対向型ディスクブレーキのキャリパ
【課題】対向型ディスクブレーキのキャリパで、軽量化を阻害することなく、制動時の開き変形を抑制する。
【解決手段】キャリパ10は、キャリパボディ11と補強フレーム12を備える。補強フレーム12は、インナ側側壁部11aの内部に配置されるインナ側フレーム部12a、アウタ側側壁部11bの内部に配置されるアウタ側フレーム部12b、回入側ブリッジ部11cの内部に配置される回入側フレーム部12c、回出側ブリッジ部11dの内部に配置される回出側フレーム部12dを一体的に備える。回入側フレーム部12cと、インナ側フレーム部12aの回入側端部と、アウタ側フレーム部12bの回入側端部が、回入側起立部を有し、回出側フレーム部12dと、インナ側フレーム部12aの回出側端部と、アウタ側フレーム部12bの回出側端部が、回出側起立部を有していて、これらの起立部は、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在している。
【解決手段】キャリパ10は、キャリパボディ11と補強フレーム12を備える。補強フレーム12は、インナ側側壁部11aの内部に配置されるインナ側フレーム部12a、アウタ側側壁部11bの内部に配置されるアウタ側フレーム部12b、回入側ブリッジ部11cの内部に配置される回入側フレーム部12c、回出側ブリッジ部11dの内部に配置される回出側フレーム部12dを一体的に備える。回入側フレーム部12cと、インナ側フレーム部12aの回入側端部と、アウタ側フレーム部12bの回入側端部が、回入側起立部を有し、回出側フレーム部12dと、インナ側フレーム部12aの回出側端部と、アウタ側フレーム部12bの回出側端部が、回出側起立部を有していて、これらの起立部は、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両において車輪を制動するために採用される対向型ディスクブレーキのキャリパに関する。
【背景技術】
【0002】
対向型ディスクブレーキのキャリパは、例えば、下記特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−43742号公報
【0004】
上記した特許文献1に記載されているキャリパは、軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレーム(特許文献1ではフレーム構造体と記載されている)を備えている。
【0005】
前記キャリパボディは、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備えている。
【0006】
一方、前記補強フレームは、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている。
【発明の概要】
【0007】
ところで、上記した特許文献1に記載されているキャリパの補強フレームにおいては、前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側平坦部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側平坦部を有していて、これらが連続的に形成されている。また、上記した特許文献1の補強フレームにおいては、上記した回入側平坦部と回出側平坦部間のロータ周方向中間部分に、これらと同様に形成された一対の中間平坦部が形成されている。
【0008】
このため、上記した特許文献1に記載されているキャリパでは、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって、前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成することは難しい。なお、上記した特許文献1に記載されているキャリパでも、補強フレームにおける一対の中間平坦部を無くした場合には、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって、前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成することは可能である。
【0009】
しかし、この場合(インナパッドとアウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成した場合)には、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側平坦部と回出側平坦部が受けることとなる。ところで、補強フレームの回入側平坦部と回出側平坦部は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板厚方向にて受けるものであるため、板厚が十分でない場合には、上記した変形荷重を的確に受けることができなくて、キャリパにおけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができない。なお、かかる課題は、補強フレームの板厚を十分に厚くする(板厚を厚くして耐荷重を確保する)ことで解消し得るものの、その場合には、当該キャリパの軽量化が阻害される。
【0010】
本発明は、上記した相反する課題を解決すべくなされたものであり、
軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレームを備えていて、
前記キャリパボディが、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備え、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部が形成されており、
前記補強フレームが、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている対向型ディスクブレーキのキャリパであって、
前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側起立部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側起立部を有していて、これらが連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパに特徴がある。
【0011】
本発明によるキャリパにおいては、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部が受ける。ところで、補強フレームの回入側起立部と回出側起立部は、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合(板厚を不必要に厚くしない場合)にも、上記した変形荷重を的確に受けることができて、キャリパにおけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができ、この開き変形に起因するブレーキフィーリングの低下、両パッドの偏摩耗やブレーキ鳴きを効果的に抑制することが可能である。また、板厚を厚くして耐荷重を確保するものではないため、当該キャリパの軽量化は阻害されない。
