説明

対象物を走査する装置とその方法および顕微鏡

本発明は対象物を走査する装置に関し、この装置は、照明光ビーム(24)を解析対象となる対象物の領域に集束させる集束レンズ系(30)を備える。アクチュエータアセンブリが集束レンズ系(30)に連結され、所定の走査パターンにしたがって、前記集束レンズ系(30)を照明光ビーム(24)の基準位置における照明光ビーム(24)の中心軸に関して横方向に移動させる。前面ガラス(38)が、照明光ビーム(24)の方向に見た場合に集束レンズ系(30)の下流に配置される。内側浸漬剤(40)が集束レンズ系(30)と前面ガラス(38)との間に配される。外側浸漬剤(48)は、前面ガラス(38)と対象物との間に注入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物/物体を走査する装置とその方法に関する。この装置は、照明光ビームを観察対象となる対象物の領域に集束させる集束レンズ系を有する。本発明はさらに、走査顕微鏡、レーザ走査顕微鏡および/または共焦点顕微鏡として具現化され、上記の対象物を走査する装置を備える顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物、特に標本を観察するための走査顕微鏡は基本的に、照明光ビームを生成する少なくとも1つの光源を有する。照明光ビームは、走査ユニットによって偏向され、その後、集束レンズ系によって対象物上で集束される。公知の顕微鏡では、走査ユニットは2つ以上の反射鏡を有し、これらは、反射鏡に関連付けられた調節要素によって調節できる。反射鏡を調節することにより、たとえば点や線等の形状の焦点領域を、対象物表面または内部で移動させることができる。好ましくは、対象物の走査中、焦点領域を走査野内で移動させて、走査野全体を光学的に走査できるようにする。すると、対象物から発せられ、たとえば対象物の被照明領域の蛍光発光効果によって生成された検出ビームを偏向させて、検出ユニット上へと向け、これによって捕捉されるようにすることができる。
【0003】
特許文献1が開示する対象物を走査する装置では、摺動式のキャリア駆動装置が対物レンズを顕微鏡ステージと同期して移動させる。光学走査は、顕微鏡ステージの移動中に行われる。
【0004】
特許文献2は、浸漬リソグラフィ用の投射対物レンズを開示しており、その中では前面ガラスにより集束レンズ系が保護される。内側浸漬剤が集束レンズ系と前面ガラスとの間に配される。
【0005】
特許文献3から、走査顕微鏡の対物レンズを光軸に対して横方向に移動させることが知られている。入射光・照明光ビームの方向に対して横方向には移動されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2004 042 913 A1
【特許文献2】DE 10 2004 059 778 A1
【特許文献3】DE 101 52 609 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、低コストで大きな開口数と、特に高い解像度を得ることのできる、対象物を走査する装置とその方法および顕微鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、特許請求の範囲の独立項の特徴により解決される。有利な実施形態は、従属項に記載される。
【0009】
第1の態様によれば、本発明の特徴は、内側浸漬剤が集束レンズ系と、照明光ビームの方向に見た時に集束レンズ系の下流に配置された前面ガラスとの間に配されることである。集束レンズ系は、集束レンズ系を所定の走査パターンにしたがって、照明光ビームの基準位置における照明光ビームの中心軸に対して横方向に移動させるアクチュエータアセンブリに連結される。
【0010】
好ましくは、集束レンズ系は、ある平面内で2つの異なる方向、特に照明光ビームの中心軸に対して垂直に移動される。これによって、対象物の表面または内部の所定の走査野を走査することが可能となる。対象物は、好ましくは標本、特に組織試料である。
【0011】
内側浸漬剤を使用しないと、カバーガラスと空気との界面において、特定の角度から全反射が起こる。内側浸漬剤によって、試料からの光ビーム、特に反射光ビームを集束レンズ系、特に集束レンズ系の中のレンズへと、内側浸漬剤を使用しない場合よりはるかに平坦な角度で入射させることができる。同時に、装置全体の開口数が大きくなる。適当な内側浸漬剤としては、油、水もしくはグリセロール、または上記の浸漬剤の少なくとも1つを含む混合浸漬剤等がある。
【0012】
