説明

導体を圧縮および/または溶接するための装置

【課題】装置の構造を簡素化して、導体を繰り返し可能に圧縮しかつ溶接すること。
【解決手段】圧縮室(20)は、実質的に三角形の開いた横断面部分を有し、この横断面部分は、第1の電極の、区画要素(16)のおよび対電極(14)の互いに調整可能な部分によって囲繞されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導体を圧縮および/または溶接するための、特に、ストランド状の導体のビアノードまたはエンドノードを製造するための装置に関する。この装置は、ソノトロードを具備し、このソノトロードの一部分は、導体を収容する圧縮室の第1の区画面であり、圧縮室は、更に、アンビルのような対電極の、第2の区画面を形成する部分によって、ならびに区画要素によって形成された少なくとも1つの他の第3の区画面によって、区画されており、対電極は、区画要素から移動可能に突き出ている。
【背景技術】
【0002】
DE-A-31 51 151からは、ノード個所を囲繞する通常のスリーブの必要なしに、初めて複数の導体を溶接することができる超音波溶接装置が公知である。この目的のために、導体は、ソノトロードの部分および対電極(アンビルともいう)の部分によって区画されている圧縮室に入れられる。
【0003】
EP-B-0 143 936には、圧縮室を特に高さおよび幅において調整することができるために、圧縮室が4つの要素によって区画されてなる超音波溶接装置が記載されている。この目的のために、ソノトロードおよび対電極すなわちアンビルの他に、2つの側方の区画要素が設けられている。これらの区画要素のうち、少なくとも1が調整可能であり、例えば移動可能である。
【0004】
EP-B-0 723 713からは、複数の導体を圧縮し続いて溶接する方法および装置が読み取れる。導体の圧縮後に、圧縮室の特徴的な大きさが測定される。その目的は、この大きさに基づいて格納された溶接パラメータを取り出すためである。
【0005】
実際また、複数の導体を抵抗溶接または圧接溶接によって結合することも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
明細書導入部に記載されたタイプの装置を、特に、2つの直交して延びている方向に調整可能な圧縮室を有する溶接装置によって与えられる利点が変わらずに保持されるが、同時に、簡単な構造が与えられているように、形成するという課題が、本発明の基礎になっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、特に、圧縮室が、実質的に三角形の開いた横断面部分を有し、この横断面部分は、第1の電極と、区画要素と、対電極との互いに調整可能な部分によって囲繞されていること、および、対電極は、区画要素の調整の際に規制案内されていて、対電極の、第1の電極近くの縁部は、導体の圧縮および/または溶接中に、一定のまたはほぼ一定のギャップを保ちつつ、第1の区画面に沿って調整されることができることを提案する。
【0008】
既知の従来の技術とは異なり、圧縮室は、3つの互いに調整可能な要素のみによって囲繞される。それ故に、コンパクトなユニットが出来上がる。場合によっては、更に、中間プレートのような中間要素が、特に、第1の電極と、この電極に対し移動可能な区画要素との間に設けられている。
【0009】
三角形の横断面部分を達成するためには、特に、第1の電極の、第1の区画面を形成する部分が、対電極によって形成された第2の区画面と角度αを形成し、但し、α≠90°,0°,特に30°<α<60°であること、および第2の区画面が、ギャップを維持しつつ、第1の区画面に移行することが提案されている。
【0010】
本発明では、第1の電極および対電極の区画面が、互いに鋭角で延びており、対電極は、一定のまたはほぼ一定のギャップを維持しつつ、第1の電極に沿って移動される。
【0011】
このような移動を構造的な簡単な措置により実現するために、対電極は、例えば超音波溶接の場合にDE-C-37 19 083から公知であるように、側方のおよび実際に垂直方向に移動可能な区画要素から突き出ている。この開示内容を参照するようはっきりと指摘する。
【0012】
圧縮室の横断面部分が減少する際に、すなわち、区画要素が第1の電極に沿って移動する際に、同時に、対電極が戻される。規制案内は、対電極が、第1の電極によって形成された区画面に隣接する自らの縁部領域に対し、一定のまたはほぼ一定の間隔を保つように、なされる。間隔の寸法は、知られた調整可能な圧縮室の寸法に対応する。この場合、規制案内は、機械的なまたはモータによる制御でなされることができる。
【0013】
特に、少なくとも1つの突出部が対電極から突き出ており、この突出部が、場合によっては溝またはスリットとして形成されてもよい少なくとも部分的に曲線状のまたは直線状の少なくとも1つのガイドと協働することが、提案されている。この場合、規制案内は、少なくとも部分的に、第1の区画面のコースに対応するコースを有する。このことにより、対電極と第1の区画面との間の一定のまたはほぼ一定のギャップが保証されている。