【0012】
上記した本発明の実施に際して、前記回入側起立部と前記回出側起立部のロータ径方向端部(内端または外端)には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する平坦部がそれぞれ連続的に形成されていることも可能である。この場合には、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部が受け、制動反力(接線力)によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ周方向に移動して変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部のそれぞれに連続的に形成した平坦部が受ける。ところで、補強フレームの平坦部は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記したロータ周方向の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚が十分でない場合(不必要に厚くしない場合)にも、上記したロータ周方向の変形荷重を的確に受けることができて、ロータ周方向の変形を的確に抑制することができる。
【0013】
この場合において、前記各平坦部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する切り起こし部が形成されていることも可能である。この場合には、補強フレームにおいて、各切り起こし部が前記回入側起立部と前記回出側起立部の機能を補充するため、上記した開き変形を更に的確に抑制することができる。また、この場合には、各切り起こし部によって、補強フレームとキャリパボディの鋳造接合面を増大させることができて、補強フレームとキャリパボディの接合強度を高めることが可能である。
【0014】
また、上記した本発明の実施に際して、前記アウタ側フレーム部の回入側端部と回出側端部を連結する連結部が、前記アウタ側側壁部に設けたシリンダ穴の外周のロータ径方向内側を通るように配置されていることも可能である。この場合には、制動時のキャリパボディにおけるアウタ側側壁部自体の反り変形(曲げ変形)を抑制することが可能であって、上記した開き変形を効果的に抑制することが可能である。
【0015】
また、上記した本発明の実施に際して、前記インナ側フレーム部は、車体に固定される回入側固定部と回出側固定部を有していることも可能である。この場合には、制動時の制動反力(接線力)によって生じ得るインナ側側壁部の捻じり変形を抑制することが可能であって、上記した捻じり変形に起因するパッド偏摩耗やブレーキ鳴きを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるキャリパを含む対向型ディスクブレーキの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図2】図1に示したキャリパ単体の正面図である。
【図3】図2に示したキャリパ単体の右側面図である。
【図4】図2に示したキャリパ単体の平面図である。
【図5】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図6】図2に示したキャリパ単体の斜視図である。
【図7】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した正面図である。
【図8】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した右側面図である。
【図9】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した平面図である。
【図10】図2に示したキャリパ単体の内部構成を実線で示した斜視図である。
【図11】図7〜図10に示した補強フレーム単体の正面図である。
【図12】図11に示した補強フレーム単体の右側面図である。
【図13】図11に示した補強フレーム単体の平面図である。
【図14】図11に示した補強フレーム単体の斜視図である。
【図15】補強フレームの変形実施形態を示した図7相当の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図10は本発明によるキャリパ10を含む対向型ディスクブレーキの一実施形態を概略的に示していて、この実施形態のディスクブレーキ100においては、キャリパ10が、軽金属合金または軽金属(軽金属は、例えば、アルミ系金属)で鋳造されたキャリパボディ11と、このキャリパボディ11の材料より高い弾性率の材料(例えば、鉄系金属やその合金)からなる板材で成形されてキャリパボディ11内に鋳込まれた補強フレーム12を備えている。
【0018】
また、このディスクブレーキ100では、キャリパ10に一対の支持ピン20を介してインナパッド30とアウタパッド40が組付けられるとともに、キャリパ10に各ピストンシール50を介して一対のピストン60が組付けられている。インナパッド30とアウタパッド40および一対のピストン60は、ディスクロータ70を挟んで対向配置されていて、それぞれロータ軸方向に移動可能である。
【0019】
キャリパボディ11は、図2〜図10に示したように、インナ側側壁部11aとアウタ側側壁部11bと回入側ブリッジ部11cと回出側ブリッジ部11dを一体的に備えていて、インナ側側壁部11a、アウタ側側壁部11b、回入側ブリッジ部11c、回出側ブリッジ部11dによってインナパッド30とアウタパッド40をロータ径方向にて抜き差し可能な開口部11eが形成されている。
【0020】
インナ側側壁部11aは、車体に固定される部分であり、制動時にインナパッド30をディスクロータ70の外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストン60を収容するシリンダ穴11a1を有している。また、インナ側側壁部11aには、一対の支持ピン20を挿通するための一対のピン挿通孔11a2,11a3が形成されるとともに、車体に組付けるためのボルト(図示省略)を挿通するための一対のボルト挿通孔11a4,11a5が形成されている。
【0021】
アウタ側側壁部11bは、インナ側側壁部11aに対してロータ軸方向にて対向配置される部分であり、制動時にアウタパッド40をディスクロータ70の外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストン60を収容するシリンダ穴11b1を有している。また、アウタ側側壁部11bには、一対の支持ピン20を挿通するための一対のピン挿通穴11b2,11b3が形成されている。
【0022】
回入側ブリッジ部11cは、インナ側側壁部11aの回入側端部(図2、図4の左端部)とアウタ側側壁部11bの回入側端部(図2、図4の左端部)を連結する部分であり、ディスクロータ70と干渉しないようにするための凹部11c1が形成されている。回出側ブリッジ部11dは、インナ側側壁部11aの回出側端部(図2、図4の右端部)とアウタ側側壁部11bの回出側端部(図2、図4の右端部)を連結する部分であり、ディスクロータ70と干渉しないようにするための凹部11d1が形成されている。
