説明

容器キャップ

【課題】 確実にTE機能を実現させることができるとともに、角筒状容器胴を有する容器に対しても適用することができるTE機能を持つ容器キャップを提供すること
【解決手段】 筒部103を有する容器100の口部を開閉するカバーキャップと容器100の外面に係止してカバーキャップを拘束保持するTEバンドとを有する容器キャップにおいて、TEバンドは、容器100に係止しかつカバーキャップに係止してカバーキャップを拘束保持する第一係止部41と第一係止部41の係止を解く第一解除部42とを有し、かつ、容器100の筒部103に係止する第二係止部43と第二係止部43の係止を解く第二解除部44とを有しカバーキャップがTEバンドに拘束保持された状態においては第二解除部44がカバーキャップ4に覆われている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はソースや調味料などの液体内容物を収容する容器に関するものであり、特にTE性(タンパーエビデント性−いたずら防止性)をも持つことができる容器キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体内容物を収容する容器では、開封前後の封止性能を向上させるために複合キャップを使用する。複合キャップは中栓及びそれを覆うカバーキャップからなっていて、中栓は容器口部に装着され、その注出口は中栓と一体となす薄膜状の閉鎖部材で封止されていて、開封の場合はその閉鎖部材を切り離して注出口を開口させる。注出口の開口後は、中栓を覆うようにカバーキャップを容器に装着して注出口を閉じ、内容物の外気との遮断、外部への液漏れ防止を図る。これの易開封性を図るためには、閉鎖部材の周囲にスコアーを設けたり、閉鎖部材の上面にプルリングを取り付けたりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
次に、最近はいたずら開封を防止するためのTE(タンパーエビデント)に対する要求が高まっており、容器口部とこれに装着するキャップとの間にTEバンドを設け、このTEバンドを切り取らなければ容器からキャップを取りはずせない構造とするものが開発されてきている。
このようなTE機能を持つ容器キャップとしては次のようなものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2000−335611
【特許文献2】特開2003−95310
【特許文献3】特開2004−238045
【特許文献4】特開2004−276958
【0005】
このうち特許文献1に示す容器キャップは中栓に相当する装着筒3とカバーキャップに相当するキャップ16との間に、子供の力では反転させることのできない操作部11を設けて、子供による不正開閉を防止するものである。次に特許文献2に示す容器キャップは容器とキャップを係止させるロック用の係合爪をペンチ等で分断しなければ開封できないとする構造のものであるが、これは剛性のある金属製の容器に用いるキャップで、容器もキャップも円筒形をなす場合である。
【0006】
特許文献3に示す容器キャップは、キャップとTEバンドを易切り離し部で連結したもので、TEバンドを四角形容器に嵌着し、開封時には、キャップを回して易切り離し部をねじ切る必要があるので、不正開封を検知することができるものである。TEバンドには容器に固定するための供回り防止フラップが設けられている。
【0007】
特許文献4に示す容器キャップでは、上蓋とその下方のTEバンドとを易破断性のつなぎリブで接続し、開封時には上蓋を回してつなぎリブをねじ切る必要があるので、不正開封を検知することができるものである。TEバンドには供回り防止のラチェットが設けられている。
【0008】
しかるに、このようなキャップのTE機構は一般に装着するためには、相当の強度が必要で、その装着強度が不足すると、組み合わさってTE機能を発揮しているTE構成部材とキャップが、力の負荷によって変形して組み合わさったまま容器から外れることがある。容器が円筒状で、これに装着されるTE構成部材とキャップが共に円筒形である場合には、装着強度が相当に大きいものであるが、容器、TE構成部材及びキャップが角筒状の場合は、容器の中心線回りのねじり回動を生じるような力の負荷に対しては構造的に変形し易く、容器から外れ易く、TE機能を発揮できない場合がある。この角筒状の容器及びキャップはソースなどの液体内容物を充填する容器として需要が多い。
【0009】
上記の特許文献に示されたTE機能を持つ容器キャップのうち、特許文献1、2及び4に示された容器キャップは、円筒状容器また円筒状ノズルの範囲についてだけ適用される技術である。
【0010】
特許文献4に示された容器キャップは、多角形状容器に適用されるものであるが、TEバンドの撓み変形で容器から外れることも考えられる。
【0011】
この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、確実にTE機能を実現させることができるとともに、角筒状容器胴を有する容器に対しても適用することができるTE機能を持つ容器キャップを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的に対応して、この発明の容器キャップは筒部を有する容器の口部を覆いまたは開閉するカバーキャップと前記容器の外面に係止して前記カバーキャップを拘束保持するTEバンドとを有する容器キャップにおいて、前記TEバンドは、前記容器に係止しかつ前記カバーキャップに係止して前記カバーキャップを拘束保持する第一係止部と前記第一係止部の係止を解く第一解除部とを有し、かつ、前記容器の筒部に係止する第二係止部と前記第二係止部の係止を解く第二解除部とを有し前記カバーキャップが前記TEバンドに拘束保持された状態においては前記第二解除部が前記カバーキャップに覆われていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載した発明の容器キャップでは、容器筒部を覆うカバーキャップとカバーキャップを拘束保持してTE機能を発揮するTEバンドを組み合わせて容器に装着して使用するが、TEバンドにおけるカバーキャップを拘束保持しTE機能を発揮する第一係止部とTEバンドを容器に連結する第二係止部とに分割し、第二係止部をカバーキャップで覆い隠す構造としたので、第一係止部を破壊して、カバーキャップを外さなければ、第二係止部を外すことができない。この第一係止部の不可逆的状態変化をもたらす変形・破壊を検視してTE機能を発揮することができる。一方、TEバンドと容器との連結は円筒状の容器筒部を利用して行うので、TEバンドのカバーキャップに覆われている部分を撓み変形させて回しても筒部から外すことができない。こうしてTE機能を確実に発揮させることができる。
