容器の位置合わせのためのシステムおよび方法
識別領域を含む容器がホルダ内に配置されうる。容器上の位置決め特徴とホルダ上の方向付け特徴との相互作用によって、例えば識別領域が読み取り装置によって確実に読み取られうるように、容器を位置合わせされた向きに配置することができる。識別領域は、容器の身元、サンプル量、サンプルに行われるべき処理等といったサンプルに関する情報を与えうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ホルダに対する容器の自動位置合わせのためのシステムおよび方法が概して開示される。
【背景技術】
【0002】
研究および分析適用に用いられるサンプルは、通常、ラック、ロボットマニピュレータ、または他のホルダによってそれ自体が保持されている容器内に配置され、それにより容器は続けて下流で処理されることが可能となる。容器は、大抵の場合、例えばバーコードでマーク付けされており、それにより光スキャナが各容器をそのマーキングによって、例えば容器がラック内に配置される前に識別することができる。
【0003】
発明者は、幾つかの適用では、容器および/またはラックまたは他のホルダ内に配置される容器内のサンプルの確実な識別が、高いスループットで行われることが重要であることを認識している。本明細書において提示される幾つかの態様において、サンプル(例えば血液サンプル)と識別領域(例えばバーコード)を有する容器がホルダ内に配置される。ホルダは、試験管立て、マルチウォールプレート、カルーセル等といった比較的静止した要素であっても、ロボットマニピュレータ、コンベヤまたは他の輸送手段といったより移動性の高い要素であってもよい。識別領域は、読み取られると、容器内のサンプルに関する情報、例えば容器の身元(identity)、サンプルの入手源等を提供しうる。容器上の位置決め特徴と、ホルダ上の方向付け特徴とによって、容器は位置合わせされた向き(alignment orientation)に自動的に配置されうる。容器が、位置合わせされた向きにあるまたは位置合わせされた向きとなるように移動されると、容器の識別領域は、読取装置に対して露出されるか、そうでなければ位置付けられて識別領域が確実に読み取られる。他の実施形態では、位置合わせされた向きにおける容器の位置決めは、容器のさらなる物理的なハンドリングを容易にしうる。例えば既知の位置合わせされた向きにある容器は、ホルダから、容器輸送手段といった別のデバイスへと移動されうる。容器は、既知の向きで移動されうるので、識別領域のさらなる読み取りまたは容器の他のハンドリングが所望の方法で達成されうる。
【発明の概要】
【0004】
1つの例示的な実施形態では、サンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムが提供される。かかるシステムは、人体から採取された血液サンプルといった少なくとも1つの生物学的サンプルを保持するための容器を含みうる。容器は、少なくとも1つのサンプルに関する情報を与えるための識別領域と、容器を位置合わせされた向きに方向付けるのに使用するための位置決め特徴とを含みうる。ホルダが、ある位置において容器を収容するように構成され、また、ホルダが容器を収容すると容器がホルダに対して位置合わせされた向きに配置されるように容器の位置決め特徴を補完する、そうでなければ位置決め特徴と相互作用する方向付け特徴を含みうる。読取装置が、容器が位置合わせされた向きにある、またはそこに移動されると、容器の識別領域を読み取りかつ少なくとも1つのサンプルに関する情報を記憶しうる。
【0005】
別の例示的な実施形態では、サンプルをハンドリングしかつ分析するための方法が提供される。かかる方法は、少なくとも1つのサンプルを保持するための容器を与えるステップを含み、容器は少なくとも1つのサンプルに関する情報を与える識別領域を含む。容器はホルダ内に配置され、また、容器は、容器の位置決め特徴と、この位置決め特徴と相互作用するホルダの方向付け特徴とを用いてホルダに対して位置合わせされうる。したがって、ホルダが容器を収容すると、容器は、ホルダに対して位置合わせされた向きに配置されうる。容器の識別領域が読み取られ、少なくとも1つのサンプルに関する情報が記憶されうる。
【0006】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付の図面と共に検討された場合に本発明の様々な非限定の実施形態の以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の態様は、数字は同様の要素を指す以下の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、本発明の態様にしたがってサンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムの一実施形態の概略図である。
【図2】図2は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴を有しかつホルダ内に配置されている容器の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴を有しかつホルダ内に配置されている別の容器の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に配置される前に容器マニピュレータによって保持されている容器の側面図である。
【図5】図5は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつ回転されている図4の容器の側面図である。
【図6】図6は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつさらに回転されている図4の容器の側面図である。
【図7】図7は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴および方向付け特徴が位置合わせされてホルダ内に配置されている図4の容器の側面図である。
【図8】図8は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつ識別領域が読み取られている図4の容器の側面図である。
【図9】図9は、本発明の態様にしたがって容器がホルダ内に配置されかつ回転されている、図5の実施形態の平面図である。
【図10】図10は、本発明の態様にしたがって容器がホルダ内に配置されかつさらに回転されている、図6の実施形態の平面図である。
【図11】図11は、本発明の態様にしたがって位置合わせ特徴および方向付け特徴が位置合わせされて容器がホルダ内に配置されている、図7の実施形態の平面図である。
【図12】図12は、本発明の態様にしたがって容器マニピュレータによって保持されかつホルダの上方に位置付けられている容器の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられているが、位置合わせされた向きにはない図12の容器の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられているが、位置合わせされた向きにはない図12の容器の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられてかつ位置合わせされた向きにある図12の容器の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の態様にしたがって、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにあり、位置決め特徴は方向付け特徴の傾斜部分に隣接している容器の平面図である。
【図17】図17は、位置決め特徴を有しかつホルダ内で位置合わせされた向きにある図16の容器の略側面図である。
【図18】図18は、本発明の態様にしたがって、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにあり、位置決め特徴は停止特徴に隣接している容器の平面図である。
【図19】図19は、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにある図18の容器の略側面図である。
【図20】図20は、本発明の別の態様にしたがって、方向付け特徴に関連付けられた位置決め特徴を有する容器の斜視図である。
【図21】図21は、本発明の態様にしたがって、方向付け特徴に関連付けられた位置決め特徴を有する図20の容器の略側面図である。
【図22】図22は、本発明のさらに別の態様にしたがってホルダ内の上部および下部を有する容器の側面図である。
【図23】図23は、図22の容器の下端の斜視図である。
【図24】図24は、ホルダ内の図22の容器の下端の断面図である。
【図25】図25は、本発明の態様にしたがってホルダ内のスパイラル部を有する容器の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載される本発明の態様は、例えば生物学的および医療関連の適用のためのホルダ内に配置された容器の方向付けおよび/または識別に概して関する。様々な例示的な実施形態が特定の適用を参照しながら以下に説明される。しかし、当然ながら、以下の説明は、その適用において、以下の説明に記載されるまたは図面に示される構成要素の構成および配置の詳細に限定されない。他の実施形態を用いてもよく、また、本発明の態様は、様々な方法で実施または実行されうる。例えば容器は、スクリーニング適用に用いられる薬剤、岩または類似の物質の組成を評価するために用いられる鉱物等といった任意の好適な物質を運ぶように用いられてもよく、血液または他の人体または組織サンプルを運ぶことだけに限定されていない。
【0009】
幾つかの例示的な実施形態では、サンプルを有する容器は、読取装置との容器の識別領域の自動位置合わせを与える特徴によって確実に識別されうる。幾つかの実施形態では、容器は、ホルダ内に配置されると、識別領域が読取装置によって適切に読み取り可能となるように容器が位置合わせされた向きに自動的に配置されうるような位置決め特徴を含みうる。一実施形態では、ホルダは、容器の位置決め特徴を補完し、容器を位置合わせされた向きに位置付けることに役立つ方向付け特徴を含みうる。容器の自動位置合わせによって、多数のサンプル容器を使用する研究において、少なくとも、高いスループットで効率よく確実に容器の識別が行われうる。
【0010】
