説明

容器搬送処理装置

【課題】容器4を前後に分離して処理を行った後、横並びの状態に整列させて搬送する容器搬送処理装置の高速化を可能にする。
【解決手段】3列で容器4を搬送する搬送コンベヤ2と、整列させた3列の容器4のうちの先頭の容器4(4A)を1本ずつ切り離す分離手段6と、搬送コンベヤ2よりも遅い速度で前進し、搬送されている3本の容器4のうち中央の容器4Aに係合して前進を規制する第2ピン34と、そのあとで両側の容器4に係合して前進を規制する第1ピン32とを備えており、これら第1ピン32と第2ピン34とで容器4の前進を規制して前後に離した状態にして、その間に能書差入手段10によって能書50を挿入した後、第2ピン34の係合を外して再び3本の容器4を横並びの状態にして搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の容器を搬送中に処理手段によって所定の処理を行う容器搬送処理装置に係り、例えば、複数本の容器を横並びの状態で搬送している間に、所定の容器を切り離して、この容器と他の容器との間に、能書等の紙片を差し入れる等の処理を行った後、再び複数本の容器を横並びの状態に戻して搬送する容器処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
位置をずらして配置した複数個の物品に処理を行った後、これら物品を移動させて横並びの状態にする装置がすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された発明に係る「ロール体の収納方法および収納装置」は、以下のように構成されている。すなわち、テーブル1上の所定位置に、複数のロール体2、3を、一つおきに前後に位置するように配置し、前側のロール体2と後側のロール体3との間に帯状の仕切り部材であるフィルムを張設する。そして、押圧板5を前進させることにより、後側のロール体3を前側のロール体2と一直線状になるように整列させる。このときに、フィルム4の保持を解除すると、ロール体2、3相互間にフィルム4が蛇行状に配置されるようになる。続いて、上述の工程を繰り返すことにより、ロール体2、3およびロール体6、7相互間にフィルム4を蛇行状に配置することができる。そして、このように整列されたロール体2、3、6、7を段ボール箱8に搬送することにより、段ボール箱8内にフィルム4で隔離されたロール体2、3、6、7を収納する。
【特許文献1】特開平4−142202号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に記載された発明では、物品の前後の位置をずらした状態にして、その間にフィルムを配置した後、押圧板によって押圧することにより物品を移動させて一列の状態にすることにより、物品相互間にフィルムを蛇行状に巻き付けることができる。しかしながら、この発明の構成では、前記各動作を間欠的に行うので高速処理には対応することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、複数列で容器を搬送する搬送手段と、複数列に整列された容器を各列の先頭から所定本数ずつ分離させる分離手段と、前記搬送手段による搬送方向と同方向へ搬送手段よりも低速で移動し、搬送中の容器に干渉して容器の進行を規制可能な第1干渉手段と、この第1干渉手段よりも搬送方向上流側で、前記搬送手段による搬送方向と同方向へ搬送手段よりも低速で移動し、横並びで搬送される容器のうちの所定の容器に干渉して、この容器の進行を規制可能な第2干渉手段と、これら第1干渉手段と第2干渉手段によって容器の進行を規制した状態で、搬送中の容器に所定の処理を施す処理手段とを備え、横並びで搬送される容器のうちの所定の容器を第2干渉手段によって進行を規制するとともに、他の容器は第1干渉手段によって進行を規制して前記容器よりも先行させている間に、搬送される容器に所定の処理を施し、処理後に前記容器を再び横並びにして搬送することを特徴とするものである。
【0005】
