説明

容器充填装置

【課題】チェーンレス駆動装置と、ローラ上で案内される支持要素とを備えた充填装置を改善して、作動部署における容器の正確な位置決めが可能になる。
【解決手段】食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶37及びカップに充填するための充填装置内に容器を供給する方法であって、支持要素16が受容部17の1つの列に沿って、ほぼ半分に分割されており、隣接する支持要素半部20の互いに対を成して対応配置された部分切欠きが、共通に1つの容器受容部17を形成しており、支持要素半部20が充填装置内に、容器受容部17を拡大する開放運動を実施し得るように支承されており、容器供給装置50が設けられている、充填装置において、容器供給装置50が容器を支持要素16の下方から供給するようになっていることを特徴とする、充填装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶及びカップに充填するための充填装置であって、上側走行区間、下側走行区間、及び上側走行区間と下側走行区間とを結合する側方走行区間が設けられており、そして上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間に沿って、作動部署の傍らを通過しながらローラ上で充填装置内を循環するように案内される複数の支持要素が設けられており、支持要素が、送り方向に対して横断方向に列を成して配置された、容器のための受容部を有している、充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような形式の装置は例えば特許文献1に基づいて公知である。これは食品、例えば乳製品をカップ又は瓶内に充填する自動充填装置である。ここでは、セルプレートとも呼ばれる支持要素がチェーンに沿って案内されながら、装置内を循環するように走行する。通常、容器を滅菌し、乾燥させ、充填し、そして閉じる作動部署は、いわゆる上側走行区間(Obertrum)に沿って配置されている。次いで、第1側方走行区間を介して、支持要素は、上側走行区間の下方に位置する下側走行区間内に走入し、そして第2側方走行区間を介して上側走行区間に再び供給される。
【0003】
市販されている装置の圧倒的大多数において、充填される容器の数は、チェーンの最も低速の作動部署の処理時間に左右される。チェーンの牽引はタイミング制御されて行われるので、或る簡単な変更形態においては常に、1つの支持要素上に共通に保持されている容器が処理されるようになっている。しかしながら、2つの支持要素の容器が作動部署において同時に1つの処理を施される、いわゆるダブルステップ装置(Doppelschrittvorrichtungen)も存在する。
【0004】
チェーン駆動装置の技術は十分に試され、古くから信頼性高く使用されてはいるものの、その欠点は些細なものではない。先ず基本的な問題は、チェーンが運転に際して伸長することである。その結果、送り方向で測定した、支持要素間の間隔が増大し、ひいては、支持要素によって保持された容器間の間隔も時間経過とともに増大する。このことは、個々の作動部署における滅菌剤の調量供給、乾燥空気の吹き込み、容器の充填、並びに閉鎖が、容器の比較的正確な位置決めに依存している限り、問題をはらむ。その結果、チェーン作動式装置においては、センタリング装置が必要である。
【0005】
支持要素は、スライドレール上で充填装置内を引張られる。このために、支持要素のある程度のサイズを超えると、送り方向においてほぼ中央の支持が必要である。充填装置内を通る支持要素の目下の一般的な運動速度と関連する、克服するべき質量慣性モーメントは、太い、ひいては重いチェーンを必要とする。これに相応するように、駆動側の歯車及びモータも寸法設定されている。このような充填装置は結果として、著しく大規模で重い構造部分から成る。
【0006】
かなり前から、このような形式の充填装置のためのチェーンレス(チェーンなし)駆動装置をどのように構成できるかが当業者によって理論的に考えられている。これに関しては、比較的最近、例えば特許文献2が公知になっている。ここに示されたピン歯車の歯列は、支持要素内に直接に噛み合って、これらを、充填装置内を通して押し動かす。側方走行区間は、上側走行区間と下側走行区間とをアーチ状に結合するレールシステムとして構成されている。支持要素は、側方走行区間を通る運動のためにスペーサを備えている。
【0007】
特許文献3に基づいて公知のさらなる駆動装置概念では、支持要素はセルプレートとセルプレートとが接した状態で、このような形式の充填装置内を押し動かされる。特にここではウォーム・コンベアが提案されている。
【0008】
充填装置内を通してセルプレートを押し動かすことの主要な利点は、問題をはらむチェーンに起因する伸長を排除できることである。しかしながら基本的には、そして大きい摩擦力を克服しなければならず、通常はさらに、送り方向で見て中央の、セルプレートのための支持が必要であるという問題が残る。さらに、充填装置内を通してセルプレートを押し動かす場合にも、送り方向で見た、支持要素もしくは容器の相互間隔が一定であることは保証されない。基本的に、支持要素との間に集まった汚染粒子、例えば製品残滓が蓄積して、著しい累積誤差になるおそれがある。
【0009】
特許文献3が摩擦最小化のために、セルプレートをローラ上で、充填装置内を通るように押し動かすことを提案しても、前述の累積誤差の他に、前記明細書で提案された機械内のセルプレートの保持が瓶の充填には適さないという問題も残される。瓶は通常、瓶首で保持された状態で充填装置内を動かされる。このために、支持要素は一列の容器受容部に沿ってほぼ半分に二分割されている。瓶を挿入するために、支持要素半部が持ち上げられ、これら半部は送り方向に対して平行に、互いに離れる方向に移動される。瓶は通常、上方から、このように拡大された開口内に差し込まれる。これに続いて、支持要素半部はその出発位置に戻され、瓶首を取り囲む。
【0010】
支持要素を支持要素半部に分割することが、累積誤差問題、ひいては作動部署の下方における支持要素の正確な方向付けの問題をもう一度尖鋭化する点を別にして、特許文献3におけるセルプレートの前記開放は、瓶の挿入を可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第1134182号明細書
【特許文献2】独国実用新案登録第210791(U1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1495997(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、チェーンレス駆動装置と、ローラ上で案内される支持要素とを備えた充填装置を改善して、作動部署における容器の正確な位置決めが可能になるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有する充填装置、特に、少なくとも2つの支持要素が1つの共通のフレーム上に配置されており、このようなフレームによってローラ上で充填装置内を循環するように案内されるようになっていることを特徴とする、充填装置によって解決される。
