説明

容量型ポンプにおけるホースなどの弾性ポンプ管の管理用組合せアセンブリ

とくにぜん動ポンプにおいて用いられるようなホースなどの弾性ポンプ管またはポンプ流路を管理するための組合せアセンブリを開示する。本発明の特徴は、ホース/管に加えられるポンプ圧力および/または圧縮を調整するためのアセンブリが設けられたポンプを有することであり、アセンブリは、無段階に調整可能な偏心調整メカニズムを含む。

【発明の詳細な説明】
【詳細な説明】
【0001】
本発明は、とくに容量型ポンプで用いられるホースなどの弾性ポンプ管またはポンプ流路を管理するための請求項1の前段による組合せアセンブリに関する。
【0002】
ぜん動ポンプが下位分類を形成する容量型ポンプは、問題となる物質、とくに研磨性、腐食性、スラリ状または高粘性の液体および液体懸濁固体などをポンピングするために用いられる。ぜん動ポンプも好ましいが、基本的な機能としてのポンピングを、正確な計量、高い衛生上の規格、密封性によって補足しなければならない。ぜん動ポンプは、たとえば食品、薬、油、および化学製品の製造において広く用いられている。重工業では、ぜん動ポンプは、液体および鉱石/鉱物の懸濁液などの材料をポンピングする働きをする。
【0003】
適切に動作するためには、ぜん動ポンプは、一定量の流体媒体をホース/管に沿って強制的に移動させることができる必要があり、これは、ポンプロータが1回転する間に、ホースを端部から端部へぜん動的に圧縮し、それと同時に、次の一定量の流体がホースをすでに充填しているということによって行なう。従来、このポンピング手順は、非回転のシューまたは圧縮ローラを回転させることによって実現され、これによりホースは、シュー/ローラとポンプヘッドの周囲の壁との間のニップで、進行性の圧縮を受ける。さらに、ホース/管/チュービングは、十分に弾力性があるとともに強化されたものが選択されており、その結果、ホースはその円形プロファイルを圧縮直後に回復し、それによりその管腔に真空を形成し、流体媒体の次の体積がホースへ入ることが促されるようになっている。
【0004】
最も一般的には、このポンプ構成は、まっすぐなホース/管を曲げて、ポンプヘッドキャビティ内に適合する半円にすることによって実現され、ホースは、直径方向に対向する2つのシューまたはローラによって半径方向に圧縮される。この種のポンプの実施例の特徴は、シューまたはローラが圧縮力を常にホースに印加すること、およびポンプには通常、潤滑剤(たとえば、グリセリン)が半分ほど充填されていることである。潤滑剤の働きは、摩擦熱をポンプの外部ハウジング構体へおよびそこからポンプの外へ移すことに加えて、ホースを圧縮する間に発生する滑り摩擦または転がり摩擦を減らすことの両方である。しかしロータ速度または動作が揚程に対して高くなると、ポンプが非常に熱くなるため、ポンプを規則的な間隔で停止させて冷却しなければならない。ポンプの仕様が連続動作である場合には、ポンプだけでなく駆動モータ/ギアも、大きめに寸法取りしなければならない。その結果、かなりの投資および運転コストとなる。また、ポンプのサービスおよび調整の際もさらにコストがかかる。なぜならば、潤滑剤を抜いて取り替えると同時に、ポンプハウジングおよびシャフトのシールを取り替えなければならないからである。
【0005】
さらに、この種の従来技術の構成では、ロータシュー/ローラの両方が、ホースの吸引端部でホースの圧縮を開始するため、固定されたホース設備およびホースそれ自体の両方に対して、一時的な力衝撃が加わる。このような衝撃は、ポンプロータの1回転の間に2回起こるため、ホースに、とくにホース端部のつなぎ留めフィッティングに、強い応力が加わる。
【0006】
ポンプ構成によっては、試みとして、ベアリングにおいて環状の軌跡に沿って回転して進む圧縮ホイールを用いることによって、高研磨摩擦および急激な脈動を減らすことが行なわれている。この場合、ホースを曲げて一周またはそれ以上にして、ホースの吸引端部と排出端部とがオーバーラップするようにしてもよい。この種の単一接点の回転ホイールは、圧縮ホイールとホースとの間の摩擦が最小限に抑えられるため、必要な潤滑剤が実質的に減る。さらに、単一接点のポンプロータがホースの一周に渡って進むために、ポンピングパルスの数が半分になる。すなわち、ロータの1回転あたりにポンプから放出される流体パルスが、2つではなく1つだけとなる。また残存する流体脈動の強さも小さくなる。なぜならば、ロータの圧縮面積が、より大きいために、ホースの管腔を閉じる速度が個々に、より遅くなり、その結果、流体パルスの始まり/立下りが、二重接点ポンプの場合よりも、より遅いからである。この種の構成も、摩擦が小さく、したがって、生成される熱が少ない。そのため、より速いロータ速度で連続動作を行なうことが容易になるため、所望する体積流量を生成するためのポンプ、ギア列、およびモータを小さくすることができる。