例として、図1は、複数のサンプル容器10をハンドリングするためのシステム100を示す。本実施形態では、各容器10は、図1に示されるラック状配置といったホルダ20内に配置される場合に容器10を方向付けるのを助けるために用いられうる位置決め特徴15を含む。容器10は、血液サンプルといったサンプル11、および/または、バーコードといった識別領域12を含んでいても含んでいなくともよい。例えば容器10a、10bおよび10eは、サンプル11a、11bおよび11eをそれぞれ含むように示されるが、容器10cおよび10d内にはサンプル11は与えられていない。さらに、容器10a、10b、10cおよび10eは識別領域12を含むように示されるが、容器10dは識別領域12を有していない。この例示的な実施形態では、ホルダ20は、容器10が収容されうる複数の位置25を含み、各位置25は、対応する方向付け特徴23を有する。位置25は、管状容器10を収容するほぼ円筒形状開口として形成され、また、各位置25における方向付け特徴23は、対応する容器10のタブ形状の位置決め特徴15を収容するスロット状開口を有する。しかし、以下により詳細に説明されるように、容器10、ホルダ20、位置決め特徴15および方向付け特徴23の形状、サイズ、および/または他の特性は、任意の他の適切な配置を有してよい。
【0011】
本発明の一態様では、位置決め特徴15を有する容器10が、方向付け特徴23を有するホルダ20内に配置されると、容器10の位置決め特徴15とホルダ20の方向付け特徴23とが相互作用し、それにより容器10はホルダ20に対して適切な位置合わせされた向きに配置されうる。本実施例では、容器10のタブ状位置決め特徴15は、方向付け特徴23のスロット状開口内に収容され、それにより容器10は、ホルダ20に対して所望の方法で(容器の長手軸周りに回転する意味で)方向付けられる。容器10を位置合わせされた向き、すなわち、ホルダ20に対して既知の向きに位置決めすることは、読み取りのために識別特徴12を適切に位置決めすること、および/または、他のコンポーネントが容器と適切に相互作用できるように容器10を既知の方法で位置決めすることといった利点を提供しうる。例えば幾つかの状況では、既知の向きにある容器は、ロボットマニピュレータによってより確実に取り上げられかつホルダ20から取り外されうる。以下により詳細に説明される幾つかの場合、位置決め特徴15と方向付け特徴23との相互作用によって、容器10が適切な位置合わせされた向きに自動的に配置されることが可能となる。例えば位置決め特徴および位置合わせ特徴は相互作用して、容器10を位置合わせされた向きに移動させる。
【0012】
容器10は、ホルダ20内に配置されるとき、手で操作しても(例えばオペレータが、図1におけるホルダのようなホルダ20の位置25内に個々の容器10を配置しうる)、または、容器10は自動システムによって配置されてもよい。例えば、図1は、1以上の容器10を物理的に操作するように用いられうるアーム210およびグリッパ220を有するロボットデバイスの一般形態を有する容器マニピュレータ200を示す。容器マニピュレータ200は、容器10を直線的に移動させる、容器10を任意の1以上の適切な軸について回転させる等といったように任意の適切な自由度で容器10を移動させるように構成されうる。例えば容器マニピュレータ200は、容器10aを掴み、容器10aを適切な位置25aの上に位置決めし、容器10をホルダ20内に配置しうる。容器10を配置する際、容器マニピュレータ200は、容器10aを位置25a内へと下げるか、または、容器10aを位置25aの上方の位置から落下させうる。本明細書において用いられるように、容器は、ホルダが容器の位置に少なくとも幾らかの影響を有するように容器がホルダに少なくとも部分的に関連付けられる場合に、ホルダによって収容されている。この点につき、ホルダは、容器がホルダによって完全に係合されていなくともおよびホルダに対して方向付けられていなくとも容器を収容していると見なされうる。同様に、容器がホルダ「内に」あるという場合、容器がホルダによって収容されている場合と容器が位置合わせされた向きにある場合を含む状態を指すことを理解されるものとする。以下により詳細に説明されるように、容器10は、望ましい向きでまたはほぼ望ましい向きで位置25内に配置される(例えばそれにより容器10aの位置決め特徴15aおよび方向付け特徴23aが係合する)か、または、容器10は、その向きに関して、任意の制限なくまたはより制限されて位置25内に配置されうる(例えば容器10aの位置決め特徴15aおよび方向付け特徴23aが係合しない)。例えばマニピュレータ200は、下端が位置25においてほぼ収容されるが、例えば位置決め特徴15および方向付け特徴23が位置合わせされないように容器10のその長手軸についての回転位置は制御できないように容器10を配置しうる。このような配置技術は、例えば位置合わせされた向きに容器を移動させるように位置決め特徴および方向付け特徴が相互作用するように構成される場合に用いられうる。他の実施形態では、マニピュレータ200またはユーザが、位置決め特徴15と方向付け特徴23が係合されて、容器10が位置合わせされた向きにあるように容器を位置25に配置しうる。
【0013】
上述したように、ホルダ20の位置25における位置決め特徴15と対応する方向付け特徴23との相互作用は、識別領域12がある場合には読取装置30によって読み取られるように容器10を方向付けうる。識別領域12および読取装置30は、識別領域12が、一方向または双方向で読取装置30に対して情報を交換しうるように任意の適切な形態を取りうる。例えば識別領域12は、例えばスキャンレーザ、ビデオカメラまたは他の撮像デバイスと、関連付けられる画像分析回路または他の配置とを用いて、読取装置30によって読み取られるバーコードまたは他のマークを含みうる。識別領域12に用いられるマークは、手書き、または、ラベルをエッチングする、プリントする、貼り付ける、そうでなければマークを形成する機械によって形成されるといった任意の適切な方法によって作られうる。他の実施形態では、識別領域12は、アクティブまたはパッシブRFIDタグまたは電磁放射または他の適切な媒体を用いて読取装置30と通信可能な他のデバイスを含みうる。別の実施形態では、識別領域12は、読取装置30によって接触されうる物理的構造、例えば錠が鍵の物理的特徴を検出できる方法と同様の方法で読取装置30によって解釈されうる隆起、溝、タブ、または他の特徴の配置を含みうる。あるいは、読取装置30は、識別領域12に電気的に接触して、例えば情報を表す抵抗または他の電気特性を検出しうる。赤外光通信、ワイヤレス電子通信等を用いたものを含む、他の識別領域12の配置も可能である。
【0014】
識別領域12により表されるサンプル11に関する情報は、容器および/またはサンプルの任意の所望の特性に関連しうる。幾つかの実施形態では、情報は、例えばサンプルが採取された個人の身元、血液型、サンプル量、化学同一性、細胞特性、および/または分子特性等のサンプルの特定の化学的、生物学的および/または他の特性を関しうる。かかる情報は、各サンプルに固有であってもなくてもよい。幾つかの実施形態では、情報は、特定の容器の識別に関してよく、例えば容器の身元、容器のサイズ、形状、または他の特性等を表す。幾つかの場合には、識別領域12は、サンプルに行われたまたは行われるべき試験または分析の種類に基づいた情報を含みうる。例えば、サンプルを試験する前は、識別領域は用いられる特定の容器に関しうる。サンプルが試験され容器内に配置された後は、識別領域は、任意の適切な方法によって更新され、それにより容器および/または容器内のサンプルの性質に関する情報が適切に識別されうる。幾つかの実施形態では、識別領域は、サンプルが容器内に配置された後に容器上に適切に設けられうる。識別領域12は、例えば個人名、実際のサンプル量等の実際の情報自体を含んでいても、あるいは、識別領域12は、かかる情報を見つける、そうでなければ求めるために用いられる参照を含んでいてもよい。例えば識別領域12は、数字または他の英数字列を含んでもよく、この数字または他の英数字列はアドレスとして用いられて、適切なデータベースまたは他の記憶装置内の対応する情報を見つけることができうる。識別領域12から読み取られた情報は、必要に応じて記憶されても、そうでなければ使用されうる。一例として、容器の識別領域によって読取装置に伝えられた情報は、読取装置30に関連付けられたコンピュータストレージデバイスによって電子データとして記憶されうる。例えば識別領域12から読み取られた英数字列は、ホルダ内の容器の位置等といった容器に関する他の情報と共に記憶されうる。
【0015】
読取装置30は、ホルダ20が2以上の位置25を含む場合に、ホルダ20における1以上の容器10の識別領域12を読み取るように構成されうる。幾つかの実施形態では、ホルダ20は、識別領域12を読み取るために読取装置30によって用いられる電磁放射に対して半透過性または透過性であってよい。他の実施形態では、ホルダ20は、必要に応じて、識別領域12を読み取るための放射または他の成分の通過を可能にする窓または他の開口を有しうる。他の実施形態では、読取装置30は、例えばホルダ20の外周部から離れて位置付けられた容器10上の識別領域12を読み取るためにホルダ20に取り付けられたコンポーネントを有しうる。例えば読取装置30は、各容器10の識別領域12が単一の対応するセンサによって読み取られうるように、各位置25に対して撮像デバイス、電気接点または他のセンサのセットを含みうる。ある場合には、読取装置30は、識別領域12が読取装置30に直接面していなくても、そうでなければ読み取り目的のために理想的に位置決めされていなくても、識別領域12を読み取り可能でありうる。例えば識別領域12は、読み取りのために理想的に必ずしも位置決めされないこともあるが、読取装置30は、例えばRFIDタグ/読取装置配置の場合では、いずれにせよ識別領域12の読み取りできる。しかし、通常は、位置決め特徴15と方向付け特徴23との望ましい係合によって容器10が位置決めされ、それにより読取装置30が識別領域12をより確実に読み取りできる。
【0016】
位置決め特徴の方向付け特徴との係合は、1以上の方向(例えば1以上の直線方向、回転方向等)に容器の位置を方向付けるまたは固定することに役立ちうる。図2は、スロット状形状の各方向付け特徴23に係合されたタブ状の位置決め特徴15に関するさらなる詳細と共に、図1におけるホルダ20の位置25の断面図を示す。本実施形態における容器10の位置決め特徴15が、方向付け特徴23に収容されると、容器10は、回転方向(それにより識別特徴12が読取装置30との相互作用のために適切に位置付けられる)および軸方向(容器10の長手軸に沿った上下方向)の両方に方向付けられ、それにより、容器10は、位置25において望ましい深さに位置付けられる。あるいは、容器10は、位置決め特徴15によって軸方向に支持されるのではなく、ホルダ20によって容器の底端において支持されてもよい。
【0017】
