封入封緘システム
【課題】封緘する内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る封入封緘システムは、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークGを印刷する印刷部9と、印刷部9で印刷された複数種の印刷物P1を一定方向にずらして重ねることで各マークGを露出させる配列部44と、配列部44を制御し、配列部44によって重ねられた複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像Nを形成する封入封緘コントローラ119と、を備えている。内容物となる複数種の印刷物P1が設定した組み合わせであるときに各マークGによって設定画像Nが形成されるため、内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能となる。
【解決手段】本発明に係る封入封緘システムは、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークGを印刷する印刷部9と、印刷部9で印刷された複数種の印刷物P1を一定方向にずらして重ねることで各マークGを露出させる配列部44と、配列部44を制御し、配列部44によって重ねられた複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像Nを形成する封入封緘コントローラ119と、を備えている。内容物となる複数種の印刷物P1が設定した組み合わせであるときに各マークGによって設定画像Nが形成されるため、内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘する封入封緘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘することが広く行われている。この場合、通常、封入封緘システムを用い、封筒に入れる印刷物を印刷し、複数枚の印刷物が封筒に入るように折りたたみ、封筒に内包するように封緘している。
【0003】
例えば、特許文献1では、宛名シートとそれに続くデータシートとを封緘することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−273109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、封緘装置から排出された封筒は封緘済みである。このため、ジャムやデータ不整合などにより、封緘される内容物が設定どおりの内容物となっていない場合であっても、これを確認することができない。
【0006】
なお、バーコードなどを印刷して一枚ずつスキャンすることで設定どおりの内容物となっているかを確認することが一般的に知られているが、インクのにじみ等がある場合や、重ねて折りたたまれている場合では、正しく検出することができない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、封緘する内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴は、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷する印刷手段と、前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、前記重ね手段を制御し、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、を備えることにある。
【0009】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴は、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷するとともに、封緘用の封筒の設定領域に該封筒に応じたマークを印刷する印刷手段と、前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、前記重ね手段で重ねられた各印刷物を折り曲げて前記封筒で封緘する折り曲げ封緘手段と、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物および前記封筒に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、を備えることにある。
【0010】
なお、上記の第1の特徴および第2の特徴では、前記設定画像を配達先住所氏名としてもよい。
【0011】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴は、前記重ね手段として、前記画像読取部の上流側に設けられ、印刷物をニップして送る送りローラと、前記送りローラのニップ位置に向けて、前記複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給する送り出し間隔調整手段と、を設けたことにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴によれば、複数種の印刷物が設定した組み合わせの印刷物である場合、重ねられた複数種の印刷物には設定画像が形成されるので、封緘する内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムとすることができる。
【0013】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴によれば、複数種の印刷物が設定した組み合わせの印刷物であり、かつ、組み合わせの印刷物と封筒とが設定した組み合わせの封書である場合、重ねられた複数種の印刷物と封緘する封筒とによって設定画像が形成されるので、請求項1に記載の発明に比べ、封筒まで含めて設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムとすることができる。
【0014】
なお、上記の第1の特徴および第2の特徴では、前記設定画像を配達先住所氏名とすることで、内容物や封筒が設定した組み合わせでない場合で仮に発送がされたとしても、配達先住所氏名が正しくないので誰にも届かなくて済み、発送者の住所氏名が記載されていると発送者に戻ってくるため、誤配を防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴によれば、送り出し間隔調整手段で、送りローラのニップ位置に向けて、複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給することで、複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらしてニップして送ることができるので、装置構成が簡単になる。
【0016】
なお、上記設定画像の判別については、目視で行われても良いし、コントローラに出力された設定画像と読み取り手段が結果物の所定領域を読み取った画像とをコントローラが比較することにより行われても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。
【図2】第1実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。
【図3】第1実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成される過程を説明する説明図である。
【図4】第1実施形態で設定画像が形成されることについて説明する説明図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、第1実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、第1実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である。
【図7】(a)〜(h)は、それぞれ、第1実施形態で印刷物を一定方向に設定長さで相互にずらして配列させることを説明する工程毎の模式的な斜視図である。
【図8】第1実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。
【図9】第1実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】第1実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態の封入封緘システムで封書が形成されることを説明する説明図である。
【図12】第2実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、すでに説明したものと同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0019】
また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また、以下の実施の形態では、例えば孔版印刷やインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。また、封緘する印刷物の種類の数(印刷物の枚数)も特に限定されるものではない。
【0020】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容部用紙等の搬送方向から見て下流ことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
【0021】
図1は、本実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。図2は、本実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。図3は、本実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成される過程を説明する説明図である。図4は、図3で設定画像が形成されることについて説明する説明図である。図5(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の側面断面図である。図6(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の側面断面図である。図6は図5に連続する工程を示しており、また、図5、図6では、内容物及び封筒用紙は模式的に示してある。図7(a)〜(h)は、それぞれ、本実施形態で印刷物を一定方向に設定長さで相互にずらして配列させることを説明する工程毎の模式的な斜視図である。図8は、本実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。
【0022】
図1、図2に示すように、本実施形態の封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
【0023】
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0024】
この印刷部9は、各内容物用紙に印刷を行う際に各内容物用紙に応じた後述のマークGも、マークGを印刷すべき領域(以下、本明細書で設定領域という)に印刷するように制御されている。配達する内容物(複数種の印刷物)の組み合わせが正しい組み合わせである場合には、このマークGによって設定画像Nが形成されるようになっている。
【0025】
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0026】
また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、下流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の上流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0027】
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0028】
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
