射出成形されたプラスチック製のマスカラ・ブラシ
【課題】マスカラの容器から顔への移動と、マスカラのまつげへの塗布の両方に対して使用でき、高度な塗布を可能にするために、単純な円筒形および/または円形の断面をした円錐形の外形を備えている、均一に配分された毛の配列以外の構造を有するマスカラ・ブラシを提供する。
【解決手段】(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、(c)芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するために、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている、手動で湾曲可能であり、実質的に非弾力性のワイヤーを備えていることを改良点として含む、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【解決手段】(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、(c)芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するために、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている、手動で湾曲可能であり、実質的に非弾力性のワイヤーを備えていることを改良点として含む、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラまたはその類似物を使用者のまつげに塗布するための、射出成形されたプラスチック製のブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にワイヤー撚り合わせ(twisted−in−wire)ブラシと称されるタイプのマスカラ・ブラシはよく知られており、美容産業において広く用いられている。ワイヤー撚り合わせマスカラ・ブラシは、毛のような複数の繊維を備えた、軸方向に長い撚り合わされたワイヤーの芯を有し、該毛はその中間点で芯に挟んで固定され、該芯から放射状に外に向かって伸びている。芯は二本の長いワイヤーで構成され、該ワイヤーは、最初は分離していても、U字型をした一本のワイヤーの相対する脚部であってもよく、毛を該ワイヤーの間で固定するためにらせん状に撚り合わされる。典型的には、毛はブラシの長さの少なくとも大半にわたって多かれ少なかれ均一に配分されており、ブラシの全体の形状(すなわち、毛の先端部によって画定される想定的な外形)は、直線の軸と単純な円形の断面を有しており、円筒形、円錐台形、または近傍の円筒部分と遠位の円錐台部分の直線的な配置となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撚り合わされたワイヤー芯と、芯に挟んで固定された毛の放射状配列の組み合わせによってマスカラの塗布に代表される使用に耐えうるブラシの構造が得られるが、ワイヤー撚り合わせマスカラ・ブラシにはいくつかの不利な点がある。該ブラシは比較的コストがかかり、限られた数の供給業者しかいない。さらに、従来的な撚り合わせブラシは、マスカラを容器から顔へと移動させる使用と、マスカラをまつげに塗布する使用の両方に対して、実質的に一種類のブラシの輪郭しか提供できない。高度な塗布を可能にするためには、単純な円筒形および/または円形の断面をした円錐形の外形を備えている、均一に配分された毛の配列以外の構造を有するマスカラ・ブラシを提供することが有利となる可能性があるが、ワイヤー撚り合わせブラシの考えられる構造の多様性は、所望の形状を実現するために毛を整える必要性と、このように整える効果を生み出すためにカッターを形成し、位置づけることの困難さのために制限されている。
【0004】
また、これまでにマスカラのアプリケータとしてプラスチック製のブラシおよび櫛を利用することも提案されている。射出成形された製品の供給業者は非常に多く、射出成形されたブラシのコストはワイヤー撚り合わせブラシのコストより低くすることができる。しかし、高い機能的な多用途性(たとえば、濃くすること、長くすること、分離させること、ならびに、マスカラをまつげに移動させること)を与える、あるいはこれらを可能にするデザインがやはり必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第一の特徴として、長い柔軟なプラスチックの芯と、芯から放射状に伸びた複数のプラスチックの毛を含んでいる、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシを提供することを大きな目的とし、芯の内部に配置され、芯の縦方向に延びた保形ワイヤーからなる改良を含んでいる。
【0006】
ここで用いるとき、保形ワイヤーという用語は、典型的あるいは通常としては金属製の長い構成要素を指し、好適には従来的な長いワイヤーを指すものであり、該ワイヤーは実質的には非弾力性となっていることで、自身の形状を保持するようになっている。この保形ワイヤーは、プラスチック・ブラシの芯に対する補強剤としての役割を果たし、該芯を安定した軸方向の形状に保つことで、たとえば、芯と毛を柔らかい(より柔軟な)材料で射出成形することが可能になり、該保形ワイヤーがなければこれは可能にはならないものである。
【0007】
非常に好適には、保形ワイヤーは曲げることができるもので、芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するように、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている実質的に非弾力性のワイヤーである。したがって、ブラシは単純な操作によって望みの湾曲した構造またはその他の曲がった構造にセットすることができ、ブラシは曲げられた形に自身を保持することになる。
【0008】
また、一つの変形例ではブラシをより展性のあるワイヤー芯で射出成形するのだが、該ワイヤーによってブラシの湾曲を使用者がカスタマイズすることが可能になる。
【0009】
このブラシでは、芯と毛は好適には一体的に射出成形される。好適には、あるいは好ましくは、芯はワイヤーの周りに射出成形され、該ワイヤーは、ブラシを射出成形するプラスチック材料で型穴を満たす前に、ブラシ形成用の射出成形の型穴内に挿入することができる。
【0010】
さらに本発明によると、芯は実質的に、断面に見られるような円形の外周と、遠位末端および近位末端を有することができ、毛は、芯の遠位末端から伸びた該芯の長さの大部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端はアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成されている。
【0011】
本発明のもう一つの特徴として、毛は芯の縦方向に伸びた複数の列に配列され、互いに不均一な角距離で芯の外周に横方向に間隔を開けられていることで、マスカラの塗布によってまつげを濃くする、まつげを長くする、および/または、まつげを分離するといった効果を際だたせる目的のために、概念上は無限に多様なあらゆる構造を得ることができる。
【0012】
たとえば、特徴的な実施態様では、芯と毛は一体的に射出成形され、列は、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けた第一および第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開け、芯の外周上では複列から90度の間隔を開けられた第一および第二の毛の単列、そして、それぞれ複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれが第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置されている、第三、第四、第五および第六の毛の単列で構成されている。
【0013】
もう一つの特徴によると、本発明は、長いプラスチックの芯と、芯から放射状に伸びたプラスチックの毛の配列を備えた、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ(保形ワイヤーを備えているまたは備えていない)を対象とし、該ブラシにおいて、芯および毛は一体的に射出成形され、芯は、実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有しており、毛は、芯の遠位末端から伸びている該芯の長さの大部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端はアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成されており、そして、毛の少なくともいくつかは芯の縦方向に伸びた複数の列の中に配置され、以下の配置の特徴の一つまたは複数を備えている。すなわち、毛が互いに不均一な角距離で芯の外周上で横方向に間隔を開けられていること;連続する毛の長さが芯の近位末端に向かって、芯の長さの少なくとも一部にわたって段階的に減少する少なくとも一つの列;毛の密度が互いに異なっている、芯の縦方向に直線的に配置された少なくとも二つの区域が生じるように配分された毛;そして、前記列に配置された第一の毛と、第一の毛より直径が小さく、密集して配置されている第二の毛の組み合わせである。
【0014】
この特徴における本発明の特徴的な実施態様では、列中の毛の長さを芯の長さに沿って段階的に変化させることで、毛の先端部が共同で、全体を通して円形の断面をした想定的な外形を画定するようにすることができ、該断面の直径は、毛の配列の遠位末端から近位末端へ向かって、最初は大きくなり、それから小さくなり、そして再び大きくなっている。その他の実施態様では、列の中には毛の長さが配列の遠位末端から近位末端にかけて段階的に長くなっているものがあるのに対し、列の毛の長さが段階的に短くなっていて、毛の配列の外形または輪郭の外周で方向が変化する複雑な傾斜または先細りの形状を与えることができる。また、列中の毛は実質的に、配列の遠位部分で配列の近位部分にあるときより密集させ、毛の密度が近位部分より遠位部分で大きくなるようにすることができ、このことによって、ブラシに、芯の長さにそって直線的に配置された、それぞれ毛の密度の異なった二つの毛の区域が与えられる。
【0015】
もう一つの仕方として、毛の配列は、毛の密度が最大で、外径が最大となった中央区域を有することができ、該区域は、ブラシの長さに沿って、毛の密度が低く、外径の小さい遠位区域と近位区域の間に直線的に配置されている。さらなる実施態様では、ブラシの一方の側部にある一つまたは複数の列における毛の長さは、毛の配列の遠位末端および近位末端から、毛の長さが最小となっている中央部分にかけて段階的に減少し、ブラシの他方の側部にある一つまたは複数の列における毛の長さは、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となっている中央部分にかけて段階的に増加し、そしてこれら二つの側部の中間列における毛はブラシの端部から端部まで長さが均一である。また、すべての列における毛の長さは、毛の配列の遠位部分において、芯の遠位末端に向かって段階的に増加しても良いが、ブラシの長さの残りの部分では、少なくとも一つの列における毛は遠位部分からブラシの長さにおける中央部分に向かって長さが段階的に減少し、配列の近位末端に向かって長さが段階的に減少するのに対し、長さの逆の変化が他の少なくとも一つの列で生じ、そして少なくとももう一つの列では、毛は遠位部分をのぞいて長さが均一になっている。
