説明

容器を検査するための装置と方法

【課題】充填し封栓した容器を検査するための装置と方法を提供する。
【解決手段】充填し封栓した容器Fを検査するための装置であって、規定の経路区間を規定の速度で容器Fを搬送すると共に、容器F用の保持要素が多数配設されている搬送装置3を備える。容器Fをその長手軸を中心に回転させるために、保持要素がそれぞれ回転自在であり、経路区間での容器の位置により決まる規定の回転特性線で容器がその長手軸を中心にして回転するように制御する制御装置13を備える。経路区間における容器の第一規定経路部分Aでの回転を、規定の最大回転数Vrot_Maxまで加速し、経路区間における容器の少なくとも第二規定経路部分Cで減速する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、特に充填し封栓した容器を検査するための装置と方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器を検査するための装置と方法は多数のものが、従来技術で公知である。よって例えば、容器の底部またはその封栓を検査することも公知である。しかし又とくに、充填した容器の中に例えば破片や類似品のような異物が存在するかどうかについて、既に充填し封栓した容器を検査するという要求もある。
【0003】
特許文献1では、透明な容器とその液体状内容物を検査するための方法と装置が開示されている。それによれば容器を、第一回転台において低回転速度で1回完全にその長軸を中心に回転して、そこで損傷を検知するカメラにより側面を観察する。それに続いて回転速度を上げて液体を回転し、そして場合により存在する異物を底部から巻き上げる。第一回転台を離れる前に容器の回転運動を停止して、引き続き第一星形回転台、分配用遅延スパイラル、第二星形回転台を介して第二回転台に容器を移送する。その第二回転台では容器をその竪軸を中心に独自回転させることをしないで、一緒に移動して充填物にある異物を検知するカメラにより容器を検査する。しかし、そのときの第一回転台と検査装置の間隔が比較的大きいことにより、通過速度が小さいときには特に、元々動いていた液体が再び静止状態になって、場合により存在する異物が再び沈殿して、確実に観察できないという問題が発生する。
【0004】
特許文献2では、容器を第一回転台から直接、検査ユニットを配設している第二回転台に送る場合の改善策を記載している。それによれば、容器を観察するまでの経路区間、そしてそれに必要な時間を短縮することができる。より正確に言えば、この装置では第一回転台で容器を第一回転部分で加速し、第二経路部分では一定回転で保持し、そして第三経路部分では容器の長手軸を中心とする回転を減速する。
【0005】
この検査装置を更に進めた実施例では、個別の電動モーター駆動により容器を回転している。検査装置の最高処理能力のときに、この装置は高い検知確実性を有して機能する。しかし処理能力を落としている時には、検査装置に達したときに既に液体の回転が遅くなり、もはや異物が巻き上がらないようになるという問題が発生する。容器ないし容器内にある液体の回転速度は現在のところ、例えば最大可能加速モーメント、容器の第一回転台における滞在時間、装備できる最大ブレーキ力のような種々の要素により制限を受ける。その場合に検査装置の瞬間的な処理能力とは関係なく、単一の回転特性線に従って処理を行う。そこでは上記したように、この回転特性線を最高処理能力に対して最適化しており、そして常に位置を決めて第一回転台に容器を送る場所の近くでスタートして、それと間隔を有して決めた位置において容器回転減速を行うことにより終了する、すなわち、停止に至るまで回転減速が時間的にほぼ一定であることにより、容器の回転運動停止からそれに続く検査装置に到達するまでの時間間隔が長くなり、処理能力が低下する。
【0006】
【特許文献1】国際公開第WO 94/08230号公報
【特許文献2】国際公開第WO 2004/053471A1号公報
【特許文献3】ヨーロッパ特許第EP 0726216B1号公報
【特許文献4】ヨーロッパ特許第EP 0743267B1号公報
【特許文献5】ドイツ実用新案 第9401926U1号公報
【特許文献6】ドイツ特許出願 第10133104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって本発明が根拠にする課題は、充填し封栓した容器を検査するための装置と方法を提供することであり、処理能力を落としているときでも、そして異なった処理能力のときにも共通して、液体中の異物に関して容器を常に同じように確実に検査できるものである。
【課題を解決する手段】
【0008】
