説明

射出成形機のデータ表示方法、及び射出成形機のデータ表示装置

【課題】 成形データの良し悪しが一目見て分るような射出成形機のデータ表示装置を提供する。
【解決手段】 射出成形機の挙動を観察するに際し使用され、時刻(又はショット番号)と対応付けされた成形データの実測値を入力すると、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセル900に置換えて、前記セル900を時系列の帯状グラフ9としてディスプレイ8に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機のデータ表示方法と射出成形機のデータ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形は成形の一種であり、例えば、加熱溶融させた樹脂材料又は金属材料に射出圧を加えて押込んで金型に充填し、冷却して成形する方法であり、複雑な形状の製品を大量生産するのに適している。一般に、射出成形は、型閉じ、型締め、射出、保圧、冷却、型開き、成形された製品の取出し、の順序で行われ、このサイクルの繰り返しで、製品を連続的に生産する。ここで、冷却から次のサイクルの型締めまでの間の所定期間に可塑化計量が平行して行われることが多い。そのような成形を行う射出成形機は、熱可塑性樹脂を射出成形するプラスチック射出成形機を例に挙げると、1本のインラインスクリュで樹脂材料の可塑化溶融とその溶融樹脂の射出充填とを行うインラインスクリュ式射出装置、または、スクリュで樹脂材料の可塑化溶融を行う可塑化部とその溶融樹脂をプランジャで射出充填を行う射出部を別設したスクリュプリプラ式射出装置に大別される。
【0003】
射出成形機においては、シリンダやノズル等の機構部の温度や時間などを制御しながら、設定寸法規格内でばらつきの少ない一定品質の成形品を連続的に製造する。近年、携帯電話や車載用途などの精密部品では、高精度で同一寸法の部品を再現性よく製造することが求められており、市場からの品質改善要求が厳しくなっている。 そこで、射出成形機から取得した成形動作中の各種成形データの実測値を解析し、良し悪しを判定して射出成形機へフィードバックする取り組みが行なわれている。
【0004】
特許文献1には、複数台の射出成形機を管理する複数台管理システムにおける管理装置に備えられたディスプレイ装置により各射出成形機の稼働状況をグラフ表示する方法に関して、第1の棒グラフにて射出成形機の稼働状態を区別表示し、第2の棒グラフにて成形品の変更の有無を区別表示し、第3の棒グラフにて成形条件の変更の有無を区別表示することが記載されている(特許請求の範囲)。
【0005】
特許文献2には、射出成形機の品質データ(例えば、金型温度、充填時間、クッション位置、計量時間、V−P切換え位置など)、成形条件の設定変更履歴データ、異常発生履歴データ等の変化状況が一目で分かるようにモニタ表示できる射出成形機のモニタリング方法に関して、ディスプレイに、少なくとも異常発生の有無、及び品質データトレンドグラフを一目で見ることができるように、共通の時間軸上に、それぞれを独立して過去所定時間分を表示するとともに、その異常発生の有無または異常があった場合にその時間幅を帯状かつ前記共通の時間軸に直角に表示することが記載されている(特許請求の範囲)。
【0006】
また、上記のようなグラフ表示とは別に、成形動作中の各種成形データの実測値の少なくとも一つを、時系列に並べた数値データで表示することが従来から行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−19737号公報
【特許文献2】特開2004−230901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、既知の表示方法では、棒グラフ(特許文献1)、トレンドグラフ(特許文献2)又は数値表で表示する表示形式を用いていることから、棒の大きさや、打点の位置や、数値データから成形データの良し悪しを判定することとなり、これらグラフや数値データを見ても良し悪しが分り難く、判断に時間を要するという問題点がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、成形データの良し悪しが一目見て分るような射出成形機のデータ表示方法と射出成形機のデータ表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の射出成形機のデータ表示方法は、時刻又はショット番号と対応付けされた成形データの実測値を、コンピュータを用いて、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフとしてディスプレイに表示することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、前記セルの色の濃淡(又は色の明暗)で前記成形データの良し悪しが視覚的に判断できるとともに、前記帯状グラフ全体に対する前記セルの色の濃い部分(色の明るい部分)や前記セルの色の薄い部分(色の暗い部分)の占有度合いや分布状況が一目見て分かる。よって、前記成形データが悪い状態となる頻度や前記成形データが良い状態となる頻度が容易に把握できることとなる。
