説明

家庭用金属製灯油タンクの底部に付属する送油口ストレーナーおよび送油管の防護器具

【課題】従来の家庭用金属製灯油タンク付属の給油口ストレーナー、ループ状送油管およびその他送油管はともに素材的にまた小型器具であることから衝撃に弱く、且つ、屋外における露出設置のため、特に近年悪質者による故意の破壊行為および除雪車等の接触破損事故が発生し、これに派生する石油漏洩、火災、公害等、深刻な課題を抱えている。
【解決手段】送油口ストレーナーおよびループ状送油管は一体とし箱に収容、該箱はタンク本体底部に設置の連結具で固定、さらに従来送油管単体で浮遊配管していた送油管部分は鋼製等の筒状管に収容し、前記箱と連結させ外部衝撃から防護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送油管部の防護を図った家庭用金属性灯油タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用金属製灯油タンクには、送油口ストレーナー、ワープ状送油管およびその送油管は露出取り付けであった。
【0003】
以下、図1により従来の家庭用金属製灯油タンクについて説明する。図において、6は送油口ストレーナーで、タンク出口における油中のゴミ、水分排出防止機能を有する。
【0004】
13は送油管で、一般的に腐食に強い銅製管で、概ね内径8ミリメートル程度のものが用いられている。8はタンク本体倒壊時等に発生が懸念される配管のタイト状態をワープ部分が吸収し、接続器具等への連関破壊を防御する機能を持たせるもので、これは地域関係官庁の指導に基づくもの。
【0005】
図2の1はタンク本体で、消防法上危険物指定の灯油を貯蔵するのが大半であり、主流は容量500リッター型で、寒冷地の家庭燃料の主力貯蔵機能を果たしている生活必需器具である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた従来の送油口ストレーナーの胴部は、透明樹脂製の比較的衝撃に弱い材質の器具であり、また送油管は上述のとおり鉛筆の径程度に細く、軟度の高い銅製のため、折り曲げ衝撃に弱く、且つ、空間浮遊配管方式のため、前記送油口ストレーナーとともに外部からの打撃は即事故に直結する事例が多い。特に最近は悪質者による故意の管切断および除雪時接触破損事故が多く、これらは石油漏洩による火災事故への直結および地下浸透、側溝流出による公害問題を発生させている。
【0007】
本発明は、このような従来の配管方式が有していた問題を解決しようとするものであり、送油口ストレーナーおよび送油管を比較的小型で簡便な方法により外部衝撃から防御し、家庭用金属性灯油タンク配管関連の石油漏洩事故を減少させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は上記目的を達成するために、送油口ストレーナーおよびワープ状送油管を一体的にて鋼製等の箱に収容、該箱はタンク本体底部と連結具により固定させ、さらに、従来送油管単体で浮遊配管していた送油管は鋼製等の角柱管、円筒管またはフレシキブルホースに収容し、前記箱に設置の連結口で結合させた防護器具により解決させる。
【0009】
本発明の防護器具を既設送油口ストレーナーおよび既設送油管に対しての設置作業を容易にするために、該箱側面の上辺先端から底部の一部までに、送油管の直径を上回る巾の切り込み溝を上下分断状に設け、さらに該箱上部、即ち天井部を空間とすることにより切り込み溝および上部空間から該箱内への取り込みが既設固定状態で可能になり、取り付け作業の省力化が図れる。
【0010】
前項同様の目的、即ち、既設送油管部分に対しての防護用の管設置作業を容易にするために、角柱管の一面を開放式とし、該開放管側に通油管を収容後、開放面を蓋状に閉じることにより既設送油管をとりこむ方式により解決する。
なお、該防護管は径の異なる2本の差し込み方式の組み合わせにより、高さ調整を可能とする方法をとっている。
【0011】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。即ち送油口ストレーナーおよびワープ状送油管は外部からの衝撃に対し、タンク本体底部と連結固定された鋼製等の箱および同様に浮遊配管露出の送油管部分は鋼製等の管に収容することで防護する。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明の送油口ストレーナー、ワープ状送油管およびその他送油管の防護器具は、悪質者の管切断等および不作為の打撃事故に対し、防護作用は大きく働き、該タンク関連の器具破壊および石油漏洩事故は大幅に減少する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1から図10までに基づいて説明する。
【0014】
図1は送油口ストレーナー6、ワープ状送油管8、送油管13等を付設した従来の一般的家庭用金属製灯油タンクであり、該付設機器等は図のとおり完全露出状態である。
