説明

容器の分岐装置

【課題】1列で搬送されてきた容器2を均等に2列の排出コンベヤ8、10に分岐させ、また、一方の排出コンベヤ8または10が満杯の時には他方の排出コンベヤ10または8に全ての容器2を送る。
【解決手段】搬送コンベヤ6によって容器2を一方の側部に寄せて搬送し、この搬送コンベヤ6の容器2が寄せられている側の側部に設けた揺動ガイド42を往復揺動運動させることにより、容器2を搬送コンベヤ6の全面に分散させ、ガイド16によって2列の排出コンベヤ8、10にほぼ均等に送り込む。あるいは、揺動ガイド42を後退させて容器2に係合せずにそのまま流し、または、大きく揺動して搬送コンベヤ6の他方の側に容器2を移動させることにより、いずれか一方の排出コンベヤ8、10に全ての容器2を送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多列ランダム状態で供給された容器を、2列に分岐して搬送する容器の分岐装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多列ランダム状態で搬送されてきた多数の容器を、分岐ガイドによって2列に分岐させて、2列の搬送コンベヤにより搬送する容器の分岐装置がすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載された容器の分岐装置は、容器を複数列ランダムな状態で搬送する上流側の第1容器搬送コンベヤと、この第1容器搬送コンベヤ上において先端部を上流側に向けて配設した分岐ガイドと、この分岐ガイドによって2列に分岐された容器を下流側に搬送する第2容器搬送コンベヤおよび第3容器搬送コンベヤとを備えており、前記分岐ガイドの先端部を変位可能にして、前記第2容器搬送コンベヤおよび第3容器搬送コンベヤにそれぞれ設けた容器検出器からの検出信号に応じて、分岐ガイドの先端部を容器の多い方の容器搬送コンベヤ側に変位させて、容器の少ない方の容器搬送コンベヤに多く分岐案内させるようにしたものである。
【特許文献1】実公平3−24496号公報(第2−3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載された発明の構成では、第2搬送コンベヤと第3搬送コンベヤの中央に配置した分岐ガイドの先端を変位させることによって、両搬送コンベヤに均等に分岐させ、またはいずれか一方の搬送コンベヤにだけ容器を送るようにしているが、上流側の第1容器搬送コンベヤから供給される容器の量が少なくなると、下流側の2本の容器搬送コンベヤのうち一方側にだけ容器が搬送されてしまい、分岐ガイドによって均等に振り分けることが不可能である。また、一方の容器搬送コンベヤに全く容器を送らないようにするには、分岐ガイドを下流側の容器搬送コンベヤの端部に届くほど大きくしなければならないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ランダム状態の容器を一方の側に寄せて搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの側方に、搬送方向の上流側を支点として揺動可能に配置され、搬送コンベヤによって搬送される容器に係合して容器の搬送方向を変更させる揺動ガイドと、この揺動ガイドの動作を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤに接続され、前記容器を下流へ搬送する第1排出コンベヤおよび第2排出コンベヤと、第1排出コンベヤと第2排出コンベヤの間に配置され、前記搬送コンベヤによって搬送されてきた容器をいずれかの排出コンベヤに案内するガイドと、第1排出コンベヤが満杯になったことを検出する第1満杯検出手段と、第2排出コンベヤが満杯になったことを検出する第2満杯検出手段とを備え、前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段のいずれからも満杯の入力がない時には、前記揺動ガイドの動作によって、前記第1および第2排出コンベヤにほぼ均等に容器を振り分け、前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段のいずれか一方から満杯の信号が入力された時には、満杯でない排出コンベヤに全ての容器を導入するように、前記揺動ガイドの位置を制御することを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記搬送コンベヤの下流部を2列に区分して、これら第1下流部と第2下流部を独立した駆動手段によって駆動するとともに、前記第1下流部の容器を前記第1排出コンベヤに送り、また、前記第2下流部の容器を前記第2排出コンベヤに送るように構成し、前