【0014】
本発明の主要な利点は、少なくとも2つ、好ましくは4つの支持要素が1つの共通のフレーム上に配置され、こうして互いに固定的に位置決めされていることに見いだすことができる。このようにすれば、支持要素間に集積する汚染物によって生じ得る累積誤差が少なくとも2分の1に、好ましい実施態様ではそればかりか4分の1に減る。
【0015】
特に好ましい実施態様では、ローラが支持要素の共通のフレームに配置されており、そしてフレームがローラによって、走行路に沿って充填装置内を案内されるようになっている。
【0016】
この場合の主要な利点は、ローラのメンテナンスに見いだすことができる。ローラに不具合が生じたときに、充填装置から支持要素ユニットを容易に取り外し、そして無傷のローラを備えたユニットを代わりに使用することができる。これに続いてローラを交換することができ、この場合そのために生産を停止する必要はない。
【0017】
さらに、フレームが、少なくとも作動部署に沿った支持要素の運動中には、結合要素によって互いに結合されるようになっている。
【0018】
送り時、つまりフレーム上の支持要素が送り方向に動かされる時の高い加速度は、著しい摩擦低減に基づいて、フレームが次の作動部署で停止しなくなる事態を招くことがある。これにより、個々のフレーム間に僅かな空隙が生じる。このことは機械運転時に、フレーム間の衝撃によって著しい騒音の発生を招く。さらに、このような衝突は材料に対して極度に負荷を加える。フレームを互いに連結することにより、制御された加速を可能にするほか、作動部署に対してフレームを制御された状態で制動し位置決めすることをも可能にする。こうして、結合されたフレームを有する充填装置はこのような観点において、チェーン駆動装置の利点を実現する。
【0019】
このためには、フレームの相互の結合が、結合要素の間の避けられない嵌め合い遊びを除けば、遊びなしであることが必要である。
【0020】
フレーム上の支持要素を上側走行区間から下側走行区間内へ移動させるのを容易にし、そしてこれを例えば持ち上げ装置によって可能にするために、結合要素がフレームを水平方向で互いに接した状態で配置するが、しかし2つの隣接するフレームの相対的な鉛直方向運動が、相互の結合を解離するようになっている。
【0021】
フレーム相互のきれいな連結及び解離を可能にするために、そしてフレーム相互のほぼ遊びなしの結合を保証するために、結合要素が、凹面状の側壁を備えた溝と、連結部材とをそれぞれ1つずつ有しており、第1結合要素の連結部材が、第2結合要素の溝内に、凹面状溝側壁の頂線(Scheitellinien)間で遊びなしに挿入されるようになっている。
【0022】
特に溝の凹面状の側壁が上方に向かって、そして下方に向かって漏斗状に拡大しているので、連結部材のきれいな導入が可能である。同時に、連結部材はこのような形状によって、側壁の頂線の領域内で、溝の最も狭い個所に自動的に導入される。この場所で連結部材は遊びなしに嵌め込まれた状態になる。
【0023】
支持要素を保持するフレームを結合するための形状は、連結部材は、溝側壁に対して平行な位置に方向付けられた、凸面状に形成された側面を有しており、凹面状溝側壁の頂線と凸面状連結部材側面の頂線とがほぼ同一平面にある配置関係を成して互いに噛み合う結合要素が、フレームのほとんど遊びなしの相互の結合を保証することによって著しく改善することができる。
【0024】
フレーム上に支承された支持要素は、本発明による充填装置を瓶の充填のためにも使用可能にするための主要な前提を形成する。その結果、支持要素が1つの列に沿って半分に分割されており、各支持要素半部が部分切欠きを有しており、そして隣接する支持要素半部の互いに向き合う部分切欠きが共通して、容器のための1つの受容部を形成しており、支持要素は共通のフレーム上に、鉛直方向に持ち上げ可能に配置されており、そして容器の挿入のために受容部を開くための持ち上げられた位置では、側方に運動可能であるようになっている。
【0025】
こうして先ず、1つの共通のフレーム上に支持要素半部を支承することは、従来技術におけるチェーン伝動式装置と同様に、支持要素を開閉するのを可能にする。
【0026】
送り方向における容器の正確な方向付け、いわゆる長手方向センタリング(Laengszentrierung)の他に、充填装置の正確な作動のために、送り方向に対して横断方向の方向付け(横断方向センタリング(Querzentrierung))も保証されていなければならない。
【0027】
支持要素を機械内を通して引張るチェーン伝動式充填機械の場合、横断方向の方向付けのためには、主としてチェーンが正確に位置していれば十分である。
【0028】
支持要素が実質的に充填装置内を通して押し出される、チェーンレス駆動装置を備えた充填装置、例えば特許文献3の場合、それぞれの支持要素はそれ自体で横断方向センタリングされなければならない。
【0029】
このことに対する本発明の課題は、相応に適した技術的装置を提供することである。
【0030】
この課題は、請求項10の特徴を有する充填装置、特に、ローラがセンタリング装置を有しており、センタリング装置によって、支持要素が送り方向に対して横断方向に方向付けられている、ことを特徴とする、充填装置によって解決される。
【0031】
ここでは特に、ローラが、支持要素を循環するように送る時に、走行路に沿って転動し、そしてローラと走行路とがセンタリング作用を発揮するように協働するようになっている。
【0032】
支持要素が充填装置内を動くことができる、その手段であるローラ自体がセンタリング装置を有していると、連続的なセンタリングが、技術的に特に簡単に可能である。考えられるのは例えば、ローラがセンタリングのために溝内を走行すること、又は溝に保持された別個のセンタリングアームを有することである。
【0033】
しかし、ローラが走行路と協働して支持要素を横断方向にセンタリングすると、特に有利である。このことは特に、ローラの走行面の断面輪郭が、走行路の走行面輪郭と協働してセンタリング装置を形成することにより達成される。
【0034】
このような形式のセンタリングは、送り運動自体を介して行われ、従って連続的且つ永続的である。支持要素が、充填装置内を通る送り中に、横断方向にセンタリングされた位置から例えば外力によって押し出されても、送り運動だけで新しいセンタリングをもたらす。このようなセンタリング装置は技術的に特に簡単に解決され、僅かなメンテナンスで済み、そして摩耗が少ない。
【0035】
特に好ましい実施態様の場合、ローラの走行面の断面輪郭がほぼV字形であり、そして走行路の走行面輪郭が部分円形に湾曲しており、走行路が、断面円形の走行レールによって形成されることが考えられる。
【0036】
しかし走行路がほぼV字形のビードを形成しており、ビード内で、断面部分円形に形成された走行面を有する走行ローラが転動すると、形状の反転を考えることもできる。
【0037】
