説明

容器状成形体の製造方法

【課題】成形と同時に継ぎ目部に対する適切な接合を可能とすることで、展開ブランクを用いた加工法の優位性を更に高める。
【解決手段】ブランクに、外周部分を切り取って複数個所にフランジ部11を形成した展開ブランク1を使用し、加工の進行に伴ってフランジ部11が合流するフランジ部接触点cに回転ロッド2を押し当てることにより、成形と同時にフランジ部の継ぎ目部11a、11a同士を接合することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に深い容器のプレス成形等に適用して有用となる容器状成形体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
深絞り加工は、一般に、ブランクをダイスとしわ抑え板ではさみ、しわ抑え圧力をかけた後にポンチをダイスの穴に押し込んでゆき、平らなブランクの外周部を円周方向に縮めて底付きの容器状製品を成形する技術である。
【0003】
この深絞り法において、加工の成否はポンチ肩部における材料の強度とフランジ部の絞り抵抗の大小関係によって決まる。深い容器等の成形体を成形するためには直径の大きいブランクを用いなければならないが、ブランクの直径が過大になるとフランジ部での絞り抵抗が増大してフランジしわの発生やポンチ肩部での破断に至るため、一回の絞り(初絞り)によって達成される絞り比には限界が存在する。
【0004】
このため、絞り比が限界を超えた深い容器を得ようとする場合には、工程をいくつかに分けて再絞りやしごき加工を繰り返す手法が従来よりとられており、多くの工程や工具を要し、製造コストの増大やリードタイムの冗長化を招くという問題があった。
【0005】
このような不具合を解決すべく、本発明者は特許文献1において、フランジ部の絞り抵抗を減少させるために外周部分を切り取って複数個所にフランジ部を形成した展開ブランクを用いてなる絞り加工法を提案した。これによると、フランジ部における絞り抵抗の低減が図れるため、ただ一組のポンチ、ダイス、しわ抑えを用いて1工程で深い容器の成形を行うことができ、製品コストの低減とリードタイムの短縮を図ることが期待できる。
【特許文献1】特開平10−128461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、斯かる加工法においても、材料の一部を切り取っているため、フランジ部接触点で合流、接触した後にできる成形体の側壁部には継ぎ目部が存在し、この継ぎ目部同士は隙間なく接触しているものの、密閉容器として使用するためには継ぎ目部の接合工程が別途必要となる。しかも、成形後に例えばロッドを継ぎ目部に押し当てて摩擦熱接合や摩擦攪拌接合等により継ぎ目部同士を接合しようとすると、材料が逃げて肉不足(材料不足)に陥り易く、適正な接合状態が得られなくなるおそれがある。更に、成形後の成形体の内周側に対してはロッドの挿入が困難となり、外周側にロッドを押し当てて加工を施すと外観の毀損を招く。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、成形と同時に継ぎ目部に対する適切な接合を可能とすることで、展開ブランクを用いた加工法の優位性を更に高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係る容器状成形体の製造方法は、ブランクに、外周部分を切り取って複数個所にフランジ部を形成した展開ブランクを使用し、加工の進行に伴って前記フランジ部が合流するフランジ部接触点に回転ロッドを押し当てることにより、成形と同時にフランジ部の継ぎ目部間を接合することを特徴とする。
【0010】
フランジ部が合流する部位に回転ロッドを押し当てた状態で加工を行うと、回転ロッドとの間に発生する摩擦熱および絞り変形に伴う円周方向の圧縮応力の作用の下に、加工と同時に継ぎ目部が摩擦熱圧接される。このため、成形後に継ぎ目部同士を接合する後工程を不要にすることができる。しかも、回転ロッドの押圧部には材料が次々と流入するため、材料不足に陥ることがなく、且つ材料の流入に伴って生じる圧縮力の下に接合を有効に行うことができる。さらに、展開状態からフランジ部の合流と接合を施すので、容器が深い場合や径が小さい場合でも加工上問題はなく、成形痕は主として内周側に残るため外観の毀損も極力回避することができる。