また、請求項2に記載した発明は、前記第1干渉手段は、横並びで搬送されるすべての容器に干渉可能であり、第2干渉手段によって干渉される所定の容器は、第2干渉手段によって進行を規制された状態で処理手段による処理が行われた後、第2干渉手段による規制が解除され、前記すべての容器が第1干渉手段によって進行を規制されて横並びの状態で搬送されることを特徴とするものである。
【0006】
さらに、請求項3に記載した発明は、前記第2干渉手段は、搬送方向の前後に進退動可能であり、前方側に移動した時には、第1干渉手段とともに容器に干渉してその進行を規制し容器を横並びの状態で搬送させ、後方側に移動した時には、所定の容器を他の容器よりも上流側で進行を規制することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項4に記載した発明は、前記処理手段が、所定の容器の進行を規制して他の容器を先行させた状態で、所定の容器と他の容器との間に介在物を差し入れる差入手段であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の容器搬送処理装置は、横並びの状態で搬送している容器のうちの所定の容器を第2干渉手段で進行を規制することにより、第1干渉手段によって進行を規制されている容器よりも搬送方向上流側に位置させた状態で、容器に所定の処理を施した後、再び横並びの状態に戻して搬送させるようにして、搬送中の連続処理を行うので、高速化が可能であるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
複数列で容器を搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送されている容器を、整列された状態で先頭から所定個数の容器を分離手段によって切り離して横に並んだ状態にする。これら横並びで搬送されている容器に係合して、搬送コンベヤよりも低速で移動する第1干渉手段によってその進行を規制し、さらに、これら横並びで搬送されている容器のうちの所定の容器を、第1干渉手段よりも上流側で、搬送手段よりも低速で移動する第2干渉手段によって進行を規制し、第2干渉手段によって進行を規制された所定の容器と、第1干渉手段によって進行を規制されているその他の容器とを、前後の位置をずらして搬送している状態で、容器に所定の処理を施し、その後、第2干渉手段によって進行を規制されている容器を他の容器と横並びの状態に戻して搬送するという構成で、搬送中の複数の容器を一旦切り離して所定の処理を行った後再び元の横並びに戻すという工程を行う容器搬送処理装置の高速化を実現する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器搬送処理装置を示すもので、図(a)は側面図、図(b)は平面図である。この実施例では、搬送コンベヤ2が容器4を3列で搬送するようになっており、各列の容器4をそれぞれ搬送するために、平行して等間隔で配置された3列のトップチェーン2A、2B、2Cを備えている。これら各トップチェーン2A、2B、2Cの両側に、各トップチェーン2A、2B、2Cによって搬送される容器4の下部両側を案内するガイド2D、2E、2F、2Gが配置されている(図2および図3参照)。
【0011】
この搬送コンベヤ2の上流部(図1の左方)の下方に、3列の容器4を横並びの状態にして一列ずつ切り離す分離手段6が設けられている。また、搬送コンベヤ2の下方の、前記分離手段6よりも下流側に、前記横並びの3本の容器4のうちの中央に位置する容器4(4A)を、一旦両側の容器4に対して相対的に後退させ、後に説明する処理を行った後、再び横並びの状態にする搬送容器規制装置8が配置されている。そして、この搬送容器規制装置8の長手方向のほぼ中央部の上方に、搬送中の容器4に所定の処理を行う処理手段10が配置されている。この実施例では、処理手段10は、前記搬送容器規制装置8によって前後に切り離された容器4(前方に位置する両側の2本の容器4と後方に位置する中央の容器4A)の間に能書や仕切り等の紙片等の介在物を差し入れる差入手段である。なお、この実施例では、搬送コンベヤ2が3列で容器4を搬送するようにしているが、3列に限るものではなく、2列または4列以上であっても良い。また、前記処理手段10は、能書等の差入手段に限るものではなく、その他の容器処理手段であっても良い。