【0029】
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0030】
装置筐体7内の適宜位置には、画像形成コントローラ37が設けられており、この画像形成コントローラ37は、印刷部9、内容物用紙給紙部15、封筒用紙給紙部23等の動作を制御するものである。また、画像形成コントローラ37は、画像形成に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、画像形成に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えている。更に、装置筐体7の上部には操作パネル39が設けられている。操作パネル39やプリンタドライバがインストールされたPCのPC画面40(図8参照。外部に接続されたパソコンの画面)は、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚,枚数,サイズ及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚,ミシン目の有無を入力可能であって、画像形成コントローラ37に電気的に接続されている。そして、封入封緘システム1では、PC画面40によって内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるとともに、操作パネル39から内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるようにされている。
【0031】
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0032】
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0033】
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0034】
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0035】
内容物用紙搬送路45の途中には、複数種の印刷物(複数枚の印刷物用紙)P1(例えば、図3に示すようなP1K、P1L、P1Mの3種類の印刷物)を搬送方向にずらし長さW(設定長さ。図3参照)で順次ずらして配列させ、これを重ねた状態で送り出す配列部44と、配列部44から送り出された複数種の印刷物P1の所定領域A(図3参照)の画像データを読み取る画像読取部46と、が設けられている。所定領域Aとは、複数種の印刷物P1を設定長さでずらして重ねることによって後述の各マークGを露出させる領域のことである。配列部44は、搬送されてきた複数種の印刷物P1を一定時間ずらして送給する送り出し間隔調整装置48と、送り出し間隔調整装置48の下流側に配置され、送り出し間隔調整装置48から送給された複数種の印刷物P1をニップして 送り出す送りローラ50と、を備えている。送り出し間隔調整装置48は、図7に示すように、送り出された印刷物を両側方からそれぞれ案内する案内板48Sを備えている。この案内板48Sは、案内する間隔が可変なように、サイド方向(印刷物の搬送方向と直交する方向)に移動可能にされている。そして、送りローラ50に向けて印刷物が送給されたときに、印刷物がニップされる前に印刷物を両サイドから案内することで、印刷物のサイド方向の位置合わせを行っている。
【0036】
また、画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119に送信され、設定画像N(図4参照)の有無が封入封緘コントローラ119で判断される。なお、設定画像Nとしては、特に限定しないが、図3に示すように、封書Mの短手方向に細長い棒状の画像や、「OK」の文字を形成する画像、二重丸の画像、などが挙げられる。
【0037】
そして、画像読取部46の下流側には、封入封緘コントローラ119によって搬送路の切替制御がされる切替部52が設けられている。封入封緘コントローラ119は、画像読取部46で読み取った画像データで設定画像Nが検出されると、切替部正方向J、すなわち内容物用紙搬送路45の連続方向へ内容物Bをそのまま送給し、設定画像Nが検出されないときには内容物Bを誤内容物用紙搬送路45Fへ送給するように、切替部52の切替方向を制御する。誤内容物用紙搬送路45Fの下流端は、封入封緘装置5の上部に設けられた誤内容物排出口54に繋がっている。
【0038】
内容物用紙搬送路45の切替部正方向Jの下流側には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、設定画像Nが検出された複数種の印刷物P1を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
【0039】
装置筐体41内における切替部正方向Jの下流側には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
【0040】
装置筐体41内における主折りローラ57の左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
【0041】
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0042】
封筒用紙搬送路47の途中には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
【0043】
装置筐体41内における封筒用紙搬送路47の途中には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出するものである。
【0044】
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0045】
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
【0046】
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、中間ローラ95が回転可能に設けられており、この中間ローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
【0047】
装置筐体41内におけるガイド板91の近傍には、反射型の光電センサ等の封筒用紙センサ97が設けられており、この封筒用紙センサ97は、封筒用紙P2が突当て部材93に近接したこと、換言すれば、封筒形成部85による(主折りローラ87と中間ローラ95の協働による)封筒用紙P2の折り曲げの開始タイミングを検出するものである。
【0048】
装置筐体41内における主折りローラ87の右側には、主折りローラ87と中間ローラ95によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板99が設けられている。また、ガイド板99には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材101が設けられており、この突当て部材101は、適宜の第5位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板99に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ中間ローラ95に対向した位置には、導出ローラ103が回転可能に設けられており、この導出ローラ103は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路49側へ導出するものである。
【0049】
ここで、主折りローラ87、導入ローラ89、中間ローラ95、及び導出ローラ103は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0050】
内容物用紙搬送路45の途中における封筒形成部85の入口側(上流側)には、内容物送出部105が設けられており、この内容物送出部105は、内容物形成部55から送り出された内容物Bを、折り曲げ線P2bから折り曲げ中の封筒用紙P2に封入されるように封筒形成部85側へ送り出すものである。また、内容物送出部105は、内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す送出ローラ対107を備えており、送出ローラ対107は、適宜の送出モータ109(図6(a)(b)の駆動により回転可能である。更に、装置筐体41内における送出ローラ対107の近傍には、反射型の光電センサ等の内容物センサ111が設けられており、この内容物センサ111は、内容物B(の先端)が封筒形成部85に接近したことを検出するものである。
【0051】
封筒搬送路49の途中には、封緘部113が設けられており、この封緘部113は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部113は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対115を備えており、この封緘ローラ対115は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対115によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤及び水糊の接着作用によって封緘されるようになっている。そして、装置筐体41の上部における封筒搬送路49の出口側(下流端側)には、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部117が設けられている。
【0052】
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
【0053】
図8は、本実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。図8に示すように、装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ119が設けられており、この封入封緘コントローラ119は、配列部44、切替部52、内容物形成部55、前折り部73、封筒形成部85、内容物送出部105、及び封緘部113等の動作を制御するものである。また、封入封緘コントローラ119は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ119には、画像形成コントローラ37、画像読取部46、封筒用紙センサ97、および、内容物センサ111が電気的に接続してある。
【0054】
更に、封入封緘コントローラ119のメモリは、テーブル記憶部121としての機能を有し、封入封緘コントローラ119のCPUは、補正値算出部123としての機能、送出タイミング決定部125としての機能、送出制御部127としての機能、ずらし長さ制御部129としての機能、および、切替部52の切替制御部131としての機能を有している。そして、テーブル記憶部121、補正値算出部123、送出タイミング決定部125、及び送出制御部127の具体的な内容は、次のようになる。
【0055】
テーブル記憶部121は、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚と送出タイミングの補正値との関係を示す第1内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の枚数と送出タイミングの補正値との関係を示す第2内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1のサイズと送出タイミングの補正値との関係を示す第3内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物P1の各用紙のずらし長さと送り出し間隔調整装置48からの送出し時間のずれとの関係を示す第4内容物用補正テーブル、封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚と送出タイミングの補正値との関係を示す第1封筒用補正テーブル、および、封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2のミシン目の有無と送出タイミングの補正値との関係を示す第2封筒用補正テーブルを記憶するものである。なお、テーブル記憶部121は、第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルの他に、内容物用紙P1の用紙厚等以外の内容物Bに関する情報と送出タイミングの補正値を示す別の内容物用補正テーブル、及び封筒用紙P2の用紙厚等以外の封筒Eに関する情報と送出タイミングの補正値との関係を示す別の封筒用補正テーブルを記憶するようにしても構わない。
