説明

密封包装物の検査装置

【解決課題】より一層の検査精度の向上が可能な密封包装物の検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置1は、密封包装物50を搬送方向Aに搬送する搬送手段5と、接触素子が設けられた電極ブラシ11を有するとともに、密封包装物50の検査部位65に接触可能に設けられ、接地電位に接続される第1電極10と、第1電極10を搬送方向Aに略沿って移動させることのできる移動手段25と、第1電極10が検査部位65に接触する間、密封包装物50の一面に接触または近接可能に設けられるとともに、高圧電源45に接続される第2電極30と、検査部位65からの放電電流を検知する電流検知部40と、を備え、第1電極10を密封包装物50が通過したことをトリガーとし、移動手段25を介して、第1電極10が、密封包装物50を追い越して移動するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物の欠陥を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、電流検知部を介して接地される一の電極ブラシと、高圧電源に接続される他の電極ブラシと、を備え、電流検知部を流れる電流値の変化によって、密封包装物のピンホール等の欠陥を検査するようにしたものがある(例えば、特許文献1乃至2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−163312号公報
【特許文献2】特開2006−300541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1乃至2に記載される如くの従来技術を用いて、例えば図10(a)に示す密封包装物50を検査しようとする場合、次のような問題があった。すなわち、密封包装物50を一定方向に搬送するコンベヤ等の上方(または下方)に、接地される側の電極ブラシ101が配置され(高圧電源に接続される側の電極ブラシは図示を省略)、図10(b)に示すようにして密封包装物50に接触素子102を接触させるが、このとき、図10(c)に示すように、接触素子102が、弾発力Pによって早急に復元しようとするため、密封包装物50の搬送方向後半部側において、接触素子102が十分に接触することができず、検査精度が低下するおそれがあった。とりわけ密封包装物50の本体52とポート59との間の挿着部58廻り等、比較的複雑な形状の部位では、このようなおそれが強くなりがちであった。
【0005】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、より一層の検査精度の向上が可能な密封包装物の検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る密封包装物の検査装置は、内容物を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物の欠陥を検査する検査装置であって、密封包装物を一定の搬送方向に搬送する搬送手段と、接触素子が設けられた電極ブラシを有するとともに、該搬送手段によって搬送される該密封包装物の検査部位に接触可能に設けられ、接地電位に接続される第1電極と、該第1電極を、該搬送方向に略沿って移動させることのできる移動手段と、該第1電極が該密封包装物の該検査部位に接触する間、該密封包装物の一面に接触または近接可能に設けられるとともに、高圧電源に接続される第2電極と、該密封包装物の該検査部位からの放電電流を検知する電流検知部と、を備え、該第1電極を該密封包装物が通過したことをトリガーとし、該移動手段を介して、該第1電極が、該密封包装物を追い越して移動するように構成される。
【0007】
上記検査装置は好ましくは、該密封包装物が、該内容物を収容する本体と、該本体に挿着部を介して挿着されるポートと、を備え、該本体の該挿着部廻りが熱溶着されたものであり、該挿着部を、該検査部位に含む。
【0008】
上記検査装置は好ましくは、該本体と該ポートとの係合部におけるトンネル状の溶着不良を検知する。
【0009】
上記検査装置は好ましくは、該第1電極の該電極ブラシが、幅長断面の接触素子を単列に配置してなる幅長断面ブラシを備える。
【0010】
上記検査装置は好ましくは、該第1電極の該電極ブラシが、該幅長断面ブラシと、円形断面の接触素子を単列に配置してなる円形断面ブラシと、を交互に積層してなる。
【0011】
上記検査装置は好ましくは、該接触素子が、アモルファス合金製である。
【0012】
上記検査装置は好ましくは、該密封包装物が、非電解質の内容物を被包したものである。