【0016】
さらなるもう一つの実施態様では、毛の配列は前記列に配置された第一の毛と、密集して配置されている、第一の毛より直径の小さい第二の毛を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面と共に示された以下の詳細な説明によって明らかになるものである。
【0018】
図1は、特徴的な形態で本発明を実施したマスカラ・ブラシの側面図である。
【0019】
図2は、図1のブラシを使用者によって、または製造中に保持可能な状態で湾曲することのできる、特定の湾曲構造を示す側面図である。
【0020】
図3は、図1のブラシの断面図である。
【0021】
図4は、図1のブラシの遠位末端の図である。
【0022】
図5は、図1のブラシの保形ワイヤーを欠いているが、それ以外は図1のブラシと実質的に同一のブラシの側面図である。
【0023】
図6は、図5に示された位置から長軸に沿って90度回転させた、図5のブラシの側面図である。
【0024】
図7は、図5のブラシの遠位末端の図である。
【0025】
図8は、図6のブラシの遠位末端の拡大部分図である。
【0026】
図9Aおよび図9Bは、図5のブラシの斜視図である。
【0027】
図10は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様の等角図である。
【0028】
図11は、図10のブラシの第一の側面図である。
【0029】
図12は、図11の図から長軸に沿って90度回転させた、図10のブラシの第二の側面図である。
【0030】
図13は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を表す等角図である。
【0031】
図14は、図13のブラシの第一の側面図である。
【0032】
図15は、図14の図から長軸に沿って90度回転させた、図13のブラシの第二の側面図である。
【0033】
図16は、本発明のマスカラ・ブラシのさらなるもう一つの実施態様を表す等角図である。
【0034】
図17は、図16のブラシの第一の側面図である。
【0035】
図18は、図17の図から長軸に沿って90度回転させた、図16のブラシの第二の側面図である。
【0036】
図19は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【0037】
図20は、図19のブラシの第一の側面図である。
【0038】
図21は、図20の図から長軸に沿って90度回転させた、図19の図の第二の側面図である。
【0039】
図22は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【0040】
図23は、図22のブラシの第一の側面図である。
【0041】
図24は、図23の図から長軸に沿って90度回転させた、図22のブラシの第二の側面図である。
【0042】
図25は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【0043】
図26は、図25のブラシの第一の側面図である。
【0044】
図27は、図26の図から長軸に沿って90度回転させた、図25のブラシの第二の側面図である。
【0045】
図28は、図26の図から長軸に沿って45度回転させた、図25のブラシの第三の側面図である。
【0046】
図29は、図28の方向における、図25のブラシの長手方向断面図である。
【0047】
図30は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【0048】
図31は、図30のブラシの第一の側面図である。
【0049】
そして、図32は、図31の図から長軸に沿って90度回転させた、図30のブラシの第二の側面図である。
【0050】
図1〜図4は本発明を実施しているマスカラ・ブラシ10を示している。このブラシは射出成形された柔軟なプラスチック製の本体11を含み、該本体は、最初が直線の長い軸を備えた円筒形の長い芯12と、近位末端14および遠位末端16、そして、芯の遠位末端から近位末端に向かって、該芯の長さの大半にわたって芯から外に向かって横方向に(芯の軸の直角方向に)伸びている複数の毛または繊維18を有している。芯の近位末端部分は柄20として形成され、毛がなく(特にこの実施態様において)、芯の他の部分よりも直径がわずかに大きい。この実施態様では、小さなフランジ22が柄と芯の毛受け部分の間に設けられている。
【0051】
従来のマスカラ・ブラシと共通して、ブラシ10はその近位末端でアプリケータ・ハンドル(図示せず)の台(これも図示せず)に取り付けられるように設計されており、該アプリケータ・ハンドルが、マスカラ容器の首部を閉じるためのキャップ(図示せず)を有していることで、キャップが容器の首部にあるときには、ブラシは容器内部でマスカラと接触した状態に位置づけられるようになっている。容器を開けると、使用者はキャップをつかんでブラシを引き出し、一定量のマスカラを、まつげへ塗布するためにブラシの毛の上および毛の間に移動させる。キャップを操作することで、マスカラをまつげへ置き、分散させるために、使用者はマスカラの付いたブラシを、まつげに接触させる。
【0052】
本発明の特徴として、図1〜図4の実施態様では、保形ワイヤー24はブラシの芯12の中央を通って長手方向に、該芯の端部から端部まで、実質的に芯と同軸方向で伸びている。したがって、ワイヤーの遠位末端26は芯の遠位末端に配置され(図4)、ワイヤーの近位末端28は芯の近位末端(柄20)を貫いて伸びて、アプリケータ・ハンドルの前記台の中に収納されるようになっている。
【0053】
本発明のこの実施態様において、ワイヤー24は曲げることができる、実質的に、形状が自立的な、すなわち、自身の形状を保持する能力を持っている(軸方向に直線的あるいは、湾曲されるあらゆる湾曲形状に)、非弾力性の金属製ワイヤーである。ワイヤー24として使用するために適したワイヤーの例は、インチ測定で0.0240、0.0286、0.0320および0.0350のステンレス鋼のワイヤーである。
【0054】
本体11を一緒に構成する芯12および毛18は適したプラスチック材料で一体的に射出成形され、該材料とはたとえば、DuPontから商業的に入手可能な熱可塑性ポリエステル・エラストマーHYTREL(登録商標)、Dowから商業的に入手可能な熱可塑性ポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)、あるいは、主としてSBSまたはSEBSから構成された合成の熱可塑性材料AT−BLEND(登録商標)である。つまり、非制限的例示として、ブラシは主としてポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料(純度100%または混合)、または、主としてポリエステル・エラストマーHYTREL(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料(純度100%または混合)、あるいは、主としてLDPEおよび/または「CHEVRON EXACT」(登録商標)エラストマーで構成された合成の熱可塑性材料で作ることができる。射出成形の操作は標準的な射出成形過程であり、該過程は当業者には馴染みのあるものである。該過程は、製造すべきブラシ本体の構造を有した成形の型穴を用い、製造コスト削減のためには、一つの型がこのような空洞を複数(たとえば8個)有することができる。ワイヤー24は、プラスチック材料が導入される前に成形型穴に挿入されることで、ブラシ本体がワイヤーを覆うように射出される。
【0055】
こうして射出成形されたブラシの本体−ワイヤーのユニットは、図1、図3および図4に示されているように軸方向に直線である。しかし、ワイヤー24の曲げ性によって、ブラシが湾曲した形状に曲げられたところを示している図2の30で指示されているように、ブラシに湾曲を与えることが可能となっている。ワイヤーは実質的に非弾力性であるため、該ワイヤーは曲げられた湾曲形状を保ち、ブラシ本体をその形状に保持する。ブラシの湾曲性または直線性は、ワイヤーを曲げる(または湾曲を戻す)ようにブラシに力を加えることで、再度、いかなるときにも望むように変えることができる。
【0056】
湾曲操作はいくつかの段階で行うことができる。非制限的な例示としては、(a)販売前(製造中)にのみワイヤーを曲げることができる、(b)販売後(エンド・ユーザーによって)にのみワイヤーを曲げることができる、あるいは、(c)販売前と販売後の両方でワイヤーを曲げることができる。湾曲操作は、機械または手による方法を含む(非制限的)、いくつかの方法によって行うことができる。また、ワイヤーはさまざまな強度を有することができ、たとえば、非制限的には、(a)手では曲げられず、曲げるためには機械を必要とし、ワイヤーがいったん工場で曲げられると、使用者によって曲げることができない程度に強い/強固なものとすることができ、あるいは、(b)手で曲げることができて機械は必要とせず、最終的な使用者によって調整することができる程度に柔らかく/展性を持たせることができる。このように、ブラシの構造は簡単にカスタマイズし、変更することができる。
【0057】
射出成形されたプラスチック製のマスカラ・ブラシの特徴的な利点は、射出形成過程の多用途性によって、ワイヤー撚り合わせブラシとは異なり、毛の外形および配置に対する制約から自由であることである。したがって、毛の寸法および配置(たとえば、不均一な距離で間隔を開けられた列に配列された毛、および/または、異なった列における異なった毛の間隔を備えている)は、マスカラの塗布による、まつげをつくり、または濃くし、長くし、そして分離させることといった一つまたは複数の機能を実現するようにデザインし、提供することができる。
【0058】
まつげを長くすることを強調するようにデザインされている特定の毛の配置の例が、本発明の実施態様に示されている。この毛の配置は図5〜図9Bでもっとも良く確認されるのだが、該図面では、図1〜図4のブラシ10(ワイヤー24を含んでいる)が同じ毛の配置を有していたのに対し、該毛の配置は保形ワイヤー24を有していない射出成形されたプラスチック製ブラシ40の中で示されている。マスカラの塗布によってまつげをつくり、濃くし、長くしかつ/または分離させることを強調するための毛の寸法および/または配置の特徴を有している射出成形されたプラスチック製のマスカラ・ブラシは、保形ワイヤーがなくても有用であることは明らかであり、このようなブラシは広い特徴として本発明の範囲に含まれている。
【0059】
図5〜図9Bについて言及されているように、図示されたブラシ40の射出成形されたプラスチック製の毛または繊維は、複数の列の中に配置されている。すなわち、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一と第二の複列42および44、互いに180度の間隔を開け、芯の外周上で複列42および44から90度離された、第一と第二の単列46および48、それぞれが複列42および44の一方から角度α=35度だけ間隔を開けられ、それぞれ、第一の複列42と第一の単列46の間、第一の単列46と第二の複列44の間、第二の複列44と第二の単列48の間、そして第二の単列48と第一の複列42の間に配置された、第三、第四、第五そして第六の単列50、52、54および56である。各列は芯の長軸と平行に伸びている。
【0060】