【0056】
補正値算出部123は、テーブル記憶部121に記憶された第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルを参照しつつ、封入封緘コントローラ119に入力された内容物用紙P1の用紙厚,枚数,サイズ、ずらし長さ、及び封筒用紙P2の用紙厚,ミシン目の有無に基づいて内容物送出部105による内容物Bの送出タイミングの補正値を算出するものである。ここで、送出タイミングの補正値の算出に用いられる算出式は、予め実験的に取得してある。
【0057】
送出タイミング決定部125は、補正値算出部123によって算出された送出タイミングの補正値に基づいて送出タイミングを決定するものである。ここで、送出タイミングの決定は、例えば予め実験的に取得した基準の送出タイミングに送出タイミングの補正値を加算又は乗算することにより行われる。
【0058】
送出制御部127は、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガー(基準)として、送出タイミング決定部125によって決定された送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出すように内容物送出部105の送出モータ109を制御するものである。また、送出制御部127は、封入封緘コントローラ119に内容物センサ111からの検出信号が入力されると、内容物送出部105の送出モータ109の駆動を停止するように制御するものである。
【0059】
ずらし長さ制御部129は、ずらし長さW、および、内容物用紙搬送路45における搬送速度に基づいて、送り出し間隔調整装置48で内容物Bを構成する各印刷物を送りローラ50へ送るずらしタイミングを制御するものである。
【0060】
切替制御部131は、画像読取部46で読み取った画像データが設定画像Nを有するときには搬送物を切替部正方向Jに送り、設定画像Nを有さないときには搬送物を誤内容物用紙搬送路45Fへ送給するように、切替部52の切替方向を制御するものである。
【0061】
続いて、封入封緘システム1の動作について、本実施形態の作用、効果を含めて説明する。図9、図10は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システム1の動作を説明するフローチャートである。
【0062】
作製予定の封書M毎に、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚、枚数、サイズ、設定画像N、ずらし長さW、及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚、ミシン目の有無、をPC画面40(パソコンのアプリケーションを利用する)での入力操作によって画像形成コントローラ37に入力する(図9におけるステップS1〜S3)。設定画像Nについては、例えば、複数の選定可能な画像がPC画面40に表示され、使用者がそのうちから選定するようになっている。なお、選定方式ではなく、使用者がパターン図を入力する方式にすることも可能である。また、PC画面40でなく操作パネル39から入力することも可能である。
【0063】
ステップS3の終了後に、実際に封書Mの作製を開始すると(図9におけるステップS4)、作製対象の封書Mに応じた内容物Bに関する情報(情報データ)及び封筒Eに関する情報(情報データ)が画像形成コントローラ37から封入封緘コントローラ119に送信(入力)される(図9におけるステップS5、S6)。なお、使用者がパターンを入力して設定画像Nの画像データを封入封緘コントローラ119が合成する場合には、ここで設定画像Nの合成画像も送信する。
【0064】
ステップS5、S6の後、補正値算出部123(封入封緘コントローラ119のCPU)によって第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルを参照しつつ、入力された内容物Bに関する情報(情報データ)及び封筒用紙P2の用紙厚等の封筒Eに関する情報(情報データ)に基づいて送出タイミングの補正値およびずらしタイミングを算出する(図9におけるステップS7)。更に、送出タイミング決定部125(封入封緘コントローラ119のCPU)によって、送出タイミングの補正値に基づいて送出タイミングを決定するとともに、封入封緘コントローラ119のCPUによって、ずらし長さW及び内容物用紙搬送路45の搬送速度に基づいてずらしタイミングを決定する(図9におけるステップS8)。これにより、内容物送出部105による内容物Bの送出タイミングを内容物B及び封筒Eに関する状況を加味した適切な送出タイミングに設定するとともに、各印刷物のずらしタイミングをずらし長さおよび搬送速度を加味した適切なずらしタイミングに設定することができる。
【0065】
ステップS8の終了後に、内容物用紙給紙部15から複数枚の内容物用紙P1を給紙搬送路21を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、順次給紙された内容物用紙P1を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって内容物画像データに基づいて複数枚の内容物用紙P1に順次印刷を行う(図9におけるステップS9)。この印刷時に、設定画像Nの構成部分である各内容物用紙に応じたマークG(設定画像Nの構成部分となる。例えば、図3に示すG1、G2、G3)もそれぞれ印刷される。ここで、内容物用紙P1をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって複数枚の内容物用紙P1に両面印刷を行うことができる。
【0066】
ステップS9の終了後に、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ順次送り出す。そして、複数枚の内容物用紙P1を導入搬送路43及び内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、送り出し間隔調整装置48へ順次送り出す。そして、設定されたずらしタイミングで各印刷物を送り出し間隔調整装置48から順次送り出し、送りローラ50でニップする。この結果、重ね合わせられてニップされた各印刷物は、隣接する上下の印刷物同士のずらし長さWが設定長さとなるように配列されている(図9におけるステップS10)。
【0067】
ステップS10の終了後、送りローラ50でニップされた状態(被挟持状態)の内容物Bの所定領域Aの画像を画像読取部46で読み取る(図9におけるステップS11)。
【0068】
画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119へ送られ、設定画像Nがこの画像データに形成されているか否かが判断される(図9におけるステップS12)。
【0069】
設定画像Nが形成されていないと判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されないときには、内容物Bの組み合わせが正しくないと判断され、内容物Bが誤内容物用紙搬送路45Fへ送給されるように、切替制御部131が切替部52を制御する(図9におけるステップS13)。そして、ステップS13の終了後にステップS26へ行き、次の作製対象の封書Mがある場合には、ステップS4に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0070】
設定画像Nが形成されていると判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されたときには、内容物Bが内容物用紙搬送路45をそのまま搬送されるように切替制御部131が切替部52を制御する。そして、内容物形成部55における主折りローラ57と導入ローラ59との協働により内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入し、内容物形成部55によって内容物用紙P1に折り曲げを行う(図9におけるステップS14)。
【0071】
具体的には、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と中間ローラ65の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げる。続いて、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と導出ローラ71の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出する。これにより、整合済みの内容物用紙(印刷済みの複数枚の内容物用紙)P1から内容物Bを形成して、内容物形成部55側から送り出すことができる(図10におけるステップS15)。
【0072】
ステップS15の終了後に、内容物Bを内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、回転中の送出ローラ対107の間に進入させる。そして、図6(a)に示すように、内容物センサ111によって内容物Bが封筒形成部85に接近したことを検出すると(図10におけるステップS16)、換言すれば、内容物センサ111からの検出信号が封入封緘コントローラ119に入力されると、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109の駆動を停止する。これにより、内容物Bを封筒形成部85の入口側に待機させることができる(図10におけるステップS17)。
【0073】
ステップS17の終了後に、封筒用紙給紙部23によって封筒用紙P2を給紙搬送路29を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、封筒用紙P2を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって封筒画像データに基づいて封筒用紙P2に印刷を行う(図10におけるステップS18)。ここで、封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって封筒用紙P2に両面印刷を行うことができる。
【0074】
ステップS18の終了後に、印刷済みの封筒用紙P2を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ送り出す。次に、封筒用紙P2を導入搬送路43及び封筒用紙搬送路47に沿って前折り部73側へ搬送する。そして、前折り部73における主折りローラ75と導入ローラ77の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、前折り部73によって封筒用紙P2に前折りを行う(図10におけるステップS19)。具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と導出ローラ83の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出する。
【0075】
ステップS19の終了後に、封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47に沿って封筒形成部85側へ搬送する。そして、図6(b)に示すように、封筒形成部85における主折りローラ87と導入ローラ89の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、封筒用紙センサ97によって封筒形成部85による折り曲げの開始タイミングが検出され(図10におけるステップS20)、封筒形成部85によって封筒用紙P2に折り曲げを行う(図10におけるステップS21)。
