説明

容器制御装置及び製造関連設備

【課題】容器の破損を防止しつつ搬送中の容器を確実に停止させる。
【解決手段】容器制御装置は、コンベア6による容器10の搬送及び遮断を制御する第1容器制御部100及び第2容器制御部200と、第1、第2容器制御部を制御する制御器30とを備える。第2容器制御部200は、第1容器制御部100よりもコンベア6の搬送経路上の上流側に配置される。第1容器制御部100は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として駆動可能に配置された第1制御部材11を含む。コンベア6による容器の搬送を許すときは、第1制御部材11の側面のうち螺旋状の溝が設けられていない部分を搬送経路の側部に向け、コンベア6による容器の搬送を遮断するときは、螺旋状の溝が容器に係合するように第1制御部材11を回動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器制御装置及び製造関連設備に係り、特に、容器の搬送を制御する容器制御装置及び該容器制御装置を含む製造関連設備に関する。
【背景技術】
【0002】
容器にビール等の液体を充填する充填装置(フィラー)がある。充填装置には、コンベア(搬送装置)により搬送経路に沿って容器が供給される。充填装置に対する容器の供給及び供給の停止は、搬送経路上に設けられた容器制御装置によってなされる。
【0003】
特許文献1には、容器の搬送及び停止を制御する容器制御装置が開示されている。この容器制御装置は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し、容器の搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として回転可能に配置された制御部材と、該制御部材を駆動することにより容器の搬送及び停止を制御する駆動部とを備えている。該駆動部は、コンベアによる容器の搬送を許すときは、該制御部材の側面のうち螺旋状の溝が設けられていない部分が搬送経路の側部に向くように該制御部材を回動させ、コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、螺旋状の溝が容器に係合するように該制御部材を回動させその状態で該制御部材を静止させることにより容器を停止させる。
【特許文献1】特開2004−26434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された容器制御装置によれば、コンベアによる容器の搬送を遮断するときに螺旋状の溝を容器に係合させることによって容器を確実に停止させることができる。
【0005】
しかしながら、一方で、コンベアによる容器の搬送速度が速くなると、螺旋状の溝によって容器を停止させたときに、螺旋状の溝に係合している容器に対して後続の容器によって大きな押し圧が加わりうる。この押し圧によって、螺旋状の溝と溝との間の歯が容器の胴部に食い込んで容器が破損する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、例えば、容器の破損を防止しつつ搬送中の容器を確実に停止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、コンベアによって搬送経路に沿って搬送されている容器を制御する容器制御装置に関する。前記容器制御装置は、前記搬送経路に配置され、前記コンベアによる容器の搬送及び遮断を制御する第1、第2容器制御部と、前記第1、第2容器制御部を制御する制御器とを備える。前記第2容器制御部は、前記第1容器制御部よりも前記搬送経路上の上流側に配置される。前記第1容器制御部は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し前記搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として駆動可能に配置された制御部材を含み、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記制御部材の側面のうち前記螺旋状の溝が設けられていない部分を前記搬送経路の側部に向け、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記螺旋状の溝が容器に係合するように前記制御部材を回動させる。前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記第2容器制御部によって容器の搬送を遮断した後に前記第1容器制御部によって容器の搬送を遮断する。
【0008】
