説明

密閉容器内の環境

【課題】植物や生育用培土を密閉容器内へ、倒さず、汚さないように搬入することは難しい。搬入後の土壌や水は汚染し易い。密閉容器内の植物光合成を促進させることができれば、外界よりも好い環境が整い、密閉性故の悪条件を好条件に逆転させることが可能となる。植物を倒れ難い状態で搬入させる為の資材や方法の提供と、搬入後の密閉容器内の活性化を促進させる為に混入する資材や方法を提供する。
【解決手段】床ネット5と一体形を成す筒状ネット4に、発泡煉石7と伴に植物1の茎2と根3を予め包み込んでから、植物1を安定した状態で空気充填式の密閉容器6の中へ搬入する。床ネット5の上や筒状ネット4の周りに発泡煉石7を加えた後に、二価鉄と三価鉄の化合物である水溶性二量体鉄塩を原料とする土壌改質活性培土8、例えば「FFCエース」(商標登録)を、発泡煉石7に対する適量の割合をもって混入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉容器内の活性化を図った環境に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、利用されている植物栽培用の密閉容器は、特許文献1に開示されているように、植栽した植物の周りをビニールなどで密閉する方法が採られていた。従って、植物の入れ替えは不可能であり、一般の人が溶着加工を施すことは難しかった。特許文献2の密閉容器を植物育成に利用する場合は、通常平地で行われている場合と同じ植栽方法や材料が採用されていた。植物を倒さずに搬入することは難しく、植栽後に密閉容器が傾くと、泥水化した床材が防曇壁面を汚すことも多く、容器内を活性化させて良い環境をつくり、密閉性を利用して外界の汚染から守るという可能性を見出せない状況にあった。容器内で汚れていく物質を如何にして外に漏らさないようにするかということが、従来の考慮すべき点であった。
【特許文献1】特開平10−56886号公報
【特許文献2】特開2003−333931号公報
【非特許文献1】船橋 淑行著「驚異の蘇生革命」文芸社 平成14年4月10日発行(130〜139頁)
【非特許文献2】鶴田 光敏著「抗酸化飲料で超健康体になる」東洋医学社 平成13年12月10日発行(77〜88頁)
【非特許文献3】吉川 潔著「地球を救うニューサイエンス」ビジネス社 平成13年2月3日発行(134〜135頁)
【非特許文献4】赤塚 充良著「不可能を可能にする人生論」PHP研究所 平成14年4月8日発行(204〜210頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、密閉容器内をあたかも大気圏に包まれた自然の地球のようにするために、植物を倒れ難い状態にしてから容器内へ綺麗に搬入して、植物の光合成を促す資材を混入した後に密閉状態にする。上記を行うことによって、容器の密閉性と資材と方法の組合わせの相乗効果による活性化の進行で、長期に亘って水やりや掃除の手間を省いて、綺麗な環境の下で植物の成長を楽しめるようにすることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、生育用培土として使用する請求項2の記述として後記する、発泡煉石7に沁みこむ水や、密閉容器底辺の水10に作用を与えるために、適量の割合を以って二価鉄と三価鉄の化合物である水溶性二量体鉄塩を原料とする、土壌改質活性培土8、例えば「FFCエース」(商標登録)またはその原料を使った資材を混入することを特徴とする、植物の光合成促進に長期に亘って寄与するための資材を使用することにある。
【0005】
請求項2の発明は、茎2と根3の周りや床ネット5の上に入れる生育用培土を、土や鹿沼土や砂利を使用すること無く、吸水性と保湿性に優れた発泡煉石7を使用することを特徴とする、安定性と清潔性を永く保たせるための材料を使用することにある。
【0006】
請求項3の発明は、植物1の茎2と根3を予め包み込むために、堅めのネットを筒状にした筒状ネット4と、それと一体形を成す床ネット5を利用することを特徴とする、植物1を安定した状態で密閉容器6の中へ搬入できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明により、発泡煉石7に含まれる水や、底辺の水10や、空気他注入バルブ13から追加注入される空気9が外界と遮断され、水10に入った土壌改質活性培土8の水溶性二量体鉄塩が、植物1の光合成をより善く促進させる結果、密閉容器6内の環境が常に活性化される。植物1に吸収された水分は霧となり、水滴となり落下して綺麗な水10へと繰返されて、発泡煉石7や空気9や水10を再び活性化させるので、密閉容器内は綺麗に維持され、植物の手入れが長期間不要となる。
