容器の支持構造改造方法
【課題】多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強等を行うことなく、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得る容器の支持構造改造方法を提供する。
【解決手段】既設の支持脚基礎台1間に設置した脚間部スカート基礎台5上に脚間部スカートブロック6を立設して容器本体3に固着させ、既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を固着させてその両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に連結した後、支持脚2及び支持脚基礎台1を撤去し、撤去箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台5に連結するよう設置して環状とし、その上に脚部スカート下部ブロックを立設して脚部スカート上部ブロック12の下部、並びに脚間部スカートブロック6に固着させて筒状のスカートを形成する。
【解決手段】既設の支持脚基礎台1間に設置した脚間部スカート基礎台5上に脚間部スカートブロック6を立設して容器本体3に固着させ、既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を固着させてその両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に連結した後、支持脚2及び支持脚基礎台1を撤去し、撤去箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台5に連結するよう設置して環状とし、その上に脚部スカート下部ブロックを立設して脚部スカート上部ブロック12の下部、並びに脚間部スカートブロック6に固着させて筒状のスカートを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭いスペースに設置されている容器の支持構造改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電設備等のプラントの場合、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに、各種容器が設置されている。
【0003】
これらの容器としては、支持脚基礎台上に立設された複数本(例えば、四本)の支持脚によって容器本体を支持したものが多く存在しているが、近年においては、地震発生時に想定される被害の見直しがなされ、耐震性能をより向上させるために、スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことが提案されている。
【0004】
尚、複数本の支持脚によって容器本体を支持した容器の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1や特許文献2がある。
【特許文献1】特開平10−273196号公報
【特許文献2】特開2003−148808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造する場合、従来においては、先ず、容器内に貯留された内容物を一旦排出し、容器の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去し、容器を吊り上げたり、移動させたりしながら、既設の支持脚を取り外し、続いて、スカートを容器の下部に取り付けて、元の位置に再度据え付け、この後、一時撤去した配管や機器等を復旧する作業を行うのが一般的である。
【0006】
しかしながら、特に原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったりすることが多いため、従来工法を用いて容器の支持構造を改造することはできなかった。
【0007】
又、従来工法では、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強に多大な費用と工期とが必要になるという欠点をも有していた。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強等を行うことなく、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得る容器の支持構造改造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、支持脚基礎台上に立設された支持脚によって容器本体を支持した容器の支持構造改造方法であって、
既設の支持脚基礎台間に脚間部スカート基礎台を設置し、
該脚間部スカート基礎台上に脚間部スカートブロックを立設すると共に、該脚間部スカートブロックの上部を容器本体に固着させ、
既設の支持脚の内側における容器本体に脚部スカート上部ブロックの上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させた後、
既設の支持脚及び支持脚基礎台を撤去し、
該支持脚基礎台を撤去した箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台に連結するよう設置して環状のスカート基礎台を形成し、
前記脚部スカート基礎台上に脚部スカート下部ブロックを立設すると共に、該脚部スカート下部ブロックの上部を脚部スカート上部ブロックの下部に連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させて筒状のスカートを形成し、
前記スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことを特徴とする容器の支持構造改造方法にかかるものである。
【0010】
前記容器の支持構造改造方法においては、前記脚間部スカートブロックは、脚間部スカート基礎台上に固定される脚間部ベースプレートと、該脚間部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材と、該脚間部スカート部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート上部ブロックは、円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した一方の側の湾曲板状の脚部スカート上部部材と、該脚部スカート上部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート下部ブロックは、脚部スカート基礎台上に固定される脚部ベースプレートと、該脚部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した他方の側の湾曲板状の脚部スカート下部部材と、該脚部スカート下部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備えることができる。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