本発明の好適な実施形態によれば、前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記第1容器制御部による容器の遮断を解除した後に前記第2容器制御部による容器の遮断を解除することが好ましい。
【0009】
本発明の好適な実施形態によれば、前記第2容器制御部は、容器を挟み込むことによって前記コンベアによる容器の搬送を遮断する第2制御部材を含むことが好ましい。
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、前記第2制御部材は、容器に接触する面を有し、前記面は、平面又は滑らかな曲面でありうる。
【0011】
本発明の第2の側面は、容器を取り扱う製造関連設備に関する。前記製造関連設備は、搬送経路に沿って容器を搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されてくる容器をタイミングスクリューによって取り込んで処理する処理装置と、前記コンベアによって前記搬送経路に沿って連続的に搬送されている容器を制御するように前記搬送経路に配置された第1、第2容器制御部と、前記第1、第2容器制御部を制御する制御器とを備える。前記第2容器制御部は、前記第1容器制御部よりも前記搬送経路上の上流側に配置される。前記第1容器制御部は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し、前記搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として駆動可能に配置された制御部材を含み、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記制御部材の側面のうち前記螺旋状の溝が設けられていない部分を前記搬送経路の側部に向け、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記螺旋状の溝が容器に係合するように前記制御部材を回動させる。前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記第2容器制御部によって容器の搬送を遮断した後に前記第1容器制御部によって容器の搬送を遮断する。
【0012】
本発明の好適な実施形態によれば、前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記第1容器制御部による容器の遮断を解除した後に前記第2容器制御部による容器の遮断を解除することが好ましい。
【0013】
本発明の好適な実施形態によれば、前記処理装置は、容器に液体を充填する充填装置を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば、容器の破損を防止しつつ搬送中の容器を確実に停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0016】
なお、以下では、本発明の容器制御装置を缶の搬送及び停止を制御する装置に適用した例を説明するが、本発明は、缶以外の容器(例えば、瓶、ペットボトル等)の搬送及び停止を制御する装置にも適用することができる。また、以下では、缶にビール等の液体を充填する充填装置に対して缶を供給するための搬送経路に容器制御装置を配置した例を説明するが、本発明は、充填装置以外の処理装置(例えば、瓶等の容器にラベルを貼るラベリング装置、缶や瓶等の容器を検査する検査装置等)に容器を供給するための搬送経路に配置して用いることもできる。
【0017】
図1及び図2は、本発明の好適な実施の形態の容器制御装置及びその適用例(缶にビール等の液体を充填するための製造関連設備)を示す図である。図1は、充填装置に対して缶を供給している状態を示し、図2は、充填装置に対する缶の供給を容器制御装置により停止させている状態を示している。
【0018】
この実施形態の容器制御装置は、第1容器制御部100及び第2容器制御部200を含む。第1容器制御部100及び第2容器制御部200は、缶10にビール等の液体を充填する充填装置に対して缶を搬送するための搬送経路に配置されている。第2容器制御部200は、第1容器制御部100よりも搬送経路の上流側に配置されている。充填装置は、例えば、充填部1、スターホイール2及びタイミングスクリュー3等で構成されている。第1容器制御部100及び第2容器制御部200は、制御器30によって制御される。
【0019】