すべての毛の形状は円錐形であり、それぞれ0.004インチの半径を備えた自由端を有しているが、該毛は、以下の表に示したように、それぞれの列におけるベース直径と繊維間の間隔(ピッチ)が異なっており、該表において、単列50、52、54、56の毛または繊維58はタイプ01の繊維として指示され、単列46および48の毛または繊維60はタイプ02の繊維として指示され、そして複列42および44の毛または繊維62はタイプ03の繊維として指示されている。
【0061】
【表1】
【0062】
複列42は、中心で0.028インチの間隔を開けた二本の毛の列42aおよび42bで構成される。列42aの毛は列42bの毛に平行であり、また、芯の中心から列42aと42bの間の中線に伸びている半径に対しても平行である。複列44はこれらの配置の特徴では複列42と同一だが、芯の外周上で複列42に対して直径方向に相対している。その他すべての列の毛は芯の半径に沿って配列された長軸を有している。
【0063】
毛58、62およびブラシ40の円筒形の芯64は、熱可塑性ポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)で一体的に射出成形される。芯は、軸方向の長さが一インチで直径が0.098インチの毛受け遠位部分66と、軸方向の長さが0.394インチ、直径が0.120インチで、0.020インチの幅をした一体フランジ68によって隔てられた、近位の柄部分67を有している。
【0064】
毛の先端部によって画定される想定的な外形は、直径が0.280インチ、長さが0.670インチで、フランジ68からブラシの遠位末端72に向かって伸びている第一の円筒形部分70と、長さが0.330インチで、部分70から遠位末端72に向かって伸び、ブラシの遠位端部における0.330インチの最小直径に向かって先が細くなっている、第二の円錐台部分74を含んでいる。上記内容から分かるように、外形部分70の中では、毛はすべて同一の長さ(0.091インチ)を有しているのだが、部分74では、該毛は端部72に向かって段階的に短くなっている。
【0065】
より広く言えば、この一般的なタイプの実施態様では、角度αは15度から45度の範囲とすることができ、ベース直径は0.007インチから0.040インチの範囲とすることができ、そしてピッチは0.005インチから0.090インチの範囲とすることができる。複列は同一のピッチで並べることができ、または、同一のピッチで格子状に交互に配列することができ、あるいは、異なったピッチで交互に配列すること、および/または、密集して配列することができる。複列は、単列、複数の束、そして複数の列(たとえば三本または四本の交互に配置された列)に変えることができる。
【0066】
ここで説明した毛の配置は、まつげを長くする機能を実現するために効果的であることが分かっている。その他の配置または構造(たとえば、毛の円錐形をなくすことを含む)は、まつげを作ることおよび分離させることといったその他の機能を実現するために用いることができる。
【0067】
代表的ではあるが非限定的である、このようなその他の配置および構造の変形例は、本発明の範囲にあり、図10〜図32に示された本発明によるマスカラ・ブラシの追加の実施態様に含まれている。これらのブラシのそれぞれは、図5〜図9Bのブラシのように、射出成形された柔軟なプラスチック製の本体を含み、該本体は、最初が直線の長い軸を備えた長い円筒形の芯12と、近位末端14および遠位末端16、そして、芯の遠位末端から近位末端に向かう芯の長さの大半にわたって、芯から外に向かって横方向(芯の軸の直角方向)に伸びる複数の毛または繊維を備えており、該近位末端は柄20として形成されている。
【0068】
図10〜図32のブラシは、やはり図5〜図9Bのブラシのように、保形ワイヤーを有するものとしては示されていないが、そのようなワイヤーを備えることもできる。したがって、図10〜図32の実施態様におけるブラシは、毛の配列の配置および/または構造の特徴の点で本質的に図5〜図9Bのブラシと異なっている。
【0069】
特定的には、図10〜図12は、複数の全体的に円錐形の毛82で形成されたブラシ80を示しており、該毛は、芯12の長軸と平行に伸びている単列84と複列86の中にさまざまに配置されている。列中の毛の長さは芯の長さに沿って段階的に変化し、毛の先端部が共同で、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、最初は増加し、次に減少し、そして再び増加する直径を備えた想定的な外形(たとえば、全体を通しては全体的に円形の断面)を画定するようになっている。つまり、外形またはブラシの輪郭は芯の遠位末端に隣接する地点88aでは狭く、第一の中間地点88bでは広くなり、第二の中間地点88cでは再び狭くなり、そして配列の近位末端88dでは再び広くなっているのに対し、これらの最小部分と最大部分の間では、実質的に滑らかかつ連続的に変化している。
【0070】
図13〜図15に示されたブラシ90は、全体的に円錐形の複数の毛92で形成され、該毛は、芯の長軸と平行に伸びている単列94と複列96に配置され、毛の長さは芯の長さに沿って列の中で段階的に変化し、毛の先端部が共同で、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、本質的には連続的かつ段階的に変化する構造の想定的な外形を画定するようになっている。しかし、本発明のこの実施態様では、毛の長さが配列の遠位末端から近位末端に向かって段階的に増加する列もあれば(たとえば列98a)、毛の長さが遠位末端から近位末端に向かって段階的に減少する列もあり(たとえば列98b)、毛の配列の外形または輪郭の外周上で方向が変化する複雑な傾斜または先細りの形状を与えている。
【0071】
図16〜図18のブラシ100では、いくつかの従来的なマスカラ・ブラシにおけるように、射出成形された円錐形の毛102の先端部によって全体的に画定される想定的な外形は、全体的に円筒形をした近位部分104aと全体的に円錐形の遠位部分104bを有しており、該遠位部分は円筒形部分から芯12の遠位末端に向かって段階的に先が細くなっている。毛は、芯の長軸に平行な単列105と複列106の中に配置され、単列の毛は、配列の近位部分104aにあるときより配列の遠位部分104bにあるときのほうが実質的に全体が密集しており、その結果、毛の密度(芯の一単位あたりの長さに対する毛の数)は104aよりも104bにおいて大きく、このことによって、ブラシに、芯の長さに沿って直線的に配置された、それぞれ毛の密度が異なった二つの区域が設けられるようになっている。
【0072】
また、図19〜図21のブラシ110も区域を区切られたブラシである。ブラシの長軸と平行になっている単列114と複列116に配列された毛112は、長さが近位方向および遠位方向の両方で毛の配列の中央部分118aから段階的に減少しており(各列において)、その結果、該毛の先端部が、配列の近位末端と遠位末端の両方に向かって先が細くなっていく想定的な外形を画定するようになっている。各単列の中で、毛は遠位部分118bまたは近位部分118cにあるときよりも中央部分118aにあるときの方が全体として密集している。したがってブラシは、外径の大きい中央区域(部分118a)を有しており、該区域は、密度が低く、外径が小さくなっている遠位部分118bと近位部分118cの間に配置されている。
【0073】
図22〜図24のブラシ120において、射出成形された毛122はやはり、ブラシの縦方向に伸びている単列124と複列126に配置されており、いかなる所与の列における毛の間の間隔も端部から端部まで本質的に均一である。ブラシの一方の側面にある一つまたは複数の列において、毛の長さは、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最小になる中央部分128aに向かって段階的に減少し、その結果、ブラシのこの側面にある毛の配列の輪郭が最小となるのに対し、ブラシの他方の側面にある一つまたは複数の列では、毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となる中央地点128bに向かって段階的に増加し、ブラシの後者の側面に凸状の輪郭を与えるようになっている。これら二つの側面の中間的な列にある毛は、128cおよび128dで指示されているようにブラシの端部から端部まで長さが均一である。
【0074】
図25〜図29のブラシ130もまた、ブラシの縦方向に伸びた単列134と複列136に配置された、射出成形された毛132を有しており、あらゆる任意の列において端部から端部まで本質的には均一な毛の間の間隔を備えているが、複列の毛は単列の毛より互いに密集している。毛の長さは、毛の配列の遠位部分138aにおいて、芯の遠位末端に向かって段階的に減少するが、ブラシの長さの残りの部分においては、さまざまな列における毛の長さはさまざまに変化する。したがって、列138bでは、毛は部分138aからブラシの長さの中央部分に向かって段階的に長さが減少し、配列の近位末端に向かって長さが段階的に増加するが、長さの逆の変化が列138cでは生じ、列138dでは、毛は部分138aをのぞいて均一な長さをしている。したがって、複雑な輪郭が毛の配列に与えられる。図28および図29でもっとも良く観察されるように、この輪郭はピーナッツ形と特徴づけることができる。
【0075】
図30〜図32はブラシ140を示しており、該ブラシは、個別の大きな直径の毛142をした縦の列と、ブラシの相対する側面にある大きな直径の毛の間に配置されている、密集した小さな直径の毛144をした縦の列を含んでいる。また、毛の先端部によって画定される想定的な外形の遠位部分は、遠位末端16に向かって先が細くなっている。
【0076】
これらの実施態様のそれぞれにおいて、特徴的な毛の配置によって、マスカラの移動、付着および配分に対する特定の利点、たとえば、まつげを梳くまたは長くするといった機能に対する利点がもたらされる。
【0077】
本発明は、特定的に上記に示した特徴および実施態様に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しなければ、その他の方法で実施することもできると理解されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】特徴的な形態で本発明を実施したマスカラ・ブラシの側面図である。
【図2】図1のブラシを使用者によって、または製造中に保持可能な状態で湾曲することのできる、特定の湾曲構造を示す側面図である。
【図3】図1のブラシの断面図である。
【図4】図1のブラシの遠位末端の図である。
【図5】図1のブラシの保形ワイヤーを欠いているが、それ以外は図1のブラシと実質的に同一のブラシの側面図である。
【図6】図5に示された位置から長軸に沿って90度回転させた、図5のブラシの側面図である。
【図7】図5のブラシの遠位末端の図である。
【図8】図6のブラシの遠位末端の拡大部分図である。
【図9A】図5のブラシの斜視図である。
【図9B】図5のブラシの斜視図である。
【図10】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様の等角図である。
【図11】図10のブラシの第一の側面図である。
【図12】図11の図から長軸に沿って90度回転させた、図10のブラシの第二の側面図である。
【図13】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を表す等角図である。
【図14】図13のブラシの第一の側面図である。
【図15】図14の図から長軸に沿って90度回転させた、図13のブラシの第二の側面図である。
【図16】本発明のマスカラ・ブラシのさらなるもう一つの実施態様を表す等角図である。
【図17】図16のブラシの第一の側面図である。