本発明によれば、これを請求項1に記載の装置、および請求項9に記載の方法により解決する。利点のある実施例および変形例は、従属請求項に記載の対象である。
【0009】
充填し封栓した容器を検査するための本発明による装置は、搬送装置を備えており、その装置が規定の経路区間を規定の速度で容器を搬送し、そしてその装置には容器用の保持要素が多数配設されている。そのとき、容器をその長手軸を中心に回転させるために、この保持要素が少なくとも部分的に回転自在である(ないしは保持要素の少なくとも構成部品が回転自在である)。さらに制御装置が設けられており、その装置は容器がその長手軸を中心にして規定の回転特性線で回転するように制御し、その回転は、経路区間における容器の第一規定経路部分で周囲を基準にした規定の最大回転数まで加速され、そして経路区間における容器の少なくとも第二規定経路部分で好ましくは回転停止まで減速される。その二つの間では、一定回転数の経路部分が存在することになる。
【0010】
本発明によれば規定の回転特性線を、その時の容器搬送速度に従って変更自在である。
【0011】
保持要素とは、容器を規定の位置に配置すると共に、容器の回転を可能にするような要素であると解釈する。保持要素として、容器を載せる回転ディスクを対象にすることができる。その他に、容器を軸方向で押さえるために保持要素は、特に回転自在のチャック要素を有していることがある。このチャック要素は、例えば容器の首部または頭部を掴むことができる。
【0012】
容器を搬送する規定の経路区間としては、円弧区間を対象にできるが、直線形状または任意の屈曲した経路部分を対象にすることもできる。
【0013】
例えば搬送装置が回転台である場合には、容器を特定の角度の所で特殊な保持要素により取りあげ、そして例えば容器を取りあげた後に角度30°の間隔位置で容器の回転を始めることも可能であろう。よってこの実施形態での回転動作は、周囲を基準にした容器の位置に従って始まる、すなわち回転動作特性線は、経路区間での容器の位置によって決まる。
【0014】
この回転特性線は、従来技術では容器の搬送速度と関係がない。よって、従来技術においては回転運動が常に同じポイントで始まり、常に規定の最大回転速度に加速され、一定の回転数で回転保持され、その後は常に同じ固定ポイントで減速が始まって、規定の減速度で減速される。従来技術ではまた常に同じ減速定数を使用しているので、容器のその軸を中心とする回転が停止状態になる場所は、搬送速度に依存して変わる。それにより、容器内部の液体が静止状態になる場所も搬送速度に関係して変化し、そして搬送速度が小さいときには特に、本来の検査装置に到達するまでの全経路区間が、容器のその軸を中心とする回転運動のために利用されない。
【0015】
従来技術と比較して、この回転特性線を最大処理能力のために最適化している。すなわち、容器が搬送装置、例えば加速回転台に留まっている時に、容器がそれに続く検査装置に達するまで破片のような異物が液体内部で充分に動くように、エネルギーを製品に与えるようにしている。従来技術では生産が少ないときにも、高い能力の時より容器が長く搬送装置にあるにも拘わらず、同じエネルギーが与えられる。そのエネルギーは生産が遅い時には、容器が検査ユニットに達する前に、内部の摩擦損失により消費されてしまう。この問題は特に、搬送装置とそれに続く検査ユニットの間に移送スパイラルのような、移送ユニットを設けているフルボトル検査(FBI)装置と呼ばれる装置で重要である。
【0016】
搬送速度に応じて回転特性線を本発明により変更することにより、例えば生産量が少ないときに高い回転エネルギーを容器内の液体に与えることが可能である。また、後方の場所で初めて減速することも可能であり、それにより、場合により存在する異物を検査の時点にも更に巻き上げられることになろう。
【0017】
すなわち、搬送装置で滞留するとき明らかに多くのエネルギーをそれぞれの容器に与えられるように、加速特性線ないし回転特性線を変える場合には、次に続く検査回転台に達するまで、より長い時間で繋ぐこともある。それによっても又、最少処理能力を下げることができ、それにより装置を計画に取り入れることが簡単になる。搬送装置内での滞留時間が長いことにより、例えば許容される回転加速度のような制限を遵守しても、より高い回転数を達成することができる。
【0018】
よって、例えば40%の回転数アップ、すなわち例えば回転数600rpmから850rpmのアップは、エネルギーレベルの倍増として作用する。それにより理論的には、検査の確実性を同じとして明らかに今までの最少生産能力を、例えば半分に下げることができる。
【0019】
好ましい実施形態おける制御装置は、容器のその長手軸を中心とする最大回転数を、搬送装置にある容器の搬送速度に従って制御する。よって、より長い時間に亘って加速を行い、それにより最大可能加速度に対する限界を超えることなく、より高い最終速度に容器を到達させることが可能であろう。