好ましくは、集束レンズ系と前面ガラスとの間のギャップを、好ましくは完全に内側浸漬剤で満たし、照明光の光路に沿って、集束レンズ系から空気へ、浸漬剤から空気へ、および/または前面ガラスから空気への遷移部分が形成されないようにする。これは、好ましい点として、開口数と解像度を特に増大させるのに役立つ。
【0013】
浸漬剤のクリープや溶解は、有利な点として、照明光ビームに対して垂直な膜を使って浸漬剤を封じ込めることによって防止できる。これは、内側浸漬剤の粘性が特に低い場合にとりわけ有利である。膜の1つの面は、照明光ビームの中心軸に平行に整列させてもよく、またはこれに対して斜めに、または傾斜させて配置し、またはドーム型または皿型にしてもよい。
【0014】
有利な実施形態において、内側浸漬剤は、好ましくは特に高いか、特に低い、所定の粘性を有する。特に低い粘性には、内側浸漬剤がレンズの移動にわずかしか影響を与えないという利点があり、これは移動中の集束レンズ系を精密に制御できようにするのに役立つ。これに対して、特に高い粘性には、たとえば共鳴周波数範囲等、集束レンズ系が特に高速で移動していても、特に膜が設けられていない時に、内側浸漬剤が前面ガラスと集束レンズ系との間の隙間から漏出することを防止できるという利点がある。
【0015】
他の有利な実施形態において、内側浸漬剤と接触している前面ガラスおよび/または集束レンズ系の表面は、所定の粗さを有する。所定の粗さは、好ましくは特に高いか特に低い。特に高い粗さは、一方で顕微鏡的レベルにすぎないものとするべきでありながら、他方で該当表面の形状を意図的に形成することで実現可能であるべきであるが、内側浸漬剤が前面ガラスまたは集束レンズ系の表面に特によく付着するという利点を有する。これに対して、集束レンズ系の表面または前面ガラスが特に平滑である場合の利点は、集束レンズ系と前面ガラスを非常に密接に接着させることができる点である。この場合、非常に低い粘性の浸漬剤が好ましくは使用される。実際に、集束レンズ系と前面ガラスとの間の距離が使用される照明光の波長よりずっと小さい場合、これらの間に配置される媒体、特に浸漬剤の屈折率の影響は、わずかないしは無視できる程度にすぎない。あるいは、またはこれに加えて、特に上記の距離が特に短い場合、内側浸漬剤と接触している前面ガラスまたは集束レンズ系の表面を硬化することが有利である。これは、相互に関して移動する表面の損傷および/または摩耗を防止できる。これに対して、前面ガラスと集束レンズ系とが偶発的に接触しても損傷しないように、これらの表面を特に柔らかくしてもよい。
【0016】
第2の態様によれば、本発明は、対象物を走査する装置を包含する走査顕微鏡、レーザ走査顕微鏡および/または共焦点顕微鏡に関する。
【0017】
さらに、第3の態様によれば、本発明は対象物を走査する方法に関する。本発明の特徴は、浸漬剤を集束レンズ系と標本との間に注入して、集束レンズ系と標本とが浸漬剤に接触するようにすることである。あるいは、標本をカバーガラスで覆ってもよく、および/または集束レンズ系を前面ガラスで覆ってもよい。その場合、前面ガラスと標本との間に、集束レンズ系と前面ガラスとの間の内側浸漬剤の代わりに、またはこれに加えて、外側浸漬液を供給することができる。外側浸漬剤の性質は、内側浸漬剤に対応するものであっても、異なっていてもよい。その場合、外側浸漬剤と直接接触する表面は、内側浸漬剤と直接接触する表面に対応するように具現化してもよい。
【0018】
以下に、本発明を例示的に説明する実施形態を、概略図を参照しながらより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】内側浸漬剤を用いた、対象物を走査する装置の第1の実施形態を示す。
【図2】カバーガラス、内側浸漬剤および外側浸漬剤を用いた、対象物を走査する装置の第1の実施形態を示す。
【図3】対象物を走査する装置の第2の実施形態を示す。
【図4】共焦点顕微鏡内の、対象物を走査する装置を示す。
【図5】外側浸漬剤を用いた、装置の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
すべての図面を通じて、同じ構造または機能を有する要素には、同じ参照番号を付与した。
【0021】