缶10は、ガイド部材4a及び4b等によってガイドされながら、コンベア6により搬送経路(符号"6"を付した部分)に沿って連続的に搬送される。タイミングスクリュー3及びスターホイール2は、缶10に液体を充填するための充填部1と同期しながら回転している。モータ16によって回転駆動されるタイミングスクリュー3には、缶10を取り込んで移動させるために、円筒状の缶10の側面(胴部)に係合する螺旋状の係合部(他の観点で表現すると、係合部と係合部の間の歯部或いは凸部)が全周にわたって設けられている。缶10がタイミングスクリュー3の上流側端部(入口)付近に到達すると、缶10が螺旋状の係合部に係合してタイミングスクリュー3の回転に合わせてスターホイール2の方向に搬送される。ここで、缶10がスターホイール2の半円筒状に窪んだ係合部に渡されるように、タイミングスクリュー3とスターホイール2との同期が取られている。
【0020】
缶10を搬送経路に沿ってタイミングスクリュー3(充填部1)に供給する際は、第1容器制御部100による缶の拘束(停止させた状態)が解除された後に、第2容器制御部200による缶の拘束が解除される。
【0021】
具体的には、図1に示すように、第1容器制御部100の半スクリュー型の第1制御部材11は、コンベア6による缶10の搬送を阻害しないように、すなわち、螺旋状の係合部11rが形成されていない面(搬送用ガイド面)11pが搬送経路(或いは缶10の胴部)に向けられた状態になるように駆動部(例えば、ステッピングモータ)13によって回動され、その状態が維持される。この状態では、制御部材11は、缶10の搬送をガイドするガイド部材として機能しうる。ここでの制御部材11の回動は、制御部材11による缶の拘束の解除を意味する。
【0022】
第2容器制御部200は、一対の制御部材202a、202bを有する。一対の制御部材202a、202bは、コンベア6による缶10の搬送を阻害しないために十分な間隔が一対の制御部材202a、202b間に設けられるように駆動部(例えば、エアシリンダ)204によって駆動され、その状態が維持される。ここでの制御部材202a、202bの駆動は、制御部材202a、202bによる缶の拘束の解除を意味する。
【0023】
前述のように、缶10を搬送経路に沿ってタイミングスクリュー3(充填部1)に供給する際(供給を開始する際)は、第1容器制御部100による缶の拘束が解除された後に、第2容器制御部200による缶の拘束が解除される。これにより、第1容器制御部100によって拘束されている状態の缶に対して第2容器制御部200による拘束が解除された後続の缶が衝突すること、すなわち、第1容器制御部100によって拘束されている状態の缶に対して過剰な押し圧が加わることがないので、第1制御部材11の歯部が缶の胴部に食い込む現象が防止される。
【0024】
タイミングスクリュー3(充填部1)に対する缶10の供給を停止する必要が生じた際は、第2容器制御部200によって缶を拘束(停止)した後に、第1容器制御部100によって缶を拘束(停止)する。これにより、後続の缶によって押されていない状態で第1容器制御部100によって缶が停止されるので、第1制御部材11の歯部が缶の胴部に食い込む現象が防止される。
【0025】
具体的には、まず、第2容器制御部200の一対の第2制御部材202a、202bは、一対の制御部材202a、202b間の間隔を狭めてコンベア6による缶10の搬送を停止させるように駆動部(例えば、エアシリンダ)204によって駆動され、その状態が維持される。ここで、一対の第2制御部材202a、202bが缶に接触する面は、平面又は滑らかな曲面で構成されていることが好ましい。
【0026】
次いで、第1容器制御部100の半スクリュー型の制御部材11は、駆動部13により、その螺旋状の係合部11rが缶10の円筒面に係合するように、典型的には180度回動される。図2は、図1に示す状態から制御部材11を180度回動させた状態を示している。
【0027】
駆動部13による第1制御部材11の回動動作は、搬送中の缶10と缶10との間に制御部材11の螺旋状の係合部11rと係合部11rの間の歯部或いは凸部が挿入されるように、すなわち、缶の円筒面に対して係合部の面が適合するように、制御される。このとき、停止させるべき缶10は、制御部材11に設けられた螺旋状の歯部によって搬送方向への移動が規制されるので、駆動部13が制御器30から缶10の搬送の再開(開始)の指令を受けて制御部材11を搬送可能状態に戻さない限り、制御部材11から抜けて下流側に移動することはない。
【0028】
また、この回動動作に伴って、缶10は、制御部材11の螺旋状の係合部11r(或いは歯部)に沿って移動しながら搬送状態(搬送速度)から停止状態に至るので、比較的に緩やかに停止される。このような効果を更に高めるために、缶10を停止させる際、駆動部13は、回動動作の初期においてはコンベア6による搬送速度と概ね等しい速度で缶10が移動するような回転速度で制御部材11を回動させ、その後、徐々に制御部材11の回転速度を低下させながら回動動作を停止(これにより、缶10も停止する)させることが好ましい。
【0029】
