説明

射出装置

【課題】簡単な構成で潤滑剤の供給を可能とした射出装置を提供する。
【解決手段】筒状に形成されて一方側にスクリュ31が接続されると共に他方側に射出モータ43に接続されたボールねじ46が接続され、外周に第1のスプライン49が設けられた回転摺動部材40と、回転摺動部材40を囲繞するよう配設されており計量モータ42に配設された第2のスプライン47が第1のスプライン49とスプライン係合することにより回転摺動部材40を回転させる計量モータ42とを有する射出装置であって、回転摺動部材40は、潤滑剤61を当該回転摺動部材40の内側から第1及び第2のスプライン49,47の係合位置に供給する貫通孔61を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出装置に係り、特にスプライン係合部分にグリスを供給する潤滑構造を有する射出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形機は、加熱シリンダ内において加熱され溶融された樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填し、このキャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品を得る構成とされている。この射出成形機は、型締装置、及び射出装置等を有している。
【0003】
型締装置は、固定プラテン、可動プラテン、及びトグル機構等を備えている。可動プラテンはトグル機構により駆動され、この可動プラテンが固定プラテンに対して進退することにより、金型装置の型閉じ、型締め、及び型開きを行う構成とされている。
【0004】
また射出装置は、加熱シリンダ、スクリュー、射出ノズル、及び駆動装置等を有している。加熱シリンダは、ホッパから供給された樹脂を加熱して溶融させる。スクリューは、加熱シリンダ内に回転自在に、かつ、進退自在に配設される。射出ノズルは加熱シリンダの先端に設けられ、加熱シリンダ内で溶融された樹脂は、該射出ノズルを介してキャビティ空間に射出される。
【0005】
図4は、従来の駆動装置132を示す概略構成図である。同図に示すように駆動装置132は、スクリュー(図4では図示を省略)に接続された回転摺動部材140、回転摺動部材140を回転させることによりスクリューを回転させる計量モータ142、及び回転摺動部材140を進退(X1,X2方向に移動)させることによりスクリューを進退させる射出モータ143等を有している。この駆動装置132によりスクリューを後退させることにより樹脂の計量が行われ、スクリューを前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出される。
【0006】
ここで、計量モータ142は、回転摺動部材140をX1,X2方向に移動可能な構成としつつ、かつ回転摺動部材140に対して回転を行わせる必要がある。このため、計量モータ142のロータにスプラインナット147(雌スプライン)を形成すると共に、回転摺動部材140の外周に雄スプラインが形成されたスプラインライン150を設けた構成としている。
【0007】
そして、スプラインナット147とスプラインライン150とをスプライン係合させることにより、回転摺動部材140を計量モータ142に対してX1,X2方向に進退自在(摺動自在)に、かつ、計量モータ142により回転可能な構成としている。
【0008】
ところで、スプラインナット147とスプラインライン150がスプライン係合される部位では、回転摺動部材140の円滑な進退動作を行わせるためにグリス等の潤滑剤により潤滑を行う必要がある。従来では、計量モータ142にその外部とスプライン係合位置とを連結する潤滑剤供給孔160を形成し、この潤滑剤供給孔160を介して潤滑剤を計量モータ142の外部からスプライン係合位置に供給する構成としていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−061656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら従来の射出装置においては、潤滑剤を計量モータ142の外部からスプライン係合位置に向け供給する構成であったため、構造が複雑化してしまうという問題点があった。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で潤滑剤の供給を可能とした射出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題は、第1の観点からは、