ここで、色のグラデーションとは、色の濃淡又は色の明暗を表している。本発明では、既知の表計算ソフトウエアやコンピュータグラフィックス用ソフトウエア等に備わっている色のグラデーション機能を使用することができる。
【0012】
前記成形データの実測値は、時刻と対応付けされているか、又はショット番号と対応付けされており、グラフの時間軸が時刻又はショット番号となった時系列の帯状グラフ形式でディスプレイ表示される。 前記時刻とは射出成形機に内蔵された時計の指す時刻であり、前記ショット番号とは射出成形機に内蔵された計数器がカウントしたショット番号である。前記時刻と前記ショット番号とは互いに置き換え可能である。
【0013】
前記設定された評価区分値は、例えば、前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いを前記セルの色の濃淡度合いや色の明暗度合いの段階として表すために設定する評価区分値である。 前記成形データの平均値とは、過去の実績値から算出された平均値、又は過去の実績値から異常値を除いたものから算出された平均値である。前記成形データの基準値とは、目標品質を得るための設定値又は設計値である。
【0014】
本発明は、表示対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色を濃く表示させるとともに、前記外れ度合いがプラス側の場合とマイナス側の場合とで前記セルの指定された色を異ならせることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、前記セルの色が濃くなれば前記実測値の外れ度合いが大きくなることが一目瞭然であり、また、前記外れ度合いがプラス側なのかマイナス側なのかが容易に判別がつく。
【0016】
本発明は、表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、その対象となる成形データ毎に求められる当該成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いの中で、その外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、1種の前記成形データが選択された場合にはそのまま前記セルに置換わり、また、2種以上の前記成形データが選択された場合には、選択された複数の前記成形データについて前記時刻又はショット番号毎に前記実測値の外れ度合いが最も大きなデータが代表値として前記セルに置換わるので、前記帯状グラフとしては1種のグラフが1画面で表示されることとなり、複数種類の帯状グラフが表示される場合と比較して表示が見易くなる。そして、1種の前記帯状グラフが所定時間長さで周期的に区切って並列表示されることで、対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いに周期性があるかが判別し易くなる。
【0018】
前記帯状グラフを周期的に区切る所定時間長さとしては、例えば、4時間、8時間、12時間、1日、7日間、30日間、1ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間等が挙げられる。その際、例えば、その所定時間長さを4時間とした場合には、単に0時間目から4時間目、4時間目から8時間目、8時間目から12時間目などのそれぞれの帯状グラフを並べて表示しても良いし、あるいは、指定した開始時間から4時間、すなわち、例えば、午後0時から午後4時までの4時間分の帯状グラフを複数日分並べて表示しても良い。
【0019】
前記コンピュータ及びディスプレイは、市販されているオフィス作業用のコンピュータ及びディスプレイを使用しても良いし、射出成形機の制御装置に備えるコンピュータ及びディスプレイの機能を使用しても良い。オフィスでデータ解析する場合や、現場の射出成形機にて直接データ解析する場合がある。
【0020】
本発明は、前記成形データとして、充填時間、最小クッション量、最終クッション量、V−P切換圧、最高充填圧、V−P切換位置、計量時間、サイクル時間、計量完了位置、充填率、背圧、各シリンダ温度、ノズル温度、スクリュ回転数のうちいずれか又はいずれか1種以上の実測値を選択することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、これら射出成形機の工程監視項目から前記成形データを選択して、有効かつ効果的な工程分析が素早く行なわれる。射出成形機としては、樹脂成形用射出成形機や金属成形用射出成形機が挙げられる。
【0022】
本発明の射出成形機のデータ表示装置は、射出成形機の挙動を観察するに際し使用され、時刻又はショット番号と対応付けされた成形データの実測値を入力するデータ入力手段と、データ編集用プログラムが搭載されたコンピュータと、ディスプレイを備え、前記コンピュータ上で前記データ編集用プログラムを起動させ、前記データ入力手段によって入力された前記実測値を、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフとして前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、前記コンピュータ上で前記データ編集用プログラムを起動させると、前記データ入力手段によって入力された前記実測値を、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフとして前記ディスプレイに表示する構成であるから、前記セルの色の濃淡(又は色の明暗)で前記成形データの良し悪しが瞬時に視覚的に判断できるとともに、前記帯状グラフ全体に対する前記セルの色の濃い部分(色の明るい部分)や前記セルの色の薄い部分(色の暗い部分)の占有度合いや分布状況が一目見て分かる。