冒頭で述べたように、2つの支持要素の容器を同時に作動部署で処理することによって、充填装置の処理量を高めることが従来技術から公知である。従来技術では、このために2つの支持要素の支持要素半部が、搬送方向に対して平行に互いに離れる方向に移動される。このことはセルプレートの開放とも言われる。瓶は上方から、開かれたセルプレートを通って、チェーン上のセルプレートの載置平面内にまで達する。続いて、支持要素半部は、駆動チェーン上に載置されるまで再び戻される。このことはセルプレートの閉鎖とも呼ばれる。セルが閉じると、支持要素半部の部分切欠きは瓶首を取り囲み、瓶を保持する。
【0038】
瓶本体の貫通を可能にするために、セルプレートは極めて大きく互いに離れる方向に移動しなければならないので、瓶は、直接隣接する2つの支持要素内には挿入されない。その代わりに常に、1つの閉じられたセルプレートによって隔てられた2つのセルプレートが開かれる。支持要素内に瓶が挿入されている間、瓶は吸引要素によってその位置に保持される。
【0039】
従来技術の瓶供給装置はその結果、上側走行区間の上方に配置された供給装置と、上側走行区間の下方に配置された吸引要素とを備えた、極めて大きな手間のかかる構造を有することになる。最後に、支持要素半部の開放運動のための所要時間も不都合である。それというのも、この時間は機械サイクル、ひいては機械処理量を制限するからである。
【0040】
従って本発明の課題は、新しい種類の容器供給装置であって、構造的に著しく単純であるとともに、支持要素のより迅速な開放運動を可能にする容器供給装置を提供することである。
【0041】
この課題は、請求項16の特徴を有する充填装置、特に、容器供給装置が容器を支持要素の下方から供給するようになっていることを特徴とする、充填装置によって解決される。
【0042】
技術的な通例から方向転換して本発明が認識したことによれば、従来技術の瓶供給の中心的な構造上の欠点は、最終的には比較的小さい直径の瓶首を保持するために、瓶本体全体を、支持要素半部の間を通して案内しなければならないことに見いだされる。従来技術のこのような種類の瓶供給の結果、大きな開口幅が必要になるため、開放時間が作動サイクルを制限することになる。さらにこのような種類の供給は、直接隣接した支持要素半部ではなく、少なくとも1つの支持要素によって隔てられた支持要素半部を互いに離れる方向に移動しなければならない原因ともなる。このことは、搬送方向における瓶供給装置の構造的延在長さを比較的長いものにしてしまう。瓶を安定化させる吸引要素の移動距離も、上方からの瓶供給に起因して比較的長くなる。
【0043】
このことから出発して、本発明は、下方から支持要素への容器供給が極めて有利であることを認識した。ただ瓶首を支持要素半部の間に導入するだけでよいので、開かれた支持要素半部の必要な運動空間並びに運動時間が著しく低減される。その結果、少なくとも2つの直接隣接する支持要素に瓶を装着することができる。容器供給装置に必要な搬送方向の構造空間は、これにより著しく低減される。瓶自体の鉛直方向運動空間も、著しく小さく保つことができる。
【0044】
特に有利なのは、容器供給装置が容器を、容器受容部内への挿入のために持ち上げ、そしてこの持ち上げ動作が支持要素半部の開放運動を誘導することを特徴とする充填措置である。
【0045】
構造的にできる限り単純な解決手段という意味で、容器供給装置は、支持要素半部を開くための装置と一体化される。このために、瓶を支持要素に向かって動かす鉛直方向の持ち上げ運動が開放運動を少なくとも誘導するようになっている。具体的には、容器供給装置が持ち上げ器を有しており、持ち上げ器の、支持要素半部に作用する鉛直方向運動は、支持要素半部を持ち上げることによって支持要素半部の開放運動をもたらすようになっている。
【0046】
支持要素半部がガイド部材を有しており、ガイド部材は、充填装置側のリンク機構内に係合し、そして支持要素半部の開放運動を制御するようになっている1実施態様との関連において、容器供給装置は、支持要素半部の開放をももたらす装置である。このために必要なのは、支持要素半部を持ち上げる鉛直方向運動だけである。ガイド部材とリンク機構とが協働することにより、鉛直方向運動は、支持要素半部の開放運動に変換される。
【0047】
ここで特に有利なのは、容器、特に瓶の持ち上げ、並びに、支持要素半部を開くための持ち上げ器の鉛直運動を、1つの共通の駆動装置によって行い得ることである。
【0048】
このために必要なのは、持ち上げ器がプラットフォームと連動するように、しかしプラットフォームに対して相対運動可能に配置されていることだけである。
【0049】
最後に本発明はまた、食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶及びカップに充填するための充填装置内に容器を供給する方法であって、上側走行区間、下側走行区間、及び上側走行区間と下側走行区間とを結合する側方走行区間が設けられており、上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間に沿って、作動部署の傍らを通過しながら充填装置内を循環するように案内される複数の支持要素が設けられており、支持要素が、送り方向に対して横断方向に列を成して配置された、容器のための受容部を有している、充填装置内に容器を供給する方法を含む。
【0050】
このような方法は、特徴的な方法工程:
a) プラットフォーム上に配置された保持要素に、容器を装填し、
b) プラットフォームを、支持要素内に容器が挿入される、充填装置の場所に移動し、
c) 支持要素半部をその載置平面から、開放運動を実施するために持ち上げ、
d) 容器を少なくとも支持要素の載置平面内に持ち上げ、
e) 閉鎖運動を実施して容器を容器受容部内に確実に保持するために、支持要素半部を載置平面内に沈め込む、
方法工程によって、
容器供給を簡単にしようとする課題を解決する。
【0051】
この方法の特定の実施態様では、方法工程c)のために、持ち上げ器を支持要素半部に当接させる、プラットフォームの持ち上げが行われ、持ち上げ器が、プラットフォームに対する相対的な鉛直方向運動によって、支持要素半部を開放位置にもたらすようになっている。
【0052】
さらに、方法工程e)のために持ち上げ器が沈め込まれるようになっている。
【0053】
図示された実施例の下記説明から、本発明のさらなる利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明による充填装置を示す全体図である。
【図2】図2は、図1に示された充填装置の上側走行区間を示す部分図である。
【図3】図3は、1つのフレーム上に配置された支持要素を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示された平面図である。
【図5】図5は、図3に示されたフレームを下方から示す斜視図である。
【図6】図6は、図3に示された1つのフレームを下方から示す図である。
【図7】図7は、フレームを、図6の断面線VIIに沿って示す断面図である。
【図8】図8は、図7に断面で示されたフレームの部分図である。
