを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(8) 前記容器が、略角型形状に形成されている
ことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(9) 前記開口部が、外面から前記薬剤に向かって縮径の孔のある形状に形成されている
ことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(10) 前記突出部は意匠部を有している
ことを特徴とする前記(3)〜(9)のいずれか1つの記載の害虫捕獲器。
(11) 前記容器には、前記薬剤を補充する薬剤補充ボトルを着脱自在に取り付けるボトル挿し込み口が設けられている
ことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(12) 前記容器には、吊り下げ用の吊下部が設けられている
ことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(13) 前記容器の一部に発光部が設けられている
ことを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1つの害虫捕獲器。
(14) 前記嵩上げ部が、前記突出部と一体となるように形成されて、前記開口部から外方に突出する
ことを特徴とする前記(5)〜(13)のいずれか1つの害虫捕獲器。
【0008】
前記(1)の構成によれば、開口部から容器内に進入してきた飛翔性害虫は、内面に突出している線状突起部に集まって止まり、この線状突起部を伝いながら歩いていく行動習性を有するので、少なくとも害虫誘引成分を含んだ薬剤へと誘引されていき、この薬剤に接触することで、例えば薬剤に含まれる殺虫成分の作用によって、若しくはこの薬剤が液状、湿潤状(ゼリー、ゲル等)であるときには羽等が濡れることによって、行動できなくなったりして死に至る。このように、本発明の発明者らは飛翔性害虫の行動習性を詳細に研究し、その習性を利用して効果的に誘引して捕獲及び/又は防除することができることを見出した。
なお、前記の開口部は単数でも複数でもよく、その寸法は縦5〜30mm、横2〜10mm、面積10〜300mmであることが好ましい。また、この開口部よりも小さい径を有する開口部を併設する場合には、その寸法は縦5〜20mm、横2〜7mm、面積10〜140mmであることが好ましい。また、前記の線状突起部は、薬剤に向かっていれば、等間隔に設けられてもよく、若しくは螺旋状に設けられてもよい。
前記(2)の構成によれば、線状突起部が、容器の内面に等間隔で配設されているので、容器内に進入してきた飛翔性害虫をこの線状突起部に効果的に集めて止まらせて薬剤へ誘引することができ、且つ容器の強度を高めることもできる。
なお、ハエ、コバエ等の飛翔性害虫の行動習性を考慮すると、前記の線状突起部は高さ0.5〜5mm、幅0.5〜2mm程度とすることが好ましい。
前記(3)の構成によれば、容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられているので、例えば飛翔性害虫に止まり木を与えることができて、効果的に誘引することができる。
なお、前記の突出部は単数に限らず、複数設けられてもよく、その寸法は飛翔性害虫の行動習性が考慮されて、外径5〜20mm、高さ20〜70mmとされるのが好ましい。
前記(4)の構成によれば、容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられ、そしてこの突出部の少なくとも側部に開口部が設けられているので、例えば飛翔性害虫に止まり木を与えることができ、さらにそこに集まって止まった飛翔性害虫をその開口部から容器内へと効果的に誘引することができる。
なお、前記の開口部は、突出部の側部であれば、突出部の先端部、基端部の少なくともいずれかに設けられていればよい。
前記(5)の構成によれば、薬剤が、容器の底部に収容されており、この底部に嵩上げ部が設けられているので、薬剤の層が深くなり飛翔性害虫の捕獲効果を高め、また薬剤の効果を損なうことなく薬剤の充填量を抑制して製造コストを削減することができる。さらに、例えば薬剤がゲル、ゼリー等の湿潤状である場合、薬剤の偏りを抑制して乾燥等を防ぐのに有効である。
なお、前記の嵩上げ部は単数に限らず複数でもよく、またその高さが、容器本体の高さの60%までの範囲とされるのが好ましい。そしてその先端形状は凹凸状ないしは逆椀状とされてもよい。
前記(6)の構成によれば、容器が、本体と、ドーム形状にして本体に組み付けられる蓋体と、を有し、少なくともこの蓋体に開口部が配置されていることで、ドーム形状を好む飛翔性害虫の習性を利用して、蓋体に飛翔性害虫を集めて、さらに開口部から内部に進入することを促すことができる。
前記(7)の構成によれば、突出部が複数設けられていることで、例えば飛翔性害虫に多くの止まり木を与えることができるので、より効果的に飛翔性害虫を容器に集めて止まらせてその内部へと誘引することができる。
前記(8)の構成によれば、容器が略角型形に形成されていることで、部屋の隅等に密着させて配置することができるので、邪魔にならず害虫捕獲器が転がることもなく、安定して設置することができる。
なお、前記の略角型形には三角形状、四角形状、扇形状等も含まれる。
前記(9)の構成によれば、開口部が外面から薬剤に向かって縮径の孔のある形状(例えば、底部に孔を有するお椀形状等)に形成されていることで、この開口部から容器内に進入してきた飛翔性害虫が容器外へ戻ることを抑制して、飛翔性害虫の捕獲及び/又は防除の効果をさらに向上させることができる。
前記(10)の構成によれば、突出部が、例えば花形状等のアクセントとなる意匠部を有していることにより、この突出部に加えて、意匠部によっても止まり木を与えて、より効果的に飛翔性害虫を集めて容器内へ誘引させることができる。
なお、この意匠部に害虫誘引成分を浸み込ませたり、粘着性のある薬剤を塗布したりすることで、意匠部に止まった飛翔性害虫をより効果的に防除することもできる。また、意匠部は、突出部に着脱自在に取り付けたり、或いは突出部に一体に成形してもよい。ここで、意匠部を突出部に着脱自在に取り付けるようにすれば、意匠部のデザインを複数種類用意しておいて、使用者の好みで適宜変更することができて好ましい。さらに、突出部全体が花形状等の意匠性を有するように形成してもよい。
前記(11)の構成によれば、容器が、薬剤を補充する薬剤補充ボトルを着脱自在に取り付けるボトル挿し込み口を設けていることで、薬剤の効果が減少したとき等、例えば別途販売される薬剤補充ボトルで補充を簡単に行うことができる。このため、害虫捕獲器の容器を再利用することができて、使い勝手を向上することができる。
前記(12)の構成によれば、容器に、吊り下げ用の吊下部が設けられているので、所定の部屋等に吊り下げることで、邪魔にならず適宜必要な場所で使用することができて、使い勝手を向上することができる。
前記(13)の構成によれば、飛翔性害虫は走光性を有するので、容器の一部に発光部を設けることで、より効果的に飛翔性害虫を集めて容器内へと誘引することができて、捕獲及び/又は防除の効果をさらに向上させることができる。