【0012】
分離手段6は、搬送コンベヤ2上を複数列で搬送されている容器4を、各列の先頭から1本ずつ切り離して、3本横並びの状態で送り出すもので、回転体12の外周寄りに円周方向等間隔で複数の係合ピン14が設けられている。これら係合ピン14は、後端部(回転体12の半径方向内方側)に設けられたカムフォロア16が環状の溝カム18に嵌合しており、回転体12の回転に伴って回転方向(矢印R1方向)の前後に揺動できるようになっている。この実施例では、各係合ピン14が回転体12の上方側に移動して、搬送コンベヤ2の下方に位置したときには、直立した状態になってその先端を搬送コンベヤ2の搬送面2aよりも上方に突出させて、搬送されている容器4に係合する。係合ピン14は、3列のトップチェーン2A、2B、2Cの両側にそれぞれ配置されており、搬送コンベヤ2の上方へ突出したときには、各容器4の前面の両側に係合する(図1(b)参照)。回転体12の回転による各係合ピン14の前進速度は、搬送コンベヤ2による搬送速度よりも遅くなっており、各容器4は、それぞれ係合ピン14によって前面側を規制された状態で前進することにより、3列で横並びの状態に整列される。
【0013】
係合ピン14は、その後、溝カム18の形状に応じて変位して、搬送コンベヤ2の下方へ退避する。このように係合ピン14の係合が外れた容器4は、搬送コンベヤ2の搬送速度で前進する。一方、その後続の容器4は、その後方の係合ピン14によって前進を規制されているので、各列の1本ずつの容器4が切り離されて3本の容器3が横並びの状態で搬送される。なお、この実施例では、分離手段6が、3列で搬送されている容器4の各列の先頭の容器4を1本ずつ切り離して、3本の容器4を横並びの状態にするが、各列の容器4を1本ずつ切り離す構成に限るものではなく、2本ずつまたは3本以上ずつ切り離すようにすることもできる。
【0014】
搬送コンベヤ2の3列のトップチェーン2A、2B、2Cは、上方の搬送面側が、3列の支持レール20(図2および図3参照)に支持されて走行する。また、この搬送コンベヤ2の戻り側である下方側は、この容器搬送処理装置の機枠22の両側壁22a、22b間に支持されている横断ロッド24の外周に取り付けられた環状体26に支持されて走行する。
【0015】
搬送コンベヤ2の下方の、前記分離手段6よりも下流側に搬送容器規制装置8が配置されている。この搬送容器規制装置8について、前記図1(a)、(b)および図2、図3により説明する。上流側と下流側に配置されたスプロケット28A、28Bに掛け回されている両側のチェーン30(30A、30B)に、搬送コンベヤ2上を搬送されている容器4に干渉してその前進を規制する干渉手段32、34が設けられている。干渉手段32、34は、搬送コンベヤ2上を横並びで搬送されている3本の容器4の前面側にそれぞれ干渉可能な6本の第1ピン32a(各容器4の前面に2本ずつ当接する)を備えた第1干渉手段32と、前記3本の容器4の中央に位置している容器4(図1および図3中に符号4Aで示す)の前面側に干渉する2本の第2ピン34aを備えた第2干渉手段34を有している。これら第1干渉手段32と第2干渉手段34が前後で一組になり、前記チェーン30(30A、30B)に等間隔で取り付けられている。
【0016】
機枠22の両壁面22a、22b間に水平な横断ロッド36が固定され、この横断ロッド36の上下の両側にチェーンガイド38、40が固定され、これら両側のチェーンガイド38、40に前記チェーン30(30A、30B)が支持されている。チェーン30の、搬送コンベヤ2と同一方向に走行する上面側は、上下をチェーンガイド38によって支持され、下面側は、横断ロッド36の下側にブラケット39を介して固定された下面側支持ガイド40に支持されている。
【0017】