第1制御部材11によって缶10を停止させるために駆動部13が第1制御部材11を回動させるタイミングは、タイミングスクリュー3の状態に応じて制御器30によって制御される。センサ35は、例えば、タイミングスクリュー3の回転角度を検知するように構成されうる。タイミングスクリュー3の回転角度の情報は、例えば、タイミングスクリュー3とともに回転する軸3sに設けられた被検知部(例えば、マークや突起等)3mがセンサ35の検知領域に回転してくることをセンサ35で検知することによって得ることができる。タイミングスクリュー3の回転角度は、例えば、基準位置としての被検知部3sが回転軸周りのどの方向を向いているかを示す。ここで、タイミングスクリュー3の回転角度は、該回転角度によってタイミングスクリュー3の係合部或いは歯部の位置が定まるので、結果として缶10の位置を特定する情報である。すなわち、タイミングスクリュー3の回転角度は、それに係合している缶10の位置と相関を有し、更に、タイミングスクリュー3の最も上流側(入口側)の係合部に係合する缶10に隙間なく連続的に並んでいる後続の全ての缶10の位置と相関を有する。
【0030】
したがって、タイミングスクリュー3の回転角度を検知することによって、第1制御部材11の前を通過している全ての缶10の位置を認識することができる。そこで、この実施形態では、タイミングスクリュー3の回転角度をセンサ35によって検知し、その検知結果に基づいて、搬送経路に沿って連続的に搬送されている缶と缶の間に第1制御部材11の歯部(係合部の係合部の間の部分)が挿入されるタイミングで、制御器30が駆動部13を動作させて第1制御部材11を回動させる。ここで、制御器30は、センサ35による被検知部3mの検知信号を遅延させて駆動部13に提供する駆動信号を生成する遅延器31を含み、遅延器31は、遅延時間を調整可能に構成されている。この遅延時間を調整することにより、センサ35による被検知部3mの検知から第1制御部材11を回動させるまでの時間遅延を調整することができる。このような調整可能な遅延器31を設けることにより、第1制御部材11を駆動するタイミングの調整が容易になり、また、そのタイミングを適宜調整することができる。このような調整は、例えば、テスト用の缶を搬送させながら実施することができる。
【0031】
タイミングスクリュー3の状態を示す情報は、上記のような回転角度を検知する方法の他、例えば、タイミングスクリュー3に設けられている係合部の位置や歯部の位置をセンサで検知することによっても得ることができる。
【0032】
制御器30は、例えば、第1制御部材11の回転角度を検知する検知器(例えば、ロータリーエンコーダ)12の出力に基づいて駆動部13をフィードバック制御してもよい。
【0033】
以上のように、容器の供給を開始又は再開する場合には、第1容器制御部100による容器の拘束を解除した後に第2容器制御部200による容器の拘束を解除することにより、容器制御部100によって拘束されている状態の容器に対して第2容器制御部200による拘束が解除された後続の容器が衝突することがないので、制御部材11の歯部が容器の胴部に食い込む現象が防止される。
【0034】
また、容器の供給を停止する必要が生じた際は、第2容器制御部200によって容器を拘束(停止)した後に、第1容器制御部100によって容器を拘束(停止)する。これにより、後続の容器によって押されていない状態で容器制御部100によって容器を停止させることができるので、第1制御部材11の歯部が容器の胴部に食い込む現象が防止される。
【0035】
また、タイミングスクリュー3の回転角度等の状態に応じて第1制御部材11を回動させて缶10を停止させる構成によれば、缶10を確実に停止させることができる。また、制御部材11に螺旋状の係合部11rを設けて係合部11rを缶10に係合させて缶10の停止を制御することにより第1制御部材11からの缶抜けを防止し缶10をより確実に停止させることができる。しかも、螺旋状の係合部11rと係合部11rの間の歯部が缶10と缶10の間に挿入されるようにタイミングスクリュー3の回転角度等の状態に応じて第1制御部材11を回動させることにより歯部が缶10の胴部に食い込むことによる缶10の損傷等を防止することができる。
【0036】
第1制御部材11の近傍には、誤動作等によって制御部材11の歯部が缶10に噛み込んだ場合にそれを検知するために噛み込み検知センサ(例えば、缶が所定領域に近づいたことを検知する近接センサ)38を配置してもよい。噛み込みが検知された場合は、制御器30は警報等を発する。なお、噛み込みが発生した場合には、その状態でタイミングスクリュー3に対する缶10の供給が第1制御部材11によって遮断されるので、噛み込みに係る缶10がタイミングスクリュー3に供給されることは、皆無であるか極めて希である。
