説明

密閉パッケージをパッケージング材料で作られたチューブから連続して製造するパッケージングユニット

【課題】半体シェル部材とパッケージング材料との間に好適な相互作用を与えるパッケージングユニットを提供する。
【解決手段】パッケージングユニットは、それぞれ複数の顎部および対向顎部を有するそれぞれのチェーンコンベヤを含み、顎部及び対向顎部が互いに協働し、顎部に取付けられた加熱部材によってチューブのシーリングを行う。コンベヤはパッケージの容積を制御するための半体シェル部材38を備える。半体シェル部材38は顎部及び対向顎部に個別に取付けられ、ガイド手段によってチューブに離接する動作を制御される。ガイド手段は各チェーンコンベヤのための各カム44を有し、半体シェル部材に取付けられたカム従動子42がカム44に係合することによって半体シェル部材の動作が制御される。各カム44は、それらカム44間の間隔距離を調整して形成されるバッケージの容積を調整できるようにする調整装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージング材料で作られたチューブから、食品を収容した無菌密閉パッケージを連続して製造するためのパッケージングユニットに関する。
【0002】
特に、本発明によるパッケージングユニットは実質的に平行六面体の無菌密閉パッケージを製造する。
【背景技術】
【0003】
多くの食品、例えばフルーツジュース、低温殺菌またはUHT(超高温処理)されたミルク、ワイン、トマトソースなどが無菌パッケージング材料で作られたパッケージに入れて販売されている。
【0004】
このようなパッケージの典型例は液体、またはテトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)の名称のもとで周知の食品のための平行六面体のパッケージング容器であり、これはストリップを巻上げたパッケージング材料を折曲げ、シーリングして形成されている。巻上げられたパッケージング材料は、例えばペーパーのような繊維材料層が両面を例えばポリエチレンのような熱可塑性材料で被覆されて構成され、パッケージング材料の最終的にパッケージ内部の食品に接触される面はまた例えばアルミニウムシートのようなバリヤ材料層を含んで成り、さらに熱可塑性材料の層で被覆される。
【0005】
周知のように、上述形式のパッケージは全自動パッケージングユニットによって製造され、そのユニットにおいてはストリップ形状にて供給されたパッケージング材料から連続チューブが形成される。パッケージング材料のストリップはパッケージン機械において例えば過酸化水素溶液のような化学殺菌剤を付与することで殺菌される。殺菌後、殺菌剤は例えば加熱により蒸発されて、パッケージング材料の表面から除去される。またこのように殺菌されたパッケージング材料ストリップは密封した無菌環境内で保持され、チューブを形成するために折曲げて長手方向にシールされる。
【0006】
チューブは殺菌された、すなわち無菌処理された食品を充填され、後で枕形状のパッケージとなるように切断される位置である等間隔の断面位置においてシールされ、その後に平行六面体のパッケージを形成するために機械的に折曲げられる。
【0007】
上述形式のパッケージング機械は周知であり、それぞれが無端路を定め、それぞれ多数の顎部を取付けられている2つのチェーンコンベヤを含んで成る。2つの無端路は互いに実質的に対面する平行なそれぞれのブランチを含み、それらのブランチ間をパッケージ材料のチューブが給送され、これによって一方のコンベヤの顎部はそれぞれの無端路のブランチに沿って他方のコンベヤの対応する対向顎部と協働してチューブを多数の連続的な断面位置においてグリップし、パッケージをシールする。
【0008】
この種の機械は多数の先行特許、例えば米国特許第3300944号、同第3388525号、同第5001891号に示されており、しばらくの間実験されてきた。
【0009】
上述形式のチェーンコンベヤ機械は、形成されている間にパッケージの容積を制御する制御部材を含んでおり、この制御部材は、それぞれのチェーンコンベヤに取付けられると共に顎部および対向顎部がパッケージング材料のチューブをシールするときにそのチューブを取囲むように対を成して協働する。この容積制御部材はコンベヤチェーンの一部を形成すると共にそのリンクを構成することから、その部材の動作はチェーンが定める無端路によって決まる。
【0010】
出願人の知識では、周知のチェーンコンベヤ機械はパッケージを絶対的に損傷しないように保証して内容物の無菌性を保護できるほど信頼性の高い工程を提供するには至らないことから、今までのところ満足に実用化されてはいない。
【0011】