図示する実施形態では、位置決め特徴15は、容器10から半径方向に延びるタブ状延長部を含むが、位置決め特徴15は、任意の適切なサイズ、形状、または設計を有してよく、また、容器をホルダ20に対して1以上の方向に方向付けることに役立ちうることは理解されるべきである。例えば位置決め特徴15は、三角形状を有しても、多数の要素突出部を有しても、湾曲していても、鋭いエッジを有しても、またはこれらの組み合わせであってもよい。同様に、方向付け特徴23も、位置決め特徴15を補完するサイズ、形状、または他の特徴を有してよく、また、複数の様々な種類の位置決め特徴15の形状を補完しうる。例えば容器10は複数のタブ延長部を有し、位置決め特徴15の延長部が方向付け特徴23のスロット内に入るようにホルダ20内に配置されうる。タブ状延長部は、反対方向に互いから離れるように延びても、互いに垂直に延びても、または別の角度で延びてもよい。位置決め特徴15の構造特徴は、例えば方向付け特徴23が、容器10の位置決め特徴15のスロットに係合するタブまたは他の延長部を含むように、図示するのとは反対に構成されてもよいことは理解されるべきである。
【0018】
もう1つの例示的な例として、図3は、位置決め特徴15が容器10の最上部においてタブ状突出部とリムの両者を含む実施形態を示す。ホルダ20の方向付け特徴23は、タブ状要素に加えて位置決め特徴15のリムを収容する凹部22を含みうる。容器10の最上部におけるリムと、方向付け特徴23との凹部22との係合は、容器10を位置25の円柱穴に中心合わせすること、および/または、容器をホルダ20に対して容器の長手軸に沿って適切に位置付けることに役立ちうる。例えばリムは、容器10の重量を支持しうる。図1〜図3には明示的に示されないが、方向付け特徴および/または位置決め特徴は、位置決め特徴が方向付け特徴とより容易に係合するようにベベル形状または他の配置を含んでもよい。例えば図3における凹部22は、位置決め特徴15の適切な収容に役立つようテーパーまたはファンネル形状の上部領域を有してよい。幾つかの実施形態では、ホルダおよび/または、位置決め特徴と方向付け特徴との相互作用を促進するように揺らされたり、振動させられたり、または動かされうる。
【0019】
幾つかの実施形態では、位置決め特徴と方向付け特徴とを係合させるためにホルダ内に容器を比較的慎重に配置する必要がありうるが、他の実施形態では、容器の向きの少なくとも幾つかの側面は意識せずにホルダ内に容器を配置しうる。図4〜図11は、容器10の方向付けの少なくとも回転に関する側面を意識せずにホルダ20の位置25内に容器10が配置されうる例示的な実施形態を示す。本実施形態では、容器10は、位置決め特徴15を有し、この位置決め特徴は、容器10の最上端に、平坦部16を有する円形リムを含む。(図9〜図11は、容器10の上面図を示し、位置決め特徴15の「D」字形状をより明らかに示す。)ホルダ20における方向付け特徴23は、平坦セクション24を有し、位置決め特徴15を補完するほぼ円筒形状の開口を含む。本実施形態では、容器10は、位置決め特徴15の平坦部16が方向付け特徴23の平坦セクション24と一致するようにまたは一致しないようにホルダ20の位置25内に落とされる(図5および図9参照)。位置決め特徴15および方向付け特徴23のサイズおよび形状は、位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせされる(すなわち、平坦部16および24が位置合わせする)まで容器10が位置25における開口内に完全に落ちないようなサイズおよび形状である。代わりに、位置決め特徴15のリムが方向付け特徴24の平坦部24上に乗り、平坦部16および24が隣り合うまで容器10が位置25における開口内に落ちないようにされる。
【0020】
本実施形態では、マニピュレータ200は、容器10に摩擦係合し、容器10を回転させる(例えば図9におけるように容器10を見下ろした場合に時計回り方向に)回転子230(例えばホイールまたはベルト)を含む。回転子230は、モータ駆動式ホイールまたはベルトを含み、リムにおける摩擦によって容器10に係合するが、回転子230は、容器10上の磁石または磁性材料を引き付ける磁力によって、位置決め特徴15に係合するように方向付け特徴23を動かす(例えば平坦セクション24を回転させる)ことによって等他の方法で容器10に作用しうる。図6および図10は、部分的に回転された容器10を示し、図7および図11は、位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせするように完全に回転された容器10を示す。本実施形態では、位置決め特徴15および方向付け特徴23が一旦位置合わせされると、図8に示すように、容器10はホルダ20のさらに奥へと落ち、容器10の底部が、ホルダ20の開口の底部に置かれる。当然ながら、容器10が例えば位置25において吊るされている図2および図3に示すような配置といった他の配置も可能である。位置決め特徴15と方向付け特徴23との適切な位置合わせの後、容器10は、読取装置30が容器10の識別領域12をより確実に読み取れるように位置合わせされた向きに落とされうる。
【0021】
図4〜図11における配置のような配置は、容器10を方向付けて識別し、その後容器10をマニピュレータ200または他の輸送手段の別の部分に移動させるために用いられうることは理解されるべきである。例えばランダムまたは未知の向きおよび/または身元を有する容器10を図4〜図11に示す位置のような位置25内に落とし、それにより容器10は適切に方向付けられてかつ識別領域12が読み取られることが可能となる。その後、今度は識別されかつ方向付けられている容器10は、容器10をさらに輸送するロボットマニピュレータ、カルーセル、または他のデバイスに移動されうる。例えば図8における容器10は、位置25の下に位置付けられた別のホルダまたはマニピュレータ内へと位置25における開口を通り落とされうる。容器の向きは、容器が位置から出る際に決められるので、下流側の輸送デバイスは既知の向きにある容器を受取りうる。
【0022】
幾つかの実施形態では、ホルダは、位置合わせされた向きに容器を移動させるように容器の位置決め特徴と相互作用するように構成された方向付け特徴を含みうる。このような配置では、容器を位置合わせされた向きに移動させるように容器10および/または方向付け特徴23を移動させる、図4における回転子230といったマニピュレータの必要を排除しうる。例えば図12〜図15は、容器がホルダ20内に最初にどのように配置されたかに関係なく、容器10の位置決め特徴15がホルダ20の方向付け特徴23の望ましい領域内に効果的に滑り込めるようにする傾斜部32を含む例示的な方向付け特徴23を示す。図12に示すように、容器マニピュレータ200は、特定の位置25における配置のために、位置決め特徴15を有する容器10を、ホルダ20の上方で保持しうる。本実施形態では、位置決め特徴15は、図1に示すものと同様に容器10から延びるタブ形状を有するが、他の適切な方法で構成されていてもよい。マニピュレータ200(または人間のオペレータ)は、位置決め特徴15と方向付け特徴23との相対位置を考慮してまたはしないで、容器10を位置25内に落とす、そうでなければ移動させうる(例えば破線で示す矢印に沿った方向に)。図13は、ホルダ20の位置25に収容された容器10を示す。本例では、位置決め特徴15は、傾斜部32の高い側に位置付けられている。しかし、位置決め特徴15および方向付け特徴23の配置によって、容器10は(例えば重力または他の力の引きにより)回転する傾向があり、それにより位置決め特徴15は、傾斜部32の低い側(ここではスロット状の溝33が含まれる)に位置付けられる。図14は、位置決め特徴15がスロット33に向かって移動するように(容器10を見下ろした場合に反時計回り方向に)回転する途中の容器10を示す。この回転は、容器10を下に引っ張る重力および/または図4に示す回転子のような回転子230といった別の力によってもたらされうる。図15は、スロット33内に収容された容器10の位置決め特徴15と、位置合わせされた向きにある容器10を示す。本実施形態では、ここでは、識別領域12は読取装置30によってより確実に読み取られるように視野内となっている。あるいは、識別領域12は、容器10が位置合わせされた向きに向かって移動する際に読み取られてもよい。この過程により、最初は望ましい位置合わせされた向きにない容器10は、自動的にホルダ20内で位置合わせされた向きにされる。
【0023】
図12〜図15の方向付け特徴23は、容器10を収容する開口の周りに全体的に位置決めされる傾斜領域32を含むが、傾斜領域32は、他の方法で配置されてもよい。例えば図16および図17は、方向付け特徴23がホルダ20の開口の周りに部分的にしか延在していない別の例示的な実施形態を示す。図16によって示されるホルダ20内の容器10上面図は、方向付け特徴23は、方向付け特徴23の最低点における平坦セクション34の両側に傾斜部32を含むことを示す。図17は、最初の位置(破線で示す)から、方向付け特徴23の平坦セクション34における最終位置(実線で示す)に移動する位置決め特徴15の略断面図を示す。図示するように、方向付け特徴23は、ホルダの開口の周りに約180度、すなわち、方向付け特徴23の最低点の両側に約90度延在している。しかし、方向付け特徴は、必要に応じてホルダの開口の周りに任意の適切な配置方向で延在しうることは理解されるべきである。例えば図18および図19は、傾斜部32が、容器10の開口の周りに約120度延在し、平坦セクション34の片側のみに位置付けられている配置を示す。方向付け特徴23は、傾斜部32を下がって移動した後に平坦セクション34において、必要に応じて、位置決め特徴15を止める停止特徴38を含んでもよい。
【0024】
当業者であれば理解できるように、読取装置30は、領域12が読取装置30に対して十分に近い近接性および向きにあるときに識別領域12を読み取ることが可能でありうる。したがって、識別領域12は、必ずしも正確な位置に位置決めされる必要はなく、したがって、位置決め特徴15は、図12〜図19における平坦セクション34またはスロット33といった方向付け特徴23の特定領域に係合しなくてもよい。したがって、図20および図21に示すように、方向付け特徴23は、位置決め特徴15用の画定された停止領域を含む必要がないが、代わりに連続的に湾曲した形状を有する傾斜領域34を含みうる。図20および図21において見られるように、容器の位置決め特徴15は、傾斜領域34の高い領域から概して低い領域に、例えばホルダ20の振動移動と共に重力の引きにより移動しうる。この移動は、必ずしも、毎回、位置決め特徴15をホルダ20に対して同じ位置に位置付けないが、識別領域12を位置合わせされた向きの近くに適切に位置決めし、それにより、例えば読取装置30による識別領域12の読み取りが可能となる。
