説明

容器システム、装置、方法およびプログラム

【課題】既存の設備を利用しつつ、水害による容器の移動を防止する容器システム、装置、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】容器システムが、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段と、水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段と、高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、読み出した容器記憶データである容器底レベルと高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段と、比較手段の結果が、容器底レベルが水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は災害防止設備に係り、特に水害の高水位による容器の移動防止の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、石油、灯油、軽油、重油、ガソリンなどは、備蓄または石油精製の工場で用いる目的のために、石油などを入れるタンクなどの容器を海岸付近の地上に設置し、設置した容器(貯槽容器)に石油などが入れられて貯蔵されている。
このような石油などを貯蔵するための容器を設置するための設備には、地震動に対する設計、施工、運転が成されている。
しかしながら、洪水や津波などの水害が発生した場合には、容器自体が軽いため、容器の中に貯蔵する石油などが少なく、空隙の大きい容器は、水害のために浮いてしまうことや流されることにより、設置されていた位置とは異なる位置に移動してしまうという問題があった。
【0003】
このような水害においては、容器が水害により移動してしまうことにより、容器と接続されている配管などの設備が破壊されるという問題や、当該移動してしまう容器が配管や他の容器などの設備と衝突し、当該容器自体や、配管や他の容器などの設備が破壊されるという問題がある。
また、移動してしまう容器自体や、配管や他の容器などの設備が破壊されることにより、貯蔵している石油などの内容物が流出するという問題もある。更に、流出した内容物が、ガソリンなどのように可燃性のものである場合には、火災の原因になる場合もある。また、内容物の流出により、環境汚染になる場合もある。
特に、石油などを貯蔵する目的として容器が設置される場所は、内容物の輸送を容易にするために、海岸付近である場合が多いため、津波が発生した場合、その津波の影響を容器が受けやすいという問題があった。
【0004】
一方、容器が基礎に拘束されるタイプの容器も存在するが、これは地震動に対して容器が設置場所からのずれを防止することを目的としているため、水害における容器の移動を防止するには不十分であった。
これに対して、容器が洪水や津波による洪水によって移動しないようにするための十分な拘束を与える設備にすることは不経済であり、既設の容器にそのような改造を施すことも困難である。
また、十分な拘束を与える設備を設置し容器が移動しないようにした場合、水害により発生した水の水位が高くなり、容器が水と接するようになると、容器が水圧のために圧壊する恐れがある。しかし、容器を水圧に耐え得る構造にすることや、既存の容器に水圧に耐え得る構造に改造することは、新たな作業工程が発生し、その負担は大きい。
【0005】
また、防波堤を設置することにより、津波が容器に到達することを防止する方法もあるが、津波に対して十分な防波堤が、容器が設置された全ての場所や国において、設置されているとは限らない。
また、防波堤を新たに設置するためには、膨大な費用と期間を要する。
【0006】
一方、水害などの災害における被害を少なくする技術として、津波などの防災について災害を減少させるため減防災システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この減防災システムにおいては、水害時において、水害に応じて災害を減少させる処置を実行する技術が開示されている。
また、津波や高潮のときに、水門や陸閘などの門を、門付近に船舶や人や物などの異物が無いことを確認した後、閉める閉門システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−258975号広報
【特許文献2】特開2003−278122号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す減防災システムにあっては、水害時において、水害に応じて何らかの処置を実行する技術が開示されているものの、具体的に何かの処置をするという点、また、具体的な防減災設備・機器の具体的な様態や手段の記載が無く、これらについて何ら開示されていない。そのため、水害時において、例えば、上記に説明した容器に対する問題を何ら解決することが出来ないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に示す閉門システムにあっては、例えば、既に防波堤と門とがあれば、門を閉めることにより、津波などの水害を防止することが可能であるが、防波堤も門も無いような場合においては、上記に説明した容器に対する問題について、何ら解決することが出来ないという問題がある。
また、特許文献2に示す閉門システムにあっては、新たに防波堤や門を新たに設置するためには、膨大な費用を要するという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、既存の設備を利用しつつ、水害による容器の移動を防止する容器システム、装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段と、水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段と、前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段と、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段と、を有することを特徴とする容器システムである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記対応処置選択手段が、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さ以上である場合に、内容物の量を移送してもよいことを示す情報を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の容器システムである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記対応処置選択手段が、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合には、前記容器を内容物の量が不足している不足容器として検出し、前記水位情報の高さから前記容器底レベルを引いた高さを不足量として算出し、前記検出した不足容器を識別する情報と前記算出した不足量の情報とを不足情報として出力し、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さ以上である場合には、前記容器を内容物の量を移送してもよい移送可能容器として検出し、前記容器底レベルから前記水位情報の高さを引いた高さを移送可能量として算出し、前記検出した移送可能容器を識別する情報と前記算出した移送可能量の情報とを移送可能情報として出力する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器システムである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記容器記憶データが、前記容器底レベルと関連付けられて容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重を含み、前記比較手段が、前記読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて、前記読み出した容器記憶データに含まれる容器底レベルと前記入力された水位情報の高さとを比較する、ことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の容器システムである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記対応処置選択手段が、前記読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて前記不足量および前記移送可能量を算出する、ことを特徴とする請求項4に記載の容器システムである。