説明

家具

【課題】荷重や衝撃に強く、しかも正確に位置決めし得る構造を適用した家具を提供する。
【解決手段】家具であるデスクトップパネルシステムにおいて、第1の部材である縦枠材11の第1筒状部11a内には、取付用支柱の上端面に衝き当たることにより第2の部材である取付用支柱との上下方向の相対的な位置決めを行うために面板部111aから切り起こした切り起こし壁たるストッパ113が設けられている。そしてこのストッパが筒状部たる第1筒状部11aの延びる方向に延びる基端部113aと、この基端部113aの端から第1筒状部11aが延びる方向に直交する方向である内方に立ち上がり取付用支柱の上端面に当接し得る当接部113dとを具備してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等に好適に用いられる家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家具を構成する二つの部材を長手方向に接続するための構造としては、一方の部材を筒状に構成するとともに他方の部材に突起を設け、この突起を一方の部材に当接させることによって、両部材を位置決めするという構造が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献では、内筒から起立させたストッパを外筒に設けたスリットに挿入し、動作端においてスリットの端部にストッパを当接させることにより、両部材を動作端で位置決めし得るものとなっている。
【0003】
しかしながら、当該文献のストッパの構造では、スリットの端部とストッパとの当接する衝撃が強いと、ストッパを構成している板金が厚み方向に撓んでしまい、正確な位置での位置決めがし難いものとなっている。すなわち斯かる構成は、家具において荷重が大きく掛る部位や位置決めの正確さが求められる部位には用い難いものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−126532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点に着目し、一方の部材と他方の部材とを接続し位置決めする際に、荷重や衝撃に強く、しかも正確に位置決めし得る構造を適用した家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明の家具は、筒状部を有してなる第1の部材と、当該第1の部材に対し前記筒状部が延びる方向に嵌り得る第2の部材とを有するものであって、
前記筒状部の一部を切り起した切り起こし壁を設け、この切り起こし壁が、前記筒状部の延びる方向に延びる基端部と、この基端部の端から前記筒状部が延びる方向に直交する方向に立ち上がり前記第2の部材に当接し得る当接部とを具備してなることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、切り起こし壁に対して第2の部材が素材の厚み方向に直交する方向から当接することになる。そうすることにより、切り起こし壁は当該当接によって切り起こし壁自体の切り起こし方向に衝撃が加わることが有効に回避される。さらに当該衝撃は、切り起こされた素材を面方向から圧縮する方向の外力として受けることができるので、厚み方向に衝撃を受けるよりも、素材の撓みや曲がりといった変形が起こり難いものとなっている。すなわち、切り起こし壁によって、より正確且つ強固な構造を実現している。
【0008】
また、切り起こし壁を設ける際に筒状部の変形等を有効に回避し得るものとして、筒状部が断面視矩形状をなすとともに切り起こし壁が断面視矩形の何れかの一辺を構成する面板部から切り起こされたものであり、切り起こし壁の先端部が面板部の縁から切り起こされているという構成を挙げることができる。すなわち、面板部の縁から切り起こすことによって、切り起こし壁を構成する面板部に隣接する面板部は、切り起こしの際の外力を厚み方向に直交する方向から受けるため、筒状部自体の不要な変形を起こし難いものとなっている。
【0009】
他方、切り起こし壁の基端部を正確に成形するための構成としては、筒状部が断面視矩形状をなすとともに切り起こし壁が断面視矩形の何れかの一辺を構成する面板部から切り起こされたものであり、基端部が面板部の中間から切り起こされたものとすれば、基端部よりも更に基端寄りにも筒状部内の空間の一部を形成されることになる。成形の際にはこの空間にバックアップ材等を詰めておくことにより、正確な基端部の成形が可能となる。
【0010】
そして、より強度の高い構成とするためには、第1の部材が複数の筒状部を有するものとして、第1の部材自体の曲げ強度を向上させておくことが望ましい。
【0011】
