説明

容器検査システムの診断方法

【課題】容器の検査を中断することなく容器検査システムの各検査装置が正常に動作しているか否か検査することが可能な容器検査システムの診断方法を提供する。
【解決手段】容器Bを検査する複数の検査装置3、4、5を備えた容器検査システム1の検査装置3、4、5の異常の有無を診断する診断方法において、各検査装置3、4、5にID番号を付与するとともに、検査すべき検査装置に付与されたID番号と同じID番号を付したサンプル容器Bsを容器Bが搬送される搬送経路に容器Bとともに流す。その後、搬送経路上におけるサンプル容器Bsの位置を把握し、そのサンプル容器Bsがユーザが入力したID番号と同じID番号が付された検査装置に検査された場合にのみその検査装置から情報管理装置10に検査結果が出力される。情報管理装置10に出力された検査結果は、記憶部11に記憶されるとともに出力部30から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の互いに異なる部分を検査する複数の検査装置を備えた容器検査システムの各検査装置が正常に動作しているか否か診断する診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の互いに異なる検査対象部、例えば口部天面や胴部などを各検査対象部に対応付けて設けた複数の検査装置で検査する容器検査システムが知られている。このような容器検査システムでは、各検査装置が正常に動作しているか否か定期的に診断が行われる。この容器検査システムの診断方法として、例えば被検査物であるビール壜の口天面に疑似欠陥としてフィルタ層や反射層を貼り付け、このフィルタ層や反射層の検査結果に基づいて検査機の校正を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、成形ラインから検査装置への壜の供給を停止させて生産ラインを停止させ、その後複数のサンプル壜を順に検査装置に供給し、これら複数のサンプル壜が各サンプル壜に対応する検査器で正常に検査されたか否かチェックするサンプルチェッカを備えた検査システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−202267号公報
【特許文献2】特開2005−144327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法は、検査機が一台の検査システムを校正するための方法であり、複数の検査機を備えた検査システムに適用することは考慮されていない。特許文献2のシステムでは、サンプル壜による各検査器の動作を確認する際は成形ラインから検査装置への壜の供給を停止させる必要がある。そのため、この期間はこの検査装置が設けられた生産ラインが停止する。従って、生産ライン上の壜の検査効率が低下し、これにより壜の生産効率が低下する。
【0005】
そこで、本発明は、容器の検査を中断することなく容器検査システムの各検査装置が正常に動作しているか否か診断することが可能な容器検査システムの診断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器検査システムの診断方法は、複数の検査対象部を有する容器(B)を所定の搬送経路に沿って搬送しつつ、前記複数の検査対象部に対応して設けられ、前記所定の搬送経路上に設定された互いに異なる検査位置(P1、P2、P3)において対応付けられた検査対象部を検査する複数の検査装置(3、4、5)で搬送中の容器の各検査対象部を検査する容器検査システム(1)に適用され、前記複数の検査装置の異常の有無を診断する診断方法において、前記複数の検査装置に互いに異なる登録番号を付与する登録番号付与工程(S1)と、前記登録番号付与工程において各検査装置に付与された登録番号のうち診断対象である一つの検査装置の登録番号が入力手段(20)から入力され、その入力された登録番号を各検査装置にそれぞれ伝達する登録番号通知工程(S2)と、前記複数の検査対象部のうち前記診断対象の検査装置にて検査される所定の検査対象部に疑似欠陥が設けられ、かつ前記診断対象の検査装置に付与された登録番号が付されたサンプル容器(Bs)を前記容器検査システムに供給するサンプル容器供給工程(S3)と、前記サンプル容器が前記所定の搬送経路から搬出されるまで前記所定の搬送経路上を搬送されている前記サンプル容器の位置を繰り返し取得し、取得した位置が前記複数の検査位置のいずれかの検査位置であった場合に、その検査位置にて容器の検査を行う検査装置に前記サンプル容器の検査を行わせるサンプル容器検査工程(S4)と、前記サンプル容器検査工程において検査を行った検査装置の登録番号と前記入力手段から入力された登録番号とが一致した場合にその検査装置の検査結果を情報管理装置(10)に出力する検査結果出力工程(S5)と、前記検査結果出力工程において前記情報管理装置に出力された検査結果を記憶手段(11)に記憶させるとともに表示手段(30)に表示する検査結果処理工程(S6)と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の診断方法によれば、入力手段から登録番号が入力された正常に動作しているか否か診断すべき診断対象の検査装置の検査結果のみが情報管理装置に出力されるので、この情報管理装置から表示手段に表示された検査結果を確認することにより、その検査結果を出力した検査装置が正常に動作しているか否かユーザが容易に確認することができる。