【0013】
また、本発明に係る電極ブラシは、内容物を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物の検査部位に接触するとともに、内容物に高電位を印加することで発生し得る放電電流を検知することによって、検査部位の欠陥を検査するようになされた密封包装物の検査装置に用いられる電極ブラシであって、幅長断面の接触素子を単列に配置してなる幅長断面ブラシと、円形断面の接触素子を単列に配置してなる円形断面ブラシと、を交互に積層してなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る密封包装物の検査装置によれば、上記したとおりの構成であるため、より一層の検査精度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る検査装置を示す全体平面図である。
【図2】実施形態に係る検査装置を示す全体正面図である。
【図3】実施形態に係る第1電極を示す分解斜視図である。
【図4】実施形態に係る第1電極を示す拡大横断面図である。
【図5】実施形態に係る検査装置による検査状況を示す要部拡大図である
【図6】実施形態に係る密封包装物を示す斜視図である。
【図7】他の実施形態に係る検査装置を示す概略平面図である。
【図8】他の実施形態に係る検査装置を示す概略正面図である。
【図9】他の実施形態に係る接触素子を示す拡大断面図である。
【図10】従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。図1〜図2は、実施形態に係る検査装置1を示しており、図1は全体平面図、図2は全体正面図である。図3〜図4は実施形態に係る第1電極10を示しており、図3は分解斜視図、図4は拡大横断面図である。図5は検査装置1による検査状況を示す要部拡大図である。図6は実施形態に係る密封包装物50を示す斜視図である。
【0017】
検査装置1は、図1〜図2に示すように、密封包装物50の欠陥を検査する。本実施形態の密封包装物50は、図6に示すように、袋状をなす扁平な本体52を備える。本体52は、熱可塑性樹脂製フィルム52a、52bを重ね合わせてなる。本体52の四方の周縁部53が熱溶着されてできる収容室55には、内容物56が収容されており、これにより内容物56を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物50が構成されている。周縁部53の適宜位置(挿着部58)には、上記熱溶着に際して、略筒型のポート59が、収容室55と連通状に挿着されている、
【0018】
本実施形態の検査装置1は、本体52とポート59との間の上記挿着部58およびその周辺を検査部位65とし、少なくとも検査部位65において、ピンホールや溶着不良等の欠陥有無を検査する。とりわけ、図6に示すような周縁部53とポート59との係合部63では、熱可塑性樹脂フィルム52a、52bやポート59の成形誤差・加工誤差等も起因して、トンネル状の溶着不良が比較的発生し易い。
【0019】
密封包装物50は、例えば輸液バッグであるが、その他の医薬品や食料品、化粧品等の包装に用いられるものであってもよい。密封包装物50の本体52は、少なくとも挿着部58廻りが熱溶着されるようなものであれば、上記以外の形態であってもよい。また、密封包装物50を、ダブルバッグや、輸液ボトルその他のボトル状等の構成とすることもできる。
なお、上記内容物56としては、導電性を有するものであれば、特に限定はない。これには導電性の小さいものも含まれ、本発明は、内容物56が非電解質等であっても好適に適用できる。また、液体に限らず、ゲル状の流動体や粉粒体等も、内容物56として使用できる。
【0020】
検査装置1は、図1〜図2に示すように、上記密封包装物50を搬送する搬送手段5と、導電性の第1電極10および第2電極30と、第1電極10に連結される移動手段25と、電流検知部40と、を主として備える。
【0021】
搬送手段5は例えば、両端のプーリ8に掛架されるベルトコンベヤ6によって構成されており、図1〜図2に示すように、密封包装物50を、一定の搬送方向Aに所定間隔にて搬送している。密封包装物50は、ベルトコンベヤ6上で、ポート59の軸が搬送方向Aに略直交する水平状態となっている。
【0022】
第1電極10は、図1〜図2に示すように、電極ブラシ11を備え、ベルトコンベヤ6上方において、後述する移動手段25を介して移動可能に配設されている。また、第1電極10は、その幅方向が搬送方向Aに略直交するようにして鉛直状に配設されている。電極ブラシ11には、後述する接触素子15、17が設けられるとともに、これらが、搬送される密封包装物50の検査部位65に接触する。