【0024】
例えば、前記データ編集用プログラムを起動させると、前記評価区分値の入力画面が表示される設定としておけば、適宜数値を入力すると、入力された数値に一対一で対応したピッチや、入力された数値に比例したピッチや、入力された数値に所定の重み付け処理を行なったピッチで、グラデーションを付けたセルに置換える構成となり、分析対象となる前記成形データの種別に応じて、グラデーションの付け方を工夫することが容易となる。ここで、前記数値とは、ゼロを含めない正の数であり、例えば、±%表示される数であり、より具体的には、±1%、±2.5%、±5%、±10%、±15%、±25%、±30%等の数値が挙げられる。前記所定の重み付け処理とは、例えば、前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いが大きいほど入力された数値に大きな値の定数を掛けるか又は大きな値の定数で割る処理である。
【0025】
前記成形データは、射出成形機の工程監視項目となる成形データであり、時間、圧力、温度、プランジャ位置、スクリュ回転数等の項目から選択する。例えば、前記データ編集用プログラムを起動させると、複数の前記成形データ項目を選択するチェックボックスが表示される設定としておけば、これらの前記成形データ項目からいずれか1つ又はいずれか2種以上の項目を選択する構成となり、前記成形データ項目の選択が容易となる。
【0026】
本発明は、前記データ編集用プログラムが、表示対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色を濃く表示させるとともに、前記外れ度合いがプラス側の場合とマイナス側の場合とで前記セルの指定された色を異ならせ、かつ、表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、前記実測値の外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、そして、分析対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色が濃く表示されることで、色が濃くなれば前記実測値の外れ度合いが大きくなることが一目瞭然であり、また、前記実測値の外れ度合いがプラス側なのかマイナス側なのかを色の違いによって容易に識別できることとなる。さらに、前記帯状グラフとしては1種のグラフがディスプレイ表示されることとなり、複数種類の帯状グラフが表示される場合と比較して表示が見易くなる。そして、1種の前記帯状グラフが所定時間長さで周期的に区切って並列表示されることで、対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いに周期性があるかが判別し易くなり、前記データ編集用プログラムをインストールすることによって有効かつ効果的な工程分析が素早く行なわれる。
【0028】
例えば、前記データ編集用プログラムを起動させると、複数の前記所定時間長さを選択するボタンが表示される設定としておけば、これらの前記所定時間長さボタンからいずれかのボタンを選択することで、1種の前記帯状グラフが所定時間長さで周期的に区切って一画面に並列表示されることとなる。 また例えば、前記データ編集用プログラムを起動させると、複数の前記成形データ項目が選択できるチェックボックスと前記評価区分値が入力できる画面が表示され、前記成形データ項目が選択されて前記評価区分値が入力されると、前記成形データの値を、設定された評価区分値に応じて有色でグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフに変換し、次に、縦軸が0Hから24Hまでの時刻で、横軸が指定日から7日間に区切って前記ディスプレイに表示する構成とすることができ、そして、複数の成形機の機種番号と表示データの開始日がそれぞれ選択できる選択ダイアログが表示され、また、複数の前記所定時間長さを選択するボタンが表示され、設定された成形機の機種番号と表示データの開始日と前記所定時間長さに対応した前記帯状グラフが一画面に表示される構成とすることができる。
【0029】
本発明では、時刻又はショット番号と対応付けされた成形データの実測値、つまり射出成形機に保存されている成形データの実測値を、USBメモリや有線ケーブルや無線LAN等を介して管理PC(パソコン)に転送し、1台ないしは複数台の射出成形機を集中管理する管理PC上で前記データ編集用プログラムを起動させて、設定された成形機の機種番号と表示データの開始日と前記所定時間長さに対応した前記帯状グラフを一画面に表示させる構成とすることができる。ここで、上述のコンピュータや管理PCは、いわゆる個人向けパーソナルコンピュータでも対応可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の成形機のデータ表示方法によれば、前記セルの色の濃淡度合いや色の明暗度合いで前記成形データの良し悪しが視覚的に判断できるとともに、前記帯状グラフ全体に対する前記セルの色の濃い部分や前記セルの色の薄い部分の占有度合いや分布状況が一目見て分るので前記成形データが悪い状態となる頻度や前記成形データが良い状態となる頻度が容易に把握できることとなる。