そのため、ユーザによる誤判断を抑制することができる。また、本発明の診断方法では、サンプル容器の位置を把握しているので、他に容器検査システムで検査すべき容器を所定の搬送経路上に流したままでも各検査装置の診断を行うことができる。そのため、容器の検査を中断することなく各検査装置が正常に動作しているか否か診断することができる。この場合、容器検査システムに生産ラインの上流から送られてくる容器の検査を各検査装置で行いつつ各検査装置の診断を行うことができる。そのため、容器検査システムにおける容器の検査効率を向上させるとともに、この容器検査システムが設けられた生産ラインの生産効率を向上させることができる。
【0008】
本発明の診断方法の一形態においては、前記サンプル容器にアルミ部材(Al)が取り付けられ、前記所定の搬送経路の入口には、アルミ検知手段(40a)が設けられていてもよい。この場合、所定の搬送経路にサンプル容器が供給されたか否か容易に検出することができる。
【0009】
本発明の診断方法の一形態において、前記容器検査システムは、前記所定の搬送経路に沿って容器を搬送するコンベア手段(2)と、前記コンベア手段の回転軸(2a)の回転位置を検出する回転位置検出手段(2b)と、を備え、前記サンプル容器検査工程では、前記回転位置検出手段の検出値に基づいて前記サンプル容器の位置を取得してもよい。周知のようにコンベア手段によって容器が搬送されるとそのコンベア手段の回転軸が回転する。そのため、このように回転軸の回転位置を検出することにより、容易にサンプル容器の位置を取得することができる。
【0010】
本発明の診断方法の一形態において、前記容器検査システムは、ホイールに形成された複数のポケットに容器を取り込み、前記ホイールを回転駆動して取り込んだ容器を前記所定の搬送経路に沿って搬送するスターホイール装置を備え、前記サンプル容器検査工程では、前記スターホイール装置において前記サンプル容器が取り込まれたポケットの位置に基づいて前記サンプル容器の位置を取得してもよい。スターホイール装置では、そのスターホイール装置から容器が排出されるまで、容器は同じポケットに取り込まれたままでいる。そのため、そのサンプル容器が取り込まれたポケットの位置を取得することにより、サンプル容器の位置を容易に取得できる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように、本発明の診断方法によれば、サンプル容器の位置を把握しているので、他に容器検査システムで検査すべき容器を所定の搬送経路上に流したままでも各検査装置の診断を行うことができる。そのため、容器の検査を中断することなく各検査装置が正常に動作しているか否か診断することができる。これにより、容器の検査効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一形態に係る診断方法が適用された容器検査システムの概略図を示している。容器検査システム1は、容器Bを所定の搬送経路に沿って所定の速度で搬送するコンベア手段としての搬送コンベア2と、容器Bの互いに異なる検査対象部に対応して設けられる第1〜第3検査装置3、4、5とを備えている。図1に示したように搬送コンベア2の回転軸2aには、回転軸2aの回転位置に応じたパルス信号を出力する回転位置取得手段としてのロータリーエンコーダ2bが設けられている。容器Bの検査対象部としては口部天面、肩部、胴部が設定される。そして、第1検査装置3では容器Bの口部天面が、第2検査装置4では容器Bの肩部が、第3検査装置5では容器Bの胴部がそれぞれ検査される。各検査装置3〜5は、所定の搬送経路上に設定され、各検査装置3〜5に対応付けられた各検査位置P1〜P3に到達した容器Bをカメラ3a〜5aで撮像し、得られた画像に基づいてそれぞれの検査装置で検査すべき検査対象部の異常の有無を検査する。なお、各検査装置3〜5による検査の方法は、パターンマッチングなどの周知の方法でよいため、詳細な説明は省略する。
【0014】
図1に示したように各検査装置3〜5は、情報管理装置10と相互に情報のやり取りが可能なように接続されている。情報管理装置10は、各検査装置3〜5の検査結果を記憶する記憶手段としての記憶部11を備えている。記憶部11には、ハードディスク記憶装置、あるいは記憶保持が可能な半導体記憶素子等の記憶装置が用いられる。情報管理装置10には、容器検査システム1に対してユーザが指示を入力する入力手段としての入力部20がシーケンサ21を介して接続されている。また、情報管理装置10には、情報管理装置10内の情報を表示する表示手段としての出力部30が接続されている。入力部20には、例えばキーボード、マウス等の入力機器が用いられ、出力部30にはモニタ装置、プリンタ等の出力機器が用いられる。