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記対応処置選択手段が、前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少ない場合には、前記移送可能容器から前記不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、ことを有することを特徴とする請求項3から請求項5の容器システムである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、容器を保護する優先順位が記憶される優先順位記憶手段を有し、前記対応処置選択手段が、前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少なくない場合には、前記優先順位記憶手段から容器の優先順位を読み出し、前記不足容器の中から前記読み出した容器の優先順位に基づいて不足容器を選択し、前記移送可能容器から前記選択した不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、ことを特徴とする請求項3から6に記載の容器システムである。
【0017】
請求項8に記載の発明は、混合できる物質の組み合わせの情報が記憶される混合情報記憶手段を有し、前記対応処置選択手段が、前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少なくない場合には、前記混合情報記憶手段から混合できる物質の組み合わせの情報を読み出し、前記読み出した混合できる物質の組み合わせの情報と前記容器記憶データの容器の内容物の情報とに基づいて、前記不足容器の中から混合する前記不足容器を選択し、前記移送可能容器の中から混合する前記移送可能容器を選択し、前記選択した混合する移送可能容器から前記選択した混合する不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、ことを特徴とする請求項3から7に記載の容器システムである。
【0018】
請求項9に記載の発明は、容器間の移送経路と移送能力とが関連付けられて記憶される移送情報記憶手段を有し、前記対応処置選択手段が、前記水位情報の水位に到達するまでの到達時間が入力され、前記生成した移送処理情報に含まれている前記不足容器と前記移送可能容器とに基づいて移送経路と移送能力とを前記移送情報記憶手段から読み出し、前記生成した移送処理情報に含まれている前記不足量または前記移送可能量と前記読み出した移送能力と前記入力された到達時間とに基づいて、前記入力された到達時間までに移送が完了するか否かを検出し、前記検出結果に基づいて前記生成された移送処理情報を出力する、ことを特徴とする請求項3から請求項8に記載の容器システムである。
【0019】
請求項10に記載の発明は、表示装置を有する対応装置表示手段、を有し、前記対応処置選択手段が、前記対応装置表示手段に出力する、ことを特徴とする請求項1から9に記載の容器システムである。
【0020】
請求項11に記載の発明は、前記対応装置表示手段が表示した移送処理情報の移送処理の中から移送処理が選択され、前記選択された移送処理に基づいて移送処理を実行する、または、前記移送処理情報を前記対応処置選択手段から入力され、前記入力された移送処理情報に基づいて移送処理を実行する、高水位対応処置実行手段、を有することを特徴とする請求項6から10に記載の容器システムである。
【0021】
請求項12に記載の発明は、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段と、前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段と、前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段と、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段と、を有することを特徴とする容器装置である。
【0022】
請求項13に記載の発明は、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データを記憶し、前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付け、前記水位情報が入力されたことに応じて、前記容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較し、前記比較した結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、ことを特徴とする方法である。
【0023】
請求項14に記載の発明は、コンピュータに、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段、前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段、前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段、前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、水位情報が入力されたことに応じて、内容物の量が不足している容器と不足量とが検出され表示装置に表示され、操作者が表示に基づいて、内容物の量が不足している容器に内容物を移送することにより、既存の設備を利用しつつ、水害による容器の移動を防止することが出来るという効果を奏する。
【0025】
また、この発明によれば、災害が発生した場合に、その災害の状況にあわせた対応可能な候補を表示することができ、これにより、システムの管理者は、表示された候補に基づいて瞬時に取りうる処置を決定することが可能となり、災害が発生した緊急時においても、すばやく対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、本装置が対象とする施設について説明する。
本発明において、容器とは、内容物を収容可能であり、円筒形の形状の容器が地上に垂直または水平に設置されたものである。容器の形状は、円筒形に限られるものではなく、球や直方体であってもよい。また、この容器には、石油やガソリンなどの液体、または、ガスなどの気体や、穀物などの粉体が貯蔵される。
容器と容器とは、パイプで接続されており、接続されるパイプを介して容器間で内容物が移送可能となっている。このパイプにはバルブが設けられており、バルブを開閉することにより、パイプを介して内容物を容器間で移送することや移送を止めることが可能である。また、容器またはパイプにはポンプが設置されており、ポンプを駆動することにより内容物を移送することも可能である。なお、パイプの経路が長い場合には、複数のパイプおよびバルブとポンプを経由して、内容物を移送することも可能である。
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の機能ブロック図である。ここでは、容器には、石油やガソリンなどの液体が貯蔵されているものとして説明する。また、容器、パイプ、バルブおよびポンプには、それぞれを識別するための識別番号が付けられているものとして説明する。