図1は、顕微鏡用の走査ユニット20を示しており、これはまた、対象物を走査する装置と呼ぶことができる。走査ユニット20は、照明光ビーム24が通過する照明用陥凹部(図示せず)を持つ筐体22を有する。照明光ビーム24は、たとえば顕微鏡のレーザによって生成され、たとえば反射鏡等の1つまたは複数の光アセンブリおよび/または1つまたは複数のガラスファイバを介して走査ユニットへと偏向される。キャリア部材28は、平行ばね連係部材26によって、ある平面内で移動可能に懸下される。キャリア部材28は、集束レンズ系30を担持し、そこに照明光ビーム24が向けられる。その平面内で移動可能なキャリア部材28は、コイルアセンブリ34とコイル36とを含む電磁動作型アクチュエータアセンブリを介して、照明光ビーム24の基準位置に関して、照明光ビーム24の中心軸に対して垂直に移動される。
【0022】
照明光ビーム24の方向において集束レンズ系30の後ろで、走査ユニット20が前面ガラス38によって閉じられる。前面ガラス38と集束レンズ系30との間に、内側浸漬剤40が配される。照明光ビーム24は集束レンズ系30を通じて集束され、集束された照明光ビーム42が対象物キャリア46によって担持される対象物、特に標本44に向けられる。それゆえ、照明用陥凹部、集束レンズ系30、内側浸漬剤40および前面ガラス38は、照明光24の方向に見た時に照明光24の照明光路の中に順次配置される。
【0023】
照明光ビーム24の基準位置は、任意に前もって定められる照明ビーム24の所望の固定の位置に関し、これは、図1に示される実施形態では固定され、変化しえない。しかしながら、たとえば光伝導ファイバによって照明光ビームを走査ユニット20に結合することにより、また集束レンズ系(30)を移動させる代わりに、またはこれに加えて光ファイバを移動させることによって照明光ビーム24そのものを移動させたとしても、照明光ビーム24の中心軸の基準位置は、予め決定された光ファイバの固定の基準位置により設定される。
【0024】
内側浸漬剤40は、走査ユニット20を使って実現可能な開口数と解像度を最大限にするのに役立つ。それゆえ、反射または蛍光発光効果によって標本から発せられ、標本を特に平坦な角度で出た検出ビームであっても検出可能である。角度が特に平坦であるとは、この文脈において、照明光ビーム24と検出ビームの中心軸間の角度が約90°であることを意味する。
【0025】
図2は、図1による走査ユニット20を示しており、標本44がカバーガラス50によって覆われている。外側浸漬剤48が前面ガラス38とカバーガラス50との間に注入される。あるいは、外側浸漬剤48はなくてもよい。
【0026】
図3は、図1による走査ユニットを示しており、内側浸漬剤40の、照明光ビーム24の中心軸に垂直な方向の境界には、膜54が置かれている。この実施形態において、膜54は照明光ビーム24の中心軸に平行に形成される。あるいは、膜はまた、中心軸に対して斜めに延びていても、あるいは凹状または凸状の曲率を有していてもよい。膜54は、内側浸漬剤40が、それ自体の特性により、および/または集束レンズ系の移動の結果として、クリーピング、流出もしくははみ出しによって照明ビームの光路から出ないようにするのに役立つ。
【0027】
図4は、顕微鏡内の走査ユニット20を示す。顕微鏡は、好ましくはレーザ光源として具現化される光源60を備える。光源60は、照明光ビーム24を生成し、これはビームスプリッタ62を通って走査ユニット20および、特に集束レンズ系30へと向けられる。標本44から発せられる検出ビーム、特に標本44の中の蛍光発光効果によって生成される蛍光ビームは、ビームスプリッタ62を通過し、検出レンズ66によって検出シャッタ68に集束され、感光検出器(図示せず)により捕捉される。顕微鏡は垂直アクチュエータアセンブリ70を備え、これは垂直コイルアセンブリ72と垂直コイル74を含み、垂直キャリア部材76を照明光ビームに対して平行に、また集束レンズ系30が移動可能な平面に対して垂直に移動させる。
【0028】
図5は、前面ガラス38を含まない走査ユニット20の実施形態を示す。この実施形態において、浸漬剤、特に外側浸漬剤48が移動可能な集束レンズ系30と標本44との間に直接注入される。これに加えて、前面ガラス38および/またはカバーガラス50を設けてもよく、この場合、外側浸漬剤48は前面ガラス38またはカバーガラス50と直接接触する。さらに、前述の実施形態の中で、内側浸漬剤40の代わりに、またはこれに加えて外側浸漬剤48を設けてもよい。標本の走査にとって、集束レンズ系30とカバーガラス50との間の距離をできるだけ大きくすることにより、外側浸漬剤48の中で生成されるせん断力が特に小さくなり、それゆえ、集束レンズ系30の制御性に与える影響が無視できる程度となる。
【0029】