特に、周知機械の欠点の1つは、対を成す容積制御部材が合わされるときにその部材間でパッケージング材料が「狭圧」されて、これによりパッケージング材料が破断されたり機械の停止が生じ得る可能性である。一層悪いことにパッケージング材料に対する損傷がバリヤ材料までに限られて、それ故に検出されることなく、消費者に重大なリスクを負わせて非無菌パッケージが販売されることになり得る。
上述の欠点は容積制御部材とパッケージング材料のチューブとの間の相互作用を正確に制御することが不可能なために生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第3300944号明細書
【特許文献2】米国特許第3388525号明細書
【特許文献3】米国特許第5001891号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、注入可能な食品を収容した無菌密閉パッケージを連続して製造するための、また周知機械に典型的に生じる上述した欠点を排除したパッケージングユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、食品を収容した無菌密閉パッケージを、シート形式の熱シールパッケージング材料で作られて垂直供給路に沿って給送され、前記食品を充填されるチューブから連続して製造するためのパッケージングユニットで、
多数の顎部を有し、前記顎部が送られる第1無端路を形成する第1チェーンコンベヤと、
多数の対向顎部を有し、前記対向顎部が送られる第2無端路を形成する第2チェーンコンベヤとを含み、
前記第1および第2無端路はパッケージング材料のチューブの前記供給路に隣接して前記供給路の反対両側を対称的に延在するそれぞれの作動部分を含み、これにより前記第1コンベヤの前記顎部はそれぞれ等間隔の断面位置にて前記チューブをグリップするためにそれぞれの前記作動部分の少なくとも一部分に沿って前記第2コンベヤのそれぞれの前記対向顎部と協働し、
少なくとも前記顎部は前記チューブを熱シールするための加熱手段を含み、
前記第1および第2チェーンコンベヤはまた形成されるパッケージの容積を制御するそれぞれの容積制御装置を含んでおり、各々の容積制御装置は多数の半体シェル部材を有していて、第1チェーンコンベヤの半体シェル部材と第2チェーンコンベヤの半体シェル部材とが互いに協働して形成されるパッケージの容積を定めるようになっているパッケージングユニットであって、
前記半体シェル部材がそれぞれの前記顎部および対向顎部に個別に取付けられ、パッケージング材料の前記チューブに対して離接する方向への相対移動が可能となるように前記それぞれの顎部および対向顎部に連結されており、前記容積制御装置はまた各々の前記チェーンコンベヤで前記半体シェル部材をガイドするための、且つまたそれぞれの前記無端路の前記作動部分に沿って延在して前記半体シェル部材の前記相対移動を制御するガイド手段を含んでおり、前記ガイド手段は、前記第1および第2チェーンコンベヤのためのそれぞれのカムを有し、それぞれの前記カムは、前記第1および第2無端路のそれぞれの前記作動部分に隣接しかつその作動部分に沿って延在しており、また前記第1および第2チェーンコンベヤの各々の前記半体シェル部材は、それぞれの前記作動部分に向けて突出し前記カムと協働して該半体シェル部材の前記相対移動を制御するカム従動子を有し、また各々の前記カムは、それらカム間の間隔距離を調整して形成されるバッケージの容積を調整できるようにする調整装置を有することを特徴とするパッケージングユニットが提供される。
【0015】
それ故に本発明によれば、半体シェル部材の動作はそれぞれの顎部および対向顎部の動作に対して実質的に無関係に制御されることになり、半体シェル部材とパッケージング材料との間に好適な相互作用が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の教示によるパッケージングユニットの、明瞭化のために複数部品を取り除いた斜視図である。
【図2】図1のパッケージングユニットの部分的概略側面図である。
【図3】図1のパッケージングユニットの顎部および対応する対向顎部を一方の側から見た斜視図である。
【図4】図1のパッケージングユニットの顎部および対応する対向顎部を図3と反対側から見た斜視図である。
【図5】顎部および対向顎部が衝突位置にある状態で図1のパッケージングユニットを示す、明瞭化のために複数部品を取り除いた概略側面図である。
【図6】顎部および対向顎部が組合い位置にある状態で図1のパッケージングユニットを示す、明瞭化のために複数部品を取り除いた概略側面図である。
【図7】顎部12および対向顎部13が最大圧力段階の始点にある状態で図1のパッケージングユニットを示す、明瞭化のために複数部品を取り除いた概略側面図である。
【図8】顎部および対向顎部が最大圧力段階の終点にある状態で図1のパッケージングユニットを示す、明瞭化のために複数部品を取り除いた概略側面図である。