【0028】
高水位情報入力装置2は、公的機関による高水位情報を通信網、特殊な通信システムなどを介して取得し、取得した高水位情報を後述の対応処置選択装置1に入力する。ここで、高水位情報とは、水害により増加する水位の高さの情報である水位情報と、水害が到達するまでの時間である到達時間の情報とである。
【0029】
容器内容物状態監視装置3は、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルを全ての容器について随時または一定時間毎に監視しており、監視する度に、後述の容器情報記憶装置DB1に記憶されている容器底レベルを更新する。
なお、容器底レベルは、容器に内容物が入っていない場合には、その値が0となる。また、容器の底面が水平面ではなく凹凸がある面である場合には、容器底レベルは、凹凸のある容器の底面における所定の位置を基準として測定された容器の内容物の水平面の高さである。
【0030】
対応処置表示装置4は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等である表示装置に、後述の対応処置選択装置1からの情報を表示する。
対応処置実行対応処置実行開始入力装置5は、入力装置を有しており、この入力装置に対し操作者によって入力された情報を、後述の高水位対応処置実行装置6に出力する。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。
【0031】
高水位対応処置実行装置6は、後述の応処置選択装置1から対応処置を入力され、入力された対応処置に基づいて、容器の内容物の移送を実行する。例えば、高水位対応処置実行装置6は、内容量Lの分だけポンプKを駆動させることによって、容器Aから容器Bへ内容物を移送する。
【0032】
容器情報記憶装置DB1には、容器寸法、容器の重量、容器の内容物、容器の内容物の比重、容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報が、容器記憶データとして、容器毎に関連付けられて記憶されている。
容器寸法とは、容器の内側の底面積、容器の外側の底面積、容器の高さ、などの容器の情報である。また、容器寸法には、容器を支える支持装置により容器が地面から高い場所にある場合には、地面から容器までの高さの情報が含まれていても良い。
【0033】
移送情報記憶装置DB2には、容器間の移送経路と移送能力とが関連付けられて、移送記憶データとして、記憶されている。移送経路とは、移送元となる容器と、移送先となる容器とを指定した場合に、経路となるパイプを特定する情報である。移送能力とは、例えば、その経路となるパイプが内容物を移送する単位時間あたりの移送可能な量である。
【0034】
優先順位記憶装置DB3には、容器を保護する優先順位が、優先順位記憶データとして、記憶されている。この優先順位は、例えば、重要な場所に配置されている容器や、内容物が重要な物質が貯蔵されている容器が、優先順位が高くなるように定められている。
重要な場所に配置されている容器とは、その容器が設置されている場所から移動してしまうと、その容器に接続されているパイプなどの施設に破損が発生し、また、他の容器や施設を損傷してしまうような容器である。また、内容物が重要な物質が貯蔵されている容器とは、その内容物が容器の破損により漏れてしまうと、被害が拡大する容器である。
【0035】
混合情報記憶装置DB4には、混合する際の物質の組み合わせの情報が、混合記憶データとして、記憶されている。
リスク情報記憶装置DB5には、選択肢の危険度であるリスクを算出するための選択処理リスクと重みテーブルとが、リスク記憶データとして、記憶されている。選択処理リスクとは、優先順位に基づいて選択しなかった容器に対するリスクの情報、異なる種類の内容物を混合することによるリスクの情報、時間内にできるか否かによるリスクの情報である。リスクの情報とは、例えば、危険でない場合にはリスクの数値が0であり、危険である場合にはリスクの数値が10であり、それぞれの危険度に応じて値が決められている。重みテーブルとは、それぞれのリスクを合計するときに、それぞれに乗じる重みであり、リスクと重みを乗じた値を加算したものが、リスクとなる。
【0036】
有効情報処理内容記憶装置DB11には、高水位情報入力装置2から入力された水位情報または到達時間が有効な情報で無い場合の処置の内容である記憶データが、記憶されている。例えば、有効情報処理内容記憶装置DB11には、操作者が入力する処置の内容である記憶データの処理が記憶されている。
数値情報処理内容記憶装置DB12には、高水位情報入力装置2から入力された水位情報または到達時間が数値でない情報である場合の処置の内容である記憶データが、記憶されている。例えば、数値情報処理内容記憶装置DB12には、高い等の抽象的な情報を、数値情報に変換する処置の内容である記憶データが、記憶されている。
【0037】
対応処置選択装置1は、図1に図示しない比較装置を有しており、この比較装置は、高水位情報入力装置2から水位情報が入力されたことに応じて、容器情報記憶装置DB1から容器記憶データを読み出し、読み出した容器記憶データである容器底レベルと高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較する機能を有する。
対応処置選択装置1は、比較装置の結果が、容器底レベルが水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する機能を有する。
【0038】
また、対応処置選択装置1は、比較装置の結果が、容器底レベルが水位情報の高さ以上である場合に、内容物の量が移送可能であることを示す情報を出力する機能を有する。
【0039】
また、対応処置選択装置1は、比較装置の結果が、容器底レベルが水位情報の高さより低い場合には、容器を内容物の量が不足している不足容器として検出し、水位情報の高さから容器底レベルを引いた高さを不足量として算出し、検出した不足容器を識別する情報と算出した不足量の情報とを不足情報として出力し、比較装置の結果が、容器底レベルが水位情報の高さ以上である場合には、容器を内容物の量を移送してもよい移送可能容器として検出し、容器底レベルから水位情報の高さを引いた高さを移送可能量として算出し、検出した移送可能容器を識別する情報と算出した移送可能量の情報とを移送可能情報として出力する機能を有する。
【0040】
また、対応処置選択装置1の比較装置は、読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて、読み出した容器記憶データに含まれる容器底レベルと入力された水位情報の高さとを比較する機能を有する。
例えば、後述するように、対応処置選択装置1の比較装置は、読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて、読み出した容器記憶データに含まれる容器底レベルと入力された水位情報の高さとから、容器全体の重量と増加した水位による浮力とを算出し、算出した容器全体の重量と増加した水位による浮力とを比較する。
【0041】
また、対応処置選択装置1は、読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて不足量および移送可能量を算出する、機能を有する。
【0042】
また、対応処置選択装置1は、不足量が移送可能量より少ないか否かを検出し、不足量が移送可能量より少ない場合には、移送可能容器から不足容器へ不足量または移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、生成した移送処理情報を出力する、機能を有する。
例えば、対応処置選択装置1は、不足量が移送可能量より少ないか否かを検出し、不足量が移送可能量より少ない場合は、更に、不足量と移送可能量とを比較し、不足量が移送可能量以下である場合には、不足量を移送可能容器から不足容器へ移送する移送処理情報を生成し、一方、不足量が移送可能量より多い場合には、移送可能量を移送可能容器から不足容器へ移送する移送処理情報を生成する。