筒状に形成されて一方側にスクリューが接続されると共に他方側に射出モータに接続されたボールねじが接続され、外周に第1のスプラインが設けられた回転摺動部材と、
前記回転摺動部材を囲繞するよう配設されており、前記第1のスプラインとスプライン係合する第2のスプラインを有して前記回転摺動部材を回転させる計量モータと、を有する射出装置であって、
前記回転摺動部材は、潤滑剤を当該回転摺動部材の内側から前記第1及び第2のスプラインの係合位置に供給する供給路を有することを特徴とする射出装置により解決することができる。
【発明の効果】
【0013】
開示の射出装置によれば、回転摺動部材の回転により発生する遠心力により、潤滑剤は潤滑剤供給孔を介して第1及び第2のスプラインの係合位置に供給されるため、前記係合位置に確実に潤滑剤を供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である射出装置を設けた射出成形機を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である射出装置に設けられた計量モータを一部断面で示した斜視図である。
【図3】図3は、潤滑剤の流れを説明するための概略構成図である。
【図4】図4は、従来の一例である潤滑剤の流れを説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態である射出装置を適用した射出成形機1を示している。射出成形機1は、大略すると型締装置10と射出装置30とにより構成されている。
【0017】
まず、型締装置10について説明する。型締装置10は、可動金型11Aが取り付けられる可動プラテン12と、固定金型11Bが取り付けられる固定プラテン14とを有する。可動金型11Aと固定金型11Bとで、金型装置13が構成される。可動プラテン12と固定プラテン14とは、タイバー15によって連結される。可動プラテン12はタイバー15に沿って摺動可能である。
【0018】
また、型締装置10は、一端が可動プラテン12と連結し、他端がトグルサポート16と連結するトグル機構17を有する。トグルサポート16の中央部には、ボールねじ軸19が配設されている。
【0019】
このボールねじ軸19の図中矢印X2方向側の端部は、型締モータ18の駆動軸に接続されている。また、ボールねじ軸19の矢印X1方向側の端部は、トグル機構17のクロスヘッド20に接続される。
【0020】
上記構成とされた型締装置10において、型締モータ18が駆動すると、型締モータ18の回転はナット21に伝達されてナット21は回転し、このナット21の回転がボールねじ軸19の直線運動に変換されてクロスヘッド20が直線運動する。このクロスヘッド20の移動によりトグル機構17は作動し、可動プラテン12はタイバー15に沿って移動し、金型13に対する型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0021】
なお、型締モータ18の出力軸の後端には、位置検出器25が接続されている。位置検出器25は、型締モータ18の回転数又は回転量を検出することにより、ボールねじ軸19の回転に伴って移動するクロスヘッド20又はトグル機構17によってクロスヘッド20に連結された可動プラテン12の位置を検出する。
【0022】
次に、射出装置30について説明する。射出装置30は、スクリュー31と駆動装置32とを有している。スクリュー31は、加熱シリンダ33の内部に回転自在に、かつ進退自在(X1,X2方向に移動可能)な構成で配設されている。また、加熱シリンダ33の上部位置には、ホッパ34が設けられている。
【0023】
また、加熱シリンダ11の後端は、前方射出サポート38に取り付けられている。また、後方射出サポート39は、前方射出サポート38と所定の距離を置いて配設される。そして、前記前方射出サポート38と後方射出サポート39との間に連結ロッド41が架設され、この連結ロッド41によって前記前方射出サポート38と後方射出サポート39との間に所定の距離が保持される。また、前方射出サポート38、後方射出サポート39、及び連結ロッド41によって射出枠が構成される。
【0024】
スクリュー31の後端(X1方向側の端部)は、カプラ62を介して円形の形状を有する連結体40Aが一体的に取り付けられる。また、この連結体40Aには、筒状の支持体40Bが取り付けられる。よって、連結体40Aと支持体40Bによって、スクリュー31と一体に回転する回転摺動部材40が構成される。
【0025】