【図9】顎部および対向顎部が圧力解放段階にある状態で図1のパッケージングユニットを示す、明瞭化のために複数部品を取り除いた概略側面図である。
【図10】図3および図4の顎部および対向顎部における補完部品を示す斜視図。
【図11】図1のパッケージングユニットのパッケージ容積制御装置を、顎部および対向顎部が図5に示されるようにパッケージング材料のチューブと接触したときの状態で示す側断面図である。
【図12】図11に続く、半体シェル部材の側壁の最初の接触状態でパッケージングユニットのパッケージ容積制御装置を示す側断面図である。
【図13】図12に続く、カム従動子がそれぞれのカムの実質的に垂直な中間部分に達したときの状態でパッケージングユニットのパッケージ容積制御装置を示す側断面図である。
【図14】図13に続く、半体シェル部材のカム従動子がそれぞれのカムの下部に達して半体シェル部材が徐々に開離されてパッケージング材料から引離される状態でパッケージングユニットのパッケージ容積制御装置を示す側断面図である。
【実施例】
【0017】
以下、限定例ではない好ましい本発明の実施例が添付図面を参照説明される。
図1および図2を参照すれば、符号1は、パッケージング材料で作られたチューブ14から例えば低温殺菌またはUHT(超高温殺菌)されたミルク、フルーツジュース、ワインなどの注入可能な食品を収容した無菌密閉パッケージ2(図2)を連続して製造するためのパッケージングユニットを示している。
【0018】
チューブ14は熱シール材料のストリップを長手方向に折曲げ且つシールすることでパッケージングユニット1の上流側で周知の方法で形成され、またパッケージングのために殺菌されまたは無菌処理された食品を上流側で充填される。
【0019】
パッケージングユニット1は、2つの側壁4,5と、この側壁4,5の間に堅固に取付けられて側壁4,5と共に開口8を画成している2つの平行な横方向壁6,7とによって形成されたフレーム3、およびこのフレーム3に取付けられ、開口8を通る垂直路Aに沿って給送されるパッケージング材料で作られたチューブ14と相互作用するようにそれぞれ互いに協働する顎部12(図1には1つだけが示されている)および対向顎部13(図1には1つだけが示されている)を含んで成る2つのチェーンコンベヤ10,11を含んでいる。
【0020】
コンベヤ10,11はそれぞれ無端路P,Qを定めており、これらの無端路に沿って顎部12および対向顎部13が送られ(図2)、またこれらの無端路はそれぞれフレーム3の壁6,7をまわって延在している。
【0021】
コンベヤ10は無端路Pに沿って延在する関節連結されたチェーン15、およびこのチェーン15と噛合う2つの駆動ホイール16を含んで成り、駆動ホイール16は無端路Pの下端にてチェーン15の両側に位置している。顎部12はチェーン15の一体部品であってそのチェーン15の一つ置きのリンクを形成しており、また対を成すリンク17によって互いに関節連結されている。
【0022】
さらに詳しくは顎部12(図3および図4)の各々は、通路Aに直角で壁6に平行な方向に延在し且つまたそれぞれ端部突起21,22を有する細長い主本体20を含んで成り、各々の端部突起21,22は互いに間隔を隔てられると共に主本体20の主体に平行なそれぞれの軸線25,26を有する突出した第1および第2ピン23,24を有している。リンク17は1つの顎部12のピン23を隣接顎部のピン24に連結するために顎部12のピン23,24上で枢動する。
【0023】
同様に、コンベヤ11は無端路Qに沿って延在する関節連結されたチェーン27、およびこの無端路Qの下端にてチェーン27と噛合う2つの駆動ホイール28を含んで成る。チェーン27は互いに関節連結された多数の対向顎部13によって形成されており、顎部12と相違することだけが詳細に説明され、顎部12に関して説明されたのと同様な部品またはそれに相当する部品はいずれも同じ符号を使用している。簡単に説明すれば、対向顎部13の各々は対を成す端部ピン23,24を有する主本体20を含んで成り、ピン23,24のまわりをリンク17が枢動する状態で隣接する対を成す対向顎部13を連結している。
【0024】
顎部12の各々は、チューブ14の通路Aを横断する方向にて主本体20に取付けられた誘導加熱部材29を含み、この加熱部材は一対の真直で平行な作用面30を含んでおり、使用においてはフレーム3に取付けられて開口8内の無端路Pの範囲を延在する供給バー(図示せず)と滑り接触して協働する一対の接点ブラシ34によって電気の供給を受ける。
【0025】