前記(14)の構成によれば、嵩上げ部が、突出部と一体となるように形成されて、開口部から外方に突出しているので、捕獲及び/又は防除の効果を損なうことなく、構造を簡易にすることができて、製造コストを抑制することもできる。
【0009】
また、本発明者らの検討により、暖色系の色に着色された容器に、飛翔性害虫が集まってくる傾向があることを見出した。したがって、容器の形状、害虫誘引成分等に関わらず、容器を暖色系の色に着色することによって、更なる誘引性を得て効果的な捕獲及び/又は防除を行うことができる。
【0010】
さらに、本発明者らの検討により、表面がシボ加工にされた容器に飛翔性害虫が集まってくる傾向があることを見出した。したがって、容器の形状、害虫誘引成分等に関わらず容器の表面にシボ加工を施すことにより、更なる誘引性を得て効果的な捕獲及び/又は防除を行うことができる。
【0011】
この発明における容器としては、本体若しくは本体と蓋体とからなり、その形状としては設置場所のコーナー部分にも載置できるような平面略角形状でもよく、またその材質は湿った場所にでも設置できるように撥水性、耐水性を有するものであれば、紙、パルプ、ダンボール等でもよく、所望の効果を得るために必要量の薬剤を収納できる内容積を備えたものであればよい。
【0012】
容器の開口部としては、飛翔性害虫が進入できる大きさ、形状を有するものであればよく、本体及び/又は蓋体に1箇所以上あればよく、本体及び/又は蓋体の少なくとも一面に連続若しくは断続にして設けられ、また、この開口部が外面から薬剤に向かって縮径の孔のある形状であってもよい。
【0013】
容器の線状突起部としては、容器の内面に薬剤に向かって設けられていればよく、等間隔で配設してもよく、若しくは容器の内面で螺旋形状となるように形成されていてもよい。また、線状突起部は容器の内面に限らずその外面に設けてもよい。
【0014】
容器の突出部としては、設置時に上方に向けて突出するものであり、1つ以上あればよい。また、突出部の少なくとも側部に開口部を設けてもよい。
【0015】
容器の嵩上げ部としては、この容器の底部にあればよく、突出部と一体に形成され、開口部から外方に突出するようにしてもよい。また、突出部としては、これ自体若しくはこれとは別に意匠部を設けてもよい。
【0016】
容器のボトル挿し込み口としては、薬剤補充ボトルを着脱自在に取り付けることができればよく、種々の形状のものを採用することができる。
【0017】
容器の吊下部としては、容器や薬剤の質量、使用環境の湿気等を考慮して、形状、材料、配置等を選べばよい。また、吊下部の大きさ(長さ)は、例えば室内の備品や使用者の頭と接触しない等、邪魔にならないように吊り下げ可能であればよく、調整できるものでもよい。そして、容器が安定的に保持されるように1つ以上設ければよい。
【0018】
容器の発光部としては、本発明の実施を妨げないかぎり、電気的な発光部(例えば、LED、豆電球等)、化学的な発光部(例えば、夜行塗料、蛍光塗料等)等を設けることができ、そして発光部は容器の一部に設けられていればよい。
【0019】
前述に加えて本発明に係る害虫捕獲器は、容器の底面に磁石や吸盤、両面テープ等の粘着材を取り付けたりすることで、設置場所への固着力を増大するようにしてもよい。
【0020】
また、容器の表面や内面に粘着材を塗布するようにしてもよい。
【0021】
ここで、前述したように構成される本発明の害虫捕獲器の基本捕獲メカニズムについて説明する。
害虫捕獲器が、部屋等に設置されることで、飛翔している飛翔性害虫が止まり木としての突出部に集まり止まる。次に、飛翔性害虫は開口部から揮散している薬剤に含まれる害虫誘引成分を感知することで、この開口部から容器内に進入して行く。
【0022】
そして、容器内に入ってきた飛翔性害虫は、線状突起部に集まって止まり、害虫誘引成分の雰囲気に誘われながら、この線状突起部を伝って薬剤へと進行する。このとき、容器内に入ってきた飛翔性害虫は、止まり木として嵩上げ部に止まった場合にも、害虫誘引成分の雰囲気に誘われ、嵩上げ部を伝って薬剤へと進行する。
【0023】
薬剤へと進行してきた飛翔性害虫は、例えば薬剤がゲル粒であった場合、そのゲル粒の隙間から深部へとさらに進行し、薬剤に含まれた殺虫成分の作用により、若しくは羽等が濡れることにより、行動ができなくなったりして死に至る。
【0024】
次に、容器内に収納される薬剤としては、液体状、粒状、ゲル状、ゼリー状、固形状等適宜様々な形状のものを使用することができるが、捕獲及び/又は防除の効果を考慮するとゲル状の粒形状(直径5〜25mm)が好ましい。ゲル状の粒形状(ゲル粒とも言う。)は、少なくとも害虫誘引成分を含有した溶液に吸液性ポリマーを浸漬して膨潤させたものからなる。
なお、ゲル粒としては、球状、棒状、これらに準じた形状、又は多角形状、破片状等の不定形状でもよいが、容器内に収納される時にゲル粒状間に飛翔性害虫が進入し得る隙間が形成されればよい。また、均一の形状であっても、異なるサイズのゲル粒が混在していてもよく、ゲル状の粒としては、丸形であっても角形であってもよい。
【0025】
ゲル粒のサイズは、ハエ、コバエ等の捕獲を対象とした場合には5〜25mm、さらには10〜15mmであることが好ましい。ゲル粒のサイズをこれら範囲とすることで、飛翔性害虫が隙間を介して深部に進入しやすくなり、且つ脱出し難くすることが可能となり、効果的に捕獲及び/又は防除することができる。なお、ゲル粒のサイズとは、例えば球状であれば直径を示し、棒状や直方(立方)形状であれば長手方向の長さを指す。
【0026】
容器内に収納されるゲル粒の数は15〜600粒/100cm、さらには50〜200粒/100cmであることが好ましい。この範囲とすることで、最適な隙間がゲル粒間に形成されて、より効果的に飛翔性害虫を捕獲することができる。さらに、容器内におけるゲル粒間の距離は例えば10mm以下、さらには5mm以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、飛翔性害虫が進入可能な隙間を設けることが可能となり、そして飛翔性害虫の体表又は羽等と接触しやすくして行動を阻害するのに好ましい。
【0027】
さらに、容器内におけるゲル粒の充填深さは、1.5cm以上、さらには2.5cm以上であることが好ましい。浅すぎると飛翔性害虫の進入が十分でなく外部に脱出しやすくなる可能性がある。そして、ゲル粒の層の数は3層以上であることが好ましい。
なお、ここでいう「層」とは、容器の設置時の上方向に向かってゲル粒が積み重なっている状態をいう。
【0028】