回転摺動部材40の内部には、駆動軸となるボールねじ軸44を回転自在に支持するベアリングb3等が配設されている。従って、回転摺動部材40は、一方側にスクリュー31が接続されると共に、他方側にボールねじ軸44が接続された構成となる。
【0026】
回転摺動部材40を構成する支持体40Bの外周壁には、第1のスプラインとなるスプラインライン49が形成されている。また、支持体40Bには、潤滑を行うための貫通孔60が形成されている。なお、説明の便宜上、貫通孔60については後に詳述するものとする。
【0027】
計量モータ42は、図示しない固定ボルトを用いて前方射出サポート38に取り付けられる。また計量モータ42は、前方射出サポート38に取り付けられた状態で回転摺動部材40を包囲する構成とされている。そして、計量用モータ42は、計量工程においては回転摺動部材40を回転させる第1の駆動状態となり、また射出工程においては回転摺動部材40に伝達される回転を拘束する第2の駆動状態となる。
【0028】
この計量モータ42は、図1に加えて図2に示すように、前方射出サポート38に固定された前部環状体50、この前部環状体50に固定されたスリーブ53、このスリーブ53の後端に取り付けられた後部環状体54、スリーブ53の径方向において内側に取り付けられたステータ55、及びステータ55の径方向において内方に配設された筒状のロータ56等を備えている。また、ロータ56の後端部には、図示されないボルトによって第2のスプラインとなるスプラインナット47が取り付けられる。
【0029】
ステータ55は、前記の回転摺動部材40を囲繞するよう配設されている。このステータ55は、スリーブ53に取り付けられたコア55aと、このコア55aに巻装されたコイル55bとを備えている。
【0030】
また、ロータ56は、磁石58と筒状体59等を具備している。このロータ56は、X2方向側の端部近傍をベアリングb1により前部環状体50に対して回転自在に支持され、またX1方向側の端部近傍をベアリングb2により後部環状体54に対して回転自在に支持されている。
【0031】
筒状体59は、回転摺動部材40と同軸で回転するよう構成されている。また磁石58は、筒状体59の外周面においてステータ55と対応する箇所に取り付けられている。この磁石58と筒状体59とにより構成されるロータ56は、計量モータ42の出力軸として機能する。
【0032】
この際、前部環状体50、スリーブ53、及び後部環状体54によって、前方射出サポート38と一体のケースが構成される。従って、前方射出サポート38及び計量モータ42を一体化することができ、射出成形機1の小型化を図ることができる。また、計量モータ42を駆動することにより、ロータ56(筒状体59)に発生させられた回転を、直接的に回転摺動部材40に伝達することができる。
【0033】
スプラインナット47は内周面に雌スプラインが形成されており、この雌スプラインは支持体40B(回転摺動部材40)の外周に形成されたスプラインライン49に形成された雄スプラインとスプライン係合するよう構成されている。
【0034】
このため計量用モータ42の第1の駆動状態においては、計量用モータ42が発生する回転力は前記スプライン係合を介して回転摺動部材40に伝達される。これにより、回転摺動部材40は、計量モータ42により回転駆動される。
【0035】
一方、計量用モータ42の第2の駆動状態においては、計量モータ42は停止している(回転が拘束されている)。このため、計量モータ42で発生している拘束力は前記スプライン係合を介して回転摺動部材40に伝達され、よって回転摺動部材40の回転も拘束される。
【0036】
ボールねじ46は、回転摺動部材40と射出モータ43との間に配設されている。このボールねじ46は、互いに螺合したボールねじ軸44及びボールナット45から構成されている。
【0037】
ボールねじ軸44の前端部(X2方向端部)は、ベアリングb3により回転摺動部材40に回転自在に、かつ軸方向に移動不能な構成で支持される。また、ボールねじ軸44の後端部(X1方向端部)は、図示しない連結器を介して射出モータ43と接続されている。
【0038】
次に、上記構成とされた射出装置30の動作について説明する。
【0039】
まず、計量工程時において計量用モータ42を駆動する(第1の駆動状態とする)と、計量モータ42の回転はスプラインナット47とスプラインライン49とのスプライン係合を介して回転摺動部材40に伝達され、回転摺動部材40が回転する。
【0040】
前記のように、回転摺動部材40にはカプラ62によりスクリュー31が接続されている。よって、計量モータ42が駆動することにより、スクリュー31は回転し、これに伴い加熱ホッパ34から落下した樹脂は加熱シリンダ33内でスクリュー31により前進する。