【0007】
しかし高速度での連続動作は、ホースおよび、とくにホース端部のつなぎ留めフィッティングの両方に対して、厳しいものとなる。したがって、ぜん動タイプの従来技術の容量型ポンプにおける典型的な問題は、ホース端部をポンプハウジングにつなぎ留めて固定することに関連する。従来、ホースは、ホースクランプ/インサートによって、ポンプハウジングの外側に取り付けられる支持フランジに固定されている。ホース端部をつなぎ留めて固定するためには、線圧をポンプに加えなければならず、またホースフィードスルー開口部をシールして、ポンプでホース潤滑剤として機能する媒体がポンプハウジングからリークしないようにしなければならない。同時に、ホースをポンプハウジングに非常に堅く固定して、ロータからホースに加える力が、ホース端部を自由に引く/押すことができないようにしなければならない。
【0008】
最新の技術は、たとえば、仏国特許公開第FR-1114877号明細書に示されている。この文献に開示される構成では、ロールが、クランクシャフトによって、ポンプキャビティで環状に回転できるように適合されている。ポンプ構造は、引用した参照刊行物の図2に示されている。弾性ポンプ流路は、ポンプキャビティで一周360°をカバーしてはいないことに注意されたい。
【0009】
オーストラリア特許公開第AU-19971675号明細書「動的なポンプ管を有する環状のぜん動ポンプ」では、代替的な駆動手段によってポンプキャビティで回転できるように適合された振動性の圧縮性リングが開示されている。管は、ポンプキャビティの内周に沿って一周360°を通っており、また管の吸引端部/排出端部がポンプキャビティに、ポンプハウジングに対して接線的に入り/離れている。管の断面は、引用した参照刊行物の図6に示されている。
【0010】
従来技術の構成を阻む重大な問題は、圧縮力を設定するための調整メカニズムが全くないことである。より具体的には、ポンプホースなどの弾性流路に印加される圧縮を設定するための設備が設けられておらず、そのため、ロータとポンプキャビティとの間の距離を一定値から変えることができない。上記列挙した欠点に加えて、ホースをポンプハウジングにつなぎ留めフィッティングする従来の実施例は、極めて不便なやり方で実施されることが多い。言い換えれば、その実際的な機能性および毎日のサービスに関して技術的に具体化することは、ほとんどの場合、全く無視されている。
【0011】
ほとんどいつも、前述した問題は互いに関連しており、また多くの場合に、互いに密接な因果関係にある。したがって、ぜん動ポンプの能率的でサービスに適した動作を得るためには、簡単で信頼性の高いホースのつなぎ留めフィッティングに加えてホース圧縮の調整メカニズムを特徴とするシステムを開発する試みをさらに行なうことが、極めて不可欠であるように思われる。
【0012】
本発明の目的は、前述の不利な点を打開することである。本発明の目標は、ホースなどの弾性ポンプ管またはポンプ流路、とくに容量型ポンプにおいて用いられるようなホース/管を管理するための組合せアセンブリによって達成される。
【0013】
本発明によるアセンブリの詳細は、添付の特許請求の範囲の特徴部に開示される。本発明が従来技術と異なる点は、ポンプが、ホース/管に加えられるポンプ圧力および/または圧縮の調整に適したアセンブリを備えていることであり、アセンブリの特徴は、無段階に調整可能な偏心距離を伴うメカニズムである。この特徴に加えて、本発明の特徴は、ぜん動ポンプが、単独でまたは偏心調整メカニズムと協力して、ポンプホース/管に加えられる圧力を管理するためのつなぎ留めホースフィッティングシステムを用いることに適合可能であることである。
【0014】