ここで、吸液性ポリマーとしては、吸水性、吸油性のいずれでもよく、例えば澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸ソーダグラフト重合体の架橋物、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸ソーダの架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体の架橋物およびその塩、ポリビニルアルコールアクリル酸ソーダグラフト重合体の架橋物、ポリ酢酸ビニル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体の架橋物の塩、長鎖アルキルアクリレート架橋重合体、ポリソルボルネン、アルキルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリレート系架橋重合体、変性アルキレンオキサイド等が挙げられる。
さらに好ましくは、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物、ポリアクリル酸共重合体が挙げられ、アクアコークTWB(住友精化社製)、ASCO HISOBEAD(AEKYUNG SPECIALTY CHEMICALS CO. LTD)が例示される。
また、薬剤としては吸液性ポリマーによる前述のゲル粒の他にも空気と接する表面積が大きい固体であってもよく、例えば寒天、カラギーナン、ジェランガム等にて調製されたゲル固体を粉砕したもの(クラッシュゲル等)、そしてスポンジ、海綿体、パルプ等の吸液性を有するもの等が例示される。
【0029】
そして、害虫誘引成分としては、例えば、紹興酒、ビール、ワイン、アセトイン、黒酢、赤酢、食酢、各種果実エキス、野菜や果実の発酵物、味噌、酵母、蜂蜜、液糖、黒糖、砂糖、各種の植物性又は動物性の食餌等が挙げられる。
【0030】
さらに飛翔性害虫の防除効果を高めるために、例えば、防虫菊エキス、天然ピレトリン、プラレトリン、イミプロトリン、フタルスリン、アレスリン、トランスフルトリン、レスメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、サイパーメスリン、エトフェンプロックス、シフルスリン、デルタメスリン、ビフェントリン、フェンバレレート、フェンプロパスリン、エムペンスリン、シラフルオフェン、メトフルトリン、プロフルトリン等のピレスロイド系化合物、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、ホキシム、クロルピリホス、ジクロルボス等の有機リン系化合物、カルバリル、プロポクスル、メソミル、チオジカルブ等のカーバメート系化合物、メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物、フィプロニル等のフェニルピラゾール系化合物、アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド等のニコチノイド系化合物、メトプレン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェン等の昆虫成長制御化合物等、及びオレンジ油、ハッカ油、ベンジルアルコール等の殺虫性精油等を殺虫成分として用いることもできる。
これら殺虫成分のなかでも、ゲル粒を得るのに水を用いることから水溶性殺虫剤であるジノテフランが好ましい。水溶性殺虫剤であるジノテフランであれば、界面活性剤や有機溶媒を用いなくてもよいので忌避等の問題が発生せず好ましい。
殺虫成分の含有量はゲル粒中において0.01〜0.5質量%であることが好ましい。具体例としては、ジノテフランを用いる場合には0.05〜0.2質量%であることが好ましい。
なお、殺虫成分を含有させるにあたり、前記害虫誘引成分と同じゲル粒に含有させてもよいし、害虫誘引成分と別個のゲル粒や他の粒状体に含有させる2成分系としてもよい。
【0031】
この他に飛翔性害虫の行動を阻害し(羽を濡らして動けなくする)、捕獲して死に至らしめるために、例えばポリブデン、天然ゴム、グアーガム、キサンタン、澱粉、糖類等の粘性成分を併用して薬剤の表面に高い粘性を付与するようにしてもよい。これにより、さらに捕獲性を高めることができる。
【0032】
さらに、前述した成分に加え、通常溶剤としての水を含み、更に誘引性に支障を来たさない限りにおいてその他の成分を適宜添加することができる。
その他の成分としては、例えば誤食防止剤、防腐剤、pH調整剤、安定化剤、色素、香料等の各種補助成分が挙げられる。例えば、安息香酸デナトニウム(商品名 ビトレックス)、トウガラシエキス等の誤食防止剤、塩化セチルピリジニウム等の四級アンモニウム塩、ソルビン酸カリウム、パラベン等の防腐剤、クエン酸、リン酸これらの塩等のpH調整剤、BHT、BHA等の安定化剤、赤色、青色、黄色、緑色、黒色、茶色等を示す各種色素、メロン、バニラ、ストロベリー、マンゴー、リンゴ、ナシ、バナナ、ドリアン等の香調の香料、等が挙げられる。
また、保水剤としてトリメチルグリシンを配合すると、ゲル粒の水分揮散を抑えることができ、ゲル粒の保水性を長期に保つことができ、誘引、捕獲効果を維持できるため好ましい。トリメチリルグリシンの含有量は0.1〜10質量%であることが好ましい。
【0033】
さらに、本発明に係る害虫捕獲器の薬剤が、飛翔性害虫の誘引性を高めるために発光体を兼ねるようにしてもよい。具体的には、発光体または蓄光体を薬剤と共にゲル粒中に含有させてゲル粒を発光させること等が挙げられる。
【0034】
また、本発明の対象となる飛翔性害虫としては、キイロショウジョウバエ、カスリショウジョウバエ、クロショウジョウバエ、オオショウジョウバエ、ノミバエ、オナジショウジョウバエ、キンバエ、クロバエ等が挙げられる。
さらに、前記の飛翔性害虫に限らず、本発明は、例えばカ、ハチ等の飛翔性害虫にも適用することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の害虫捕獲器によれば、ハエ、コバエ等の飛翔性害虫を捕獲器内部に効果的に誘引し、且つ捕獲器内部に進入した飛翔性害虫を確実に薬剤と接触させることができるので、効果的に捕獲及び/又は防除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る第1実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図2】図1の害虫捕獲器に用いられる蓋体を斜め下方から視た外観斜視図である。
【図3】図1の害虫捕獲器に用いられる本体を斜め上方から視た外観斜視図である。
【図4】図1の害虫捕獲器の縦端面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図7】本発明に係る第4実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図8】本発明に係る第5実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図9】本発明に係る第6実施形態である害虫捕獲器の縦端面図である。
【図10】本発明に係る第7実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【図11】本発明に係る第8実施形態である害虫捕獲器の縦端面図である。
【図12】本発明に係る第9実施形態である害虫捕獲器の縦端面図である。