【0076】
具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と中間ローラ95の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げる。一方、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109を制御することにより、図7(a)(b)に示すように、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガーとして、送出タイミング決定部125(封入封緘コントローラ119のCPU)によって決定された送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す(図10におけるステップS22)。続いて、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と導出ローラ103の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出する。これにより、封筒用紙P2から封筒Eを内容物Bを封入した状態で形成して、封筒搬送路49側へ送り出すことができる(図10におけるステップS23)。
【0077】
なお、封筒用紙P2の折り曲げ中に、封筒用紙P2に予め塗布した水糊に水分を付着させるようになっている。
【0078】
ステップS23の終了後に、封筒Eを封筒搬送路49に沿って封緘部113側へ搬送する。そして、封緘部113における封緘ローラ対115によって封筒Eを挟持して押圧することにより、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘する(図10におけるステップS24)。これにより、封書Mの作製が終了し、封書Mを封筒搬送路49を介して封書排出部117に排出することができる(図10におけるステップS25)。
【0079】
ステップS25の終了後に、次の作製対象の封書Mがある場合には(図10におけるステップS26)、ステップS4に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0080】
ここで、封入封緘システム1の動作は、前述のステップの順番に限定されるものでなく、例えば、ステップS18をステップS10又はステップS9の前に実行する等の適宜の変更を行っても構わない。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、設定したずらし長さWで複数種の印刷物P1を搬送方向に相互にずらして配列させると設定画像Nが所定領域Aに形成されるように、複数種の印刷物P1の各々に設定画像Nの一部であるマークG(例えば、印刷物P1が3種のときはG1、G2、G3)を印刷部9で印刷する。そして、この複数種の印刷物P1の各々を搬送方向にこのずらし長さWで相互にずらして配列させ、上記の所定領域Aの画像を読み取ってずらし整合の判断を行っている。すなわち、設定画像Nが検出されれば複数種の印刷物P1の組み合わせが正しいと判断して折り曲げ加工を行って封緘し、設定画像Nが検出されなければ組み合わせが間違っていると判断してこの複数種の印刷物P1を誤内容物排出口54から排出する。
【0082】
従って、封緘する内容物Bの組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを正しく検出することができる封入封緘システム1が実現される。
【0083】
また、本実施形態では、封入封緘システム1の画像読取部46で画像を読み取って封入封緘コントローラ119で設定画像Nの有無を判断するので、短時間で簡単に検出することができ、しかも装置構成が簡単になる。そして、設定画像Nが形成されていないものは封緘された封筒とは別の排出口、すなわち誤内容物排出口54から排出されるので、複数種の印刷物P1が設定どおりの組み合わせでない場合には、封緘されて排出される封筒とは自動的に分別されて排出される。
【0084】
また、折り曲げ加工する前に設定画像Nの検出を行っているので、誤内容物排出口54から排出されたものは折り曲げ加工されていない。従って、設定どおりの組み合わせでない印刷物が形成されず、誤内容物排出口54から排出された印刷物を再利用することができる。なお、図3の二点鎖線で示すように、画像読取部46を、折り曲げ加工後の内容物Bに対し、所定領域Aの画像を読み取る配置とすることも可能である。
【0085】
また、設定画像Nが配達先住所氏名であってもよい。これにより、内容物Bが設定した組み合わせでない場合で仮に発送がされたとしても、配達先住所氏名が正しくないので誰にも届かなくて済み、発送者の住所氏名が記載されていると発送者に戻ってくる。
【0086】
また、本実施形態では、送り出し間隔調整装置48で、送りローラ50のニップ位置に向けて、複数種の印刷物P1を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給することで、複数種の印刷物P1を一定方向に設定長さでずらしてニップして送ることができるので、封入封緘システム1の装置構成が簡単である。なお、送出タイミングの補正値を算出する際にずらし長さWも考慮して算出するシステムにすることにより、送り出し間隔調整装置48を設けない構成にすることが可能である。送り出し間隔調整装置48を設ける場合には送出タイミングの補正値の算出が容易であり、送り出し間隔調整装置48を設けない場合には部品点数が低減する、というそれぞれの効果が得られる。
【0087】
また、本実施形態では、封書Mはラッピングメールに限らず、各印刷物の各マークGによって形成される設定画像Nが封筒Eの外側から使用者が目視で視認できるように、封筒用紙P2として、設定画像Nが形成される領域に透明シートSが配置されるように、透明シートSが配置された封筒用紙を用いてもよい。これにより、内容物Bの組み合わせが正しいことが目視でも確認され得る。透明シートSを設けずに切欠とすることも可能である。切欠にする場合では、封筒用紙P2として、予め切欠が形成された封筒用紙を用いてもよいし、封入封緘装置5で通常の封筒用紙P2に切欠を形成してもよい。
【0088】
なお、このように、内容物Bの組み合わせが正しいことが目視で確認され得る構成であれば、画像読取部46や切替部52などを設けずに、排出された封書Mを目視して内容物Bの組み合わせの正誤を判断することも可能であり、装置構成を大幅に簡素化することができる。
【0089】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図11は、本実施形態の封入封緘システムで封書Mが形成されることを説明する説明図である。図12、図13は、それぞれ、本実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【0090】
本実施形態では、封筒Eの表紙にも設定画像Nの一部を形成し、設定画像Nの有無を判断して組み合わせの正誤を判断する例である。印刷部9は、印刷物の設定領域に、印刷物の種類に応じたマークG(例えば、G1、G2、G3)を印刷するとともに、封筒用紙P2に印刷する際、封筒Eの設定領域(マークを印刷すべき領域)に、封筒Eに応じたマークHを印刷するようになっている。そして、内容物である複数種の印刷物P1の各マークGおよび封筒EのマークHによって、所定領域Aに設定画像Nが形成されるようになっている。ここで、内容物の各マークGが封筒外側から見えるように、封筒Eの所定領域Aには上記の透明シートSが配置されている。
【0091】
図12、図13を用いて具体的に説明すると、第1実施形態と同様に、内容物に関する情報(内容物用紙P1の用紙厚、枚数、サイズ、設定画像N、ずらし長さW、及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚、ミシン目の有無、など)をPC画面40の入力操作(操作パネル39の入力操作でも可能)によって画像形成コントローラ37に入力する(ステップS101〜S103)。そして、封書Mの作製を開始し、封筒に関する情報が封入封緘コントローラに送信される(ステップS104〜106)。そして送出タイミングの補正値およびずらしタイミングを算出し、各内容物用紙に印刷を行い、各内容物用紙を設定長さずらして配列させる(ステップS107〜110)。
【0092】
その後、本実施形態では、内容物用紙を折り曲げて内容物を形成し(ステップS111〜112)、さらに、第1実施形態と同様に、封筒用紙に印刷、封筒用紙の前折り、センサによる検出、折り曲げを行い(ステップS113〜117)、送出タイミングに合わせて内容物を送り出し、封筒を形成して封緘する(ステップS118〜120)。
【0093】
そして、画像読取部46で所定領域Aの画像を読取る(SステップS121)。画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119へ送られ、読み取った画像に設定画像Nが形成されているか否かが判断される(ステップS122)。
【0094】
設定画像Nが形成されていないと判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されないときには、内容物B(複数種の印刷物)の組み合わせ、または、この内容物と封筒Eとの組み合わせが正しくないと判断され、搬送路が切り替えられて、封書Mが廃棄用の排出口から排出される(ステップS123)。ステップS123の終了後にステップS125へ行き、次の作製対象の封書Mがある場合には、ステップS104に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0095】
設定画像Nが形成されていると判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されたときには、封書Mがそのまま搬送されて、正しい組み合わせと判断されたときの排出口から封書Mが排出される(ステップS124)。そして、次の作製対象の封書Mがある場合には(ステップS125)、ステップS104に戻って、ステップS104以下の処理を実行する。
【0096】
このように、本実施形態では、内容物を構成する複数種の印刷物P1が設定した組み合わせの印刷物であり、かつ、複数種の印刷物P1と封筒Eとが設定した組み合わせの封書Mである場合、露出した各マークによって設定画像Nが形成される。その他の場合、すなわち組み合わせが間違っている場合、設定画像Nは形成されない。従って、封筒Eとの組み合わせまで含めて、組み合わせの正誤判断を更に正しく行う封入封緘システムとすることができる。
【0097】
なお、本実施形態では、透明シートSによって、複数種の印刷物P1の各マークG(例えばG、G2、G3)が目視可能なので、各マークGおよびマークHによって形成される設定画像Nが封筒Eの外側から使用者が目視できる。従って、第1実施形態と同様、画像読取部46や切替部52などを設けずに、排出された封書Mを目視して内容物Bの組み合わせの正誤を判断することも可能であり、装置構成を大幅に簡素化することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 封入封緘システム
5 封入封緘装置(折り曲げ封緘手段)
9 印刷部(印刷手段)
44 配列部(重ね手段)
48 送り出し間隔調整装置
50 送りローラ
52 切替部
119 封入封緘コントローラ(制御手段)
A 所定領域
E 封筒
G マーク
H マーク
N 設定画像
P1 複数種の印刷物
W ずらし長さ(設定長さ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘する封入封緘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘することが広く行われている。この場合、通常、封入封緘システムを用い、封筒に入れる印刷物を印刷し、複数枚の印刷物が封筒に入るように折りたたみ、封筒に内包するように封緘している。
【0003】