浸漬剤は、好ましくは油、水および/またはグリセロールを含む。浸漬剤の粘性は好ましくは、できるだけ低いか、またはできるだけ高い。できるだけ高い粘性の浸漬剤を使用することは、集束レンズ系30の移動への影響ができるだけ小さくなることを意味する。これは、集束レンズ系30の移動をできるだけ精密に制御および/または調節できるようにするのに役立つ。高い粘性の浸漬剤は、内側浸漬剤40として好ましい。できるだけ高い粘性の浸漬剤を使用する場合、膜54を設けることが好ましい。できるだけ低い粘性の浸漬剤を使用することは、膜54がなくても、集束レンズ系30の移動中に浸漬剤が照明ビーム光路からはみ出さないようにできることを意味する。さらに、浸漬剤中に好ましくない気泡が形成される可能性が、高い粘性の浸漬剤より低下する。これは、集束レンズ系30の移動が共鳴によって起こり、したがって特に高速である場合、特に有利である。低い粘性の浸漬剤は、内側浸漬剤40として好ましい。
【0030】
集束レンズ系30および/または前面ガラス38の、内側浸漬剤40と直接接触する表面、および/または集束レンズ系30、前面ガラス38および/またはカバーガラスの、外側浸漬剤48と直接接触する表面は好ましくは、特に高い、または特に低い粗さを有する。特に低い粗さは、たとえば該当表面を研磨することによって実現でき、これによって集束レンズ系30と前面ガラス38とを非常に密接に接合することができ、特に集束レンズ系30と前面ガラス38との間の距離が使用する照明光の波長よりずっと小さい場合に、浸漬剤の屈折率が顕微鏡の特性にほとんど影響を与えないようにするのに役立つ。これに対して、特に粗い表面は、たとえば該当表面に顕微鏡的な表面形状を形成することによって得られ、それに対応する浸漬剤が該当表面に特によく接着できるようにするのに役立つ。
【0031】
浸漬剤は好ましくは、集束レンズ系30と前面ガラス38と同じ屈折率を有する。さらに、前面ガラス30と集束レンズ系30を硬化させて、相互に関して移動する表面が損傷しないようにしてもよい。あるいは、表面をまた、特に柔らかくしてもよく、これによって、これらの表面が偶発的に相互に接触しても、該当表面が弾性的に変形するだけで、損傷しない。
【0032】
本発明による装置を使用できる顕微鏡法工程または、その中で起こる観察可能な効果には、たとえば、SRS(誘導ラマン散乱法)、FLIM(蛍光寿命イメージング法)、SHG(光第2高調波発生法)、FRAP(光褪色後蛍光回復法)、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動法)、FCS(蛍光相関分光法)がある。
【0033】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、実施形態を相互に組み合わせてもよい。たとえば、垂直アクチュエータアセンブリ70はまた、走査ユニット20の中に配置してもよく、または顕微鏡は、垂直アクチュエータアセンブリ70をまったく設けずに構成してもよい。さらに、標本44を走査するために、集束レンズ系30の代わりに、照明光ビーム24を、たとえば集束レンズ系30に面する端がアクチュエータアセンブリに連結された光ファイバによって、移動させてもよい。電磁動作型アクチュエータアセンブリの代わりに、他のアクチュエータアセンブリ、たとえば、少なくとも1つの、好ましくは複数の圧電アクチュエータを含むものを設けてもよい。走査ユニット20は、顕微鏡に固定された構成要素であっても、走査機能を持つ、または持たない従来の顕微鏡の対物レンズとして、特に対物レンズタレットの一部として具現化してもよい。さらに、走査ユニットは、走査ユニット20を大きな表面上で移動できる外部のアクチュエータアセンブリに連結してもよい。この実施形態では、照明光ビーム24は好ましくは、光ファイバを通じて連結される。これに加えて、走査ユニット20はスタンド、好ましくは三脚に取り付けてもよい。光源60は、1つまたは複数の個別の波長を有する光または広帯域光を発生するレーザであってもよい。レーザの代わりに、たとえば水銀灯を設置してもよい。外側浸漬剤の代わりに、またはこれに加えて、集束レンズ系30には、対象物から見て内側に湾曲するレンズを含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0034】
20 走査ユニット
22 筐体
24 照明光ビーム
26 平行ばね連係部材
28 キャリア部材
30 集束レンズ系
34 コイルアセンブリ
36 コイル
38 前面ガラス
40 内側浸漬剤
42 集束された照明光ビーム
44 試料
46 スライドガラス
48 外側浸漬剤
50 カバーガラス
52 対象物の層
54 膜
60 光源
62 ビームスプリッタ
64 検出光ビーム
66 検出レンズ
68 検出シャッタ