【図18】図17の図から長軸に沿って90度回転させた、図16のブラシの第二の側面図である。
【図19】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【図20】図19のブラシの第一の側面図である。
【図21】図20の図から長軸に沿って90度回転させた、図19の図の第二の側面図である。
【図22】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【図23】図22のブラシの第一の側面図である。
【図24】図23の図から長軸に沿って90度回転させた、図22のブラシの第二の側面図である。
【図25】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【図26】図25のブラシの第一の側面図である。
【図27】図26の図から長軸に沿って90度回転させた、図25のブラシの第二の側面図である。
【図28】図26の図から長軸に沿って45度回転させた、図25のブラシの第三の側面図である。
【図29】図28の方向における、図25のブラシの長手方向断面図である。
【図30】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【図31】図30のブラシの第一の側面図である。
【図32】図31の図から長軸に沿って90度回転させた、図30のブラシの第二の側面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 マスカラ・ブラシ
12 芯
14 ブラシの近位末端
16 ブラシの遠位末端
20 柄
22 フランジ
24 保形ワイヤー
26 ワイヤーの遠位末端
28 ワイヤーの近位末端
42 第一の複列
44 第二の複列
46 第一の単列
48 第二の単列
50 第三の単列
52 第四の単列
54 第五の単列
56 第六の単列
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラまたはその類似物を使用者のまつげに塗布するための、射出成形されたプラスチック製のブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にワイヤー撚り合わせ(twisted−in−wire)ブラシと称されるタイプのマスカラ・ブラシはよく知られており、美容産業において広く用いられている。ワイヤー撚り合わせマスカラ・ブラシは、毛のような複数の繊維を備えた、軸方向に長い撚り合わされたワイヤーの芯を有し、該毛はその中間点で芯に挟んで固定され、該芯から放射状に外に向かって伸びている。芯は二本の長いワイヤーで構成され、該ワイヤーは、最初は分離していても、U字型をした一本のワイヤーの相対する脚部であってもよく、毛を該ワイヤーの間で固定するためにらせん状に撚り合わされる。典型的には、毛はブラシの長さの少なくとも大半にわたって多かれ少なかれ均一に配分されており、ブラシの全体の形状(すなわち、毛の先端部によって画定される想定的な外形)は、直線の軸と単純な円形の断面を有しており、円筒形、円錐台形、または近傍の円筒部分と遠位の円錐台部分の直線的な配置となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撚り合わされたワイヤー芯と、芯に挟んで固定された毛の放射状配列の組み合わせによってマスカラの塗布に代表される使用に耐えうるブラシの構造が得られるが、ワイヤー撚り合わせマスカラ・ブラシにはいくつかの不利な点がある。該ブラシは比較的コストがかかり、限られた数の供給業者しかいない。さらに、従来的な撚り合わせブラシは、マスカラを容器から顔へと移動させる使用と、マスカラをまつげに塗布する使用の両方に対して、実質的に一種類のブラシの輪郭しか提供できない。高度な塗布を可能にするためには、単純な円筒形および/または円形の断面をした円錐形の外形を備えている、均一に配分された毛の配列以外の構造を有するマスカラ・ブラシを提供することが有利となる可能性があるが、ワイヤー撚り合わせブラシの考えられる構造の多様性は、所望の形状を実現するために毛を整える必要性と、このように整える効果を生み出すためにカッターを形成し、位置づけることの困難さのために制限されている。
【0004】
また、これまでにマスカラのアプリケータとしてプラスチック製のブラシおよび櫛を利用することも提案されている。射出成形された製品の供給業者は非常に多く、射出成形されたブラシのコストはワイヤー撚り合わせブラシのコストより低くすることができる。しかし、高い機能的な多用途性(たとえば、濃くすること、長くすること、分離させること、ならびに、マスカラをまつげに移動させること)を与える、あるいはこれらを可能にするデザインがやはり必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第一の特徴として、長い柔軟なプラスチックの芯と、芯から放射状に伸びた複数のプラスチックの毛を含んでいる、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシを提供することを大きな目的とし、芯の内部に配置され、芯の縦方向に延びた保形ワイヤーからなる改良を含んでいる。
【0006】
ここで用いるとき、保形ワイヤーという用語は、典型的あるいは通常としては金属製の長い構成要素を指し、好適には従来的な長いワイヤーを指すものであり、該ワイヤーは実質的には非弾力性となっていることで、自身の形状を保持するようになっている。この保形ワイヤーは、プラスチック・ブラシの芯に対する補強剤としての役割を果たし、該芯を安定した軸方向の形状に保つことで、たとえば、芯と毛を柔らかい(より柔軟な)材料で射出成形することが可能になり、該保形ワイヤーがなければこれは可能にはならないものである。
【0007】
非常に好適には、保形ワイヤーは曲げることができるもので、芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するように、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている実質的に非弾力性のワイヤーである。したがって、ブラシは単純な操作によって望みの湾曲した構造またはその他の曲がった構造にセットすることができ、ブラシは曲げられた形に自身を保持することになる。
【0008】
また、一つの変形例ではブラシをより展性のあるワイヤー芯で射出成形するのだが、該ワイヤーによってブラシの湾曲を使用者がカスタマイズすることが可能になる。
【0009】
このブラシでは、芯と毛は好適には一体的に射出成形される。好適には、あるいは好ましくは、芯はワイヤーの周りに射出成形され、該ワイヤーは、ブラシを射出成形するプラスチック材料で型穴を満たす前に、ブラシ形成用の射出成形の型穴内に挿入することができる。
【0010】
さらに本発明によると、芯は実質的に、断面に見られるような円形の外周と、遠位末端および近位末端を有することができ、毛は、芯の遠位末端から伸びた該芯の長さの大部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端はアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成されている。
【0011】
本発明のもう一つの特徴として、毛は芯の縦方向に伸びた複数の列に配列され、互いに不均一な角距離で芯の外周に横方向に間隔を開けられていることで、マスカラの塗布によってまつげを濃くする、まつげを長くする、および/または、まつげを分離するといった効果を際だたせる目的のために、概念上は無限に多様なあらゆる構造を得ることができる。
【0012】
たとえば、特徴的な実施態様では、芯と毛は一体的に射出成形され、列は、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けた第一および第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開け、芯の外周上では複列から90度の間隔を開けられた第一および第二の毛の単列、そして、それぞれ複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれが第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置されている、第三、第四、第五および第六の毛の単列で構成されている。
【0013】
もう一つの特徴によると、本発明は、長いプラスチックの芯と、芯から放射状に伸びたプラスチックの毛の配列を備えた、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ(保形ワイヤーを備えているまたは備えていない)を対象とし、該ブラシにおいて、芯および毛は一体的に射出成形され、芯は、実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有しており、毛は、芯の遠位末端から伸びている該芯の長さの大部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端はアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成されており、そして、毛の少なくともいくつかは芯の縦方向に伸びた複数の列の中に配置され、以下の配置の特徴の一つまたは複数を備えている。すなわち、毛が互いに不均一な角距離で芯の外周上で横方向に間隔を開けられていること;連続する毛の長さが芯の近位末端に向かって、芯の長さの少なくとも一部にわたって段階的に減少する少なくとも一つの列;毛の密度が互いに異なっている、芯の縦方向に直線的に配置された少なくとも二つの区域が生じるように配分された毛;そして、前記列に配置された第一の毛と、第一の毛より直径が小さく、密集して配置されている第二の毛の組み合わせである。
【0014】
この特徴における本発明の特徴的な実施態様では、列中の毛の長さを芯の長さに沿って段階的に変化させることで、毛の先端部が共同で、全体を通して円形の断面をした想定的な外形を画定するようにすることができ、該断面の直径は、毛の配列の遠位末端から近位末端へ向かって、最初は大きくなり、それから小さくなり、そして再び大きくなっている。その他の実施態様では、列の中には毛の長さが配列の遠位末端から近位末端にかけて段階的に長くなっているものがあるのに対し、列の毛の長さが段階的に短くなっていて、毛の配列の外形または輪郭の外周で方向が変化する複雑な傾斜または先細りの形状を与えることができる。また、列中の毛は実質的に、配列の遠位部分で配列の近位部分にあるときより密集させ、毛の密度が近位部分より遠位部分で大きくなるようにすることができ、このことによって、ブラシに、芯の長さにそって直線的に配置された、それぞれ毛の密度の異なった二つの毛の区域が与えられる。
【0015】
もう一つの仕方として、毛の配列は、毛の密度が最大で、外径が最大となった中央区域を有することができ、該区域は、ブラシの長さに沿って、毛の密度が低く、外径の小さい遠位区域と近位区域の間に直線的に配置されている。さらなる実施態様では、ブラシの一方の側部にある一つまたは複数の列における毛の長さは、毛の配列の遠位末端および近位末端から、毛の長さが最小となっている中央部分にかけて段階的に減少し、ブラシの他方の側部にある一つまたは複数の列における毛の長さは、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となっている中央部分にかけて段階的に増加し、そしてこれら二つの側部の中間列における毛はブラシの端部から端部まで長さが均一である。また、すべての列における毛の長さは、毛の配列の遠位部分において、芯の遠位末端に向かって段階的に増加しても良いが、ブラシの長さの残りの部分では、少なくとも一つの列における毛は遠位部分からブラシの長さにおける中央部分に向かって長さが段階的に減少し、配列の近位末端に向かって長さが段階的に減少するのに対し、長さの逆の変化が他の少なくとも一つの列で生じ、そして少なくとももう一つの列では、毛は遠位部分をのぞいて長さが均一になっている。