【0031】
本発明の成形機のデータ表示装置によれば、工程監視項目となる成形データを選択すると、前記実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色が濃く表示されるので、色が濃くなれば前記実測値の外れ度合いが大きくなることが一目瞭然となり、そして、複数の成形データを選択した場合においても、1種の前記帯状グラフが所定時間長さで周期的に区切って一画面に並列表示されることで、対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いに周期性があるかが判別し易くなる。
したがって、これら本発明によって、成形データの良し悪しが一目見て分るようになるから、工程データの解析が容易となり、対象となる射出成形機へ早期にフィードバックし品質維持のみならず品質改善に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態の射出成形機のデータ表示方法の手順を示すフローチャート図である。
【図2】上記フローチャート図の他の例である。
【図3】本発明の実施形態の射出成形機のデータ表示装置の構成を機能的に説明するブロック図である。
【図4】上記射出成形機のデータ表示装置における設定入力画面を例示する図である。
【図5】上記射出成形機のデータ表示装置における帯状グラフの表示画面を例示する図である。
【図6】上記帯状グラフのグラデーション表示の表示パターンを例示する図である。
【図7】上記帯状グラフと数値表との連動関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態の射出成形機のデータ表示装置が機能的に備わった射出成形機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0034】
(データ表示装置)
図3は、本発明の実施形態の射出成形機のデータ表示装置1の構成を機能的に説明するブロック図である。本実施形態の射出成形機のデータ表示装置1は、射出成形機の挙動を観察するに際し使用され、データ編集用プログラム2とデータベース5とCPU4が搭載されたコンピュータ3と、設定条件等の入力手段7や実測値の入力手段9等のデータ入力手段と、ディスプレイ8から構成される(図3)。
【0035】
本実施形態で使用するコンピュータ3の構成としては、いわゆる個人向けのパーソナルコンピュータで足りる。ここでは、コンピュータ3には、射出成形機に保存されている成形データの実測値を、USBメモリや有線ケーブルや無線LAN等を介してコンピュータ3に転送する実測値入力手段9と、設定条件等のデータ入力を受け付ける入力手段7と、演算処理を行うCPU4と、演算処理前後のデータを蓄積保存するデータベース5とデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイ8が備わっており、コンピュータ3上でデータ編集用プログラム2が動作する。実測値入力手段9は、USBポートや、計測ポート、通信ポートなどの入力インターフェースである。設定条件等の入力手段7は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。なお、実測値入力は、上記に加えて、CD−ROMやハードディスクなどの媒体を介してコンピュータ3に入力する場合や、人が直接手入力する場合もある。また、1台の射出成形機や複数台の射出成形機を集中管理する管理用PCをコンピュータ3とする場合がある。また、本実施形態の射出成形機のデータ表示装置1は、例えば、後述されるが図8のように射出成形機の制御装置30とする場合がある。
【0036】
(データ編集用プログラム)
本発明では、コンピュータ3上でデータ編集用プログラム2を起動させて使用する。図1は、本発明の実施形態の射出成形機のデータ表示方法の手順を示すフローチャート図である。図2は、本実施形態の射出成形機のデータ表示方法の手順を示すフローチャート図の他の例である。
【0037】
図1に示す例では、先ず、時系列の成形データの実測値を取得し(符号S1)、設定条件を入力する(符号S2)。そして、設定条件を入力すると(符号S2)、データ編集用プログラム2によってグラデーション処理が行われ(符号S3)、帯状グラフが表示される(符号S4)。そして、条件を変更して再表示するかどうかをコンピュータ3が聞いてくるので(符号S5)、再表示を選択すると、再度、設定条件入力画面81が表示される。
【0038】
図2に示す例では、前記設定条件が予め決められており、時系列の成形データの実測値を取得し(符号S1)、データ編集用プログラム2によってグラデーション処理が行われ(符号S3)、帯状グラフが表示される(符号S4)。
【0039】