【0023】
電極ブラシ11は金属製で、図3〜図4に示すように、幅長断面ブラシ12と円形断面ブラシ13とを交互に積層して構成されている。本実施形態では、幅長断面ブラシ12および円形断面ブラシ13は、それぞれ長孔21を有し、下端を揃えた状態で且つ高さ調整自在に、取付部23へ取り付けられるようになっている。
【0024】
幅長断面ブラシ12は、図3〜図4に示すように、幅長断面の接触素子15と、この接触素子15を幅方向に単列に配置して保持する保持部16と、を備える。接触素子15は例えば、幅L1=0.2〜1.0mm、厚さL2=10〜50μm程度の矩形断面をなし、適宜の微小間隔rで設けられる。また、円形断面ブラシ13は、図3〜図4に示すように、円形断面の接触素子17と、この接触素子17を幅方向に単列に配置して保持する保持部18と、を備える。接触素子17は例えば、径D=10〜150μm程度の円形断面をなし、適宜の微小間隔sで設けられる。
【0025】
上記幅長断面ブラシ12の採用により、接触素子15を検査部位65に接触させた際のいわゆるV字形の毛割れを防止できる。さらに、幅長断面ブラシ12と円形断面ブラシ13とを交互に積層することで、接触素子15、17が様々にばらけるようになり、検査部位65が比較的複雑な形状等の場合であっても、全体として電極ブラシ11を検査部位65に密接させ易いものとできる。
【0026】
幅長断面ブラシ12および円形断面ブラシ13は、図3〜図4に示したもの以外にも、適宜の積層態様としてよい。一般には、積層数が増えるに従って接触素子15、17の接触密度が向上し、電極ブラシ11が検査部位65に接触し易くなるが、積層数が一定以上となると、各接触素子15、17の抵抗力によって、搬送手段5にかかる負荷が過大になるおそれがある。よって、積層数としては、3〜5層程度が好ましいと考えられる。
【0027】
なお、本実施形態では、接触素子15、17をアモルファス合金製としている。アモルファス合金は、接触素子15、17の構成材として好ましいものであるが、これ以外の適当な金属繊維や金属線等を用いるようにしてもよい。
【0028】
移動手段25は、上記第1電極10を、所定のタイミングで搬送方向Aに略沿って移動させるものである。本実施形態の移動手段25は、図1〜図2に示すように、取付部23を介して第1電極10を懸吊する懸吊部26と、上方から適宜支持されるエアシリンダ27と、を備えて構成される。懸吊部26は、L型ブラケット状をなし、エアシリンダ27に出没自在に設けられるロッド27aと一体駆動されることで、第1電極10を水平に往復動させることができるようになっている。
移動手段25の上記構成は一例であり、これ以外にも様々な構成を採用し得ることは勿論である。必要により、第1電極10を上下動させる機構を併設するようにしてもよい。
【0029】
本実施形態では第2電極30も、図1〜図2に示すように、第1電極10同様のブラシ状に構成されている。第2電極30は、ベルトコンベヤ6上方において、所定長さ延在して配置され、その幅方向が搬送方向Aに略平行するようにして鉛直状に適宜固定されている。第2電極30には、複数列ないし単列に配置された接触素子31が設けられるとともに、これが、搬送される密封包装物50の本体52上面に、接触または近接する。
【0030】
図1〜図2に示すように、上記第1電極10は、導線41を介して接地されており、その途中には電流検知部40が設けられている。一方で、上記第2電極30は、導線46を介して高圧電源45(本実施形態では10〜12kV)に接続されている。高圧電源45としては、直流、交流の何れであってもよい。
【0031】
なお、検査装置1では、図1〜図2に示すように、センサ48が適宜付設されている。センサ48は、密封包装物50の搬送位置を検出するもので、上記移動手段25が、このセンサ48と連係して駆動されるようになっている。
【0032】
上記の如く構成される検査装置1を用いて、密封包装物50の検査部位65を検査する手順について、一例を挙げて説明する。
【0033】
検査装置1に搬入された密封包装物50は、ベルトコンベヤ6上を一定速度で搬送されている。密封包装物50は先ず、第2電極30と接触または近接する(図1〜図2参照)。第2電極30は高圧電源45に接続されているため、密封包装物50の内容物56は、帯電(または電磁誘導)によって電位が上昇する。
間もなくすると、密封包装物50の検査部位65が、停止状態にある第1電極10の電極ブラシ11と、図5(a)(b)に示すようにして接触する。第1電極10は接地されているため、接触素子15、17との接触により、検査部位65にピンホールや溶着不良等の欠陥があると、放電電流が発生する。この放電電流を電流検知部40で検知させることにより、検査部位65における主として搬送方向A前半部の欠陥有無を検査できる。
