説明

容器

流動自在の物質のための容器であって、シート状のボール紙や可撓性ある部材からなり、容器の少なくとも一部を形成するように折り重ねられる半加工品(16)と、相互に角度を為し、共通の縁(5)の領域で相互に統合して接続する第1の壁(1)及び第2の隣接する壁を含み、弱線(7)が壁(1、4)の各々を跨いで走り、壁(1、4)の部材で形成される再閉鎖自在の注入要素(6)の領域を囲み、屈曲線(15)が注入要素(6)を通過し、途中で縁(5)を跨ぎ、注入要素(6)を注入部位(6a)と操作部位(6b)に分割する、容器である。多数の開口及び閉口の動作が可能である容器は、操作部位(6b)が縁(5)の領域に強化要素(9)を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、容器に関し、特に、請求項1のプレアンブルに係る、流動自在の物質のための容器に関する。
【0002】
先行技術は、流動自在の物質、例えば塩が、計量された量で格納され輸送され配布される多数の容器を開示している。容器から内容物を配布するために割り当て放出口が容器から引き出されるという解決策が、多数知られている。そのような解決策は、米国特許第3692227号、第3404828号、若しくは第3313847号に開示されている。
【0003】
例えば、米国特許第3692227号は、注入要素がカートンの一つの縁の領域内の弱線により画定され、指圧力を使って注入要素の底部位を圧することは困難であるが、注入要素の頂部が外側へ振れるカートンを開示する。頂部は内部へ振れることが可能であり、これにより注入要素の閉鎖状態が回復される。
【0004】
この機構が、カートンに対する使用の結果として機能するのを止めてしまう前には、注入要素の反復可能の開口動作は数回しか可能でないので、上記のような周知の解決策は不利である。
【0005】
このことは適切といえる。というのは、例えば、流動自在の洗浄剤及び合成洗剤などの、流動自在物質内の能動物質濃度が常に増加し、一方、パッケージは同じサイズであり、そのためパッケージユニット毎の計測量の数、及び、割り当て放出口の開口及び閉口の動作の数が増大するからである。
【0006】
本発明の目的は、より多くの開口及び閉口の動作が可能とされる程度まで、上述の容器が改良されることである。
【0007】
この目的は、請求項1により特徴付けられる本発明により達成される。
【0008】
操作部位の強化要素は、指圧力が適切に加えられ注入要素を開口する縁に対する摩耗を、効果的に減少させる。更に、強化要素は容器利用者のためのターゲットとなり、容器部材のとりわけ高いレベルの摩耗若しくは損傷を通常引き起こす位置の不正確な指圧力が、効果的に回避される。指圧力が理想点に加えられなくとも、大きな摩耗は概ね回避される。本発明に係る容器は、粗粒状の若しくは微粒状の粉末、特に、食器洗い機のための合成洗剤、洗浄剤若しくは塩を蓄えるのに、特に適切である。その形状に関しては、注入要素は食器洗い機に設けられる供給手段への洗浄塩を計測するのに、非常に好適である。
【0009】
主要な折り重ねの方向は繊維方向と平行であるのが特に有利であるという当業者に優勢な考え方とは逆に、本発明に係る容器の好適な実施形態では、容器は例えばボール紙などの繊維部材から形成され、支配的な繊維方向は主要な折り重ねの方向とは概ね直交する。非等方性の部材特性に関して、及び対応する摩耗に関して、注入要素の機能は、端的に且つ驚異的に、最適化される。
【0010】
例えば、主要な折り重ねの方向に直交して繊維を配置することで、裂け目の発生などの繊維部材の疲労が生じること無く、本発明に係る非常に多数回の放出のための開口及び閉口の動作を、実現することができる。従って、より薄いより軽量の繊維部材を利用して、同じ数だけの従来の開口及び閉口の動作を実現できる。
【0011】
直交して繊維を配置することで放出口の回復力が増大し、10回を超える開口及び閉口の動作を伴う放出口のスナップ動作は、主要な折り重ねの方向が繊維方向に平行である場合のように顕著に明瞭に衰弱化することがない、ということも明らかになっている。
【0012】
本発明に従って折り重ねの方向に対して繊維方向を配置することにより、多数回の開口及び閉口の動作の後であっても、限度いっぱいにおいて放出口をスナップして閉じるという動作が確実なものとなり、結果として後半部を激しく利用する場合であっても、パッケージの香り及び湿度の密閉を保護することになる。
【0013】
強化要素は、変形により撓み得る部材から形成されるのが特に好ましい。ここで強化部材は、連続する切り込み線を含むことが特に好ましい。このことにより、特に低生産コストで本発明に係る容器を形成することができる。
【0014】
本発明に係る容器の注入要素が有効に機能することを確実にするように、弱線は少なくとも操作部位の領域で凸状に湾曲させる。そのように湾曲させると、再閉鎖自在の注入要素における閉口及び開口の力を、実際に良好に分配できる。
【0015】
良好な機能に関しては、注入部位の領域では弱線は、約90°以下の、より好ましくは約70°以下の角度を囲む2本の直進する側部を含むのが、更に好ましい。
【0016】
縁の領域で、屈曲線は、平面の半加工品に対して、角度を有するのが更に好ましい。この角度は注入部位の方向に開いており約110°と約150°の間であるのが特に好ましい。このことにより、注入要素が特段に有効に機能することも確実となる。
【0017】