【図13】本発明に係る第10実施形態である害虫捕獲器の外面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る複数の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図、図2は図1の害虫捕獲器に用いられる蓋体を斜め下方から視た外観斜視図、図3は図1の害虫捕獲器に用いられる本体を斜め上方から視た外観斜視図、図4は図1の害虫捕獲器の縦端面図、図5は本発明に係る第2実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図、図6は本発明に係る第3実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図である。
【0038】
また、図7は本発明に係る第4実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図、図8は本発明に係る第5実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図、図9は本発明に係る第6実施形態である害虫捕獲器の縦端面図、図10は本発明に係る第7実施形態である害虫捕獲器の斜め上方から視た外観斜視図、図11は本発明に係る第8実施形態である害虫捕獲器の縦端面図、図12は本発明に係る第9実施形態である害虫捕獲器の縦端面図、図13は本発明に係る第10実施形態である害虫捕獲器の外面斜視図である。
なお、いずれの実施形態においても、前述した薬剤が容器に収納されている。
【0039】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である害虫捕獲器10は、蓋体12と本体13とを備えた容器11と、この容器11に収容される薬剤(図4参照)14と、から構成される。
【0040】
蓋体12は、肉薄の樹脂製で円形のドーム形状に形成されており、中央部に突出部15を備えている。蓋体12は、赤や茶やオレンジの暖色系に着色されているとともに、表面全体に亙ってシボ加工(不図示)が施されている。
【0041】
突出部15は、単一に設けられており、予め定められた外径及び高さ寸法でもって所定の丸みを有した角形状に形成されている。突出部15は、害虫捕獲器10が設置された時に、上方に向けて突出することで、部屋等の中を飛んでいるハエ等の飛翔性害虫に止まり木を与える機能を有する。
【0042】
蓋体12には、突出部15と外縁部との間に5個の大形側開口部16が円周方向に等間隔で形成されているとともに、突出部15の周囲に5個の小形側開口部17が等間隔で形成されている。
【0043】
大形側開口部16は、飛翔性害虫の大きさよりも大きい内径を有した楕円形状であり、その長寸方向が蓋体12の円周方向と一致するように複数並べられており、蓋体12の上面から本体13内へと連通されるように形成されている。
【0044】
小形側開口部17は、大形側開口部16よりも小さい内径を有した楕円形状であり、その短寸方向が蓋体12の円周方向と一致するように複数並べられており、また突出部15の基端部の側部と蓋体12の上面の一部とに渡って、本体13の内部へと連通されるように形成されている。
【0045】
なお、大形側開口部16、小形側開口部17の形状は、飛翔性害虫が進入できればよく、図1に示したものの他、楕円、多角形等の機能性に基づいた開口形状、あるいは花びら、星型、動物、キャラクター等の意匠性を供するもの等種々な形状を採用することができる。
【0046】
本体13は、肉薄の樹脂製でお椀形状に形成されており、赤や茶やオレンジの暖色系に着色されている。
【0047】
図2に示すように、蓋体12の内面には、複数の線状の蓋体側突起部(線状突起部)18が当該蓋体12の円周方向に等間隔で突出形成されている。
【0048】
蓋体側突起部18は、予め定められた高さ寸法でもって、突出部15の内面から蓋体12の外縁部までと、大形側開口部16の外側から蓋体12の外縁部までと、にそれぞれ連続して形成されている。蓋体側突起部18は、大形側開口部16又は小形側開口部17から容器11内に進入してきた飛翔性害虫が集まり止まり易く且つ伝い易いようにする機能を有する。また、蓋体側突起部18の表面を凹凸状、粗面状とすることで、さらに飛翔性害虫が伝い易くすることができる。
【0049】
蓋体12の外縁部の下端部には、本体13に組み付けるための結合部19を有する。
【0050】
図3に示すように、本体13の内面には、複数の線状の本体側突起部(線状突起部)20が円周方向に等間隔で突出形成されているとともに、底部に薬剤収容部21と嵩上げ部22とが形成されており、外縁部の上端部に、蓋体12に組み付けるための結合部受24を有する。
【0051】
本体側突起部20は、蓋体12の蓋体側突起部18と同一の高さ寸法でもって、上端部から底板23まで連続して形成されている。本体側突起部20は、蓋体12が本体13に組み付けられた際に、蓋体側突起部18とともに、容器11内に進入してきた飛翔性害虫が止まり易く且つ伝い易いようにする機能を有する。
【0052】
嵩上げ部22は、薬剤収容部21の中央部において、突出部15に相似する形状で底板23から上方に向けて突出形成されている。また、図4に示すように、本体13の薬剤収容部21に薬剤14が収容される際、薬剤収容部21に収容された薬剤14は中央部に嵩上げ部22が突出して配置されることとなるので、当該嵩上げ部22は本体13内に収容される薬剤14の容量を必要以上多くしないようにして薬剤14を無駄に使うことを防止する機能を有するとともに、薬剤14の層を深くすることとなるので乾燥を防ぐ機能を有することとなる。なお、嵩上げ部22が薬剤14の表面より上方に向けて突出する場合には、飛翔性害虫に止まり木を与える機能をさらに有することとなるのでさらに好ましい。
【0053】
容器11は、蓋体12の結合部19が本体13の結合部受24に外嵌されることで、一体的に組み付けられる。なお、蓋体12が本体13に組み付ける際、蓋体側突起部18と本体側突起部20とは容器11内で一直線状となるように連続にして配置されるようにしてもよい。このことにより、薬剤14までへの誘引性を一層高めることができる。
【0054】
以上述べたように、本実施形態によれば、大形側開口部16又は小形側開口部17から容器11内に進入してきた飛翔性害虫は、内面に突出している線状の蓋体側突起部(線状突起部)18又は本体側突起部(線状突起部)20に集まって止まり、これら線状突起部18,20上を伝いながら薬剤14へと誘引されていき、薬剤14に含まれた殺虫成分の作用により、若しくは羽等が濡れることにより、行動できなくなったりして死に至る。これにより、飛翔性害虫の行動習性を効果的に利用して、効果的に誘引して捕獲及び/又は防除することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、蓋体側突起部18及び本体側突起部20が、容器11の内面に等間隔で配置されていることで、容器11内に進入してきた飛翔性害虫を両線状突起部18,20に効果的に集めて止まらせて薬剤14への誘引をより効果的に図ることができる。
【0056】