前記両側のチェーン30A、30B間に、搬送コンベヤ2による搬送方向と直交する方向の支持プレート32b、34bが固定されている。各支持プレート32b、34bには、それぞれ上下に貫通して一対のガイドブッシュ32c、34cが固定されている。これら両ガイドブッシュ32c、34c内に、取付プレート32d、34dの下面に固定した昇降ロッド32e、34eが昇降自在に挿通されている。第1干渉手段32の取付プレート32dには、6本の第1ピン32aが直立して固定され、第2干渉手段34の取付プレート34dには、中央部の容器4(4A)に対応して2本の第2ピン34aが直立して固定されている。これら第1干渉手段32の第1ピン32aと、第2干渉手段34の第2ピン34aとの間隔は、搬送される容器4の前後の厚さ(円形容器4の場合には直径)よりもやや大きい間隔となるように配置されている。
【0018】
第1干渉手段32の取付プレート32dの下面に、鉛直方向の固定板32fを介して第1カムフォロア32gが固定されている。この第1カムフォロア32gは、前記水平な横断ロッド36の上下に固定されている第1カム42に係合しており、この第1カム42の形状に応じて上下動することにより、前記取付プレート32dに取り付けられた第1ピン32aを昇降させる。
【0019】
また、前記横断ロッド36の上下に、第1カム42に隣接して第2カム44が固定されている。また、第2干渉部材34の取付プレート34dの下面に、下方を向けた固定板34fを介して第2カムフォロア34gが固定されている。この第2カムフォロア34gが前記第2カム44に係合しており、第2カム44の形状に応じて第2カムフォロア34gが上下動することにより、取付プレート34dに取り付けられた第2ピン34aを昇降させる。
【0020】
第1カム42および第2カム44は、両スプロケット28A、28Bの下方側を移動してきた第1干渉手段32および第2干渉手段34が上流側のスプロケット28Aの周囲を回って上方側(搬送コンベヤ2と同じ方向に走行する側)に移行するとすぐに、第1ピン32aおよび第2ピン34aを搬送コンベヤ2の上方に突出させるようなカム形状をしている。そして、下流側では、先に第2カム44の低部領域44aが形成されており、この低部領域44aにより第2ピン34aを下降させてその先端を搬送コンベヤ2の搬送面2a上から退避させる。一方、第1カム42は、第2カム44の低部領域44aでは、同じ高さを維持して、第1干渉ピン32aの先端を搬送コンベヤ2の上方に突出させておき、下流端のスプロケット28Bの直前に形成された低部領域42aで第1干渉ピン32aを下降させて搬送コンベヤ2の搬送面2a上から退避させるようになっている。
【0021】
搬送コンベヤ2の上方に、搬送コンベヤ2によって搬送されている容器4の処理を行う処理手段10が設けられている。この実施例の処理手段10は、横に並んだ状態で搬送されている3本の容器4の間に能書50を挿入する能書差入手段である。この能書差入手段10は、搬送コンベヤ2によって搬送されている容器4の上方を循環走行する無端状チェーン46と、この無端状チェーン46に一定の間隔で取り付けられたグリッパ48とを備えている。これらグリッパ48は、開閉して能書50を把持し、また解放できるようになっている。各グリッパ48は、上部にカムフォロア52が設けられており、このカムフォロア52がグリッパ開放カム54に係合すると開放する。能書差入手段10は、図1(a)に示す部分の上流側(図の左側)に、能書供給部(図示せず)が設けられており、図示しないカムによって一旦グリップ部48が開放して能書50を把持し、この図1(a)に示す位置まで移動してくる。
【0022】
搬送コンベヤ2上の、搬送容器規制装置8が設けられている位置よりも下流側に、能書押し込みガイド56が配置されている。前記能書差入手段10によって前方側の2本の容器4と後方側の1本の容器4(4A)の間に投入された能書50は、中央のトップチェーン2Bの両側に配置されているガイド2E、2F上に載った状態で移動してくるので、3本の容器4が横並びの状態にされた後も途中に引っ掛かった状態になっている。そのため、ガイド2D、2E、2F、2Gが設けられている位置を通過した後、この押し込みガイド56を下降させて、能書50を容器4の下部側に押し下げるようにしている。
【0023】