【0025】
上述の実施形態は、容器10の最上部またはその付近の位置決め特徴15を示すが、位置決め特徴15は、他の方法で配置された要素を含んでもよい。例えば、位置決め要素15は、容器10の底部またはその付近に位置付けられて、ホルダ20の対応する方向付け特徴23に係合しうる。例えば図22〜図24は、容器10の底部から下がるほぼ矩形のボックス形状の位置決め特徴15を示す。本実施形態におけるホルダ20は、ホルダ20における開口の底部付近に矩形の孔を含み、これは容器10を収容する。位置決め特徴15および方向付け特徴23の形状は、位置決め特徴15が方向付け特徴23内に延在しうるように位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせする場合にしかホルダによって完全に収容されないような形状でありうる。本実施形態では、位置決め特徴15の矩形断面形状により、位置決め特徴15が方向付け特徴23によって4つの異なる回転位置(容器の長手軸についての0度、90度、180度および270度の回転、すなわち4つの位置合わせされた向き)のいずれかにおいて収容されることが可能となるが、位置決め特徴15の他の形状は、3つの異なる位置(例えば三角形の場合、すなわち、3つの位置合わせされた向き)、2つの異なる位置(例えば細長い矩形の場合、すなわち、2つの位置合わせされた向き)、または1つの位置(例えば不規則な形状の場合)についてのみ、方向付け特徴23における完全なる収容を可能にしうる。容器10がホルダ20に対して複数の異なる方法で位置決めされる場合、読取装置30および/または識別特徴12は、識別特徴12が容器10の最終位置に関わらず読み取られるように配置されうる。例えば容器10の識別領域12を読み取るために1以上の読取装置30があってもよい。あるいは、幾つかの実施形態では、読取装置30は、識別領域12が2以上の位置合わせされた向きにおいて読み取られることが可能となるようにその位置を移動しうる。
【0026】
別の例示的な実施形態では、容器および/またはホルダは、スパイラル型構造を有する位置決め特徴または方向付け特徴を含みうる。例えばまた図25に示されるとおり、容器10は、スパイラル部またはネジ山を含む位置決め特徴15を含み、また、ホルダ20は、スパイラル位置決め特徴15を収容するスパイラル溝を含む方向付け特徴23を含みうる。当然のことながら、容器10がホルダ20内に配置されると、容器10が落ちる際に、容器10はさらにその長手軸について回転するように位置決め特徴15は方向付け特徴23に係合しうる。容器がホルダ20の開口の底部に位置付けられると、容器10上の識別特徴12は、読取装置30による読み取りのために位置決めされうる。あるいは、識別特徴12は、容器がホルダ20内へと落ちて回転する際に読取装置30によって読み取られうる。この種類の構造は、識別特徴12が位置決め特徴15に対して特定の方法で容器10上に固定される必要を減少または排除するのに役立つ。当然ながら、位置決め特徴15および/または方向付け特徴23は、例えば位置決め特徴15により多くのネジ山が組み込まれている、ネジ山のピッチが調節されている等、他の配置を有してもよい。幾つかの実施形態では、容器とホルダ20との摩擦は、例えば潤滑油の添加または片面または両面への適切なコーティングの塗布を通じて最小限に抑えうる。このような摩擦最小限化によって、識別領域が確実に読み取られるように容器がより容易に位置合わせされた向きに配置されることが可能となる。幾つかの実施形態では、スパイラル部を有する容器はホルダ内に落とされて、識別領域が読み取られるように位置合わせされた向きに自動的に落ち着く。
【0027】
位置決め特徴および/または方向付け特徴は、次に限定されないが、磁石または磁性材料(例えば容器を位置合わせされた向きに配置するように位置決め特徴および方向付け特徴が引き寄せられうる/反発しうるように)、ギア形式(例えば容器を方向付けるように位置決めおよび方向付け特徴はギアの歯に係合するように)、突出部および/または凹部(例えば上述したタブ延長部および溝配置)、錠および鍵形式の配置に当てはまる対応する形状のコンポーネント(例えば図4〜図11に示すD字形状リムと開口)、デテント配置(例えば方向付け特徴が、容器内の半球状または他の適切な形状をした溝を含む位置決め特徴に係合するバネ仕掛けのボールを含む場合)、カムおよびカム従動子配置(例えば図12〜図21の方向付け特徴および位置決め特徴といったように、方向付け特徴が傾斜部の形態のカムを含み、位置決め特徴がタブ状延長部の形態のカム従動子を含む)、リンク機構(例えば方向付け特徴は、容器の位置決め要素によって接触されると容器を移動させる、そうでなければ方向付けるようにする1以上のバーリンク機構配置を含む場合)等を含む様々な物理構造または配置を有しうる。
【0028】
本発明の幾つかの態様を説明してきたが、当業者であれば様々な変更、修正、および改良点を思いつくことは理解されるべきである。かかる変更、修正、および改良点は、本開示の一部であることを意図しており、また、本発明の精神および範囲内であることを意図している。したがって、本明細書における説明および図面は限定ではなく例示を意図している。
【0029】
本明細書において用いられる表現法および用語法は説明を目的としており、限定と見なすべきではない。本明細書において用いられる「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「関連する」および/またはこれらの変形は、それ以降に列挙される項目、それらの等価物、ならびに追加の項目を包含することを意味している。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」および「an」は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる表現「および/または」は、それにより結合される要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、要素は共同して存在する場合もあれば、分離して存在する場合もあることを意味すると理解されるべきである。「および/または」と共に列挙される多数の要素も、同じように解釈されるべきである。すなわち、「1以上の」要素がそのように結合される。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素も、その具体的に特定される要素に関連していてもいなくても、任意選択的に存在してよい。
【0032】
特に明記されない限り、2以上のステップまたは行為を含む本明細書に記載される任意の方法では、これらの方法のステップまたは行為の順番は、記載される方法のステップまたは行為の順番に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
ホルダに対する容器の自動位置合わせのためのシステムおよび方法が概して開示される。
【背景技術】
【0002】
研究および分析適用に用いられるサンプルは、通常、ラック、ロボットマニピュレータ、または他のホルダによってそれ自体が保持されている容器内に配置され、それにより容器は続けて下流で処理されることが可能となる。容器は、大抵の場合、例えばバーコードでマーク付けされており、それにより光スキャナが各容器をそのマーキングによって、例えば容器がラック内に配置される前に識別することができる。
【0003】
発明者は、幾つかの適用では、容器および/またはラックまたは他のホルダ内に配置される容器内のサンプルの確実な識別が、高いスループットで行われることが重要であることを認識している。本明細書において提示される幾つかの態様において、サンプル(例えば血液サンプル)と識別領域(例えばバーコード)を有する容器がホルダ内に配置される。ホルダは、試験管立て、マルチウォールプレート、カルーセル等といった比較的静止した要素であっても、ロボットマニピュレータ、コンベヤまたは他の輸送手段といったより移動性の高い要素であってもよい。識別領域は、読み取られると、容器内のサンプルに関する情報、例えば容器の身元(identity)、サンプルの入手源等を提供しうる。容器上の位置決め特徴と、ホルダ上の方向付け特徴とによって、容器は位置合わせされた向き(alignment orientation)に自動的に配置されうる。容器が、位置合わせされた向きにあるまたは位置合わせされた向きとなるように移動されると、容器の識別領域は、読取装置に対して露出されるか、そうでなければ位置付けられて識別領域が確実に読み取られる。他の実施形態では、位置合わせされた向きにおける容器の位置決めは、容器のさらなる物理的なハンドリングを容易にしうる。例えば既知の位置合わせされた向きにある容器は、ホルダから、容器輸送手段といった別のデバイスへと移動されうる。容器は、既知の向きで移動されうるので、識別領域のさらなる読み取りまたは容器の他のハンドリングが所望の方法で達成されうる。
【発明の概要】
【0004】
1つの例示的な実施形態では、サンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムが提供される。かかるシステムは、人体から採取された血液サンプルといった少なくとも1つの生物学的サンプルを保持するための容器を含みうる。容器は、少なくとも1つのサンプルに関する情報を与えるための識別領域と、容器を位置合わせされた向きに方向付けるのに使用するための位置決め特徴とを含みうる。ホルダが、ある位置において容器を収容するように構成され、また、ホルダが容器を収容すると容器がホルダに対して位置合わせされた向きに配置されるように容器の位置決め特徴を補完する、そうでなければ位置決め特徴と相互作用する方向付け特徴を含みうる。読取装置が、容器が位置合わせされた向きにある、またはそこに移動されると、容器の識別領域を読み取りかつ少なくとも1つのサンプルに関する情報を記憶しうる。
【0005】
別の例示的な実施形態では、サンプルをハンドリングしかつ分析するための方法が提供される。かかる方法は、少なくとも1つのサンプルを保持するための容器を与えるステップを含み、容器は少なくとも1つのサンプルに関する情報を与える識別領域を含む。容器はホルダ内に配置され、また、容器は、容器の位置決め特徴と、この位置決め特徴と相互作用するホルダの方向付け特徴とを用いてホルダに対して位置合わせされうる。したがって、ホルダが容器を収容すると、容器は、ホルダに対して位置合わせされた向きに配置されうる。容器の識別領域が読み取られ、少なくとも1つのサンプルに関する情報が記憶されうる。