【0020】
別の利点ある実施形態では、経路区間に関して第二経路部分の位置を搬送装置の搬送速度に従って変更可能である。よって例えば搬送速度が遅いときには、第二経路部分を経路区間末端の方向に更にずらして、それにより容器検査までの時間間隔を短くできる。より正確に言えば、少なくとも第二経路部分の始点、すなわち容器の回転を減速するポイントは変更自在である。
【0021】
別の好ましい実施形態では、搬送装置が搬送回転台である。これは、容器を基本的に円形線に沿って搬送するように、多数の保持要素が配設されていることを意味している。この場合には個々の経路部分が、これらが動くそれぞれの円弧部分により定義される。搬送回転台を以下においては加速回転台とも呼ぶ。
【0022】
別の好ましい実施形態では制御装置が、経路区間に関する第一経路部分を搬送装置の搬送速度に従って変更できるように機能する。またこの種の変更により、容器に与えるエネルギーを変える、例えば搬送方向で見て容器の回転中止を遅らせることができる。
【0023】
提示している発明は更に、充填し封栓した容器を検査するための設備に関するものであり、その設備は上述種類の装置およびこの装置の下流側に設けた第二の搬送回転台を有しており、その回転台には容器にある異物を検知するために、少なくとも一つの検査装置を設けている。この検査装置として最初に記載した検査装置が対象になり、場合により存在する異物に関して容器の内容を検査するものである。ここで対象とするのが暗視野方法で行う検査装置であると好ましい。この方法では反射する光を使うことにより、微細な構造微細物、特にガラス破片または類似異物のような、光を拡散する微細物の判別を可能化になる。
【0024】
別の好ましい実施形態では、第二搬送回転台が容器を収容するために多数の別の保持要素を有しており、その第二搬送回転台の保持要素は、上記した装置の保持要素から容器を直接受け取る。このようにすることで、搬送装置から第二搬送回転台へ容器を出来るだけ時間を節約して受け渡すことが可能になり、それにより容器検査までの時間損失を可能なかぎり少なく維持できる。しかしながら、搬送装置と第二搬送回転台の間に別の搬送ユニット、例えば搬送星形回転台を設けていることもある。
【0025】
別の好ましい実施形態では、第二搬送回転台の保持要素が容器の周囲で容器を掴む。このようにすることで容器底部の観察が可能となり、第二搬送回転台の保持要素がこの観察を妨げることがない。
【0026】
提示している発明は更に、充填し封栓した容器を検査するための方法に関するものである。そのとき第一方法ステップで、容器を第一搬送装置に引き渡す。次の方法ステップで容器は、第一搬送装置により規定の経路区間を規定の速度で搬送される。さらに容器の搬送中に容器がその長手軸を中心に回転され、そこで回転の回転特性線は前記のように、周囲と対比する経路区間にある容器の場所によって決まる。そのとき、この第一規定経路部分において規定の最大回転数まで容器の回転を加速して、そして経路区間にある容器の別の規定経路部分で減速して停止状態まで減速すると好ましい。しかし、容器をその長手軸を中心に回転させるほかに、この軸とは少しずれた軸、すなわち側方にずれた又は傾斜した軸を中心に容器を回転させることも可能である。その他に、容器に対して液体を動かすための別の種類の運動、例えば揺り動かすことや同類の運動も、原理的に考えられるであろう。
【0027】
本発明によれば規定の回転特性線を、第一搬送装置の搬送速度に従って制御する。最大回転数を搬送速度に従って制御すると利点がある。そのとき、この制御を逆転した関係で行うと好ましい、すなわち搬送速度が低いときには最大回転数を大きくし、そして逆に搬送速度が大きいときには最大回転数を下げる。
【0028】
別の利点ある変形例では、周囲を基準にした第二経路部分の位置を、第一搬送装置の搬送速度に従って制御する。
【0029】
別の利点ある変形例では、容器の回転数を、経路部分を前提に規定加速度で最大回転数までアップし、そして第一搬送装置の搬送速度を考慮して加速度を制御する。そこで特に、容器を回転するための加速過程を終了する副位置を決めることもある。また、容器回転の減速を始める副位置を決めることもある。そのときこの副位置は、第一搬送装置の搬送速度に従った可変とすることができる。
【0030】
第一経路と第二経路の間で容器の回転数を、基本的に一定に保持すると好ましい。それにより、容器にある液体を特に均等に加速することができる
【0031】