70 垂直アクチュエータアセンブリ
72 垂直コイルアセンブリ
74 垂直コイル
76 垂直キャリア部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を走査する装置であって、
照明光ビーム(24)を検査されるべき対象物の領域に集束させる集束レンズ系(30)と、
前記集束レンズ系(30)に連結され、かつ前記集束レンズ系(30)を所定の走査パターンにしたがって前記照明光ビーム(24)の基準位置における前記照明光ビーム(24)の中心軸に対して横方向に移動させるアクチュエータアセンブリと、
前記照明光ビーム(24)の方向に見て前記集束レンズ系(30)の下流側に配置された前面ガラス(38)と、
前記集束レンズ系(30)と前記前面ガラス(38)の間に配された内側浸漬剤(40)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記集束レンズ系(30)と前記前面ガラス(38)の間の隙間が前記内側浸漬剤(40)で満たされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記内側浸漬剤(40)の前記集束光ビーム(24)に対し垂直方向の境界が、膜(54)で形成されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記内側浸漬剤(40)が所定の粘性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内側浸漬剤(40)がゲル様の状態で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記内側浸漬剤(40)が、前記集束レンズ系(30)および/または前記前面ガラス(38)と同じか、ほぼ同じ屈折率を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記前面ガラス(38)および/または前記集束レンズ系(30)の、前記内側浸漬剤(40)と接触する表面が、所定の粗さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記前面ガラス(38)および/または前記集束レンズ系(30)の、前記内側浸漬剤(40)と接触する表面が、硬化される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置を備える、走査顕微鏡、レーザ走査顕微鏡および/または共焦点顕微鏡型の顕微鏡。
【請求項10】
対象物を走査する方法であって、
集束レンズ系(30)を使用して、検査されるべき対象物の領域に集束光ビーム(24)を集束し、
アクチュエータアセンブリを使用して、所定の走査パターンにしたがって、前記照明光ビーム(24)の基準位置における前記照明光ビーム(24)の中心軸に対して横方向に前記集束レンズ系(30)を移動し、
前記照明光ビーム(24)の方向に見た時に、前記集束レンズ系(30)と前記対象物との間に浸漬剤(40、48)を導入する、
方法。
【請求項11】
前記照明光ビーム(24)の方向に見た時に、前記浸漬剤(40、48)と前記対象物の間にカバーガラスを配する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記照明光ビーム(24)の方向に見た時に前記集束レンズ系(30)の下流側に前面ガラス(38)を配し、前記前面ガラス(38)と前記対象物の間に外側浸漬剤(48)を導入する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記照明光ビーム(24)の方向に見た時に、前記集束レンズ系(30)と前記前面ガラス(38)の間に内側浸漬剤(40)を導入する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−519909(P2013−519909A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552408(P2012−552408)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052031
【国際公開番号】WO2011/098557
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500178876)ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー (80)
【Fターム(参考)】