【0014】
請求項2に記載した発明の容器キャップでは、第二係止部の容器筒部への連結に容器筒部に突出した突起を利用するので第二係止部の筒部からの抜け出し防止を一層確実にすることができる。
【0015】
請求項3に記載した発明の容器キャップでは、TEバンドの第一解除部が易切り離し部で構成されているので正常開封時の操作が容易である。
【0016】
請求項4に記載した発明の容器キャップでは、第一解除部またはその近傍に操作つまみが設けられているので、正常開封時の開封操作が一層容易である。
【0017】
請求項5に記載した発明の容器キャップでは、第二解除部が不連続部または易切り離し部で構成されているので、正常開封操作時の第二解除部の取り外しが容易である。
【0018】
請求項6に記載した発明の容器キャップでは、第二解除部またはその近傍に操作つまみが設けられているので、操作が容易である。
【0019】
請求項7に記載した発明の容器キャップでは、筒部の突起が筒部の周状フランジを利用するので、第二係止部の係止が確実である。
【0020】
請求項8に記載した発明の容器キャップでは、筒部が円筒形状であるので、TEバンドが容器筒部を軸に回転しても第二係止部が不正開封時に外れることがない。
【0021】
請求項9に記載した発明の容器キャップでは、第二係止部が容器のノズル部であるので、容器に特別の構造のものを採用しなくても、従来の容器をそのまま利用して第二係止部を形成することができる。
【0022】
請求項10に記載した発明の容器キャップでは、ネックリングを利用して係止するので、容器に特別の構造のものを採用しなくても、従来の容器をそのまま利用して第二係止部を形成することができる。
【0023】
請求項11に記載した発明の容器キャップでは、TEバンドの基部が四角形状をなして四角筒状の容器に使用することができるので、従来の容器にそのまま使用することができる。
【0024】
請求項12に記載した発明の容器キャップでは、中栓の閉鎖部材にプルリングが取り付けられているので、開封が容易である。
【0025】
請求項13に記載した発明の容器キャップでは、カバーキャッププッシュオープン型中栓を取り付ける場合にも使用することができる。
【0026】
請求項14に記載した発明の容器キャップでは、天板から立ち下がっている栓体が中栓の閉鎖部材を開封するカッターとしても機能するので、閉鎖部材の開封及び開封後の注口の開封が容易かつ確実である。
【0027】
請求項15に記載した発明の容器キャップでは、開封操作によって分離した閉鎖部材がカバーキャップに保持されるので、閉鎖部材の処理が容易である。
【0028】
請求項16に記載した発明の容器キャップでは、閉鎖部材とカッターの対向間隔よりも相対変位可能範囲の方が大きいので、カバーキャップを相対変位させることによって、カッターを閉鎖部材に当接させて、閉鎖部材を開封させることができる。
【0029】
請求項17に記載した発明の容器キャップでは、栓体が直線変位して注出口に抜き差しされるので、注出口の開閉が容易である。
【0030】
請求項18に記載した発明の容器キャップでは、第一解除部を不可逆的状態変化可能な構造としたので、不正開封の痕跡を視認することが容易である。
【0031】
請求項19に記載した発明の容器キャップでは、第一解除部をブリッジ等の可状態変化部で構成するので、不正開封の検知が容易である。
【0032】
請求項20に記載した発明の容器キャップでは、不可逆的状態変化部またはその近傍に操作つまみを設けたので、第二解除部の解除が容易である。
【0033】
請求項21に記載した発明の容器キャップでは、第二解除部を不連続部、易切り離し部、変形可能構造部で構成するので、容器ノズルへの係止が確実であり、かつ解除を容易にする。
【0034】
請求項22に記載した発明の容器キャップでは、第二解除部に操作つまみを設けたので、第二解除部の解除操作が容易である。
【0035】
請求項23に記載した発明の容器キャップでは、第一解除部の作用をカバーキャップを容器に対して回転変位させることにより行うので、解除の構造と操作を容易にすることができる。
【0036】
請求項24に記載した発明の容器キャップでは、TEバンド基部と抑えバンドがブリッジで連続して、その間にカバーキャップの嵌合用舌片が挟み込まれているので、カバーキャップを回すことによって、ブリッジを切断しなければ不正開封ができないので、不正開封の検出が容易である。
【0037】
請求項25に記載した発明の容器キャップでは、TEバンド基部に供回り抑制部が形成されているので、ブリッジの切断が容易である。
【0038】
請求項26に記載した発明の容器キャップでは、供回り抑制部が容器に係合するリブまたはアンダーカットで構成されているので、供回り抑制部の構成が簡単で、かつその作用が確実である。
【0039】
請求項27に記載した発明の容器キャップでは、TEバンド基部の外側に抑えバンドを配置してカバーキャップの下端部を挟持させ、かつその抑えバンドに易切り離し部からなる第二解除部を設けたので、その易切り離し部の切り離しを視認して、不正開封を容易に検出することができる。
【0040】
請求項28に記載した発明の容器キャップでは、第一係止部をカバーキャップと抑えバンドとの間に抜け出し防止係合部として設け、この抜け出し防止係合部に第一解除部としての易切り離し部を設けたので、その易切り離し部の切り離しを視認して、不正開封を容易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、この発明の詳細を図面を参照して説明する。
まず第1の実施形態について説明する。