別の利点および実施形態は、添付の図面から分かる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1で概略的に図示の充填し封栓した容器(ここで提示しているケースでは飲料水ボトルに関するものである)を検査するための装置は、透明または半透明材料製のボトルを検査するために特に設けているものである。検査対象のボトルFは、例えば前方に配設されたボトル充填封栓機から、投入コンベアベルト1を介して好ましくは連続的に投入星形回転台2に送られる。
【0033】
そのときボトルは、投入星形回転台2に乗り移る前に、位置を固定して配設された投入検査機9を通過し、その検査機が、ボトル栓が付いていることを、そして場合により充填高さも検査する。容器の加速が強すぎると、溢れ出た液体が検査ユニットを汚染する可能性があるので、それを防ぐためにこの封栓不良のボトルFを、投入星形回転台2により掴まずに、接線方向にそして後方に配設された収集場所に向かって送る。充填に過不足のあるボトルも同様に処理される。
【0034】
投入星形回転台2は、反時計方向に連続的に駆動されると共に、好ましくは機械を均等分割した間隔で配設され選択的に制御自在のチャック要素を有しており、それによりボトルを胴体部および場合により頭部または首部でも掴む。このチャック要素は選択的に制御可能であり、そして異なったボトル径にも対応できる。
【0035】
投入コンベアベルト1から回転方向で後にある搬送装置3に移る途中で、ボトルは底を浮かせた状態で、石鹸の泡または類似のものを除去するためにまず位置固定した底部ブロー装置10を、そしてボトル底部自体にある汚れまたは損傷を検知するために、その後に配設しており明視野方法で行う底部検査ステーション11を通過する。この底部検査ステーション11は、ボトルを回転させても巻き上がらない重い異物を検知する役割もする。
【0036】
投入星形回転台2の具体的な構成は、従来技術で公知であるので詳細には説明しない。それには例えば投入星形回転台2については特許文献3および特許文献4を、そして底部ブロー装置については特許文献5を、そして底部検査ステーション11については特許文献6を参照されたい。これら特許文献の開示内容を明らかに含んでいる。最初に述べた特許文献2の開示内容も同様に、この開示の対象に対して参照することにより明確になる。
【0037】
投入星形回転台2のピッチ円と時計回りに回転する搬送装置3のピッチ円の接点Xにおいて、ボトルFは、搬送装置3の竪軸を中心に回転自在支持されている回転ディスク4にその底面を使って移されると共に、軸方向負荷を受けながら回転自在に保持されている。これも同様に従来技術で公知である。
【0038】
更に進むと、回転ディスク4上に直立したボトルはまず、搬送装置3の第一周回区間ないし経路部分Aを通過するときに、その長手軸を中心に連続的に加速されて回転状態に移され、引き続いて規定の最大回転数で経路部分Bを通過する。この経路部分Bには、周回区間ないし経路部分Cが接続しており、そこでボトルの回転は、好ましくは連続的にほぼ静止状態までブレーキがかけられる。
【0039】
図1で示している実施形態では各回転ディスク4が、下方にありシャフトに回転自在で支承された小歯車(図示していない)を有しており、その小歯車は、内歯および外歯を有する大歯車14の内歯と噛み合っている。そのときこの大歯車は、中央が空間になったボール転がり接続を介して、機械のフレームプレートG上で支持されている。この大歯車14は、その外歯に噛み合う駆動歯車15を介して、回転数可変の駆動装置により制御しながら駆動可能である。この駆動装置では、電動モーター又は類似のものを対象とすることができる。この駆動は時計とは反対回りであり、それにより回転台ないし搬送装置3とは反対向きである。
【0040】
この相対回転運動により、回転ディスク4を充分に高回転することが可能になる。しかしながら好ましい実施形態として、個々の回転ディスク4を電動モーターのような独立した駆動装置で独立して駆動することにより、ボトルの個々の回転を個別に制御することも可能であろう。また、複数の回転ディスク4、例えば搬送装置3の特定範囲にある回転ディスク4を纏めて制御することも可能であろう。図2で示している実施形態では更に、各回転ディスク4用に制御自在のマグネットクラッチを設けることも可能であり、上記の周回区間ないし部分A,B,Cを通過するとき、そのマグネットクラッチが伝達回転トルクを、対応して多くまたは少なく回転ディスク4に伝達して、個々の回転ディスクにおける回転運動を独立して制御することを可能にする。このマグネットクラッチは、特許文献2に記載のマグネットクラッチに該当するものであり、よって詳細には説明しない。
【0041】
参照符号17は、搬送装置3の外側に配設している側面照明スクリーンに関するものである。その他に、この側面照明スクリーン17とは直径方向で対向している側面カメラ16を設けている。このようにすることで透過光による明視野検査が可能になり、それにより、例えば損傷ないし汚れによりできる暗部を検知できる。