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段の一方から満杯の信号が入力された時には、満杯の信号が入力された排出コンベヤに容器を送る一方の下流部の駆動を停止させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の容器分岐装置は、搬送コンベヤの側方に、搬送コンベヤによって搬送される容器に係合して容器の搬送方向を変更させる揺動ガイドを設けたことにより、搬送コンベヤによって搬送されてきた容器の量にかかわらず、2本の排出コンベヤに均等に振り分けることが可能になり、また、一方の排出コンベヤに容器を送らないようにして、他方の排出コンベヤに全ての容器を搬送させることが可能であるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
容器を搬送方向の左右いずれか一方の側に寄せて搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤによって搬送されてきた容器を下流側に排出する第1排出コンベヤおよび第2排出コンベヤと、これら第1排出コンベヤおよび第2排出コンベヤの間に配置されて容器を振り分ける振り分けガイドと、前記第1排出コンベヤおよび第2排出コンベヤの容器が満杯になったことをそれぞれ検出する第1満杯検出手段および第2満杯検出手段を備え、さらに、搬送コンベヤの側方に、上流側を支点にして揺動可能な揺動ガイドを設けて、搬送コンベヤ上の容器に係合してその搬送方向を変更するようにしたことにより、2本の排出コンベヤに均等に容器を分配することを可能にし、しかも、いずれか一方の排出コンベヤが満杯の時には、全ての容器を他方の排出コンベヤに送ることを可能にするという目的を達成する。
【実施例1】
【0009】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器の分岐装置の全体の構成を示す平面図、図2はその要部を拡大して示す平面図、図3は図2のIII−III線に沿う横断面図である。この容器の分岐装置は、上流側の容器処理装置(図示せず)で処理された容器2が、供給コンベヤ4によって供給され、この容器の分岐装置の上流部を構成する搬送コンベヤ6によって搬送された後、2列に分岐されて平行する2本の排出コンベヤ(第1排出コンベヤ8および第2排出コンベヤ10)によって下流側の別の容器処理装置(図示せず)等に送られる。なお、この実施例の搬送コンベヤ6は、下流側の容器処理装置でトラブルがあった場合等に容器2を貯留することができるアキューム機能を有している。
【0010】
供給コンベヤ4は、図1の右下から上方へ向けて容器を搬送する上流側直線部4Aと、その下流に同方向を向けて配置され、上流側直線部4Aのほぼ2倍の幅を有する幅広部4Bと、この幅広部4Bに対して前記上流側直線部4Aと位置をずらして接続された湾曲部4Cとを有している。そして、前記幅広部4B上には、上流側直線部4Aの出口から湾曲部4Cの入口に案内するガイド部材12、12が設けられている。さらに、湾曲部4Cは、湾曲しつつ入口から出口へ90度方向を変えており、この湾曲部4Cの下流端に下流側直線部4Dが接続されている。
【0011】
供給コンベヤ4の下流側直線部4Dに隣接して搬送コンベヤ6の上流部6Aが配置されている。前記供給コンベヤ4の下流側直線部4Dの入口と、搬送コンベヤ6の上流部6Aの出口との間に傾斜したガイド部材14、14が配置されており、供給コンベヤ4の湾曲部4Cから下流側直線部4Dに送られた容器は、搬送されつつこのガイド部材14、14によって、搬送コンベヤ6の上流部6Aに移される。従って、供給コンベヤ4の上流側直線部4Aから、複数列ランダムな状態で供給されてきた容器2は、幅広部4B上のガイド部材12、12によって、搬送方向左側へ方向を変えられ、さらに、湾曲部4Cで左方向へ回転移動しつつ90度方向転換され、また、下流側直線部4Dからガイド部材14、14によって搬送コンベヤ6の上流部6Aに乗り移る際に搬送方向左側に方向を変えられることによって、これら供給コンベヤ4および搬送コンベヤ6の搬送方向右側に寄せられた状態で搬送される。
【0012】
搬送コンベヤ6は、前記供給コンベヤ4の下流側直線部4Dに隣接して平行に走行する上流部6Aと、この上流部6Aに連続して直線状に設置された中流部6Bと、これら上流部6Aおよび中流部6Bに連続し、同方向に同幅で伸びる下流部6Cとから構成されている。この搬送コンベヤ6の下流部6Cは、第1下流部6CAと第2下流部6CBの2列に区分されている。
【0013】