【0034】
密封包装物50が上記第1電極10を通過すると、センサ48が信号を出力するとともに、これをトリガーとして移動手段25が駆動される。第1電極10は、移動手段25を介して、搬送方向Aに略沿って、且つ搬送される密封包装物50よりも早い速度で移動されるように制御されている。よって、第1電極10は、やがて密封包装物50を追い越すため、密封包装物50の検査部位65が、再び第1電極10と、図5(c)(d)に示すようにして接触する。そして、上記と同様の要領で、検査部位65における主として搬送方向A後半部の欠陥有無を検査できる。
なお、第2電極30は、第1電極10が密封包装物50の検査部位65に図5(a)〜(d)に示すようにして接触する間、本体52の上面に継続的に接触または近接し、内容物56に高電位を印加できるようになっている。
【0035】
密封包装物50の検査部位65を追い越すまで移動された第1電極10は、移動手段25によって、元の位置に戻され、続いて搬送される密封包装物50の検査に備える。
上記を繰り返すことで、密封包装物50の検査部位65を連続して検査できる。欠陥を検知された密封包装物50は、図示しない排出手段によって、ベルトコンベヤ6の外部へと排出されるようになっている。
【0036】
以上説明した検査装置1によれば、搬送される密封包装物50に、搬送方向Aの前後両方から、電極ブラシ11を接触させることができるため、より一層の検査精度の向上が可能となる。
【0037】
また、検査装置1によれば、上記検査部位65のように比較的複雑な形状の部位を検査する場合であっても、(搬送方向Aの)前後両方の係合部63に、電極ブラシ11を十分に接触させることができる。しかも、電極ブラシ11が、上記所定の積層構成であることから、さらなる検査精度の向上が図られる。
とりわけ検査装置1を、非電解質の内容物56を被包した密封包装物50の係合部63におけるトンネル状の溶着不良の検知に用いるような場合には、高圧電源45の必要電圧を小さく抑えつつ微妙な電流を捕捉できるため、きわめて優れた効果を奏することとなる。
【0038】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正や設計変更等が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、第1電極10を、その幅方向が搬送方向Aに略直交するようにして配設したが、図7に示す検査装置70における第1電極10’のように、搬送方向Aと所定角度θをなすようにして配設することもできる(上記と共通の構成部分には同一の符号を付している;以下の図においても同様)。なお、図7では、移動手段25や第2電極30等の図示を省略している。
上記角度θは通常、θ=10〜80°または100〜170°程度、より好ましくはθ=30〜60°または120〜150°程度とするのがよいが、密封包装物50の検査部位65の形状等に応じて、適宜設定され得る。このような角度θを設けることで、電極ブラシ11(接触素子15、17)と検査部位65の係合部63等とをさらに密接し易いものにできる。
【0040】
図8に示す検査装置72のように、導線83によって高圧電源82に接続され、密封包装物50の本体52下面に接触または近接可能な高圧電極80をさらに設けるようにしてもよい。検査装置72の搬送手段5はローラコンベヤ9によって構成され、ローラコンベヤ9の間隙から、ブラシ状の接触素子81が突出するようにして、高圧電極80が配置固定されている。なお、図8では、第1電極10や移動手段25等の図示を省略している。
このような高圧電極80を設けることにより、密封包装物50の上下面から内容物56に高電位を印加することができる。
【0041】
また、検査装置72のように、導線78によって電流検知部77を介して接地され、下方から密封包装物50の検査部位65に接触可能な検査用電極75をさらに設けるようにしてもよい。検査装置72では、検査用電極75に対応して、密封包装物50の本体52上面に接触または近接可能な高圧電極30’が設けられている。高圧電極30’はブラシ状の接触素子31’を有するとともに、導線46によって高圧電源45に接続されている。