なお、対応処置選択装置1は、例えば、不足容器と移送可能容器とが複数ある場合には、移送可能量が最も多い移送可能容器から、不足量が最も多い不足容器へ、順に移送するようにしてもよい。
【0043】
また、対応処置選択装置1は、不足量が移送可能量より少ないか否かを検出し、不足量が移送可能量より少なくない場合(以上の場合)には、優先順位記憶装置DB3から容器の優先順位を読み出し、不足容器の中から読み出した容器の優先順位に基づいて不足容器を選択し、移送可能容器から選択した不足容器へ不足量または移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、生成した移送処理情報を出力する、機能を有する。
【0044】
また、対応処置選択装置1は、不足量が移送可能量より少ないか否かを検出し、不足量が移送可能量より少なくない場合(以上の場合)には、混合情報記憶装置DB4から混合できる物質の組み合わせの情報を読み出し、読み出した混合できる物質の組み合わせの情報と容器記憶データの容器の内容物の情報とに基づいて、不足容器の中から混合する不足容器を選択し、移送可能容器の中から混合する移送可能容器を選択し、選択した混合する移送可能容器から選択した混合する不足容器へ、不足量または移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、生成した移送処理情報を出力する機能を有する。
【0045】
また、対応処置選択装置1は、水位情報の水位に到達するまでの到達時間が入力され、生成した移送処理情報に含まれている不足容器と移送可能容器とに基づいて移送経路と移送能力とを移送情報記憶装置DB2から読み出し、生成した移送処理情報に含まれている不足量または移送可能量と読み出した移送能力と入力された到達時間とに基づいて、入力された到達時間までに移送が完了するか否かを検出し、検出結果に基づいて生成された移送処理情報を出力する、機能を有する。
例えば、対応処置選択装置1は、移送量である不足量または移送可能量と移送能力と到達時間とに基づいて、移送能力と到達時間とを乗算した量である移送能力量を算出し、算出した移送能力量と移送する量とを比較し、移送能力量が移送量以上である場合には、入力された到達時間までに移送が完了すると検出し、一方、移送能力量が移送量以上でない場合(未満の場合)には、入力された到達時間までに移送が完了しないと検出する。
【0046】
対応処置表示装置4は、不足情報、移送可能情報または移送処理情報が対応処置選択装置1から入力され、入力された不足情報、移送可能情報または移送処理情報を表示する。
【0047】
高水位対応処置実行装置6は、対応処置表示装置4が表示した移送処理情報の移送処理の中から移送処理が対応処置実行対応処置実行開始入力装置5を介して操作者により選択され、選択された移送処理に対応する移送処理を実行する。
また、高水位対応処置実行装置6は、移送処理情報を対応処置選択装置1から入力され、入力された移送処理情報に基づいて移送処理を実行する。
【0048】
また、本実施の形態においては、容器と海、池または川とが、パイプおよびポンプを介して接続し、容器に海、池または川の水を注入することが出来るようにされていてもよい。また、災害時のための専用の容器を設け、災害時のための専用の容器に、水や石や砂利、砂を貯蔵し、他の容器に移送するようにしてもよい。
【0049】
容器と海、池または川とが、パイプおよびポンプを介して、接続されているため、容器情報記憶装置DB1、移送情報記憶装置DB2、優先順位記憶装置DB3、混合情報記憶装置DB4およびリスク情報記憶装置DB5の記憶装置には、容器内の内容物に関する情報のみでなく、海水や池にある海水や水の情報、また、そこから海水や水をくみ上げる移送経路と移送能力や、リスクに関する情報も記憶されている。
海水や池にある海水や水に関する情報が記憶装置に記憶されているために、対応処置選択装置1は、容器間での内容物の移送だけでは対処が不可能な場合においても、海水や池にある海水や水を用いることにより、容器の移動を防止することが可能となる。
【0050】
次に図2から図4を用いて、対応処置選択装置1の動作について説明する。
まず、対応処置選択装置1は、高水位情報入力装置2からの高水位情報の入力を待機している(ステップS201)。高水位情報は、予測水位H(水位情報)と予測水位に到達するまでの時間T(到達時間)であり、ここでは、予測水位Hとしてhメートル、時間Tとしてt時間として入力されるものとして説明する。
【0051】
対応処置選択装置1は、高水位情報入力装置2から高水位情報が入力されたことに応じて、入力された高水位情報の予測水位hと時間tとが、情報を含んでいるか否かの検出を実行する(ステップS202)。ここで、高水位情報として、数値だけでなく、高い、中程度または低い等の抽象的な情報でも、判断に利用できる情報を含んでいるとして、検出する。
【0052】
対応処置選択装置1は、ステップS202の検出結果が、入力された高水位情報の予測水位hと時間tとが情報を含んでいる場合には、高水位情報を表示し(ステップS203)、予測水位hおよび時間tが数値を含んでいるか否かの検出を実行する(ステップS204)。
そして、ステップS204の検出結果が、予測水位hおよび時間tが数値を含んでいる場合には、予測水位hおよび時間tを表示し(ステップS205)、後述の処理(A1)を実行する。
【0053】
ステップS202の検出結果が、入力された高水位情報の予測水位hと時間tとが情報を含んでいない場合には、操作者に選択し得る処置をとる(以降、実行可能処置)か、または、予測水位hおよび時間tの有効な情報を待つ(以降、情報待機)か、の判断を仰ぐ処理を実行する(ステップS210)。
具体的には、対応処置選択装置1が、有効な情報が無い場合の処置を、有効情報処理内容記憶装置DB11の記憶データから取得し(ステップS211)、取得した有効な情報が無い場合の処置である実行可能処置と情報待機との選択肢を表示し(ステップS212)、操作者が表示された選択肢である実行可能処置と情報待機とから選択する。
【0054】
ステップS210で、情報待機の選択の指示が入力された場合には(ステップS213)、ステップS201からの処理を繰り返す。
一方、ステップS210で、実行可能処置の選択の指示が入力された場合には(ステップS214)、予測水位hおよび時間tの有効な情報が無い場合の予め決められた処置のうち、選択された処置を実行する(ステップS215)。
具体的には、有効な情報が無い場合の予め決められた処置を、有効情報処理内容記憶装置DB11の記憶データから取得し(ステップS216)、取得した処置を表示し(ステップS217)、操作者が表示された処置から選択する。対応処置選択装置1は、操作者によって選択の指示が入力されると、選択された処置を実行する。
次に、操作者からの入力が、新しい情報の待機の選択である場合(ステップS218)には、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0055】
ステップS204の検出結果が、予測水位hおよび時間tが数値を含んでいない場合には、操作者に選択し得る処置(実行可能処置)をとるか、または、予測水位hおよび時間tの数値情報を待つか(以降、数値情報待機)の、判断を入力させるための処理を実行する(ステップS221)。具体的には、数値処置が無い場合の処置を、数値情報処理内容記憶装置DB12の記憶データから取得し(ステップS222)、取得した数値処置が無い場合の処置である実行可能処置または数値情報待機の選択肢を表示し(ステップS223)、操作者が表示された実行可能処置または数値情報待機から選択を入力する。
【0056】
ステップS221において、数値情報待機の選択の指示が入力された場合には(ステップS224)、ステップS201からの処理を繰り返す。