【0041】
この加熱シリンダ33内における樹脂の進行に伴い、スクリュー31は加熱シリンダ33内を後退する。これにより、樹脂はスクリュー31のスクリューヘッド前方に溜められる。
【0042】
また、射出工程時において射出モータ43を駆動すると、この射出モータ43の回転はボールねじ軸44に伝達される。ボールねじ軸44の回転は、ボールナット45によって回転運動が回転直進運動に変換される。その結果、ボールねじ軸44は、回転しながら前進する。
【0043】
このとき、計量用モータ42は第2の駆動状態に置かれ、その回転は停止されて拘束力が発生する。そして、この拘束力がスプラインナット47とスプラインライン49とのスプライン係合を介して回転摺動部材40に伝達され、これにより回転摺動部材40に接続されたスクリュー31は回転しない状態で前進(X2方向に移動)する。
【0044】
このようにして、スクリュー31が前進すると、加熱シリンダ33のスクリューヘッドの前方に溜められた樹脂は、所定の射出圧で射出ノズルから射出され金型13のキャビティ空間に充填される。
【0045】
ところで、上記のように第1の駆動状態においては計量用モータ42が発生する回転力を回転摺動部材40に伝達し、第2の駆動状態においては回転摺動部材40の回転を拘束しつつ、回転摺動部材40の軸方向の移動を許容する必要がある。このため、スプラインナット47とスプラインライン49とがスプライン係合する位置には、上記各駆動状態における動作が円滑に行われるよう、潤滑剤61により潤滑を行う構成とされている。
【0046】
本実施形態に係る射出成形機1では、供給路を用いてスプラインナット47とスプラインライン49とがスプライン係合する位置に対して潤滑剤61を給脂(供給)する構成としている。以下、潤滑剤61の供給路について、図2及び図3を参照して説明する。
【0047】
回転摺動部材40は、潤滑剤61を回転摺動部材40の内側からスプラインナット47とスプラインライン49との係合位置に供給する供給路となる貫通孔60を有している。この貫通孔60は、回転摺動部材40の支持体40Bを直線状に貫通するよう形成されている。よって貫通孔60により、回転摺動部材40の内側とスプラインナット47とスプラインライン49との係合位置は連通される。
【0048】
また貫通孔60の配設位置は、回転摺動部材40内に配設されたベアリングb1の配設位置よりも射出モータ43側(X1方向側)とされている。更に、貫通孔60は、回転摺動部材40の周方向に複数(本実施例では90度間隔で4個)形成された構成としている(図2参照)。
【0049】
しかしながら、貫通孔60の形成位置及び形成個数はこれに限定されるものではない。また、貫通孔60は支持体40Bに対して周方向にのみ形成するばかりでなく、図2に破線で示す貫通孔60のように、軸方向(X1,X2方向)に複数個並べて形成する構成としてもよい。なお、貫通孔60の直径は特に限定されるものではないが、例えば5mm〜6mmとすることができる。
【0050】
上記構成とされた貫通孔60を形成することにより、回転摺動部材40の内周部と外周部は、貫通孔60により連通された構成となる。よって、回転摺動部材40の内周部に潤滑剤61を供給しておくことにより、潤滑剤61を貫通孔60を介してスプラインナット47とスプラインライン49とのスプライン係合位置に供給することが可能となる。
【0051】
続いて、図3を用いて、潤滑剤61が貫通孔60を介して給脂されるときの潤滑剤61の流れについて説明する。なお、以下の説明では潤滑剤61としてグリスを用いた例を示すが、潤滑剤61はグリスに限定されるものではない。
【0052】
前記のように、回転摺動部材40にはベアリングb3を介してボールねじ軸44が回転自在に接続されている。このボールねじ46は、射出モータ43で発生した回転運動を直線運動に変換させるため、図示しない潤滑装置によりボールねじ軸44とボールナット45との螺合部分に潤滑剤61が給脂されることにより潤滑が行われる。
【0053】
このボールねじ46に供給された潤滑剤61の一部は、図3に矢印で示すように、回転摺動部材40の内部(具体的には、支持体40Bの内周部)に落下し溜まった状態となる。前記のように、貫通孔60は支持体40Bを貫通するよう形成されており、落下した潤滑剤61はこの貫通孔60上にも溜まった状態となる。なお、図3に破線で示す矢印は、ボールねじ46から落下する潤滑剤61を示している。
【0054】
この状態で、計量モータ42が駆動されて回転摺動部材40が回転すると、支持体40Bの内周部に溜まった潤滑剤61には回転による遠心力が作用する。よって、貫通孔60の形成位置に溜まっていた潤滑剤61は、貫通孔60の内部に進行し、スプラインナット47とスプラインライン49とのスプライン係合位置に流出する流れ(図3に実線の矢印で示す)が発生する。