【0023】
補強フレーム12は、図7〜図14に示したように、キャリパボディ11におけるインナ側側壁部11aの内部に配置されるインナ側フレーム部12aと、キャリパボディ11におけるアウタ側側壁部11bの内部に配置されるアウタ側フレーム部12bと、キャリパボディ11における回入側ブリッジ部11cの内部に配置される回入側フレーム部12cと、キャリパボディ11における回出側ブリッジ部11dの内部に配置される回出側フレーム部12dを一体的に備えている。
【0024】
ところで、この実施形態の補強フレーム12においては、図11〜図14に示したように、回入側フレーム部12cと、インナ側フレーム部12aの回入側端部12a1と、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W1でロータ軸方向に延在する回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、回出側フレーム部12dと、インナ側フレーム部12aの回出側端部12a2と、アウタ側フレーム部12bの回出側端部12b2が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W1でロータ軸方向に延在する回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3を有していて、これらが連続的に形成されている。
【0025】
また、この実施形態の補強フレーム12においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在する平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3がそれぞれ連続的に形成されている。各平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3において、そのロータ軸方向中間部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W3でロータ軸方向に延在する切り起こし部ZaとZbが形成されている。
【0026】
また、この実施形態の補強フレーム12においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3に対向するように、第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbが形成されている。第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbは、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W4でロータ軸方向に延在している。また、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1と回出側端部12b2を連結する連結部12b3が、キャリパボディ11のアウタ側側壁部11bに設けたシリンダ穴11b1の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている(図7および図10参照)。なお、連結部12b3では、その幅方向がロータ軸方向となるように形成されている。
【0027】
上記のように構成したこの実施形態のキャリパ10においては、制動時において、各シリンダ穴11a1,11b1に供給される液圧によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレーム12において、主として、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3が受けるとともに、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbが受ける。
【0028】
ところで、補強フレーム12の回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbは、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅(W1,W3,W4)でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合(板厚を不必要に厚くしない場合)にも、上記した変形荷重を的確に受けることができて、キャリパ10におけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができ、この開き変形に起因するブレーキフィーリングの低下、両パッド30,40の偏摩耗やブレーキ鳴きを効果的に抑制することが可能である。また、板厚を厚くして耐荷重を確保するものではないため、当該キャリパ10の軽量化は阻害されない。
【0029】
また、この実施形態のキャリパ10においては、補強フレーム12の回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部に、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在する平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3がそれぞれ連続的に形成されている。このため、制動時において、各シリンダ穴11a1,11b1に供給される液圧によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重が上述したように受けられるのに対して、制動反力(接線力)によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ周方向に移動して変形する際の変形荷重を、補強フレーム12において、主として、平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3が受ける。
【0030】
ところで、補強フレーム12の平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在するものであって、上記したロータ周方向の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合にも、上記したロータ周方向の変形荷重を的確に受けることができて、ロータ周方向の変形を的確に抑制することができる。
【0031】
また、この実施形態のキャリパ10においては、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1と回出側端部12b2を連結する連結部12b3が、キャリパボディ11のアウタ側側壁部11bに設けたシリンダ穴11b1の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている。このため、制動時のキャリパボディ11におけるアウタ側側壁部11b自体の反り変形(曲げ変形)を抑制することが可能であって、上記した開き変形を効果的に抑制することが可能である。