【図9】図9は、図3のフレームを、走行レール上に載置された状態で示す斜視図である。
【図10】図10は、図3の1つのフレームの結合要素を示す詳細図である。
【図11】図11は、ローラと走行レールとの協働を示す図である。
【図12】図12は、図3に示された1つのフレームの上面図である。
【図13】図13は、フレームを、図12の断面線XIIIに沿って示す断面図である。
【図14】図14は、送り方向に対して平行に鉛直方向に断面された、容器を装填されたフレームを示す図である。
【図15】図15は、本発明による容器供給装置を全体的に示す図である。
【図16】図16は、図15のリンクブロックを示す図である。
【図17】図17は、図15の容器供給装置を、送り方向に対して横断方向に見た状態で示す鉛直図である。
【図18】図18〜20は、図15の容器供給装置を種々の作動位置で、送り方向に対して平行に見た状態で示す鉛直断面図である。
【図19】図18〜20は、図15の容器供給装置を種々の作動位置で、送り方向に対して平行に見た状態で示す鉛直断面図である。
【図20】図18〜20は、図15の容器供給装置を種々の作動位置で、送り方向に対して平行に見た状態で示す鉛直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
容器に食品を充填するための充填装置には、図面において全体的に符号10が付けられている。
【0056】
図1には、充填装置10の全体が示されている。容器10のための充填装置は、上側走行区間OT、上側走行区間から間隔を置いて設けられた下側走行区間UT、並びに2つの側方走行区間STを有している。
【0057】
矢印の方向Xに沿って、図1に詳細には示されていない支持要素は、上側走行区間OT内の種々様々な作動部署11に沿って案内されることにより、第1側方走行区間STを介して下側走行区間UT内へもたらされる。下側走行区間UT内では、支持要素は矢印方向Yで第2側方走行区間STまで動かされることにより、その場所から再び上側走行区間OT内にもたらされる。こうして、支持要素は充填装置10内を循環するように走行する。図1に示された作動部署11は個別に、滅菌・乾燥ユニット12、調量部署13、キャップ載置部署14、並びにキャップねじ嵌め部署15である。
【0058】
図2には、上側走行区間OTの一部が上方から見た状態で示されている。この部分には、送り方向Xにおいて相前後して、セルプレートとも呼ばれる支持要素が配置されている。各支持要素16は、送り方向Xに対して横断方向に配置された複数の容器受容部17を有している。これらの容器受容部は従って、列Rを成すように相並んで配置されている。送り方向Xで相前後して配置された複数の支持要素の容器受容部は、送り方向Xに対して平行に方向付けられた軌道Bを形成する。
【0059】
図3は1つのフレーム18を示している。このフレーム18は、互いに所定の間隔を置いた、送り方向Xで見て平行に方向付けられた2つの長手方向異形材19を有している。ここでは4つの支持要素16の端部が長手方向異形材19上に載置されている。この実施例では、支持要素16は2つの支持要素半部20から成っている。これらの支持要素半部は、1つの列Rに沿って支持要素16をほぼ半分に分割することによって得られる。長手方向異形材19は、横断方向異形材21によって互いに繋ぎ合わされており、さらにローラ22を支持している。これらのローラ上でフレーム18は装置10内を案内される。長手方向異形材19の端部は、後でより正確に説明する結合要素23を形成し、これらの結合要素で、複数のフレーム18を互いに連結することができる。
【0060】
図3に示されたフレーム18を上から見た状態で示す図4から、その構造がもう一度明らかになる。前述の構成部分の他に、ここでは、送り方向Xに対して平行に方向付けられた、支持要素半部20の端部に、ガイド部材24が取り付けられている。ガイド部材は、支持要素半部20の開放運動を制御するのに役立つ。
【0061】
図3に示されたフレーム18を下方から見た状態を図5が示している。この図面から明らかなのは、横断方向異形材21が支持要素16の下方で支持ストリップ25を保持していることである。支持ストリップ25はフレーム18の長手方向異形材19の間のほぼ中央に配置されている。支持ストリップ25は、支持要素16の安定化に役立ち、これにより、支持要素はその自重又は充填済容器の重量に起因して中央で弛むことがない。横断方向異形材18はこの図面からよく判るように、スタティックな理由からT形異形材として形成されている。
【0062】
図6は、フレーム18の下面に向かって見た図である。この図面は、図5に対して、断面平面VIIの位置を示した分が補足されている。この断面平面VIIに沿って、フレーム18は図7において、鉛直方向に断面されている。
【0063】
図7の側面図から先ず明らかなのは、各ローラ22がローラ軸26上に回転可能に配置されている。ローラ軸26はフレームの長手方向異形材19内に固定されている。さらに、図7から明らかなように、フレーム18のローラ22は充填装置10の走行レール27上に載置されている。
【0064】
図8には、図7に示された断面図の一部が示されている。図8から特によく判るのは、ローラ22が、周方向で環状に延びるほぼV字形もしくは屋根形の溝28を有することである。結果として、ローラ22の走行面29の断面輪郭もほぼV字形である。走行レール27として形成された走行路は、円形断面を有している。走行レール27の走行面30は、ローラ22に向いた表面領域によって形成される。図8から明らかなように、走行レール27の走行面30はローラ22のV字形溝内に挿入されるので、走行面29及び30は互いに正接する。
【0065】
図9には、充填装置10の走行レール27上に載置された1つのフレーム18が示されている。走行レール27は、上側走行区間OTにも下側走行区間UT内にも配置されているので、フレーム18は支持要素16と一緒に走行レール27上で、充填装置10内を循環するように案内される。
【0066】
図10に示された部分拡大図に基づいて、長手方向異形材19の結合要素23の構造を詳しく説明する。結合要素23は長手方向異形材19の一部であり、それぞれ、隣接するフレーム18に向いた端部に配置されている。結合要素は先ず、ほぼ凹面状に形成された溝側壁32を有する、鉛直方向に方向付けられた溝31を有している。溝31にすぐ隣接して、長手方向異形材19は連結部材33を形成している。溝側壁32に対して平行な位置に方向付けられた、連結部材33の側面34は凸面状に形成されている。
【0067】
図10に示された実施態様において、溝31及び連結部材33は、連結部材33に隣接する凹面状の溝側壁32が同時に、連結部材33の側面34を形成するように構成されている。溝とは反対側の側面34は同時に長手方向支持体19の端面を形成している。従って溝31は、連結部材33を支持要素16から離隔している。なおも念のため述べておくが、隣接するフレーム18の互いに向き合う結合要素23は、互いに鏡像的に形成されている。
【0068】