【0055】
このように、本実施形態に係る射出成形機1では、回転摺動部材40の回転により発生する遠心力を利用することにより、潤滑剤61を支持体40Bの内周部から外周部であるスプライン係合位置に供給する。このため、潤滑剤61は遠心力にアシストされて円滑かつ確実にスプライン係合位置に供給されるため、スプラインナット47に対するスプラインライン49の摺動を円滑に行わせることができる。
【0056】
また本実施形態では、ボールねじ46から回転摺動部材40に落下する余剰な潤滑剤61を利用し、これをスプラインナット47とスプラインライン49との潤滑に利用している。このため、スプラインナット47とスプラインライン49の潤滑のために、独自に潤滑剤61を供給する処理や装置は不要となり、射出成形機1の構成の簡単化を図ることができる。
【0057】
更に本実施形態では、貫通孔60はスプラインライン49の谷部に形成されているため、その全長を山部に形成した構成に比べて加工の容易化、強度の向上を図ることができると共に、その長さを短くすることができる。更に、貫通孔60は直線状に形成されているため、これによっても貫通孔60の長さを短くできると共に、潤滑剤61の流れ抵抗を小さくすることができる。
【0058】
よって、これによっても回転摺動部材40が回転した際、貫通孔60を介して潤滑剤61をスプライン係合位置に早く、かつ確実に給脂することが可能となる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0060】
1 射出成形機
10 型締装置
12 可動プラテン
13 金型
14 固定プラテン
16 トグルサポート
17 トグル機構
18 型締モータ
20 クロスヘッド
30 射出装置
31 スクリュー
32 駆動装置
33 加熱シリンダ
40 回転摺動部材
40A 連結体
40B 支持体
41 連結ロッド
42 計量モータ
43 射出モータ
44 ボールねじ軸
45 ボールナット
46 ボールねじ
47 スプラインナット
49 スプラインライン
55 ステータ
56 ロータ
60 貫通孔
61 潤滑剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成されて一方側にスクリューが接続されると共に他方側に射出モータに接続されたボールねじが接続され、外周に第1のスプラインが設けられた回転摺動部材と、
前記回転摺動部材を囲繞するよう配設されており、前記第1のスプラインとスプライン係合する第2のスプラインを有して前記回転摺動部材を回転させる計量モータと、を有する射出装置であって、
前記回転摺動部材は、潤滑剤を当該回転摺動部材の内側から前記第1及び第2のスプラインの係合位置に供給する供給路を有することを特徴とする射出装置。
【請求項2】
前記供給路は、前記回転摺動部材の内側と前記第1及び第2のスプラインの係合位置とを連通する貫通孔である請求項1記載の射出装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記回転摺動部材の周方向に複数形成されていることを特徴とする請求項2記載の射出装置。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記回転摺動部材内に配設された前記ボールねじを軸承するベアリングの配設位置よりも前記射出モータ側に設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の射出装置。
【請求項5】
前記潤滑剤は、前記ボールねじから供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記第1のスプラインの谷部に形成されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項7】
前記貫通孔は直線形状であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の射出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−10260(P2013−10260A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144675(P2011−144675)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】