【0037】
停止されていた缶10の供給の再開(開始)タイミングについては、回転しているタイミングスクリュー3の回転角度、もしくは、タイミングスクリュー3の全周にわたって形成された螺旋状の係合部の位置を考慮すべきである。より具体的には、第1制御部材11が缶10の搬送を再開(開始)させ、その停止されていた先頭の缶10が搬送経路を通ってタイミングスクリュー3に至った時に、タイミングスクリュー3に形成された螺旋状の歯部が缶10に食い込まないように、第1制御部材11を駆動すべきである。
【0038】
この実施の形態では、タイミングスクリュー3の歯部の位置に関する情報としてタイミングスクリュー3の回転角度を検知する検知器(例えば、ロータリーエンコーダ)15を備えており、検知器15による検知結果に基づいて、タイミングスクリュー3に対して適正なタイミングで缶10が供給されるように、制御器30が駆動部13を制御する。すなわち、第1制御部材11は、検知器15による検知結果に基づいて、タイミングスクリュー3に対して適正なタイミングで缶10が供給されるように、コンベア6による缶10の搬送を阻害しない角度(すなわち、図1に示す状態)に回動される。このような制御は、例えば、タイミングスクリュー3と第1制御部材11との距離、コンベア6による搬送速度、タイミングスクリュー3の回転速度、第1制御部材11の回動速度、缶10が制御部材11による拘束を解除されるときの第1制御部材11の回転角度(及びそのような回転角度まで回動するために要する時間)、制御系の遅れ等のパラメータを考慮してなされうる。
【0039】
次に、図3を参照しながら缶の搬送及び停止を制御するための第1制御部材11の好ましい形状の一例を説明する。図3の(a)、(b)は、それぞれ缶10の搬送を停止させた状態における第1制御部材11の側面図、平面図である。本発明の好適な実施形態の第1制御部材11は、缶10の搬送経路に対して平行に配置される軸11aを中心として回転可能に支持される。第1制御部材11は、側面の一部(すなわち、全周のうち一部)に、断面において半円状に窪んだ螺旋状の係合部11r(及び係合部11r間の歯部11t)が形成され、該側面の他の一部には概ね円筒面状或いは直線状の搬送用ガイド面11pが形成されている。
【0040】
図4は、第1制御部材11の好ましい形状の一例を別の観点で示した図である。図4は、第1制御部材11をその軸方向の無限遠から見た概念図である。この実施形態の第1制御部材11は、例えば、中心線C1を中心とする半径r1の円柱状部材に深さ(r1−r2)の係合部(好適には、中心線C1を通る平面で切断した断面図において半円状に窪んだ係合部)を螺旋状に形成し、その後、その係合部が形成された円柱状部材から、中心線C1からずれた中心線C2を中心とする半径r3の円筒面内の部分を切り出して得られる形状(すなわち、溝が形成された円柱状部材から斜線部を削り取って得られる形状)を有する。この場合、図中右側には、概ね円筒面状、或いは直線状の搬送用ガイド面11pが形成され、図中左側には、深さ(r1−r2)の係合部が形成される。ここで、図6に示す例では、中心線C1と中心線C2との距離が(r3−r2)で、半径r1の円と半径r3の円が図中左側で接している。
【0041】
本発明の好適な実施形態では、例えば、中心線C1(第1制御部材11の中心線C2から偏心した線)を回転中心11aとして駆動部13により回転又は回動駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の好適な実施の形態の製造関連設備(缶の供給時)を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態の製造関連設備(缶の停止時)を示す図である。
【図3】缶の搬送及び停止を制御するための制御部材の構造を示す図である。
【図4】缶の搬送及び停止を制御するための制御部材の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 充填部
2 スターホイール
3 タイミングスクリュー
3m 被検知部
3s 回転軸3s
4a、4b ガイド部材
5a、5b ストッパ部材
6 コンベア(搬送経路)
10、10a、10b 缶
10g 缶と缶の間の隙間
11 第1制御部材
11a 軸
11p 搬送用ガイド面
11r 溝
11t 歯部(凸部)
12 検知器(例えば、ロータリーエンコーダ)
13 駆動器(例えば、ステッピングモータ)
15 検知器(例えば、ロータリーエンコーダ)
16 モータ
30 制御器
31 遅延器
35 センサ
38 噛み込み検知センサ
41a、41b ストッパ部材
41c、41d 抜け防止部
42a、42b 駆動部(例えば、エアシリンダ、リニアモータ)
51 ストッパ部材