隣接するフレーム18の結合要素23は、上側走行区間OT及び下側走行区間UTに沿って運動している間、互いに係合している。隣接するフレーム18はこのように互いに固定されている。このように、充填装置10内を所定のタイミングで動かされるフレーム18は、制御された状態で加速・制動することができる。連結部材33の、運動方向で測定される幅は、凸面状の側面34の頂線領域において、溝側壁32の頂線が側面34の頂線とほぼ1平面内に配置されると、連結部材が溝31内にほとんど遊びなしに挿入された状態になるように寸法設定されている。これにより、隣接するフレーム18の結合要素23が互いに衝突することによって、フレーム18の加速時及び減速時に過剰に騒音が発生するのが回避される。
【0069】
フレーム18の連結は、隣接するフレーム18を互いに鉛直方向に動かすことによって分断される。このとき、連結部材33は溝31から滑り出る。このような鉛直方向運動は、1つのフレーム18が側方走行区間STを介して下側走行区間UT内に移るときに行われる。
【0070】
支持要素16が直接互いに衝突する従来技術に対して、フレーム18上に支持要素が配置されていることは、多大な利点を提供する。先ず、作動部署に対して支持要素の誤った方向付けを招く累積誤差が、フレーム上に組み付けた支持要素16の数に相当するファクタだけ低減される。このような累積誤差は、従来技術において、隣接する支持要素16間に汚染粒子が付着すると発生する。
【0071】
本発明による複数の支持要素16が1つのフレーム18上に配置されていて、フレーム18によって充填装置10内を動かされるので、累積誤差は著しく低減される。4つの支持要素16を支持するこの実施例に示されたフレームの場合、累積誤差は4分の1に減る。
【0072】
図11には、走行レール27上で充填装置10内を案内されるフレーム18が斜視部分図として示されている。特に注目すべきなのは、ローラ22と走行レール27とが協働して、センタリング作用を発揮することである。走行面29の形状はほぼV字形である。断面部分円形の、走行レール27の走行面30は、ローラのV字形溝内に位置する。このV字形溝はローラ側の走行面29を形成する。図から明らかなように、充填装置内をフレーム18が運動しているときには、走行レール27は基本的にはローラ22のV字形溝内のできる限り深い位置に挿入されている。横断方向力が発生しない限り、ローラ22は走行レール27上でセンタリングされた状態で案内される。このように、送り方向に対して横断方向におけるフレーム18の確実なセンタリングが保証される。これにより、フレーム18、特に支持要素16の容器受容部17が作動部署11に対して確実に正しく方向付けられる。
【0073】
充填装置の運転時に攪乱によって、フレームを脱センタリングする横断方向力がフレーム18に作用した場合には、フレーム18は、走行レール27とローラ22との協働形状に基づいて、横断方向力がなくなった後すぐに、その正しい位置に滑り入る。
【0074】
図13は、フレーム18の長手方向異形材19を、図12の断面線XIIIに沿って示す断面図である。支持要素半部20はピン35によって鉛直方向に保持されているが、しかし運動可能にフレーム上に配置されている。ピン35は、長手方向異形材19に形成された孔36内に挿入されている。支持要素半部20の鉛直方向運動可能な支承は、特に瓶の充填に役立つ充填装置10のために必要である。
【0075】
図14において1つのフレーム18の支持要素16内に懸吊された瓶37は瓶本体38を有している。瓶本体は、瓶直径を漸減させながら瓶首39内に移行する。瓶首39は瓶口40の近くで、半径方向で突出した瓶鍔41を備えている。瓶37の瓶首39はそれぞれ1つの容器受容部17内に挿入されている。瓶本体38は支持要素16の下方に位置し、瓶鍔41は支持要素上に載置されている。支持要素16の容器受容部17内に瓶を挿入するために、本発明は新しい種類の容器供給装置を提案する。この容器供給装置には全体的に符号50が付けられている。図15〜20に基づいて容器供給装置を以下に説明する。
【0076】
図15は、容器供給装置50を、支持要素16を備えたフレーム18の下方にある状態で示している。一貫して図面に示すように、支持要素16は、それぞれ2つの支持要素半部20から成っている。支持要素半部20はそれぞれ部分切欠きを備えている。対応する、互いに対を成して向き合う部分切欠きが、共通に1つの容器受容部17を形成している。
【0077】
容器供給装置50は基底プレート51を含んでおり、基底プレートの上方には瓶持ち上げプレート52が配置されている。瓶持ち上げプレート52の上方には瓶保持プレート53が配置されている。瓶保持プレート53上には、容器受容部17の数に応じて、スリーブ状の瓶ホルダ54が載置されている。瓶保持プレート53上にはさらに支持要素持ち上げ器55が配置されている。支持要素16内に挿入された瓶37は、瓶ホルダ54内部に挿入されている。容器供給装置50の領域内には、充填装置10はリンクブロック56を有している。リンクブロックは、フレーム18の長手方向支持体19に対して平行に、そして支持要素16の上方に配置されている。基底プレート51、瓶持ち上げプレート52、並びに瓶保持プレート53は、図示していない駆動装置を介して、鉛直方向に運動可能である。プレート51〜53のそれぞれは互いに鉛直方向に相対運動するように移動可能である。
【0078】
図16によれば、各リンクブロック56はリンクガイド57を有している。リンクガイド57は、支持要素半部20のガイド部材24のための、延長方向に方向付けられた導入区分58を有している。それぞれ2つの隣接するリンクガイド57が1つのリンク機構対を形成する。鉛直方向導入区分58に続いて設けられた、各リンク機構対の斜め区分59は互いに反対に向けられている。各リンク機構対は従って、互いに鏡像的に形成されたリンクガイド57から成っている。
【0079】
図17において、容器供給装置50が鉛直方向断面図で示されている。ここでは断面平面は送り方向に対して横断方向にある。この断面図から明らかなように、瓶保持プレート53は各瓶ホルダ54の領域内で貫通部60を有している。各貫通部60内には、瓶持ち上げプレート52上に固定された瓶リフタ61が挿入されている。瓶リフタ61は、一方の端部では瓶持ち上げプレート52上に固定された、鉛直方向に方向付けられた瓶リフタ支持部62を有しており、また他方の端部では瓶リフタ支持部62に固定された瓶リフタ皿部63を有している。瓶37の瓶底部は瓶リフタ皿部63上に載置されている。
【0080】
図17〜20に基づいて、ここで容器供給装置50の機能を説明する。充填装置の上側走行区間OTもしくは下側走行区間UTの外側に配置された容器装填領域内で、容器供給装置50の瓶ホルダ54に瓶37が装填される。次いで、容器供給装置は上側走行区間OT又は下側走行区間UTの領域内に移動される。上側走行区間OT又は下側走行区間UTにおいて、瓶37は支持要素16内に挿入される。図17に示された、容器供給装置50の出発位置において、持ち上げ器55は支持要素半部20の下側に当て付けられている。瓶首39は支持要素16の下方に位置する。
【0081】