加熱部材29と向かい合うように対向顎部13の各々は圧力バー35(図4)を含み、圧力バー35は対応する顎部12の加熱部材29と協働してチューブ14(図2)の断面部分をグリップする。使用時に対応する顎部12に面する前面46上に圧力バー35は比較的柔軟な弾性材料で作られた2つのバンド36を含み、このバンドは加熱部材29の作用面30と向かい合ってパッケージング材料と協働する。圧力バー35は、2つの支持組立体47(本発明の一部を形成するものではないので詳細には説明しない)によって主本体20に連結されており、この支持組立体は使用時に対向顎部13と対応する顎部12との間にて交わされるグリッピング圧力の方向に撓む。
【0026】
顎部12および対向顎部13の動作はフレーム3の壁6,7に取付けられて顎部12および対向顎部13に取付けられたそれぞれの対を成すローラー52,53と協働する対を成すそれぞれのカム50,51によって制御される。
【0027】
さらに詳しくは、図3および図4に示されるように、顎部12および対向顎部13の各々は主本体20の端部突起21の内部に空転可能に取付けられた第1の対を成すローラー52,53と、主本体20の端部突起22の内部に空転可能に取付けられた第2の対を成すローラー52,53とを含む。また端部突起21,22の各々は、後側(すなわち加熱部材29または圧力バー35から離れる方向に向かう側)に形成され、且つまたピン23,24の軸線25,26に直角な方向でその軸線25,26により定められた平面に平行に延在する一対の平行な並置された着座部54,55を含んでいる。
【0028】
各々の対においてローラー53はそれぞれの外側の着座部54(すなわち主本体20の端部に近い方)の中に収容され、それぞれのピン23に取付けられる。各々の対においてローラー52はそれぞれの内側の着座部54の中に収容され、それぞれのピン24に取付けられる。
【0029】
壁6(図1)には2対のカム50,51が取付けられ、顎部12のそれぞれの対を成すローラー52,53はこの対を成すカム50,51と回転状態で協働する。また同様に壁7には2対のカム50,51が取付けられ、対向顎部13のそれぞれの対を成すローラー52,53はこの対を成すカム50,51と回転状態で協働する。
【0030】
カム50,51は、コンベヤ10,11のそれぞれのチェーン15,27のためのそれぞれの駆動ホイール16,28に向かい合う遷移部分を定めるために、それぞれの壁6,7の頂縁をまわって延在するそれぞれの実質的にU字形部分50a,51aと、開口8の内側のそれぞれの壁6,7に沿って垂直方向に延在するそれぞれの部分50b,51bとを含んでいる。U字形部分50a,51a(図2)は通路部分P1,Q1を定めており、この通路部分に沿って顎部12および対向顎部13がパッケージング材料で作られたチューブ14に接近し、接触する。また部分50b,51bは対面する平行な通路部分P2,Q2を定めており、この通路部分に沿って顎部12および対向顎部13は圧力を作用された接触状態を保持されて、パッケージ2を形成するシールが形成される。
【0031】
カム50,51は、それぞれの駆動ホイール16,28の下流側の無端路P,Qのそれぞれの部分P3,Q3の位置で、それぞれのチェーン15,27を解放する。
【0032】
部分P3,Q3に沿ってチェーン15,27はそれぞれの対を成す緊張装置56と協働してチェーンを緊張させ、顎部12および対向顎部13のローラー52,53が関連するカム50,51と接触状態を保持されることを保証する。
【0033】
各々の緊張装置56は、壁6または7に固定された支持部に対して水平軸線のまわりでヒンジ連結されている可動シュー57と、この可動シュー57および壁6または7の間に介在されたばね59とを含んで成る。壁6または7から離れる方向へ向いた面上にて可動シュー57は2つの並置されたを含み、これらのローリングトラックはばね59によって顎部12または対向顎部13のローラー52,53とそれぞれ協働される。
【0034】
カム50,51の形状は、図5〜図9に示され且つ詳細に後述される多数の特徴的な位置を定めるように設計されており、これらの位置において顎部/対向顎部の対はチューブ14と相互作用し、また前記位置の間では可能なかぎりに滑らかな遷移を保証してパッケージング材料に望ましくない応力が発生するのを防止する。
【0035】
最後に、対向顎部13および顎部12は図10に詳細に示されるようなそれぞれの相互係合部材64,65を含む。
【0036】
相互係合部材64,65はそれぞれの対向顎部13の端部突起22の前面に取付けられた連結プレート77、およびその連結プレート77の表面と一致した長縁を有し、またテーパー形の前縁68を有する実質的に二等辺台形の形状をした垂直部分67と、中心線上で垂直部分67と交差する横方向部分69とによって形成された実質的に交差形の突起66を実質的に含んで成る。
【0037】