【0015】
図1に示したように搬送コンベア2にはアルミ検知手段としてのアルミセンサ40が設けられている。アルミセンサ40は、各検査装置3〜5に容器Bの検査を行うタイミング信号を出力するタイミング信号出力装置41と接続されている。図1に示したようにタイミング信号出力装置41には、ロータリーエンコーダ2bが接続されている。タイミング信号出力装置41は、ロータリーエンコーダ2bから出力されるパルス信号を受信し、この受信したパルス信号に基づいて各検査装置3〜5に出力するタイミング信号を生成する。
【0016】
この容器検査システム1では、図1の左側から搬送コンベア2に容器Bが供給される。供給された容器Bは、各検査位置P1〜P3に到達した時点で各検査装置3〜5により各検査対象部が検査される。そして、各検査対象部のいずれか一つに傷や汚れがあった場合は、第3検査装置5の下流に設けられた排除装置(不図示)にて搬送コンベア2上から排除される。なお、第3検査装置5と排除装置の間には、容器Bに異物が付着しているか否か検査する検査装置(不図示)が設けられ、この検査装置で異物が付着していると判断された場合も排除装置により搬送コンベア2上から排除される。
【0017】
次に、図1及び図2を参照して容器検査システム1の各検査装置3〜5が正常に動作しているか否か診断する診断方法について説明する。図2は、この診断方法の手順を示すフローチャートを示している。この診断方法では、まず登録番号付与工程S1で各検査装置3〜5に登録番号としてのID番号を付与する。各検査装置3〜5には互いに異なるID番号が登録され、例えば第1検査装置3にはID番号として3が、第2検査装置4にはID番号として4が、第3検査装置5にはID番号として5が、それぞれ付与される。なお、付与されたID番号は、各検査装置3〜5が備える記憶部3b〜5bに記憶される。続く登録番号通知工程S2では、ユーザによる入力部20へのID番号の入力が行われる。ここでは、今回の検査で正常に動作しているか否か検査する検査装置3〜5に付与されているID番号が入力される。今回の検査では、例えば第2検査装置4の検査を行うとする。この場合、ID番号としては4が入力される。入力されたID番号(以下、入力ID番号と称することがある。)は、シーケンサ21及び情報管理装置10を介して各検査装置3〜5に伝達される。そして、この入力ID番号も、各検査装置3〜5の記憶部3b〜5bにそれぞれ記憶される。
【0018】
次のサンプル容器供給工程S3では、サンプル容器Bsを容器検査システム1に供給する。サンプル容器Bsは、今回の検査で正常に動作しているか否か検査する第2検査装置4で検査が行われる容器Bの検査対象部、すなわち容器Bの肩部に疑似欠陥として予め傷をつけたものである。そして、このサンプル容器Bsには、第2検査装置4に付与されたID番号と同じID番号(以下、サンプルID番号と称することがある。)すなわち4が付される。図1に示したようにサンプル容器Bsには、アルミ部材としてのアルミテープAlが貼り付けられている。このアルミテープAlは、傷をつけた部分以外の部分に貼り付けられる。図1に示したように搬送コンベア2の入口には、アルミセンサ40が設けられている。そのため、サンプル容器Bsが搬送コンベア2に供給されたか否かはアルミセンサ40により検知できる。また、アルミセンサ40によってサンプル容器Bsが検知された後にロータリーエンコーダ2bから出力されたパルス信号に基づいてサンプル容器Bsが所定の搬送経路上の何れの位置にあるか把握することができる。
【0019】
次のサンプル容器検査工程S4では、各検査装置3〜5にサンプル容器Bsの検査を行わせる。上述したように搬送コンベア2上におけるサンプル容器Bsの位置は、ローターエンコーダ2bから出力されるパルス信号で把握することができる。タイミング信号出力装置41は、このようにサンプル容器Bsの位置を把握し、サンプル容器Bsが各検査位置P1〜P3に到達した時点で各検査装置3〜5がサンプル容器Bsを検査するようにタイミング信号を出力する。そして、タイミング信号出力装置41から出力されたタイミング信号を受信すると各検査装置3〜5は、サンプル容器Bsの検査を行う。
【0020】
続く検査結果出力工程S5において、各検査装置3〜5は、サンプル容器Bsの検査が終了した後、自らに付されたID番号と入力ID番号とを比較する。そして、これらのID番号が一致した場合にのみ情報管理装置10に検査結果を出力する。すなわち、今回の検査では第2検査装置4からのみ検査結果が情報管理装置10に出力される。なお、検査結果としては、例えばカメラ3a〜5aで撮像されたサンプル容器Bsの画像と、その画像に基づいて検査したサンプル容器Bsの異常の有無が出力される。そして、検査装置3〜5のいずれかから情報管理装置10に検査結果が出力されるまで、サンプル容器検査工程S4及び検査結果出力工程S5が繰り返し実行される。検査装置3〜5のいずれかから情報管理装置10に検査結果が出力された場合は、次の検査結果処理工程S6に進む。