一方、ステップS221において、数値情報待機の選択の指示が入力された場合には(ステップS225)、予測水位hおよび時間tの有効な情報が無い場合の予め決められた処置の内、選択された処置を実行する(ステップS226)。
ステップS226の処理は、具体的には、数値情報が無い場合の予め決められた処置を、数値情報処理内容記憶装置DB12の記憶データから取得し(ステップS227)、取得した処置を表示し(ステップS228)、操作者が表示された処置から選択し、選択された処置を実行する(ステップS226)。
次に、操作者からの入力が、数値情報の待機の選択の指示である場合(ステップS229)には、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0057】
次に、図3を用いて、図2のテップS204の検出結果が、予測水位hおよび時間tが数値を含んでいる場合に実行される処理(A1)について説明する。
まず、系内の容器内容物で予測水位hに相当する量を、容器内容物が同じ種類の容器間で、配分できるか否かを、検出する(ステップS311)。例えば、予測水位hと、容器寸法、重量、内容物比重、容器底レベルに基づいて、系内の容器内容物で予測水位hに相当する量を配分できるか否かを、算出する。
【0058】
ステップS311での検出結果が配分できる場合には、容器内容物が同じ種類の容器間で、系内の容器内容物を時間t内で配分できるか否かを検出する(ステップS313)。
例えば、移送情報記憶装置DB2から移送経路と移送能力とを取得する(ステップS319)。次に、内容物が不足している第1の容器と、内容物を移送してもよい第2の容器と、移送する量とがあり、第1の容器から第2の容器までの移送経路と移送能力とを記憶データから取得し、移送する量と時間tと取得した移送経路と移送能力とに基づいて、系内の容器内容物を時間t内で配分できるか否かを検出する。例えば、時間tに移送能力を乗じた値が、移送する量より大きいか否かを検出することにより、移送できるか否かを検出する。
【0059】
ステップS313での検出結果が、系内の容器内容物を時間t内で配分できる場合には、正常運転への復旧が最も容易に行える処置の選択肢を出力する(ステップS314)。
具体的には、容器寸法と重量と内容物比重と容器底レベルとを容器情報記憶装置DB1の容器記憶データから取得し(ステップS315)、また、移送経路と移送能力とを移送情報記憶装置DB2の移送記憶データから取得し(ステップS316)、取得した容器寸法と重量と内容物比重と容器底レベルおよび移送経路と移送能力に基づいて、正常運転への復旧が最も容易に行える処置の選択肢を、対応処置表示装置4を介して表示する。
操作者は、表示された選択肢の中から選択して、選択肢の選択を対応処置実行対応処置実行開始入力装置5によって入力する。選択肢の選択が対応処置実行対応処置実行開始入力装置5から入力されると(ステップS317)、高水位対応処置実行装置6は選択された処置を実行する。
【0060】
一方、ステップS313での検出結果が、系内の容器内容物を時間t内で配分できない場合には、処置途中で高水位が到達した場合でも容器の移動が最小となるような処置の選択肢を出力する(ステップS321)。
具体的には、容器寸法と重量と内容物比重と容器底レベルとを容器情報記憶装置DB1の容器記憶データから取得し(ステップS322)、また、移送経路と移送能力とを移送情報記憶装置DB2の移送記憶データから取得し(ステップS323)、取得した容器寸法と重量と内容物比重と容器底レベルおよび移送経路と移送能力に基づいて、処置途中で高水位が到達した場合でも容器の移動が最小となるような処置の選択肢を表示する。操作者は、表示された選択肢の中から選択する。操作者によって選択の指示が入力されると(ステップS324)、選択された処置を実行する。
【0061】
一方、ステップS311での検出結果が配分できない場合には、予め決められた優先順位に基づいて、容器内容物が同じ種類の容器間で、優先順位の低い容器の内容物を移送することで優先順位の高い容器に予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する(ステップS331)。
具体的には、容器の優先順位を優先順位記憶装置DB3の優先順位記憶データから取得し(ステップS332)、取得した容器の優先順位に基づいて、優先順位の低い容器から優先順位の高い他の容器に内容物を移送することにより、予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する。
【0062】
ステップS331の検出結果が、予測水位hに相当する重量を配分できる場合には、系内の容器内容物を時間t内で配分できるか否かを検出する(ステップS333)。ステップS333の検出の処理は、ステップS313と同様の処理である。
一方、ステップS331の検出結果が、予測水位hに相当する重量を配分できない場合には、後述の処理(A2)を実行する。
【0063】
また、ステップS311での検出結果が配分できない場合には、ステップS331と同時に、種類の異なる物質を注入することで移動する可能性がある容器に予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する(ステップS341)。
具体的には、混合できる物質の組み合わせを、混合情報記憶装置DB4の混合記憶データから取得し(ステップS342)、取得した混合できる物質の組み合わせに基づいて、種類の異なる物質の混合を注入することで移動する可能性がある容器に予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する。
【0064】
ステップS341の検出結果が、予測水位hに相当する重量を配分できる場合には、系内の容器内容物を時間t内で配分できるか否かを検出する(ステップS343)。ステップS343の検出の処理は、ステップS313と同様の処理である。
一方、ステップS341の検出結果が、予測水位hに相当する重量を配分できない場合には、後述の処理(A2)を実行する。
【0065】
ステップ333の検出結果が、時間t以内で配分できる場合には、選択肢に応じたリスクの程度と予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS351)。
また、ステップ343の検出結果が、時間t以内で配分できる場合には、選択肢に応じたリスクの程度と予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS351)。
【0066】
ここで、ステップS351では、ステップ333の検出結果において配分できる場合における選択肢と、ステップ343の検出結果において配分できる場合における選択肢と、が、同時に表示される。この選択肢の中から、操作者が選択肢を選択して、選択結果を入力する。
なお、ステップS351では、選択処理リスクと重みテーブルとをリスク情報記憶装置DB5のリスク記憶データから取得し、それぞれの選択肢には、選択処理リスクと重みとによりリスクが算出し、算出したリスクが付加されて表示される。
なお、ステップS351で表示されている選択肢は、全て時間t内に処理できる処理である。
【0067】
一方、ステップ333の検出結果が、時間t以内で配分できない場合には、選択肢に応じたリスクの程度と予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS361)。
また、一方、ステップ343の検出結果が、時間t以内で配分できない場合には、選択肢に応じたリスクの程度と予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS361)。
ステップS361の処理も、ステップS351と同様の処理である。
なお、ステップS361で表示されている選択肢は、全て時間t内に処理できない処理である。
【0068】
次に、図4を用いて、図3のステップS331の検出結果で予測水位hに相当する重量を配分できない場合に、または、図3のステップS341の検出結果で予測水位hに相当する重量を配分できない場合に、実行される処理について説明する。