図1において、1aはこの発明の第1の実施態様に係る容器キャップである。容器キャップ1aは、容器100に装着されて使用されるものである。容器100は容器胴部101の上端に肩部102を介して筒部103を有しており、筒部103の上端が注口104として開口している。筒部103の途中には筒部103から突出する突起105を有する。筒部103は容器ノズルまたは容器口部であることもあり、突起105は筒部103を一周するつば状のネックリングである場合もある。このネックリングは充填機等で容器100を把持したり取り扱うための係合部として機能するものである。
【0042】
筒部103は角筒状または円筒状であり、一方、容器胴部101は円筒状または多角筒状をなすが、この実施例では筒部103は円筒状であり、容器胴部101は四角筒状である。
肩部102の下部に外方に突出する嵌合用アンダーカット106が形成されており、さらにその下方に抑え肩部107が形成されている。筒部103の上端には中栓3が装着されて開口部を閉じている。
【0043】
容器キャップ1aはカバーキャップ4a及びTEバンド5aとから成っている。
【0044】
中栓3は周縁から立ち下がっている脚筒7aとを有している。この実施態様では中栓3としてプルオープン型の中栓3aが用いられている。
中栓3aは脚筒7aの下端部の内側には取り付け用のアンダーカット部8aが内方に突出しており、このアンダーカット部8aが筒部103の突起105の上方で容器100の筒部103の外方に突出するアンダーカット部109に嵌合することによって中栓3(3a)は容器100に固定する。
【0045】
中栓3aの中央部には液案内筒12aが形成されている。この液案内筒12aは内部に注出口13aを形成し、また注口104から流れ出た内容液を案内する機能をもつものである。液案内筒12aの内部には注出口13aを閉じるように横断して薄膜状のスコアー15aを有する閉鎖部材14aが設けられている。閉鎖部材14aは周縁部のスコアー15aを介して液案内筒12aと一体に連結している。閉鎖部材14aの上面にはプルリング10aが取り付けられている。
【0046】
一方カバーキャップ4aはカバーキャップ天板21aとそのカバーキャップ天板21aの周縁から立ち下がっているカバーキャップ脚筒22aを有している。カバーキャップ脚筒22aの下端部の四辺の内側には取り付け用のアンダーカット部23aが内方に突出しており、このアンダーカット部23aが後述するTEバンド5aの肩部から延出する受け環52aの外方に突出する嵌合用アンダーカット46aに嵌合することによってカバーキャップ4aは中栓3aを覆った状態で容器100に未開封時の拘束保持位置で脱着可能に装着する。なおTEバンド5aの受け環52aの嵌合用アンダーカット46aの直下にはTEバンド基部の受け面37aが設けられている。
【0047】
カバーキャップ天板21aの中央部の内面から栓体33aが同心状になって下方に延長している。
TEバンド5は下部の第一係止部41aと第一解除部42a、上部の第二係止部43aと第二解除部44a及び両者をつなぐ連結部45aとを有する。第一係止部41aはTEバンド5aがカバーキャップ4aを拘束保持するための部分であり、第一解除部42aはその拘束保持を解く部分である。第二係止部43aはTEバンド5aを容器筒部103に係止させるための部分であり、第二解除部44aはその係止を解く部分である。
【0048】
第二係止部43aは嵌合部47aを有し、嵌合部47aは容器の突起105、例えば筒部103の周囲を一周するネックリングの下方で筒部103の外周に嵌合する環状をなしていて、環状のなす嵌合部47aには第二解除部44aを構成する切り離した不連続部48aまたはその不連続部48aを形成するための易切り離し部を設けてある。
【0049】
第一係止部41aは基部49aを有し基部49aは容器100の肩部102の下端の周囲を一周して容器100に嵌着している。連結部45aは図4に示すように、間欠的に配置された複数の線状体または帯状体をなす連結材51aからなっていて、それぞれの連結材51aは中心寄りの部分で嵌合部47aに連結し、周辺寄りの部分で基部49aに連結する。
【0050】
基部49aは容器100の肩部102の四角形の下端の周囲を一周する平面略四角形の環状をなすが、上部にカバーキャップ4aの脚筒22aの下端36aを乗せることができる受け面37aを有し、また下端には容器100の抑え肩部107に乗ることができる底面38aを有する。受け面37aから底面38aまでの相対変位方向の距離h2は、この実施例の場合はカバーキャップ4aの相対変位可能範囲cを構成する。基部49aの内面には対容器嵌合用アンダーカット53aが内方に突出して形成されている。
【0051】
基部49aの上で基部49aと同心上に重なって抑えバンド54aが一周して配置されている。抑えバンド54aと基部49aとは第一解除部42aを構成するブリッジ55a(図3)で連結していて、このブリッジ55aは基部49aと抑えバンド54aとの容器100周りの相対回転変位によって切り離し可能である。抑えバンド54aの下面に嵌合用溝56aが形成されており、この嵌合用溝56aは受け面37a上に乗っているカバーキャップ4aの下端から延出しているつば状の嵌合用舌片57aを嵌合させ、この状態でカバーキャップ4aを基部49a、受け環52aと協働して相対変位可能範囲cの始端aに拘束保持する。このときカバーキャップ4aの下端のアンダーカット部23aは受け環52aの嵌合用アンダーカット46aと嵌合している。
【0052】
TEバンド5aの第二解除部44aの嵌合部47a上の不連続部48aの近傍には操作つまみ59a(図5)を設けてもよい。また第一の係止部42aの抑えバンド54a上に操作つまみを設けてもよい。
【0053】
このように構成された容器キャップ1aにおける開封操作は次の通りである。
図10、図11に示すように、未開封の状態において、カバーキャップ4aはTEバンド5aの第一係止部41aによって拘束保持されて容器100に装着されている(図10(a)、図11(a))。TEバンド5aは押し込みによって容器100に装着され、このとき、TEバンド5aの第二の係止部43aの嵌合部47aは突起105例えばネックリングの下方で筒部103例えば容器ノズルに嵌合し、第一係止部41aの基部49aは対容器嵌合用アンダーカット53aで容器100の嵌合用アンダーカット106と係合して、底面38aは容器100の肩部102の抑え肩部107に乗っている。これにより、例えTEバンド5aが筒部103の周りに回転することがあっても、嵌合部47aがネックリング等の突起105で抑えられているので、TEバンド5aが容器100から抜け出すことはない。