【0042】
搬送装置3の経路部分Cの最終範囲に、第二搬送回転台12が接線で繋がっており、その第二回転台は、−投入星形回転台2と同様の方法で−その外周に、機械を均等分割した間隔で配設されており選択的に制御可能な多数のチャック要素を有しており、それによりボトルをその胴体部および/または場合により頭部ないし首部で掴む。
【0043】
以上のようにすることで、第一搬送装置3との共通接点YでボトルFを掴み、そして底部を浮かして反時計回りで、その後に続く選別星形回転台5に移送することができる。そこに向かう経路において、暗視野方法によりボトルFの異物検知を行い、それにより光を拡散する異物、とくに透明なガラス破片を検知できる。
【0044】
この目的のために、ボトルFの湾曲周回経路の両側には、経路の湾曲に合わせて等間隔にある照明スクリーン18と19を位置固定して配設しており、その間をボトルFが拘束なしで通過すると共に、そのとき側方から出来る限り広い範囲で照明されることになる。
【0045】
両側から同時に行うトンネル形式の照明により、ボトル内に非常に強い光を送り込むことができ、それが特に濁った又は暗色の液体、例えば沈殿物を含むビールまたはコーラで利点がある。
【0046】
照明スクリーン18と19は、照明制御装置によりパルス駆動できる多数のLEDを装備していると好ましい。
【0047】
その他に第二搬送回転台12は、図示していないそのチャック要素の下方に配設したカメラ20を装備しており、そこでは例えばチャック要素あたりそれぞれ一つのカメラを設けており、それがチャック要素と位置同期して一緒に周回すると共に、照明されたボトルの底部を観察する。このように配設することにより暗視野照明を実現して、光を拡散する欠陥ないし異物が、暗い像とはならずに明るい点またはゾーンとして見えることになる。
【0048】
この方法により又、液体内の異物と容器自体にある異物ないし欠陥とを区別することができる。容器自体にある異物または損傷は、第二回転台12でボトルが移動する間も、基本的に静止したままである。それに対して液体中にある異物は、液体がボトルに対して移動する限りは、時間に関係してその位置を変える。
【0049】
代替として、一つ又は複数のカメラを位置固定して配設することも考えられ、そのとき撮像のためのカメラ20および照明スクリーン18と19のLEDを同時に制御することにより、さもなくば必要なトリガーを不要とすることができる。
【0050】
参照符号5は選別星形回転台に関するものであり、図示していないが同じく選択的に制御自在である多数のチャック要素を有している。底部検査ステーション11、側面カメラ16、底部を通してボトルFを観察したカメラ20の検査結果に応じて、検査したボトルをこの選別星形回転台により種々のコンベアベルトに排出する。そして例えば問題のないボトルは、番号6で表す排出コンベアベルトを介して検査機から出ていくが、欠陥を有するボトルは、検知された欠陥に応じて決められた排出ベルト7または8で排出できる。
【0051】
しかし最初に述べたように、液体内に異物が存在することを効果的に確認するための前提は、カメラ20による観察を行う時に液体を容器に対しても動かす、ないしはこの異物を更に巻き上げることである。
【0052】
参照符号13は、チャック要素の回転特性線を、ないしはボトルのその長手軸を中心にした回転を制御する制御装置に関するものである。
【0053】
図2は、従来技術により位置が決まっており一定である(最大能力時の)回転特性線の状態を示している。
【0054】
そこで各部分A,B,Cは、該当する図1で示した経路部分A,B,Cに対応しており、そして下側のX軸には度数目盛りを記載している。そのとき0°の位置は、投入星形回転台2から搬送装置3にボトルが乗り移る位置Xを指しており、260°の位置は、搬送回転台3から第二回転台12にボトルが乗り移る位置Yを指している。
【0055】
経路部分Aでは、ボトルがその長手方向を中心に回転され、そして図2から分かるように、最大回転数Vrot_Maxになるまで加速される。より正確に言えば、位置の定まった線A1により表示している位置でボトルの回転が始まり、位置A2まで一定の加速度で加速される。よって、搬送速度VTransとは関係なく、位置A1は約15°の位置にある(下側のX軸を参照)。
【0056】
そして約180°に亘って延伸する部分Bでは、同じく図2で分かるように、ボトルの回転が基本的に一定で維持される。最後の経路部分Cでは、ボトルの回転を減速する。C2にある縦線は、ボトル回転が再び基本的に停止した位置を示している。この位置の直後にボトルが上述のように、第二搬送回転台12に送られる。従来技術では、図2で示した回転変化Pは一定であり、そして搬送速度とは関係がない。