さらに、本実施形態によれば、容器11に、設置時に上方に向けて突出する突出部15が設けられていることで、例えば飛んでいる飛翔性害虫に止まり木を与えることができ、突出部15に集まって止まっている飛翔性害虫を両開口部16,17から容器11内へとより効果的に誘引することができる。
【0057】
そして、本実施形態によれば、薬剤14が、容器11の底部に収容されており、底部に嵩上げ部22が設けられていることで、薬剤14を無駄に使うことを防止できるとともに、薬剤14の層を深くすることとなるので薬剤14の乾燥を防ぐことができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、容器11が、本体13と、ドーム形状にして本体13に組み付けられる蓋体12と、を有し、蓋体12に両開口部16,17が配置されていることで、ドーム形状を好む飛翔性害虫の習性を利用して、蓋体12に飛翔性害虫をさらに集めることができる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、容器11が、暖色系の色に着色されていることで、飛翔性害虫の習性を利用して、飛翔性害虫を効果的に集めることができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、容器11の表面に、シボ加工が施されているので、飛翔性害虫にとって良好な環境を提供して、そこに集まった飛翔性害虫を両開口部16,17から内部に進入させることができ、効果的に捕獲及び/又は防除を行うことができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、図5を参照しながら、本発明に係る第2実施形態について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と共通する構成部分の説明は同一符号又は相当符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
【0062】
本実施形態に係る害虫捕獲器30には、3個の突出部31が蓋体12の上面にそれぞれ設けられている。
なお、その以外の態様は前述した第1実施形態と同様である。
【0063】
突出部31は、蓋体12の上面に正三角形を形成するような位置でもって等間隔に形成されており、その先端部は予め定められた外径及び高さ寸法でもって所定の丸みを有した角形状を成している。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、例えば飛翔性害虫に多くの止まり木を与えることができるので、より効果的に飛翔性害虫を容器11に集めて止まらせて、そして当該容器11内へと誘引することができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、図6を参照しながら、本発明に係る第3実施形態について説明する。
【0066】
本実施形態に係る害虫捕獲器40は、単一の突出部15を有する蓋体42と、本体43と、からなる容器41が3つの角を有する略角型形状、換言すると略三角形状に形成されて、3個の大形側開口部16を有して構成されている。
なお、それ以外の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0067】
即ち、本実施形態において、蓋体42および本体43は、それらの側部が、外側に向けて凸状の湾曲側面44,45を有し、3個ずつの頂部46,47を有している。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、容器41の蓋体42および本体43が三角形に形成されていることで、頂部46,47を部屋の隅等に密着させて配置することができるので、害虫捕獲器40本体が転がることがなく、安定して設置することができる。
なお、容器41は略三角形状に限らず、少なくとも一部に角部を有する形状、例えば略四角形状でもよく、部屋の隅等に密着できれば種々の略角型形状を採用することができる。
【0069】
(第4実施形態)
次に、図7を参照しながら、本発明に係る第4実施形態について説明する。
【0070】
本実施形態に係る害虫捕獲器50は、外面から薬剤14に向けて徐々に縮径した底部に孔のある形状、即ち底部の一部に孔を有するお椀形状に形成された大形側開口部51を蓋体12の上面に有して構成される。
なお、大形側開口部51に加えて、小形側開口部17も外面から薬剤14に向けてこのお椀形状となるように形成してもよい。
そして、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0071】
したがって、本実施形態によれば、大形側開口部51が外面から薬剤14に向けて底部の一部に孔を有するお椀形状に形成されていることで、大形側開口部51から容器11内に進入してきた飛翔性害虫が容器11外へ戻ることを抑制して、飛翔性害虫の捕獲及び/又は防除の効果をさらに向上させることができる。
【0072】
(第5実施形態)
次に、図8を参照しながら、本発明の第5実施形態について説明する。
【0073】
本実施形態に係る害虫捕獲器60において、突出部15が、その先端部に、飛翔性害虫にアクセントとして機能する、吸液性のある布材や紙材で成形された、花弁を表現する花弁部62と、雄しべや雌しべを表現するしべ部63と、がくや花托を表現するがく部64と、から構成されて花形状を表現する意匠部61を有している。
なお、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0074】
意匠部61は、突出部15の先端部に形成された取り付け孔65に着脱自在に挿し込まれており、デザインを複数種類用意することにより、使用者の好みで適宜変更することができる。
なお、取り扱い性等を考慮して、意匠部61は突出部15にそのまま一体成形されるようにしてもよく、また蓋体12が少なくともその一部に意匠部を有して、開口部が適宜形成されるようにしてもよい。
【0075】
また、意匠部61は、害虫誘引成分を浸み込ませておいたり、或いは粘着性のある薬剤を塗布したりすることができる。
【0076】
したがって、本実施形態によれば、突出部15が飛翔性害虫にアクセントとなる意匠部61を有しているので、突出部15に加えて、意匠部61によっても止まり木を与えて、より効果的に飛翔性害虫を容器11内へ誘引させることができる。
なお、突出部15の一部に限らず、突出部15全体として意匠形状となるように形成してもよい。
【0077】
(第6実施形態)
次に、図9を参照しながら、本発明の第6実施形態について説明する。
【0078】
本実施形態に係る害虫捕獲器70には、容器11の蓋体12の縁部の一部に、薬剤14を補充する薬剤補充ボトル71を着脱自在に取り付けるボトル挿し込み口72が設けられている。
なお、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0079】
薬剤ボトル71は、ボトル形状やチューブ形状で形成されている。そして、この薬剤ボトル71は、害虫捕獲器70に同梱又は別途販売されるようになっており、薬剤14の効果が減少したときに、ボトル挿し込み口72に装着されて、本体の後方から押されたり、或いは両側から摘まれたりされることで、薬剤14の補充を行うことができる。