さらに相互係合部材65はそれぞれの顎部12の端部突起21の前面に取付けられた連結プレート70と、使用時に対応する相互係合部材64の垂直部分67を受入れるための着座部74を形成するための互いに平行で間隔を隔てた一対の垂直な実質的に台形の突起73とを含む。それぞれの前面側で突起73は対応する相互係合部材64の横方向部分69を受入れるための、また全体として且つまた着座部74と共に相互係合部材64の突起66を実質的に補完する交差形の着座部76を形成しているそれぞれの凹部75を含む。
【0038】
コンベヤ10,11はまた、パッケージ2が形成されている間にそのパッケージ2の容積を制御するそれぞれの容積制御装置37も含んでいる。
【0039】
各々の容積制御装置37はそれぞれ顎部12または対向顎部13の個数に等しい数の半体シェル部材38を含んで成り、半体シェル部材38はコンベヤ10,11のそれぞれのチェーン15,27に取付けられている。特に、各々のコンベヤ10または11の半体シェル部材38は顎部12または対向顎部13のそれぞれの主本体20に個別に取付けられ、他方のコンベヤ11または10のそれぞれの半体シェル部材38と向かい合って協働して、実質的に平行六面体の空間(図13)を形成する。各々の半体シェル部材38はそれぞれの顎部12または対向顎部13の主本体20にヒンジ連結されており、半体シェル部材38と一体形成された2つの側方の支持ブラケット40によって軸線25,26に平行な軸線39のまわりに回転できる。ピン41は半体シェル部材38と一体化されてそれぞれのブラケット100にヒンジ連結されており、このブラケット100は主本体20と一体形成されて加熱部材29または圧力バー35の端部近くに配置されている。
【0040】
半体シェル部材38は軸線39に平行な平坦な後壁90と、後壁90の反対両側の平坦な側縁から延在すると共に、後壁90に対して実質的に直角または僅かに傾斜している一対の平坦な側壁91,92とを含む。
【0041】
顎部12の半体シェル部材38の側壁91の前縁91aが対応する対向顎部13の半体シェル部材38の側壁92の前縁92aと実質的に組合うように、側壁91,92はそれぞれの互いに実質的に補完形の付形された前縁91a,92aを含む(図13)。
【0042】
前縁91a,92aの各々は湾曲凹部94および湾曲凸部95を含み、これらはそれぞれ組合う前縁の凸部95および凹部94と組合う。前縁91a,92aはパッケージング材料が半体シェル部材38で囲まれたときにそれぞれの母線(generating line)に沿って「挟圧」されるのを防止するように、付形されている。
【0043】
最後に、側壁91,92は後述するようにパッケージング材料とできるだけ滑らかに衝突するのを保証するように、それぞれ下前部のベベル部分91b,92bを含む。
【0044】
各々の半体シェル部材38は側壁91,92とは反対側にて後壁90から一体的に突出している支持ブラケット43に空転可能に取付けられたカム従動ローラー42を含む。
【0045】
顎部12および対向顎部13の半体シェル部材38(図11および図14)のカム従動ローラーすなわちカム従動子42は、フレーム3のそれぞれの壁6,7に取付けられているそれぞれのカム44と無端路P,Qのそれぞれの作動部分P1,P2;Q1,Q2に沿って協働する。半体シェル部材38(図3および図4)はばね63によりそれぞれのピン41と同軸にて回転方向に付勢されており、それぞれのカム従動子42が無端路P,Qの上述部分に沿ってそれぞれのカム44との接触状態を保持される。カム従動子42がそれぞれのカム44から離れる無端路P,Qの残る部分に沿って、半体シェル部材38はばね63によって空転状態に保持され、それぞれの主本体20に取付けられた対を成す弾性パッド71とそれぞれ協働する(図11および図12)。
【0046】
各々のカム44は、供給路Aに対して下方へ向かって収束する実質的に真直な頂部傾斜部分78と、供給路Aと実質的に平行で、頂部傾斜部分78に連結された中間部分79と、供給路Aに対して発散する実質的に真直な下部傾斜部分80とにより形成される実質的に台形の実効形状(active profile)72を含んで成る。
【0047】
カム44は、そのカム44の間隔距離を調整することでパッケージの容積を限られた範囲で調整できるようにする調整装置81を備えている。
【0048】
カム44は、それぞれの下部80の近くでそれぞれの壁6,7にヒンジ連結されている。
【0049】
調整装置81はカム44のそれぞれの頂端部83とそれぞれの壁6,7との間に介在された2つの調整可能な連結組立体82を含み、各々の連結組立体82は偏心部分85を嵌装した制御シャフト84を実質的に含む。
【0050】
カム44の頂端部83はカム44に対して堅固に取付けられた実質的にW形状の支持部86を介在させて偏心部分85上に係止されており、支持部86は小さな摩擦係数の材料で作られ、偏心部分85を部分的に取囲んで滑動して協働する。
【0051】