以上の構成に係る容器搬送処理装置の作動について説明する。搬送コンベヤ2の上流側から3列で搬送されてきた多数の容器4は、分離手段6の位置に到達すると、搬送コンベヤ2の搬送面2a上に突出した係合ピン14に係合する。分離手段6は搬送コンベヤ2の搬送速度よりも遅い速度で回転しており、容器4のほぼ1本分の間隔で設けられている係合ピン14によって容器4の前進が規制されることにより、容器4は、前後に接触した状態、または前後に接近した状態になるとともに、3列の容器4が横並びの状態になる(図1(b)のA位置の容器参照)。このように3列で整列された状態で搬送されている容器4は、先頭の容器4に係合して前進を規制していた係合ピン14が回転体12の回転に伴って回転移動し、溝カム18の形状に応じて前傾して搬送コンベヤ2の搬送面2aよりも下方に退避すると、3列の容器4の先頭の容器4が横並びの状態で搬送コンベヤ2の走行速度で搬送され、一方、後続の容器4は、次の係合ピン14によって前進を規制されているので、各列の先頭の1本の容器4だけが後続の容器4から切り離される(図1(b)のB位置の容器参照)。後続の容器4も分離手段6によって順次一定の間隔で切り離され、搬送コンベヤ2によって搬送されるので、3本の横並びの容器4が等間隔で搬送される状態になる(図1(b)のB、C、D位置の容器参照)。
【0024】
搬送コンベヤ2によって3本の容器4が横並びの状態で搬送され、搬送容器規制装置8の位置に到達すると、一つの組になっている第1干渉手段32と第2干渉手段34にそれぞれ設けられている第1ピン32aと第2ピン34aが、第1カム42および第2カム44によって順次上昇され、搬送コンベヤ2の搬送面2a上に突出する。これら第1ピン32aおよび第2ピン34aは、対応する3本の横並びの容器4よりも前方側(搬送方向の下流側)で、さらに先行する3本の容器4との間に突出する。
【0025】
搬送容器規制装置8の第1ピン32aおよび第2ピン34aが前進する速度は、搬送コンベヤ2による容器4の搬送速度よりも遅いので、容器4が次第に前方の第1ピン32aおよび第2ピン34aに接近し(図1(b)のD位置の容器参照)、横並びの3本の容器4が先ず第2ピン34aに追いつく。第2ピン34aは中央の容器4(4A)の位置に設けられており、3本の容器4のうちの中央の容器4(4A)に係合してその前進を規制する(図1(b)のE位置の容器参照)。一方、両側の2本の容器4は、そのまま搬送コンベヤ2の搬送速度で前進した後、前方の第1ピン32aに追いついて係合し、前進を規制される(図1(b)のF位置の容器参照)。このように3本の容器4がそれぞれ第1ピン32aと第2ピン34aに係合して、前進を規制された状態になると、第1ピン32aと第2ピン34aの前後の距離だけ、前方の2本の容器4と後方の1本の容器4(4A)の間に間隔が開く。
【0026】
このように容器4が前後に離れた状態になると、上方の能書差入手段10には、能書の差し入れ区間が設けられており、能書50を把持しているグリッパ48が下降して前後の容器4、4Aの間に挿入され(図1(b)のG位置でグリッパが下降する)、グリッパ開放カム54によって開放される。グリッパ48が開放されると、把持していた能書50が前方側の2本の容器4と後方の1本の容器4(4A)の間に、搬送方向と直交する方向を向けて投入される(図1(b)のH位置の容器および能書参照)。グリッパ48は、前後の容器4間に能書50を投入した後、上昇して再び次の能書50を把持するために能書供給部(図示せず)に戻る。
【0027】
前後の容器4間に能書50が投入された後、第1ピン32aおよび第2ピン34aに前進を規制された容器4がピンとともに前進する。このとき、グリッパ48が上昇して容器4間から抜け出した後に(図1(b)のI位置でグリッパが上方へ抜け出す)、これら容器4は第2カム44の低部領域44aに到達する。この時点では第1カム42は同じ高さのままであり、第1ピン32aはそのままの状態で前進し、第2ピン34aだけが第2カム44の形状に応じて下降し、搬送コンベヤ2の搬送面2a上から退避する。すると、第2ピン34aによって前進を規制されていた中央の容器4(4A)が、搬送コンベヤ2の搬送速度で前進して、前方の第1ピン32aに追いつく(図1(b)のJ、K位置の容器および能書参照)。前後の容器4の間に投入された能書50は、中央の容器4が両側の容器4に対して前進してその間に入り込むに従って、次第に曲げられて、3本の容器4が横並びの状態になったときには、能書50が中央の容器4の前面と左右両側に巻き付けられた状態になる(図1(b)のK位置の容器および能書参照)。
