説明

寝台装置及び画像診断装置

【課題】大型化を防ぐことができる寝台装置及び画像診断装置を提供する。
【解決手段】被検体Pが載置される天板41と、天板41を長手方向へ移動可能に支持する寝台フレーム42と、寝台フレーム42の下側に配置され、寝台フレーム42を上下駆動するための動力を発生するモータ50、このモータ50から出力される動力の回転速度を変速する変速機構51、及び変速機構51で変速された動力を上下方向への動力に変換して寝台フレームに伝達する変換機構52を有する上下駆動機構45と、天板41上に被検体Pが載置された際に上下駆動機構45にかかる負荷を検出する負荷検出器46とを備え、負荷検出器46により検出された検出信号に基づいて、変速機構51の変速比を可変制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像診断に用いられる寝台装置及び画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体を撮影して画像診断を行う画像診断装置には、X線CT装置、MRI装置、PET装置、X線診断装置などがある。この画像診断装置は、撮影を行うための開口部を有する架台部を備え、その開口部に臥した被検体の撮影が行われる。また、循環器用のX線診断装置は、C字形の端部に対向して配置されたX線発生器及びX線検出器を備えた撮影部を有し、X発生器及とX線検出器の間(開口部)に臥した被検体の撮影が行われる。
【0003】
ところで、開口部への移動は、寝台装置を用いて行われる。この寝台装置は、被検体が載置される天板を上下方向及び長手方向へ移動するための駆動部を備えている。そして、想定される上限の体重を有する被検体が載置された天板を上下方向に駆動でき、且つ装置の大きさが所定の大きさに収まるように、機構部品及び電気部品が選定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−22886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、被検体の体重は増加する傾向にあり、体重の上限を上げようとすると、機構部品や電気部品の定格を上げる必要があるため、大型化する問題がある。
【0006】
実施形態は、上記問題点を解決するためになされたもので、大型化を防ぐことができる寝台装置及び画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、実施形態の寝台装置は、被検体が載置される天板と、前記天板を長手方向へ移動可能に支持する寝台フレームと、前記寝台フレームの下側に配置され、前記寝台フレームを上下駆動するための動力を発生するモータ、このモータから出力される動力の回転速度を変速する無段又は有段の変速機構、及びこの変速機構で変速された動力を上下方向への動力に変換して前記寝台フレームに伝達する変換機構を有する上下駆動機構と、前記天板上に前記被検体が載置された際に前記上下駆動機構にかかる負荷を検出する負荷検出器と、前記負荷検出器により検出された検出信号に基づいて、前記変速機構の変速比を可変制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るX線CT装置の構成を示すブロック図。
【図2】実施形態に係る寝台部の構成の一例を示す図。
【図3】実施形態に係る上下駆動部の構成の一例を示す図。
【図4】実施形態に係る上下駆動機構の構成の一例を示す図。
【図5】実施形態に係る変速機構の構成の一例を示す図。
【図6】実施形態に係るX線CT装置の動作を示すフローチャート。
【図7】実施形態に係る寝台フレームを上方向へ駆動するときのモータの回転速度及び変速機構の変速比の変更の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、実施形態における撮影部を備えた画像診断装置として、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、PET装置等に用いることができるが、ここではX線CT装置に用いた実施形態について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係るX線CT装置の構成を示したブロック図である。このX線CT装置100は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して撮影を行う撮影部10と、撮影部10で撮影により生成された投影データから画像データを生成して表示する画像処理部30と、被検体Pを撮影部10へ移動する寝台部40と、種々のコマンドの入力等を行なう操作部80と、撮影部10、画像処理部30、及び寝台部40を統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