連結組立体82の2つの制御シャフト84は、調整装置81の一部を構成すると共にパッケージングユニット1の制御パネル(図示せず)から作動されるステッピング電気モータ96によってそれぞれ周知の伝達装置87(図1)を経て反対方向へ回転される。
【0052】
パッケージングユニット1は以下に示すように作動する。
【0053】
コンベヤ10,11は周知方法により図2に矢印で示すように反対方向へ回転され、それぞれの無端路P,Qの通路部分P1,Q1の端部からそれぞれの作動部分P2,Q2に沿って、顎部12および対向顎部13はそれぞれカム50,51の形状で定められる動きにしたがってパッケージング材料のチューブ14と協働する。
【0054】
特に、図5はパッケージング材料との衝突位置、すなわち対を成す顎部12/対向顎部13がチューブ14との相互作用を開始する位置を示している。この衝突位置は、顎部12および対応する対向顎部13がU字形部分50a,51a(すなわちそれぞれの無端路P,Qの作動部分P1,Q1)のそれぞれの端部Tの始点に達した時点で確定され、軸線25,26で定められる平面とチューブ14の供給路Aを含むパッケージングユニット1の垂直中央面との間に形成される予め定められたチューブ14の衝突角度αを特徴とし、この角度αは0゜〜60゜の範囲、好ましくは20゜〜30゜で、約25゜の角度であるのが望ましい。
【0055】
カム50,51の端部Tは、顎部12および対向顎部13を実質的に曲線軌道に沿って組合い位置(図6)へ送るように形成され、この組合い位置では互いに対面して平行状態に位置されるが、パッケージング材料の厚さの2倍に実質的に等しい距離で隔てられ、これによりチューブ14はそれぞれの断面部分にて「平坦」となされるが、圧力はまだ作用されない。
【0056】
顎部12および対向顎部13が上述した組合い位置に移動した後になってはじめて、それぞれの部分50b,51bの直ぐ上流側にカム50,51によって形成された僅かな傾斜部Sによって次第に圧力が付加される。
【0057】
図7および図8は最大圧力段階の始点と終点における顎部12および対向顎部13をそれぞれ示しており、この間、加熱部材29はブラシ34によって電流を供給されてパッケージング材料の熱可塑性被覆を局部的に溶融させる。加熱部材29に対する電流の供給は最大圧力段階の終点に至る前に切られ、これにより熱可塑性被覆は冷却を初めて凝固し、まだ圧力を加えられている状態のもとでシールを形成するのであり、このようにしてパッケージの完全なシーリングを保証する。
【0058】
最大圧力段階の終点では、顎部12および対向顎部13は僅かに開離されて短い圧力解放段階が備えられ、この間(図9)、顎部12および対向顎部13は互いにほぼ平行に保持されてパッケージング材料に異常応力の発生するのを防止される。
【0059】
カム50,51のそれぞれの部分50b,51bを離れるにおいて、これによって作用力はもはや顎部12および対向顎部13の間で実質的に全く交わされなくなり、これらの顎部はピン23,24と噛み合う駆動ホイールによってパッケージング材料から引離される。
【0060】
無端路P,Qの作動部分P2,Q2に沿って、各々の顎部12および対向顎部13はそれぞれの相互係合部材65,64と係合して互いに横方向および移動方向においてロックされる。
【0061】
図11〜図14はパッケージ2の容積を制御する装置37の作動シーケンスを示す。
【0062】
図11は、顎部12および対向顎部13が図5に示されるようにパッケージング材料のチューブ14と接触したときの半体シェル部材38の位置を示す。
【0063】
この位置において、半体シェル部材38のカム従動子42はそれぞれのカム44の頂部傾斜部分78と協働するが、半体シェル部材38は依然として「開離」状態にあり、それ故にパッケージング材料と相互作用しない。
【0064】
顎部12および対向顎部13がそれぞれの無端路P,Qに沿って移動するとき、カム従動子42はカム44の頂部傾斜部分78に沿って移動し、半体シェル部材38をそれぞれの軸線39のまわりでパッケージング材料のチューブ14へ向けて徐々に回転させる。
【0065】
図12は、半体シェル部材38の側壁91,92の最初の接触位置を示しており、この位置は図6に示すような顎部12および対向顎部13の組合い位置に近い。最初の接触は、側壁91,92の各々とパッケージング材料との間の適切な十分な初期接触領域を形成するように、また材料に生じるユニットによる応力を減少させるために接触圧力を分散させるように、側壁91,92のベベル部分91b,92bにおいて実質的に生じる。
【0066】
パッケージング材料のチューブ14のまわりの半体シェル部材38の組合い動作すなわち「閉じる」動作はカム従動子42がそれぞれのカム44の実質的に垂直な中間部分79(図13)に達したときに終了し、これはパッケージング材料が既に顎部12および対向顎部13によってしっかりとグリップされたときに、且つまた次の顎部および対向顎部がパッケージング材料のチューブ14に接触される直前に生じる。