【0028】
その後、3本の容器4が、搬送容器規制装置8の下流端に到達すると、第1カム42の低部領域42aが形成されており、第1ピン32aが第1カム42の形状に応じて搬送面2aの下方に降下する。前面側に係合して前進を規制していた第1ピン32aが下降した後、3本の容器4は横並びの状態のまま搬送コンベヤ2の走行速度で搬送される(図1(b)のL位置の容器参照)。その下流側には能書50の押し込みガイド56が設けられており、容器4の上下方向の途中にとまっていた能書50が押し込みガイド56に押されて搬送コンベヤ2の搬送面2a上まで押し下げられる。その後、中央の容器4(4A)に能書50が巻き付けられた3本の容器4は、図示しない箱詰め手段によって箱58内に収納される(図4参照)。
【実施例2】
【0029】
図5は第2の実施例に係る容器搬送処理装置の要部を示す側面図である。この実施例でも、前記第1実施例と同様に、搬送コンベヤ2の下方に配置された搬送容器規制装置108が、第1干渉手段132と第2干渉手段134を備えている。この搬送容器規制装置108は、図示しない上流側と下流側のスプロケットに掛け回された両側一対の無端状チェーン130間に、搬送コンベヤ2の搬送方向と直交する方向の支持プレート160が等間隔で取り付けられている。これら各支持プレート160に、上端に第1ピン162が取り付けられた昇降ロッド164がそれぞれ昇降可能に支持されている。チェーン130の走行に伴って前進する昇降ロッド164の下端にカムフォロア165が設けられ、下方に配置された第1カム142に係合している。この第1カム142によって昇降ロッド164が上昇しているときには、上端の第1ピン162が搬送コンベヤ2の搬送面2a上に突出して容器4に係合できるようになっている。また、図5の右端部に示すように、第1カム142が低くなっている領域142aでは昇降ロッド164が支持プレート160に対して下降して、上端の第1ピン162が搬送コンベヤ2の搬送面2aの下方へ退避して容器4との係合が外れる。
【0030】
この実施例でも、前記第1実施例と同様に上流側の分離手段(図示せず)によって各列の容器4が一本ずつ切り離され、3本の容器4が横に並んだ状態で搬送コンベヤ2上を搬送される。そして、搬送途中で一旦中央の容器4(4A)が両側の容器4に対して相対的に後退されて、前方の両側2本の容器4と後方の中央の容器4(4A)とが前後に間隔を空けられるようになっており、直立した昇降ロッド164の上端に取り付けられている第1ピン162は、両側の容器4に対応するように、搬送コンベヤ2の搬送方向両側に2本ずつ設けられている。
【0031】
両側に配置された前記第1ピン162の中間に、搬送コンベヤ2の搬送方向前後に進退動可能な第2ピン166が設けられている。両側の第1ピン162が取り付けられている昇降ロッド164の後方側(搬送コンベヤ2の上流側)に水平な取付プレート168が固定され、この取付プレート168上に、搬送コンベヤ2の搬送方向と平行なレール170が取り付けられている。このレール170上に直立したロッド172が搬送コンベヤ2の搬送方向前後に進退動できるように支持されている。この進退動ロッド172の上端に前記第2ピン166が取り付けられている。
【0032】
進退動ロッド172の上部に長孔172aが形成され、この長孔172a内にレバー174の上端が連結されている。このレバー174は、そのほぼ中央部に設けられた支点176が、前記レール170の取り付けられている水平なプレート168に回転自在に支持されている。さらに、このレバー174の下端部にはカムフォロア178が取り付けられている。
【0033】