【0011】
撮影部10は、寝台部40により被検体Pが送り込まれる円筒状の開口部11と、被検体Pの周囲を回転しながら被検体Pに対してX線を照射するX線管12と、X線管12を照射駆動する高電圧発生器13とを備えている。また、X線管12からのX線照射により被検体Pを透過したX線を検出するX線検出器14と、X線検出器14で検出された検出信号を収集して投影データを生成するデータ収集部15とを備えている。
【0012】
また、撮影部10は、データ収集部15で生成された投影データを画像処理部30に出力するための送信部及び受信部を有するデータ伝送部16と、X線管12、高電圧発生器13、X線検出器14、データ収集部15、及びデータ伝送部16の送信部を支持する回転フレーム17と、回転フレーム17を回転駆動する回転駆動部18とを備えている。
【0013】
画像処理部30は、撮影部10のデータ伝送部16から出力される投影データを保存する記憶部31と、記憶部31に保存された投影データを再構成して画像データを生成する再構成部32と、再構成部32で生成された画像データを表示する表示部33とを備えている。
【0014】
寝台部40は、図2に示すように、撮影部10の近傍に配置される。そして、被検体Pが載置される天板41と、天板41を長手方向である矢印L1方向及び矢印L2方向へ移動可能に支持する寝台フレーム42と、寝台フレーム42に支持され、天板41を矢印L1方向及びL2方向へ駆動する長手駆動部43と、寝台フレーム42を上下方向へ駆動する上下駆動部44とを備えている。
【0015】
操作部80は、キーボード、トラックボール、ジョイスティック、マウスなどの入力デバイスや表示パネル、更には各種スイッチなどを備えたインターラクティブなインターフェースであり、被検体PのID、氏名などの被検体情報や、撮影体位、撮影部位、X線の照射条件などの各種撮影条件の入力や各種コマンドの入力等を行なう。
【0016】
システム制御部90は、CPUと記憶回路を備え、操作部80から入力された入力情報を一旦記憶した後、これらの入力情報に基づいて投影データの生成、画像データの生成と表示等に関する制御などシステム全体の制御を行う。
【0017】
次に、図1乃至図5を参照して、寝台部40の上下駆動部44の構成の詳細を説明する。
図3は、寝台部40の上下駆動部44の構成の一例を示した図である。この上下駆動部44は、寝台フレーム42の下側に配置され、寝台フレーム42を上下駆動する上下駆動機構45と、天板41上に被検体Pが載置された際に上下駆動機構45にかかる負荷を検出する負荷検出器46と、上下駆動機構45を制御する上下駆動制御部47とを備えている。そして、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47は、最大で例えば300kgの体重(最大体重)を有する被検体Pが天板41上に載置された際に寝台フレーム42を上方向へ駆動することができる機構部品や電気部品で構成される。
【0018】
図4は、上下駆動機構45の構成の一例を示した図である。この上下駆動機構45は、寝台フレーム42を上下駆動するための動力を発生するモータ50と、このモータ50から出力される動力の回転速度を変速する変速機構51と、変速機構51で変速された動力を上下方向への動力に変換して寝台フレーム42に伝達する変換機構52と、モータ50、変速機構51、及び変換機構52を支持する下部支持体53とを備えている。
【0019】
モータ50は、例えばエンコーダを備えたサーボモータであり、出力軸が変速機構51に連結されている。そして、寝台フレーム42を上下駆動するための動力を変速機構51に出力する。
【0020】
図5は、変速機構51の構成の一例を示した図である。この変速機構51は、変速比を無段階又は有段階に変更することができる変速機構であり、以下ではリングコーン式の無段変速機構の例を示す。
【0021】
変速機構51は、モータ50の出力軸に連結された入力軸511と、入力軸511に嵌合された円錐面を有する太陽コーン512とを備えている。また、2つの第1及び第2の円錐面を有し、第1の円錐面が太陽コーン512の円錐面と圧接して配置された複数の遊星コーン513を備えている。また、各遊星コーン513を回転自在に保持するコーンホルダ514と、コーンホルダ514に嵌合された出力軸515とを備えている。
【0022】
また、変速機構51は、各遊星コーン513の第2の円錐面上をスライド可能に配置され、且つ、各遊星コーン513の第2の円錐面と内周面が圧接して各遊星コーン513の回転方向に対して固定配置された環状のリング516と、リング516を各遊星コーン513の第2の円錐面に沿って第2の円錐面の頂点側の方向である矢印L3方向及び第2の円錐面の底面側の方向である矢印L4へ駆動する変速駆動部517とを備えている。