また、切り起こし壁自体の強度を有効に高めておくためには、当該切り起こし壁のを平板状に形成しておくことで、第2の部材からの衝撃や荷重を切り起こし壁全体で受け得るものとしておくことが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、荷重や衝撃に強く、しかも正確に位置決めし得る構造を、部品点数のいたずらな増加を招くことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る外観図。
【図2】同分解斜視図。
【図3】同実施形態に係る要部を示す正断面図。
【図4】図3におけるa−a線断面図。
【図5】同実施形態における要部を示す斜視図。
【図6】同上。
【図7】同実施形態に係る要部拡大図。
【図8】図7におけるb−b線断面図。
【図9】同実施形態の変形例に係る外観図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図1乃至図8を参照して説明する。
【0015】
本実施形態は、図1及び図2に示すように、デスクDに、本発明の家具の一例として示されるデスクトップパネルシステムPを取り付けてなるものである。
【0016】
本実施形態のデスクDは、図1及び図2に示すように、天板D1と、天板D1を支持する脚体D2とを具備する。天板D1の反使用端縁の左右両端部には、デスクトップパネルシステムPを取り付けるためのオプション取付孔D3aを備えたコーナー部材D3が着脱可能に設けられている。
【0017】
デスクトップパネルシステムPは、図1乃至図4に示すように、第1の部材である縦枠材11を有するベースパネル1と、このベースパネル1をデスクDに取り付けるための第2の部材に該当する取付用支柱2と、このベースパネル1上に配してなる1又は複数のスタックオンパネル3と、このスタックオンパネル3とベースパネル1との接続、又はスタックオンパネル3同士の縦方向の接続を行うための第2の支柱たるスタック用支柱4と、スタックオンパネル3とベースパネル1との接続、又はスタックオンパネル3同士が巾方向に隣接するときに互いを接続する際に用いるコネクタ部材5(図3)と、コーナー部材D3上に配されるカバー部材6(図2)とを具備する。
【0018】
ベースパネル1は、図1乃至図4に示すように、両側部に配してなる左右の縦枠材11と、これら縦枠材11の下端部間に配された下枠材12と、前記縦枠材11の上端部間に配された上枠材13と、この上枠材13の上方に取り付けてなる笠木14と、前記縦枠材11、下枠材12、及び上枠材13に囲まれた空間に配された芯材たるハニカムコア15と、前記縦枠材11、下枠材12、上枠材13の両面に添接された面板16と、前記縦枠材11の上端面を覆う開閉可能なキャップ17とを具備する。
【0019】
下枠材12は、例えばアルミ押出し成形により形成している。この下枠材12は、図3及び図4に示すように、長手寸法の全域にわたって同一側断面形状を有する。上枠材13は、図4及び図8に示すように、前記左右の縦枠材11の上端間の略全域にわたって延びる部材で、本実施形態では木材を使用して形成される。この上枠材13も、長手寸法の全域にわたって同一側断面形状を有する。また、この上枠材13の上面には、笠木14を取り付けるための巾方向に延伸する笠木取付溝13aが設けられている。笠木14は、図4及び図7に示すように、巾方向に延伸し長手寸法の全域にわたって同一側断面形状を有する。面板16は、本実施形態では前後一対に設けている。この面板16は、図4及び図6に示すように、前記縦枠材11、上枠材13及び下枠材12の前面又は後面に添接する板材161と、この板材161を被覆する面板本体162とを具備する。本実施形態では、板材161に、前記縦枠材11、上枠材13、下枠材12及びハニカムコア15を接着剤等を用いて接着し、面板本体162を板材161に接着剤等を用いて接着することによりベースパネル1が形成される。キャップ17は、前記面板16及び縦枠材11の上端面を覆うものである。
【0020】
前記縦枠材11は、図3乃至図8に示すように、4つの平板部111aからなる平断面視矩形状をなす周壁111と、この周壁111の内部を隔壁112に区画されることにより第1筒状部11aと第2筒状部11bとを具備し、高さ寸法の全域にわたって同一平断面形状を有する。この縦枠材11は、例えばアルミ押出し成形により形成される。前記第1筒状部11aは、前記第2筒状部11bよりもベースパネル1の側端寄りに配されている。また、前記周壁111の第2筒状部11bに向かう面からは、スタック用支柱4の巾方向への移動を規制するための位置決め突起114が内方に突出した状態で設けられている。さらに、前記隔壁112にはねじ穴形成用筒状部115が形成されている。このねじ穴形成用筒状部115の上下両端部の内面には雌ねじ115aが形成されている。