まず、一部の容器の損耗と物質の混合を許容すれば残りの容器に予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する(ステップS411)。
具体的には、容器を優先順位記憶装置DB3の優先順位記憶データから保護する容器の優先順位の情報を取得し(ステップS412)、また、混合できる物質の組み合わせの情報を混合情報記憶装置DB4の混合記憶データから取得し(ステップS413)、取得した優先順位の情報と取得した混合できる物質の組み合わせの情報とに基づいて、一部の容器の消耗と物質の混合を許容すれば残りの容器に予測水位hに相当する重量を配分できるか否かを検出する。
【0069】
ステップS411の検出結果が、一部の容器の消耗と物質の混合を許容すれば残りの容器に予測水位hに相当する重量を配分できる場合には、選択肢に応じたリスクの程度と予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS421)。
なお、ステップS422では、選択処理リスクと重みテーブルとをリスク情報記憶装置DB5のリスク記憶データから取得し、それぞれの選択肢には、選択処理リスクと重みが付加して表示されている。
【0070】
ステップS411の検出結果が、一部の容器の消耗と物質の混合を許容しても残りの容器に予測水位hに相当する重量を配分できない場合には、実行し得る全ての処置を予測水位hや時間tの不足の量に基づいて最適な選択肢を出力する(ステップS431)。
なお、ステップS422では、選択処理リスクと重みテーブルとをリスク情報記憶装置DB5のリスク記憶データから取得し、それぞれの選択肢には、選択処理リスクと重みが付加して表示されている。
【0071】
実施の形態においては、対応処置選択装置1の、ステップS314、ステップS321、ステップS351、ステップS361またはステップS421においてなされる、最適な選択肢を出力は、図1の対応処置表示装置4に表示される。
次に、図5を用いて、対応処置表示装置4に表示される一例としての表示例を説明する。図のF1の枠が、対応処置表示装置4の表示装置の全表示領域である。
ここでは、選択肢P1からP3が表示されており、それぞれの選択肢には処置内容とそのリスクが表示されている。また、選択肢と、その選択肢を選択するためのボタンが関連付けて表示されている。ここでは、選択肢P1がボタンB1、選択肢P2がボタンB2、選択肢P3がボタンB3とそれぞれ関連付けて表示されている。
操作者は、ボタンB1からB3の、いずれかのボタンを押すことにより、関連付けられている選択肢を選択する。
【0072】
なお、実施の形態の説明においては、対応処置選択装置1は、選択した対応処置を対応処置表示装置4に表示し、操作者、或いは意思決定者は対応処置表示装置4に示された対応処置を実行するか否かの判断を行い、実行する場合は処置の開始を対応処置実行開始入力装置5から入力し、入力に応じて対応処置選択装置1が選択した最も適切な対応処置を高水位対応処置実行装置6が実行する、として説明したが、これに限られるものではなく、対応処置選択装置1は、選択した対応処置を高水位対応処置実行装置6に出力し、高水位対応処置実行装置6が、対応処置選択装置1から入力された対応処置に基づいて処置を実行してもよい。なおこの場合、対応処置選択装置1は、例えば、対応処置からリスクが最も低い対応処置を選択し、選択した対応処置を高水位対応処置実行装置6に出力する。
【0073】
また、実施の形態の説明においては、対応処置選択装置1は、選択した対応処置を対応処置表示装置4に表示し、操作者、或いは意思決定者は対応処置表示装置4に示された対応処置を実行するか否かの判断を行い、実行する場合は処置の開始を対応処置実行開始入力装置5から入力し、入力に応じて対応処置選択装置1が選択した最も適切な対応処置を高水位対応処置実行装置6が実行する、として説明したが、これに限られるものではなく、対応処置表示装置4に示された対応処置に基づいて、操作者が施設のパイプのバルブやポンプを動作させることにより、対応処置を実行してもよい。
【0074】
次に、図3のステップS311の処理である第1の実施形態について詳細に説明する。
対応処置選択装置1は、予測水位hの入力に応じて、容器情報記憶装置DB1から、容器寸法、重量、内容物比重、容器底レベルを容器毎に取得する。次に、取得した容器寸法、容器の重量、内容物比重、容器底レベルと、入力された予測水位hに基づいて内容物の量が不足している容器を検出する。
例えば、図3のステップS311の予測水位hに相当する量とは、後述する、浮力の値や運動量に相当する値である。
【0075】
例えば、容器の内容物の重量と容器の重量との合計である容器全体の重さは、容器寸法に含まれる容器の内側の底面積、容器の重量、内容物比重、容器底レベルに基づいて、容器の内側の底面積と容器底レベルと内容物比重とを乗算した値である内容物の重量に、容器の重量を加算した値として求められる。
一方、予測水位hの水による浮力については、容器寸法と予測水位hとに基づいて、容器寸法に含まれる容器の外側の底面積に予測水位hを掛けた値が、この容器に対して生じる水の浮力の値として求められる。なお、ここでは水の比重を1としている。水が、海水の場合には、上記求めた浮力の値に海水の比重を乗算した値を、浮力の値としてもよい。
【0076】
次に、容器全体の重さが浮力の値より少ないか否かを比較し、容器全体の重さが浮力の値より少ない場合には、容器の内容物の量が不足している容器として検出し、不足している重量は浮力の値から容器全体の重さを引いた値である。なお、不足している量は、不足している重量を容器の内容物の比重で除算した値である。
一方、容器全体の重さが浮力の値より少なくない場合には、容器の内容物の量が不足していない容器、つまり、他の容器に内容物を移動してもよい容器として検出し、他の容器に移送してもよい重量は容器全体の重さから浮力の値を引いた値である。なお、他の容器に移送してもよい量は、他の容器に移送してもよい重量を容器の内容物の比重で除算した値である。
【0077】
以上のようにして、不足している量と他の容器に移送してもよい量とを全ての容器について算出し、不足している量の合計と他の容器に移送してもよい量の合計とを算出する。
次に、不足している量の合計が他の容器に移送してもよい量の合計より少ないか否かを検出する。検出の結果が、不足している量の合計が他の容器に移送してもよい量の合計より少ない場合には、配分できるとして検出する。一方、検出の結果が、不足している量の合計が他の容器に移送してもよい量の合計より少なくない(未満)場合には、配分できないとして検出する。
【0078】
なお、ここでは予測水位hに基づいて水の浮力の値を求めたが、これに限られるものではなく、津波などにおいては予測水位hが速度をもって移動しているため、予測水位hの水の速度に基づいて、運動量に相当する値を算出し、これと容器全体の重さを比較することも可能である。
例えば、運動量に相当する値として、容器の外側の底面積と予測水位hとを乗算した値に、予め定められた値を乗算した値を運動量に相当する値としてもよい。または、予測水位hを予め定められた値でべき乗した値と、容器の外側の底面積を予め定められた値でべき乗した値と、を乗算し、乗算した値に予め定められた値を乗算して運動量に相当する値を算出してもよい。
次に、先と同様に、容器全体の重さが運動量に相当する値より多いか否かを検出し、不足している量や、他の容器に移送してもよい量を算出してもよい。
【0079】
なお、図3のステップS311では、同じ種類の内容物が入れられている容器について、以上説明したような検出を実行する。全ての内容物の種類毎に、配分できるか否かを検出し、全ての内容物の種類において配分できる場合が、系内の容器内容物で予測水位hに相当する量を、容器内容物が同じ種類のもの同士で、配分できる場合である。
【0080】