【0023】
入力軸511は、モータ50から出力される動力により、太陽コーン512を回転させる。太陽コーン512は、各遊星コーン513を回転させる。各遊星コーン513の回転方向に対してリング516が固定されているため、各遊星コーン513は自転しながら、太陽コーン512の周りを公転する。この公転が、コーンホルダ514を回転させ、コーンホルダ514は出力軸515を回転させる。
【0024】
ここで、上下駆動制御部47の制御に基づき変速駆動部517がリング516をL3又はL4方向へ移動することにより、各遊星コーン513のリング516に対する接触有効半径が変化するため、各遊星コーン513の公転速度が変化する。これにより、入力軸511の回転速度を出力軸515の回転速度で除した値である変速比を、所定の範囲で無段階に変更することができる。
【0025】
そして、リング516をL3方向の限界位置まで移動すると、入力軸511に対して出力軸515の回転速度が減速され、回転速度が最も低速となる最小の変速比を示し、出力軸515から最大のトルクを得る。また、リング516をL4方向の限界位置まで移動することにより、入力軸511に対して出力軸515の回転速度が減速され、回転速度が最も高速となる最大の変速比を示し、出力軸515から最小のトルクを得る。
【0026】
これにより、最大体重を有する被検体Pが天板41上に載置された際に、最小又は最小付近の変速比で寝台フレーム42を上方向へ駆動することにより、モータ50及び上下駆動制御部47の電気部品にかかる負荷を軽減することができる。
【0027】
なお、モータ50から出力される動力により回転する駆動プーリ、この駆動プーリと対を成す従動プーリ、駆動プーリ及び従動プーリに巻回されたベルト、並びに可動シーブを回転軸方向に駆動して駆動プーリ及び従動プーリの直径を変化させる変速駆動部により構成され、各プーリの直径を変化させることにより変速比を無段階に変更することができる変速機構を用いて実施するようにしてもよい。また、モータ50から出力される動力により回転する駆動歯車、この駆動歯車と係合する歯数が異なる複数の従動歯車、駆動歯車と従動歯車間に設けるクラッチ、並びに駆動歯車と各従動歯車との噛み合わせ及びクラッチの連結と切断を行う変速駆動部により構成され、駆動歯車と各従動歯車との組み合わせを変更することにより変速比を複数の有段階に変更すことができる変速機構を用いて実施するようにしてもよい。
【0028】
図4に示した変換機構52は、変速機構51の出力軸515に一端部が連結されたリードスクリュー521と、リードスクリュー521に係合するリードナット522と、リードナット522に連結された2つのLMガイド523とを備えている。また、下部支持体53上に固定され、各LMガイド523をL1方向及びL2方向へスライド可能に支持する2つのLMガイドレール524と、傾動可能に一端部が各LMガイド523に支持され、中央部の貫通孔にピン525が遊貫された2つの第1のアーム526とを備えている。
【0029】
また、変換機構52は、傾動可能に各第1のアーム526の他端部を支持すると共に寝台フレーム42を支持する上部支持体527と、傾動可能に一端部が下部支持体53に支持され、各第1のアーム526と交差する中央部の貫通孔にピン525が遊貫された第1のアーム526と同じ長さを有する2つの第2のアーム528とを備えている。また、傾動可能に各第2のアーム528の他端部を支持する2つのLMガイド529と、上部支持体527に固定され、各LMガイド529をL1方向及びL2方向へスライド可能に支持する2つのLMガイドレール530とを備えている。
【0030】
そして、変速機構51で変速された動力がリードスクリュー521に出力されると、リードスクリュー521は、リードナット522をL1方向又はL2方向に移動させる。リードナット522は、各LMガイド523をL1方向又はL2方向へスライドさせる。各LMガイド523は、第1及び第2のアーム526,528を傾動させ、各LMガイド529をL1方向又はL2方向へスライドさせる。この傾動及びスライドが、上部支持体527を下方向又は上方向へ移動させる。これにより、寝台フレーム42を下方向又は上方向へ駆動する。
【0031】
図3に示した負荷検出器46は、天板41上に被検体Pが載置された際に上下駆動機構45にかかる負荷を検出する。ここでは、上下駆動機構45にかかる負荷は、例えば寝台フレーム42を上下方向に駆動するモータ50にかかる負荷であり、寝台フレーム42を上下方向へ駆動しているときのモータ50の消費電流を検出する。