【0054】
カバーキャップ4aは中栓3(3a)及び第二係合部43aを覆った状態でTEバンド5aに嵌合することによって容器100に装着される。このとき、カバーキャップ4aの下端はTEバンド5aの基部49aの受け面37a上に載置し、アンダーカット部23aは基部49aの嵌合用アンダーカット46aと嵌合し、嵌合用舌片57aは抑えバンド54aの嵌合用溝56aに嵌合している。
【0055】
この状態から開封操作が行われる。
まずカバーキャップ4aを容器100周りにねじるように回転させると、その回転は嵌合用舌片57aから抑えバンド54aの嵌合用溝56aを介して抑えバンド54aを回転させる。この回転により基部49aとの間に相対回転変位を生じ、ブリッジ55aが切れ(図10(b))、不可逆的状態変化となり、抑えバンド54aが分離する(図10(c))。
【0056】
次にカバーキャップ4aを外す(図10c、図11b)。次にTEバンド5aを容器100から分離する(図10d、図11c)。この場合にはTEバンド5aの第二解除部44aの連結部45aの不連続部48aを押し開き、基部49aを容器100に対して相対回転させるなどして撓ませて持ち上げ連結部45aを容器100のノズルである筒部103から外し、併せて基部49aを容器100から外す。これによりTEバンド5の全体を容器100から外すことができる。次にプルリング10aを引き上げて、閉鎖部材を切り取る(図10e)。これにより中栓3(3a)の液案内筒12aは開口する(図10f)。次に再び容器100にカバーキャップ4aをかぶせて押し下げる。カバーキャップ4aはその下端部が容器100の抑え肩部107に当接するまで下降して容器装着位置に達するので、容器100に直接嵌着し、栓体33aが中栓3aの注出口13aを閉じる(図10g、図11e)。
【0057】
このように構成された容器キャップ1aでは、カバーキャップ4aを外すためにはTEバンド5aを外さなければならず、そのためには基部49aと抑えバンド54aを連結しているブリッジ55aを切断しなければならないので、この切断をもって不可逆的状態変化である痕跡により不正開封を検知することができる。TEバンド5aは嵌合部47aで容器ノズル103に嵌合しているが、この嵌合部47aはネックリング105等の突起で抑えられているので、嵌合部47aを外すには嵌合部47aを開かなければならず、これを開くためには第二解除部44aの嵌合部47aの不連続部48aを開かなければならない。この不連続部48aの部分を連結し、ミシン目、弱め線を設けて易切り離し部とした場合には、この易切り離し部を切断しなければならないので、カバーキャップを外さない状態ではTEバンドを抜き取ることは不可能である。
【0058】
抑えバンド54aを外さなければ仮にTEバンド5a及び抑えバンド54aが外力による変形によって容器100の嵌合用アンダーカット106から外れても、嵌合部47aは容器100の筒部103の周りを回転するのみで、ネックリング等の突起105から外れることはない。TEバンド内周に内方突起を設け、筒部外面にそれをはめ込む凹部を設けてもよいが、容器側の突起であるネックリングはもともと充填機等において容器100の取り扱いのために必ず設けられるものであるので、これを不正開封防止に利用することによってTEを実現しつつも、容器キャップ1aの構成部材数を増加させたり、設計変更させることはない。
さらに栓体33aが開封後の注出口13aを開閉するので液漏れ防止機能が確実である。
【0059】
図12から図20には第1の実施態様の他の形態に係る容器キャップ1abが示されている。この、他の形態の容器キャップ1abでは中栓3(3b)の閉鎖部材の構成及びそれを開封するための構造が第1の実施態様と異なっていて、かつこれに対応してカバーキャップ4abの内部の構造が異なっている。他の構成は第1の実施態様の容器キャップ1aと同じである。すなわち、図12に示すように、ここでは中栓としてプッシュオープン型(押し切り開口型)の中栓3bが用いられている。
【0060】
中栓3bの中栓天板部6bの中央部には中栓天板部6bを貫通して液案内筒12bが中栓天板部6bと一体に形成され、液案内筒12bの内部には注出口13bを閉じるように横断して薄膜状のスコアー15bを有する閉鎖部材14bが設けられている。閉鎖部材14bは周縁部のスコアー15bを介して液案内筒12bと一体に連結している。閉鎖部材14bの上面からは係止筒16bが立ち上がっている。この係止筒16bは後述するカバーキャップ4abの保持筒32abと連結するためのもので、係止筒16bの内面には係止用アンダーカット17bが内側に突出して設けられている。
プルリングは設けられていない。
【0061】
一方カバーキャップ4abはカバーキャップ天板21abの中央部の内面からは保持筒32abとその外側に栓体33abが同心状になって下方に延長している。保持筒32abは中栓3bの係止筒16bと係合して、閉鎖部材14bを保持するためのもので、保持筒32abの外方向きの面には係止用アンダーカット34abが形成されていて、係止筒16bの係止用アンダーカット17bと係止可能である。栓体33abの下端は押し切り用の先端を持ったカッター35abを構成していて、閉鎖部材14bに液案内筒12bの中心線と一致する相対変位方向19に対向間隔h1を隔てて対向していて、カッター35abが閉鎖部材14bに向かって相対変位方向19に相対変位することによって、閉鎖部材14bに当接し、さらに下降することによってカッター35abはスコアー15bから閉鎖部材14bを押し切ることになる。栓体33abの下端の中空部は切り離した閉鎖部材14bを持つ係止筒16bを収容可能である。カッター35abはカバーキャップ4abと一体であるからカッター35abの変位はカバーキャップ4abを相対変位させることによって生起される。カバーキャップ4abの相対変位は相対変位可能範囲cの始点a及び終点b(図1参照)の間で可能である。相対変位可能範囲cは未開封時の容器上装着位置であるカッター35abが閉鎖部材14bと対向間隔h1を保っている位置である始端(図12の左半部に示されている状態をなす位置)から開封後の容器上装着位置であるカバーキャップ4abが容器100に当接してそれ以上は変位が不可となる終端(図12の右半部に示される状態をなす位置)までであり、この相対変位可能範囲内にはカッター35abが閉鎖部材を開封するカバーキャップ4abの相対位置が含まれる。相対変位可能範囲cとTEバンド5abの基部49abの幅h2との大きさの関係では、c>h2、c<h2及びc≒h2の場合もあるが、図12に示す実施態様の場合は相対変位可能範囲cの大きさは基部49abの幅h2と等しい。また栓体33abの外側に同心状に嵌合案内筒58abが設けられて、カバーキャップ4abを容器100および中栓3bへの案内を容易にする。