【0067】
半体シェル部材38は、次の顎部および対向顎部が図6に示される組合い位置に移動する前に、形成するパッケージ内の製品容積を定めるためにパッケージング材料を包囲する。
【0068】
その後、半体シェル部材38のカム従動子42はそれぞれのカム44の下部80に達し、その下部80に沿って半体シェル部材38は徐々に開離してパッケージング材料から引離される。
【0069】
上述の作動サイクルは連結バンド88で互いに結合されて連なったパッケージ2を連続的に形成するのであり、パッケージ2は以降の作動ステーション89で切断されるが、これは本発明の一部を成すものではないので説明しない。
【0070】
パッケージ2の容積は、調整装置81によって限られた範囲内で調整できる。
【0071】
例えば完成したパッケージの正味のバッチ重量を統計的に分析することでパッケージ2の製品容積が予め定められた範囲から外れていることが見出されたとしても、電気モータ96はパッケージングユニットの制御パネルから作動されて一方向または逆方向に与えられたステップ数だけ回転され、これによりカム44の実効形状72、特に中間部分79が互いに接近または離反する方向へ実質的に移動されるように連結組立体82の偏心部分85を反対方向へ同じ角度で回転させる。
【0072】
本発明のパッケージングユニット1の利点は以下の説明から明白となろう。
【0073】
半体シェル部材38をそれぞれの顎部12または対向顎部13に個別且つ可動に連結し、またそれらの軌道をカム44によって制御することにより、半体シェル部材38の動作は、半体シェル部材38とパッケージング材料との相互作用を最適化し、またパッケージング材料が損傷されることなく保持され、パッケージが完全に無菌とされるのを保証する。
【0074】
半体シェル部材38の側壁91,92の形状は、材料が最初の衝突段階で局部的に過大応力が生じることを防止され(ベベル部分91b,92bの作用による)、また半体シェル部材38の閉じ段階で「挟圧」されることを防止される(前縁91a,92aの形状の作用による)。
【0075】
最後に、調整装置81は直接的な有効且つ信頼性の高い方法でパッケージの容積を調整できるようにする。
【0076】
しかしながら、本明細書に記載し図示したパッケージングユニット1に対して特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱せずに変更を成し得ることは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収容した無菌密閉パッケージ(2)を、シート形式の熱シールパッケージング材料で作られて垂直供給路(A)に沿って給送され、前記食品を充填されるチューブ(14)から連続して製造するためのパッケージングユニット(1)で、
多数の顎部(12)を有し、前記顎部(12)が送られる第1無端路(P)を形成する第1チェーンコンベヤ(10)と、
多数の対向顎部(13)を有し、前記対向顎部(13)が送られる第2無端路(Q)を形成する第2チェーンコンベヤ(11)とを含み、
前記第1および第2無端路(P,Q)はパッケージング材料のチューブ(14)の前記供給路(A)に隣接して前記供給路(A)の反対両側を対称的に延在するそれぞれの作動部分(P1,P2;Q1,Q2)を含み、これにより前記第1チェーンコンベヤ(10)の前記顎部(12)はそれぞれ等間隔の断面(88)位置にて前記チューブ(14)をグリップするためにそれぞれの前記作動部分(P1,P2;Q1,Q2)の少なくとも一部分に沿って前記第2チェーンコンベヤ(11)のそれぞれの前記対向顎部(13)と協働し、
少なくとも前記顎部(12)は前記チューブ(14)を熱シールするための加熱手段(29)を含み、
前記第1および第2チェーンコンベヤ(10,11)はまた形成されるパッケージの容積を制御するそれぞれの容積制御装置(37)を含んでおり、各々の容積制御装置(37)は多数の半体シェル部材(38)を有していて、第1チェーンコンベヤ(10)の半体シェル部材(38)と第2チェーンコンベヤ(11)の半体シェル部材(38)とが互いに協働して形成されるパッケージの容積を定めるようになっているパッケージングユニット(1)であって、
前記半体シェル部材(38)がそれぞれの前記顎部(12)および対向顎部(13)に個別に取付けられ、パッケージング材料の前記チューブ(14)に対して離接する方向への相対移動が可能となるように前記それぞれの顎部(12)および対向顎部(13)に連結されており、前記容積制御装置(37)はまた各々の前記チェーンコンベヤ(10,11)で前記半体シェル部材(38)をガイドするための、且つまたそれぞれの前記無端路(P,Q)の前記作動部分(P1,P2;Q1,Q2)に沿って延在して前記半体シェル部材(38)の前記相対移動を制御するガイド手段を含んでおり、