【0016】
さらなるもう一つの実施態様では、毛の配列は前記列に配置された第一の毛と、密集して配置されている、第一の毛より直径の小さい第二の毛を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面と共に示された以下の詳細な説明によって明らかになるものである。
【0018】
図1は、特徴的な形態で本発明を実施したマスカラ・ブラシの側面図である。
【0019】
図2は、図1のブラシを使用者によって、または製造中に保持可能な状態で湾曲することのできる、特定の湾曲構造を示す側面図である。
【0020】
図3は、図1のブラシの断面図である。
【0021】
図4は、図1のブラシの遠位末端の図である。
【0022】
図5は、図1のブラシの保形ワイヤーを欠いているが、それ以外は図1のブラシと実質的に同一のブラシの側面図である。
【0023】
図6は、図5に示された位置から長軸に沿って90度回転させた、図5のブラシの側面図である。
【0024】
図7は、図5のブラシの遠位末端の図である。
【0025】
図8は、図6のブラシの遠位末端の拡大部分図である。
【0026】
図9Aおよび図9Bは、図5のブラシの斜視図である。
【0027】
図10は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様の等角図である。
【0028】
図11は、図10のブラシの第一の側面図である。
【0029】
図12は、図11の図から長軸に沿って90度回転させた、図10のブラシの第二の側面図である。
【0030】
図13は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を表す等角図である。
【0031】
図14は、図13のブラシの第一の側面図である。
【0032】
図15は、図14の図から長軸に沿って90度回転させた、図13のブラシの第二の側面図である。
【0033】
図16は、本発明のマスカラ・ブラシのさらなるもう一つの実施態様を表す等角図である。
【0034】
図17は、図16のブラシの第一の側面図である。
【0035】
図18は、図17の図から長軸に沿って90度回転させた、図16のブラシの第二の側面図である。
【0036】
図19は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【0037】
図20は、図19のブラシの第一の側面図である。
【0038】
図21は、図20の図から長軸に沿って90度回転させた、図19の図の第二の側面図である。
【0039】
図22は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【0040】
図23は、図22のブラシの第一の側面図である。
【0041】
図24は、図23の図から長軸に沿って90度回転させた、図22のブラシの第二の側面図である。
【0042】
図25は、本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【0043】
図26は、図25のブラシの第一の側面図である。
【0044】
図27は、図26の図から長軸に沿って90度回転させた、図25のブラシの第二の側面図である。
【0045】
図28は、図26の図から長軸に沿って45度回転させた、図25のブラシの第三の側面図である。
【0046】
図29は、図28の方向における、図25のブラシの長手方向断面図である。
【0047】
図30は、本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【0048】
図31は、図30のブラシの第一の側面図である。
【0049】
そして、図32は、図31の図から長軸に沿って90度回転させた、図30のブラシの第二の側面図である。
【0050】
図1〜図4は本発明を実施しているマスカラ・ブラシ10を示している。このブラシは射出成形された柔軟なプラスチック製の本体11を含み、該本体は、最初が直線の長い軸を備えた円筒形の長い芯12と、近位末端14および遠位末端16、そして、芯の遠位末端から近位末端に向かって、該芯の長さの大半にわたって芯から外に向かって横方向に(芯の軸の直角方向に)伸びている複数の毛または繊維18を有している。芯の近位末端部分は柄20として形成され、毛がなく(特にこの実施態様において)、芯の他の部分よりも直径がわずかに大きい。この実施態様では、小さなフランジ22が柄と芯の毛受け部分の間に設けられている。
【0051】
従来のマスカラ・ブラシと共通して、ブラシ10はその近位末端でアプリケータ・ハンドル(図示せず)の台(これも図示せず)に取り付けられるように設計されており、該アプリケータ・ハンドルが、マスカラ容器の首部を閉じるためのキャップ(図示せず)を有していることで、キャップが容器の首部にあるときには、ブラシは容器内部でマスカラと接触した状態に位置づけられるようになっている。容器を開けると、使用者はキャップをつかんでブラシを引き出し、一定量のマスカラを、まつげへ塗布するためにブラシの毛の上および毛の間に移動させる。キャップを操作することで、マスカラをまつげへ置き、分散させるために、使用者はマスカラの付いたブラシを、まつげに接触させる。
【0052】
本発明の特徴として、図1〜図4の実施態様では、保形ワイヤー24はブラシの芯12の中央を通って長手方向に、該芯の端部から端部まで、実質的に芯と同軸方向で伸びている。したがって、ワイヤーの遠位末端26は芯の遠位末端に配置され(図4)、ワイヤーの近位末端28は芯の近位末端(柄20)を貫いて伸びて、アプリケータ・ハンドルの前記台の中に収納されるようになっている。
【0053】
本発明のこの実施態様において、ワイヤー24は曲げることができる、実質的に、形状が自立的な、すなわち、自身の形状を保持する能力を持っている(軸方向に直線的あるいは、湾曲されるあらゆる湾曲形状に)、非弾力性の金属製ワイヤーである。ワイヤー24として使用するために適したワイヤーの例は、インチ測定で0.0240、0.0286、0.0320および0.0350のステンレス鋼のワイヤーである。
【0054】
本体11を一緒に構成する芯12および毛18は適したプラスチック材料で一体的に射出成形され、該材料とはたとえば、DuPontから商業的に入手可能な熱可塑性ポリエステル・エラストマーHYTREL(登録商標)、Dowから商業的に入手可能な熱可塑性ポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)、あるいは、主としてSBSまたはSEBSから構成された合成の熱可塑性材料AT−BLEND(登録商標)である。つまり、非制限的例示として、ブラシは主としてポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料(純度100%または混合)、または、主としてポリエステル・エラストマーHYTREL(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料(純度100%または混合)、あるいは、主としてLDPEおよび/または「CHEVRON EXACT」(登録商標)エラストマーで構成された合成の熱可塑性材料で作ることができる。射出成形の操作は標準的な射出成形過程であり、該過程は当業者には馴染みのあるものである。該過程は、製造すべきブラシ本体の構造を有した成形の型穴を用い、製造コスト削減のためには、一つの型がこのような空洞を複数(たとえば8個)有することができる。ワイヤー24は、プラスチック材料が導入される前に成形型穴に挿入されることで、ブラシ本体がワイヤーを覆うように射出される。
【0055】
こうして射出成形されたブラシの本体−ワイヤーのユニットは、図1、図3および図4に示されているように軸方向に直線である。しかし、ワイヤー24の曲げ性によって、ブラシが湾曲した形状に曲げられたところを示している図2の30で指示されているように、ブラシに湾曲を与えることが可能となっている。ワイヤーは実質的に非弾力性であるため、該ワイヤーは曲げられた湾曲形状を保ち、ブラシ本体をその形状に保持する。ブラシの湾曲性または直線性は、ワイヤーを曲げる(または湾曲を戻す)ようにブラシに力を加えることで、再度、いかなるときにも望むように変えることができる。
【0056】
湾曲操作はいくつかの段階で行うことができる。非制限的な例示としては、(a)販売前(製造中)にのみワイヤーを曲げることができる、(b)販売後(エンド・ユーザーによって)にのみワイヤーを曲げることができる、あるいは、(c)販売前と販売後の両方でワイヤーを曲げることができる。湾曲操作は、機械または手による方法を含む(非制限的)、いくつかの方法によって行うことができる。また、ワイヤーはさまざまな強度を有することができ、たとえば、非制限的には、(a)手では曲げられず、曲げるためには機械を必要とし、ワイヤーがいったん工場で曲げられると、使用者によって曲げることができない程度に強い/強固なものとすることができ、あるいは、(b)手で曲げることができて機械は必要とせず、最終的な使用者によって調整することができる程度に柔らかく/展性を持たせることができる。このように、ブラシの構造は簡単にカスタマイズし、変更することができる。
【0057】
射出成形されたプラスチック製のマスカラ・ブラシの特徴的な利点は、射出形成過程の多用途性によって、ワイヤー撚り合わせブラシとは異なり、毛の外形および配置に対する制約から自由であることである。したがって、毛の寸法および配置(たとえば、不均一な距離で間隔を開けられた列に配列された毛、および/または、異なった列における異なった毛の間隔を備えている)は、マスカラの塗布による、まつげをつくり、または濃くし、長くし、そして分離させることといった一つまたは複数の機能を実現するようにデザインし、提供することができる。
【0058】
まつげを長くすることを強調するようにデザインされている特定の毛の配置の例が、本発明の実施態様に示されている。この毛の配置は図5〜図9Bでもっとも良く確認されるのだが、該図面では、図1〜図4のブラシ10(ワイヤー24を含んでいる)が同じ毛の配置を有していたのに対し、該毛の配置は保形ワイヤー24を有していない射出成形されたプラスチック製ブラシ40の中で示されている。マスカラの塗布によってまつげをつくり、濃くし、長くしかつ/または分離させることを強調するための毛の寸法および/または配置の特徴を有している射出成形されたプラスチック製のマスカラ・ブラシは、保形ワイヤーがなくても有用であることは明らかであり、このようなブラシは広い特徴として本発明の範囲に含まれている。
【0059】
図5〜図9Bについて言及されているように、図示されたブラシ40の射出成形されたプラスチック製の毛または繊維は、複数の列の中に配置されている。すなわち、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一と第二の複列42および44、互いに180度の間隔を開け、芯の外周上で複列42および44から90度離された、第一と第二の単列46および48、それぞれが複列42および44の一方から角度α=35度だけ間隔を開けられ、それぞれ、第一の複列42と第一の単列46の間、第一の単列46と第二の複列44の間、第二の複列44と第二の単列48の間、そして第二の単列48と第一の複列42の間に配置された、第三、第四、第五そして第六の単列50、52、54および56である。各列は芯の長軸と平行に伸びている。