搬送コンベヤ6の第1下流部6CAに隣接して第1排出コンベヤ8が配置され、第2下流部6CBに隣接して第2排出コンベヤ10が配置されている。つまり、搬送コンベヤ6の平行する第1下流部6CAおよび第2下流部6CBを両側から挟んで、第1排出コンベヤ8および第2排出コンベヤ10が配置されている。第1排出コンベヤ8は、前記搬送コンベヤ6の第1下流部6CAに隣接する上流部8Aと、この上流部8Aの下流寄りの部分の外側(図1の上側)に平行して配置された下流部8Bとを有している。また、第2排出コンベヤ10は、前記搬送コンベヤ6の第2下流部6CBに隣接する上流部10Aと、この上流部10Aの下流寄りの部分の外側(図1の下側)に平行して配置された下流部10Bとを有している。
【0014】
前記2列に区分された搬送コンベヤ6の第1下流部6CAと第2下流部6CB上に跨って、湾曲した振り分け用のガイド16が配置されている。このガイド16の頂点16aは、第1下流部6CAと第2下流部6CBの境界上に位置しており、搬送コンベヤ6の上流部6Aおよび中流部6Bから搬送されてきた容器2は、第1下流部6CAと第2下流部6CB上に乗った後、ガイド16によって、第1下流部6CA上の容器2は第1排出コンベヤ8に、また、第2下流部6CB上の容器2は第2排出コンベヤ10にそれぞれ振り分けられる。
【0015】
第1排出コンベヤ8の上流部8A上には、前記搬送コンベヤ6の第1下流部6CA上から乗り移る容器2を案内する傾斜ガイド18が設けられている。この傾斜ガイド18は、前記ガイド16の第1下流部6CA上の部分とほぼ平行する湾曲形状をしており、搬送コンベヤ6の第1下流部6CAから第1排出コンベヤ8に乗り移る容器2は、前記ガイド16とこの傾斜ガイド18によって案内される。第2排出コンベヤ10の上流部10A上には、前記搬送コンベヤ6の第2下流部6CB上から乗り移る容器2を案内する傾斜ガイド20が設けられている。この傾斜ガイド20は、前記ガイド16の第2下流部6CB上の部分とほぼ平行する湾曲形状をしており、搬送コンベヤ6の第2下流部6CBから第2排出コンベヤ10に乗り移る容器2は、前記ガイド16とこの傾斜ガイド20によって案内される。
【0016】
第1排出コンベヤ8の上流部8Aの下流側部分と下流部8Bの上流側部分とが平行して配置されており、これらの平行する部分の間に、第1排出コンベヤ8の上流部8Aを搬送されてきた容器2を下流部8Bに乗り移らせるガイド部材22、22が設けられている。同様に、第2排出コンベヤ10の上流部10Aの下流側部分と下流部10Bの上流側部分とが平行して配置されており、これらの平行する部分の間に、第2排出コンベヤ10の上流部10Aを搬送されてきた容器2を下流部10Bに乗り移らせるガイド部材24、24が設けられている。
【0017】
前記供給コンベヤ4の上流側直線部4Aと、幅広部4Bの、前記上流側直線部4Aと同幅の部分(図1の右半分)が、第1駆動モータ26によって駆動される。また、幅広部4Bの他の部分(図1の左側の部分)と、この部分に続く湾曲部4Cおよび下流側直線部4Dが、第2駆動モータ28および第3駆動モータ30によって駆動される。さらに、搬送コンベヤ6の上流部6Aおよび中流部6Bは、第4駆動モータ32によって駆動される。また、搬送コンベヤ6の第1下流部6CAと第2下流部6CBは、それぞれ第5駆動モータ34および第6駆動モータ36によって駆動される。また、第1排出コンベヤ8の上流部8Aおよび第2排出コンベヤ10の上流部10Aは、それぞれ第7駆動モータ38および第8駆動モータ40によって駆動される。
【0018】
さらに、この実施例に係る容器の分岐装置には、搬送コンベヤ6上の容器2の搬送方向を変更することができる揺動ガイド42が設けられている。この揺動ガイド42は、L字状に折り曲げられた板体から構成されており、折り曲げられた短辺42aを搬送方向の下流側に向け、かつ、長辺42bを搬送コンベヤ6の内部側(図1の下側)に向けており、搬送コンベヤ6の上流部6Aと中流部6Bとの接続部付近を支点42cとして揺動する。揺動ガイド42は、搬送コンベヤ6の外部に、この搬送コンベヤ6と直交する方向を向けて配置された電動シリンダまたはサーボシリンダ等の駆動手段44(図2参照)の作動ロッド44aに連結され、このシリンダ44の作動によって、搬送コンベヤ6上を搬送方向の左右に進退動する。揺動ガイド42が最も後退した時には、長辺42bが搬送コンベヤ6の進行方向右側端部上またはその外側に位置し、搬送される容器2に干渉しないようになっている。また、搬送コンベヤ6内に前進した時には、搬送コンベヤ6によって搬送されている容器2に係合して、その搬送方向を変更することができる。揺動ガイド42は図示しない制御装置によってその動作を制御される。なお、揺動ガイド42は、搬送されてくる容器2が幅寄せされてくる側、つまり、この実施例では、搬送方向右側に設けられている。
【0019】
