説明

密閉袋用空気抜き弁。

【課題】従来の密閉袋用空気抜き弁は、布団などの寝具類を掃除機の吸引力を利用して圧縮収納するためのもので、食品類を密閉し使用者の口を利用して吸引する思考は無かったので、吸引口は、口(唇)で咥えて吸い込むような構成では無かった。また、二体成型や三体成型の構成でフイルムに取付けていたので、手間と製作費用が嵩むのである。
【解決手段】本発明は、中空筒の底板の筒3の天板と外周壁の付け根に切込を入れ、弁6を持つ栓5を形成する。そして、中空筒の外周壁の上端に周り縁を形成し、その一端に吸引口を開閉する蓋栓を取り付け、更に、中空筒の外周壁下部に、密閉袋の取付穴に取り付ける糊代12の構成で一体成型したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、食品類を密閉した密閉袋内の空気を使用者の口を利用して、真空状態に吸引する空気抜き弁を一体成型にして、密閉袋のフイルムに取り付けたことに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の密閉袋用空気抜き弁は、布団などの寝具類を掃除機の吸引力を利用して圧縮収納するためのもので、食品類を密閉して使用者の口を利用してで吸引する思考は無かったのである。
また、バブル装置を形成する上部と空気の通路孔を形成する下部の二体成型の構成でフイルムに取付けたもの(例えば、特開2007−28414)や弁開口を形成する上部と戻しバネ付きロックボタンを別口に取付け形成する下部の三体成型の構成でフイルムに取付けたもの(特開2006−273410)がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上述べた特開2007−28414や特開2006−27341は、使用者の口を利用して密閉袋内の空気を吸引する吸引口の構成では無く、且つ、二体成型や三体成型の構成であるため手間と製作費用が嵩むのである。
【0004】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、密閉袋内の空気の吸引を使用者の口を利用するのである。
また、一体成型にすることで手間と製作費を軽減しようとするのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明は、上記目的を達成するために、中空筒1の底板2の筒3の天板と外周壁の付け根に切込4を入れ、弁6を持つ栓5を形成するのである。
そして、中空筒1の外周壁の上端に周り縁7を形成し、その一端に吸引口8を開閉する爪10を持った蓋栓11を取り付け、更に、中空筒1の外周壁下部に、密閉袋13の取付穴14に取り付ける糊代12を形成するのである。
上記課題解決手段による作用は次の通りである。即ち、保存する食品の入っ
【0006】
た器に蓋をしたまま密閉袋の中に入れてファスナ−を確り閉じる。そして、爪を引き上げて蓋栓を開け、一方の手の親指と人差し指で蓋栓を挟み込みながら中空筒の外周壁の中程を掴み、他方の手で密閉袋ごと器を押えてから、吸引口の周り縁を唇で咥え、密閉袋内の空気を吸い込み始めると弁は開き(図8の6の点線図を参照。)、空気は吸い出され、吸い込みを止めると弁は閉じる(図8の6の実線図を参照。)のである。この動作を何度か繰り返すことで、密閉袋内は真空状態になるのである。そして、吸引口に蓋栓をするのである。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明の密閉用空気抜き弁は、形が不揃の食品やいろんな形の器の中の食品でも簡単に真空状態(98%前後)を作り出すことが出来るので、空気中に浮遊していた雑菌は殆ど取り除かれるので、冷凍できない食品類(野菜、菓子、飲料やいったん解凍した魚貝類の保存等々を含む。)を常温でも保存期間を数日間延長出来るのである。また、蓋栓をすることで密閉袋の内圧の抑えが確保出来るので、食品の水分の蒸発を抑えられ、乾燥を防ぐ効果が得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図10に基ずいて説明する。
【実施例】
【0009】
1.ド−ナツ状の底板2を持った瓢箪型の外周壁の中空筒1を設け、その底板

外周壁の上端に周り縁7を形成し、その一端に、逆円錐台形を持つ吸引口8を開閉する帯状の蝶番9と爪10を持った蓋栓11を蝶番9の一端を通して取り付け、更に、中空筒1の外周壁下部に鍔状の糊代12を形成する。
2.ファスナ−を持つた合成樹脂製の密閉袋13を用意して、そのフイルムの適宜箇所に、前記中空筒1の糊代12を取り付ける取付穴14を形成する。
3.密閉袋13の取付穴14に、中空筒1の外周壁下部を通して糊代12の表面を取付ける。
4.中空筒1は、弾力性と耐熱性のある合成樹脂製の一体成型で設ける。
上記の如く構成したことを特長とする密閉袋用空気抜き弁。
【0010】
以下、上記構成の動作を説明する。先ず、閉じている密閉袋の開閉口のファスナ−を開き、保存する食品の入った器の蓋をしたまま密閉袋の中に入れてファスナ−を確り閉じる。
そして、密閉用空気抜き弁の爪を引き上げて蓋栓を開け、一方の手の親指と人差し指で蓋栓を下に押え込みながら外周壁中程を掴み、他方の手で密閉袋ごと器を押えてから、吸引口の周り縁を唇で咥え、空気を深く吸い込み始めると栓の弁は開き、密閉袋内の空気は吸い出され始め、そして、吸い込みを止めると弁は閉じて、密閉袋内は外気と遮断される。再び、空気を吸い込み始めると弁は開き、吸い出され始め、吸い込みを止めると弁は閉じて外気を遮断する。
この動作を何回か繰り返すことで、密閉袋内は真空状態になるのである。
そして、吸引口に蓋栓をするのである。
なを、食品を密閉袋のままレンジで加熱する時は、蓋栓を外すのである。
また、使用者の口の利用に替えて、吸引口の内径に整合する筒先を持った周り縁付吸込管を使用しても効果は変わらない。
そして又、空気抜きポンプを利用しても効果は変わらない。実施態様として、1.蝶番と爪付きの蓋栓を取り除く方法もある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 図2の左側面図
【図2】 本発明の正面図
【図3】 図2の右側面図
【図4】 図2の平面図
【図5】 図2の下面図
【図6】 図2におけるa−a線断面図
【図7】 図2におけるb−b線断面図
【図8】 図6におけるc−c線断面図(点線図は一部品の作用を示す。)
【図9】 本発明の一部を欠いた取付図
【図10】 本発明の一動作を示す図
【符号の説明】
【0012】
1:中空筒 2:底板 3:筒 4:切込 5:栓 6:弁 7:周り縁 8:吸引口 9:蝶番 10:爪 11:蓋栓 12:糊代 13:密閉袋 14:取付穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.ドーナツ状の底板2を持った瓢箪型の外周壁の中空筒1を設け、その底板

3の外周壁の上端に周り縁7を形成し、その一端に、吸引口8を開閉する帯状の蝶番9と爪10を持った蓋栓11を取り付け、更に、中空筒3の外周壁下部に鍔状の糊代12を形成する。
2.ファスナーを持つた合成樹脂製の密閉袋13を用意して、そのフイルムの適宜箇所に、前記中空筒1の糊代12を取り付ける取付穴14を形成する。
3.密閉袋13の取付穴14に、中空筒1の外周壁下部を通して糊代12を取付ける。
4.中空筒1は、弾力性と耐熱性のある合成樹脂製の一体成型で設ける。
上記の如く構成したことを特長とする密閉袋用空気抜き弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−143622(P2009−143622A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341780(P2007−341780)
【出願日】平成19年12月15日(2007.12.15)
【出願人】(507263287)
【Fターム(参考)】