【0008】
請求項2の発明により、生育用培土に使用する発泡煉石7は、吸水性と保湿性に優れているので泥水化することが無く、水10を綺麗な状態に保つことができるので、請求項1の活性化を後押しすることになる。
【0009】
請求項3の発明により、植物1を倒れ難い状態で容器内へ搬入することを可能にする。また根付きが早まるので、密閉容器6内の早期安定も図れる。これにより搬入後の密閉状態の植物1の倒壊から起る、煩わしい搬入作業のやり直しの不安から開放される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は植栽された植物1を、空気充填式の密閉容器6の中へ搬入した状態と、更に下記の施工を施す途中の状態を合わせて示す斜視図である。安定した根付きの為に筒状ネット4の周りや床ネット5の上に発泡煉石7を追加する。二価鉄と三価鉄の化合物である水溶性二量体鉄塩を原料とする、例えば土壌改質活性培土8である「FFCエース」(商標登録)を発泡煉石7のある所へ混入する。土壌改質活性培土8の混入量は、発泡煉石7の重量100に対して5の重量の割合である。但し、この割合は目安と考えて良い。水10を発泡煉石7の表面に散布後、ファスナー12を閉じる。
【0011】
図2は筒状ネット4と床ネット5の一体形としたネットを設けたことを特徴とする、予め植栽する形態を表わす斜視図である。同図に示すように、筒状ネット4に植物1の茎2と根3を差込み、周りを発泡煉石7で包み込んで安定した状態にすると、容器内への搬入時に倒れ難い状態を維持することができる。
「産業上の利用可能性」
【0012】
本発明に関わる密閉容器内の環境活性化の技術を施すと、個人が狭い空間を利用して、植栽や盆栽や苔植を気軽にできるのは勿論のこと、密閉容器内に綺麗にアレンジした植込みの中へ、小型のアクセサリーや電飾、例えば蛍のような光る電子物体等を設置したり、吸着盤から吊り下げるなどした完成品を製作して、個人向けや店頭POP向けに提供することができる。また、密閉容器を籠等に入れたり、網に入れて吊り下げる製品とすることも可能である。さらに外界から遮断された密閉性と活性化した環境を利用して、学術用のミニ実験室としての利用も考えられる。これらの完成品の輸送時の揺れに対処する為には、発泡煉石の表面に土壌凝固材を施す必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】植栽後の植物を空気充填式の密閉容器の中へ搬入して、その後に発泡煉石の追加搬入と、土壌改質活性培土を適量の割合で混入する途中の状態を表わす斜視図である。
【図2】筒状ネットと床ネットの一体形に、植物の茎と根を発泡煉石と伴に包み、密閉容器の中へ搬入する直前の状態を表わす斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 植物
2 茎
3 根
4 筒状ネット
5 床ネット
6 密閉容器
7 発泡煉石
8 土壌改質活性培土
9 空気
10 水
11 開口部
12 フアスナ
13 空気他注入バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部11を持った空気充填式の密閉容器6に入れる植物1の生育用培土や水10に、二価鉄と三価鉄の化合物である水溶性二量体鉄塩を原料とする、土壌改質活性培土8、例えば「FFCエース」(登録商標)、または同じ原料を使った資材を混入することを特徴とする、密閉容器内の環境活性化に供する技術。
【請求項2】
植物1の茎2と根3の周りや、後記する床ネット5の上に散布する生育用培土として、発泡錬石7を使用することを特徴とする、密閉容器内の環境活性化に供する技術。
【請求項3】
堅めの平板ネットを用いて土台とした床ネット5と、その上に接続させる堅めのネットを用いて筒状にする筒状ネット4との一体形の台座を作成する。植物1の茎2と根3を発泡煉石7と伴に筒状ネット4に包込み、開口部11付きの密閉容器6の中へ植物1を搬入する。予め植栽を行うことを特徴とする、密閉容器内の環境活性化に供する技術。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−230374(P2006−230374A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78021(P2005−78021)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(505099048)有限会社登和 (1)
【Fターム(参考)】