【0021】
しかして本実施形態では、第1の部材であるこの縦枠材11の第1筒状部11a内には、取付用支柱2の上端面に衝き当たることにより第2の部材である取付用支柱2との上下方向の相対的な位置決めを行うために面板部111aから切り起こした切り起こし壁たるストッパ113が設けられている。そしてこのストッパが筒状部たる第1筒状部11aの延びる方向に延びる基端部113aと、この基端部113aの端から第1筒状部11aが延びる方向に直交する方向である内方に立ち上がり第2の部材である取付用支柱2の上端面2aに当接し得る当接部113dとを具備してなることを特徴としている。なお本実施形態では、このストッパ113が形成される際に同時に設けられる開口116、そして開口116に対面する位置に設けられるスリット117も有している。
【0022】
以下、ストッパ113及び開口116の具体的な構成について説明する。
【0023】
ストッパ113は、図5乃至図8に示すように、周壁111の平板部11aの中間から端縁111bに亘って平板状、換言すれば断面視同一形状となるように第1筒状部11aの内方へ向けて切り起こされたものである。このストッパ113は、第1筒状部11aの延びる方向、すなわち縦枠材11の長手方向に沿って面板部111aを直線状に折り曲げることによって形成された屈曲部分である基端部113aと、面板部111aの端縁111bから面板部111aが切断されることにより形成され第1筒状部11aの内部に位置付けられた先端部113bと、切り起こされた面板部111aからなる平板部113cと、平板部113cの下側に面した端面である当接部113dとを有している。そして本実施形態では、ストッパが面板部111aの中間部分から切り起こされている。これにより、ストッパ113を切り起こす際、基端部113aよりもさらに基端側にスペーサを挿入しながら基端部が正確に切り起こし得るようになっている。つまり前記スペーサが挿入さ得る第1筒状部11a内の空間が、ストッパ113を形成するための成型用空間11a1となっている。
【0024】
開口116は、上記ストッパ113を成形する際に面板部111aをコの字状に切断することにより形成されたものである。本実施形態では、開口116の内側である開口縁116aが、ストッパ113よりも上下に大きく位置付けられるとともに、面板部111aの端縁111bが露出するように形成されている。
【0025】
取付用支柱2は、図2、図4、図5及び図6に示すように、上部をベースパネル1の縦枠材11の第1筒状部11aの延びる方向に嵌めて、換言すれば挿入してなるとともに、下部をデスクDの天板D1の反使用端縁に設けたパネル取付孔に挿入することにより、ベースパネル1と天板D1とを接続するものである。この取付用支柱2の高さ方向中間部には、前記縦枠材11の前後の周壁111との間の隙間をなくすべく、スペーサ部材21が設けられている。そして、この取付用支柱2の上端面2aが第1筒状部11a内のストッパ113の下面に衝き当たることにより、この取付用支柱2とベースパネル1との間の位置決めが行われる。ここで、本実施形態では、デスクDの反使用端側にデスクDと同一の構成を有する他のデスクDの反使用端を突き合わせて利用する際に、ベースパネル1の奥行き方向中央の位置をこれら2つのデスクDの反使用端に一致させるようにし、これら2つのデスクDの双方からのベースパネル1及びスタックオンパネル3の利用の便を図るべく、取付用支柱2の前記第1筒状部11a内に挿入される部位が、デスクDに取り付けられる部位よりも後方に位置付けられている。
【0026】
スタックオンパネル3は、上述したベースパネル1においてストッパ113,開口115及びスリットを設けてないものと略同一の構造を有するが、勿論ベースパネル1と同一構造をなしたものでもよい。すなわち、図4及び図7に示すように、両側部に配してなる左右の縦枠材31と、これら縦枠材31の下端部間に配された下枠材32と、前記縦枠材31の上端部間に配された上枠材33と、この上枠材33の上方に取り付けてなる笠木34と、前記縦枠材31、下枠材32、及び上枠材33に囲まれた空間に配された芯材たるハニカムコア35と、前記縦枠材31、下枠材32、及び上枠材33の両面に添接された面板36と、前記縦枠材31の上端面を覆う開閉可能なキャップ37とをそれぞれ具備する。左右の縦枠材31、ハニカムコア35及び面板36は、高さ寸法が異なる以外上述したベースパネル1におけるものと同一の構造を有する。下枠材32、上枠材33及び笠木34は、上述したベースパネル1におけるものと全く同一の構造を有する。すなわち、このスタックオンパネル3の各部位には、上述したベースパネル1におけるものと同一の名称、及び上1桁目の1を3に変えた符号を付すものとしている。