【0057】
これは、ボトルの回転が関係するのはボトルそれぞれの位置のみということを意味している。上側のX軸は、任意の時間単位を使った時間区分に関するものである。搬送装置3のこの搬送速度VTransでは、容器が5時間単位で100°の円周角を進む。
【0058】
図3は別の回転動作状況を示しており、そこでは搬送装置3の搬送速度VTransが半分になっている。これは特に上側のX軸により分かり、そのときには完全に移動するために30時間単位という2倍の全時間を必要とする。しかしここでも、同じ角度位置(位置A1)で容器の加速が始まり、そして同じくC1で表す位置で回転運動の減速が行われる。
【0059】
しかし上述しているように、従来技術では回転速度VRotの加速を常に一定で維持している、そして例えば可能な最大加速度に相当するので、この場合にはフルの搬送速度のときよりも前の角度位置で最大回転数に達する。これは図3において経路部分Aの動作特性線Pが急勾配で上昇していることより分かる。一般的に加速度は、単位時間あたりの速度変化として定義される。しかし従来技術においては、回転動作の加速ないし減速が始まるそれぞれの点A1とC1がそれぞれ固定されているので、回転特性線は搬送速度VTransとは関係がない。よって図3を参照すると分かるように、ボトルの位置により決まる回転特性線の場合には、経路部分においてボトルの回転運動を加速または減速するそれぞれの点が、固定されているものと解釈する。
【0060】
ボトルの停止位置(C2の位置)と位置Yの間には、一定の時間間隔Δtがある。搬送速度VTransが遅いことにより、この時間間隔Δtが生じ、極端な場合には容器が検査装置20ないしカメラを通過する瞬間には、容器内部にある液体が既に静止状態になっていることがある。そしてこれは特に、搬送装置3の搬送速度VTransがまだ更に減速するときにも当て嵌まる。
【0061】
よって本発明によれば、搬送装置3の搬送速度を考慮して回転特性線Bを変更する。加速力およびブレーキ力には限界があるが、参照符号P’で示しているように、最大回転数Vrot_Maxを上げることが可能である。これを図3において、最大回転数Vrot_Maxを2倍にした例で示している。この場合には2倍にすることにより同じく、容器が乗り移りの瞬間に丁度停止(位置C2’)となっている。しかしその場合も、ボトルが検査装置20を通過するときには、容器内にある液体がまだ動いていることが確保される。
【0062】
図4では、回転特性線でこの種の変更を行う別の可能性を示している。ここでは減速過程ないしブレーキ過程を、一定の時間的ズレΔtだけずらしており、ここでもボトルが第二回転台12に乗り移る瞬間に、ないしこの時点の直前に停止する(位置C2’)ようになっている。当該回転特性線を参照符号P”により表している。よく分かるようにするために、部分的に回転特性線P上で丁度重なる運動プロフィルは、僅かにずらしている。しかし用途によっては、両方の動作特性線P’とP”の組み合わせも可能である。よって、一方で最大回転速度をVrot_Maxを僅かに上げると共に、他方で減速を行う時点を僅かにずらすこともできる。
【0063】
以上により、図3だけでなく図4でも示している方法で、C2の位置をYの位置の近くにずらす、あるいは言い換えれば、ボトルのその長手軸を中心にした回転を、従来技術の場合よりもYの位置の近くにある位置C2’で止めることになる。
【0064】
出願文書で請求している特徴の全てが、個々に又は組み合わせて従来技術と較べて新しい又は発明性があるかぎり、それを発明の本質として請求するものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】容器を検査するための本発明による装置である。
【図2】従来技術による一定で固定した回転特性線である。
【図3】回転特性線の本発明による変更を説明する図である。
【図4】回転特性線の本発明による変更の別の変形例である。
【符号の説明】
【0066】
1 コンベアベルト
2 投入星形回転台
3 搬送回転台、搬送装置
4 回転ディスク
5 選別星形回転台
6 排出コンベアベルト
7 排出ベルト
8 排出ベルト
9 投入検査機
10 底部ブロー装置
11 底部検査ステーション
12 第二搬送回転台
13 制御装置
14 大歯車
15 駆動歯車
16 側面カメラ
17 側面照明スクリーン
18 照明スクリーン
19 照明スクリーン
20 カメラ
A 経路部分
B 経路部分
C 経路部分
F ボトル
G フレームプレート
P 回転特性線
X 接点