例えば、特許文献1では、宛名シートとそれに続くデータシートとを封緘することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−273109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、封緘装置から排出された封筒は封緘済みである。このため、ジャムやデータ不整合などにより、封緘される内容物が設定どおりの内容物となっていない場合であっても、これを確認することができない。
【0006】
なお、バーコードなどを印刷して一枚ずつスキャンすることで設定どおりの内容物となっているかを確認することが一般的に知られているが、インクのにじみ等がある場合や、重ねて折りたたまれている場合では、正しく検出することができない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、封緘する内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴は、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷する印刷手段と、前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、前記重ね手段を制御し、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、を備えることにある。
【0009】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴は、印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷するとともに、封緘用の封筒の設定領域に該封筒に応じたマークを印刷する印刷手段と、前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、前記重ね手段で重ねられた各印刷物を折り曲げて前記封筒で封緘する折り曲げ封緘手段と、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物および前記封筒に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、を備えることにある。
【0010】
なお、上記の第1の特徴および第2の特徴では、前記設定画像を配達先住所氏名としてもよい。
【0011】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴は、前記重ね手段として、前記画像読取部の上流側に設けられ、印刷物をニップして送る送りローラと、前記送りローラのニップ位置に向けて、前記複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給する送り出し間隔調整手段と、を設けたことにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴によれば、複数種の印刷物が設定した組み合わせの印刷物である場合、重ねられた複数種の印刷物には設定画像が形成されるので、封緘する内容物の組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムとすることができる。
【0013】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴によれば、複数種の印刷物が設定した組み合わせの印刷物であり、かつ、組み合わせの印刷物と封筒とが設定した組み合わせの封書である場合、重ねられた複数種の印刷物と封緘する封筒とによって設定画像が形成されるので、請求項1に記載の発明に比べ、封筒まで含めて設定どおりの組み合わせか否かを容易に判別することが可能な封入封緘システムとすることができる。
【0014】
なお、上記の第1の特徴および第2の特徴では、前記設定画像を配達先住所氏名とすることで、内容物や封筒が設定した組み合わせでない場合で仮に発送がされたとしても、配達先住所氏名が正しくないので誰にも届かなくて済み、発送者の住所氏名が記載されていると発送者に戻ってくるため、誤配を防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴によれば、送り出し間隔調整手段で、送りローラのニップ位置に向けて、複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給することで、複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらしてニップして送ることができるので、装置構成が簡単になる。
【0016】
なお、上記設定画像の判別については、目視で行われても良いし、コントローラに出力された設定画像と読み取り手段が結果物の所定領域を読み取った画像とをコントローラが比較することにより行われても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。
【図2】第1実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。
【図3】第1実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成される過程を説明する説明図である。
【図4】第1実施形態で設定画像が形成されることについて説明する説明図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、第1実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、第1実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である。
【図7】(a)〜(h)は、それぞれ、第1実施形態で印刷物を一定方向に設定長さで相互にずらして配列させることを説明する工程毎の模式的な斜視図である。
【図8】第1実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。
【図9】第1実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】第1実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態の封入封緘システムで封書が形成されることを説明する説明図である。
【図12】第2実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、すでに説明したものと同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0019】
また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また、以下の実施の形態では、例えば孔版印刷やインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。また、封緘する印刷物の種類の数(印刷物の枚数)も特に限定されるものではない。
【0020】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容部用紙等の搬送方向から見て下流ことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
【0021】
図1は、本実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。図2は、本実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。図3は、本実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成される過程を説明する説明図である。図4は、図3で設定画像が形成されることについて説明する説明図である。図5(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の側面断面図である。図6(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムにおける封筒形成部及び内容物送出部の動作を説明する工程毎の側面断面図である。図6は図5に連続する工程を示しており、また、図5、図6では、内容物及び封筒用紙は模式的に示してある。図7(a)〜(h)は、それぞれ、本実施形態で印刷物を一定方向に設定長さで相互にずらして配列させることを説明する工程毎の模式的な斜視図である。図8は、本実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。
【0022】
図1、図2に示すように、本実施形態の封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
【0023】
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0024】
この印刷部9は、各内容物用紙に印刷を行う際に各内容物用紙に応じた後述のマークGも、マークGを印刷すべき領域(以下、本明細書で設定領域という)に印刷するように制御されている。配達する内容物(複数種の印刷物)の組み合わせが正しい組み合わせである場合には、このマークGによって設定画像Nが形成されるようになっている。
【0025】
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0026】
また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、下流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の上流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0027】
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0028】
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
【0029】
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0030】
装置筐体7内の適宜位置には、画像形成コントローラ37が設けられており、この画像形成コントローラ37は、印刷部9、内容物用紙給紙部15、封筒用紙給紙部23等の動作を制御するものである。また、画像形成コントローラ37は、画像形成に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、画像形成に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えている。更に、装置筐体7の上部には操作パネル39が設けられている。操作パネル39やプリンタドライバがインストールされたPCのPC画面40(図8参照。外部に接続されたパソコンの画面)は、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚,枚数,サイズ及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚,ミシン目の有無を入力可能であって、画像形成コントローラ37に電気的に接続されている。そして、封入封緘システム1では、PC画面40によって内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるとともに、操作パネル39から内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるようにされている。
【0031】
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0032】
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0033】
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0034】
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0035】