【0032】
なお、負荷検出器として上下駆動機構45と寝台フレーム42の間に寝台フレーム42の重量を検出するロードセルを設け、上下駆動機構45にかかる寝台フレーム42の重量を、上下駆動機構45にかかる負荷として検出するように実施してもよい。
【0033】
上下駆動制御部47は、上下駆動機構45のモータ50を駆動するドライバ471と、負荷検出器46からの消費電流を検出した検出信号及びモータ50からのエンコーダの信号に基づいて上下駆動機構45を制御するコントローラ472とを備えている。そして、モータ50の回転速度を可変制御する。また、負荷検出器46により検出された検出信号に基づいて変速機構51の変速比を可変制御する。
【0034】
以下、図1乃至図7を参照して、X線CT装置100の動作の一例を説明する。
図6は、X線CT装置100における寝台部40の動作を示したフローチャートである。また、図7は、寝台部40の寝台フレーム42を上方向へ駆動するときの上下駆動機構45における変速機構51の変速比及びモータ50の回転速度の変更の一例を示した図である。
【0035】
X線CT装置100の寝台部40における天板41の高さは被検体Pの乗降が容易な高さ(乗降高さ)をホームポジションとして停止している。天板41上に被検体Pが載置された後、天板41を撮影部10で撮影が可能な高さ(撮影高さ)まで上方へ移動させる入力が操作部80から行われると、X線CT装置100は、動作を開始する(図6のステップS1)。
【0036】
システム制御部90は、寝台部40における上下駆動部44の上下駆動制御部47に天板41の上方向への移動を指示する。上下駆動制御部47は、上下駆動機構45における変速機構51の変速比を可変制御する。この制御により、変速機構51は、変速駆動部517がリング516を初期位置に移動することにより、図7に示すように、天板41上に最大体重の被検体Pが載置された際に寝台フレーム42を上方向へ駆動することができる最小又は最小付近の変速比である初期変速比Rmに設定する(図6のステップS2)。
【0037】
上下駆動制御部47は、上下駆動機構45を制御する。この制御により、上下駆動機構45は、図7に示すように、モータ50が低速度Vmで回転し、また変速機構51がモータ50から出力された動力の低速度Vmを変速比Rmで変速し、更に変換機構52が変速された動力を上方向への動力に変換して寝台フレーム42に伝達することにより、寝台フレーム42を上方向へ徐行速度で駆動する(図6のステップS3)。
【0038】
上下駆動部44の負荷検出器46は、上下駆動機構45により寝台フレーム42が徐行速度で駆動されているときのモータ50の消費電流を検出し、その検出信号を上下駆動制御部47へ出力する(図6のステップS4)。
【0039】
上下駆動制御部47は、負荷検出器46から出力される検出信号に基づいて、変速機構51の変速比を可変制御する。ここでは、天板41上に載置された被検体Pが例えば最大体重よりも軽い平均体重であるため、初期変速比Rmの場合よりも変速機構51の出力軸515を高速回転させることができる変速比Rpに決定する。この決定により、変速機構51は、リング516を初期変速比Rmの位置からL4方向へ移動して、図7に示すように、決定された変速比Rpに変更する(図6のステップS5)。
【0040】
なお、変速比Rpに変更する前にモータ50の回転を一旦停止させ、変速比Rpに変更してから、モータ50の回転を再開させるように実施してもよい。
【0041】
上下駆動制御部47は、モータ50の回転速度を可変制御する。上下駆動機構45は、図7に示すように、モータ50が低速度Vmから加速して定格速度Vpで回転し、また変速機構51がモータ50から出力された動力の定格速度Vpを変速比Rpで変速し、更に変換機構52が変速された動力を上方向への動力に変換して寝台フレーム42に伝達することにより、寝台フレーム42を上方向へ徐行速度よりも高速の通常速度で駆動する(図6のステップS6)。
【0042】
このように、天板41上に被検体Pが載置された際に負荷検出器46から出力される検出信号に基づいて、上下駆動機構45にかかる負荷が大きい場合に変速機構51の変速比を小さすることにより、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47の機構部品や電気部品にかかる負荷を軽減することができる。また、上下駆動機構45にかかる負荷が小さい場合に変速機構51の変速比を大きくすることにより、寝台フレーム42を速やかに上方向へ駆動することができる。
【0043】