以上説明したように、図3のステップS311の処理である第1の実施形態においては、対応処置選択装置1は、予測水位hの入力に応じて、容器情報記憶装置DB1から、容器寸法、重量、内容物比重、容器底レベルを容器毎に取得する。次に、取得した容器寸法、容器の重量、内容物比重、容器底レベルと、入力された予測水位hに基づいて、予め定められた計算を実行し、内容物の量が不足している容器を検出する。
【0081】
次に、図3のステップS311の処理である第2の実施形態を、図6と図7とを用いて、詳細に説明する。
ここでは、図1の容器情報記憶装置DB1には、容器を識別する容器識別番号に関連付けて、容器の現在の量が現在量として記憶されているとする。また、図1には図示していないが、容器必要量記憶装置DB21が対応処置選択装置1に接続されているとする。この容器必要量記憶装置DB21には、容器識別番号と、予測水位hと、容器識別番号の容器が予測水位hの場合に移動しない内容物の量である必要量とが関連付けて記憶されている。ここで、必要量とは、容器の容器寸法、容器の重量、容器の内容物、容器の内容物の比重、に基づいて、予測水位h毎に考慮された必要量が予め記憶されている。容器必要量記憶装置DB21においては、1つの容器識別番号に対して、複数の予測水位hと必要量とが関連付けて記憶されている。
【0082】
まず、図6のフローチャートの動作を説明する。
まず、全ての容器識別番号から、1つの容器の識別番号を順に選択する(ステップS601)。次に、選択した容器識別番号を検索キーとして現在量を容器情報記憶装置DB1から読み出す(ステップS602)。次に、選択した容器識別番号と入力された予測水位hとを検索キーとして必要量を容器必要量記憶手段DB21から読み出す(ステップS603)。次に、現在量が必要量以上であるか否かを検出する(ステップS604)。
【0083】
ステップS604の検出結果が、現在量が必要量以上でない場合には、不足リストに、選択した容器識別番号と、必要量から現在量を引いた量である不足量とを関連付けてリストとして追加する(ステップS605)。
一方、ステップS604の検出結果が、現在量が必要量以上でない場合には、
十分リストに、選択した容器識別番号と、現在量から必要量を引いた量である十分量とを関連付けてリストとして追加(ステップS606)。
【0084】
ステップS605またはステップS606の次に、全ての容器識別番号を選択したか否かを検出する(ステップS607)。
ステップ607の検出結果が、全ての容器識別番号を選択していない場合には、ステップS601からの処理を繰り返す。
一方、ステップ607の検出結果が、全ての容器識別番号を選択した場合には、処理を終了し、図7のフローチャートによる処理を実行する。
【0085】
次に、図7のフローチャートの動作を説明する。
まず、不足リストの不足量を合計する(ステップS701)。次に、十分リストの十分量を合計する(ステップS702)。次に、合計した十分量が合計した不足量以上であるか否かを検出する(ステップS703)。
ステップS703の検出結果が、合計した十分量が合計した不足量以上である場合には、内容物の移動により可能と検出する(ステップS704)。一方、ステップS703の検出結果が、合計した十分量が合計した不足量以上でない場合には、内容物の移動により不可能と検出する(ステップS705)。
ステップS704およびステップS705の次に、処理を終了する。
なお、ステップS704およびステップS705の次に、不足リストと十分リストとを対応処置表示装置4に出力してもよい。
【0086】
なお、容器情報記憶装置DB1、移送情報記憶装置DB2、優先順位記憶装置DB3、混合情報記憶装置DB4、リスク情報記憶装置DB5、有効情報処理内容記憶装置DB11または数値情報処理内容記憶装置DB12は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CR−ROM等の読み出しのみが可能な記憶媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0087】
なお、この対応処置選択装置1は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この対応処置選択装置1はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、処理部30の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0088】
以上説明したように、産業設備の内、容器は一般的に内容物の貯蔵を行う空間を提供するためだけに設計、制作されているためこれに働く浮力や外圧に対して脆弱、無防備である。この構造上の弱点を構造の変更、強化で補おうとすると、その基礎を含めて大幅な変更、強化が必要で極めて不経済、実質的には殆ど不可能となる。
しかし本発明による災害の対策では、浮力や外圧に耐え得る構造を付与することではなく、内容物を容器に移送するようにしたので、浮力や外圧を減ずることが出来るという効果を奏する。
本発明では、内容物を容器に移送するようにしたので、従来なされている容器の設計や構造に影響を与えることなく、水害による浮力や外圧への対策が出来るために既設設備、新設設備を問わずに容易に導入できるという効果を奏する。
【0089】
また、内容物が少ない容器または空の容器では、水害による水の水圧のために、容器が破損する場合もある。これに対して、その容器に内容物を移送するようにしたので、容器の内容物による圧力が容器内部に発生し、この発生した圧力が水害による水の水圧を減ずることにより、水害による水の水圧のために容器が破損することを防止することが可能となる。
【0090】
また、容器等の設備に損耗が発生し、その損耗を修復する場合に比べて、混合してしまった内容物の処理をすることによる修復の方が、被害が少ない場合がある。したがって、このような場合には、内容物を混合してしまったとしても、設備そのものの損耗を防止することができ、被害を低減することが可能となる。
【0091】
また、タンカーによって原油等が運搬された場合、その原油を受け入れるための容器が必要であるので、通常、いずれかの容器を空にしておく必要がある。このような状況において水害が発生した場合であっても、その容器に内容物を移送するようにしたので、水害によって容器に被害が生じてしまうことを防止することが可能となる。
【0092】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、内容物が貯蔵されている容器を管理するシステムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】この発明の一実施形態による容器システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の容器システムの動作を示す第1のフローチャートである。
【図3】図1の容器システムの動作を示す第2のフローチャートである。
【図4】図1の容器システムの動作を示す第3のフローチャートである。
【図5】対応処置表示装置4に表示される1例としての表示例を示す図である。
【図6】3のステップS311の処理である第2の実施形態のフローチャートその1である。
【図7】3のステップS311の処理である第2の実施形態のフローチャートその2である。
【符号の説明】
【0095】
1 応処置選択装置
2 高水位情報入力装置
3 容器内容物状態監視装置
4 対応処置表示装置
5 対応処置実行開始入力装置
6 高水位対応処置実行装置
DB1 容器情報記憶装置
DB2 移送情報記憶装置
DB3 優先順位記憶装置
DB4 混合情報記憶装置
DB5 リスク情報記憶装置
DB11 有効情報処理内容記憶装置
DB12 数値情報処理内容記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段と、
水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段と、
前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段と、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段と、