【0080】
したがって、本実施形態によれば、容器11の蓋体12に、薬剤14を補充する薬剤補充ボトル71を着脱自在に取り付けるボトル挿し込み口72を設けていることで、薬剤14の効果が減少してきたとき等、薬剤補充ボトル71でもって、その補充を簡単に行うことができる。このため、害虫捕獲器70の容器11を廃棄することなく再利用できて、使い勝手を向上することができる。
【0081】
(第7実施形態)
次に、図10を参照しながら、本発明の第7実施形態について説明する。
【0082】
本実施形態に係る害虫捕獲器80には、容器11の突出部15の先端部に吊り下げ用の吊下部81が設けてられている。
なお、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0083】
吊下部81は、突出部15の先端部に設けられた横孔であり、輪状部材82が掛止されることで、輪状部材82を介して天井等から吊り下げることができる。
なお、吊下部81は、天井等から吊り下げられればよく、この突出部15の先端部に代えて、蓋体12の側部に円周方向に渡って等間隔に、例えばフック等の吊下部が設けられるようにしてもよい。また、吊下部81が突出部15と一体的に成形されてもよく、或いは着脱自在に設けてもよい。
【0084】
したがって、本実施形態によれば、容器11が吊り下げ用の吊下部81を設けているので、適宜必要な場所に配置して使用することができて、使い勝手を向上することができる。
【0085】
(第8実施形態)
次に、図11を参照しながら、本発明の第8実施形態について説明する。
【0086】
本実施形態に係る害虫捕獲器90には、容器11の底部に発光部91が設けられており、また嵩上げ部98が透明な樹脂で成形されている。
なお、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0087】
発光部91は、本体13の下面に着脱自在に固定されるケース92と、電源である電池93と、回路基板94と、光源であるLED95と、スイッチ96と、配線97と、から構成されており、そしてLED95が、本体13の底部から嵩上げ部98内に位置するように組み付けられている。
なお、LED95に代えて、電球を用いても良く、この場合には、回路基板94は不要となって、電球ホルダのみの構造となる。
【0088】
害虫捕獲器90は、スイッチ96によりオンに切り換えられることで、LED95が発光され、その光が、薬剤14や両開口部16,17を通じて外方に向けて照射されて、走光性のある飛翔性害虫に感知されることとなる。また、嵩上げ部98に限らず、害虫捕獲器90の他の一部又は全部を光透過性材料で成形してもよい。
【0089】
したがって、本実施形態によれば、容器11の底部に発光部91を設けていることで、飛翔性害虫の走光性の習性を利用して、より効果的に飛翔性害虫を容器11内へと誘引することができて、捕獲及び/又は防除の効果をさらに向上させることができる。
なお、LED95等の構成に代えて、嵩上げ部又は容器内に直接、夜行塗料、蛍光塗料を塗布するもの、或いは人工ホタル(酵素)を利用した発光システムを用いてもよい。
【0090】
(第9実施形態)
次に、図12を参照しながら、本発明の第9実施形態について説明する。
【0091】
本実施形態に係る害虫捕獲器100では、嵩上げ部(22)が突出部(15)と一体となるように形成されて、蓋体12の上面中央に1箇所設けられた小形側開口部102を突き抜けるように、本体13の底部から外方に突出した一体突出部101が設けられている。また、小形側開口部102には、外面から薬剤14に向けて縮径となるテーパ状のテーパ面103が形成されている。
なお、他の態様は、前述した第1実施形態と同様である。
【0092】
したがって、本実施形態によれば、嵩上げ部(22)と突出部(15)とが一体成形された一体突出部101が、小形側開口部102を突き抜けるように、本体13の底部から外方に突出するように設けられているので、捕獲及び/又は防除の効果を損なうことなく、構造を簡易にすることができて、製造コストを抑制することができる。また、一体突出部101により、小形側開口部102が円環形状となるので、一体突出部101に集まって止まった飛翔性害虫を効果的に容器11内部に誘引することができる。
なお、前記テーパ面103に代えて、小形側開口部102を外面から薬剤14に向けて徐々に縮径した底部に孔のある形状、即ち底部の一部に孔を有するお椀形状に形成されていてもよい。
【0093】
また、本実施形態によれば、小形側開口部102には、外面から薬剤14に向けて縮径のテーパ状のテーパ面103が形成されているので、一体突出部101から小形側開口部102を通って容器11内に進入してきた飛翔性害虫が容器11外へ戻ることを抑制して、飛翔性害虫の捕獲及び/又は防除の効果をさらに向上させることができる。
【0094】
さらに、本実施形態によれば、蓋体12と本体13とを一体成形することができるので、製造コストを抑制することができる。この場合には薬剤14は開口部16,102とから充填されることとなる。なお、薬剤14を補充するための補充口を害虫捕獲器100の側部又は底部に別途設けてもよい。
【0095】
(第10実施形態)
次に、図13を参照しながら、本発明に係る第10実施形態について説明する。
【0096】
本実施形態に係る害虫捕獲器110では、蓋体12の中央部に突出部(15)が設けられず、その代わりに、4つ柱部111が本体113の縁部にその円周方向で等間隔となるように設けられている。柱部111は、その長寸方向中間部で本体113と一体的に連結されており、この連結された部位から上方に向かって延出する上方延出部112と、当該部位から下方に延出する下方延出部113とを有している。
【0097】
上方延出部112は、前述した突出部(15)として機能し、飛翔性害虫に止まり木を与えることができる。また下方延出部は、その先端部で床面と当接して容器11の脚として機能する。
なお、それ以外の態様は前述した第1実施形態と同様である。
【0098】
したがって、本実施形態によれば、本体113の縁部に4つの柱部111が設けられているので、その上方延出部112により飛翔性害虫に多くの止まり木を与えることができて、効果的に飛翔性害虫を誘引するとともに、その下方延出部113により容器11を安定的に設置することができる。
【0099】
ここで、前述した各実施形態はそれぞれに限定されず、いずれの実施形態においても、突出部15,31の寸法は、飛翔性害虫の行動習性が考慮されて、外径5〜20mm、高さ25〜70mmとされるのが好ましく、またその形状は、この寸法の範囲内であれば、円柱形状、角柱形状、多角柱形状、円錐形状、角錐形状等でもよい。同じく、いずれの実施形態においても、大形側開口部16が縦5〜30mm、横2〜10mm、面積10〜300mmを有し、また小形側開口部17が縦5〜20mm、横2〜7mm、面積10〜140mmを有するのが好ましい。また、同じく、いずれの実施形態においても、嵩上げ部22,98の高さが、本体13の高さの60%までの範囲とされるのが好ましく、凹凸状ないしは逆椀状とされてもよく、また複数設けられてもよい。