内容物用紙搬送路45の途中には、複数種の印刷物(複数枚の印刷物用紙)P1(例えば、図3に示すようなP1K、P1L、P1Mの3種類の印刷物)を搬送方向にずらし長さW(設定長さ。図3参照)で順次ずらして配列させ、これを重ねた状態で送り出す配列部44と、配列部44から送り出された複数種の印刷物P1の所定領域A(図3参照)の画像データを読み取る画像読取部46と、が設けられている。所定領域Aとは、複数種の印刷物P1を設定長さでずらして重ねることによって後述の各マークGを露出させる領域のことである。配列部44は、搬送されてきた複数種の印刷物P1を一定時間ずらして送給する送り出し間隔調整装置48と、送り出し間隔調整装置48の下流側に配置され、送り出し間隔調整装置48から送給された複数種の印刷物P1をニップして 送り出す送りローラ50と、を備えている。送り出し間隔調整装置48は、図7に示すように、送り出された印刷物を両側方からそれぞれ案内する案内板48Sを備えている。この案内板48Sは、案内する間隔が可変なように、サイド方向(印刷物の搬送方向と直交する方向)に移動可能にされている。そして、送りローラ50に向けて印刷物が送給されたときに、印刷物がニップされる前に印刷物を両サイドから案内することで、印刷物のサイド方向の位置合わせを行っている。
【0036】
また、画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119に送信され、設定画像N(図4参照)の有無が封入封緘コントローラ119で判断される。なお、設定画像Nとしては、特に限定しないが、図3に示すように、封書Mの短手方向に細長い棒状の画像や、「OK」の文字を形成する画像、二重丸の画像、などが挙げられる。
【0037】
そして、画像読取部46の下流側には、封入封緘コントローラ119によって搬送路の切替制御がされる切替部52が設けられている。封入封緘コントローラ119は、画像読取部46で読み取った画像データで設定画像Nが検出されると、切替部正方向J、すなわち内容物用紙搬送路45の連続方向へ内容物Bをそのまま送給し、設定画像Nが検出されないときには内容物Bを誤内容物用紙搬送路45Fへ送給するように、切替部52の切替方向を制御する。誤内容物用紙搬送路45Fの下流端は、封入封緘装置5の上部に設けられた誤内容物排出口54に繋がっている。
【0038】
内容物用紙搬送路45の切替部正方向Jの下流側には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、設定画像Nが検出された複数種の印刷物P1を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
【0039】
装置筐体41内における切替部正方向Jの下流側には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
【0040】
装置筐体41内における主折りローラ57の左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
【0041】
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0042】
封筒用紙搬送路47の途中には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
【0043】
装置筐体41内における封筒用紙搬送路47の途中には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出するものである。
【0044】
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0045】
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
【0046】
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、中間ローラ95が回転可能に設けられており、この中間ローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
【0047】
装置筐体41内におけるガイド板91の近傍には、反射型の光電センサ等の封筒用紙センサ97が設けられており、この封筒用紙センサ97は、封筒用紙P2が突当て部材93に近接したこと、換言すれば、封筒形成部85による(主折りローラ87と中間ローラ95の協働による)封筒用紙P2の折り曲げの開始タイミングを検出するものである。
【0048】
装置筐体41内における主折りローラ87の右側には、主折りローラ87と中間ローラ95によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板99が設けられている。また、ガイド板99には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材101が設けられており、この突当て部材101は、適宜の第5位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板99に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ中間ローラ95に対向した位置には、導出ローラ103が回転可能に設けられており、この導出ローラ103は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路49側へ導出するものである。
【0049】
ここで、主折りローラ87、導入ローラ89、中間ローラ95、及び導出ローラ103は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0050】
内容物用紙搬送路45の途中における封筒形成部85の入口側(上流側)には、内容物送出部105が設けられており、この内容物送出部105は、内容物形成部55から送り出された内容物Bを、折り曲げ線P2bから折り曲げ中の封筒用紙P2に封入されるように封筒形成部85側へ送り出すものである。また、内容物送出部105は、内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す送出ローラ対107を備えており、送出ローラ対107は、適宜の送出モータ109(図6(a)(b)の駆動により回転可能である。更に、装置筐体41内における送出ローラ対107の近傍には、反射型の光電センサ等の内容物センサ111が設けられており、この内容物センサ111は、内容物B(の先端)が封筒形成部85に接近したことを検出するものである。
【0051】
封筒搬送路49の途中には、封緘部113が設けられており、この封緘部113は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部113は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対115を備えており、この封緘ローラ対115は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対115によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤及び水糊の接着作用によって封緘されるようになっている。そして、装置筐体41の上部における封筒搬送路49の出口側(下流端側)には、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部117が設けられている。
【0052】
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
【0053】
図8は、本実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。図8に示すように、装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ119が設けられており、この封入封緘コントローラ119は、配列部44、切替部52、内容物形成部55、前折り部73、封筒形成部85、内容物送出部105、及び封緘部113等の動作を制御するものである。また、封入封緘コントローラ119は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ119には、画像形成コントローラ37、画像読取部46、封筒用紙センサ97、および、内容物センサ111が電気的に接続してある。
【0054】
更に、封入封緘コントローラ119のメモリは、テーブル記憶部121としての機能を有し、封入封緘コントローラ119のCPUは、補正値算出部123としての機能、送出タイミング決定部125としての機能、送出制御部127としての機能、ずらし長さ制御部129としての機能、および、切替部52の切替制御部131としての機能を有している。そして、テーブル記憶部121、補正値算出部123、送出タイミング決定部125、及び送出制御部127の具体的な内容は、次のようになる。
【0055】
テーブル記憶部121は、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚と送出タイミングの補正値との関係を示す第1内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の枚数と送出タイミングの補正値との関係を示す第2内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1のサイズと送出タイミングの補正値との関係を示す第3内容物用補正テーブル、内容物Bに関する情報としての内容物P1の各用紙のずらし長さと送り出し間隔調整装置48からの送出し時間のずれとの関係を示す第4内容物用補正テーブル、封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚と送出タイミングの補正値との関係を示す第1封筒用補正テーブル、および、封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2のミシン目の有無と送出タイミングの補正値との関係を示す第2封筒用補正テーブルを記憶するものである。なお、テーブル記憶部121は、第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルの他に、内容物用紙P1の用紙厚等以外の内容物Bに関する情報と送出タイミングの補正値を示す別の内容物用補正テーブル、及び封筒用紙P2の用紙厚等以外の封筒Eに関する情報と送出タイミングの補正値との関係を示す別の封筒用補正テーブルを記憶するようにしても構わない。
【0056】
補正値算出部123は、テーブル記憶部121に記憶された第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルを参照しつつ、封入封緘コントローラ119に入力された内容物用紙P1の用紙厚,枚数,サイズ、ずらし長さ、及び封筒用紙P2の用紙厚,ミシン目の有無に基づいて内容物送出部105による内容物Bの送出タイミングの補正値を算出するものである。ここで、送出タイミングの補正値の算出に用いられる算出式は、予め実験的に取得してある。
【0057】
送出タイミング決定部125は、補正値算出部123によって算出された送出タイミングの補正値に基づいて送出タイミングを決定するものである。ここで、送出タイミングの決定は、例えば予め実験的に取得した基準の送出タイミングに送出タイミングの補正値を加算又は乗算することにより行われる。
【0058】
送出制御部127は、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガー(基準)として、送出タイミング決定部125によって決定された送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出すように内容物送出部105の送出モータ109を制御するものである。また、送出制御部127は、封入封緘コントローラ119に内容物センサ111からの検出信号が入力されると、内容物送出部105の送出モータ109の駆動を停止するように制御するものである。
【0059】
ずらし長さ制御部129は、ずらし長さW、および、内容物用紙搬送路45における搬送速度に基づいて、送り出し間隔調整装置48で内容物Bを構成する各印刷物を送りローラ50へ送るずらしタイミングを制御するものである。
【0060】