レバー174の前記支点176よりも下部と、レール170が取り付けられている水平なプレート168の支点176よりも前方側との間にスプリング180が装着されて、このレバー174の下部側を常時搬送方向前方側(搬送コンベヤ2の下流側)に引き付けている。従って、このレバー174の上端が連結されている進退動ロッド172は、常に搬送方向後方側(搬送コンベヤ2の上流側)に付勢されている。そして、前記無端状チェーン130の下方側に、前記レバー174を揺動させて進退動ロッド172および第2ピン166を搬送方向前方へ向けて移動させるカム(第2カム)144が設けられている。この第2カム144は、前後に分離している容器4を横並びにするための傾斜部144aを有している。前記レバー174のカムフォロア178がこの第2カム144に係合していないときには、第2ピン166が第1ピン162に対して最も後方に離れており、第2カム144の傾斜部144aによって、カムフォロア178が押し上げられると、レバー174の上部側が搬送方向の前方に向けて揺動し、第2ピン166が第1ピン162と並ぶ位置まで前進して、3本の容器4を再び横並びの状態にする。
【0034】
この実施例でも、第1干渉手段132の第1ピン162と第2干渉手段134の第2ピン166は、搬送コンベヤ2による容器4の搬送速度よりも遅い速度で、搬送方向と同じ方向に前進する。搬送コンベヤ2の上流部では、3列に整列した容器4の各列の先頭の容器4が、前記第1実施例と同様に上流側の分離手段で切り離され、横並びの状態で3本の容器4が搬送されてくる。これら容器4の前方側で搬送コンベヤ2の搬送面2a上に突出した第1干渉手段132の第1ピン162と第2干渉手段134の第2ピン166とは、第2ピン166のカムフォロア178が第2カム144に係合していないので、前後に離れた状態で前進している。搬送コンベヤ2によって、第1ピン162と第2ピン166よりも速い速度で搬送されている3本の容器3は、次第に前方のピン162、166に接近し、先ず、中央の容器4(4A)が第2ピン166に係合して前進を規制される。続いて、両側の2本の容器4が第1ピン162に係合して前進を規制され、前方の2本の容器4とその中間に位置する後方の1本の容器4(4A)とが間隔を空けた状態で搬送される(図5のM位置の容器参照)。
【0035】
このように前方の2本と後方の1本とに前後に別れて搬送されている容器4の間に、第1実施例と同様の能書差込手段によって能書を投入する(図5では能書投入手段および能書の図示を省略する)。その後、第2干渉手段134のレバー174の下端に設けられているカムフォロア178が第2カム144に係合して、傾斜面144aを上昇することによりレバー174を次第に前方に揺動させる。このレバー174の揺動によって第2ピン166が取り付けられている進退動ロッド172がレール170上を前進して、第2ピン166が第1干渉手段132の第1ピン162に接近し、3本の容器4のうちの中間の容器4(4A)が次第に両側の容器4の間に入り込む(図5のN位置に示す容器参照)。そして、最終的には、第1ピン162と第2ピン166とが搬送方向の同一位置に並び、3本の容器4が完全に横並びの状態になる(図5のO位置に示す容器参照)。3本の容器4が横並びの状態になり、中央の容器4(4A)に能書が巻き付けられた状態になった後、第1干渉手段132の昇降ロッド164の下端に設けられているカムフォロア165が第1カム142の低部領域142aに移動して、昇降ロッド164が下降し、第1ピン162が搬送コンベヤ2の搬送面2aよりも下方に退避する。また、第2干渉手段134の第2ピン166が取り付けられている進退動ロッド172は、前記水平な取付プレート168を介して第1干渉手段132の昇降ロッド164に取り付けられているので、一体的に下降して第2ピン166も同時に搬送面2aの下方に没入する。なお、第2ピン166が下降する際に、レバー174が下降できるように、カムフォロア178が係合している第2カム144にも低部領域144bが形成されている。この第2実施例に係る容器搬送処理装置も、前記第1実施例と同様に、搬送中に容器4を前後に分離して能書を投入した後再び横並びの状態にして搬送することができるので、高速処理が可能である。