以下、本発明を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1を参照すると、ぜん動ポンプの主なコンポーネントが示されている。ポンプは、ポンプ本体1、ホース2、およびロータ3を含む。ロータ3は、偏心調整ブッシング5に取り付けられたベアリングに自由に回転可能に取り付けられている。偏心調整ブッシングそれ自体は、図2の参照数字10によって示されるクランクシャフトピンに取り付けられている。クランクシャフトは、ポンプ本体1の背壁のベアリングに、ポンプキャビティ34の中心にくるように取り付けられている。ホースなどの弾性ポンプ管またはポンプ流路が、内部にロータが収容されるポンプキャビティに挿入されている。ホースは、ポンプキャビティの内周に対して、一周に渡るように置かれている。ホース端部は、ポンプ本体のフィードスルー開口部8に、つなぎ留めによって取り付けられている。駆動手段によって作動されて、クランクシャフトは、ロータを強制的に、ポンプキャビティにおいてポンプキャビティの内周から所定の距離において回転させる。この距離は、ホース/管壁の厚みの2倍よりも小さくなるように設定される。この結果、ロータは、ポンプキャビティに挿入されたホースを圧縮する。その結果、ロータの回転によって、流体媒体の体積がポンピングされてロータ前方のホースに収容され、この体積が、ロータによって圧縮されたホース箇所を過ぎて逆の方向へリークすることが防止される。ポンプキャビティでのロータの回転によって、ロータがホース表面を回転するため、ホースに収容された流体媒体を押し進める。ロータの回転前進運動、およびホースがロータ圧縮箇所の直後にその円形のプロファイルに戻ることにより、ホースによって真空が形成される。この真空によって、ポンピングされている流体媒体がホースに再び満たされる。
【0016】
図2、図3、および図4に、偏心調整メカニズムを示す。メカニズムは、偏心調整ブッシング5、ウォームギア6、平歯車9、ロックカバー4、ロックピン11、およびロッキングボルト12を含む。偏心調整メカニズムは、ロータ外面とポンプキャビティ内周との間の図4に示されたギャップ23を調整するように働く。ポンプキャビティの内周によって、ホースに加えられる圧縮力が決定される。ロータギャップは、クランクシャフトピン10に取り付けられた偏心ブッシング5を回転させることによって調整される。ロータそれ自体は、偏心ブッシングの外周のベアリングに取り付けられる。図3に示した調整ブッシングの偏心距離19は、ブッシングの穴を、ブッシングの外周に対して偏心させて開けることによって得られる。
【0017】
偏心調整ブッシングを回転させることは、偏心ブッシングとクランクシャフトとの間に適合されたウォームギアなどの減速ギアを用いて行なわれる。減速ギアは、ウォーム6、すなわち減速ギアの駆動シャフトを、偏心ブッシングの固体ボディ部分に適合させることによって構成される。平歯車9、すなわち駆動されるギアは、クランクシャフトピンの端部に取り付けられる。あるいは、駆動される平歯車9を、クランクシャフトピンの端部に、直接機械加工してもよい。駆動シャフトが回転することで、偏心ブッシングがクランクシャフトピン上で回る。その結果、ロータの外周とポンプキャビティの内周との間の距離23が、図4に示したように変化する。ポンプロータと本体との間の距離調整の最大可能な長さは、図3に示したように、ブッシング5の肉厚20および21間の差に等しい。
【0018】
ウォームギアなどの自動ロック式のギアを減速ギアとして用いることが、有利である。この結果、ロータギャップ調整は、オペレータが一人でも正確かつ容易に行なうことができる。なぜならば、自動ロック式の減速ギアによって、ブッシングが無制御状態で回転することが防止されるために、ホースに印加された圧縮力によってブッシングが逆に回転することはあり得ないからである。歯状の減速ギアを用いることに基づいて、ロータギャップ調整を、何らかの特別なツールまたは調整シムを必要とすることなく行なうことができる。
【0019】
ポンプの動作中に、偏心調整ブッシングは、偏心ブッシングを回転させる傾向の力を継続的に受ける。ロックカバー4によって、偏心ブッシングは、クランクシャフトピンにロックされる。そのため減速ギアは、ポンプの動作中に偏心ブッシングに向けられる回転力のすべてを受けないで済む。ロックカバーは、偏心ブッシングの円錐面14に対してクランプされる。これは、図2に示したボルト12を、ロックカバーを通して、図3に示したクランクシャフト端部のネジ山付き孔22内にはめることによって行なう。円錐状のはめ合いのロッキング力が及ぼされることに加えて、締め付けられたボルトが、ロックカバーフランジと偏心ブッシングとの間に配置されるシーリングOリング15を押圧するため、ホース潤滑剤または他の汚染物が、減速ギア内におよび偏心ブッシングとクランクシャフトピンとの間の界面に入ることがない。このように、ロックカバーを通過するネジの働きは、ロックカバーを円錐面13に対して密着させた状態に保つクランピング力を与えることだけである。偏心ブッシングを回転させる傾向の力は、ロックカバーと偏心ブッシングとの間の円錐状の界面を介して伝えられ、さらにクランクシャフトとロックカバーとの間のロッキングを介してクランクシャフト端部に伝えられる。このロッキングは、クランクシャフト端部に入り込んだロックピン11、またはキースロットを用いて実現される。ロックカバーには、ロックピンまたはキーと噛み合う凹部13が、それぞれ設けられている。