図18〜20は、1つのフレーム18と、その下側に配置された容器供給装置50の鉛直方向断面を示している。断面平面は送り方向に対して平行に配置されている。図17に示された容器供給装置の出発位置とは異なり、図18には開放位置が示されている。瓶持ち上げプレート52と瓶保持プレート53とから成るユニットは、基底プレート51に対して鉛直方向に持ち上げられている。図18に示されていない持ち上げ器55は、その結果、支持要素半部20をやはり鉛直方向で上方に向かって動かす。支持要素半部20はピン35の作用領域を去る。同時に、ガイド部材24は、リンクブロック56の鉛直方向導入区分58内に係合する。ガイド部材24はリンクガイド57の斜め区分59内に達する。これらの斜め区分59は、支持要素半部20の鉛直方向運動を側方運動に変換する。その結果、支持要素16の支持要素半部20は互いに所定の間隔を開けられ、これにより容器受容部17が拡大される。このために、支持要素半部20はその載置平面AE(支持要素半部が長手方向支持体19上に載置されている平面)から開放平面OE内に移動する。容器受容部17が拡大されたこと、すなわちリンク機構によって制御された状態で支持要素半部20が側方運動させられたことは、特に横断方向異形材21に対する支持要素半部の相対位置から判る。横断方向異形材21は図13の断面図では2つの支持要素16の間に配置されているが、2つの支持要素16の互いに隣接する支持要素半部20は、これらが開放平面OE内に配置されているときには、横断方向異形材21に被さる。
【0082】
さらに図18から判るように、瓶首39の瓶鍔41は、拡大された容器受容部17の開口幅Dよりも小さな直径dを有している。
【0083】
瓶持ち上げプレート52及び瓶保持プレート53の共通の鉛直方向運動によって、瓶首39は載置平面AE内に入り込む。この際に、瓶鍔41が載置平面AEの上方に配置されることが保証される。全体的に見ると、瓶持ち上げプレート52と瓶保持プレート53とから成るユニットは、支持要素半部20の載置平面AEと開放平面OEとの間の間隔だけ鉛直方向で上方に向かって動かされたことになる。
【0084】
図19には、容器供給装置50の瓶挿入位置が示されている。図18と比較すれば明らかなように、このような位置に達するために、瓶持ち上げプレート52は瓶保持プレート53に対して鉛直方向で上方に向かって動かされたことになる。瓶持ち上げプレート52と連結された瓶リフタ61を介して、瓶37も鉛直方向で上方に向かって動かされる。このとき瓶リフタ61は瓶ホルダ54内に進入する。瓶持ち上げプレート52の鉛直方向運動によって、瓶首39は支持要素半部20の開放平面OE内に移動される。このとき瓶鍔41は支持要素半部20の上方に位置している。
【0085】
図20には、容器供給装置50の閉鎖位置が示されている。瓶保持プレート53と瓶持ち上げプレート52とから成るユニットはその全体が、図20の閉鎖位置に達するために、基底プレート51に対して下方に向かって動かされる。ここに示されていない持ち上げ器55に支承されている支持要素半部20は、この下方運動に追従する。ここでガイド部材24がその中に挿入されているリンクガイド57は、支持要素半部20の開放運動とは逆の閉鎖運動のために役立つ。閉鎖運動の終了後、支持要素半部20は再び載置平面AE内にある。支持要素半部20が戻されたことは、やはり横断方向異形材21に対するその相対位置から判る。横断方向異形材21は今や再び、2つの隣接する支持要素16の支持要素半部20の間で同一平面内に位置している。下方に向かって相対運動が行われたことは、図19と図20とを比較して、瓶ホルダ54の上側開口64と横断方向異形材19との間の間隔からも判る。
【0086】
閉鎖運動の終了後、瓶持ち上げプレート52はなおも、瓶リフタ皿部63が瓶保持プレート53の平面内に配置される程度に沈め込まれる。さらに容器供給装置50は、瓶ホルダ54が瓶37を解放する程度に沈め込まれる。
【0087】
前述の容器供給装置50を、運動経過を逆転させるだけで容器取り出し装置として活用し得ることは難なく判る。このような場合、図20は出発位置を形成する。瓶37は瓶ホルダ54内に挿入されている。瓶リフタ61は、すでに瓶底を保持している。図19への変動に際しては、瓶保持プレート53と瓶持ち上げプレート52とから成るユニットは鉛直方向で上方に向かって移動されているので、図20に示されていない、しかし支持要素半部20の下面に当て付けられた持ち上げ器55は、支持要素半部を鉛直方向で上方に向かって動かす。ガイド部材24がリンクガイド57内に係合することにより、支持要素半部20が側方に移動され、ひいては容器受容部17が開かれる。これに続いてそして図18への移行に際して、瓶持ち上げプレート52は瓶保持プレート53に対して相対的に下方に向かって移動し、瓶は結果として支持要素半部20に対して沈め込まれる。瓶持ち上げプレート52及び瓶保持プレート53が続いて同一の大きさだけ基底プレート51に対して下方に向かって移動されることにより、やはり図18にも示されていない持ち上げ器55も下方に向かって動かされる。持ち上げ器の運動には支持要素半部20が追従し、すると支持要素半部はリンク機構57によって案内されて再び閉じられる。閉鎖運動後、容器取り出し装置は図17に示された位置、すなわち容器供給装置50の出発位置として図17では記述された位置において、フレーム18に対して相対的に位置している。取り出し動作を終了させるために、今や容器取り出し装置は上側走行区間もしくは下側走行区間の取り出し場所を去らなければならない。瓶は、別の、詳しくは説明していない装置によって、瓶ホルダ54から取り出され、さらなる搬送のためにパッケージにまとめられる。
【0088】
要約すると、先ず、ローラ22上で充填装置10内を案内される、容器37のための支持要素17が送り方向に対して横断方向にセンタリング可能である解決手段が提示された。このような手段はローラ22と走行レール27との形状係合によって簡単に形成される。
【0089】
さらに、フレーム18であって、この上で支持要素16が群を成して配置された状態で装置10内を移動可能であるフレーム18が提示された。このことは送り方向における支持要素16の方向付けを著しく改善した。それというのもこのような方向付けは、これらの支持要素16を、個々の支持要素16と支持要素16とが接した状態で充填装置10内を通して押し動かす充填装置の場合、支持要素16間の汚染によって生じ得る累積誤差を著しく低減するからである。さらに、本発明によるフレーム18は、制御された加速及び減速を可能にする相互連結を可能にする。
【0090】
最後に、容器取り出し装置として働くのにも適した新しい種類の容器供給装置50が開示された。容器供給装置50の重要な利点は、容器を下方から支持要素16へ供給することに基づき、支持要素半部20の開放距離を短くすることである。従って、直接隣接する支持要素16に容器37を同時に装填することができる。さらに、従来技術に基づいて知られているダブルステップ機械に対して、適切な構造空間において3つ以上の支持要素16に同時に容器37を提供することも可能である。その結果、充填装置10の処理量、ひいては費用効果を著しく高めることができる。