なお、前記各実施例では、搬送中の容器に処理を施す処理手段として、具体的には、3本の容器を対象に容器間に介在物を差し入れる差入手段を備えるものとしたが、これに限るものではなく、第2干渉手段によって進行を規制された所定の容器や、これに先行する他の容器を対象として、何らかの所定の処理を施す処理手段を備えるようにしてもよく、例えば、第2干渉手段に規制されて、前後に切り離された容器に対して、搬送方向側方からレーザ等により印字を施したり、画像認識により検査を行う等、規制された所定の容器やその他の先行する容器に対して、横並びの状態では、隣り合う容器と重なって露出されない箇所を対象に、処理を施す処理手段を備えることができ、本発明の容器搬送処理手段は、このような処理手段を備える場合にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例に係る容器搬送処理装置を示す図であり、図(a)は側面図、図(b)は平面図である。(実施例1)
【図2】前記容器搬送処理装置の横断面図であり、第1干渉手段を示すものである。
【図3】前記容器搬送処理装置の横断面図であり、第2干渉手段を示すものである。
【図4】この実施例に係る容器搬送処理装置によって処理した容器を箱内に挿入した状態を示す斜視図である。
【図5】第2の実施例に係る容器搬送処理装置の要部の側面図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0037】
2 搬送手段(搬送コンベヤ)
4 容器
6 分離手段
10 処理手段(差入手段)
32 第1干渉手段
34 第2干渉手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列で容器を搬送する搬送手段と、複数列に整列された容器を各列の先頭から所定本数ずつ分離させる分離手段と、前記搬送手段による搬送方向と同方向へ搬送手段よりも低速で移動し、搬送中の容器に干渉して容器の進行を規制可能な第1干渉手段と、この第1干渉手段よりも搬送方向上流側で、前記搬送手段による搬送方向と同方向へ搬送手段よりも低速で移動し、横並びで搬送される容器のうちの所定の容器に干渉して、この容器の進行を規制可能な第2干渉手段と、これら第1干渉手段と第2干渉手段によって容器の進行を規制した状態で、搬送中の容器に所定の処理を施す処理手段とを備え、
横並びで搬送される容器のうちの所定の容器を第2干渉手段によって進行を規制するとともに、他の容器は第1干渉手段によって進行を規制して前記容器よりも先行させている間に、搬送される容器に所定の処理を施し、処理後に前記容器を再び横並びにして搬送することを特徴とする容器搬送処理装置。
【請求項2】
前記第1干渉手段は、横並びで搬送されるすべての容器に干渉可能であり、第2干渉手段によって干渉される所定の容器は、第2干渉手段によって進行を規制された状態で処理手段による処理が行われた後、第2干渉手段による規制が解除され、前記すべての容器が第1干渉手段によって進行を規制されて横並びの状態で搬送されることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送搬送装置。
【請求項3】
前記第2干渉手段は、搬送方向の前後に進退動可能であり、前方側に移動した時には、第1干渉手段とともに容器に干渉してその進行を規制し容器を横並びの状態で搬送させ、後方側に移動した時には、所定の容器を他の容器よりも上流側で進行を規制することを特徴とする請求項1に記載の容器搬送処理装置。
【請求項4】
前記処理手段が、所定の容器の進行を規制して他の容器を先行させた状態で、所定の容器と他の容器との間に介在物を差し入れる差入手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の容器搬送処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−105703(P2010−105703A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280305(P2008−280305)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】