【0015】
図3は本発明の取り付け要領を示すものである。
【0016】
図4はストレーナー等、付設機器を鋼製等の箱9および防護用の管10に収容し、タンク本体1底部に連結固定し、外部衝撃に対処したものである。なお本図は、送油管13および保護用の管10を箱の下部取り付け溝16と連結した方式である。
【0017】
図5は防護用の管の一部分をタンクの中空のパイプ脚2を活用した配管方式である。
【0018】
図6は箱9の斜影図である。タンク本体1との連結固定は取り付け穴11による。さらに、側面取り付け溝15又は下部面取り付け溝16を通じ配管し、箱と防護用の管先端を取り付け長穴17により連結固定する。なお該取り付け溝は側面中央を分断し底部の一部まで連続させ、且つ箱9の上部を空間としているため、既設固定の送油口ストレーナー等および送油管の箱内への収容作業は容易になる。
作業点検口18は取り付け作業時およびストレーナーの検水時等は開蓋する。
同じく図11および図12は防護用の管10の一部側面を蓋方式とし、通油管を該管内に収容後に閉蓋することにとり作業は容易になる。
【0019】
図7は防護管10の先端に取り付けた連結具19を、箱9側面の取り付けボルト20と連結固定させた取り付け要領図である。
【0020】
図8はホームタンク本体側に取り付け穴12を有しない旧来型設置のタンクに箱を取り付ける場合の連結固定板22である。
【0021】
図9は該板の上辺部側面を示すもので、当U字部位はタンク接合部ツバ板挿入溝25である。
【0022】
図10は挿入ツバを連結固定板取り付けボルト23でネジ込みにより固定させた状態を示すものである。
これに箱側の取り付け長穴11と固定板側取り付け長穴24の結合点をボルト締めにより箱を固定させるものである。
【0023】
図11は送油管防護用の管10の上部位であり、該管に送油管を収容後に被せ蓋29をし、閉じる。
【0024】
図12は同上の下部位である。
【0025】
図13は送油管防護用の管10の全体図であり、上部26、下部27からなる2本差し込み方式とし、高さ調整を可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】家庭用金属製灯油タンクの現状図
【図2】同上側面図
【図3】本発明の取り付け要領図
【図4】本発明の取り付け完了図
【図5】中空のタンク脚を活用した一部送油管を防護する方法図
【図6】本発明の箱の斜影図
【図7】同上箱、防護用の管の側面取り付け要領図
【図8】既設タンクと箱の連結固定板
【図9】同上連結固定板の側面図
【図10】同上連結固定板の取り付け状態図
【図11】送油管防護用の角柱管上部図
【図12】同上下部図
【図13】防護用の管の全体図
【符号の説明】
【0027】
1、ホームタンク本体
2、パイプ脚
6、送油口ストレーナー
8、ワープ状送油管
9、防護用の箱
10、送油管防護用の管
11、箱側取り付け長穴
12、ホームタンク本体側の箱取り付け穴
13、送油管
14、送油管貫通孔付束石
15、箱の側面取り付け溝
16、箱の下部面取り付け溝
17、防護用の管取り付け長穴
18、作業および点検口
19、防護用の管連結具
20、連結具取り付けボルト
21、タンク接合部ツバ板
22、タンク本体と箱の連結固定板
23、連結固定板取り付けボルト
24、固定板側取り付け長穴
25、タンク底部ツバ板の挿入溝
26、送油管の防護管上部
27、送油管の防護管下部
28、防護箱との連結ボルト穴
29、送油管の防護用管の蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用金属製灯油タンクの底部に付属する送油口ストレーナーおよびループ状送油管を箱に一体的に収め、同付属の送油管は筒状の管に収容させた防護器具。
【請求項2】
送油口ストレーナー等を収める箱の側面の上辺先端から底部の一端までに、送油管の直径を上回る巾の切り込み溝を分断状に設け天井部を空間とし、さらに送油管収容の防護器具は、角柱形状の2本からなる差し込み方式とし、それぞれ一面は被せ蓋式による着脱を可能とした請求項1記載の防護器具。
【請求項3】
送油口ストレーナー等を収める箱の側面とほぼ同形状の鋼製板で、上辺20ミリメートル巾程度を二重辺、即ち上辺部分の先端の側面形状をU字体とし、さらに当U字体の両外側面から内側に向けたボルトネジ穴を設けた請求項1記載の箱と灯油タンクを一体とする連結固定板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−183887(P2006−183887A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375137(P2004−375137)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(300051700)株式会社パテントプール (2)
【Fターム(参考)】