【0021】
検査結果処理工程S6では、情報管理装置10に出力された検査結果を記憶部11に記憶させるとともに、その検査結果を出力部30から出力させる。出力部30からの出力方法としては、例えば検査結果として得られた画像をモニタ装置に出力したり、検査結果を帳票にまとめてプリンタで出力してもよい。その後、今回の診断を終了する。
【0022】
本発明の診断方法によれば、入力部20から入力ID番号が入力された正常に動作しているか否か検査すべき検査装置3〜5の検査結果のみが情報管理装置10に出力されるので、情報管理装置10から出力部30に出力された検査結果を確認ことにより、その検査結果を出力した検査装置、すなわち上述した形態では第2検査装置4が正常に動作しているか否かユーザが容易に判断することができる。そのため、ユーザによる誤判断を抑制することができる。
【0023】
また、本発明の診断方法では、所定の搬送経路上におけるサンプル容器Bsの位置を把握しているので、他に容器検査システム1で検査すべき容器Bを所定の搬送経路上に流したままでも各検査装置3〜5の診断を行うことができる。そのため、容器Bの検査を中断することなく各検査装置3〜5が正常に動作しているか否か診断することができる。これにより、容器Bの検査効率を向上させることができる。また、各検査装置3〜5で生産ラインから容器検査システム1に送られてくる容器Bの検査を行いつつ各検査装置3〜5の診断を行うことができる。そのため、容器Bの生産効率を向上させることができる。
【0024】
なお、上述した形態では、肩部に予め傷を付けたサンプル容器Bsを用いて説明したが。サンプル容器Bsとしては、この他に口部天面に疑似欠陥として予め傷をつけたもの、胴部に疑似欠陥として予め傷をつけたものが用意される。そして、口部天面に予め傷をつけたサンプル容器BsにはID番号として3が付され、胴部に疑似欠陥として予め傷をつけたサンプル容器BsにはID番号として5が付される。そして、ID番号3が付されたサンプル容器Bsを用いて容器検査システム1の診断を行う場合は入力部20から入力ID番号として3が入力され、ID番号5が付されたサンプル容器Bsを用いて容器検査システム1の診断を行う場合は入力部20から入力ID番号として5が入力される。その後、上述した形態と同様にこれらのサンプル容器Bsの検査を各検査装置3〜5に行わせることにより、第1検査装置3又は第3検査装置5がそれぞれ正常に動作しているか否か診断できる。
【0025】
なお、本発明の診断方法では、ユーザが入力部20から誤ったID番号を入力してもユーザがそのミスを迅速に気付かせ、また容器検査システム1の下流の工程にサンプル容器Bsが流れていくことを防止できる。例えば、上述した形態において本来は第2検査装置4が正常に動作しているか否か診断すべきところをユーザが誤って入力部20からID番号として5を入力したとする。この場合、上述した診断方法では、第3検査装置5からのみ検査結果が出力されるので、出力部30にはこの第3検査装置5の検査結果が表示される。すなわち、サンプル容器Bsを検査しても容器に異常無しという検査結果が表示される。そのため、ユーザに入力ミスを気付かせることができる。なお、これは容器検査システム1に本来とは異なる部分に傷があるサンプル容器Bsを供給した場合においても同様である。この場合も、出力部30からサンプル容器Bsに異常無しという検査結果が表示されるので、誤ったサンプル容器Bsを供給したことをユーザに迅速に気付かせることができる。上述したように第3検査装置5と排除装置との間には、容器Bに異物が付着しているか否か検査する検査装置(不図示)が設けられている。そして、サンプル容器BsにはアルミテープAlが貼り付けられているので、サンプル容器Bsはこの不図示の検査装置で異常ありと判定され、排除装置により搬送コンベア2上から排除される。そのため、容器検査システム1の下流の工程にサンプル容器Bsが流れていくことを防止できる。
【0026】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明の診断方法が適用される容器検査システムの検査装置の数は3台に限定ない。本発明の診断方法は、2台又は4台以上の検査装置を備えた容器検査システムに適用してもよい。
【0027】
上述した形態では、タイミング信号出力装置から各検査装置に容器を検査するタイミングが指示されているが、ロータリーエンコーダを各検査装置に接続し、各検査装置がロータリーエンコーダのパルス信号を参照してそれぞれ容器を検査するタイミングを判断してもよい。
【0028】