Y 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填し封栓した容器(F)を検査するための装置であって、規定の経路区間を規定の速度で容器(F)を搬送すると共に、容器(F)用の保持要素が多数配設されている搬送装置(3)を備えており、容器(F)をその長手軸を中心に回転させるために、この保持要素がそれぞれ回転自在であり、経路区間での容器の位置により決まる規定の回転特性線(P)で容器がその長手軸を中心にして回転するように制御する制御装置(13)を備えており、経路区間における容器の第一規定経路部分(A)での回転を、規定の最大回転数Vrot_Maxまで加速して、そして経路区間における容器の少なくとも第二規定経路部分(C)で減速する装置において、
規定の回転特性線(P)を容器(F)の搬送速度VTransに従って変更できることを特徴とする装置。
【請求項2】
制御装置(13)が、容器のその軸を中心とする最大回転数Vrot_Maxを、搬送装置(3)における容器の搬送速度VTransに従って制御することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
経路区間に関して少なくとも第二経路部分(C)の位置が、搬送装置の搬送速度VTransに従って変更できることを特徴とする前記請求項の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項4】
搬送装置(3)が搬送回転台(3)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
制御装置が、経路区間に関して第一経路部分(A)を搬送装置(3)の搬送速度VTransに従って変更するように、機能することを特徴とする前記請求項の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項6】
前記請求項の少なくとも一つに記載の装置を備えていると共に、容器内の異物を検知するために、少なくとも一つの検査装置(18,19,20)を備えた第二搬送回転台(12)を装置の下流側に備えていることを特徴とする、充填し封栓した容器を検査するための設備(10)。
【請求項7】
第二搬送回転台(12)が、容器を(F)を収容するために多数の別の保持要素を有しており、そこで搬送回転台の保持要素が直接、容器を装置の保持要素から受け取ることを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
搬送回転台(12)の保持要素が容器を、容器外周面で掴むことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
充填し封栓した容器(F)を検査するための方法であって、
− 第一搬送装置(3)に容器を引き渡すステップ、
− 第一搬送装置(3)を使って経路区間において規定の搬送速度VTransで容器を搬送するステップ、
− 経路区間における容器の位置に従って規定される回転特性線(P)を使って、容器をその軸を中心に回転し、そのときその回転を、経路区間における容器の第一規定経路部分(A)で規定の最大回転数まで加速し、そして経路区間における容器の少なくとも第二規定経路部分(C)で減速するステップ、
を有する方法において、
規定の回転特性線(P)を、第一搬送装置(3)の搬送速度VTransに従って制御することを特徴とする方法。
【請求項10】
最大回転数VRot_maxを、搬送速度VTransに従って制御することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
周囲を基準にした第二規定経路部分(C)の相対的位置を、第一搬送装置(3)の搬送速度VTransに従って制御することを特徴とする前記請求項9〜10の少なくとも一つに記載の方法。
【請求項12】
第一経路部分(A)から出る容器の回転数を、規定の加速度で最大回転数VRot_maxまでアップして、第一搬送装置(3)の搬送速度VTransを考慮して、加速を制御することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第一経路部分(A)と第二規定経路部分(C)の間における回転数を、基本的に一定で保持することを特徴とする請求項9〜12の少なくとも一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−162805(P2008−162805A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328242(P2007−328242)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(591034383)クロネス・アクチェンゲゼルシャフト (35)
【氏名又は名称原語表記】KRONES AG
【Fターム(参考)】