【0062】
カッター35abは閉鎖部材14bに前記のように対向間隔h1を隔てて対向している構成の他に、カッター35abは閉鎖部材14bに接触している構成でもよい。
【0063】
このように構成された容器キャップ1abにおける開封操作は次の通りである。
図20に示すように、未開封の状態において、カバーキャップ4abはTEバンド5abによって容器100に装着されている(図20a)。
【0064】
この状態から開封操作が行われる。
TEバンド5abの第一係止部41abの第一解除部42abを解除してカバーキャップ4abを外し(図20b)、次に第二解除部44abを解除してTEバンド5abを外す(図20c)。次に再び容器100にカバーキャップ4abをかぶせて押し下げる。カバーキャップ4abはその下端部が容器100の抑え肩部107に当接する容器装着位置まで下降するので、この間にカッター35abが中栓3bの閉鎖部材14bのスコアー15bを押し抜き、注出口13bを開口させると共に栓体33abが注出口13bを閉じる(図20d)。打ち抜いた閉鎖部材14bは係止筒16bと共にカバーキャップ4abの保持筒32abに保持される。容器100の内容液を注出するときには、カバーキャップ4abを外して注出口13bを開ける。なお、この実施形態では、TEバンド5abに第一の実施形態の操作つまみ59aは設けていないので、直接不連続部48abを手で開けることになる。
【0065】
次に第2の実施形態について説明する。
図21から図29において、1bはこの発明の第2の実施態様に係る容器キャップである。容器キャップ1bは、容器100に装着されて使用されるものである。
容器キャップ1bはカバーキャップ4b及びTEバンド5bとから成っている。
【0066】
カバーキャップ4bはカバーキャップ脚筒22bの下端部の四辺の内側には取り付け用のアンダーカット部23bが内方に突出しており、このアンダーカット部23bが後述するTEバンド5bの肩部の外方に突出する嵌合用アンダーカット46bに嵌合することによってカバーキャップ4bはプッシュオープン型の中栓3bを覆った状態で容器100に未開封時の容器上装着位置で脱着可能に装着する。なおTEバンド5bの肩部の嵌合用アンダーカット46bの直下には受け面37bが設けられている。
【0067】
TEバンド5bは上部の嵌合部47bと下部の基部49bと両者をつなぐ連結部45bとを有する。基部49bの内面には嵌合用アンダーカット46bが内方に突出して形成されている。また基部49bには不連続部48bが設けられている。この不連続部48bは連結部45bの間欠部61bを介して嵌合部47bの不連続部62bと対応している。
【0068】
基部49bの周囲を囲繞して抑えバンド54bが一周して配置されている。抑えバンド54bの上部内面に嵌合用溝63bが形成されており、この嵌合用溝63bのあご66bは受け面37b上に乗っているカバーキャップ4bの下端の嵌合用舌片57bを嵌合させ、この状態でカバーキャップ4bを基部49bと協働して相対変位可能範囲cの始端aに保持する(図1参照)。このときカバーキャップ4bの下端のアンダーカット23bは基部49bの上部の嵌合用アンダーカット46bと嵌合している。抑えバンド54bは連結部分64bにおいて不連続部48bの近傍で基部49bと連結している。またこの不連続部48bの近傍で抑えバンド54bに操作つまみ65bが設けられている。
【0069】
このように構成された容器キャップ1bにおける開封操作は次の通りである。
図29に示すように、未開封の状態において、カバーキャップ4bはTEバンド5bによって容器100に装着されている。
【0070】
カバーキャップ4bは中栓3bを覆った状態でTEバンド5bに嵌合することによって容器100に装着される。このとき、カバーキャップ4bの下端のアンダーカット23bは基部49bの嵌合用アンダーカット46bと嵌合し、嵌合用舌片57bは抑えバンド54bの嵌合用溝56bのあご66bに嵌合している(図29a)。
【0071】
この状態から開封操作が行われる。
まず抑えバンド54bの操作つまみ65bを外側に引くと、嵌合用溝63bのあご66bがはずれて抑えバンド54bがTEバンド5bの基部49bから離れ、これによりカバーキャップ4bに対する係合が解け、カバーキャップ4bは取り外し可能となる。これと同時に、TEバンド5bには不連続部62b、間欠部61b及び不連続部48bが連なって基部49bから嵌合部47bに達する切り離し用の溝が開設され、これによってTEバンド5bは容器100の筒部103から取り外し可能となる。
【0072】
次にカバーキャップ4bを外す(図29b)。次にTEバンド5bを容器100から分離する(図29c)。次に再び容器100にカバーキャップ4bをかぶせて押し下げる。カバーキャップ4bはその下端部が容器100の抑え肩部107に当接するまで下降するので、この間にカッター35bが中栓3bの閉鎖部材14bを打ち抜き、注出口13bを開口させると共に栓体33bが注出口13bを閉じる(図29d)。打ち抜いた閉鎖部材14bは係止筒16bと共にカバーキャップ4bの保持筒32bに保持される。容器100の内容液を注出するときには、カバーキャップ4bをはずして注出口13bを開ける。
【0073】
(第3の実施形態)
図30から図36にはこの発明の第3の実施形態にかかわる容器キャップ1cが示されている。