本発明は、所定の搬送経路に沿って容器を搬送する搬送手段としてスターホイール装置を備えた容器検査システムに適用してもよい。周知のようにスターホイール装置では、ポケットに容器が取り込まれるとこの装置から容器が排出されるまで同じポケットに容器が取り込まれたままになる。そのため、この容器検査システムでは、サンプル容器が取り込まれたポケットの位置を取得することにより、容易にサンプル容器の位置を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一形態に係る診断方法が適用される容器検査システムの概略を示す図。
【図2】本発明の診断方法の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0030】
1 容器検査システム
2 搬送コンベア(コンベア手段)
2a 回転軸
2b ロータリーエンコーダ(回転位置検出手段)
3 第1検査装置
4 第2検査装置
5 第3検査装置
10 情報管理装置
11 記憶部(記憶手段)
20 入力部(入力手段)
30 出力部(表示手段)
40a アルミセンサ(アルミ検知手段)
P1、P2、P3 第1検査位置
S1 登録番号付与工程
S2 登録番号通知工程
S3 サンプル容器供給工程
S4 サンプル容器検査工程
S5 検査結果出力工程
S6 検査結果処理工程
B 容器
Bs サンプル容器
Al アルミテープ(アルミ部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検査対象部を有する容器を所定の搬送経路に沿って搬送しつつ、前記複数の検査対象部に対応して設けられ、前記所定の搬送経路上に設定された互いに異なる検査位置において対応付けられた検査対象部を検査する複数の検査装置で搬送中の容器の各検査対象部を検査する容器検査システムに適用され、前記複数の検査装置の異常の有無を診断する診断方法において、
前記複数の検査装置に互いに異なる登録番号を付与する登録番号付与工程と、前記登録番号付与工程において各検査装置に付与された登録番号のうち診断対象である一つの検査装置の登録番号が入力手段から入力され、その入力された登録番号を各検査装置にそれぞれ伝達する登録番号通知工程と、前記複数の検査対象部のうち前記診断対象の検査装置にて検査される所定の検査対象部に疑似欠陥が設けられ、かつ前記診断対象の検査装置に付与された登録番号が付されたサンプル容器を前記容器検査システムに供給するサンプル容器供給工程と、前記サンプル容器が前記所定の搬送経路から搬出されるまで前記所定の搬送経路上を搬送されている前記サンプル容器の位置を繰り返し取得し、取得した位置が前記複数の検査位置のいずれかの検査位置であった場合に、その検査位置にて容器の検査を行う検査装置に前記サンプル容器の検査を行わせるサンプル容器検査工程と、前記サンプル容器検査工程において検査を行った検査装置の登録番号と前記入力手段から入力された登録番号とが一致した場合にその検査装置の検査結果を情報管理装置に出力する検査結果出力工程と、前記検査結果出力工程において前記情報管理装置に出力された検査結果を記憶手段に記憶させるとともに表示手段に表示する検査結果処理工程と、を備えることを特徴とする容器検査システムの診断方法。
【請求項2】
前記サンプル容器にアルミ部材が取り付けられ、
前記所定の搬送経路の入口には、アルミ検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器検査システムの診断方法。
【請求項3】
前記容器検査システムは、前記所定の搬送経路に沿って容器を搬送するコンベア手段と、前記コンベア手段の回転軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、を備え、
前記サンプル容器検査工程では、前記回転位置検出手段の検出値に基づいて前記サンプル容器の位置を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器検査システムの診断方法。
【請求項4】
前記容器検査システムは、ホイールに形成された複数のポケットに容器を取り込み、前記ホイールを回転駆動して取り込んだ容器を前記所定の搬送経路に沿って搬送するスターホイール装置を備え、
前記サンプル容器検査工程では、前記スターホイール装置において前記サンプル容器が取り込まれたポケットの位置に基づいて前記サンプル容器の位置を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器検査システムの診断方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−162575(P2009−162575A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340901(P2007−340901)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】