【0011】
また、本発明に係る他の容器状成形体の製造方法は、ブランクに、外周部分を切り取って複数個所にフランジ部を形成した展開ブランクを使用し、加工の進行に伴って前記フランジ部が合流するフランジ部接触点の肉厚内に回転ロッドの一部をなすピンを進入ないし貫通させて成形と同時にフランジ部の継ぎ目部間を接合することを特徴とする。
【0012】
このような手法によれば、摩擦熱圧接に代えてピンによる摩擦攪拌接合がなされる以外は、上記と同様に絞り加工とともにフランジ部の継ぎ目間の接合が可能となる。
【0013】
これらにおいて、加工時にフランジ部が接合される箇所のしわ抑え板に、ポンチ穴とともにロッド穴を当該ポンチ穴に対し分離させて設け、これらのポンチ穴およびロッド穴にポンチおよび回転ロッドを挿通した状態で絞り加工を進行させることが有効である。
【0014】
ロッド穴がポンチ穴に連続していると、送り込まれた材料がポンチ穴に逃げて材料不足が生じる可能性があるが、これらを分離させておくことで、材料をしわ抑え板の間に閉じ込めて、確実な摩擦熱圧接又は摩擦攪拌接合を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上説明した製造方法により、成形と同時に継ぎ目部に対する適切な接合を完了することができるので、金属板のプレス成形における加工工程の短縮化が図れ、加工コスト低減に有効に寄与することができる。特に、深い容器の角筒絞り加工等では、成形工程が多工程に亙っていたため、その効果は顕著なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
この実施形態に係る容器状成形体の製造方法は、ブランクに、図2(a)に示すように外周部分を切り取って複数個所にフランジ部11を形成した展開ブランク1を用い、この展開ブランク1の絞り加工の進行中に、図3(a)に示すようにフランジ部11の継ぎ目部11aの合流箇所に回転ロッド2を押し当てて、成形と同時に継ぎ目部11a、11a同士の接合する加工(以下、絞り接合加工と称する)を完了するものである。
【0018】
図1は、そのための加工装置の概要を示しており、展開ブランク1に対して加工を施すための対をなすダイス4およびポンチ3と、ダイス4とポンチ3の間に介在される展開ブランク1を所要の圧力の下に押圧するしわ抑え板5と、展開ブランク1のフランジ部11、11同士が基端において接触するフランジ分接触点c(図2(a)参照)に対峙して配置される回転ロッド2とを具備する。ポンチ3は図示しない駆動機構に昇降可能に支持され、回転ロッド2は図示しない駆動機構に昇降および回転可能に支持されている。
【0019】
ダイス4には深絞り成形後の展開ブランク1をポンチ3とともに受容する穴4aが形成され、しわ抑えに5はポンチ3を挿入するポンチ穴5aと回転ロッド2を挿入するロッド穴5bが形成されている。
【0020】
回転ロッド2は、図2(b)に示すように、先端のショルダ2aに必要に応じて細径なピン2bが一体に突設される。
【0021】
ブランク形状について詳述すると、図2(a)に示すように、フランジ部接触点cより外側は4箇所において切り取った形状をなし、その切り残された4つのセグメントが本発明に係る絞り接合加工を受けるフランジ部11であり、ブランク中心からフランジ部接触点cまでの距離(以下、「接触点半径rc」と称する)の内側は切り取った形状をなしていないため通常の絞り加工と同様な絞り変形を受ける部分である。また、以下において、ブランク中心から回転ロッド2の中心までの距離rdを「ロッドオフセット量」と称する。
【0022】
接触点半径rcがポンチ穴5aの内径と合致する場合は、絞り加工ではなく単なる曲げ加工となるので、少なくとも接触点半径rcはポンチ穴5aの内径よりも大きく設定される。
【0023】
絞り加工の進行に伴って、図3(a)→(b)に示すように、接触点半径rcより外側のフランジ部11は順次ポンチ側へ移動し、フランジ部接触点cで接触する。このとき、フランジ部接触点cに達するまでフランジ部11は絞り変形を受けないと考えると、この部分の材料はフランジ部接触点cまで平行移動する。つまり、接触点半径rcより外側のフランジ部11は一定の幅を保ったまま移動し、フランジ部接触点cで接触して接触点半径rcより内側で絞り変形を受ける。このとき、フランジ部接触点cで回転ロッド2を回転させながら押し当てると、材料は摩擦熱および絞り変形に伴う円周方向の圧縮応力によって摩擦熱圧接または摩擦攪拌接合されると考えられる。