を有することを特徴とする容器システム。
【請求項2】
前記対応処置選択手段が、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さ以上である場合に、内容物の量が移送可能であることを示す情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の容器システム。
【請求項3】
前記対応処置選択手段が、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合には、前記容器を内容物の量が不足している不足容器として検出し、前記水位情報の高さから前記容器底レベルを引いた高さを不足量として算出し、前記検出した不足容器を識別する情報と前記算出した不足量の情報とを不足情報として出力し、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さ以上である場合には、前記容器を内容物の量を移送してもよい移送可能容器として検出し、前記容器底レベルから前記水位情報の高さを引いた高さを移送可能量として算出し、前記検出した移送可能容器を識別する情報と前記算出した移送可能量の情報とを移送可能情報として出力する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器システム。
【請求項4】
前記容器記憶データが、前記容器底レベルと関連付けられて容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重を含み、
前記比較手段が、
前記読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて、前記読み出した容器記憶データに含まれる容器底レベルと前記入力された水位情報の高さとを比較する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の容器システム。
【請求項5】
前記対応処置選択手段が、
前記読み出した容器底レベルと関連付けられている容器寸法、容器の重量、容器の内容物または容器の内容物の比重とに基づいて前記不足量および前記移送可能量を算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の容器システム。
【請求項6】
前記対応処置選択手段が、
前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少ない場合には、前記移送可能容器から前記不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、
ことを有することを特徴とする請求項3から請求項5の容器システム。
【請求項7】
容器を保護する優先順位が記憶される優先順位記憶手段を有し、
前記対応処置選択手段が、
前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少なくない場合には、前記優先順位記憶手段から容器の優先順位を読み出し、前記不足容器の中から前記読み出した容器の優先順位に基づいて不足容器を選択し、前記移送可能容器から前記選択した不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、
ことを特徴とする請求項3から6に記載の容器システム。
【請求項8】
混合できる物質の組み合わせの情報が記憶される混合情報記憶手段を有し、
前記対応処置選択手段が、
前記不足量が前記移送可能量より少ないか否かを検出し、前記不足量が前記移送可能量より少なくない場合には、前記混合情報記憶手段から混合できる物質の組み合わせの情報を読み出し、前記読み出した混合できる物質の組み合わせの情報と前記容器記憶データの容器の内容物の情報とに基づいて、前記不足容器の中から混合する前記不足容器を選択し、前記移送可能容器の中から混合する前記移送可能容器を選択し、前記選択した混合する移送可能容器から前記選択した混合する不足容器へ前記不足量または前記移送可能量を移送する移送処理情報を生成し、前記生成した移送処理情報を出力する、
ことを特徴とする請求項3から7に記載の容器システム。
【請求項9】
容器間の移送経路と移送能力とが関連付けられて記憶される移送情報記憶手段を有し、
前記対応処置選択手段が、
前記水位情報の水位に到達するまでの到達時間が入力され、前記生成した移送処理情報に含まれている前記不足容器と前記移送可能容器とに基づいて移送経路と移送能力とを前記移送情報記憶手段から読み出し、前記生成した移送処理情報に含まれている前記不足量または前記移送可能量と前記読み出した移送能力と前記入力された到達時間とに基づいて、前記入力された到達時間までに移送が完了するか否かを検出し、前記検出結果に基づいて前記生成された移送処理情報を出力する、
ことを特徴とする請求項3から請求項8に記載の容器システム。
【請求項10】
表示装置を有する対応装置表示手段、
を有し、
前記対応処置選択手段が、前記対応装置表示手段に出力する、
ことを特徴とする請求項1から9に記載の容器システム。
【請求項11】
前記対応装置表示手段が表示した移送処理情報の移送処理の中から移送処理が選択され、前記選択された移送処理に基づいて移送処理を実行する、または、前記移送処理情報を前記対応処置選択手段から入力され、前記入力された移送処理情報に基づいて移送処理を実行する、高水位対応処置実行手段、
を有することを特徴とする請求項6から10に記載の容器システム。
【請求項12】
容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段と、
前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段と、
前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段と、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段と、
を有することを特徴とする容器装置。
【請求項13】
容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データを記憶し、
前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付け、
前記水位情報が入力されたことに応じて、前記容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較し、
前記比較した結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
コンピュータに、
容器の内容物の底面からの高さである容器底レベルの情報である容器記憶データが記憶される容器情報記憶手段、
前記水害により増加する水位の高さの情報である水位情報の入力を受け付ける高水位情報入力手段、
前記高水位情報入力手段から水位情報が入力されたことに応じて、前記容器情報記憶手段から容器記憶データを読み出し、前記読み出した容器記憶データである容器底レベルと前記前記高水位情報入力手段から入力された水位情報の高さとを比較する比較手段、
前記比較手段の結果が、前記容器底レベルが前記水位情報の高さより低い場合に、内容物の量が不足していることを示す警報情報を出力する、対応処置選択手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−87840(P2008−87840A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273027(P2006−273027)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(502040041)日揮プロジェクトサービス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】