【0060】
すべての毛の形状は円錐形であり、それぞれ0.004インチの半径を備えた自由端を有しているが、該毛は、以下の表に示したように、それぞれの列におけるベース直径と繊維間の間隔(ピッチ)が異なっており、該表において、単列50、52、54、56の毛または繊維58はタイプ01の繊維として指示され、単列46および48の毛または繊維60はタイプ02の繊維として指示され、そして複列42および44の毛または繊維62はタイプ03の繊維として指示されている。
【0061】
【表1】
【0062】
複列42は、中心で0.028インチの間隔を開けた二本の毛の列42aおよび42bで構成される。列42aの毛は列42bの毛に平行であり、また、芯の中心から列42aと42bの間の中線に伸びている半径に対しても平行である。複列44はこれらの配置の特徴では複列42と同一だが、芯の外周上で複列42に対して直径方向に相対している。その他すべての列の毛は芯の半径に沿って配列された長軸を有している。
【0063】
毛58、62およびブラシ40の円筒形の芯64は、熱可塑性ポリウレタン・エラストマーPELLETHANE(登録商標)で一体的に射出成形される。芯は、軸方向の長さが一インチで直径が0.098インチの毛受け遠位部分66と、軸方向の長さが0.394インチ、直径が0.120インチで、0.020インチの幅をした一体フランジ68によって隔てられた、近位の柄部分67を有している。
【0064】
毛の先端部によって画定される想定的な外形は、直径が0.280インチ、長さが0.670インチで、フランジ68からブラシの遠位末端72に向かって伸びている第一の円筒形部分70と、長さが0.330インチで、部分70から遠位末端72に向かって伸び、ブラシの遠位端部における0.330インチの最小直径に向かって先が細くなっている、第二の円錐台部分74を含んでいる。上記内容から分かるように、外形部分70の中では、毛はすべて同一の長さ(0.091インチ)を有しているのだが、部分74では、該毛は端部72に向かって段階的に短くなっている。
【0065】
より広く言えば、この一般的なタイプの実施態様では、角度αは15度から45度の範囲とすることができ、ベース直径は0.007インチから0.040インチの範囲とすることができ、そしてピッチは0.005インチから0.090インチの範囲とすることができる。複列は同一のピッチで並べることができ、または、同一のピッチで格子状に交互に配列することができ、あるいは、異なったピッチで交互に配列すること、および/または、密集して配列することができる。複列は、単列、複数の束、そして複数の列(たとえば三本または四本の交互に配置された列)に変えることができる。
【0066】
ここで説明した毛の配置は、まつげを長くする機能を実現するために効果的であることが分かっている。その他の配置または構造(たとえば、毛の円錐形をなくすことを含む)は、まつげを作ることおよび分離させることといったその他の機能を実現するために用いることができる。
【0067】
代表的ではあるが非限定的である、このようなその他の配置および構造の変形例は、本発明の範囲にあり、図10〜図32に示された本発明によるマスカラ・ブラシの追加の実施態様に含まれている。これらのブラシのそれぞれは、図5〜図9Bのブラシのように、射出成形された柔軟なプラスチック製の本体を含み、該本体は、最初が直線の長い軸を備えた長い円筒形の芯12と、近位末端14および遠位末端16、そして、芯の遠位末端から近位末端に向かう芯の長さの大半にわたって、芯から外に向かって横方向(芯の軸の直角方向)に伸びる複数の毛または繊維を備えており、該近位末端は柄20として形成されている。
【0068】
図10〜図32のブラシは、やはり図5〜図9Bのブラシのように、保形ワイヤーを有するものとしては示されていないが、そのようなワイヤーを備えることもできる。したがって、図10〜図32の実施態様におけるブラシは、毛の配列の配置および/または構造の特徴の点で本質的に図5〜図9Bのブラシと異なっている。
【0069】
特定的には、図10〜図12は、複数の全体的に円錐形の毛82で形成されたブラシ80を示しており、該毛は、芯12の長軸と平行に伸びている単列84と複列86の中にさまざまに配置されている。列中の毛の長さは芯の長さに沿って段階的に変化し、毛の先端部が共同で、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、最初は増加し、次に減少し、そして再び増加する直径を備えた想定的な外形(たとえば、全体を通しては全体的に円形の断面)を画定するようになっている。つまり、外形またはブラシの輪郭は芯の遠位末端に隣接する地点88aでは狭く、第一の中間地点88bでは広くなり、第二の中間地点88cでは再び狭くなり、そして配列の近位末端88dでは再び広くなっているのに対し、これらの最小部分と最大部分の間では、実質的に滑らかかつ連続的に変化している。
【0070】
図13〜図15に示されたブラシ90は、全体的に円錐形の複数の毛92で形成され、該毛は、芯の長軸と平行に伸びている単列94と複列96に配置され、毛の長さは芯の長さに沿って列の中で段階的に変化し、毛の先端部が共同で、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、本質的には連続的かつ段階的に変化する構造の想定的な外形を画定するようになっている。しかし、本発明のこの実施態様では、毛の長さが配列の遠位末端から近位末端に向かって段階的に増加する列もあれば(たとえば列98a)、毛の長さが遠位末端から近位末端に向かって段階的に減少する列もあり(たとえば列98b)、毛の配列の外形または輪郭の外周上で方向が変化する複雑な傾斜または先細りの形状を与えている。
【0071】
図16〜図18のブラシ100では、いくつかの従来的なマスカラ・ブラシにおけるように、射出成形された円錐形の毛102の先端部によって全体的に画定される想定的な外形は、全体的に円筒形をした近位部分104aと全体的に円錐形の遠位部分104bを有しており、該遠位部分は円筒形部分から芯12の遠位末端に向かって段階的に先が細くなっている。毛は、芯の長軸に平行な単列105と複列106の中に配置され、単列の毛は、配列の近位部分104aにあるときより配列の遠位部分104bにあるときのほうが実質的に全体が密集しており、その結果、毛の密度(芯の一単位あたりの長さに対する毛の数)は104aよりも104bにおいて大きく、このことによって、ブラシに、芯の長さに沿って直線的に配置された、それぞれ毛の密度が異なった二つの区域が設けられるようになっている。
【0072】
また、図19〜図21のブラシ110も区域を区切られたブラシである。ブラシの長軸と平行になっている単列114と複列116に配列された毛112は、長さが近位方向および遠位方向の両方で毛の配列の中央部分118aから段階的に減少しており(各列において)、その結果、該毛の先端部が、配列の近位末端と遠位末端の両方に向かって先が細くなっていく想定的な外形を画定するようになっている。各単列の中で、毛は遠位部分118bまたは近位部分118cにあるときよりも中央部分118aにあるときの方が全体として密集している。したがってブラシは、外径の大きい中央区域(部分118a)を有しており、該区域は、密度が低く、外径が小さくなっている遠位部分118bと近位部分118cの間に配置されている。
【0073】
図22〜図24のブラシ120において、射出成形された毛122はやはり、ブラシの縦方向に伸びている単列124と複列126に配置されており、いかなる所与の列における毛の間の間隔も端部から端部まで本質的に均一である。ブラシの一方の側面にある一つまたは複数の列において、毛の長さは、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最小になる中央部分128aに向かって段階的に減少し、その結果、ブラシのこの側面にある毛の配列の輪郭が最小となるのに対し、ブラシの他方の側面にある一つまたは複数の列では、毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となる中央地点128bに向かって段階的に増加し、ブラシの後者の側面に凸状の輪郭を与えるようになっている。これら二つの側面の中間的な列にある毛は、128cおよび128dで指示されているようにブラシの端部から端部まで長さが均一である。
【0074】
図25〜図29のブラシ130もまた、ブラシの縦方向に伸びた単列134と複列136に配置された、射出成形された毛132を有しており、あらゆる任意の列において端部から端部まで本質的には均一な毛の間の間隔を備えているが、複列の毛は単列の毛より互いに密集している。毛の長さは、毛の配列の遠位部分138aにおいて、芯の遠位末端に向かって段階的に減少するが、ブラシの長さの残りの部分においては、さまざまな列における毛の長さはさまざまに変化する。したがって、列138bでは、毛は部分138aからブラシの長さの中央部分に向かって段階的に長さが減少し、配列の近位末端に向かって長さが段階的に増加するが、長さの逆の変化が列138cでは生じ、列138dでは、毛は部分138aをのぞいて均一な長さをしている。したがって、複雑な輪郭が毛の配列に与えられる。図28および図29でもっとも良く観察されるように、この輪郭はピーナッツ形と特徴づけることができる。
【0075】
図30〜図32はブラシ140を示しており、該ブラシは、個別の大きな直径の毛142をした縦の列と、ブラシの相対する側面にある大きな直径の毛の間に配置されている、密集した小さな直径の毛144をした縦の列を含んでいる。また、毛の先端部によって画定される想定的な外形の遠位部分は、遠位末端16に向かって先が細くなっている。
【0076】
これらの実施態様のそれぞれにおいて、特徴的な毛の配置によって、マスカラの移動、付着および配分に対する特定の利点、たとえば、まつげを梳くまたは長くするといった機能に対する利点がもたらされる。
【0077】
本発明は、特定的に上記に示した特徴および実施態様に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しなければ、その他の方法で実施することもできると理解されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】特徴的な形態で本発明を実施したマスカラ・ブラシの側面図である。
【図2】図1のブラシを使用者によって、または製造中に保持可能な状態で湾曲することのできる、特定の湾曲構造を示す側面図である。
【図3】図1のブラシの断面図である。
【図4】図1のブラシの遠位末端の図である。
【図5】図1のブラシの保形ワイヤーを欠いているが、それ以外は図1のブラシと実質的に同一のブラシの側面図である。
【図6】図5に示された位置から長軸に沿って90度回転させた、図5のブラシの側面図である。
【図7】図5のブラシの遠位末端の図である。
【図8】図6のブラシの遠位末端の拡大部分図である。
【図9A】図5のブラシの斜視図である。
【図9B】図5のブラシの斜視図である。
【図10】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様の等角図である。
【図11】図10のブラシの第一の側面図である。
【図12】図11の図から長軸に沿って90度回転させた、図10のブラシの第二の側面図である。
【図13】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を表す等角図である。