【0024】
その際の成形の成否は、図2(c)に示すポンチ穴5aとロッド穴5bとの相対関係や、図1及び図2(a)等に示す接触点半径rcとロッドオフセット量rdとの相対関係、さらには図2(b)に示す回転ロッド2に設けられるピン2bの有無およびその形状等によって左右されると考えられる。
【0025】
そこで、本実施形態では、設定を変えながら実験を行い、適正な絞り接合加工が得られるための条件を検討した。以下にその概要を説明する。
【0026】
図2に示す展開ブランク1には、軟質純アルミニウム板を用い、厚板1mmを使用した。接触点半径rcを変化させるために、フランジ幅wを変化させた。フランジ幅wと接触点半径rcとの関係を表1に示す。なお、残りの3箇所のフランジ部接触点c´の位置は隙間のない継ぎ目となるように、接触点半径rc=21.2mmとした。勿論、実際の製品成形時には、残りの3箇所も上記フランジ部接触点cと同様とされる。
【0027】
【表1】

【0028】
図2(b)に示す回転ロッド2は、ショルダ径φ(mm)、ピン径d(mm)、ピン長さL(mm)として、本実施形態では、(φ,d,L)=(8,0,0)、(8,2,2)、(10,2,2)の3種類を使用する。そして、ロッドオフセット量rdを適宜選択しつつ、フランジ部接触点cの接触点半径rcとの関係を検討した。回転ロッド2の回転数は1500rpmとした。
【0029】
しわ抑え板5に設けられる回転ロッド2を差し込むための穴5bは、回転ロッド2の位置を規定する。図2(c)(1)ではロッド穴5aとポンチ穴5bとが連続しており、この場合のロッドオフセット量rd=24mmである。同図(2)ではロッド穴5aとポンチ穴5bとは分離しており、この場合のロッドオフセット量rd=26mmとなる。その他、rd=24.9mmなる条件も以下に試しているが、その際のロッド穴5aとピン穴5bとは、ピン径dによって左右されるものの、ほぼ分離状態にある。
ポンチ3、ダイス4の寸法を表2に示す。加工中のしわ抑えは一定隙間方式を採用した。また、フランジ部11の絞り成分が小さいので、通常の深絞りの場合よりもしわ抑え力は小さくてよく、加工は無潤滑状態とする。深絞り荷重をかなり大幅に低減させることができるので、通常の深絞りと比較してプレス能力は小さくてよい。
【0030】
【表2】

(実験結果)
<図2(c)(1)のようにロッド穴5bがポンチ穴5aと連続している場合>
【0031】
図2(c)(1)では、ロッドオフセット量rd=24mmであり、ポンチ穴5aとロッド穴5bが一部において連続している。このような穴5a、5bの相対関係の下、接触点半径rcの異なる試験片における回転ロッド2の位置とフランジ部接触点cの接触点半径rcとの関係を図4に示す。rc=25.5mmの場合、接触点半径rcと回転ロッド2の中心mはほぼ合致する位置である。ここから接触点半径rcを大きくするほど、次第にロッド位置は相対的にフランジ部接触点cの中心側に入り込んでくる。逆に、rcを25.5mmより小さくした場合には、ロッド位置は相対的にフランジ部接触点cの外側に逃げていく。
【0032】
回転ロッド2がピン2bを有しない場合、すなわち(φ,d,L)=(8,0,0)では、いずれの接触点半径rcにおいても接合不可能であった。一方、回転ロッド2に、(φ,d,L)=(10,2,1)なるピン2bを設けると、摩擦攪拌接合の効果が見られ、いずれの接触点半径rcにおいても、材料表面部のみに接合された様子が観察された。しかし、材料の下面までは十分に接合されなかった。
【0033】
そこで、材料に完全にピン2bが貫通するように、回転ロッド2に、(φ,d,L)=(10,2,2)なるピン2bを設けた。実験結果を表3(a)欄に示す。表3は、各種条件に応じた接合状態の変化の様子を示すものである。
【0034】
【表3】

【0035】