【0032】
上記した実施形態においては、各平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3のロータ軸方向中間部に切り起こし部ZaとZbを形成するとともに、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3に対向する第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbを形成して、これらが回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3の機能を補充するように構成して実施したが、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のみによって、上記したロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができる場合には、これらを無くして実施することも可能である。なお、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbを補強フレーム12に形成した場合には、キャリパ10において、補強フレーム12とキャリパボディ11の鋳造接合面を増大させることができて、補強フレーム12とキャリパボディ11の接合強度を高めることが可能である。
【0033】
また、上記した実施形態においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部に平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3を形成して実施したが、回入側起立部(Xa1,Xa2,Xa3)と回出側起立部(Xb1,Xb2,Xb3)のロータ径方向外端部に平坦部(Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3)を形成して実施することも可能である。この場合には、切り起こし部(ZaとZb)および第2の回入側起立部(Ma)と第2の回出側起立部(Mb)に相当するものを上記実施形態とは逆にロータ径方向内側に向けて突出するように形成するのが好ましい。なお、平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3は、主として制動反力(接線力)によるキャリパ10の変形を抑制するためのものであるため、制動反力(接線力)によるキャリパ10の変形が小さい場合には、これを無くして実施することも可能である。
【0034】
また、上記した実施形態においては、補強フレーム12におけるインナ側フレーム部12aのロータ径方向に延びる部位の内端がフリー状態とされているが、図15に示したように、インナ側フレーム部12aのロータ径方向に延びる部位の内端が車体に固定される回入側固定部12a3と回出側固定部12a4を有する形状(ボルト挿通孔11a4,11a5と同軸のボルト挿通孔を有している形状)として実施することも可能である。この場合には、制動時の制動反力(接線力)によって生じ得るインナ側側壁部11aの捻じり変形を抑制することが可能であって、上記した捻じり変形に起因するパッド偏摩耗やブレーキ鳴きを低減することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…キャリパ、11…キャリパボディ、11a…インナ側側壁部、11a1…シリンダ穴、11a2,11a3…一対のピン挿通孔、11a4,11a5…一対のボルト挿通孔、11b…アウタ側側壁部、11b1…シリンダ穴、11b2,11b3…一対のピン挿通穴、11c…回入側ブリッジ部、11c1…凹部、11d…回出側ブリッジ部、11d1…凹部、11e…開口部、12…補強フレーム、12a…インナ側フレーム部、12a1…回入側端部、12a2…回出側端部、12a3…回入側固定部、12a4…回出側固定部、12b…アウタ側フレーム部、12b1…回入側端部、12b2…回出側端部、12b3…連結部、12c…回入側フレーム部、12d…回出側フレーム部、Xa1,Xa2,Xa3…回入側起立部、Xb1,Xb2,Xb3…回出側起立部、Ya1,Ya2,Ya3、Yb1,Yb2,Yb3…平坦部、Za、Zb…切り起こし部、Ma…第2の回入側起立部、Mb…第2の回出側起立部、20…一対の支持ピン、30…インナパッド、40…アウタパッド、60…一対のピストン、70…ディスクロータ、100…対向型ディスクブレーキ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両において車輪を制動するために採用される対向型ディスクブレーキのキャリパに関する。
【背景技術】
【0002】
対向型ディスクブレーキのキャリパは、例えば、下記特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−43742号公報
【0004】
上記した特許文献1に記載されているキャリパは、軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレーム(特許文献1ではフレーム構造体と記載されている)を備えている。
【0005】
前記キャリパボディは、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備えている。
【0006】
一方、前記補強フレームは、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている。
【発明の概要】
【0007】
ところで、上記した特許文献1に記載されているキャリパの補強フレームにおいては、前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側平坦部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側平坦部を有していて、これらが連続的に形成されている。また、上記した特許文献1の補強フレームにおいては、上記した回入側平坦部と回出側平坦部間のロータ周方向中間部分に、これらと同様に形成された一対の中間平坦部が形成されている。
【0008】
このため、上記した特許文献1に記載されているキャリパでは、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって、前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成することは難しい。なお、上記した特許文献1に記載されているキャリパでも、補強フレームにおける一対の中間平坦部を無くした場合には、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって、前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成することは可能である。