このような検査用電極75を設けることにより、第1電極10による検査を補強することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、第1電極10の幅長断面ブラシ12の接触素子15を矩形断面に構成したが、幅長状の断面のものであれば、図9(a)〜(c)に示すような接触素子151〜153を用いることもできる。各接触素子151〜153は、それぞれ蒲鉾形、長楕円、台形状の断面をなし、例えばアモルファス合金繊維のリボン状材として製造され得る。特に接触素子151や152の場合には、湾曲面88や89をそれぞれ有するため、検査部位65における微小な段差等の形状変化に追従し易く、さらに検査精度を高めることができるものと考えられる。
【0043】
なお、上記実施形態では、密封包装物50の検査部位65のみを検査する例について説明したが、必要な構成を付加する等して、例えば密封包装物50の本体52(収容室55)や他の周縁部53のピンホールや溶着不良等を、同時に(または別工程で)検査するようにしてもよい。
上記密封包装物50の具体形状等は例示であり、本発明の作用効果を奏し得る範囲で、様々な形態のものが用いられ得ることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、輸液バッグをはじめとする密封包装物のピンホールや溶着不良等の欠陥を検査する際に、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 検査装置
10 第1電極
11 電極ブラシ
12 幅長断面ブラシ
13 円形断面ブラシ
15 接触素子
17 接触素子
25 移動手段
30 第2電極
40 電流検知部
45 高圧電源
50 密封包装物
52 本体
53 周縁部
56 内容物
58 挿着部
59 ポート
63 係合部
65 検査部位
A 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物の欠陥を検査する検査装置であって、
密封包装物を一定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
接触素子が設けられた電極ブラシを有するとともに、該搬送手段によって搬送される該密封包装物の検査部位に接触可能に設けられ、接地電位に接続される第1電極と、
該第1電極を、該搬送方向に略沿って移動させることのできる移動手段と、
該第1電極が該密封包装物の該検査部位に接触する間、該密封包装物の一面に接触または近接可能に設けられるとともに、高圧電源に接続される第2電極と、
該密封包装物の該検査部位からの放電電流を検知する電流検知部と、を備え、
該第1電極を該密封包装物が通過したことをトリガーとし、該移動手段を介して、該第1電極が、該密封包装物を追い越して移動するようになされた密封包装物の検査装置。
【請求項2】
該密封包装物が、該内容物を収容する本体と、該本体に挿着部を介して挿着されるポートと、を備え、該本体の該挿着部廻りが熱溶着されたものであり、
該挿着部を、該検査部位に含む請求項1に記載の密封包装物の検査装置。
【請求項3】
該本体と該ポートとの係合部におけるトンネル状の溶着不良を検知するようになされた請求項2に記載の密封包装物の検査装置。
【請求項4】
該第1電極の該電極ブラシが、
幅長断面の接触素子を単列に配置してなる幅長断面ブラシを備えた請求項2または3に記載の検査装置。
【請求項5】
該第1電極の該電極ブラシが、
該幅長断面ブラシと、
円形断面の接触素子を単列に配置してなる円形断面ブラシと、
を交互に積層してなる請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
該接触素子が、アモルファス合金製である請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
該密封包装物が、
非電解質の内容物を被包したものである請求項3乃至6の何れかに記載の検査装置。
【請求項8】
内容物を電気絶縁性被膜で被包した密封包装物の検査部位に接触するとともに、内容物に高電位を印加することで発生し得る放電電流を検知することによって、検査部位の欠陥を検査するようになされた密封包装物の検査装置に用いられる電極ブラシであって、
幅長断面の接触素子を単列に配置してなる幅長断面ブラシと、
円形断面の接触素子を単列に配置してなる円形断面ブラシと、
を交互に積層してなる電極ブラシ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−64556(P2011−64556A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215080(P2009−215080)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【出願人】(592026624)ジョーベン電機株式会社 (3)
【Fターム(参考)】