更に、好適な実施形態では、弱線により画定される周辺領域の少なくとも一部に、注入要素の強化部位が設けられる。強化部位は、半加工品のフラップとして設計され、このフラップは注入要素と同じ形状のアパーチャを有するのが特に好ましい。全体として、このことが、注入要素の周辺領域における摩耗に対するよりよい保護を確実なものとし、閉口若しくは開口状態の注入要素の圧縮応力の増大を達成することが、可能となる。更に、注入要素の周辺領域と強化部位を少しオーバラップすることで、閉口(閉鎖)状態での密閉が増大し、香り及び/又は湿気の保護を向上させることになる。
【0018】
注入要素が開けられるとき、注入部位をスナップして開く動作が、明瞭な音を出すのが更に好ましく、このことにより、利用者が容器を利用する場合に、本発明に係る容器の利用者は明確な音を聞くことになる。
【0019】
以下に示す例示の実施形態、及び従属の請求項から、更なる利点及び特徴が得られる。
【0020】
本発明に係る容器の好適な例示の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、詳細に以下に記し説明する。
【0021】
図1に示される本発明に係る容器は、支配的な繊維方向を有するボール紙から全体的に構成される。容器は、6側面が対で相互に対向して配置される直方体である。後期は、図3に示される半加工品16から折り込まれ得、鉛直側面1、2、3、4は、存続して相互に連なり切り込み線8で相互に分離し、その線において側面1、2、3、4は屈曲し得る。箱の底は、底フラップ1b、2b、3b、4bで形成される。それらは切り込み線8を介して側面に接して夫々配置されている。容器のカバーは、対応するカバーフラップ1a、2a、3a、4aを介して形成される。
【0022】
縁5は前側面1と端側面4との間に位置する切り込み線により形成され、前側面1により形成される第1の壁と、端側面4により形成される第2の壁は縁5により相互に統合して接続し相互に概略90°を為すように配置されるということになる。注入要素6は、この縁5の領域内に配置される。注入要素6は、頂部、注入部位6a及び底部、操作部位6bを含み、全体として注入要素6は縁5に関して対称になるように形成される。注入要素6は、全体が連続する弱線7で囲われ、弱線7の一部は注入部位6aの外周辺を形成し、弱線7の別の一部は操作部位6bの外周辺を形成する。
【0023】
注入要素6は、縁5を跨ぐ屈曲線15により略半分辺りで、注入部位6aと操作部位6bに分割され、弱線7と同様に、縁5に関して対称に形成される。詳細に述べると、弱線7と屈曲線15とは以下のように形成される。屈曲線15は、容器部材を通過して一部又は全体がカットされる線であり、カットする操作は部材の水平部の背後に生じ、注入部位6aと操作部位6bを統合して接続する(図4参照)。弱線7は、短い水平部から離れて、注入部位6aの領域内の容器部材を通過して一部又は全体がカットされる線であり、残りの水平部は、注入部位6aが最初に開けられたときに、分離される。操作部位6bの領域では、弱線7は、可撓性のある容器部材を通過してカットされているのではなく、或る深さにまでこの部材の中にカットされている。このことにより、操作部位は、壁1、4に統合して接続しつつ、壁1、4に対して適切に屈曲され得る。
【0024】
後半部が操作部位6bを通過する縁5の領域では、強化要素9が注入要素6、即ち操作部位6bに配置される。強化要素9は、二重の切り込み線であり、点に向かって先細になり半長径が縁5上に配置される楕円の形態である。縁5の切り込み線は、連続して走るのではなく、この領域で楕円のカーブ9a、9bに分岐する(図4参照)。結果として、強化要素9の周囲の切り込み線の内側は、縁5が中に押されたり逆方向に作用したりすることなく、容器の利用者が指圧力を加えられる表面を画定する。
【0025】
注入要素6の特定の構成では、後半部の機能を確実にする更なる特徴が備わる。特に、弱線7は操作部位6bの領域で凸状に曲がる。その凸状の曲線は図4で7a、7bが付されている。注入部位7aの領域は、弱線7は、概略57°の角度を囲む2本の略直進する部位7c、7dを有する。しかしながら、これらの2本の直進する部位7c、7dは一点で交わるのではなく、円の一部の形態であり、同時に、注入部位6aの丸い先端を形成する。屈曲15の線は、図3における平面の半加工品に対して、角度を有し、その線は縁5により二分され全体で概略130°になる。更に詳細に寸法比及び形状情報を述べると、図3に係る半加工品及び図4に係る詳細図は、本発明に係る容器の実寸大の表記で為されている。
【0026】
図3が示すように、本発明に係る容器の半加工品は、のりしろフラップ11と共に形成され第1のフラップ対11aと第2のフラップ対11bを含むフラップ11を有する。第2のフラップ対は、切り込み線12により第1のフラップ対と分けられている。アパーチャ13は、切り込み線12に関して対称に延在し両方のフラップ対11a、11bに跨り、形状及び寸法に関して注入要素6に略対応しており、フラップ11にて打ち抜かれている。容器の折り重ねられた状態で、このアパーチャ13の周辺領域14は容器内部、注入要素6の背後に配置され、このことにより注入要素は弱線7で画定される周辺領域で強化される。注入要素6は、周辺領域14とオーバラップし若しくは周辺領域14に対して突出し、このことにより、シールが向上し、更に閉鎖方向の注入要素6の圧縮応力を増大できる。
【0027】