この容器キャップ1cはカバーキャップ4cの取り外しの操作とTEバンドの取り外しの操作とを互いに別種類の操作とし、そのための構造も別の構造とした点で第2の実施態様の容器キャップ1bと相違している。すなわち、図30において1cは容器キャップである。容器キャップ1cは中栓3b、カバーキャップ4c及びTEバンド5cとから成っている。中栓3bの構造は第2の実施態様に係る容器キャップ1bについて前述した中栓3bと同じ構造である。カバーキャップ4cは前述のカバーキャップ4bとほぼ同じ構造であるが、後述するTEバンド5cの延出する操作つまみ67cと干渉をするのを避けるために、操作つまみ67cを通す切り欠き68cを嵌合案内筒58cに設け、また、カバーキャップ4cの下端の外面に間隙71cを置いてカバーキャップつまみ部72cを設けている点で相違している。
【0074】
すなわちカバーキャップ4cの下端の外面には間隙71cを置いてカバーキャップつまみ部72cが設けられており、カバーキャップつまみ部72cは側端部73cでカバーキャップ4cの脚筒22cの下端外面に固着している。一方、TEバンド5cは上端部の嵌合部47cと下部の基部49cと両者をつなぐ連結部45cとを有する。嵌合部47cは筒部103の外周を一周し突起105の下方で筒部103の外周に嵌合する環状をなしていて、環状の嵌合部47cには易切り離し部74cを設けてある。基部49cは容器100の肩部102の下端の周囲を一周して容器100に嵌着している。連結部45cは嵌合部47cと基部49cを連結する。嵌合部47cの易切り離し部74cの近傍からは前記操作つまみ67cが延出している。
【0075】
基部49cは容器100の肩部102の四角形の下端の周囲を一周する平面四角形の環状をなすが、上部にカバーキャップ4cの下端36cを乗せることができる受け面37cを有し、また下端には容器100の抑え肩部107に乗ることができる底面38cを有する。受け面37cから底面38cまでの相対変位方向の距離h2は、この実施例の場合はカバーキャップ4cの相対変位可能範囲cを構成する。基部49cの上端には嵌合用アンダーカット46cが外方に突出して形成されている。
【0076】
TEバンド5cの基部49cの上方には鎖錠突起75cが立ち上がっていて、鎖錠突起75cの上部外面からは鎖錠係止突起76cが外方に突出している。
このように構成された容器キャップ1cにおける開封操作は次の通りである。
【0077】
TEバンド5cは押し込みによって容器100に装着され、このときTEバンド5cの嵌合部47cは突起105の下方で筒部103に嵌合し、基部49cは対容器嵌合用アンダーカット53cで容器100の嵌合用アンダーカット106と係合して底面38cは容器100の抑え肩部107に乗っている。これにより例えTEバンド5cが筒部103の周りに回転することがあっても、嵌合部47cが突起105で抑えられているので、TEバンド5cが容器100から抜け出すことはない。
【0078】
カバーキャップ4cは中栓3bを覆った状態で TEバンド5cに嵌着することによって容器100に装着される。このときカバーキャップ4cの下端はTEバンド5cの基部49cの受け面37c上に載置し、アンダーカット23cは基部49cの嵌合用アンダーカット46cに嵌合している。かつこのとき、TEバンド5cの鎖錠突起75cはカバーキャップ4cの間隙71cに差し込まれていて、鎖錠係止突起76cがカバーキャップつまみ部72cの上端に係止して拘束保持されている。
【0079】
この状態から開封操作が行われる。図36aに示すように、カバーキャップ4cが拘束保持された状態からカバーキャップつまみ部72cを手前に引いて切り取ってTEバンド5cの鎖錠突起75cを解放する。次にカバーキャップ4cをTEバンド5cから分離する(図36b)。次にTEバンド5cの操作つまみ67cを持ち、易切り離し部74cを切り、嵌合部47cを開いて容器ノズルである筒部103から分離する(図36c)。次にカバーキャップ4cを押し込み、スコアー15bを打ち抜く。中栓3bの閉鎖部材14bはカバーキャップ4cの保持筒32cに保持される(図36d)。
最後にカバーキャップ4cを外して使用開始する。
【0080】
このように構成された容器キャップ1cでは、カバーキャップ4cを不正に外すとカバーキャップのつまみ部72cに痕跡が残るので、不正開封を検知することができる。また、この容器キャップ1cではカバーキャップ4cを不正に持ち上げてもTEバンド5cが突起105に引っ掛かり、カバーキャップ4cがTEバンド5cごとは抜けることはないので不正開封を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】容器キャップの縦断面図。
【図2】容器キャップの平面図。
【図3】容器キャップの正面図。
【図4】容器キャップの底面図。
【図5】TEバンドの平面図。
【図6】TEバンドの底面図。
【図7】図5におけるA−A断面図。
【図8】図5におけるB−B断面図。
【図9】容器キャップの開封後、再封止した状態を示す断面図。
【図10】容器キャップの開封手順を示す斜視説明図。
【図11】容器キャップの開封手順を示す断面説明図。
【図12】容器キャップの縦断面図。
【図13】容器キャップの平面図。
【図14】容器キャップの正面図。
【図15】容器キャップの底面図。
【図16】TEバンドの平面図。
【図17】TEバンドの底面図。
【図18】図16におけるA−A断面図。
【図19】図16におけるB−B断面図。
【図20】容器キャップの開封手順を示す断面説明図。
【図21】容器キャップの縦断面図。
【図22】容器キャップの底面図。
【図23】容器キャップの平面図。
【図24】容器キャップの正面図。
【図25】TEバンドの平面図。
【図26】TEバンドの底面図。
【図27】図25におけるA−A断面図。
【図28】図25におけるB−B断面図。
【図29】容器キャップの開封手順を示す断面説明図。
【図30】容器キャップの縦断面図。
【図31】容器キャップの平面図。
【図32】容器キャップの正面図。
【図33】容器キャップの底面図。
【図34】TEバンドの底面図。
【図35】TEバンドの縦断面図。
【図36】容器キャップの開封手順を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0082】
1a、1ab、1b、1c 容器キャップ
3、3a、3b 中栓