前述の如く、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造すると、原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったとしても、従来工法のように、容器内に貯留された内容物を一旦排出し、容器の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去しなくて済み、容器を吊り上げたり、移動させたりする必要も全くなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器の支持構造改造方法によれば、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強等を行うことなく、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1〜図15は本発明を実施する形態の一例であって、コンクリート等の支持脚基礎台1上に立設された支持脚2によって容器本体3を支持した容器4の支持構造を改造するものである。
【0016】
先ず、第一の手順として、図1に示す如く、既設の支持脚基礎台1間に、コンクリート等を打設してなる脚間部スカート基礎台5を設置する。本図示例の場合、竪型円筒状の容器本体3の周方向四箇所に支持脚基礎台1及び支持脚2が設置された容器4を一例として挙げているため、該容器4の周方向四箇所に設置された支持脚基礎台1の間をつなぐように、脚間部スカート基礎台5の平面形状は、円弧状となっている。
【0017】
続いて、第二の手順として、図2に示す如く、前記脚間部スカート基礎台5上に脚間部スカートブロック6を立設すると共に、該脚間部スカートブロック6の上部を容器本体3に溶接して固着させる。ここで、前記脚間部スカートブロック6は、図7〜図9に示す如く、前記脚間部スカート基礎台5(図2参照)上にアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定される脚間部ベースプレート7と、該脚間部ベースプレート7上に立ち上がるよう溶接して固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材8と、該脚間部スカート部材8の内周面上部に周方向へ延びるよう溶接して固着された上部補強内枠部材9と、前記脚間部スカート部材8の内周面下部に周方向へ延びるよう固着され且つ両端部が脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出す下部補強内枠部材10と、前記脚間部スカート部材8の両端に上下方向へ延びるよう溶接して固着され且つ後述する脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18を溶接して連結固着させるための当板11とを備えてなる構成を有している。尚、前記脚間部ベースプレート7における両端部は脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させるようにしてある。
【0018】
次に、第三の手順として、図3に示す如く、既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を溶接して固着させると共に、該脚部スカート上部ブロック12の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させる。ここで、前記脚部スカート上部ブロック12は、図10〜図12に示す如く、円筒をその周方向へ複数分割して更に上下(円筒の軸線方向)に分割した上側の湾曲板状の脚部スカート上部部材13と、該脚部スカート上部部材13の内周面に周方向へ延びるよう溶接して固着された上部補強内枠部材14と、前記脚部スカート上部部材13の下端に水平方向へ延びるよう溶接して固着され且つ後述する脚部スカート下部ブロック18を溶接して連結固着させるための当板15とを備えてなる構成を有している。尚、前記既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロック12の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させることにより、容器本体3の底部に、前記脚間部スカート部材8及び脚部スカート上部部材13からなる円筒と、前記上部補強内枠部材9及び上部補強内枠部材14からなる補強用のリングとが形成され、後述するスカート19(図6参照)の円筒度を確保することが可能となる。
【0019】
この後、第四の手順として、図4に示す如く、既設の支持脚2及び支持脚基礎台1を撤去する。
【0020】
更に、第五の手順として、図5に示す如く、前記支持脚基礎台1を撤去した箇所に、コンクリート等を打設してなる脚部スカート基礎台16を脚間部スカート基礎台5に連結するよう設置して環状のスカート基礎台17を形成する。
【0021】
最後に、第六の手順として、図6に示す如く、前記脚部スカート基礎台16上に脚部スカート下部ブロック18を立設すると共に、該脚部スカート下部ブロック18の上部を前記脚部スカート上部ブロック12の下部に溶接して連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロック18の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させ筒状のスカート19を形成し、前記スカート基礎台17上に立設されたスカート19によって容器本体3を支持せしめ、改造を完了する。ここで、前記脚部スカート下部ブロック18は、図10〜図12に示す如く、前記脚部スカート基礎台16(図6参照)上にアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定される脚部ベースプレート20と、該脚部ベースプレート20上に立ち上がるよう溶接して固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更に上下(円筒の軸線方向)に分割した下側の湾曲板状の脚部スカート下部部材21と、該脚部スカート下部部材21の内周面下部に周方向へ延び且つ両端部が脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込むよう溶接して固着された下部補強内枠部材22とを備えてなる構成を有しており、前記脚部スカート下部部材21の上端部は、前記当板15を介して脚部スカート上部ブロック12の脚部スカート上部部材13下端部に溶接して連結固着させ、又、前記下部補強内枠部材22の両端部は、前記下部補強内枠部材10の両端部に溶接して連結固着させ、補強用のリングを形成するようにしてある。尚、前記脚部ベースプレート20における両端部は脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませるようにしてある。