従って、本発明の機能は以下のようになる。図1に係る容器の閉鎖状態から開始して、容器の利用者は、指、例えば親指若しくは人差し指を用いて強化要素9に圧力を加える。操作部位6bは容器の内側方向に押され、弱線7の湾曲部位7a、7bが外へ押され、容器の壁1、4と強化部位11、13はこれに対して弾力ある抵抗カウンタとなる。注入部位6aは、操作部位6bに対して逆方向に動きを為し、注入部位6aの丸い先端7eは外へ動き容器開口部を解放する。死点位置を超えてしまうと、壁1、4の弾力は最早、利用者の指により加えられる圧力に対する反作用として作用せず、圧力を補助するものとなり、このことにより注入部位6aは突然外へ振れ操作部位6bは突然内へ屈する。予め与えられる弾性圧縮応力のために、変形された壁1、4は、“プロップ”という擬音で表記され得るような音を出す。上述の寸法及び角度の計測に関して、開口状態の注入要素6aの表面の角度は閉鎖状態のものと同様であり、このことにより、注入部位は、特定のやり方でパックされた内容物を計測する放出口を形成する。表面の角度に関して、操作部位6bは反転位置に移動している。容器は、注入部位6aを上方向に振ることによって閉じられ、その結果、操作部位6bは最初の位置に再び戻される。ここでも死点位置が存在し、操作部位6bがこの位置を通過すると、途中ではっきりとした音を立てて、注入部位6は閉鎖位置へ跳ねる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】注入要素が閉鎖状態にある、本発明に係る容器の3次元図を示す。
【図2】注入要素が開口状態にある、図1の容器の3次元図を示す。
【図3】図1の容器が折り畳まれる半加工品の平面図を示す。
【図4】図1に示される本発明に係る容器の注入要素の、詳細な概要図である。
【符号の説明】
【0029】
5・・・縁、6・・・注入要素、6a・・注入部位、6b・・・操作部位、9・・・強化要素、11、13・・・強化部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動自在の物質のための容器であって、
シート状のボール紙や可撓性ある部材からなり、容器の少なくとも一部を形成するように折り重ねられる半加工品(16)と、
相互に角度を為し、共通の縁(5)の領域で相互に統合して接続する第1の壁(1)及び第2の隣接する壁を含み、
弱線(7)が壁(1、4)の各々を跨いで走り、壁(1、4)の部材で形成される再閉鎖自在の注入要素(6)の領域を囲み、
屈曲線(15)が注入要素(6)を通過し、途中で縁(5)を跨ぎ、注入要素(6)を注入部位(6a)と操作部位(6b)に分割し、操作部位(6b)が縁(5)の領域に強化要素(9)を有し、
容器がボール紙や繊維部材からなり、支配的な繊維の方向が縁(5)に垂直に向けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
強化要素(9)は、変形手段による可撓性部材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
強化要素(9)は連続する切り込み線(9a、9b)を含むことを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
弱線(7)が少なくとも操作部位(6b)の領域で凸状に湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一に記載の容器。
【請求項5】
注入領域(6a)にて、弱線(7)が、90°より小さい角度を囲む2本の直進する側部(7c、7d)を含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一に記載の容器。
【請求項6】
2本の直進する側部(7c、7d)が、70°より小さい角度を囲むことを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項7】
屈曲線(15)が縁の領域で角度をなすことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一に記載の容器。
【請求項8】
屈曲線(15)の角度が注入部位(6a)の方向に開かれ110°と150°の間であることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項9】
注入要素(6a)は、少なくとも弱線(7)で境界付けられる周辺領域の一部で、強化部位(11)を有することを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一に記載の容器。
【請求項10】
強化部位(11)は半加工品(16)のフラップとして設計され、該フラップが注入要素(6)と同じ形状のアパーチャを有することを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項11】
注入要素(6)が開けられると、注入領域(6a)のスナップの開口の動作がはっきりとした音を立てることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一に記載の容器。
【請求項12】
食器洗い機のための合成洗剤、洗浄剤若しくは塩などの粗粒状の若しくは微粒状の粉末を蓄える請求項1〜11のうちのいずれか一に記載の容器の利用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−531418(P2008−531418A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557344(P2007−557344)
【出願日】平成18年1月7日(2006.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000083
【国際公開番号】WO2006/092185
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】