【0027】
縦枠材31の第1筒状部31a内には、図3に示すように、巾方向に隣接するスタックオンパネル3と接続する際に用いるコネクタ部材5が収納されているが、本実施形態では当該コネクタ部材5を想像線にて示している。
【0028】
スタック用支柱4は、図3に示すように、上部をスタックオンパネル3の縦枠材31の第2筒状部31bに下方から挿入可能であるとともに下部をベースパネル1又は他のスタックオンパネル3の縦枠材11(31)の第2筒状部11b(31b)に上方から挿入可能な支柱本体41と、この支柱本体41の高さ方向中間部に設けてなりスタックオンパネル3の縦枠材31の下面に添接可能な取付板材42とを備えている。前記支柱本体41は平断面視コ字状をなしている。前記取付板材42には、雄ねじ部材を通過させることが可能なねじ挿通孔42aが一端側に設けられている。このスタック用支柱4は、本実施形態ではねじ取付板材42を通過させた雄ねじ部材を縦枠材31のねじ穴形成用筒状部315に形成した雌ねじ315aに螺着することにより、スタックオンパネル3に着脱可能に取り付けられる。
【0029】
ここで、本実施形態のデスクトップパネルシステムPのデスクDへの取り付けは、図2に示される通り以下のようにして行う。
【0030】
まず、取付用支柱2の上部をベースパネル1の縦枠材11の第1筒状部11aに挿入し、図3の通りストッパ113の当接面113dに取付用支柱2の上端面2aに当接させることにより、該取付用支柱2をベースパネル1に固定する。それから、取付用支柱2の下部にカバー部材6を取り付け、取付用支柱2をデスクDの天板D1に予め形成したオプション取付孔D3aに挿入することにより、ベースパネル1を天板D1に取り付ける。それから、スタック用支柱4の上部をスタックオンパネル3の第2筒状部11bに挿入し、このスタック用支柱4をスタックオンパネル3に固定する。そして、スタック用支柱4の下部をベースパネル1の縦枠材11の第2筒状部11bに挿入することにより、スタックオンパネル3とベースパネル1とを連結する。さらに、第2のスタックオンパネル3を上方に連結する際には、第2のスタック用支柱4の上部を第2のスタックオンパネル3の第2筒状部11bに挿入し、第2のスタック用支柱4を第2のスタックオンパネル3に固定する。そして、第2のスタック用支柱4の下部を、先にベールパネル1の上方に連結したスタックオンパネル3の縦枠材11の第2筒状部11bに挿入する。なお本実施形態では、コネクタ部材5を介して巾方向に隣接するスタックオンパネル3同士を連結可能である。
【0031】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る家具たるデスクトップパネルシステムLPでは、ストッパ113の基端部113aを第1筒状部11aの延びる方向に形成しているので、第1の部材たる縦枠材11と取付用支柱2との接続の際、切り起こし壁たるストッパ113に対して第2の部材たる取付用支柱2が素材の厚み方向に直交する方向から当接するものとなっている。そうすることにより、ストッパ113は当接によってストッパ113自体の切り起こし方向に衝撃が加わって素材が面方向に変形するように外力が加わることが有効に回避される。さらに当該衝撃は、切り起こされた面板部111aを面方向から圧縮する方向の外力として受けることができるので、厚み方向に衝撃を受けるよりも、素材の撓みや曲がりといった変形が起こり難いものとなっている。すなわち、ストッパ113によって、より正確且つ強固な位置決め構造を実現している。
【0032】
そしてストッパ113を設ける際に第1筒状部11aの変形等を有効に回避し得るために本実施形態では、第1筒状部11aを断面視矩形状としストッパ113が断面視矩形の何れかの一辺を構成する面板部111aから切り起こし、ストッパ113の先端部113bを面板部111aの縁である端縁111bから切り起こすという構成により、ストッパ113を構成する面板部111aに隣接する面板部111aは、切り起こしの際の外力を厚み方向に直交する方向から受けるため、製造時における第1筒状部11a自体の不要な変形を起こし難いものとなっている。
【0033】
他方、ストッパ113の基端部113aを正確に成形できるようにするための構成として本実施形態は、基端部113aが面板部111aの中間から切り起こされたものとして、基端部113aよりも更に基端寄りの箇所に成形用空間を形成しておくようにしている。これにより、成形の際にはこの空間にバックアップ材等を詰めておく等して、正確な基端部113aの成形を実現している。
【0034】
そして、縦枠材11がより強度の高い構成となるように本実施形態では、複数の筒状部、つまり第1筒状部11a、第2筒状部11bを有するものとして、縦枠材11自体の曲げ強度を有効に向上させている。