【0020】
ロックカバーによって、偏心ブッシングに取り付けられるベアリングの内側レースも、偏心ブッシングのショルダ17とクランクシャフトのショルダ16との間で、軸方向にクランプすることができる。これは、ベアリングの内側レースを、偏心ブッシングショルダとクランクシャフトショルダとの間の静止した密接なはめ合いでクランプするために必要であり、その結果、偏心ブッシングに対するベアリングの遊びが防止される。
【0021】
容量型に基づくぜん動ポンプの特徴的な特性は、ホース/管の内面が、ポンピング中に腐食することである。このプロセスによって、ホース肉厚が薄くなり、したがって、ポンプロータと本体との間のギャップにおけるホース圧縮が減少する。したがってホース圧縮は、ホースの耐用期間中に調整しなければならない。連続的に用いる間に、ホースの既知の肉厚が擦り減って、未知の値になる。このような状況では、ホース圧縮を正確に調整する従来の技術で適用されるべき有効なルールを確立することは、非常に難しい。調整ルールが有効でない場合には、これを完全にするために、重大な過剰圧縮およびポンプ損傷の状況が頻繁に起こる動作を実際に経験しなければならない。対照的に、本願に開示される偏心調整アセンブリによれば、ホース圧縮の実行時調整を、較正されたトルクレンチを用いて簡単に行なうことができる。ウォームの端部18は、トルクレンチを用いて回転できるような形状になっている。このようにウォームをトルクレンチによって回転させるために、正確に設定されたトルクをウォームの回転中に加えることができる。このように、印加されるトルクは常に一定であるため、ホースに加えられる圧縮力も、十分に正確に一定値に設定される。ホース圧縮を調整する際に重要なことは、一定の締付けトルクを常に印加して、ホースの磨耗に起因する圧縮緩みを補償することである。
【0022】
図3では、偏心調整は、その最小の圧縮ギャップ位置に設定されている。図4では別個に、偏心調整は、圧縮ギャップ23がその最大値に設定される位置に、設定されて示されている。
【0023】
図5に、本発明による偏心調整アセンブリの代替的な実施例を示す。この調整アセンブリの変更は、とくに小サイズポンプにおいてホース圧縮を設定することに適している。小サイズポンプでは、前述した減速ギアベースの調整装置を採用することは、経済的にも物理的にも実行できない。
【0024】
図5の偏心調整アセンブリは、クランクシャフト端部におけるロックナット25、ロックコーン27、および偏心ブッシング5を含む。この実施例では、ホース圧縮調整は、図2に示した前述のものと同じ偏心調整の考え方に基づいている。これらの2つの実施例の主な違いは、円錐ブッシングを回転させるトルクを与える技術、および偏心ブッシングを所定の位置にロックするための配置に見られる。偏心ブッシングをクランクシャフトピン上で回転させることは、ブッシングを、そのフランジのキーヘッドによって、従来のレンチまたはトングを用いて回転させることによって行なわれる。偏心ブッシングは、ロックコーン27によって、所望の調整位置にロックされる。ロックコーンは、クランクシャフト端部に作られた外側のネジ山36にロックナット25を締め付けることによって、本来の位置に押圧される。ロックナットは、タブワッシャによってシャフトに固定される。ロックコーンは、ロックコーンのフランジに作られたエキストラクタネジ山24によって、取り外される。こうするために、ロックコーンフランジには、ネジ山の付いた2つの孔24が設けられていて、エキストラクタボルトを、ロックコーンを取り除くために取り付けることができる。ボルトの締め付けを、それらの先端が偏心ブッシングの内側のショルダに接触するまで行ない、それによって、偏心ブッシングがその場所から強制的に離される。正確なホース圧縮調整を行なうために、タブウェハと偏心ブッシングとの間に、調整に必要な目盛り付けを有する目盛り板を配置しても良い。目盛り板は、タブワッシャを固定するために使用されるものと同じキースロットによって、シャフトに固定される。
【0025】
図6および7に、本発明によるアセンブリを補足するつなぎ留めホースフィッティングシステムを示す。つなぎ留めシステムは、ホース端部に挿入されるゴムフランジ32と、2つのギル33を含むと有利であるシールギルと、分割されたコレット28の2つの半片と、必要に応じて従来の配管フランジと取り替えてもよい取付フランジ7とを含む。