【図14】図13のブラシの第一の側面図である。
【図15】図14の図から長軸に沿って90度回転させた、図13のブラシの第二の側面図である。
【図16】本発明のマスカラ・ブラシのさらなるもう一つの実施態様を表す等角図である。
【図17】図16のブラシの第一の側面図である。
【図18】図17の図から長軸に沿って90度回転させた、図16のブラシの第二の側面図である。
【図19】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【図20】図19のブラシの第一の側面図である。
【図21】図20の図から長軸に沿って90度回転させた、図19の図の第二の側面図である。
【図22】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【図23】図22のブラシの第一の側面図である。
【図24】図23の図から長軸に沿って90度回転させた、図22のブラシの第二の側面図である。
【図25】本発明によるマスカラ・ブラシのさらなる実施態様を示す等角図である。
【図26】図25のブラシの第一の側面図である。
【図27】図26の図から長軸に沿って90度回転させた、図25のブラシの第二の側面図である。
【図28】図26の図から長軸に沿って45度回転させた、図25のブラシの第三の側面図である。
【図29】図28の方向における、図25のブラシの長手方向断面図である。
【図30】本発明によるマスカラ・ブラシのもう一つの実施態様を示す等角図である。
【図31】図30のブラシの第一の側面図である。
【図32】図31の図から長軸に沿って90度回転させた、図30のブラシの第二の側面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 マスカラ・ブラシ
12 芯
14 ブラシの近位末端
16 ブラシの遠位末端
20 柄
22 フランジ
24 保形ワイヤー
26 ワイヤーの遠位末端
28 ワイヤーの近位末端
42 第一の複列
44 第二の複列
46 第一の単列
48 第二の単列
50 第三の単列
52 第四の単列
54 第五の単列
56 第六の単列
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、
(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、
(c)実質的に形状が自立的であり、芯の内部に配置され、芯の縦方向に伸びているワイヤーを備えていることを改良点として含む、
マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項2】
(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、
(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、
(c)芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するために、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている、手動で湾曲可能であり、実質的に非弾力性のワイヤーを備えていることを改良点として含む、
マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項3】
芯および毛が一体的に射出成形される、請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
芯がワイヤーの周りに射出成形される、請求項3に記載のブラシ。
【請求項5】
芯が実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有し、毛が芯の遠位末端から伸びている該芯の長さの大半にわたって芯の周囲に配分され、そして、芯の近位末端が、アプリケータ・ハンドルへ取り付けるための毛のない柄として形成されている、請求項2に記載のブラシ。
【請求項6】
毛が、芯の縦方向に伸びた複数の列に配列され、互いに不均一な角距離で芯の外周上に横方向に間隔を開けられている、請求項5に記載のブラシ。
【請求項7】
芯および毛が一体で射出成形され、前記列が、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一と第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開けられ、芯の外周上で前記複列から90度の間隔を開けられた第一と第二の毛の単列、そして、それぞれが前記複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれ、第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置された第三、第四、第五、第六の毛の単列で構成される、請求項6に記載のブラシ。
【請求項8】
長いプラスチック製の芯と、芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を含んだブラシであり、芯および毛が一体で射出成形され、芯が、実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有し、毛が、芯の遠位末端から伸びている、該芯の長さの大半の部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端がアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成され、そして、毛が芯の縦方向に伸びた複数の列の中に配列され、芯の円周上において不均一な角距離で互いに横方向に間隔を開けられている、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項9】
前記列が芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一および第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開けられ、芯の外周上において前記複列から90度の間隔を開けられた第一および第二の毛の単列、そして、それぞれが前記複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれが、第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置された、第三、第四、第五、第六の毛の単列で構成される、請求項8に記載のブラシ。
【請求項10】
長いプラスチック製の芯と、芯から放射状に伸びているプラスチック製の毛の配列を含んだブラシであり、芯および毛が一体で射出成形され、芯が実質的に断面で見られる円形の断面と、遠位末端および近位末端を有し、毛が、芯の遠位末端から伸びている、該芯の長さの大半の部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端がアプリケータ・ハンドルに取り付けるために毛のない柄として形成され、そして、少なくともいくつかの毛が、芯の縦方向に伸びている複数の列の中に、
(a)毛が、不均一な角距離で芯の外周上において互いに横方向に間隔を開けられていること、
(b)少なくとも一つの列において、連続する毛が、少なくとも芯の長さの一部にわたって、芯の近位末端に向かって長さが段階的に減少していること、
(c)芯の縦方向に直線的に配置された、毛の密度が互いに異なっている少なくとも二つの区域ができるように毛を配分すること、
(d)毛の配列が前記列に配置された第一の毛と、密集して配置された、第一の毛より直径が小さい第二の毛を含んでいること、
という配列の特徴のうち一つまたは複数とともに配置されている、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項11】
列中の毛の長さが芯の長さに沿って段階的に変化することで、毛の先端部が共同で、全体を通して円形の断面をした想定的な外形を画定するようになっており、該外径の直径が、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、最初は増加し、次に減少し、そして再び増加する、請求項10に記載のブラシ。
【請求項12】
列の中には毛の長さが配列の遠位末端から近位末端に向かって段階的に増加するものがあるのに対し、毛の長さが段階的に減少する列もあることで、毛の配列の外形または輪郭の外周上で方向を変化させる複雑な傾斜または先細りの形状を与えるようになっている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項13】
列中の毛が配列の近位部分にあるときより配列の遠位部分にあるときのほうが実質的に密集し、毛の密度が近位部分より遠位部分の方で高くなっていることで、芯の長さに沿って直線的に配置された、それぞれ毛の密度が異なっている二つの区域をブラシに与えるようになっている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項14】
毛の配列が毛の密度が最大で外径が最大の中央区域を有しており、該区域が、毛の密度が低く、外径が小さくなっている近位区域および遠位区域の間に、ブラシの長さに沿って直線的に配置されている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項15】
ブラシの一方の側面にある一つまたは複数の列における毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最低となる中央部分にかけて段階的に減少し、ブラシの他方の側面にある一つまたは複数の列における毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となる中央部分にかけて段階的に増加し、これら二つの側面の中間的な列にある毛がブラシの端部から端部まで長さが均一である、請求項10に記載のブラシ。
【請求項16】
すべての列にある毛の長さが、毛の配列の遠位部分において芯の遠位末端に向かって段階的に減少するが、ブラシの長さの残りの部分では、少なくとも一つの列にある毛が遠位部分からブラシの長さの中央部分に向かって長さが段階的に小さくなり、そして配列の近位末端に向かって長さが段階的に増加するのに対し、長さの反対の変化が少なくとも一つの別の列で生じ、さらに少なくとももう一つの列において、毛が遠位部分をのぞいて均一の長さをしている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項17】
毛の配列が前記列に配置された第一の毛と、密集して配置され、第一の毛より直径が小さい第二の列を含んでいる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項18】
熱可塑性ポリウレタン・エラストマーで作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項19】
主としてSBSまたはSEBSで構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項20】
熱可塑性ポリエステル・エラストマー「HYTREL」(登録商標)(純度100%または混合)で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項21】