【符号の説明】
【0091】
10 装置
11 作動部署
12 滅菌・乾燥ユニット
13 調量部署
14 キャップ載置部署
15 キャップねじ嵌め部署
16 支持要素
17 容器受容部
18 フレーム
19 18の長手方向異形材
20 支持要素半部
21 18の横断方向異形材
22 18のローラ
23 19の結合要素
24 ガイド部材
25 支持ストリップ
26 ローラ軸
27 走行レール
28 22のV字形もしくは屋根形溝
29 22の走行面
30 27の走行面
31 溝
32 31の溝側壁
33 連結部材
34 33の側面
35 ピン
36 孔
37 瓶
38 瓶本体
39 瓶首
40 瓶口
41 瓶鍔
50 容器供給装置
51 基底プレート
52 瓶持ち上げプレート
53 瓶保持プレート
54 瓶ホルダ
55 持ち上げ器
56 リンクブロック
57 リンクガイド
58 57の鉛直方向導入区分
59 斜め区分
60 53の貫通部
61 瓶リフタ
62 瓶リフタ支持部
63 瓶リフタ皿部
64 54の上側開口
AE 載置平面
OE 開口平面
OT 上側走行区間
UT 下側走行区間
ST 側方走行区間
R 支持要素16の容器受容部17の列
B 容器受容部17の軌道
X 上側走行区間内の支持要素の移動方向
Y 下側走行区間内の支持要素の移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶(37)及びカップに充填するための充填装置(10)であって、
− 上側走行区間(OT)、下側走行区間(UT)、及び前記上側走行区間と前記下側走行区間(UT)とを結合する側方走行区間(ST)が設けられており、そして、
− 前記上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間(OT,ST,UT)に沿って、作動部署(11)の傍らを通過しながらローラ(22)上で前記充填装置(10)内を循環するように案内される複数の支持要素(16)が設けられており、
− 前記支持要素(16)が、送り方向(X/Y)に対して横断方向に列(2)を成して配置された、容器のための受容部(17)を有している、
充填装置において、
少なくとも2つの支持要素(16)が1つの共通のフレーム(18)上に配置されており、このようなフレーム(18)によってローラ(22)上で前記充填装置(10)内を循環するように案内されるようになっていることを特徴とする、
充填装置。
【請求項2】
前記ローラ(22)が前記支持要素(16)の共通のフレーム(18)に配置されており、そして前記フレーム(18)が前記ローラ(22)によって、走行路に沿って前記充填装置(10)内を案内されるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記フレーム(18)が、少なくとも作動部署(11)に沿った支持要素(16)の運動中には、結合要素(23)によって互いに結合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の充填装置。
【請求項4】
前記フレーム(18)の相互の結合が、前記結合要素(23)の間の避けられない嵌め合い遊びを除けば、遊びなしであることを特徴とする、請求項3に記載の充填装置。
【請求項5】
前記結合要素(23)が前記フレーム(18)を水平方向で互いに接した状態で配置するが、しかし2つの隣接するフレーム(18)の相対的な鉛直方向運動が、前記相互の結合を解離することを特徴とする、請求項3又は4に記載の充填装置。
【請求項6】
前記結合要素(23)が、凹面状の側壁(32)を備えた溝(31)と、連結部材(33)とをそれぞれ1つずつ有しており、第1結合要素(23)の連結部材(33)が、第2結合要素(23)の溝(31)内に、前記凹面状溝側壁(32)の頂線間で遊びなしに挿入されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項7】
前記連結部材(33)は、前記溝側壁(32)に対して平行な位置に方向付けられた、凸面状に形成された側面(34)を有しており、前記凹面状溝側壁(32)の頂線と凸面状連結部材側面(34)の頂線とがほぼ同一平面にある配置関係を成して互いに噛み合う結合要素(23)が、前記フレーム(18)のほとんど遊びなしの相互の結合を保証することを特徴とする、請求項6に記載の充填装置。
【請求項8】
4つの支持要素(16)が1つの共通のフレーム(18)上に配置されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項9】
前記支持要素(16)が1つの列(2)に沿って半分に分割されており、各支持要素半部(20)が部分切欠きを有しており、そして隣接する支持要素半部(20)の互いに向き合う部分切欠きが共通して、容器のための1つの受容部(17)を形成しており、前記支持要素(16)は前記共通のフレーム(18)上に、鉛直方向に持ち上げ可能に配置されており、そして前記容器の挿入のために前記受容部(17)を開くための持ち上げられた位置では、側方に運動可能であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項10】
食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶(37)及びカップに充填するための充填装置(10)であって、
− 上側走行区間(OT)、下側走行区間(UT)、及び前記上側走行区間と前記下側走行区間(UT)とを結合する側方走行区間(ST)が設けられており、そして、
− 前記上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間(OT,ST,UT)に沿って、作動部署(11)の傍らを通過しながらローラ(22)上で前記充填装置(10)内を循環するように案内される複数の支持要素(16)が設けられている、
充填装置において、
前記ローラ(22)がセンタリング装置を有しており、前記センタリング装置によって、前記支持要素(16)が送り方向(X/Y)に対して横断方向に方向付けられていることを特徴とする、
充填装置。
【請求項11】
前記ローラ(22)が、前記支持要素(16)を循環するように送る時に、走行路に沿って転動し、そしてローラ(22)と走行路とがセンタリング作用を発揮するように協働することを特徴とする、請求項10に記載の充填装置。
【請求項12】
前記ローラ(22)の走行面(29)の断面輪郭が、前記走行路の走行面輪郭と協働してセンタリング装置を形成することを特徴とする、請求項11に記載の充填装置。
【請求項13】
前記ローラ(22)の走行面(29)の断面輪郭がほぼV字形であり、そして前記走行路の走行面輪郭が部分円形に湾曲していることを特徴とする、請求項12に記載の充填装置。
【請求項14】
前記走行路が、断面円形の走行レール(27)によって形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の充填装置。
【請求項15】