搬送コンベヤ6の第1下流部6CAと第1排出コンベヤ8の上流部8Aとが平行して配置されている部分の外側に、第1排出コンベヤ8上の容器2が満杯になったことを検出する第1満杯検出手段(第1満杯検出センサー)46が設けられ、また、搬送コンベヤ6の第2下流部6CBと第2排出コンベヤ10の上流部10Aとが平行して配置されている部分の外側に、第2排出コンベヤ10上の容器2が満杯になったことを検出する第2満杯検出手段(第2満杯検出センサー)48が設けられている。これら第1および第2満杯検出センサー46、48からの検出信号は、前記制御装置に入力され、前記揺動ガイド42や各コンベヤ4、6、8、10の駆動モータ26、28、30、32、34、36、38、40等の作動を制御する。
【0020】
以上の構成に係る容器の分岐装置の作動について説明する。図示しない上流側の容器処理装置で処理された多数の容器2が、供給コンベヤ4の上流側直線部4Aを多列ランダムな状態で搬送されてくる。これら容器2は、供給コンベヤ4の上流側直線部4Aから幅広部4Bに移ると、斜め方向に配置されたガイド部材12、12によって方向を変えられ、図1の右側から左側に強制的に進路を変更された後、湾曲部4Cへ乗り移る。このガイド部材12、12によって進路を変更されるため、容器2は搬送方向右側に寄せられる。容器1はそのまま湾曲部4Cを搬送方向右側に寄せられた状態で進行し、下流側直線部4Dにはいる。この供給コンベヤ4の下流側直線部4Dには、これら容器2を隣接する搬送コンベヤ6の上流部6Aに乗り移らせるガイド部材14、14が設けられており、このガイド部材14、14によって、容器2は搬送方向右側に寄せられた状態で搬送コンベヤ6上に供給される(図2参照)。なお、供給コンベヤ4に湾曲部4Cを配置せずに、供給コンベヤ4と搬送コンベヤ6とを直角もしくは直線状に接続し、ガイド部材によって搬送コンベヤ6の一方の側に寄せて搬送させることも可能である。
【0021】
搬送コンベヤ6の中流部6Bに設けられた揺動ガイド42は、図示しない制御装置によって作動を制御されるようになっており、下流側の第1および第2排出コンベヤ8、10に設けられている第1満杯検出センサー46および第2満杯検出センサー48のいずれからも容器が満杯の信号が入力されていない場合には、制御装置からの指令により、搬送コンベヤ6上を往復揺動動作をする。この揺動ガイド42が往復揺動動作することによって、幅寄せされて供給されてきた多列の容器2が、搬送コンベヤ6の幅全体に広げられて搬送される(図2の揺動ガイド42よりも下流側の容器2を参照)。このように搬送コンベヤ6上を搬送される容器2を全体に分散させることにより、後方の容器2からかかるプレッシャを軽減することができる。
【0022】
揺動ガイド42の揺動動作によって搬送コンベヤ6の中流部6Bで、幅全体に拡散された容器2は、中流部6Bの出口に接続されている第1下流部6CAと第2下流部6CBにほぼ均等に分かれて乗り移る。搬送コンベヤ6の第1下流部6CAおよび第2下流部6CB上には、その境界上に頂点16aが位置するガイド16が配置されており、第1下流部6CAと第2下流部6CBにほぼ均等に載せられて搬送されている容器2は、そのままガイド16によって振り分けられて第1排出コンベヤ8と第2排出コンベヤ10にほぼ均等に乗り移る。その後、各排出コンベヤ8、10に移された容器2は、ガイド部材22、22、24、24によってそれぞれの下流部8B、10Bに移されて、次の工程の容器処理装置等に送られる。このように両排出コンベヤ8、10およびその下流側の容器処理装置等が正常に動作している時には、第1排出コンベヤ8と第2排出コンベヤ10に容器2をほぼ均等に振り分けて送り込むことができる。
【0023】
第1満杯検出センサー46もしくは第2満杯検出センサー48のいずれかから制御装置に、第1排出コンベヤ8上または第2排出コンベヤ10上の容器2が満杯であるという検出信号が入力された場合には、制御装置が、満杯の信号が検出されていない排出コンベヤ8または10に全ての容器2を送るように、揺動ガイド42の動作を制御する。例えば、第2排出コンベヤ10が満杯であるという信号が入力された場合には、全ての容器2を第1排出コンベヤ8に送るために、揺動ガイド42を搬送コンベヤ6上の容器2に係合しない位置まで後退させる。容器2は、図2に示すように、前記供給コンベヤ4から搬送方向右側に寄せられて搬送されてきており、揺動ガイド42がこれら容器2に干渉しなければ容器2はそのまま搬送コンベヤ6上の搬送方向右側を通って搬送され、第1下流部6CAから第1排出コンベヤ8に送られる。さらに、第2満杯検出センサー48が容器が満杯であることを検出した第2排出コンベヤ10は停止される。また、この停止される第2排出コンベヤ10と同一の側の搬送コンベヤ6の第2下流部6CBも停止される。こうすることにより、第2排出コンベヤ10に滞留している容器2に後続の容器2が衝突することによって容器2に過度の押圧が係るのを防止することができる。なお、第2排出コンベヤが満杯の時の揺動ガイド42の位置は、搬送される容器2に接触する位置であっても、これら容器2の搬送方向を変更せず、そのまま第1下流部6CAに送るものであればよい。