【0022】
又、容器本体3の下に配管等が設置されており、該配管等と前記脚間部スカートブロック6とが干渉するような場合には、図7〜図9に示す脚間部スカートブロック6の代わりに、例えば、図13〜図15に示すような脚間部スカートブロック6´を用いれば良い。即ち、前記脚間部スカートブロック6´は、前記配管等と対応する箇所に切欠部23を形成して、その内縁部に補強を兼ねる逆U字状のノズルスリーブ24を取り付けると共に、脚間部ベースプレート7の前記切欠部23と対応する箇所を分割ベースプレート7aとするよう構成し、これらの点以外は、前記脚間部スカートブロック6と同様の構成とする。そして、前記脚間部スカートブロック6´を設置する際には、前記分割ベースプレート7aを脚間部ベースプレート7から分離し取り付けていない状態で、切欠部23のノズルスリーブ24を配管等(図示せず)にかぶせるようにして、脚間部スカートブロック6´の脚間部ベースプレート7を脚間部スカート基礎台5(図2参照)上に設置しつつ、該脚間部スカート基礎台5上に分割ベースプレート7aを設置し、該分割ベースプレート7aを前記脚間部ベースプレート7に溶接して固着させた後、該分割ベースプレート7aが一体化された脚間部ベースプレート7をアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定すると共に、該脚間部スカートブロック6の上部を容器本体3に溶接して固着させれば、前記配管等をかわすことが可能となる。
【0023】
前述の如く、容器4を支持脚2による支持からスカート19による支持へ改造すると、原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器4が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったとしても、従来工法のように、容器4内に貯留された内容物を一旦排出し、容器4の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去しなくて済み、容器4を吊り上げたり、移動させたりする必要も全くなくなる。
【0024】
しかも、スカート19は、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´と、脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18とに分割し、それぞれ上部補強内枠部材9及び下部補強内枠部材10と、上部補強内枠部材14及び下部補強内枠部材22とを設けてあるため、搬入から取り付けに至るまでの変形が抑えられ、据付精度の向上にも大きく寄与している。又、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´の下部補強内枠部材10における両端部を脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させ、且つそれと隣接する脚部スカート下部ブロック18の下部補強内枠部材22における両端部を脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませ、同様に、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´の脚間部ベースプレート7における両端部を脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させ、且つ脚部スカート下部ブロック18の脚部ベースプレート20における両端部を脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませるようにしてあるため、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´に対し、脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18を組み付ける際、脚間部スカート部材8と脚部スカート上部部材13及び脚部スカート下部部材21との接合位置に対して、下部補強内枠部材10と下部補強内枠部材22との接合位置、並びに脚間部ベースプレート7と脚部ベースプレート20との接合位置がスカート19の周方向へずれて、互いに嵌め込まれるような形となるため、組付作業性も良好となる。
【0025】
こうして、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器4の補強等を行うことなく、容器4を支持脚2による支持からスカート19による支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得る。
【0026】
尚、本発明の容器の支持構造改造方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施する形態の一例における第一の手順を示す側面図及び平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における第二の手順を示す側面図及び平面図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例における第三の手順を示す側面図及び平面図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における第四の手順を示す側面図及び平面図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における第五の手順を示す側面図及び平面図である。
【図6】本発明を実施する形態の一例における第六の手順を示す側面図及び平面図である。
【図7】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す平面図である。
【図8】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す正面図であって、図7のVIII−VIII矢視相当図である。