【実施例】
【0100】
さらに、表1〜表5を参照して本発明に係る害虫捕獲器10,30,40,50,60,70,80,90,100,110の有効性を検証するために、特に害虫捕獲器10を例に採って行った実施例について説明する。
表1は実施例1における線状突起部に係る評価結果表、表2は実施例2における突出部に係る評価結果表、表3は実施例3における容器の色と誘引活性比と関係の評価結果表、表4は実施例4における容器の色と誘引活性比と関係の評価結果表、表5は実施例5におけるシボ加工に係る評価結果表である。
【0101】
前述した害虫捕獲器10の線状突起部18,20に係る有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
【0102】
(実施例1)
[試験]
(処方)20gの充填量における配合量(質量%)
ジノテフラン(殺虫剤):0.15
黒酢(誘引剤):20
紹興酒(誘引剤):11.1
吸液性ポリマー(保持担体):10
水(溶剤):適量
(検体)
前述した害虫捕獲器10の容器11内面において左右対称にて、一方のみにだけ線状突起部を設け、これに対応して線状突起部が設けられた部分と設けられていない部分との区別ができるように害虫捕獲器10の内部中央に仕切片を配設する。それ以外の様態は、前述した実施形態と同様である。
(供試虫)
キイロショウジョウバエ(雄雌混合) 約100頭
(試験・評価方法)
1.水を設置した、90cm×90cm×90cmのケージ内に供試虫を放ち馴化させる。
2.検体をケージ中央に設置し、仕切片で仕切られた線状突起部が設けられた部分と設けられていない部分とで各々捕獲、防除された供試虫を1時間後にカウントし比較する。
このようにして行った試験結果を表1に示す。
【0103】
【表1】

【0104】
表1に示すように、線状突起部が設けられた部分が、設けられていない部分に比べて、1回目、2回目の試験とともに顕著な捕獲、防除数を示した。これにより、害虫捕獲器の内面に薬剤に向かって線状突起部を設けることにより、供試虫であるキイロショウジョウバエの捕獲、防除数が増加することがわかった。
【0105】
(実施例2)
前述した害虫捕獲器10の蓋体12に設けられた突出部15に係る有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
【0106】
[試験]
(処方)20gの充填量における配合量(質量%)
ジノテフラン(殺虫剤):0.15
黒酢(誘引剤):20
紹興酒(誘引剤):11.1
吸液性ポリマー(保持担体):10
水(溶剤):適量
(検体)
前述した害虫捕獲器10の蓋体12に高さ35mm、径18mmである突出部15(図1参照)が形成されているものと、形成されていないものとを容器として2種類用意する。それ以外の様態は、前述した実施形態と同様である。
(供試虫)
キイロショウジョウバエ(雄雌混合) 約100頭
(試験・評価方法)
1.水を設置した、90cm×90cm×90cmのケージ内に供試虫を放ち馴化させる。
2.両検体をケージ中央に設置し、1時間後に捕獲、防除数をカウントし、それぞれの容器を比較する。
このようにして行った試験結果を表2に示す。
【0107】
【表2】

【0108】
表2に示すように、蓋体に突出部が形成されている害虫捕獲器が、ないものに比べ、1回目、2回目の試験とともに良好な捕獲、防除数を示した。これにより、突出部を設けることにより、供試虫であるキイロショウジョウバエの捕獲、防除数が増加することがわかった。なお、本試験は図1に示した害虫捕獲器10を用いて実施したが、突出部により効果的に誘引して捕獲、防除することができると認められるので、これに限らず種々の形状の害虫捕獲器に適用することができる。
【0109】
(実施例3)
前述した害虫捕獲器10の容器11の色に係る有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
【0110】
[試験]
(処方)50gの充填量における配合量(質量%)
ジノテフラン(殺虫剤):0.15
黒酢(誘引剤):20
紹興酒(誘引剤):11.1
吸液性ポリマー(保持担体):10
水(溶剤):適量
(検体) (検体)
ラッカースプレイで樹脂容器を様々な色に着色し、容器としてそれぞれ用意して用いる。
基準色:白色半透明(無着色)
対象色:赤、青、緑、黄緑、黄、オレンジ、ピンク、黒、茶、紫、白
(供試虫)
キイロショウジョウバエ(雄雌混合) 50〜100頭
(試験方法)
1.水を設置した、90cm×90cm×90cmのケージ内に供試中を放ち馴化させる。
2.両検体をケージ中央に設置し、1時間後に捕獲、防除数をカウントした。
(評価方法)
誘引比にて評価する。
誘引比=対象色捕獲、防除数/基準色捕獲、防除数
このようにして行った試験結果を表3に示す。
【0111】
【表3】

【0112】
表3に示すように、誘引比において、暖色系である、赤の容器が13.6、茶の容器が11.3、オレンジの容器が6.2、と高い数値を示しており、これらに対して、寒色系である、紫の容器が1.4、白の容器が1.5、緑の容器が1.6、と著しく低い数値となった。これにより、供試虫であるキイロショウジョウバエが、赤、茶、オレンジ等の暖色系に誘引され、その結果、捕獲、防除数が増加することがわかった。
【0113】
(実施例4)
実施例3に引き続き、容器の色に係る有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
【0114】
[試験]
(処方)50gの充填量においての配合量(質量%)
ジノテフラン(殺虫剤):0.15
黒酢(誘引剤):20
紹興酒(誘引剤):11.1
吸液性ポリマー(保持担体):10
水(溶剤):適量
(検体) (検体)
樹脂容器をラッカースプレイにて着色したものを容器として用いる。
基準色:赤
対象色:青、緑、黄緑、黄、オレンジ、ピンク、黒、茶、紫、白
(供試虫)
キイロショウジョウバエ 50〜100頭
(方法)
1.水を設置した、90cm×90cm×90cmのケージ内に供試中を放ち馴化させる。
2.両検体をケージ中央に設置し、1時間後に捕獲、防除数をカウントした。
(評価方法)
誘引比にて評価する。
誘引比=対象色捕獲、防除数/基準色捕獲、防除数
このようにして行った試験結果を表4に示す。
【0115】
【表4】

【0116】
表4に示すように、誘引比において、暖色系である、茶の容器が1.1、オレンジの容器が1.0、と高い値となり、これらに対して、寒色系である、紫の容器が0.3、青の容器が0.4、黄緑の容器が0.4、と著しく低い値となった。これにより、供試虫であるキイロショウジョウバエが、赤と同様の、茶、オレンジ等の暖色系に誘引され捕獲、防除されることがわかった。なお、本試験はカップ状容器を用いたが、図1に示した害虫捕獲器10を用いた場合はもちろん、これに限らず種々の害虫捕獲器に適用することができる。
【0117】
(実施例5)