【0026】
ホースの外周の周りに、互いに対してその対向する側に配置される。シールギルの断面は、0.5〜1mmの厚さに作られており、コレットに対して作られたスリット34の幅よりも厚い。なぜならば、コレットは2つの半片に分割されているからである。
【0027】
ポンプ本体のフィードスルー開口部は、ホース端部に挿入されるホース端部フランジ32の外側直径と同じサイズか、またはわずかに大きい。ポンプキャビティ内にホースを取り付けるために、ホース端部を、キャビティ内部から、フィードスルー開口部を介して外部へ通す。フィードスルー開口部から突出する自由なホース端部の長さを、ホース厚みの約2倍になるように切り取る。分割されたコレット28は、ホース端部の周りに、ホース端部フランジ32の背後に配置される。その結果、シールギル33は、分割されたコレット半片間に捕捉された状態のままである。次に、分割されたコレットのフランジを、ホース端部にすでに挿入されているホース端部フランジに取り付ける。分割されたコレットのフランジの背後側に、0リング29を配置する。最後に、ホース端部をポンプキャビティ内へ、分割されたコレットのフランジがポンプ本体1に対して置かれた状態のままとなるように、深く押し返す。こうして、分割されたコレットに配置されたOリングは、分割されたコレットのフランジと、ポンプ本体のフィードスルー開口部のエッジに対して作られたベベル30との間のギャップ内で、圧縮された状態のままとなる。その結果、分割されたコレットの半片をシールギルに対して押圧する力が及ぼされる。結果として、分割されたコレットの周囲とポンプキャビティとの間で、シールが確立される。ホース端部フランジと、分割されたコレットと、Oリングとを含むつなぎ留めフィッティングの組の締め付けは、ポンプ本体に作られたフィードスルー開口部のリムに対してネジ7を取り付けることによって行なわれる。ホース端部フランジに適応するために、取付フランジ上には、窪んだショルダ31が作られている。窪んだショルダ31は、ホース端部フランジの過剰な締め付けを防ぐように働く。窪んだショルダの深さ寸法は、取付フランジが、分割されたコレットのフランジに、ホース端部でのホース端部フランジの圧縮が約30%となるような深さで接触するように、取られている。この圧縮量は、ホース端部をしっかりとクランプされた状態に保つのに十分である。ホース端部フランジを過剰に圧縮すると、ホース端部フランジが損傷して、フランジの強度が損なわれる。ある特定の場合には、取付フランジの固定孔を、ポンプの公称上のサイズおよび圧力仕様に対応する規格化された配管フランジの位置と同じ位置に開けることができる。その結果、取付フランジを、必要に応じて従来の配管フランジと取り替えることができる。
【0028】
ホース端部フランジに鋼鉄リングを埋め込むことによってさらに、ホース端部フランジがその形状を保持し、重い機械的な応力の下でさえもフランジがそのつなぎ留め位置から滑り落ちる可能性がないことが保証される。シールギルによって、ポンプホースをクランプする際に用いられるスリットコレットの半片間の長手方向のギャップのシーリングが得られる。またシールギルは、ポンプホースがまっすぐにクランプされていて捩れた位置にはないことを確かめるための、ポンプホースを取り付ける間の指示器としても機能する。シールギルは、ポンプホースが正確に取り付けられたときにそれらが水平位置にあるように、成型される。
【0029】
当業者にとっては、本発明が、前述した実施例に限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲の本発明の趣旨および範囲内で変更しても良いことが明らかである。前述した事柄だけでなく、もっと多くの利点が、本発明のアセンブリにおいて実現される構成によって得られる。つなぎ留めホースフィッティングシステムによって、ポンプホースを固定する簡単で耐引き抜き性の方法が得られる。本明細書で開示される配置によって、フランジ付きのホースおよびホースのシールされたフィードスルーを用いることができる。またホースフィッティングシステムによって、ホースを正確かつ簡単に取り付けることおよび取付けを検証することが、容易になる。さらに、規格化された配管フランジを、ポンプ接続部に用いることができる。
【0030】