前記ガイド手段は、前記第1および第2チェーンコンベヤ(10,11)のためのそれぞれのカム(44)を有し、それぞれの前記カム(44)は、前記第1および第2無端路(P,Q)のそれぞれの前記作動部分(P1,P2;Q1,Q2)に隣接しかつその作動部分に沿って延在しており、また前記第1および第2チェーンコンベヤ(10,11)の各々の前記半体シェル部材(38)は、それぞれの前記作動部分に向けて突出し前記カム(44)と協働して該半体シェル部材(38)の前記相対移動を制御するカム従動子(42)を有し、また各々の前記カム(44)は、それらカム(44)間の間隔距離を調整して形成されるバッケージの容積を調整できるようにする調整装置(81)を有することを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項2】
請求項1に記載されたパッケージングユニットであって、前記半体シェル部材(38)がパッケージング材料の前記チューブ(14)の前記供給路(A)に直角な方向のそれぞれの軸線(39)のまわりでそれぞれ前記顎部(12)および対向顎部(13)にヒンジ連結されており、前記半体シェル部材(38)の前記相対移動はそれぞれの前記軸線(39)のまわりの回転を含むことを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載されたパッケージングユニットであって、各々の前記カム(44)は、前記チェーンコンベヤ(10,11)の一方の前記半体シェル部材(38)の各々を前記チェーンコンベヤ(10,11)の他方の対応する半体シェル部材(38)へ向けて徐々に移動させるためにパッケージング材料の前記チューブ(14)の前記供給路(A)に対して収束する第1傾斜部と、パッケージング材料の前記チューブ(14)のまわりで前記半体シェル部材(38)の閉じた状態を維持するために前記供給路(A)に平行な中間部分(79)と、前記パッケージング材料から前記半体シェル部材(38)を徐々に引離すために前記供給路(A)に対して末広がりになっている第3の傾斜部(80)とを含んでいることを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載されたパッケージングユニットであって、前記半体シェル部材の各々が付形された前縁(91a,92a)を有する一対の側壁(91,92)を含み、一方の側壁(91)の前縁(91a)の形状は他方の側壁(92)の前縁(92a)の形状の補完形であることを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項5】
請求項4に記載されたパッケージングユニットであって、前記側壁(91,92)がパッケージング材料の前記チューブ(14)と最初に接触するそれぞれの部分にそれぞれのベベル部分(91b,92b)を含むことを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項6】
請求項3に記載されたパッケージングユニットであって、前記調整装置(81)が前記カム(44)の相対位置を調整する手段(82)を含み、前記カム(44)が前記パッケージングユニット(1)のそれぞれの固定壁(6,7)に対してそれぞれの端部(80)の近くでヒンジ連結されており、前記カム(44)の相対位置を調整する前記手段(82)が、前記カム(44)のそれぞれの反対側の端部(83)と前記それぞれの固定壁(6,7)との間に介在された調整可能な連結手段(82)を含むことを特徴とするパッケージングユニット。
【請求項7】
請求項6に記載されたパッケージングユニットであって、前記調整可能な連結手段(82)が、前記それぞれのカム(44)上の支持手段(86)と協働するそれぞれの偏心部分(85)と、電気制御モーター(96)と、前記電気制御モーター(96)およびそれぞれの前記偏心部分(85)の間に介在されて、前記電気制御モーター(96)の回転に応答してそれぞれの前記偏心部分(85)を反対方向に回転させる伝達手段(87)とを含むことを特徴とするパッケージングユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−13190(P2010−13190A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207116(P2009−207116)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【分割の表示】特願平10−180221の分割
【原出願日】平成10年6月26日(1998.6.26)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】