天板41が撮影高さで停止した後、天板41を移動させて撮影部10で撮影が可能な位置で停止させる入力が操作部80から行われると、長手駆動部43は、天板41をL1方向へ駆動し、撮影位置で停止させる。撮影部10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して撮影を行う。画像処理部30は、撮影部10の撮影により生成された投影データから画像データを生成して表示する。
【0044】
被検体Pの撮影が終了した後、天板41をホームポジションへ移動させる入力が操作部80から行われると、長手駆動部43は、天板41をL2方向へ駆動し、撮影高さで停止させる。上下駆動部44は、寝台フレーム42を通常速度VRで下方向へ駆動し、天板41の乗降高さとなる位置で停止させる。
【0045】
天板41がホームポジションで停止した後、システム制御部90が、撮影部10、画像処理部30、及び寝台部40を停止させることにより、X線CT装置100は動作を終了する(図6のステップS7)。
【0046】
以上述べた実施形態によれば、寝台フレーム42を上下駆動する動力を発生するモータ50と、モータ50からの動力を上下方向への動力に変換する変換機構52の間にモータ50から出力された動力の回転速度を変速する無段又は有段の変速機構51を設け、被検体Pの体重に応じて上下駆動機構45にかかる負担を検出する負荷検出器46から検出される検出信号に基づいて変速機構51の変速比を可変制御することができる。
【0047】
そして、上下駆動機構45にかかる負荷が大きい場合に変速機構51の変速比を小さすることにより、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47の機構部品や電気部品にかかる負荷を軽減することができる。また、上下駆動機構45にかかる負荷が小さい場合に変速機構51の変速比を大きくすることにより、寝台フレーム42を速やかに上方向へ駆動することができる。
【0048】
これにより、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47の機構部品及び電気部品にかかる負荷を軽減することが可能となり、天板41上に載置される被検体Pの体重の上限を上げた場合、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47の大型化を防ぐことができる。また、被検体Pの体重の上限を現状維持した場合、上下駆動機構45及び上下駆動制御部47の小型化を図ることができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
P 被検体
40 寝台部
41 天板
42 寝台フレーム
44 上下駆動部
45 上下駆動機構
46 検出器
47 上下駆動制御部
50 モータ
51 変速機構
52 変換機構
471 ドライバ
472 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が載置される天板と、
前記天板を長手方向へ移動可能に支持する寝台フレームと、
前記寝台フレームの下側に配置され、前記寝台フレームを上下駆動するための動力を発生するモータ、このモータから出力される動力の回転速度を変速する無段又は有段の変速機構、及びこの変速機構で変速された動力を上下方向への動力に変換して前記寝台フレームに伝達する変換機構を有する上下駆動機構と、
前記天板上に前記被検体が載置された際に前記上下駆動機構にかかる負荷を検出する負荷検出器と、
前記負荷検出器により検出された検出信号に基づいて、前記変速機構の変速比を可変制御する制御部とを
備えたことを特徴とする寝台装置。
【請求項2】
前記負荷は、前記寝台フレームを上方向へ駆動する前記モータにかかる負荷であり、
前記負荷検出器は、前記上下駆動機構により前記寝台フレームが上方向へ駆動されているときの前記モータの消費電流を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の寝台装置。
【請求項3】
前記負荷は、前記上下駆動機構にかかる前記寝台フレームの重量であり、
前記負荷検出器は、前記寝台フレームの重量を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の寝台装置。
【請求項4】
請求項1の前記寝台装置を用いて前記天板を撮影装置方向へ移動することを特徴とする画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−125305(P2012−125305A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277388(P2010−277388)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】