【0009】
しかし、この場合(インナパッドとアウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部を形成した場合)には、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側平坦部と回出側平坦部が受けることとなる。ところで、補強フレームの回入側平坦部と回出側平坦部は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板厚方向にて受けるものであるため、板厚が十分でない場合には、上記した変形荷重を的確に受けることができなくて、キャリパにおけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができない。なお、かかる課題は、補強フレームの板厚を十分に厚くする(板厚を厚くして耐荷重を確保する)ことで解消し得るものの、その場合には、当該キャリパの軽量化が阻害される。
【0010】
本発明は、上記した相反する課題を解決すべくなされたものであり、
軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレームを備えていて、
前記キャリパボディが、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備え、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部が形成されており、
前記補強フレームが、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている対向型ディスクブレーキのキャリパであって、
前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側起立部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側起立部を有していて、これらが連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパに特徴がある。
【0011】
本発明によるキャリパにおいては、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部が受ける。ところで、補強フレームの回入側起立部と回出側起立部は、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合(板厚を不必要に厚くしない場合)にも、上記した変形荷重を的確に受けることができて、キャリパにおけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができ、この開き変形に起因するブレーキフィーリングの低下、両パッドの偏摩耗やブレーキ鳴きを効果的に抑制することが可能である。また、板厚を厚くして耐荷重を確保するものではないため、当該キャリパの軽量化は阻害されない。
【0012】
上記した本発明の実施に際して、前記回入側起立部と前記回出側起立部のロータ径方向端部(内端または外端)には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する平坦部がそれぞれ連続的に形成されていることも可能である。この場合には、制動時において、各シリンダ穴に供給される液圧によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部が受け、制動反力(接線力)によってインナ側側壁部に対してアウタ側側壁部がロータ周方向に移動して変形する際の変形荷重を、補強フレームにおいて、主として、回入側起立部と回出側起立部のそれぞれに連続的に形成した平坦部が受ける。ところで、補強フレームの平坦部は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在するものであって、上記したロータ周方向の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚が十分でない場合(不必要に厚くしない場合)にも、上記したロータ周方向の変形荷重を的確に受けることができて、ロータ周方向の変形を的確に抑制することができる。
【0013】
この場合において、前記各平坦部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する切り起こし部が形成されていることも可能である。この場合には、補強フレームにおいて、各切り起こし部が前記回入側起立部と前記回出側起立部の機能を補充するため、上記した開き変形を更に的確に抑制することができる。また、この場合には、各切り起こし部によって、補強フレームとキャリパボディの鋳造接合面を増大させることができて、補強フレームとキャリパボディの接合強度を高めることが可能である。
【0014】
また、上記した本発明の実施に際して、前記アウタ側フレーム部の回入側端部と回出側端部を連結する連結部が、前記アウタ側側壁部に設けたシリンダ穴の外周のロータ径方向内側を通るように配置されていることも可能である。この場合には、制動時のキャリパボディにおけるアウタ側側壁部自体の反り変形(曲げ変形)を抑制することが可能であって、上記した開き変形を効果的に抑制することが可能である。
【0015】
また、上記した本発明の実施に際して、前記インナ側フレーム部は、車体に固定される回入側固定部と回出側固定部を有していることも可能である。この場合には、制動時の制動反力(接線力)によって生じ得るインナ側側壁部の捻じり変形を抑制することが可能であって、上記した捻じり変形に起因するパッド偏摩耗やブレーキ鳴きを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるキャリパを含む対向型ディスクブレーキの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図2】図1に示したキャリパ単体の正面図である。
【図3】図2に示したキャリパ単体の右側面図である。
【図4】図2に示したキャリパ単体の平面図である。
【図5】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図6】図2に示したキャリパ単体の斜視図である。
【図7】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した正面図である。
【図8】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した右側面図である。
【図9】図2に示したキャリパ単体の内部構成を破線で示した平面図である。
【図10】図2に示したキャリパ単体の内部構成を実線で示した斜視図である。
【図11】図7〜図10に示した補強フレーム単体の正面図である。
【図12】図11に示した補強フレーム単体の右側面図である。
【図13】図11に示した補強フレーム単体の平面図である。