前記走行路がほぼV字形のビードを形成しており、前記ビード内で、断面部分円形に形成された走行面を有する走行ローラ(22)が転動することを特徴とする、請求項12に記載の充填装置。
【請求項16】
食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶(37)及びカップに充填するための充填装置(10)であって、
− 上側走行区間(OT)、下側走行区間(UT)、及び前記上側走行区間と前記下側走行区間(UT)とを結合する側方走行区間(ST)が設けられており、
− 前記上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間(OT,ST,UT)に沿って、作動部署(11)の傍らを通過しながら前記充填装置(10)内を循環するように案内される複数の支持要素(16)が設けられており、
− 前記支持要素(16)が、送り方向(X/Y)に対して横断方向に列を成して配置された、容器のための受容部を有しており、前記受容部が送り方向で軌道(B)を成すように配置されており、
− 前記支持要素(16)が受容部(17)の1つの列(2)に沿って、ほぼ半分に分割されており、
− 隣接する支持要素半部(20)の互いに対を成して対応配置された部分切欠きが、共通に1つの容器受容部(17)を形成しており、そして、
− 前記支持要素半部(20)が前記充填装置(10)内に、前記容器受容部(17)を拡大する開放運動を実施し得るように支承されており、そして、
容器供給装置(50)が設けられている、
充填装置において、
前記容器供給装置(50)が前記容器を前記支持要素(17)の下方から供給するようになっていることを特徴とする、
充填装置。
【請求項17】
前記容器供給装置(50)が前記容器を、前記容器受容部(17)内への挿入のために持ち上げ、そして前記持ち上げ動作が前記支持要素半部(20)の開放運動を誘導することを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記容器供給装置(50)が、直接に隣接する少なくとも2つの支持要素(16)に同時に容器を装填することを特徴とする、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記支持要素半部(20)がガイド部材(24)を有しており、前記ガイド部材(24)は、充填装置側のリンク機構(57)内に係合し、そして前記支持要素半部(20)の開放運動を制御するようになっていることを特徴とする、請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記容器供給装置(50)が持ち上げ器(55)を有しており、前記持ち上げ器の、前記支持要素半部(20)に作用する鉛直方向運動は、前記支持要素半部を持ち上げることによって前記支持要素半部(20)の開放運動をもたらすことを特徴とする、請求項17〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記容器供給装置(50)が、容器のための保持要素(54)を備えた鉛直方向移動可能なプラットフォームを有していることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記持ち上げ器(55)が前記プラットフォームと連動するように、しかし前記プラットフォームに対して相対運動可能に配置されていることを特徴とする、請求項20及び21に記載の装置。
【請求項23】
前記容器供給装置(50)が容器取り出し装置として役立つことを特徴とする、請求項16〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
食品及び嗜好品、特に希薄流体状からペースト状までの乳製品及び脂肪製品、ジュース、水、又はこれに類するものを容器、特に瓶(37)及びカップに充填するための充填装置(10)内に容器を供給する方法であって、
− 上側走行区間(OT)、下側走行区間(UT)、及び前記上側走行区間と前記下側走行区間(UT)とを結合する側方走行区間(ST)が設けられており、
− 前記上側走行区間、側方走行区間、及び下側走行区間(OT,ST,UT)に沿って、作動部署(11)の傍らを通過しながら前記充填装置(10)内を循環するように案内される複数の支持要素(16)が設けられており、
− 前記支持要素(16)が、送り方向(X/Y)に対して横断方向に列を成して配置された、容器のための受容部(17)を有しており、前記受容部が送り方向で軌道(B)を成すように配置されており、
− 前記支持要素(16)が受容部(17)の1つの列(2)に沿って、ほぼ半分に分割されており、
− 隣接する支持要素半部(20)の互いに対を成して対応配置された部分切欠きが、共通に1つの容器受容部(17)を形成しており、そして、
− 前記支持要素半部(20)が前記充填装置(10)内に、前記容器受容部(17)を拡大する開放運動を実施し得るように支承されており、そして、
容器供給装置(50)が設けられている、
充填装置内に容器を供給する方法において、
下記方法工程:
a) プラットフォーム上に配置された保持要素(54)に、容器を装填し、
b) 前記プラットフォームを、前記支持要素(16)内に前記容器が挿入される、前記充填装置(10)の場所に移動し、
c) 前記支持要素半部(20)をその載置平面(AE)から、前記開放運動を実施するために持ち上げ、
d) 前記容器を少なくとも前記支持要素(16)の載置平面(AE)内に持ち上げ、 e) 閉鎖運動を実施して前記容器を前記容器受容部(17)内に確実に保持するために、前記支持要素半部(20)を前記載置平面(AE)内に沈め込む、
方法工程を特徴とする、
充填装置内に容器を供給する方法。
【請求項25】
前記方法工程c)のために、持ち上げ器(55)を前記支持要素半部(20)に当接させる、プラットフォームの持ち上げが行われ、前記持ち上げ器が、前記プラットフォームに対する相対的な鉛直方向運動によって、前記支持要素半部(20)を開放位置にもたらすことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法工程e)のために前記持ち上げ器(55)が沈め込まれることを特徴とする、請求項24又は25に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−10565(P2013−10565A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183980(P2012−183980)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2012−543466(P2012−543466)の分割
【原出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(512136422)ハンバ フィルテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (5)
【Fターム(参考)】