主としてLDPEおよびエラストマー「CHEVRON EXACT」(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項22】
主として「PELLETHANE(登録商標)」(純度100%または混合)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項23】
熱可塑性ポリエステル・エラストマー「HYTREL(登録商標)」(純度100%または混合)で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項24】
主としてLDPEおよびエラストマー「CHEVRON EXACT(登録商標)」で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項25】
主として「PELLETHANE(登録商標)」(純度100%または混合)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項1】
(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、
(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、
(c)実質的に形状が自立的であり、芯の内部に配置され、芯の縦方向に伸びているワイヤーを備えていることを改良点として含む、
マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項2】
(a)長い柔軟なプラスチック製の芯と、
(b)芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を備えているブラシであり、該ブラシにおいて、
(c)芯に手動で与えられた湾曲または曲線を保持するために、芯の中に配置され、芯の縦方向に伸びている、手動で湾曲可能であり、実質的に非弾力性のワイヤーを備えていることを改良点として含む、
マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項3】
芯および毛が一体的に射出成形される、請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
芯がワイヤーの周りに射出成形される、請求項3に記載のブラシ。
【請求項5】
芯が実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有し、毛が芯の遠位末端から伸びている該芯の長さの大半にわたって芯の周囲に配分され、そして、芯の近位末端が、アプリケータ・ハンドルへ取り付けるための毛のない柄として形成されている、請求項2に記載のブラシ。
【請求項6】
毛が、芯の縦方向に伸びた複数の列に配列され、互いに不均一な角距離で芯の外周上に横方向に間隔を開けられている、請求項5に記載のブラシ。
【請求項7】
芯および毛が一体で射出成形され、前記列が、芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一と第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開けられ、芯の外周上で前記複列から90度の間隔を開けられた第一と第二の毛の単列、そして、それぞれが前記複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれ、第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置された第三、第四、第五、第六の毛の単列で構成される、請求項6に記載のブラシ。
【請求項8】
長いプラスチック製の芯と、芯から放射状に伸びている複数のプラスチック製の毛を含んだブラシであり、芯および毛が一体で射出成形され、芯が、実質的に断面で見られる円形の外周と、遠位末端および近位末端を有し、毛が、芯の遠位末端から伸びている、該芯の長さの大半の部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端がアプリケータ・ハンドルに取り付けるための毛のない柄として形成され、そして、毛が芯の縦方向に伸びた複数の列の中に配列され、芯の円周上において不均一な角距離で互いに横方向に間隔を開けられている、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項9】
前記列が芯の外周上で互いに180度の間隔を開けられた第一および第二の毛の複列と、互いに180度の間隔を開けられ、芯の外周上において前記複列から90度の間隔を開けられた第一および第二の毛の単列、そして、それぞれが前記複列の一方から35度の間隔を開けられ、それぞれが、第一の複列と第一の単列の間、第一の単列と第二の複列の間、第二の複列と第二の単列の間、そして第二の単列と第一の複列の間に配置された、第三、第四、第五、第六の毛の単列で構成される、請求項8に記載のブラシ。
【請求項10】
長いプラスチック製の芯と、芯から放射状に伸びているプラスチック製の毛の配列を含んだブラシであり、芯および毛が一体で射出成形され、芯が実質的に断面で見られる円形の断面と、遠位末端および近位末端を有し、毛が、芯の遠位末端から伸びている、該芯の長さの大半の部分にわたって芯の周りに配分され、芯の近位末端がアプリケータ・ハンドルに取り付けるために毛のない柄として形成され、そして、少なくともいくつかの毛が、芯の縦方向に伸びている複数の列の中に、
(a)毛が、不均一な角距離で芯の外周上において互いに横方向に間隔を開けられていること、
(b)少なくとも一つの列において、連続する毛が、少なくとも芯の長さの一部にわたって、芯の近位末端に向かって長さが段階的に減少していること、
(c)芯の縦方向に直線的に配置された、毛の密度が互いに異なっている少なくとも二つの区域ができるように毛を配分すること、
(d)毛の配列が前記列に配置された第一の毛と、密集して配置された、第一の毛より直径が小さい第二の毛を含んでいること、
という配列の特徴のうち一つまたは複数とともに配置されている、マスカラまたはその類似物を塗布するためのブラシ。
【請求項11】
列中の毛の長さが芯の長さに沿って段階的に変化することで、毛の先端部が共同で、全体を通して円形の断面をした想定的な外形を画定するようになっており、該外径の直径が、毛の配列の遠位末端から近位末端に向かって、最初は増加し、次に減少し、そして再び増加する、請求項10に記載のブラシ。
【請求項12】
列の中には毛の長さが配列の遠位末端から近位末端に向かって段階的に増加するものがあるのに対し、毛の長さが段階的に減少する列もあることで、毛の配列の外形または輪郭の外周上で方向を変化させる複雑な傾斜または先細りの形状を与えるようになっている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項13】
列中の毛が配列の近位部分にあるときより配列の遠位部分にあるときのほうが実質的に密集し、毛の密度が近位部分より遠位部分の方で高くなっていることで、芯の長さに沿って直線的に配置された、それぞれ毛の密度が異なっている二つの区域をブラシに与えるようになっている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項14】
毛の配列が毛の密度が最大で外径が最大の中央区域を有しており、該区域が、毛の密度が低く、外径が小さくなっている近位区域および遠位区域の間に、ブラシの長さに沿って直線的に配置されている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項15】
ブラシの一方の側面にある一つまたは複数の列における毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最低となる中央部分にかけて段階的に減少し、ブラシの他方の側面にある一つまたは複数の列における毛の長さが、毛の配列の近位末端および遠位末端から、毛の長さが最大となる中央部分にかけて段階的に増加し、これら二つの側面の中間的な列にある毛がブラシの端部から端部まで長さが均一である、請求項10に記載のブラシ。
【請求項16】
すべての列にある毛の長さが、毛の配列の遠位部分において芯の遠位末端に向かって段階的に減少するが、ブラシの長さの残りの部分では、少なくとも一つの列にある毛が遠位部分からブラシの長さの中央部分に向かって長さが段階的に小さくなり、そして配列の近位末端に向かって長さが段階的に増加するのに対し、長さの反対の変化が少なくとも一つの別の列で生じ、さらに少なくとももう一つの列において、毛が遠位部分をのぞいて均一の長さをしている、請求項10に記載のブラシ。
【請求項17】
毛の配列が前記列に配置された第一の毛と、密集して配置され、第一の毛より直径が小さい第二の列を含んでいる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項18】
熱可塑性ポリウレタン・エラストマーで作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項19】
主としてSBSまたはSEBSで構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項20】
熱可塑性ポリエステル・エラストマー「HYTREL」(登録商標)(純度100%または混合)で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項21】
主としてLDPEおよびエラストマー「CHEVRON EXACT」(登録商標)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項22】
主として「PELLETHANE(登録商標)」(純度100%または混合)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項10に記載のブラシ。
【請求項23】
熱可塑性ポリエステル・エラストマー「HYTREL(登録商標)」(純度100%または混合)で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項24】
主としてLDPEおよびエラストマー「CHEVRON EXACT(登録商標)」で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項25】
主として「PELLETHANE(登録商標)」(純度100%または混合)で構成された合成の熱可塑性材料で作られる、請求項8に記載のブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2008−18245(P2008−18245A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182193(P2007−182193)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(507236166)アルカン パッケージング ビューティ サービシズ (3)
【氏名又は名称原語表記】ALCAN PACKAGING BEAUTY SERVICES
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(507236166)アルカン パッケージング ビューティ サービシズ (3)
【氏名又は名称原語表記】ALCAN PACKAGING BEAUTY SERVICES
【Fターム(参考)】
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