4a、4ab、4b、4c カバーキャップ
5a、5ab、5b、5c TEバンド
6b 中栓天板
7a 脚筒
8a アンダーカット部(中栓)
10a プルリング
12a、12b 液案内筒
13a、13b 注出口
14a、14b 閉鎖部材
15a、15b スコアー
16b 係止筒
17b 係止用アンダーカット
19 相対変位方向
21a、21ab カバーキャップ天板
22a、22b、22c カバーキャップ脚筒
23a、23b アンダーカット
32ab、32c 保持筒
33a、33ab 栓体
34ab 係止用アンダーカット
35ab カッター
36a、36c 下端
37a、37b、37c 受け面
38a、38c 底面
41a、41ab 第一係止部
42a、42ab 第一解除部
43a、43ab 第二係止部
44a、44ab 第二解除部
45a、45b、45c 連結部
46a、46b、46c 嵌合用アンダーカット
47a、47b、47c 嵌合部
48、48ab、48b 不連続部
49a、49b、49c 基部
51a 連結材
52a 受け環
53a、53b、53c 対容器アンダーカット
54a、54b 抑えバンド
55a ブリッジ
56a 嵌合用溝
57a、57b 嵌合用舌片
58ab、58c 嵌合案内筒
59a 操作つまみ
61b 間欠部
62b 不連続部(嵌合部47b)
63b 嵌合用溝
64b 連結部分
65b 操作つまみ
66b あご
67c 操作つまみ
68c 切り欠き
71c 間隙
72c カバーキャップつまみ部
73c 側端部
74c 易切り離し部
75c 鎖錠突起
76c 鎖錠係止突起
100 容器
101 容器胴部
102 肩部
103 筒部
104 注口
105 突起
106 嵌合用アンダーカット
107 抑え肩部
109 アンダーカット(筒部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部を有する容器の口部を覆いまたは開閉するためのカバーキャップと前記容器に係止して前記カバーキャップを拘束保持するTEバンドとを有する容器キャップにおいて、
前記TEバンドは、前記容器に係止しかつ前記カバーキャップを係止して前記カバーキャップを拘束保持する第一係止部と前記第一係止部の係止を解く第一解除部とを有し、かつ、前記容器の筒部に係止する第二係止部と前記第二係止部の係止を解く第二解除部とを有し
前記カバーキャップが前記TEバンドに拘束保持された状態においては前記第二解除部が前記カバーキャップに覆われていることを特徴とする容器キャップ。
【請求項2】
前記容器の前記筒部には外方に突出する突起を有し、前記第二係合部は前記TEバンドが前記筒部に嵌合しかつ前記突起との掛りにより係止されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の容器キャップ。
【請求項3】
前記第一解除部が易切り離し部で構成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項4】
前記TEバンド上の前記第一解除部またはその近傍に操作つまみが設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項5】
前記第二解除部が不連続部または前記不連続部を形成するための易切り離し部で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項6】
前記TEバンド上の前記第二解除部を構成する不連続部または易切り離し部を形成する部分またはその近傍に操作つまみが付されていることを特徴とする請求項5に記載の容器キャップ。
【請求項7】
前記突起が前記筒部の周状フランジであり、前記第二係止部が前記周状フランジに掛る状態で前記筒部に係止することを特徴とする請求項2から6のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項8】
前記筒部が略円筒形状であり、前記第二係止部が前記筒部に係止することを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項9】
略円筒形状を有する前記筒部が容器のノズル部であることを特徴とする請求項8に記載の容器キャップ。
【請求項10】
前記周状フランジが容器のネックリングであることを特徴とする請求項7に記載の容器キャップ。
【請求項11】
前記TEバンドの前記カバーキャップと前記容器とに係止される部分が平面略四角形状であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項12】
前記カバーキャップとは別体をなしていて前記筒部に固定されて注出口と前記注出口を閉じる閉鎖部材とを有する中栓を有し、前記閉鎖部材にはプルリングが付設されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項13】
前記カバーキャップとは別体をなしていて前記筒部に固定されて注出口と前記注出口を閉じる閉鎖部材とを有する中栓を有し、前記カバーキャップは下端が前記閉鎖部材と筒部の中心線方向に接触してまたは対向間隔をおいて対向して配置されているカッターを有し、
前記カバーキャップは前記拘束保持される拘束保持位置を始端とし前記TEバンドが前記第一解除部及び前記第二解除部の作用により前記容器から外れた状態において前記カバーキャップが前記容器に直接に装着可能な容器装着位置を終端としかつ前記カッターが前記閉鎖部材を開封する相対位置を含む筒部の中心線方向の相対変位可能範囲の前記始端から前記終端まで変位可能であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項14】
前記カバーキャップは天板から立ち下がっている栓体を有し、前記栓体は前記閉鎖部材を開封するカッターを構成していることを特徴とする請求項13に記載の容器キャップ。
【請求項15】
前記カバーキャップの前記栓体の下端は中空筒状をなしていて開封により切り離した閉鎖部材を収容して保持することが可能であることを特徴とする請求項14に記載の容器キャップ。
【請求項16】
前記対向間隔の大きさは前記相対変位可能範囲よりも小さいことを特徴とする請求項13から15のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項17】