【0024】
逆に第1排出コンベヤ8が満杯であるという信号が制御装置に入力された場合には、全ての容器2を第2排出コンベヤ10に送るために、揺動ガイド42を搬送コンベヤ6の中央部よりも内部側(搬送方向の左側)に前進させる。すると、供給コンベヤ4から搬送コンベヤ6の上流部6Aを通って搬送方向右側を搬送されてきた容器2が、揺動ガイド42に沿って搬送方向右側から搬送方向左側に移され、全ての容器2が搬送コンベヤ6の第2下流部6CB上に送られる。これら容器2はこのまま第2排出コンベヤ10に乗り移り、次の容器処理装置等に送られる。この場合にも、満杯になっている第1排出コンベヤ8は停止される。さらに、この停止される第1排出コンベヤ8と同一の側の搬送コンベヤ6の第1下流部6CAも停止される。このように、いずれかの排出コンベヤ8または10が満杯になった時には、他方の排出コンベヤ10または8に全ての容器2を送ることが可能である。
【0025】
第1満杯検出センサー46および第2満杯検出センサー48の両方から満杯であることを検出した信号が制御装置に入力された場合には、第1排出コンベヤ8および第2排出コンベヤ10ともに満杯であるので、供給コンベヤ4からの容器2の供給を停止するとともに、搬送コンベヤ6の第1下流部6CAおよび第2下流部6CBと第1排出コンベヤ8および第2排出コンベヤ10の運転も停止する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】容器の分岐装置の全体の構成を示す平面図である。(実施例1)
【図2】図1の要部を拡大した図であり、容器を搬送している状態を示す。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0027】
2 容器
6 搬送コンベヤ
8 第1排出コンベヤ
10 第2排出コンベヤ
16 振り分け用のガイド
42 揺動ガイド
46 第1満杯検出手段
48 第2満杯検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダム状態の容器を一方の側に寄せて搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの側方に、搬送方向の上流側を支点として揺動可能に配置され、搬送コンベヤによって搬送される容器に係合して容器の搬送方向を変更させる揺動ガイドと、この揺動ガイドの動作を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤに接続され、前記容器を下流へ搬送する第1排出コンベヤおよび第2排出コンベヤと、第1排出コンベヤと第2排出コンベヤの間に配置され、前記搬送コンベヤによって搬送されてきた容器をいずれかの排出コンベヤに案内するガイドと、第1排出コンベヤが満杯になったことを検出する第1満杯検出手段と、第2排出コンベヤが満杯になったことを検出する第2満杯検出手段とを備え、
前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段のいずれからも満杯の入力がない時には、前記揺動ガイドの動作によって、前記第1および第2排出コンベヤにほぼ均等に容器を振り分け、前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段のいずれか一方から満杯の信号が入力された時には、満杯でない排出コンベヤに全ての容器を導入するように、前記揺動ガイドの位置を制御することを特徴とする容器の分岐装置。
【請求項2】
前記搬送コンベヤの下流部を2列に区分して、これら第1下流部と第2下流部を独立した駆動手段によって駆動するとともに、前記第1下流部の容器を前記第1排出コンベヤに送り、また、前記第2下流部の容器を前記第2排出コンベヤに送るように構成し、前記第1満杯検出手段および第2満杯検出手段の一方から満杯の信号が入力された時には、満杯の信号が入力された排出コンベヤに容器を送る一方の下流部の駆動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の容器の分岐装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−217105(P2007−217105A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38589(P2006−38589)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】