別個に、偏心調整アセンブリの利益および発明性は、ホース圧縮力を信頼性高く正確に設定することにおいて、磨耗したホースに対しても、高く評価される。偏心調整ブッシングアセンブリでは、ロックカバーによってベアリングを偏心ブッシング上に隙間なく締め付け、さらに、ロックカバーによって偏心ブッシングをロッキングして圧縮調整ギアをシーリングする。すべての調整は、たった一人のオペレータによって、特別なツールも必要とせず、複数のスペアパーツを別個に保管する必要もなく、行なうことができる。
【0031】
本発明によるアセンブリは、ぜん動ポンプの構成における実質的な進歩を、その効率、動作信頼性、とくにサービスの容易性に関して示している。本発明の特徴は、本明細書で開示されたアセンブリが液体およびスラリのポンピングに関するものであり、ポンピングが、弾性ホースを、ホース吸引端部から出発してホース排出端部で終了するように徐々に圧縮することによって行なわれることであり、その結果、進行性の圧縮によって、圧縮点の前方の液体またはスラリ体積が前方へ移送される。前述した両方の機械的な構成を、本発明によるアセンブリで利用すると有利である。本発明の目的はとくに、ポンプキャビティ内へのポンプホースの挿入、ホース端部に対するつなぎ留め固定システム、ダウンタイムを最小限にするホースの交換方法、およびホースに加えられる圧縮の調整/ロッキングメカニズムに対する、新規で進歩性のある方法に向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、ぜん動ホースポンプの実施例の説明である。
【図2】図2は、ぜん動ポンプに適合された本発明による偏心調整メカニズムの断面側面立面図である。
【図3】図3は、その最も高い位置に配置された本発明による偏心調整メカニズムの正面断面図である。
【図4】図4は、その最も低い位置に配置された本発明による偏心調整メカニズムの正面断面図である。
【図5】図5は、本発明による偏心調整メカニズムの断面図である。
【図6】図6は、ぜん動ポンプに適合された本発明によるつなぎ留めホースフィッティングシステムの長手方向の断面図である。
【図7】図7は、ぜん動ポンプに適合された本発明によるつなぎ留めホースフィッティングシステムの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースなどの弾性ポンプ管またはポンプ流路であってとくにぜん動ポンプにおいて用いられるようなものを管理するための組合せアセンブリにおいて、前記ポンプに、前記ホース/管に加えられるポンプ圧力/または圧縮を調整するためのアセンブリが設けられ、該アセンブリは、無段階に調整可能な偏心調整メカニズムを含むことを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載の組合せアセンブリにおいて、前記ぜん動ポンプは、単独でまたは前記偏心調整メカニズムと協力して、前記ポンプホース/管に加えられる圧力を管理するためのつなぎ留めホースフィッティングシステムを用いることに適合可能であることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組合せアセンブリにおいて、前記偏心調整メカニズムが、偏心調整ブッシング(5)、ウォームギア(6)、平歯車(9)、ロックカバー(4)、ロックピン(11)、および少なくとも1つのロッキングボルト(12)を含むことを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記偏心調整メカニズムは、前記クランクシャフトピン(10)に取り付けられる偏心ブッシング(5)を回転させることによって、ポンプロータの外面とポンプキャビティの内周との間のギャップ(23)を調整するために用いられることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記調整ブッシングの偏心距離(19)は、該ブッシングの穴を該ブッシングの外周に対して偏心させて開けることによって得られることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記偏心調整ブッシングの回転は、前記偏心ブッシングと前記クランクシャフトとの間に適合されたウォームギアなどの減速ギアを用いて行なわれ、該減速ギアは、ウォーム(6)を前記偏心ブッシングの固体ボディ部分に適合させることによって構成されることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、平歯車(9)が、前記クランクシャフトピンの端部に取り付けられるか、または代替的に該クランクシャフトピンの端部に直接機械加工されることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、ホース圧縮の調整力は、ウォームギア(6)をその端部(18)で回転させるための較正されたトルクレンチを用いて制御されることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記偏心調整ブッシングは、前記偏心ブッシングの円錐面(14)にボルト(12)によってクランプされた前記ロックカバー(4)を用いて前記クランクシャフトピンにロックされ、同時に、ボルトの締め付けによって加えられる力によって、前記ロックカバーフランジと前記偏心ブッシングとの間に配置されるシーリングOリング(15)が押圧されることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記ロックカバーの回転が、前記クランクシャフトピン端部と該ロックカバーとの間に配置されるロックピン(11)によって防止されることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記ロックカバーによって、前記偏心ブッシングに取り付けられるベアリングの内側レースも、該偏心ブッシングのショルダ(17)と前記クランクシャフトのショルダ(16)との間で軸方向にクランプされることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記つなぎ留めホースフィッティングシステムは、前記ホース端部に挿入されるゴムフランジ(27)、有利には2つのギル(33)を含むシールギル、分割されたコレット(28)の2つの半片、および必要に応じて、取付フランジ(7)を含むことを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記シールギル(33)は、前記ホース端部フランジから突出するように作られ、該シールギルの外側エッジ間の直径寸法が該ホース端部フランジの外側直径と一致する形状をしており、および前記シールギルが、前記ホースの外周の周りに、互いにその対向する側に配置され、該シールギルの断面は0.5〜1mmに作られ、該値は、前記コレットが2つの半片に分割されているために、該コレットに対して作られたスリット(34)の幅よりも厚いことを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記ポンプ本体に作られるフィードスルー開口部は、前記ホース端部に挿入されるホース端部フランジ(32)の外側直径と同じサイズかまたはわずかに大きく、前記分割されたコレットは、該ホース端部フランジの周りで該ホース端部フランジ(32)の背後に配置されるために、前記シールギルは、該分割されたコレット半片間に捕捉された状態のままであることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記分割されたコレットのフランジは、前記ホース端部に挿入される前記ホース端部フランジに対して取り付けられ、該分割されたコレットのフランジの背後の側に対して、Oリング(29)が配置され、該Oリング(29)は、該分割されたコレットのフランジと、前記ポンプ本体のフィードスルー開口部のエッジに対して作られたベベル(30)との間のギャップで圧縮され、その結果、前記分割されたコレットの半片を前記シールギルに対して押圧する力が及ぼされ、該力は、該分割されたコレットと前記ポンプ本体との間のギャップをシールすることを特徴とする組合せアセンブリ。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれかに記載の組合せアセンブリにおいて、前記取付フランジに対して、前記ホース端部フランジの過剰な締め付けを防止するように働く窪んだショルダ(31)が作られることを特徴とする組合せアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−519333(P2006−519333A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502078(P2006−502078)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000106
【国際公開番号】WO2004/076861
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505325198)
【氏名又は名称原語表記】LAROX FLOWSYS OY
【Fターム(参考)】