【0006】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付の図面と共に検討された場合に本発明の様々な非限定の実施形態の以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の態様は、数字は同様の要素を指す以下の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、本発明の態様にしたがってサンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムの一実施形態の概略図である。
【図2】図2は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴を有しかつホルダ内に配置されている容器の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴を有しかつホルダ内に配置されている別の容器の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に配置される前に容器マニピュレータによって保持されている容器の側面図である。
【図5】図5は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつ回転されている図4の容器の側面図である。
【図6】図6は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつさらに回転されている図4の容器の側面図である。
【図7】図7は、本発明の態様にしたがって位置決め特徴および方向付け特徴が位置合わせされてホルダ内に配置されている図4の容器の側面図である。
【図8】図8は、本発明の態様にしたがってホルダ内に配置されかつ識別領域が読み取られている図4の容器の側面図である。
【図9】図9は、本発明の態様にしたがって容器がホルダ内に配置されかつ回転されている、図5の実施形態の平面図である。
【図10】図10は、本発明の態様にしたがって容器がホルダ内に配置されかつさらに回転されている、図6の実施形態の平面図である。
【図11】図11は、本発明の態様にしたがって位置合わせ特徴および方向付け特徴が位置合わせされて容器がホルダ内に配置されている、図7の実施形態の平面図である。
【図12】図12は、本発明の態様にしたがって容器マニピュレータによって保持されかつホルダの上方に位置付けられている容器の斜視図である。
【図13】図13は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられているが、位置合わせされた向きにはない図12の容器の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられているが、位置合わせされた向きにはない図12の容器の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の態様にしたがって、ホルダ内に位置付けられてかつ位置合わせされた向きにある図12の容器の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の態様にしたがって、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにあり、位置決め特徴は方向付け特徴の傾斜部分に隣接している容器の平面図である。
【図17】図17は、位置決め特徴を有しかつホルダ内で位置合わせされた向きにある図16の容器の略側面図である。
【図18】図18は、本発明の態様にしたがって、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにあり、位置決め特徴は停止特徴に隣接している容器の平面図である。
【図19】図19は、位置決め特徴を有し、ホルダ内で位置合わせされた向きにある図18の容器の略側面図である。
【図20】図20は、本発明の別の態様にしたがって、方向付け特徴に関連付けられた位置決め特徴を有する容器の斜視図である。
【図21】図21は、本発明の態様にしたがって、方向付け特徴に関連付けられた位置決め特徴を有する図20の容器の略側面図である。
【図22】図22は、本発明のさらに別の態様にしたがってホルダ内の上部および下部を有する容器の側面図である。
【図23】図23は、図22の容器の下端の斜視図である。
【図24】図24は、ホルダ内の図22の容器の下端の断面図である。
【図25】図25は、本発明の態様にしたがってホルダ内のスパイラル部を有する容器の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載される本発明の態様は、例えば生物学的および医療関連の適用のためのホルダ内に配置された容器の方向付けおよび/または識別に概して関する。様々な例示的な実施形態が特定の適用を参照しながら以下に説明される。しかし、当然ながら、以下の説明は、その適用において、以下の説明に記載されるまたは図面に示される構成要素の構成および配置の詳細に限定されない。他の実施形態を用いてもよく、また、本発明の態様は、様々な方法で実施または実行されうる。例えば容器は、スクリーニング適用に用いられる薬剤、岩または類似の物質の組成を評価するために用いられる鉱物等といった任意の好適な物質を運ぶように用いられてもよく、血液または他の人体または組織サンプルを運ぶことだけに限定されていない。
【0009】
幾つかの例示的な実施形態では、サンプルを有する容器は、読取装置との容器の識別領域の自動位置合わせを与える特徴によって確実に識別されうる。幾つかの実施形態では、容器は、ホルダ内に配置されると、識別領域が読取装置によって適切に読み取り可能となるように容器が位置合わせされた向きに自動的に配置されうるような位置決め特徴を含みうる。一実施形態では、ホルダは、容器の位置決め特徴を補完し、容器を位置合わせされた向きに位置付けることに役立つ方向付け特徴を含みうる。容器の自動位置合わせによって、多数のサンプル容器を使用する研究において、少なくとも、高いスループットで効率よく確実に容器の識別が行われうる。
【0010】
例として、図1は、複数のサンプル容器10をハンドリングするためのシステム100を示す。本実施形態では、各容器10は、図1に示されるラック状配置といったホルダ20内に配置される場合に容器10を方向付けるのを助けるために用いられうる位置決め特徴15を含む。容器10は、血液サンプルといったサンプル11、および/または、バーコードといった識別領域12を含んでいても含んでいなくともよい。例えば容器10a、10bおよび10eは、サンプル11a、11bおよび11eをそれぞれ含むように示されるが、容器10cおよび10d内にはサンプル11は与えられていない。さらに、容器10a、10b、10cおよび10eは識別領域12を含むように示されるが、容器10dは識別領域12を有していない。この例示的な実施形態では、ホルダ20は、容器10が収容されうる複数の位置25を含み、各位置25は、対応する方向付け特徴23を有する。位置25は、管状容器10を収容するほぼ円筒形状開口として形成され、また、各位置25における方向付け特徴23は、対応する容器10のタブ形状の位置決め特徴15を収容するスロット状開口を有する。しかし、以下により詳細に説明されるように、容器10、ホルダ20、位置決め特徴15および方向付け特徴23の形状、サイズ、および/または他の特性は、任意の他の適切な配置を有してよい。
【0011】
本発明の一態様では、位置決め特徴15を有する容器10が、方向付け特徴23を有するホルダ20内に配置されると、容器10の位置決め特徴15とホルダ20の方向付け特徴23とが相互作用し、それにより容器10はホルダ20に対して適切な位置合わせされた向きに配置されうる。本実施例では、容器10のタブ状位置決め特徴15は、方向付け特徴23のスロット状開口内に収容され、それにより容器10は、ホルダ20に対して所望の方法で(容器の長手軸周りに回転する意味で)方向付けられる。容器10を位置合わせされた向き、すなわち、ホルダ20に対して既知の向きに位置決めすることは、読み取りのために識別特徴12を適切に位置決めすること、および/または、他のコンポーネントが容器と適切に相互作用できるように容器10を既知の方法で位置決めすることといった利点を提供しうる。例えば幾つかの状況では、既知の向きにある容器は、ロボットマニピュレータによってより確実に取り上げられかつホルダ20から取り外されうる。以下により詳細に説明される幾つかの場合、位置決め特徴15と方向付け特徴23との相互作用によって、容器10が適切な位置合わせされた向きに自動的に配置されることが可能となる。例えば位置決め特徴および位置合わせ特徴は相互作用して、容器10を位置合わせされた向きに移動させる。
【0012】
容器10は、ホルダ20内に配置されるとき、手で操作しても(例えばオペレータが、図1におけるホルダのようなホルダ20の位置25内に個々の容器10を配置しうる)、または、容器10は自動システムによって配置されてもよい。例えば、図1は、1以上の容器10を物理的に操作するように用いられうるアーム210およびグリッパ220を有するロボットデバイスの一般形態を有する容器マニピュレータ200を示す。容器マニピュレータ200は、容器10を直線的に移動させる、容器10を任意の1以上の適切な軸について回転させる等といったように任意の適切な自由度で容器10を移動させるように構成されうる。例えば容器マニピュレータ200は、容器10aを掴み、容器10aを適切な位置25aの上に位置決めし、容器10をホルダ20内に配置しうる。容器10を配置する際、容器マニピュレータ200は、容器10aを位置25a内へと下げるか、または、容器10aを位置25aの上方の位置から落下させうる。本明細書において用いられるように、容器は、ホルダが容器の位置に少なくとも幾らかの影響を有するように容器がホルダに少なくとも部分的に関連付けられる場合に、ホルダによって収容されている。この点につき、ホルダは、容器がホルダによって完全に係合されていなくともおよびホルダに対して方向付けられていなくとも容器を収容していると見なされうる。同様に、容器がホルダ「内に」あるという場合、容器がホルダによって収容されている場合と容器が位置合わせされた向きにある場合を含む状態を指すことを理解されるものとする。以下により詳細に説明されるように、容器10は、望ましい向きでまたはほぼ望ましい向きで位置25内に配置される(例えばそれにより容器10aの位置決め特徴15aおよび方向付け特徴23aが係合する)か、または、容器10は、その向きに関して、任意の制限なくまたはより制限されて位置25内に配置されうる(例えば容器10aの位置決め特徴15aおよび方向付け特徴23aが係合しない)。例えばマニピュレータ200は、下端が位置25においてほぼ収容されるが、例えば位置決め特徴15および方向付け特徴23が位置合わせされないように容器10のその長手軸についての回転位置は制御できないように容器10を配置しうる。このような配置技術は、例えば位置合わせされた向きに容器を移動させるように位置決め特徴および方向付け特徴が相互作用するように構成される場合に用いられうる。他の実施形態では、マニピュレータ200またはユーザが、位置決め特徴15と方向付け特徴23が係合されて、容器10が位置合わせされた向きにあるように容器を位置25に配置しうる。