【図14】図11に示した補強フレーム単体の斜視図である。
【図15】補強フレームの変形実施形態を示した図7相当の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図10は本発明によるキャリパ10を含む対向型ディスクブレーキの一実施形態を概略的に示していて、この実施形態のディスクブレーキ100においては、キャリパ10が、軽金属合金または軽金属(軽金属は、例えば、アルミ系金属)で鋳造されたキャリパボディ11と、このキャリパボディ11の材料より高い弾性率の材料(例えば、鉄系金属やその合金)からなる板材で成形されてキャリパボディ11内に鋳込まれた補強フレーム12を備えている。
【0018】
また、このディスクブレーキ100では、キャリパ10に一対の支持ピン20を介してインナパッド30とアウタパッド40が組付けられるとともに、キャリパ10に各ピストンシール50を介して一対のピストン60が組付けられている。インナパッド30とアウタパッド40および一対のピストン60は、ディスクロータ70を挟んで対向配置されていて、それぞれロータ軸方向に移動可能である。
【0019】
キャリパボディ11は、図2〜図10に示したように、インナ側側壁部11aとアウタ側側壁部11bと回入側ブリッジ部11cと回出側ブリッジ部11dを一体的に備えていて、インナ側側壁部11a、アウタ側側壁部11b、回入側ブリッジ部11c、回出側ブリッジ部11dによってインナパッド30とアウタパッド40をロータ径方向にて抜き差し可能な開口部11eが形成されている。
【0020】
インナ側側壁部11aは、車体に固定される部分であり、制動時にインナパッド30をディスクロータ70の外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストン60を収容するシリンダ穴11a1を有している。また、インナ側側壁部11aには、一対の支持ピン20を挿通するための一対のピン挿通孔11a2,11a3が形成されるとともに、車体に組付けるためのボルト(図示省略)を挿通するための一対のボルト挿通孔11a4,11a5が形成されている。
【0021】
アウタ側側壁部11bは、インナ側側壁部11aに対してロータ軸方向にて対向配置される部分であり、制動時にアウタパッド40をディスクロータ70の外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストン60を収容するシリンダ穴11b1を有している。また、アウタ側側壁部11bには、一対の支持ピン20を挿通するための一対のピン挿通穴11b2,11b3が形成されている。
【0022】
回入側ブリッジ部11cは、インナ側側壁部11aの回入側端部(図2、図4の左端部)とアウタ側側壁部11bの回入側端部(図2、図4の左端部)を連結する部分であり、ディスクロータ70と干渉しないようにするための凹部11c1が形成されている。回出側ブリッジ部11dは、インナ側側壁部11aの回出側端部(図2、図4の右端部)とアウタ側側壁部11bの回出側端部(図2、図4の右端部)を連結する部分であり、ディスクロータ70と干渉しないようにするための凹部11d1が形成されている。
【0023】
補強フレーム12は、図7〜図14に示したように、キャリパボディ11におけるインナ側側壁部11aの内部に配置されるインナ側フレーム部12aと、キャリパボディ11におけるアウタ側側壁部11bの内部に配置されるアウタ側フレーム部12bと、キャリパボディ11における回入側ブリッジ部11cの内部に配置される回入側フレーム部12cと、キャリパボディ11における回出側ブリッジ部11dの内部に配置される回出側フレーム部12dを一体的に備えている。
【0024】
ところで、この実施形態の補強フレーム12においては、図11〜図14に示したように、回入側フレーム部12cと、インナ側フレーム部12aの回入側端部12a1と、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W1でロータ軸方向に延在する回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、回出側フレーム部12dと、インナ側フレーム部12aの回出側端部12a2と、アウタ側フレーム部12bの回出側端部12b2が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W1でロータ軸方向に延在する回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3を有していて、これらが連続的に形成されている。
【0025】
また、この実施形態の補強フレーム12においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在する平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3がそれぞれ連続的に形成されている。各平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3において、そのロータ軸方向中間部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W3でロータ軸方向に延在する切り起こし部ZaとZbが形成されている。
【0026】
また、この実施形態の補強フレーム12においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3に対向するように、第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbが形成されている。第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbは、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W4でロータ軸方向に延在している。また、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1と回出側端部12b2を連結する連結部12b3が、キャリパボディ11のアウタ側側壁部11bに設けたシリンダ穴11b1の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている(図7および図10参照)。なお、連結部12b3では、その幅方向がロータ軸方向となるように形成されている。
【0027】
上記のように構成したこの実施形態のキャリパ10においては、制動時において、各シリンダ穴11a1,11b1に供給される液圧によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重を、補強フレーム12において、主として、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3が受けるとともに、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbが受ける。
【0028】