【図9】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す側断面図であって、図8のIX−IX断面相当図である。
【図10】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す平面図である。
【図11】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す正面図であって、図10のXI−XI矢視相当図である。
【図12】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す側断面図であって、図11のXII−XII断面相当図である。
【図13】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す平面図である。
【図14】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す正面図であって、図13のXIV−XIV矢視相当図である。
【図15】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す側断面図であって、図14のXV−XV断面相当図である。
【符号の説明】
【0028】
1 支持脚基礎台
2 支持脚
3 容器本体
4 容器
5 脚間部スカート基礎台
6 脚間部スカートブロック
7 脚間部ベースプレート
8 脚間部スカート部材
9 上部補強内枠部材(補強内枠部材)
10 下部補強内枠部材(補強内枠部材)
12 脚部スカート上部ブロック
13 脚部スカート上部部材
14 上部補強内枠部材(補強内枠部材)
16 脚部スカート基礎台
17 スカート基礎台
18 脚部スカート下部ブロック
19 スカート
20 脚部ベースプレート
21 脚部スカート下部部材
22 下部補強内枠部材(補強内枠部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭いスペースに設置されている容器の支持構造改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電設備等のプラントの場合、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに、各種容器が設置されている。
【0003】
これらの容器としては、支持脚基礎台上に立設された複数本(例えば、四本)の支持脚によって容器本体を支持したものが多く存在しているが、近年においては、地震発生時に想定される被害の見直しがなされ、耐震性能をより向上させるために、スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことが提案されている。
【0004】
尚、複数本の支持脚によって容器本体を支持した容器の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1や特許文献2がある。
【特許文献1】特開平10−273196号公報
【特許文献2】特開2003−148808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造する場合、従来においては、先ず、容器内に貯留された内容物を一旦排出し、容器の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去し、容器を吊り上げたり、移動させたりしながら、既設の支持脚を取り外し、続いて、スカートを容器の下部に取り付けて、元の位置に再度据え付け、この後、一時撤去した配管や機器等を復旧する作業を行うのが一般的である。
【0006】
しかしながら、特に原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったりすることが多いため、従来工法を用いて容器の支持構造を改造することはできなかった。
【0007】
又、従来工法では、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強に多大な費用と工期とが必要になるという欠点をも有していた。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強等を行うことなく、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得る容器の支持構造改造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、支持脚基礎台上に立設された支持脚によって容器本体を支持した容器の支持構造改造方法であって、
既設の支持脚基礎台間に脚間部スカート基礎台を設置し、
該脚間部スカート基礎台上に脚間部スカートブロックを立設すると共に、該脚間部スカートブロックの上部を容器本体に固着させ、
既設の支持脚の内側における容器本体に脚部スカート上部ブロックの上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させた後、
既設の支持脚及び支持脚基礎台を撤去し、
該支持脚基礎台を撤去した箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台に連結するよう設置して環状のスカート基礎台を形成し、
前記脚部スカート基礎台上に脚部スカート下部ブロックを立設すると共に、該脚部スカート下部ブロックの上部を脚部スカート上部ブロックの下部に連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させて筒状のスカートを形成し、
前記スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことを特徴とする容器の支持構造改造方法にかかるものである。
【0010】
前記容器の支持構造改造方法においては、前記脚間部スカートブロックは、脚間部スカート基礎台上に固定される脚間部ベースプレートと、該脚間部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材と、該脚間部スカート部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート上部ブロックは、円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した一方の側の湾曲板状の脚部スカート上部部材と、該脚部スカート上部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート下部ブロックは、脚部スカート基礎台上に固定される脚部ベースプレートと、該脚部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した他方の側の湾曲板状の脚部スカート下部部材と、該脚部スカート下部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備えることができる。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