【0013】
上述したように、ホルダ20の位置25における位置決め特徴15と対応する方向付け特徴23との相互作用は、識別領域12がある場合には読取装置30によって読み取られるように容器10を方向付けうる。識別領域12および読取装置30は、識別領域12が、一方向または双方向で読取装置30に対して情報を交換しうるように任意の適切な形態を取りうる。例えば識別領域12は、例えばスキャンレーザ、ビデオカメラまたは他の撮像デバイスと、関連付けられる画像分析回路または他の配置とを用いて、読取装置30によって読み取られるバーコードまたは他のマークを含みうる。識別領域12に用いられるマークは、手書き、または、ラベルをエッチングする、プリントする、貼り付ける、そうでなければマークを形成する機械によって形成されるといった任意の適切な方法によって作られうる。他の実施形態では、識別領域12は、アクティブまたはパッシブRFIDタグまたは電磁放射または他の適切な媒体を用いて読取装置30と通信可能な他のデバイスを含みうる。別の実施形態では、識別領域12は、読取装置30によって接触されうる物理的構造、例えば錠が鍵の物理的特徴を検出できる方法と同様の方法で読取装置30によって解釈されうる隆起、溝、タブ、または他の特徴の配置を含みうる。あるいは、読取装置30は、識別領域12に電気的に接触して、例えば情報を表す抵抗または他の電気特性を検出しうる。赤外光通信、ワイヤレス電子通信等を用いたものを含む、他の識別領域12の配置も可能である。
【0014】
識別領域12により表されるサンプル11に関する情報は、容器および/またはサンプルの任意の所望の特性に関連しうる。幾つかの実施形態では、情報は、例えばサンプルが採取された個人の身元、血液型、サンプル量、化学同一性、細胞特性、および/または分子特性等のサンプルの特定の化学的、生物学的および/または他の特性を関しうる。かかる情報は、各サンプルに固有であってもなくてもよい。幾つかの実施形態では、情報は、特定の容器の識別に関してよく、例えば容器の身元、容器のサイズ、形状、または他の特性等を表す。幾つかの場合には、識別領域12は、サンプルに行われたまたは行われるべき試験または分析の種類に基づいた情報を含みうる。例えば、サンプルを試験する前は、識別領域は用いられる特定の容器に関しうる。サンプルが試験され容器内に配置された後は、識別領域は、任意の適切な方法によって更新され、それにより容器および/または容器内のサンプルの性質に関する情報が適切に識別されうる。幾つかの実施形態では、識別領域は、サンプルが容器内に配置された後に容器上に適切に設けられうる。識別領域12は、例えば個人名、実際のサンプル量等の実際の情報自体を含んでいても、あるいは、識別領域12は、かかる情報を見つける、そうでなければ求めるために用いられる参照を含んでいてもよい。例えば識別領域12は、数字または他の英数字列を含んでもよく、この数字または他の英数字列はアドレスとして用いられて、適切なデータベースまたは他の記憶装置内の対応する情報を見つけることができうる。識別領域12から読み取られた情報は、必要に応じて記憶されても、そうでなければ使用されうる。一例として、容器の識別領域によって読取装置に伝えられた情報は、読取装置30に関連付けられたコンピュータストレージデバイスによって電子データとして記憶されうる。例えば識別領域12から読み取られた英数字列は、ホルダ内の容器の位置等といった容器に関する他の情報と共に記憶されうる。
【0015】
読取装置30は、ホルダ20が2以上の位置25を含む場合に、ホルダ20における1以上の容器10の識別領域12を読み取るように構成されうる。幾つかの実施形態では、ホルダ20は、識別領域12を読み取るために読取装置30によって用いられる電磁放射に対して半透過性または透過性であってよい。他の実施形態では、ホルダ20は、必要に応じて、識別領域12を読み取るための放射または他の成分の通過を可能にする窓または他の開口を有しうる。他の実施形態では、読取装置30は、例えばホルダ20の外周部から離れて位置付けられた容器10上の識別領域12を読み取るためにホルダ20に取り付けられたコンポーネントを有しうる。例えば読取装置30は、各容器10の識別領域12が単一の対応するセンサによって読み取られうるように、各位置25に対して撮像デバイス、電気接点または他のセンサのセットを含みうる。ある場合には、読取装置30は、識別領域12が読取装置30に直接面していなくても、そうでなければ読み取り目的のために理想的に位置決めされていなくても、識別領域12を読み取り可能でありうる。例えば識別領域12は、読み取りのために理想的に必ずしも位置決めされないこともあるが、読取装置30は、例えばRFIDタグ/読取装置配置の場合では、いずれにせよ識別領域12の読み取りできる。しかし、通常は、位置決め特徴15と方向付け特徴23との望ましい係合によって容器10が位置決めされ、それにより読取装置30が識別領域12をより確実に読み取りできる。
【0016】
位置決め特徴の方向付け特徴との係合は、1以上の方向(例えば1以上の直線方向、回転方向等)に容器の位置を方向付けるまたは固定することに役立ちうる。図2は、スロット状形状の各方向付け特徴23に係合されたタブ状の位置決め特徴15に関するさらなる詳細と共に、図1におけるホルダ20の位置25の断面図を示す。本実施形態における容器10の位置決め特徴15が、方向付け特徴23に収容されると、容器10は、回転方向(それにより識別特徴12が読取装置30との相互作用のために適切に位置付けられる)および軸方向(容器10の長手軸に沿った上下方向)の両方に方向付けられ、それにより、容器10は、位置25において望ましい深さに位置付けられる。あるいは、容器10は、位置決め特徴15によって軸方向に支持されるのではなく、ホルダ20によって容器の底端において支持されてもよい。
【0017】
図示する実施形態では、位置決め特徴15は、容器10から半径方向に延びるタブ状延長部を含むが、位置決め特徴15は、任意の適切なサイズ、形状、または設計を有してよく、また、容器をホルダ20に対して1以上の方向に方向付けることに役立ちうることは理解されるべきである。例えば位置決め特徴15は、三角形状を有しても、多数の要素突出部を有しても、湾曲していても、鋭いエッジを有しても、またはこれらの組み合わせであってもよい。同様に、方向付け特徴23も、位置決め特徴15を補完するサイズ、形状、または他の特徴を有してよく、また、複数の様々な種類の位置決め特徴15の形状を補完しうる。例えば容器10は複数のタブ延長部を有し、位置決め特徴15の延長部が方向付け特徴23のスロット内に入るようにホルダ20内に配置されうる。タブ状延長部は、反対方向に互いから離れるように延びても、互いに垂直に延びても、または別の角度で延びてもよい。位置決め特徴15の構造特徴は、例えば方向付け特徴23が、容器10の位置決め特徴15のスロットに係合するタブまたは他の延長部を含むように、図示するのとは反対に構成されてもよいことは理解されるべきである。
【0018】
もう1つの例示的な例として、図3は、位置決め特徴15が容器10の最上部においてタブ状突出部とリムの両者を含む実施形態を示す。ホルダ20の方向付け特徴23は、タブ状要素に加えて位置決め特徴15のリムを収容する凹部22を含みうる。容器10の最上部におけるリムと、方向付け特徴23との凹部22との係合は、容器10を位置25の円柱穴に中心合わせすること、および/または、容器をホルダ20に対して容器の長手軸に沿って適切に位置付けることに役立ちうる。例えばリムは、容器10の重量を支持しうる。図1〜図3には明示的に示されないが、方向付け特徴および/または位置決め特徴は、位置決め特徴が方向付け特徴とより容易に係合するようにベベル形状または他の配置を含んでもよい。例えば図3における凹部22は、位置決め特徴15の適切な収容に役立つようテーパーまたはファンネル形状の上部領域を有してよい。幾つかの実施形態では、ホルダおよび/または、位置決め特徴と方向付け特徴との相互作用を促進するように揺らされたり、振動させられたり、または動かされうる。
【0019】
幾つかの実施形態では、位置決め特徴と方向付け特徴とを係合させるためにホルダ内に容器を比較的慎重に配置する必要がありうるが、他の実施形態では、容器の向きの少なくとも幾つかの側面は意識せずにホルダ内に容器を配置しうる。図4〜図11は、容器10の方向付けの少なくとも回転に関する側面を意識せずにホルダ20の位置25内に容器10が配置されうる例示的な実施形態を示す。本実施形態では、容器10は、位置決め特徴15を有し、この位置決め特徴は、容器10の最上端に、平坦部16を有する円形リムを含む。(図9〜図11は、容器10の上面図を示し、位置決め特徴15の「D」字形状をより明らかに示す。)ホルダ20における方向付け特徴23は、平坦セクション24を有し、位置決め特徴15を補完するほぼ円筒形状の開口を含む。本実施形態では、容器10は、位置決め特徴15の平坦部16が方向付け特徴23の平坦セクション24と一致するようにまたは一致しないようにホルダ20の位置25内に落とされる(図5および図9参照)。位置決め特徴15および方向付け特徴23のサイズおよび形状は、位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせされる(すなわち、平坦部16および24が位置合わせする)まで容器10が位置25における開口内に完全に落ちないようなサイズおよび形状である。代わりに、位置決め特徴15のリムが方向付け特徴24の平坦部24上に乗り、平坦部16および24が隣り合うまで容器10が位置25における開口内に落ちないようにされる。
【0020】
本実施形態では、マニピュレータ200は、容器10に摩擦係合し、容器10を回転させる(例えば図9におけるように容器10を見下ろした場合に時計回り方向に)回転子230(例えばホイールまたはベルト)を含む。回転子230は、モータ駆動式ホイールまたはベルトを含み、リムにおける摩擦によって容器10に係合するが、回転子230は、容器10上の磁石または磁性材料を引き付ける磁力によって、位置決め特徴15に係合するように方向付け特徴23を動かす(例えば平坦セクション24を回転させる)ことによって等他の方法で容器10に作用しうる。図6および図10は、部分的に回転された容器10を示し、図7および図11は、位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせするように完全に回転された容器10を示す。本実施形態では、位置決め特徴15および方向付け特徴23が一旦位置合わせされると、図8に示すように、容器10はホルダ20のさらに奥へと落ち、容器10の底部が、ホルダ20の開口の底部に置かれる。当然ながら、容器10が例えば位置25において吊るされている図2および図3に示すような配置といった他の配置も可能である。位置決め特徴15と方向付け特徴23との適切な位置合わせの後、容器10は、読取装置30が容器10の識別領域12をより確実に読み取れるように位置合わせされた向きに落とされうる。