ところで、補強フレーム12の回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbは、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚Tに比して大きい所定幅(W1,W3,W4)でロータ軸方向に延在するものであって、上記した開き変形する際の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合(板厚を不必要に厚くしない場合)にも、上記した変形荷重を的確に受けることができて、キャリパ10におけるロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができ、この開き変形に起因するブレーキフィーリングの低下、両パッド30,40の偏摩耗やブレーキ鳴きを効果的に抑制することが可能である。また、板厚を厚くして耐荷重を確保するものではないため、当該キャリパ10の軽量化は阻害されない。
【0029】
また、この実施形態のキャリパ10においては、補強フレーム12の回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部に、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在する平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3がそれぞれ連続的に形成されている。このため、制動時において、各シリンダ穴11a1,11b1に供給される液圧によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ軸方向に移動して開き変形する際の変形荷重が上述したように受けられるのに対して、制動反力(接線力)によってインナ側側壁部11aに対してアウタ側側壁部11bがロータ周方向に移動して変形する際の変形荷重を、補強フレーム12において、主として、平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3が受ける。
【0030】
ところで、補強フレーム12の平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3は、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚Tに比して大きい所定幅W2でロータ軸方向に延在するものであって、上記したロータ周方向の変形荷重を板幅方向にて受けるものであるため、板厚方向にて受けるものに比して、板厚が十分でない場合にも、上記したロータ周方向の変形荷重を的確に受けることができて、ロータ周方向の変形を的確に抑制することができる。
【0031】
また、この実施形態のキャリパ10においては、アウタ側フレーム部12bの回入側端部12b1と回出側端部12b2を連結する連結部12b3が、キャリパボディ11のアウタ側側壁部11bに設けたシリンダ穴11b1の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている。このため、制動時のキャリパボディ11におけるアウタ側側壁部11b自体の反り変形(曲げ変形)を抑制することが可能であって、上記した開き変形を効果的に抑制することが可能である。
【0032】
上記した実施形態においては、各平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3のロータ軸方向中間部に切り起こし部ZaとZbを形成するとともに、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3に対向する第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbを形成して、これらが回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3の機能を補充するように構成して実施したが、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のみによって、上記したロータ軸方向の開き変形を的確に抑制することができる場合には、これらを無くして実施することも可能である。なお、切り起こし部ZaとZbおよび第2の回入側起立部Maと第2の回出側起立部Mbを補強フレーム12に形成した場合には、キャリパ10において、補強フレーム12とキャリパボディ11の鋳造接合面を増大させることができて、補強フレーム12とキャリパボディ11の接合強度を高めることが可能である。
【0033】
また、上記した実施形態においては、回入側起立部Xa1,Xa2,Xa3と回出側起立部Xb1,Xb2,Xb3のロータ径方向内端部に平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3を形成して実施したが、回入側起立部(Xa1,Xa2,Xa3)と回出側起立部(Xb1,Xb2,Xb3)のロータ径方向外端部に平坦部(Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3)を形成して実施することも可能である。この場合には、切り起こし部(ZaとZb)および第2の回入側起立部(Ma)と第2の回出側起立部(Mb)に相当するものを上記実施形態とは逆にロータ径方向内側に向けて突出するように形成するのが好ましい。なお、平坦部Ya1,Ya2,Ya3とYb1,Yb2,Yb3は、主として制動反力(接線力)によるキャリパ10の変形を抑制するためのものであるため、制動反力(接線力)によるキャリパ10の変形が小さい場合には、これを無くして実施することも可能である。
【0034】
また、上記した実施形態においては、補強フレーム12におけるインナ側フレーム部12aのロータ径方向に延びる部位の内端がフリー状態とされているが、図15に示したように、インナ側フレーム部12aのロータ径方向に延びる部位の内端が車体に固定される回入側固定部12a3と回出側固定部12a4を有する形状(ボルト挿通孔11a4,11a5と同軸のボルト挿通孔を有している形状)として実施することも可能である。この場合には、制動時の制動反力(接線力)によって生じ得るインナ側側壁部11aの捻じり変形を抑制することが可能であって、上記した捻じり変形に起因するパッド偏摩耗やブレーキ鳴きを低減することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…キャリパ、11…キャリパボディ、11a…インナ側側壁部、11a1…シリンダ穴、11a2,11a3…一対のピン挿通孔、11a4,11a5…一対のボルト挿通孔、11b…アウタ側側壁部、11b1…シリンダ穴、11b2,11b3…一対のピン挿通穴、11c…回入側ブリッジ部、11c1…凹部、11d…回出側ブリッジ部、11d1…凹部、11e…開口部、12…補強フレーム、12a…インナ側フレーム部、12a1…回入側端部、12a2…回出側端部、12a3…回入側固定部、12a4…回出側固定部、12b…アウタ側フレーム部、12b1…回入側端部、12b2…回出側端部、12b3…連結部、12c…回入側フレーム部、12d…回出側フレーム部、Xa1,Xa2,Xa3…回入側起立部、Xb1,Xb2,Xb3…回出側起立部、Ya1,Ya2,Ya3、Yb1,Yb2,Yb3…平坦部、Za、Zb…切り起こし部、Ma…第2の回入側起立部、Mb…第2の回出側起立部、20…一対の支持ピン、30…インナパッド、40…アウタパッド、60…一対のピストン、70…ディスクロータ、100…対向型ディスクブレーキ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレームを備えていて、