【0035】
また、ストッパ113自体の強度を有効に高めておくために本実施形態では、当該ストッパ113を平板状に形成した平板部113cを主体として、取付用支柱2からの衝撃や荷重をストッパ113全体で受け得るものとしている。
【0036】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について詳述するが、同変形例において、上記実施形態における構成要素に相当するものについては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略するものとする。
【0037】
本変形例に係る家具たるローパーティションLPは、床面に設置されるベース脚Bを具備するとともに、当該ベース脚Bに設けられた第2の部材たる取付用支柱2に対して第1の部材たる縦枠材11を上記実施形態と同様に接続することにより、ベース脚がBベースパネル1を強固に支持するとともに正確に位置決めし得るものとなっている。
【0038】
このように本発明に係る家具とは、上記実施形態のようなデスクトップパネルシステムPに限られることはない。つまり本発明は、オフィスにおいて好適に用いられるあらゆる家具に対して好適に適用し得るものである。
【0039】
以上、本発明の実施形態並びに変形例について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態では切り起こし壁を第1の部材の内側に起立させた態様を開示したが、勿論、外側に起立させたものであってもよい。この場合、第2の部材は第1の部材の外側から覆うように嵌る構成となる。また切り起こし壁の形状は平板状のものに限定されることはない。すなわち基端部が延びる方向から見た場合に同一形状をなすようなものであれば、湾曲したり、屈曲したりしていても、上記実施形態同様に高い強度と正確な位置決めを両立し得る。また上記実施形態では第2の部材の先端で切り起こし壁に当接する態様を開示したが勿論第2の部材の先端部以外の箇所が切り起こし壁に当接するものとしても良い。さらに切り起こし壁を設ける場所や第2の部材の具体的な形状といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0041】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明はオフィス等に好適に用いられる家具として利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
11…第1の部材(縦枠材)
11a…筒状部(第1筒状部)
11a1…成型用空間
111b…縁(端縁)
11b…筒状部(第2筒状部)
111…周壁
111a…面板部
113…切り起こし壁(ストッパ)
113a…基端部
113d…当接部
2…第2の部材(取付用支柱)とを有するものであって、
P…家具(デスクトップパネルシステム)
LP…家具(ローパーティション)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を有してなる第1の部材と、
当該第1の部材に対し前記筒状部が延びる方向に嵌り得る第2の部材とを有するものであって、
前記筒状部の一部を切り起した切り起こし壁を設け、
この切り起こし壁が、前記筒状部の延びる方向に延びる基端部と、この基端部の端から前記筒状部が延びる方向に直交する方向に立ち上がり前記第2の部材に当接し得る当接部とを具備してなることを特徴とする家具。
【請求項2】
前記筒状部が断面視矩形状をなすとともに前記切り起こし壁が前記断面視矩形の何れかの一辺を構成する面板部から切り起こされたものであり、
前記切り起こし壁の先端部が前記面板部の縁から切り起こされている請求項1記載の家具。
【請求項3】
前記筒状部が断面視矩形状をなすとともに前記切り起こし壁が前記断面視矩形の何れかの一辺を構成する面板部から切り起こされたものであり、
前記基端部が前記面板部の中間から切り起こされている請求項1又は2記載の家具。
【請求項4】
前記第1の部材が複数の筒状部を有している請求項1、2または3記載の家具。
【請求項5】
前記切り起こし壁が平板状に形成されている請求項1、2、3または4記載の家具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−189157(P2012−189157A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53788(P2011−53788)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】