52 駆動部(例えば、エアシリンダ、リニアモータ)
100 第1容器制御部
200 第2容器制御部
202a、202b 第2制御部材
204a、204b 駆動部(例えば、エアシリンダ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアによって搬送経路に沿って搬送されている容器を制御する容器制御装置であって、
前記搬送経路に配置され、前記コンベアによる容器の搬送及び遮断を制御する第1、第2容器制御部と、
前記第1、第2容器制御部を制御する制御器とを備え、
前記第2容器制御部は、前記第1容器制御部よりも前記搬送経路上の上流側に配置され、
前記第1容器制御部は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し前記搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として駆動可能に配置された制御部材を含み、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記制御部材の側面のうち前記螺旋状の溝が設けられていない部分を前記搬送経路の側部に向け、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記螺旋状の溝が容器に係合するように前記制御部材を回動させ、
前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記第2容器制御部によって容器の搬送を遮断した後に前記第1容器制御部によって容器の搬送を遮断する、
ことを特徴とする容器制御装置。
【請求項2】
前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記第1容器制御部による容器の遮断を解除した後に前記第2容器制御部による容器の遮断を解除することを特徴とする請求項1に記載の容器制御装置。
【請求項3】
前記第2容器制御部は、容器を挟み込むことによって前記コンベアによる容器の搬送を遮断する第2制御部材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の容器制御装置。
【請求項4】
前記第2制御部材は、容器に接触する面を有し、前記面は、平面又は滑らかな曲面であることを特徴とする請求項3に記載の容器制御装置。
【請求項5】
容器を取り扱う製造関連設備であって、
搬送経路に沿って容器を搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送されてくる容器をタイミングスクリューによって取り込んで処理する処理装置と、
前記コンベアによって前記搬送経路に沿って連続的に搬送されている容器を制御するように前記搬送経路に配置された第1、第2容器制御部と、
前記第1、第2容器制御部を制御する制御器とを備え、
前記第2容器制御部は、前記第1容器制御部よりも前記搬送経路上の上流側に配置され、
前記第1容器制御部は、容器と係合する螺旋状の溝を側面の一部に有し、前記搬送経路に対してほぼ平行な軸を中心として駆動可能に配置された制御部材を含み、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記制御部材の側面のうち前記螺旋状の溝が設けられていない部分を前記搬送経路の側部に向け、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記螺旋状の溝が容器に係合するように前記制御部材を回動させ、
前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を遮断するときは、前記第2容器制御部によって容器の搬送を遮断した後に前記第1容器制御部によって容器の搬送を遮断する、
ことを特徴とする製造関連設備。
【請求項6】
前記制御器は、前記コンベアによる容器の搬送を許すときは、前記第1容器制御部による容器の遮断を解除した後に前記第2容器制御部による容器の遮断を解除することを特徴とする請求項5に記載の製造関連設備。
【請求項7】
前記処理装置は、容器に液体を充填する充填装置を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の製造関連設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−326676(P2007−326676A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159108(P2006−159108)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】