ここでは、図1に示すフローチャートに沿って、本実施形態の射出成形機のデータ表示方法の手順とその詳細を以下に説明する。
【0040】
先ず、射出成形機に保存されている成形データの実測値を、USBメモリや有線ケーブルや無線LAN等を介してコンピュータ3に転送し、時系列の成形データの実測値を取得し(符号S1)、設定条件を入力する(符号S2)。 図4は、本実施形態の射出成形機のデータ表示装置1における設定入力画面81を例示する図である。図4に示す例では、射出データや計量データ等の成形データ項目を選択するチェックボックス811が画面の左側に表示されており、いずれか1種又は2種以上の成形データ項目を選択する。そして、チェックボックス811の下方側には、前記チェックボックスを全選択するか又は全解除する全選択/全解除ボタン851が備わっている。
【0041】
前記成形データ項目としては、充填時間、最小クッション量、最終クッション量、V−P切換圧、最高充填圧、V−P切換位置、計量時間、サイクル時間、計量完了位置、充填率、背圧、各シリンダ温度、ノズル温度、スクリュ回転数等が挙げられる。 ここで、例えば、前述したスクリュプリプラ式射出成形機の場合で説明すると、サイクル時間は、型閉の開始から次の型閉が開始されるまでの時間である。充填時間は、射出開始からV−P切換までの時間である。計量時間は、計量開始からプランジャがサックバックも含んだ計量完了値に達するまでの時間である。V−P切換圧力は、充填工程において、射出(速度制御)から保圧(圧力制御)へ切り換えた時の射出圧力である。最高充填圧は、射出開始から保圧終了までの充填工程における射出圧力の最大値である。背圧は、計量工程中の背圧の平均値である。最小クッション量は射出開始から保圧終了までの充填工程におけるプランジャ位置の最小値である。V−P切換位置は、充填工程において、射出(速度制御)から保圧(圧力制御)へ切り換えたときのプランジャ位置である。計量完了値は、計量が終了したときのプランジャ位置である。充填率は、計量値からV−P切換位置を引いた値を、計量値から最小クッション量を引いた値で除した値である。スクリュ回転数は、計量工程中のスクリュ回転数の平均値である。最終クッション量は、充填工程において、保圧が終了したときのプランジャ位置である。温度Z0−Z6、温度ZP,ZJ,ZH等は、射出成形機の各部の温度であり、各シリンダ温度、ノズル温度等である。
【0042】
また、図4に示す例では、表示対象となる前記成形データの平均値(又は基準値)に対する前記実測値の外れ度合いを設定するためのデータ判定設定入力欄812が画面の右側に表示されており、ゼロを含めない正の数を入力する。図4では、例えば、データ判定設定入力欄812に数字の5を入力すると、前記成形データの平均値(又は基準値)に対する実測値の外れ度合いP1を±5%に設定する。そして、データ判定設定入力欄812の下方側には、前記データ判定設定入力欄812をデフォルト設定するデフォルト設定ボタン852が備わっている。これら設定が完了すると、OKボタン813を押す。また、入力をキャンセルする場合には、キャンセルボタン853を押す。
【0043】
図6は、帯状グラフを構成するセル900のグラデーション表示の表示パターンを例示する図である。前記成形データの平均値をP0とすると、実測値の外れ度合いP1をマイナス側とした−P1から実測値の外れ度合いP1をプラス側とした+P1までの範囲を、正常稼働中と判断して白色セル901とする(図6(a))。例えば、前記成形データの平均値±5%の範囲を白色セル901とする(図6(b))。
【0044】
図6に示す例では、前記成形データの平均値に対する前記実測値の外れ度合いがプラス側で大きくなるに応じて前記セル900の指定された赤色を濃く表示させる。符号+P1から+P2までの区間セル902を薄赤色とする(図6(a))。例えば、前記成形データの平均値+5%から+10%までの区間セルを薄赤色とする(図6(b))。そして、前記成形データの平均値に対する前記実測値の外れ度合いがプラス側で大きくなるに応じて区間セル902,903,904,905,906の指定された赤色を濃く表示させて行く(図6(a))。例えば、前記成形データの平均値+5%から+30%までの区間を5つの区間セルとし、薄赤色から濃赤色に着色する(図6(b))。
【0045】
図6に示す例では、前記成形データの平均値に対する前記実測値の外れ度合いがマイナス側で大きくなるに応じて前記セル900の指定された青色を濃く表示させる。符号−P1から−P2までの区間セル912を薄青色とする(図6(a))。例えば、前記成形データの平均値−5%から−10%までの区間セルを薄青色とする(図6(b))。そして、前記成形データの平均値に対する前記実測値の外れ度合いがマイナス側で大きくなるに応じて区間セル912,913,914,915,916の指定された青色を濃く表示させて行く(図6(a))。例えば、前記成形データの平均値−5%から−30%までの区間を5つの区間セルとし、薄青色から濃青色に着色する(図6(b))。
【0046】