前述の如く、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造すると、原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったとしても、従来工法のように、容器内に貯留された内容物を一旦排出し、容器の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去しなくて済み、容器を吊り上げたり、移動させたりする必要も全くなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器の支持構造改造方法によれば、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器の補強等を行うことなく、容器を支持脚による支持からスカートによる支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1〜図15は本発明を実施する形態の一例であって、コンクリート等の支持脚基礎台1上に立設された支持脚2によって容器本体3を支持した容器4の支持構造を改造するものである。
【0016】
先ず、第一の手順として、図1に示す如く、既設の支持脚基礎台1間に、コンクリート等を打設してなる脚間部スカート基礎台5を設置する。本図示例の場合、竪型円筒状の容器本体3の周方向四箇所に支持脚基礎台1及び支持脚2が設置された容器4を一例として挙げているため、該容器4の周方向四箇所に設置された支持脚基礎台1の間をつなぐように、脚間部スカート基礎台5の平面形状は、円弧状となっている。
【0017】
続いて、第二の手順として、図2に示す如く、前記脚間部スカート基礎台5上に脚間部スカートブロック6を立設すると共に、該脚間部スカートブロック6の上部を容器本体3に溶接して固着させる。ここで、前記脚間部スカートブロック6は、図7〜図9に示す如く、前記脚間部スカート基礎台5(図2参照)上にアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定される脚間部ベースプレート7と、該脚間部ベースプレート7上に立ち上がるよう溶接して固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材8と、該脚間部スカート部材8の内周面上部に周方向へ延びるよう溶接して固着された上部補強内枠部材9と、前記脚間部スカート部材8の内周面下部に周方向へ延びるよう固着され且つ両端部が脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出す下部補強内枠部材10と、前記脚間部スカート部材8の両端に上下方向へ延びるよう溶接して固着され且つ後述する脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18を溶接して連結固着させるための当板11とを備えてなる構成を有している。尚、前記脚間部ベースプレート7における両端部は脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させるようにしてある。
【0018】
次に、第三の手順として、図3に示す如く、既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を溶接して固着させると共に、該脚部スカート上部ブロック12の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させる。ここで、前記脚部スカート上部ブロック12は、図10〜図12に示す如く、円筒をその周方向へ複数分割して更に上下(円筒の軸線方向)に分割した上側の湾曲板状の脚部スカート上部部材13と、該脚部スカート上部部材13の内周面に周方向へ延びるよう溶接して固着された上部補強内枠部材14と、前記脚部スカート上部部材13の下端に水平方向へ延びるよう溶接して固着され且つ後述する脚部スカート下部ブロック18を溶接して連結固着させるための当板15とを備えてなる構成を有している。尚、前記既設の支持脚2の内側における容器本体3に脚部スカート上部ブロック12の上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロック12の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させることにより、容器本体3の底部に、前記脚間部スカート部材8及び脚部スカート上部部材13からなる円筒と、前記上部補強内枠部材9及び上部補強内枠部材14からなる補強用のリングとが形成され、後述するスカート19(図6参照)の円筒度を確保することが可能となる。
【0019】
この後、第四の手順として、図4に示す如く、既設の支持脚2及び支持脚基礎台1を撤去する。
【0020】
更に、第五の手順として、図5に示す如く、前記支持脚基礎台1を撤去した箇所に、コンクリート等を打設してなる脚部スカート基礎台16を脚間部スカート基礎台5に連結するよう設置して環状のスカート基礎台17を形成する。
【0021】
最後に、第六の手順として、図6に示す如く、前記脚部スカート基礎台16上に脚部スカート下部ブロック18を立設すると共に、該脚部スカート下部ブロック18の上部を前記脚部スカート上部ブロック12の下部に溶接して連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロック18の両端部を隣接する脚間部スカートブロック6の端部に溶接して連結固着させ筒状のスカート19を形成し、前記スカート基礎台17上に立設されたスカート19によって容器本体3を支持せしめ、改造を完了する。ここで、前記脚部スカート下部ブロック18は、図10〜図12に示す如く、前記脚部スカート基礎台16(図6参照)上にアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定される脚部ベースプレート20と、該脚部ベースプレート20上に立ち上がるよう溶接して固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更に上下(円筒の軸線方向)に分割した下側の湾曲板状の脚部スカート下部部材21と、該脚部スカート下部部材21の内周面下部に周方向へ延び且つ両端部が脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込むよう溶接して固着された下部補強内枠部材22とを備えてなる構成を有しており、前記脚部スカート下部部材21の上端部は、前記当板15を介して脚部スカート上部ブロック12の脚部スカート上部部材13下端部に溶接して連結固着させ、又、前記下部補強内枠部材22の両端部は、前記下部補強内枠部材10の両端部に溶接して連結固着させ、補強用のリングを形成するようにしてある。尚、前記脚部ベースプレート20における両端部は脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませるようにしてある。