切替制御部131は、画像読取部46で読み取った画像データが設定画像Nを有するときには搬送物を切替部正方向Jに送り、設定画像Nを有さないときには搬送物を誤内容物用紙搬送路45Fへ送給するように、切替部52の切替方向を制御するものである。
【0061】
続いて、封入封緘システム1の動作について、本実施形態の作用、効果を含めて説明する。図9、図10は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システム1の動作を説明するフローチャートである。
【0062】
作製予定の封書M毎に、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚、枚数、サイズ、設定画像N、ずらし長さW、及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚、ミシン目の有無、をPC画面40(パソコンのアプリケーションを利用する)での入力操作によって画像形成コントローラ37に入力する(図9におけるステップS1〜S3)。設定画像Nについては、例えば、複数の選定可能な画像がPC画面40に表示され、使用者がそのうちから選定するようになっている。なお、選定方式ではなく、使用者がパターン図を入力する方式にすることも可能である。また、PC画面40でなく操作パネル39から入力することも可能である。
【0063】
ステップS3の終了後に、実際に封書Mの作製を開始すると(図9におけるステップS4)、作製対象の封書Mに応じた内容物Bに関する情報(情報データ)及び封筒Eに関する情報(情報データ)が画像形成コントローラ37から封入封緘コントローラ119に送信(入力)される(図9におけるステップS5、S6)。なお、使用者がパターンを入力して設定画像Nの画像データを封入封緘コントローラ119が合成する場合には、ここで設定画像Nの合成画像も送信する。
【0064】
ステップS5、S6の後、補正値算出部123(封入封緘コントローラ119のCPU)によって第1内容物用補正テーブル、第2内容物用補正テーブル、第3内容物用補正テーブル、第4内容物用補正テーブル、第1封筒用補正テーブル、及び第2封筒用補正テーブルを参照しつつ、入力された内容物Bに関する情報(情報データ)及び封筒用紙P2の用紙厚等の封筒Eに関する情報(情報データ)に基づいて送出タイミングの補正値およびずらしタイミングを算出する(図9におけるステップS7)。更に、送出タイミング決定部125(封入封緘コントローラ119のCPU)によって、送出タイミングの補正値に基づいて送出タイミングを決定するとともに、封入封緘コントローラ119のCPUによって、ずらし長さW及び内容物用紙搬送路45の搬送速度に基づいてずらしタイミングを決定する(図9におけるステップS8)。これにより、内容物送出部105による内容物Bの送出タイミングを内容物B及び封筒Eに関する状況を加味した適切な送出タイミングに設定するとともに、各印刷物のずらしタイミングをずらし長さおよび搬送速度を加味した適切なずらしタイミングに設定することができる。
【0065】
ステップS8の終了後に、内容物用紙給紙部15から複数枚の内容物用紙P1を給紙搬送路21を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、順次給紙された内容物用紙P1を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって内容物画像データに基づいて複数枚の内容物用紙P1に順次印刷を行う(図9におけるステップS9)。この印刷時に、設定画像Nの構成部分である各内容物用紙に応じたマークG(設定画像Nの構成部分となる。例えば、図3に示すG1、G2、G3)もそれぞれ印刷される。ここで、内容物用紙P1をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって複数枚の内容物用紙P1に両面印刷を行うことができる。
【0066】
ステップS9の終了後に、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ順次送り出す。そして、複数枚の内容物用紙P1を導入搬送路43及び内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、送り出し間隔調整装置48へ順次送り出す。そして、設定されたずらしタイミングで各印刷物を送り出し間隔調整装置48から順次送り出し、送りローラ50でニップする。この結果、重ね合わせられてニップされた各印刷物は、隣接する上下の印刷物同士のずらし長さWが設定長さとなるように配列されている(図9におけるステップS10)。
【0067】
ステップS10の終了後、送りローラ50でニップされた状態(被挟持状態)の内容物Bの所定領域Aの画像を画像読取部46で読み取る(図9におけるステップS11)。
【0068】
画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119へ送られ、設定画像Nがこの画像データに形成されているか否かが判断される(図9におけるステップS12)。
【0069】
設定画像Nが形成されていないと判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されないときには、内容物Bの組み合わせが正しくないと判断され、内容物Bが誤内容物用紙搬送路45Fへ送給されるように、切替制御部131が切替部52を制御する(図9におけるステップS13)。そして、ステップS13の終了後にステップS26へ行き、次の作製対象の封書Mがある場合には、ステップS4に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0070】
設定画像Nが形成されていると判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されたときには、内容物Bが内容物用紙搬送路45をそのまま搬送されるように切替制御部131が切替部52を制御する。そして、内容物形成部55における主折りローラ57と導入ローラ59との協働により内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入し、内容物形成部55によって内容物用紙P1に折り曲げを行う(図9におけるステップS14)。
【0071】
具体的には、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と中間ローラ65の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げる。続いて、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と導出ローラ71の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出する。これにより、整合済みの内容物用紙(印刷済みの複数枚の内容物用紙)P1から内容物Bを形成して、内容物形成部55側から送り出すことができる(図10におけるステップS15)。
【0072】
ステップS15の終了後に、内容物Bを内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、回転中の送出ローラ対107の間に進入させる。そして、図6(a)に示すように、内容物センサ111によって内容物Bが封筒形成部85に接近したことを検出すると(図10におけるステップS16)、換言すれば、内容物センサ111からの検出信号が封入封緘コントローラ119に入力されると、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109の駆動を停止する。これにより、内容物Bを封筒形成部85の入口側に待機させることができる(図10におけるステップS17)。
【0073】
ステップS17の終了後に、封筒用紙給紙部23によって封筒用紙P2を給紙搬送路29を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、封筒用紙P2を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって封筒画像データに基づいて封筒用紙P2に印刷を行う(図10におけるステップS18)。ここで、封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって封筒用紙P2に両面印刷を行うことができる。
【0074】
ステップS18の終了後に、印刷済みの封筒用紙P2を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ送り出す。次に、封筒用紙P2を導入搬送路43及び封筒用紙搬送路47に沿って前折り部73側へ搬送する。そして、前折り部73における主折りローラ75と導入ローラ77の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、前折り部73によって封筒用紙P2に前折りを行う(図10におけるステップS19)。具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と導出ローラ83の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出する。
【0075】
ステップS19の終了後に、封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47に沿って封筒形成部85側へ搬送する。そして、図6(b)に示すように、封筒形成部85における主折りローラ87と導入ローラ89の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、封筒用紙センサ97によって封筒形成部85による折り曲げの開始タイミングが検出され(図10におけるステップS20)、封筒形成部85によって封筒用紙P2に折り曲げを行う(図10におけるステップS21)。
【0076】
具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と中間ローラ95の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げる。一方、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109を制御することにより、図7(a)(b)に示すように、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガーとして、送出タイミング決定部125(封入封緘コントローラ119のCPU)によって決定された送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す(図10におけるステップS22)。続いて、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と導出ローラ103の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出する。これにより、封筒用紙P2から封筒Eを内容物Bを封入した状態で形成して、封筒搬送路49側へ送り出すことができる(図10におけるステップS23)。
【0077】
なお、封筒用紙P2の折り曲げ中に、封筒用紙P2に予め塗布した水糊に水分を付着させるようになっている。
【0078】
ステップS23の終了後に、封筒Eを封筒搬送路49に沿って封緘部113側へ搬送する。そして、封緘部113における封緘ローラ対115によって封筒Eを挟持して押圧することにより、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘する(図10におけるステップS24)。これにより、封書Mの作製が終了し、封書Mを封筒搬送路49を介して封書排出部117に排出することができる(図10におけるステップS25)。
【0079】
ステップS25の終了後に、次の作製対象の封書Mがある場合には(図10におけるステップS26)、ステップS4に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0080】