ここで、実測値のプラス側の外れ度合い+P1、+P2等、及びマイナス側の外れ度合い−P1、−P2等は、例えば、データ判定設定入力欄812の入力値を符号I(%)とすると、入力値Iの1倍を符号+P1、入力値Iの2倍を符号+P2等、及び入力値Iの−1倍を符号−P1、入力値Iの−2倍を符号−P2等として設定しても良いし、例えば、データ判定設定入力欄812の入力値I(%)に対して、予め定数ΔIを設定しておき、入力値Iのプラス側を符号+P1、符号+P1にΔIを足し合わせたものを符号+P2、符号+P2にΔIを足し合わせたものを符号+P3等、及び入力値Iのマイナス側を符号−P1、符号−P1からΔI差し引いたものを符号−P2、符号−P2からΔIを差し引いたものを符号−P3等として設定しても良いし、例えば、それぞれの外れ度合いを個別に入力して設定するようにしても良い。また、区間セルの構成個数は、増減設定を可能にしてあっても良い。また、実測値の外れ度合いP1、P2等のプラス側とマイナス側で各種設定が異なるように設定可能にしてあっても良い。
【0047】
本実施形態によれば、分析対象となる前記成形データの平均値(又は基準値)に対する実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セル900の指定された色が濃く表示されることで、色が濃くなれば前記実測値の外れ度合いが大きくなることが一目瞭然であり、また、前記実測値の外れ度合いがプラス側なのかマイナス側なのかを色の違いによって容易に識別できることとなる。
【0048】
本実施形態では、表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セル900に置換えて、前記帯状グラフを表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、前記実測値の外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セル900に置換えて、前記帯状グラフを表示する構成となっている。 本実施形態によれば、前記帯状グラフとしては1種のグラフがディスプレイ表示されることとなり、複数種類の帯状グラフが表示される場合と比較して表示が見易くなる。
【0049】
図5は、本実施形態の射出成形機のデータ表示装置1における帯状グラフ9の表示画面82を例示する図である。図5に示す例では、射出成形機の機種番号(又は識別記号)を選択するチェックボックス821と、表示開始日を選択するチェックボックス822が、それぞれ画面の左側に表示されている。また、表示期間を7日間とするか30日間とするか選択する表示期間選択ボタン823が画面の左側に表示されている。画面左側の中ほどには、セル900の指定色を例示した説明表825が表示されている。前記セル900の指定色を示す説明表825は、例えば、稼動停止中が黒色、生産中が白色、段取り中が緑色、異常停止中が黄色、データ上限超えが赤色、データ下限未満が青色で表される(図5)。そして、画面左下には、OKボタン824が配されており、射出成形機の機種番号と表示開始日と表示期間が正しければOKボタン824を押す。入力をキャンセルする場合には、キャンセルボタン861を押す。帯状グラフ表示の設定条件入力画面81に戻る場合は、画面右下の詳細設定ボタン862を押す。
【0050】
本実施形態では、前記帯状グラフ900を所定時間長さで周期的に区切って並列表示しており、図5に示す例では、7日間の帯状グラフ9を、1日24時間で区切って、1日毎の帯状グラフ91−95の形式で並列表示している。ここで、帯状グラフ9の縦軸は時間軸で、0:00〜24:00となっている。これら1日毎の帯状グラフ91−97の下方には、それぞれの日毎の稼働率と不良率が表示されている(図5の符号711)。符号711の左端には、表示対象期間全体の稼働率と不良率が表示される。
【0051】
本実施形態では、表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セル900に置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、前記実測値の外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セル900に置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示する構成となっている。 本実施形態によれば、1種の前記帯状グラフが所定時間長さで周期的に区切って並列表示されることで、対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する実測値の外れ度合いに周期性があるかが判別し易くなる。
【0052】
図7は、帯状グラフ9の表示画面82と、数値表の表示画面83との連動関係を示す説明図である。図7に示す例では、帯状グラフ9の縦軸はショット数で、0〜1000shotとなっている。そして、1日毎の帯状グラフで表され、7日間の帯状グラフ9が並列表示される。図7に示す例では、帯状グラフ9は、1日当たりのショット数(生産量)を示す度数グラフとして表されているとともに、対象となる前記成形データの平均値(又は基準値)に対する実測値の外れ度合いがカラー表示されている。図7に示す例では、帯状グラフ9の見たいショットを選択してクリックすると、選択したショットの詳細な数値データ表83が表される。帯状グラフ9の表示画面82と、数値表の表示画面83とは連動している。表示画面82と表示画面83とは、同時に表示させても良いし、交互に表示させても良い。また、数値データ表83の見たい数値セルを選択してクリックすると、帯状グラフ9の表示画面82を表示させる構成としても良い。