【0021】
図4〜図11における配置のような配置は、容器10を方向付けて識別し、その後容器10をマニピュレータ200または他の輸送手段の別の部分に移動させるために用いられうることは理解されるべきである。例えばランダムまたは未知の向きおよび/または身元を有する容器10を図4〜図11に示す位置のような位置25内に落とし、それにより容器10は適切に方向付けられてかつ識別領域12が読み取られることが可能となる。その後、今度は識別されかつ方向付けられている容器10は、容器10をさらに輸送するロボットマニピュレータ、カルーセル、または他のデバイスに移動されうる。例えば図8における容器10は、位置25の下に位置付けられた別のホルダまたはマニピュレータ内へと位置25における開口を通り落とされうる。容器の向きは、容器が位置から出る際に決められるので、下流側の輸送デバイスは既知の向きにある容器を受取りうる。
【0022】
幾つかの実施形態では、ホルダは、位置合わせされた向きに容器を移動させるように容器の位置決め特徴と相互作用するように構成された方向付け特徴を含みうる。このような配置では、容器を位置合わせされた向きに移動させるように容器10および/または方向付け特徴23を移動させる、図4における回転子230といったマニピュレータの必要を排除しうる。例えば図12〜図15は、容器がホルダ20内に最初にどのように配置されたかに関係なく、容器10の位置決め特徴15がホルダ20の方向付け特徴23の望ましい領域内に効果的に滑り込めるようにする傾斜部32を含む例示的な方向付け特徴23を示す。図12に示すように、容器マニピュレータ200は、特定の位置25における配置のために、位置決め特徴15を有する容器10を、ホルダ20の上方で保持しうる。本実施形態では、位置決め特徴15は、図1に示すものと同様に容器10から延びるタブ形状を有するが、他の適切な方法で構成されていてもよい。マニピュレータ200(または人間のオペレータ)は、位置決め特徴15と方向付け特徴23との相対位置を考慮してまたはしないで、容器10を位置25内に落とす、そうでなければ移動させうる(例えば破線で示す矢印に沿った方向に)。図13は、ホルダ20の位置25に収容された容器10を示す。本例では、位置決め特徴15は、傾斜部32の高い側に位置付けられている。しかし、位置決め特徴15および方向付け特徴23の配置によって、容器10は(例えば重力または他の力の引きにより)回転する傾向があり、それにより位置決め特徴15は、傾斜部32の低い側(ここではスロット状の溝33が含まれる)に位置付けられる。図14は、位置決め特徴15がスロット33に向かって移動するように(容器10を見下ろした場合に反時計回り方向に)回転する途中の容器10を示す。この回転は、容器10を下に引っ張る重力および/または図4に示す回転子のような回転子230といった別の力によってもたらされうる。図15は、スロット33内に収容された容器10の位置決め特徴15と、位置合わせされた向きにある容器10を示す。本実施形態では、ここでは、識別領域12は読取装置30によってより確実に読み取られるように視野内となっている。あるいは、識別領域12は、容器10が位置合わせされた向きに向かって移動する際に読み取られてもよい。この過程により、最初は望ましい位置合わせされた向きにない容器10は、自動的にホルダ20内で位置合わせされた向きにされる。
【0023】
図12〜図15の方向付け特徴23は、容器10を収容する開口の周りに全体的に位置決めされる傾斜領域32を含むが、傾斜領域32は、他の方法で配置されてもよい。例えば図16および図17は、方向付け特徴23がホルダ20の開口の周りに部分的にしか延在していない別の例示的な実施形態を示す。図16によって示されるホルダ20内の容器10上面図は、方向付け特徴23は、方向付け特徴23の最低点における平坦セクション34の両側に傾斜部32を含むことを示す。図17は、最初の位置(破線で示す)から、方向付け特徴23の平坦セクション34における最終位置(実線で示す)に移動する位置決め特徴15の略断面図を示す。図示するように、方向付け特徴23は、ホルダの開口の周りに約180度、すなわち、方向付け特徴23の最低点の両側に約90度延在している。しかし、方向付け特徴は、必要に応じてホルダの開口の周りに任意の適切な配置方向で延在しうることは理解されるべきである。例えば図18および図19は、傾斜部32が、容器10の開口の周りに約120度延在し、平坦セクション34の片側のみに位置付けられている配置を示す。方向付け特徴23は、傾斜部32を下がって移動した後に平坦セクション34において、必要に応じて、位置決め特徴15を止める停止特徴38を含んでもよい。
【0024】
当業者であれば理解できるように、読取装置30は、領域12が読取装置30に対して十分に近い近接性および向きにあるときに識別領域12を読み取ることが可能でありうる。したがって、識別領域12は、必ずしも正確な位置に位置決めされる必要はなく、したがって、位置決め特徴15は、図12〜図19における平坦セクション34またはスロット33といった方向付け特徴23の特定領域に係合しなくてもよい。したがって、図20および図21に示すように、方向付け特徴23は、位置決め特徴15用の画定された停止領域を含む必要がないが、代わりに連続的に湾曲した形状を有する傾斜領域34を含みうる。図20および図21において見られるように、容器の位置決め特徴15は、傾斜領域34の高い領域から概して低い領域に、例えばホルダ20の振動移動と共に重力の引きにより移動しうる。この移動は、必ずしも、毎回、位置決め特徴15をホルダ20に対して同じ位置に位置付けないが、識別領域12を位置合わせされた向きの近くに適切に位置決めし、それにより、例えば読取装置30による識別領域12の読み取りが可能となる。
【0025】
上述の実施形態は、容器10の最上部またはその付近の位置決め特徴15を示すが、位置決め特徴15は、他の方法で配置された要素を含んでもよい。例えば、位置決め要素15は、容器10の底部またはその付近に位置付けられて、ホルダ20の対応する方向付け特徴23に係合しうる。例えば図22〜図24は、容器10の底部から下がるほぼ矩形のボックス形状の位置決め特徴15を示す。本実施形態におけるホルダ20は、ホルダ20における開口の底部付近に矩形の孔を含み、これは容器10を収容する。位置決め特徴15および方向付け特徴23の形状は、位置決め特徴15が方向付け特徴23内に延在しうるように位置決め特徴15が方向付け特徴23と位置合わせする場合にしかホルダによって完全に収容されないような形状でありうる。本実施形態では、位置決め特徴15の矩形断面形状により、位置決め特徴15が方向付け特徴23によって4つの異なる回転位置(容器の長手軸についての0度、90度、180度および270度の回転、すなわち4つの位置合わせされた向き)のいずれかにおいて収容されることが可能となるが、位置決め特徴15の他の形状は、3つの異なる位置(例えば三角形の場合、すなわち、3つの位置合わせされた向き)、2つの異なる位置(例えば細長い矩形の場合、すなわち、2つの位置合わせされた向き)、または1つの位置(例えば不規則な形状の場合)についてのみ、方向付け特徴23における完全なる収容を可能にしうる。容器10がホルダ20に対して複数の異なる方法で位置決めされる場合、読取装置30および/または識別特徴12は、識別特徴12が容器10の最終位置に関わらず読み取られるように配置されうる。例えば容器10の識別領域12を読み取るために1以上の読取装置30があってもよい。あるいは、幾つかの実施形態では、読取装置30は、識別領域12が2以上の位置合わせされた向きにおいて読み取られることが可能となるようにその位置を移動しうる。
【0026】
別の例示的な実施形態では、容器および/またはホルダは、スパイラル型構造を有する位置決め特徴または方向付け特徴を含みうる。例えばまた図25に示されるとおり、容器10は、スパイラル部またはネジ山を含む位置決め特徴15を含み、また、ホルダ20は、スパイラル位置決め特徴15を収容するスパイラル溝を含む方向付け特徴23を含みうる。当然のことながら、容器10がホルダ20内に配置されると、容器10が落ちる際に、容器10はさらにその長手軸について回転するように位置決め特徴15は方向付け特徴23に係合しうる。容器がホルダ20の開口の底部に位置付けられると、容器10上の識別特徴12は、読取装置30による読み取りのために位置決めされうる。あるいは、識別特徴12は、容器がホルダ20内へと落ちて回転する際に読取装置30によって読み取られうる。この種類の構造は、識別特徴12が位置決め特徴15に対して特定の方法で容器10上に固定される必要を減少または排除するのに役立つ。当然ながら、位置決め特徴15および/または方向付け特徴23は、例えば位置決め特徴15により多くのネジ山が組み込まれている、ネジ山のピッチが調節されている等、他の配置を有してもよい。幾つかの実施形態では、容器とホルダ20との摩擦は、例えば潤滑油の添加または片面または両面への適切なコーティングの塗布を通じて最小限に抑えうる。このような摩擦最小限化によって、識別領域が確実に読み取られるように容器がより容易に位置合わせされた向きに配置されることが可能となる。幾つかの実施形態では、スパイラル部を有する容器はホルダ内に落とされて、識別領域が読み取られるように位置合わせされた向きに自動的に落ち着く。
【0027】
位置決め特徴および/または方向付け特徴は、次に限定されないが、磁石または磁性材料(例えば容器を位置合わせされた向きに配置するように位置決め特徴および方向付け特徴が引き寄せられうる/反発しうるように)、ギア形式(例えば容器を方向付けるように位置決めおよび方向付け特徴はギアの歯に係合するように)、突出部および/または凹部(例えば上述したタブ延長部および溝配置)、錠および鍵形式の配置に当てはまる対応する形状のコンポーネント(例えば図4〜図11に示すD字形状リムと開口)、デテント配置(例えば方向付け特徴が、容器内の半球状または他の適切な形状をした溝を含む位置決め特徴に係合するバネ仕掛けのボールを含む場合)、カムおよびカム従動子配置(例えば図12〜図21の方向付け特徴および位置決め特徴といったように、方向付け特徴が傾斜部の形態のカムを含み、位置決め特徴がタブ状延長部の形態のカム従動子を含む)、リンク機構(例えば方向付け特徴は、容器の位置決め要素によって接触されると容器を移動させる、そうでなければ方向付けるようにする1以上のバーリンク機構配置を含む場合)等を含む様々な物理構造または配置を有しうる。