【0022】
又、容器本体3の下に配管等が設置されており、該配管等と前記脚間部スカートブロック6とが干渉するような場合には、図7〜図9に示す脚間部スカートブロック6の代わりに、例えば、図13〜図15に示すような脚間部スカートブロック6´を用いれば良い。即ち、前記脚間部スカートブロック6´は、前記配管等と対応する箇所に切欠部23を形成して、その内縁部に補強を兼ねる逆U字状のノズルスリーブ24を取り付けると共に、脚間部ベースプレート7の前記切欠部23と対応する箇所を分割ベースプレート7aとするよう構成し、これらの点以外は、前記脚間部スカートブロック6と同様の構成とする。そして、前記脚間部スカートブロック6´を設置する際には、前記分割ベースプレート7aを脚間部ベースプレート7から分離し取り付けていない状態で、切欠部23のノズルスリーブ24を配管等(図示せず)にかぶせるようにして、脚間部スカートブロック6´の脚間部ベースプレート7を脚間部スカート基礎台5(図2参照)上に設置しつつ、該脚間部スカート基礎台5上に分割ベースプレート7aを設置し、該分割ベースプレート7aを前記脚間部ベースプレート7に溶接して固着させた後、該分割ベースプレート7aが一体化された脚間部ベースプレート7をアンカーボルト及びナット(図示せず)等により固定すると共に、該脚間部スカートブロック6の上部を容器本体3に溶接して固着させれば、前記配管等をかわすことが可能となる。
【0023】
前述の如く、容器4を支持脚2による支持からスカート19による支持へ改造すると、原子力発電設備等のプラントのように、コンクリートの壁で囲まれた狭いスペースに容器4が設置されている場合、その周囲や天井部に配置されている多数の配管や機器等を一時撤去したり、コンクリートの壁を壊すことが困難だったとしても、従来工法のように、容器4内に貯留された内容物を一旦排出し、容器4の周囲に設置されている配管や機器等を一時撤去しなくて済み、容器4を吊り上げたり、移動させたりする必要も全くなくなる。
【0024】
しかも、スカート19は、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´と、脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18とに分割し、それぞれ上部補強内枠部材9及び下部補強内枠部材10と、上部補強内枠部材14及び下部補強内枠部材22とを設けてあるため、搬入から取り付けに至るまでの変形が抑えられ、据付精度の向上にも大きく寄与している。又、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´の下部補強内枠部材10における両端部を脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させ、且つそれと隣接する脚部スカート下部ブロック18の下部補強内枠部材22における両端部を脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませ、同様に、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´の脚間部ベースプレート7における両端部を脚間部スカート部材8の両端より所要量だけ側方へ張り出させ、且つ脚部スカート下部ブロック18の脚部ベースプレート20における両端部を脚部スカート下部部材21の両端より所要量だけ内側に引っ込ませるようにしてあるため、脚間部スカートブロック6や脚間部スカートブロック6´に対し、脚部スカート上部ブロック12及び脚部スカート下部ブロック18を組み付ける際、脚間部スカート部材8と脚部スカート上部部材13及び脚部スカート下部部材21との接合位置に対して、下部補強内枠部材10と下部補強内枠部材22との接合位置、並びに脚間部ベースプレート7と脚部ベースプレート20との接合位置がスカート19の周方向へずれて、互いに嵌め込まれるような形となるため、組付作業性も良好となる。
【0025】
こうして、多数の配管や機器等の干渉物の一時撤去・復旧、並びに吊り上げのための容器4の補強等を行うことなく、容器4を支持脚2による支持からスカート19による支持へ改造し得、費用削減と工期短縮とを図り得る。
【0026】
尚、本発明の容器の支持構造改造方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施する形態の一例における第一の手順を示す側面図及び平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における第二の手順を示す側面図及び平面図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例における第三の手順を示す側面図及び平面図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における第四の手順を示す側面図及び平面図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における第五の手順を示す側面図及び平面図である。
【図6】本発明を実施する形態の一例における第六の手順を示す側面図及び平面図である。
【図7】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す平面図である。
【図8】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す正面図であって、図7のVIII−VIII矢視相当図である。
【図9】本発明を実施する形態の一例における脚間部スカートブロックを示す側断面図であって、図8のIX−IX断面相当図である。
【図10】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す平面図である。
【図11】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す正面図であって、図10のXI−XI矢視相当図である。