ここで、封入封緘システム1の動作は、前述のステップの順番に限定されるものでなく、例えば、ステップS18をステップS10又はステップS9の前に実行する等の適宜の変更を行っても構わない。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、設定したずらし長さWで複数種の印刷物P1を搬送方向に相互にずらして配列させると設定画像Nが所定領域Aに形成されるように、複数種の印刷物P1の各々に設定画像Nの一部であるマークG(例えば、印刷物P1が3種のときはG1、G2、G3)を印刷部9で印刷する。そして、この複数種の印刷物P1の各々を搬送方向にこのずらし長さWで相互にずらして配列させ、上記の所定領域Aの画像を読み取ってずらし整合の判断を行っている。すなわち、設定画像Nが検出されれば複数種の印刷物P1の組み合わせが正しいと判断して折り曲げ加工を行って封緘し、設定画像Nが検出されなければ組み合わせが間違っていると判断してこの複数種の印刷物P1を誤内容物排出口54から排出する。
【0082】
従って、封緘する内容物Bの組み合わせが設定どおりの組み合わせか否かを正しく検出することができる封入封緘システム1が実現される。
【0083】
また、本実施形態では、封入封緘システム1の画像読取部46で画像を読み取って封入封緘コントローラ119で設定画像Nの有無を判断するので、短時間で簡単に検出することができ、しかも装置構成が簡単になる。そして、設定画像Nが形成されていないものは封緘された封筒とは別の排出口、すなわち誤内容物排出口54から排出されるので、複数種の印刷物P1が設定どおりの組み合わせでない場合には、封緘されて排出される封筒とは自動的に分別されて排出される。
【0084】
また、折り曲げ加工する前に設定画像Nの検出を行っているので、誤内容物排出口54から排出されたものは折り曲げ加工されていない。従って、設定どおりの組み合わせでない印刷物が形成されず、誤内容物排出口54から排出された印刷物を再利用することができる。なお、図3の二点鎖線で示すように、画像読取部46を、折り曲げ加工後の内容物Bに対し、所定領域Aの画像を読み取る配置とすることも可能である。
【0085】
また、設定画像Nが配達先住所氏名であってもよい。これにより、内容物Bが設定した組み合わせでない場合で仮に発送がされたとしても、配達先住所氏名が正しくないので誰にも届かなくて済み、発送者の住所氏名が記載されていると発送者に戻ってくる。
【0086】
また、本実施形態では、送り出し間隔調整装置48で、送りローラ50のニップ位置に向けて、複数種の印刷物P1を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給することで、複数種の印刷物P1を一定方向に設定長さでずらしてニップして送ることができるので、封入封緘システム1の装置構成が簡単である。なお、送出タイミングの補正値を算出する際にずらし長さWも考慮して算出するシステムにすることにより、送り出し間隔調整装置48を設けない構成にすることが可能である。送り出し間隔調整装置48を設ける場合には送出タイミングの補正値の算出が容易であり、送り出し間隔調整装置48を設けない場合には部品点数が低減する、というそれぞれの効果が得られる。
【0087】
また、本実施形態では、封書Mはラッピングメールに限らず、各印刷物の各マークGによって形成される設定画像Nが封筒Eの外側から使用者が目視で視認できるように、封筒用紙P2として、設定画像Nが形成される領域に透明シートSが配置されるように、透明シートSが配置された封筒用紙を用いてもよい。これにより、内容物Bの組み合わせが正しいことが目視でも確認され得る。透明シートSを設けずに切欠とすることも可能である。切欠にする場合では、封筒用紙P2として、予め切欠が形成された封筒用紙を用いてもよいし、封入封緘装置5で通常の封筒用紙P2に切欠を形成してもよい。
【0088】
なお、このように、内容物Bの組み合わせが正しいことが目視で確認され得る構成であれば、画像読取部46や切替部52などを設けずに、排出された封書Mを目視して内容物Bの組み合わせの正誤を判断することも可能であり、装置構成を大幅に簡素化することができる。
【0089】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図11は、本実施形態の封入封緘システムで封書Mが形成されることを説明する説明図である。図12、図13は、それぞれ、本実施形態に係る封入封緘システムの動作を説明するフローチャートである。
【0090】
本実施形態では、封筒Eの表紙にも設定画像Nの一部を形成し、設定画像Nの有無を判断して組み合わせの正誤を判断する例である。印刷部9は、印刷物の設定領域に、印刷物の種類に応じたマークG(例えば、G1、G2、G3)を印刷するとともに、封筒用紙P2に印刷する際、封筒Eの設定領域(マークを印刷すべき領域)に、封筒Eに応じたマークHを印刷するようになっている。そして、内容物である複数種の印刷物P1の各マークGおよび封筒EのマークHによって、所定領域Aに設定画像Nが形成されるようになっている。ここで、内容物の各マークGが封筒外側から見えるように、封筒Eの所定領域Aには上記の透明シートSが配置されている。
【0091】
図12、図13を用いて具体的に説明すると、第1実施形態と同様に、内容物に関する情報(内容物用紙P1の用紙厚、枚数、サイズ、設定画像N、ずらし長さW、及び封筒Eに関する情報としての封筒用紙P2の用紙厚、ミシン目の有無、など)をPC画面40の入力操作(操作パネル39の入力操作でも可能)によって画像形成コントローラ37に入力する(ステップS101〜S103)。そして、封書Mの作製を開始し、封筒に関する情報が封入封緘コントローラに送信される(ステップS104〜106)。そして送出タイミングの補正値およびずらしタイミングを算出し、各内容物用紙に印刷を行い、各内容物用紙を設定長さずらして配列させる(ステップS107〜110)。
【0092】
その後、本実施形態では、内容物用紙を折り曲げて内容物を形成し(ステップS111〜112)、さらに、第1実施形態と同様に、封筒用紙に印刷、封筒用紙の前折り、センサによる検出、折り曲げを行い(ステップS113〜117)、送出タイミングに合わせて内容物を送り出し、封筒を形成して封緘する(ステップS118〜120)。
【0093】
そして、画像読取部46で所定領域Aの画像を読取る(SステップS121)。画像読取部46で読み取った画像データは封入封緘コントローラ119へ送られ、読み取った画像に設定画像Nが形成されているか否かが判断される(ステップS122)。
【0094】
設定画像Nが形成されていないと判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されないときには、内容物B(複数種の印刷物)の組み合わせ、または、この内容物と封筒Eとの組み合わせが正しくないと判断され、搬送路が切り替えられて、封書Mが廃棄用の排出口から排出される(ステップS123)。ステップS123の終了後にステップS125へ行き、次の作製対象の封書Mがある場合には、ステップS104に戻って、ステップS4以下の処理を実行する。
【0095】
設定画像Nが形成されていると判断されたとき、すなわち設定画像Nが検出されたときには、封書Mがそのまま搬送されて、正しい組み合わせと判断されたときの排出口から封書Mが排出される(ステップS124)。そして、次の作製対象の封書Mがある場合には(ステップS125)、ステップS104に戻って、ステップS104以下の処理を実行する。
【0096】
このように、本実施形態では、内容物を構成する複数種の印刷物P1が設定した組み合わせの印刷物であり、かつ、複数種の印刷物P1と封筒Eとが設定した組み合わせの封書Mである場合、露出した各マークによって設定画像Nが形成される。その他の場合、すなわち組み合わせが間違っている場合、設定画像Nは形成されない。従って、封筒Eとの組み合わせまで含めて、組み合わせの正誤判断を更に正しく行う封入封緘システムとすることができる。
【0097】
なお、本実施形態では、透明シートSによって、複数種の印刷物P1の各マークG(例えばG、G2、G3)が目視可能なので、各マークGおよびマークHによって形成される設定画像Nが封筒Eの外側から使用者が目視できる。従って、第1実施形態と同様、画像読取部46や切替部52などを設けずに、排出された封書Mを目視して内容物Bの組み合わせの正誤を判断することも可能であり、装置構成を大幅に簡素化することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 封入封緘システム
5 封入封緘装置(折り曲げ封緘手段)
9 印刷部(印刷手段)
44 配列部(重ね手段)
48 送り出し間隔調整装置
50 送りローラ
52 切替部
119 封入封緘コントローラ(制御手段)
A 所定領域
E 封筒
G マーク
H マーク
N 設定画像
P1 複数種の印刷物
W ずらし長さ(設定長さ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、
前記重ね手段を制御し、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入封緘システム。
【請求項2】
印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷するとともに、封緘用の封筒の設定領域に該封筒に応じたマークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、
前記重ね手段で重ねられた各印刷物を折り曲げて前記封筒で封緘する折り曲げ封緘手段と、
前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物および前記封筒に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入封緘システム。
【請求項3】
前記重ね手段として、
前記画像読取部の上流側に設けられ、印刷物をニップして送る送りローラと、
前記送りローラのニップ位置に向けて、前記複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給する送り出し間隔調整手段と、
を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の封入封緘システム。
【請求項1】
印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、
前記重ね手段を制御し、前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入封緘システム。
【請求項2】
印刷物の設定領域に印刷物の種類に応じたマークを印刷するとともに、封緘用の封筒の設定領域に該封筒に応じたマークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された複数種の印刷物を一定方向に設定長さでずらして重ねることで、前記複数種の印刷物の各マークを露出させる重ね手段と、
前記重ね手段で重ねられた各印刷物を折り曲げて前記封筒で封緘する折り曲げ封緘手段と、
前記重ね手段で重ねられた前記複数種の印刷物および前記封筒に係る各マークによって設定画像を形成する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入封緘システム。
【請求項3】
前記重ね手段として、
前記画像読取部の上流側に設けられ、印刷物をニップして送る送りローラと、
前記送りローラのニップ位置に向けて、前記複数種の印刷物を構成する各印刷物を一定時間ずつずらして送給する送り出し間隔調整手段と、
を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の封入封緘システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−6388(P2013−6388A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141913(P2011−141913)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
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