接触点半径rc=28.3mmおよび26.9mmでは回転ロッド2がフランジ部接触点cより中心側に位置するため材料流入量が多く、しわの発生が大きくなり接合不可能であった。接触点半径rc=25.5mmとすると接合可能となった。しかし成形体の外側では継ぎ目部に線が残り、内側は回転ロッド2との摩擦による荒れが激しく接合できない。これは、図2(c)(1)に示すように、しわ抑えのロッド穴5aとポンチ穴5bが連続していることで、ロッド下部の材料が周辺部に逃げたためと考えられる。接触点半径rc=24.0mmでは接合不可能であった。これは、展開ブランク1を用いた深絞りでは接触点半径rcより外側のフランジ部11にも変形が生じるので、フランジ部接触点cがストロークの進行に伴ってポンチ3側へ若干移動し、それによりピン位置がフランジ部接触点c(材料流入位置)よりも外側となり、材料不足が生じたためであると考えられる。
<図2(c)(2)のようにロッド穴5bがポンチ穴5aと完全に分離している場合、或いは、ほぼ分離している場合>
【0036】
上記の結果を踏まえ、良好に接合するためには、ロッド下部の材料を周辺部に逃がさないことが必要であると考えられる。そこで、図2(c)(2)のしわ抑え板5等を使用した。ロッドオフセット量にはrd=26mmのものとrd=24.9mmのものとを用意し、前者の場合は回転ロッド2にピン径2mmのものを、後者の場合は回転ロッド2にピン径2mmのものとピン無しのものとを使用した。
【0037】
rd=26mmではポンチ穴5aとロッド穴5bとは図2(c)(2)のように完全に分離し、rd=24.9mmではポンチ穴5aとロッド穴5bとはピン径dにもよるがほぼ分離した状態となる。このため、ロッド下部の材料の周辺への逃げが拘束されるとともに、接合後の材料は、いったんしわ抑え板5で抑えられてからダイス4内に入る。実験結果を表3の(b)欄、(c)欄および(d)欄に示す。
【0038】
接触点半径rc=28.3mmの場合、ピン無しである表3(d)欄の条件では、材料流入量が多く接合後のフランジ部をしわ抑え板で抑えつけていることが原因となりポンチ肩で破断した。一方、ピン長をL=2mmとして材料を貫通するようにした(c)欄、(b)欄の何れの条件においても、接合が良好となった。これはピン2bによる攪拌作用でピン2bを回り込む際に材料の流入が適度に分散されたためであると考えられる。接触点半径rc=26.9mmでは、材料流入量が多少低減されるため、rc=28.3mmではポンチ肩が破断していた表3(d)欄のピンなしの条件においても接合が良好となった。逆に、(b)の条件では接合は可能であるもののrc=28.3mmの場合と比べて品質はやや低下した。接触点半径rc=25.5mmでは、ピン無しのもののみ接合可能で、ピン有りの場合は全て接合不良となった。これは、回転ロッド2がフランジ部接触点cに位置するために材料余りが生じず、ピン2で攪拌するとむしろ材料不足に陥るためと考えられる。さらに、接触点半径rc=24.0mmでは、ピン2bの有無に拘わらず回転ロッド2がフランジ部接触点cより外側に位置するため、材料不足により接合不可能であった。
【0039】
図5は、以上のうち、表3(d)欄の条件の下に絞り接合加工を施した際の成形体の断面を示す光学顕微鏡写真である。rc=26.9mmで接合良好、rc=25.5mmで多少内面に摩擦痕荒れがあるものの接合可能、rc=24.0mmで接合不可となっている。
【0040】
また、図6は、以上のうち、表3(c)欄の条件の下に絞り接合加工を施した際の成形体の断面を示す光学顕微鏡写真である。rc=26.9mmで接合良好、rc=25.5mmで内面の摩擦痕荒れのために接合不可、rc=24.0mmで接合不可となっている。
【0041】
図7は、表3(d)の条件によって加工した成形体(各条件3試験体)のrcに応じた引っ張り強度を示すグラフ、図8はその成形体(rc=26.9mmの場合、3試験体)のフランジ位置に応じたビッカース硬さを示すグラフである。また、図9は表3(c)の条件によって加工した成形体(各条件3試験体)のrcに応じた引っ張り強度を示すグラフ、図10はその成形体(rc=28.3mmの場合、3試験体)のフランジ位置に応じたビッカース硬さを示すグラフである。何れの場合にも、所要の引っ張り強度や硬度が得られていることがわかる。
【0042】
以上、展開ブランク1を用いた深絞りにおいてフランジ部接触点cに回転ロッド2を押し当てることにより、絞り成形と同時に継ぎ目部11a、11a同士を接合することが可能であることが確かめられた。その結果は概ね次のようにまとめられる。