前記カバーキャップは天板から立ち下がっている栓体を有し、前記栓体は前記カバーキャップの前記筒部の中心線方向の相対変位によって開口後の前記注出口に抜き差しされて前記注出口を開閉するように構成されたことを特徴とする請求項12から16のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項18】
前記TEバンドは下端部近傍に前記容器を一周するTEバンド基部と前記TEバンド基部と協働して前記カバーキャップを拘束保持する前記第一係止部の構成部分である抑えバンドとを有しかつ上端部近傍に前記筒部に嵌止して前記突起により前記筒部からの抜け出しを抑制される前記第二係止部の構成部分である嵌止用環と前記TEバンド基部と前記嵌止用環とを連結する連結部とを有し、
前記カバーキャップは前記筒部に嵌止した前記嵌止用環を覆い得る内部空間を有し、TE作用が可能な前記拘束保持位置と前記容器装着位置との容器上の2位置のうちの前記拘束保持位置ではTEバンドに保持されて容器に装着可能であり、前記容器装着位置では容器に直接に装着可能であり、
前記TEバンドの前記第一解除部を操作して第一係止部に永久変形または破断などの不可逆的状態変化を加えることによって前記TEバンドによる前記カバーキャップの拘束保持を解除することが可能であり、前記TEバンドの前記第二解除部を操作して前記TEバンドを前記筒部から離脱させることが可能であることを特徴とする請求項2から17のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項19】
前記TEバンドの第一解除部は前記抑えバンド上に設けられた不連続部、易切り離し部、抑えバンドをTEバンド基部に切り離し可能に連結するブリッジその他の永久変形または破断などの不可逆的状態変化が可能な可状態変化部を備えたことを特徴とする請求項18に記載の容器キャップ。
【請求項20】
前記TEバンド上の不連続部、易切り離し部若しくは前記可状態変化部またはその近傍に設けられた操作つまみを備えていることを特徴とする請求項19に記載の容器キャップ。
【請求項21】
前記TEバンドの前記第二解除部は前記嵌止用環に一周する環の一部分を不連続にする不連続部、前記不連続部を形成するための易切り離し部で構成され、または前記嵌止用環に前記第一解除部の作用によって拘束保持を解除された前記カバーキャップを取り去った後に前記筒部上の前記突起から抜け出すことができるように変形可能にした変形可能構造部によって構成したことを特徴とする請求項1から20のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項22】
前記嵌止用環の前記不連続部、前記易切り離し部若しくは前記変形可能構造部またはその近傍に操作つまみを設けたことを特徴とする請求項21に記載の容器キャップ。
【請求項23】
前記第一解除部の作用は前記カバーキャップを前記容器に対して回転変位させることにより行うことを特徴とする請求項1から22のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項24】
前記カバーキャップは下端部から外方に嵌合用舌片が突出して有しており、TEバンドは前記第一係止部の構成部分である前記容器を一周するTEバンド基部と前記抑えバンドが上下に隣り合ってかつ同心状に配置されており、前記TEバンド基部と前記抑えバンドは前記容器回りの相対回転変位により切り離し可能な前記第一解除部であるブリッジで連結されており、前記カバーキャップは前記嵌合用舌片が前記抑えバンドに係合した状態で前記TEバンド基部と前記抑えバンドとの間に挿入された状態で前記TEバンドに拘束保持されており、前記カバーキャップをノズル部の中心線の回りに相対回転変位させるとき前記抑えバンドが随伴して回転変位して前記ブリッジを切断して前記不可逆的な状態変化を形成して前記第一係止部が解除されるように構成した請求項1から23のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項25】
前記TEバンド基部には、嵌着している前記容器と係合して前記容器に対する前記ノズルの中心線回りの相対回転変位を抑制する供回り抑制部が形成されていることを特徴とする請求項23から24のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項26】
前記供回り抑制部は前記TEバンド基部の内面に形成されて嵌着している前記容器の隅角部に係合するリブまたは嵌着している前記容器の側面に係合するアンダーカットであることを特徴とする請求項23から25のいずれか1に記載の容器キャップ。
【請求項27】
前記容器の周囲を連続して一周する前記TEバンド基部と前記抑えバンドとが協働してカバーキャップの下端部一周を挟んで前記カバーキャップを拘束保持する第一の係止部を構成し、前記抑えバンドに一周の連続を断つ不連続部を形成可能な前記第一解除部を設けていることを特徴とする請求項18から22のいずれか1記載の容器キャップ。
【請求項28】
前記容器の周囲を連続して一周する前記TEバンド基部と前記抑えバンドとの間にカバーキャップの下端部一周を挟んでかつ周上の複数個所でカバーキャップとTEバンド基部とをアンダーカットによって嵌合させ、前記カバーキャップ上に設けられた係合枠に弾性変形して係合して前記カバーキャップの外側で前記カバーキャップの前記アンダーカット嵌合からの抜け出しを拘束する抜け出し防止係合部を前記抑えバンド上に構成した前記第一係止部を構成し、前記係合枠を破断して前記カバーキャップの拘束保持を解除するように第二解除部を構成したことを特徴とする請求項18から22のいずれか1記載の容器キャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−264711(P2006−264711A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82959(P2005−82959)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】