【図12】本発明を実施する形態の一例における脚部スカート上部ブロック及び脚部スカート下部ブロックからなる脚部スカートブロックを示す側断面図であって、図11のXII−XII断面相当図である。
【図13】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す平面図である。
【図14】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す正面図であって、図13のXIV−XIV矢視相当図である。
【図15】本発明を実施する形態の一例におけるノズルスリーブ付スカートブロックを示す側断面図であって、図14のXV−XV断面相当図である。
【符号の説明】
【0028】
1 支持脚基礎台
2 支持脚
3 容器本体
4 容器
5 脚間部スカート基礎台
6 脚間部スカートブロック
7 脚間部ベースプレート
8 脚間部スカート部材
9 上部補強内枠部材(補強内枠部材)
10 下部補強内枠部材(補強内枠部材)
12 脚部スカート上部ブロック
13 脚部スカート上部部材
14 上部補強内枠部材(補強内枠部材)
16 脚部スカート基礎台
17 スカート基礎台
18 脚部スカート下部ブロック
19 スカート
20 脚部ベースプレート
21 脚部スカート下部部材
22 下部補強内枠部材(補強内枠部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持脚基礎台上に立設された支持脚によって容器本体を支持した容器の支持構造改造方法であって、
既設の支持脚基礎台間に脚間部スカート基礎台を設置し、
該脚間部スカート基礎台上に脚間部スカートブロックを立設すると共に、該脚間部スカートブロックの上部を容器本体に固着させ、
既設の支持脚の内側における容器本体に脚部スカート上部ブロックの上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させた後、
既設の支持脚及び支持脚基礎台を撤去し、
該支持脚基礎台を撤去した箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台に連結するよう設置して環状のスカート基礎台を形成し、
前記脚部スカート基礎台上に脚部スカート下部ブロックを立設すると共に、該脚部スカート下部ブロックの上部を脚部スカート上部ブロックの下部に連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させて筒状のスカートを形成し、
前記スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことを特徴とする容器の支持構造改造方法。
【請求項2】
前記脚間部スカートブロックは、脚間部スカート基礎台上に固定される脚間部ベースプレートと、該脚間部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材と、該脚間部スカート部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート上部ブロックは、円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した一方の側の湾曲板状の脚部スカート上部部材と、該脚部スカート上部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート下部ブロックは、脚部スカート基礎台上に固定される脚部ベースプレートと、該脚部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した他方の側の湾曲板状の脚部スカート下部部材と、該脚部スカート下部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備えた請求項1記載の容器の支持構造改造方法。
【請求項1】
支持脚基礎台上に立設された支持脚によって容器本体を支持した容器の支持構造改造方法であって、
既設の支持脚基礎台間に脚間部スカート基礎台を設置し、
該脚間部スカート基礎台上に脚間部スカートブロックを立設すると共に、該脚間部スカートブロックの上部を容器本体に固着させ、
既設の支持脚の内側における容器本体に脚部スカート上部ブロックの上部を固着させると共に、該脚部スカート上部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させた後、
既設の支持脚及び支持脚基礎台を撤去し、
該支持脚基礎台を撤去した箇所に、脚部スカート基礎台を脚間部スカート基礎台に連結するよう設置して環状のスカート基礎台を形成し、
前記脚部スカート基礎台上に脚部スカート下部ブロックを立設すると共に、該脚部スカート下部ブロックの上部を脚部スカート上部ブロックの下部に連結固着させ、且つ脚部スカート下部ブロックの両端部を隣接する脚間部スカートブロックの端部に連結固着させて筒状のスカートを形成し、
前記スカート基礎台上に立設されたスカートによって容器本体を支持するよう改造を行うことを特徴とする容器の支持構造改造方法。
【請求項2】
前記脚間部スカートブロックは、脚間部スカート基礎台上に固定される脚間部ベースプレートと、該脚間部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割した湾曲板状の脚間部スカート部材と、該脚間部スカート部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート上部ブロックは、円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した一方の側の湾曲板状の脚部スカート上部部材と、該脚部スカート上部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備え、
前記脚部スカート下部ブロックは、脚部スカート基礎台上に固定される脚部ベースプレートと、該脚部ベースプレート上に立ち上がるよう固着され且つ円筒をその周方向へ複数分割して更にその軸線方向に分割した他方の側の湾曲板状の脚部スカート下部部材と、該脚部スカート下部部材の内周面に周方向へ延びるよう固着された補強内枠部材とを備えた請求項1記載の容器の支持構造改造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−269342(P2007−269342A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95365(P2006−95365)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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