【0053】
(射出成形機)
図8は、本実施形態の射出成形機のデータ表示装置が機能的に備わった射出成形機のブロック図である。図8に示す例では、設定条件等の入力手段7や実測値の入力手段9等のデータ入力手段、コンピュータ3、及びディスプレイ8が射出成形機に備わっており、データ編集用プログラム2が、コンピュータ3にインストールされている。本実施形態によれば、データ編集用プログラム2をインストールすることによって有効かつ効果的な工程分析が素早く行なわれる。
【0054】
前記射出成形機としては、樹脂成形用射出成形機や金属成形用射出成形機が挙げられるが、ここでは、樹脂成形用の射出成形機としてその動作の概要を補足説明する。 前述したように、例えば、スクリュプリプラ式射出成形機は、樹脂材料を可塑化することを目的とする可塑化部10と、可塑化された樹脂材料を金型内に射出することを目的とする射出部20とからなり、両者は、溶融樹脂の連通路16を設けたジャンクション部17において接続している(図8)。可塑化部10は、樹脂ペレットを供給するためのホッパ13を備える可塑化シリンダ15と、可塑化シリンダ15内のスクリュ14を駆動するスクリュ駆動装置11及びスクリュ14の前後動作を制御する逆止装置12等からなる。射出部20は、先端部にノズルシリンダ2Aを介して射出ノズル21を取り付けた射出シリンダ2Bと、そのシリンダ2B内に備えるプランジャ2Cと、そのプランジャ2Cを駆動する射出駆動装置27等からなる。射出駆動装置27の主要部は、作動ロッド3A、ピストン3Cおよびシリンダ3Bからなる油圧シリンダである。射出駆動装置27には、射出プランジャ2Cの位置を検出するための位置センサG1と、射出圧力を検出するための圧力センサG2が組み込まれ、制御装置30側からプランジャ2Cの動作状態および射出圧力値が監視される。なお、各種駆動装置は、油圧式に限定されることなく、電動式や空圧式などても良い。
【0055】
このような射出成形機における射出動作の概要は、可塑化シリンダ15内のスクリュ14を僅かに後退させることによって、スクリュ14の先端部で塞がれていたジャンクション部17の連通路16を開き、可塑化シリンダ15から連通路16を介して溶融樹脂を射出シリンダ2B側に供給する。射出シリンダ2B側では、プランジャ2Cが後退動作しながら1ショット分の溶融樹脂を受け入れ、溶融樹脂は射出プランジャ2Cの後退量によって計量される。計量工程後、スクリュ14の前進によって連通路16が閉鎖される。次いで、プランジャ2Cが前進駆動され、射出シリンダ2B内に受け入れられた溶融樹脂を金型内に所定の射出速度で射出する。金型内に溶融樹脂が充填完了し、つまり、射出工程が完了した後、プランジャ2Cは、さらに前進方向に駆動され、溶融樹脂に対して引き続く保圧工程に必要な保圧力を加える。保圧工程では、保持圧力によって溶融樹脂が金型内において微量に流動をしながら金型内に完全充填されるとともに、金型によって冷却されることによって流動性を失い、所定形状の成形品Zとなる。なお、成形品Zのゲート5Cを切り離すと最終製品Z1になる。射出成形機における上記のような一連の連携動作は、図示しない型締装置を含め、制御装置30によって予めプログラムされた各種の条件を充足するようにフィードバック制御される。制御装置30は、特定の機能を担当する機能手段としての成形条件記憶部31、実測値記憶部32、表示制御部34、フィードバック制御部35を含む機構制御部36を主要部としてなる。制御装置30には、検出される成形データの実測値を入力する実測値入力手段9と、設定条件等のデータ入力を受け付ける入力手段7と、演算処理を行うCPU4と、データベース5とディスプレイ8が備わっている。実測値入力手段9は、計測用インターフェースである。また、その実測値入力手段9は、制御装置30の基準クロックを参照して計時した時間の成形データを取得する機能を含んでも良い。制御装置30には、前記射出駆動装置27の位置センサG1および圧力センサG2を含むセンサ群Gが接続されるとともに、制御装置30からの情報信号は、オペレータに視覚情報を提供する表示装置38の外、射出駆動装置27用のドライバを含むドライバ群Dに接続されている。すなわち、制御装置30の基本的動作は、センサ群Gから送られてくる情報を予めプログラムされた情報との関連において演算処理し、ドライバ群D等に送り出す動作である。制御装置30に接続されるセンサ群Gには、上記の他にも、例えば、各シリンダを1つまたは複数のゾーンに分けて、各ゾーンの温度を検出する各温度センサも含まれるし、スクリュの回転数を検出するセンサなども含まれる。
【0056】