1)ロッド位置が接触点半径rc>ロッドオフセット量rdの場合は材料流入量を確保でき、接合良好となる。ただし、ピン無しの摩擦熱圧接の場合は、材料が過多となってポンチ肩が破断に至る場合がある。
2)ピン無しの摩擦熱圧接でも、接触点半径rcとロッドオフセット量rdを適切に選べば良好な接合が十分可能になる。
3)接触点半径rc<ロッドオフセット量rdの場合は材料不足となり接合不可能ないし接合不良となる。
4)しわ抑え板5のポンチ穴5aとロッド穴5bを分離ないしほぼ分離することで、ロッド下部の材料の逃げを防ぐとともに摩擦痕荒れを軽減し、より良好な成形体が得られる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、具体的な寸法設定等はもとより、各部の具体的な構成などは、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0044】
例えば、展開ブランクの外周に設ける切り取り箇所は4箇所に限らないし、成形体の形状も、カップ状以外に円筒など適宜の形状に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態において使用する加工装置の概要を示す図。
【図2】同実施形態の展開ブランク、回転ロッド、ポンチ穴及びロッド穴を示す図。
【図3】同実施形態の加工工程の様子を示す図。
【図4】同実施形態におけるロッド位置とフランジ接触点半径との関係を示す図。
【図5】同実施形態における表3(d)欄の条件に基づいて成形された成形体の断面を示す光学顕微鏡写真。
【図6】同実施形態における表3(c)欄の条件に基づいて成形された成形体の断面を示す光学顕微鏡写真。
【図7】表3(d)の条件によって加工した成形体のrcに応じた引っ張り強度を示すグラフ。
【図8】表3(d)の条件によって加工した成形体のフランジ位置に応じたビッカース硬さを示すグラフ
【図9】表3(c)の条件によって加工した成形体のrcに応じた引っ張り強度を示すグラフ。
【図10】表3(c)の条件によって加工した成形体のフランジ位置に応じたビッカース硬さを示すグラフ。
【符号の説明】
【0046】
1…展開ブランク
2…回転ロッド
2a…ショルダ
2b…ピン
3…ポンチ
4…ダイス
4a…ダイス穴
5…しわ抑え板
5a…ポンチ穴
5b…ロッド穴
11…フランジ部
11a…継ぎ目部
c…フランジ部接触点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクに、外周部分を切り取って複数個所にフランジ部を形成した展開ブランクを使用し、絞り加工の進行に伴って前記フランジ部が合流するフランジ部接触点に回転ロッドを押し当てることにより、加工と同時にフランジ部の継ぎ目部間を接合することを特徴とする容器状成形体の製造方法。
【請求項2】
ブランクに、外周部分を切り取って複数個所にフランジ部を形成した展開ブランクを使用し、絞り加工の進行に伴って前記フランジ部が合流するフランジ部接触点の肉厚内に回転ロッドの一部をなすピンを進入ないし貫通させて絞り成形と同時にフランジ部の継ぎ目部間を接合することを特徴とする容器状成形体の製造方法。
【請求項3】
加工時にフランジ部が接合される箇所のしわ抑え板に、ポンチ穴とともにロッド穴を当該ポンチ穴に対し分離させて設け、これらのポンチ穴およびロッド穴にポンチおよび回転ロッドを挿通した状態で加工を進行させるようにしている請求項1又は2何れかに記載の容器状成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−214176(P2009−214176A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63732(P2008−63732)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年10月12日 社団法人日本塑性加工学会主催の「第58回 塑性加工連合講演会 講演論文集」において文書をもって発表
【出願人】(596170479)株式会社最上インクス (2)
【Fターム(参考)】