【0028】
本発明の幾つかの態様を説明してきたが、当業者であれば様々な変更、修正、および改良点を思いつくことは理解されるべきである。かかる変更、修正、および改良点は、本開示の一部であることを意図しており、また、本発明の精神および範囲内であることを意図している。したがって、本明細書における説明および図面は限定ではなく例示を意図している。
【0029】
本明細書において用いられる表現法および用語法は説明を目的としており、限定と見なすべきではない。本明細書において用いられる「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「関連する」および/またはこれらの変形は、それ以降に列挙される項目、それらの等価物、ならびに追加の項目を包含することを意味している。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」および「an」は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる表現「および/または」は、それにより結合される要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、要素は共同して存在する場合もあれば、分離して存在する場合もあることを意味すると理解されるべきである。「および/または」と共に列挙される多数の要素も、同じように解釈されるべきである。すなわち、「1以上の」要素がそのように結合される。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素も、その具体的に特定される要素に関連していてもいなくても、任意選択的に存在してよい。
【0032】
特に明記されない限り、2以上のステップまたは行為を含む本明細書に記載される任意の方法では、これらの方法のステップまたは行為の順番は、記載される方法のステップまたは行為の順番に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムであって、
少なくとも1つの生物学的サンプルを保持するための容器であって、前記少なくとも1つのサンプルに関する情報を与えるための識別領域を含み、前記容器を位置合わせされた向きに配置するための位置決め特徴であって前記容器の底部に位置するものを有する、容器と、
前記容器を収容するためのホルダであって、前記ホルダが前記容器を収容しかつ方向付け特徴が前記位置決め特徴と相互作用すると、前記容器が前記ホルダに対して前記位置合わせされた向きに自動的に配置されるように前記容器の前記位置決め特徴を補完する前記方向付け特徴を含む、ホルダと、
前記容器が前記位置合わせされた向きに移動されると、前記容器の前記識別領域を読み取りかつ前記少なくとも1つのサンプルに関する前記情報を記憶する読取装置と、
を含むシステム。
【請求項2】
前記容器が前記位置合わせされた向きに配置されるために、前記容器は前記ホルダに対して回転する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器が前記ホルダに収容される間、前記容器は約360度回転可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器の前記位置決め特徴は、前記容器から半径方向に延びる延長部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記方向付け特徴はカムを含み、前記位置決め特徴はカム従動子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記識別領域は、英数字列を表すバーコードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ホルダの前記方向付け特徴は、前記容器の前記位置決め特徴と相互作用しかつ前記容器を前記位置合わせされた向きに配置するための停止特徴を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記容器を物理的に操作しかつ前記容器を前記ホルダ内に配置するための容器マニピュレータをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記位置決め特徴と前記方向付け特徴との相互作用は、前記容器を前記容器の長手軸周りに回転させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
サンプルをハンドリングしかつ分析するための方法であって、
少なくとも1つのサンプルを保持するための容器を与えるステップであって、前記容器は前記少なくとも1つのサンプルに関する生物学的情報を与えるための識別領域と、前記容器を位置合わせされた向きに配置するための位置決め特徴であって前記容器の底部に位置するものとを有する、ステップと、
前記容器を、方向付け特徴を有するホルダ内に配置するステップと、
前記容器が前記ホルダに対して位置合わせされた向きに自動的に配置されるように前記位置決め特徴と前記方向付け特徴とを相互作用させるステップと、
前記容器が前記位置合わせされた向きに移動されると、前記容器の前記識別領域を読み取るステップと、
前記少なくとも1つのサンプルに関する情報を記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記位置決め特徴と前記方向付け特徴とを相互作用させるステップは、前記容器を前記ホルダに対して長手軸周りに回転させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項1】
サンプルをハンドリングしかつ分析するためのシステムであって、
少なくとも1つの生物学的サンプルを保持するための容器であって、前記少なくとも1つのサンプルに関する情報を与えるための識別領域を含み、前記容器を位置合わせされた向きに配置するための位置決め特徴であって前記容器の底部に位置するものを有する、容器と、
前記容器を収容するためのホルダであって、前記ホルダが前記容器を収容しかつ方向付け特徴が前記位置決め特徴と相互作用すると、前記容器が前記ホルダに対して前記位置合わせされた向きに自動的に配置されるように前記容器の前記位置決め特徴を補完する前記方向付け特徴を含む、ホルダと、
前記容器が前記位置合わせされた向きに移動されると、前記容器の前記識別領域を読み取りかつ前記少なくとも1つのサンプルに関する前記情報を記憶する読取装置と、
を含むシステム。
【請求項2】
前記容器が前記位置合わせされた向きに配置されるために、前記容器は前記ホルダに対して回転する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器が前記ホルダに収容される間、前記容器は約360度回転可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器の前記位置決め特徴は、前記容器から半径方向に延びる延長部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記方向付け特徴はカムを含み、前記位置決め特徴はカム従動子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記識別領域は、英数字列を表すバーコードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ホルダの前記方向付け特徴は、前記容器の前記位置決め特徴と相互作用しかつ前記容器を前記位置合わせされた向きに配置するための停止特徴を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記容器を物理的に操作しかつ前記容器を前記ホルダ内に配置するための容器マニピュレータをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記位置決め特徴と前記方向付け特徴との相互作用は、前記容器を前記容器の長手軸周りに回転させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
サンプルをハンドリングしかつ分析するための方法であって、
少なくとも1つのサンプルを保持するための容器を与えるステップであって、前記容器は前記少なくとも1つのサンプルに関する生物学的情報を与えるための識別領域と、前記容器を位置合わせされた向きに配置するための位置決め特徴であって前記容器の底部に位置するものとを有する、ステップと、
前記容器を、方向付け特徴を有するホルダ内に配置するステップと、
前記容器が前記ホルダに対して位置合わせされた向きに自動的に配置されるように前記位置決め特徴と前記方向付け特徴とを相互作用させるステップと、
前記容器が前記位置合わせされた向きに移動されると、前記容器の前記識別領域を読み取るステップと、
前記少なくとも1つのサンプルに関する情報を記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記位置決め特徴と前記方向付け特徴とを相互作用させるステップは、前記容器を前記ホルダに対して長手軸周りに回転させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2012−527613(P2012−527613A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511814(P2012−511814)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/001440
【国際公開番号】WO2010/134966
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511280098)プロートダイン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/001440
【国際公開番号】WO2010/134966
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511280098)プロートダイン コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
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