前述した害虫捕獲器10における容器11表面のシボ加工に係る有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
【0118】
[試験]
(処方)50gの充填量における配合量(質量%)
ジノテフラン(殺虫剤):0.15
黒酢(誘引剤):20
紹興酒(誘引剤):11.1
吸液性ポリマー(保持担体):10
水(溶剤):適量
(検体)
前述した害虫捕獲器10の全体表面において左右対称にて、一方をシボ加工、他方をツヤ加工として施すとともに、これに対応してシボ加工側とツヤ加工側との区別ができるように害虫捕獲器10の内部中央に仕切片を配設する。それ以外の様態は、前述した実施形態と同様である。
(供試虫)
キイロショウジョウバエ(雄雌混合) 約100頭
(試験・評価方法)
1.水を設置した、90cm×90cm×90cmのケージ内に供試虫を放ち馴化させる。
2.検体をケージ中央に設置し、仕切片で仕切られたシボ加工側とツヤ加工側とで各々捕獲、防除された供試虫を1時間後にカウントし比較する。
このようにして行った試験結果を表9に示す。
【0119】
【表5】

【0120】
表5に示すように、シボ加工を施された部位が、ツヤ加工を施された部位に比べて、1回目〜4回目の試験いずれにおいても良好な捕獲、防除数を示した。これにより、害虫捕獲器の表面にシボ加工を施すことにより、供試虫であるキイロショウジョウバエの捕獲、防除数が増加することがわかった。なお、本試験は図1に示した害虫捕獲器10を用いて実施したが、シボ加工を施すことにより誘引性を高め捕獲、防除数を増加することができると認められるので、これに限らず種々の害虫捕獲器に適用することができる。
【0121】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば、限定されない。
【0122】
例えば、大形側開口部及び小形側開口部の数は、図示した5個ずつに限定されることはなく、少なくとも2個以上の複数個であればよい。
【0123】
また、突出部の数は、図示した1個又は3個に限定されず、2個又は4個以上の複数個としてもよく、その設置箇所に特に制限はないが、蓋体の上に設けるのが好ましい。
【0124】
また、線状突起部は蓋体の内面に限らずその外面に設けてもよい。このときには、突出部に集まって止まった飛翔性害虫を開口部へ効果的に誘引することができる。
【0125】
なお、本出願は、2006年11月21日出願の日本特許出願(特願2006−314632)と、2006年11月27日出願の日本特許出願(特願2006−318663)と、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0126】
10,30,40,50,60,70,80,90,100,110 害虫捕獲器
11 容器
12 蓋体
13 本体
14 薬剤
15,31 突出部
16,51 大形側開口部(開口部)
17,102 小形側開口部(開口部)
18 蓋体側突起部(線状突起部)
20 本体側突起部(線状突起部)
22 嵩上げ部
61 意匠部
71 薬剤補充ボトル
72 ボトル挿し込み口
81 吊下部
91 発光部
101 一体突出部(嵩上げ部)
103 テーパ面
111 柱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を備えた容器と、少なくとも害虫誘引成分を含むとともに該容器に収容される薬剤と、を備え、該開口部を介して前記容器内に害虫を誘引して捕獲及び/又は防除する害虫捕獲器であって、
前記容器の内面に、前記薬剤に向かって線状突起部が設けられている
ことを特徴とする害虫捕獲器。
【請求項2】
前記線状突起部が、前記容器の内面に等間隔で配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載した害虫捕獲器。
【請求項3】
前記容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載した害虫捕獲器。
【請求項4】
開口部を備えた容器と、少なくとも害虫誘引成分を含むとともに該容器に収容される薬剤と、を備え、該開口部を介して前記容器内に害虫を誘引して捕獲及び/又は防除する害虫捕獲器であって、
前記容器に、設置時に上方に向けて突出する突出部が設けられ、
少なくとも当該突出部の側部に、前記開口部が設けられている
ことを特徴とする害虫捕獲器。
【請求項5】
前記薬剤が、前記容器の底部に収容されており、
該底部に嵩上げ部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに1項に記載した害虫捕獲器。
【請求項6】
前記容器が、本体と、ドーム形状にして該本体に組み付けられる蓋体と、を有し、
少なくとも該蓋体に前記開口部が配置されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに1項に記載の害虫捕獲器。
【請求項7】
前記突出部が、複数設けられている
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項8】
前記容器が、略角型形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項9】
前記開口部が、外面から前記薬剤に向かって縮径の孔のある形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項10】
前記突出部は意匠部を有している
ことを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項11】
前記容器には、前記薬剤を補充する薬剤補充ボトルを着脱自在に取り付けるボトル挿し込み口が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項12】
前記容器には、吊り下げ用の吊下部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項13】
前記容器の一部に発光部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。
【請求項14】
前記嵩上げ部が、前記突出部と一体となるように形成されて、前記開口部から外方に突出する
ことを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載の害虫捕獲器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−57502(P2010−57502A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254018(P2009−254018)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【分割の表示】特願2008−545334(P2008−545334)の分割
【原出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【Fターム(参考)】