前記キャリパボディが、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備え、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部が形成されており、
前記補強フレームが、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている対向型ディスクブレーキのキャリパであって、
前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側起立部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側起立部を有していて、これらが連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項2】
請求項1に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記回入側起立部と前記回出側起立部のロータ径方向端部には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する平坦部がそれぞれ連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項3】
請求項2に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記各平坦部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する切り起こし部が形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記アウタ側フレーム部の回入側端部と回出側端部を連結する連結部が、前記アウタ側側壁に設けたシリンダ穴の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記インナ側フレーム部は、車体に固定される回入側固定部と回出側固定部を有している対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項1】
軽金属合金または軽金属で鋳造されたキャリパボディと、このキャリパボディの材料より高い弾性率の材料からなる板材で成形されて前記キャリパボディ内に鋳込まれた補強フレームを備えていて、
前記キャリパボディが、制動時にインナパッドをディスクロータの外周部内側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して車体に固定されるインナ側側壁部と、制動時にアウタパッドをディスクロータの外周部外側面に向けてロータ軸方向に押圧するピストンを収容するシリンダ穴を有して前記インナ側側壁部に対して対向配置されるアウタ側側壁部と、前記インナ側側壁部の回入側端部と前記アウタ側側壁部の回入側端部を連結する回入側ブリッジ部と、前記インナ側側壁部の回出側端部と前記アウタ側側壁部の回出側端部を連結する回出側ブリッジ部を一体的に備え、前記インナ側側壁部、前記アウタ側側壁部、前記回入側ブリッジ部、前記回出側ブリッジ部によって前記インナパッドと前記アウタパッドをロータ径方向にて抜き差し可能な開口部が形成されており、
前記補強フレームが、前記インナ側側壁部の内部に配置されるインナ側フレーム部と、前記アウタ側側壁部の内部に配置されるアウタ側フレーム部と、前記回入側ブリッジ部の内部に配置される回入側フレーム部と、前記回出側ブリッジ部の内部に配置される回出側フレーム部を一体的に備えている対向型ディスクブレーキのキャリパであって、
前記回入側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回入側端部と、前記アウタ側フレーム部の回入側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回入側起立部を有していて、これらが連続的に形成されているとともに、前記回出側フレーム部と、前記インナ側フレーム部の回出側端部と、前記アウタ側フレーム部の回出側端部が、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する回出側起立部を有していて、これらが連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項2】
請求項1に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記回入側起立部と前記回出側起立部のロータ径方向端部には、板厚方向をロータ径方向としロータ周方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する平坦部がそれぞれ連続的に形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項3】
請求項2に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記各平坦部には、板厚方向をロータ周方向としロータ径方向にて板厚に比して大きい所定幅でロータ軸方向に延在する切り起こし部が形成されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記アウタ側フレーム部の回入側端部と回出側端部を連結する連結部が、前記アウタ側側壁に設けたシリンダ穴の外周のロータ径方向内側を通るように配置されている対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の対向型ディスクブレーキのキャリパにおいて、前記インナ側フレーム部は、車体に固定される回入側固定部と回出側固定部を有している対向型ディスクブレーキのキャリパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図10】
【公開番号】特開2012−117554(P2012−117554A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265122(P2010−265122)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】
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