データベース5には、成形条件記憶部31と実測値記憶部32を含んでおり、成形条件記憶部31は、設定機となる入力手段7から入力された各種の成形条件を記憶する。実測値記憶部32は、入力されたセンサ群Gなどからの実測値情報を記憶または更新記憶する。機構制御部36は、成形条件と実測値をもとにフィードバック制御によって射出駆動装置27その他の各種機構を制御する。表示制御部34は、各種データを変換処理してディスプレイ8に出力する。ここで、射出速度の実測値は、プランジャ2Cの前進位置を検出する位置センサG1から逐次送出される位置実測値を制御装置30の基準クロックを参照して速度データに変換する方式で検出される。また、射出圧力の実測値は、プランジャ2Cを駆動する油圧を介して圧力センサG2によって検出される。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、前記実測値の外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セル900に置換えて、前記帯状グラフ9を所定時間長さで周期的に区切って並列表示するとしたが、表示対象となる前記成形データの種別に対応させて複数種類の帯状グラフをそれぞれ表示させる構成としても良い。また、表示対象となる前記成形データの種別に対応させて色分け表示させる構成としても良い。また、上述の実施形態によれば、分析対象となる前記成形データの平均値(又は基準値)に対する1ショット中の実測値の外れ度合いを1つのセル900に割り当てて表示するようにしていたが、予め設定した複数ショットを1つのセル900に割り当てるようにして、その複数ショット分でかつ少なくとも1種の成形データの実測値の中で、その外れ度合いが一番大きい成形データに対して当該セルの指定色を決定するようにしても良い。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
1 射出成形機のデータ表示装置、
2 データ編集用プログラム、
3 コンピュータ、
7 入力手段、
8 ディスプレイ(ディスプレイ画面)、
9 帯状グラフ、
900 セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻又はショット番号と対応付けされた成形データの実測値を、コンピュータを用いて、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフとしてディスプレイに表示することを特徴とする射出成形機のデータ表示方法。
【請求項2】
表示対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色を濃く表示させるとともに、前記外れ度合いがプラス側の場合とマイナス側の場合とで前記セルの指定された色を異ならせることを特徴とする請求項1記載の射出成形機のデータ表示方法。
【請求項3】
表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、その対象となる成形データ毎に求められる当該成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いの中で、その外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示することを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機のデータ表示方法。
【請求項4】
前記成形データとして、充填時間、最小クッション量、最終クッション量、V−P切換圧、最高充填圧、V−P切換位置、計量時間、サイクル時間、計量完了位置、充填率、背圧、各シリンダ温度、ノズル温度、スクリュ回転数のうちいずれか又はいずれか1種以上の実測値を選択することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の射出成形機のデータ表示方法。
【請求項5】
射出成形機の挙動を観察するに際し使用され、時刻又はショット番号と対応付けされた成形データの実測値を入力するデータ入力手段と、データ編集用プログラムが搭載されたコンピュータと、ディスプレイを備え、前記コンピュータ上で前記データ編集用プログラムを起動させ、前記データ入力手段によって入力された前記実測値を、設定された評価区分値に応じて色のグラデーションを付けたセルに置換えて、前記セルを時系列の帯状グラフとして前記ディスプレイに表示することを特徴とする射出成形機のデータ表示装置。
【請求項6】
前記データ編集用プログラムが、表示対象となる前記成形データの平均値又は基準値に対する前記実測値の外れ度合いが大きくなるに応じて前記セルの指定された色を濃く表示させるとともに、前記外れ度合いがプラス側の場合とマイナス側の場合とで前記セルの指定された色を異ならせ、かつ、表示対象となる前記成形データが1種である場合には、前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示し、また、表示対象となる前記成形データが2種以上である場合には、前記実測値の外れ度合いが最も大きな成形データの実測値を前記セルに置換えて、前記帯状グラフを所定時間長さで周期的に区切って並列表示することを特徴とする請求項5記載の射出成形機のデータ表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−86434(P2013−86434A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231117(P2011−231117)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000132725)株式会社ソディック (197)
【Fターム(参考)】