【0014】
本発明の改善では、対電極によって形成された第2の区画面が、区画要素によって形成された第3の区画面と角度γを形成し、但し、γ=90°またはγ>90°であることが提案されている。
【0015】
特に、対電極の移動方向は、区画要素の移動方向に対し、両者が圧縮室と鈍角を形成するように、選択されている。これによって、対電極の容易な可動性が保証されている。鈍角は、例えば91°と93°の間の範囲にあってもよい。
【0016】
第1の電極が超音波溶接装置のソノトロードであってもよい。しかし、本発明に係わる教示を抵抗溶接または圧接溶接との関連で使用する可能性もある。従って、第1の電極および対電極は抵抗溶接装置の電極であってもよい。この場合、区画要素は絶縁材料からなってもよい。その代わりに、区画要素と第1の電極との間には絶縁ギャップが延びている可能性もある。
【0017】
本発明が超音波溶接装置に関する限りでは、特に際立つ提案では、すべての区画面が構造化されており、それ故に、ノードの形成の際に、このノードが完全に周囲で構造化されていることが提案されている。
【0018】
更に、形成されるノードの所望の形状を達成するために、第1の区画面は、圧縮室に対し、少なくとも部分的に凹面状のコースを有することができる。対電極のための規制案内は、このとき、このような形状を示さねばならない。
【0019】
長い寿命を有する第1の電極すなわちソノトロードを得るためには、第1の電極すなわちソノトロードが複数の第1の区画面を有し、第1の電極すなわちソノトロードが、区画面を有する自らの領域で、八角形のような多角形の横断面部分を有することが提案されている。このことによって、第1の電極すなわちソノトロードの最適な使用が与えられている。
【0020】
更に、複数の導体を前記圧縮室に挿入する際に、対電極が圧縮室の外側に延びているように、対電極が案内されていることが提案されている。このことによって、導体の挿入の簡略化が与えられている。何故ならば、対電極は障害とならないからである。圧縮室からの対電極のこの完全な戻りも、同様に、機製案内によってなされることができる。
【0021】
形成されるノードが鋭利な角を有することを防ぐために、本発明の同様に際立つ実施の形態は、第1の電極の、区画要素に隣接する縁部および/または区画要素の、対電極に隣接する縁部および/または対電極の、第1の電極に隣接する縁部が、圧縮室の横断面部分が、相応に丸くなった角部を有するように、かように形成されていることを提案する。
【0022】
特に、本発明は、ストランド状の複数の導体を圧縮し続いて溶接するための方法を特徴とする。導体は、2つの直交する方向に横断面部分の調整のために調整されることができる圧縮室に入れられ、導体は、横断面部分の減少のために、まず圧縮され、圧縮後に、圧縮室の特徴的な大きさが算出され、この大きさに基づいて、メモリに格納された溶接パラメータが取り出され、次に、導体が溶接される。この場合、圧縮室としては、導体のための貫通孔を形成する実質的に三角形の横断面部分を有しかつ3つの区画面を有する圧縮室が用いられる。溶接中に、導体に作用する各々の区画面が減少される。特徴的な大きさとしては、圧縮室の貫通孔に対し横方向にある、区画面の長さが、選択されることができる。
【0023】
このような措置によって、導体の横断面部分に無関係に、所定の溶接を行なうことができる。特に、互いに異なった横断面を有する複数の導体を任意の順番で連続的に溶接することができるという可能性がある。本発明に係わる教示によって、自動制御式の溶接工程が可能となる。この溶接工程は、溶接される導体を所定に圧縮することによって開始される。圧縮室は、導体の溶接される横断面部分とは別に、所定の高さ・幅比率を有する。当然ながら、高さ・幅比率の代わりに、圧縮室の他の尺度、例えば、導体縦軸に対し横方向にある、区画面の長さを、選択することもできる。予備圧縮の終了後、次に、特徴的な大きさの検知後に、この特徴的な大きさに割り当てられた記憶された溶接パラメータ、例えば溶接エネルギ、溶接の振幅、溶接時間および/または溶接圧力を取り出しかつ使用することだけが必要である。
【0024】
本発明の更なる詳細、利点および特徴は、請求項から、これらの読み取られる単独の特徴および/または組合せの特徴からのみならず、図面から見て取れる好ましい実施の形態の以下の記載からも生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
複数の図には、超音波溶接装置(図1ないし7)および抵抗溶接装置または圧接溶接装置(図8および9)が示される。これらの装置によって、ストランド状の導体を圧縮しかつ溶接することが意図される。その目的は、例えばビアノードまたはエンドノードを製造するためである。この場合、図1ないし7に示す圧縮室は、例えばEP-B-0 723 713またはDE-A-37 19 083から公知である超音波溶接装置の、その複数の要素によって区画される。特に超音波溶接装置の機能に関して、適切な実施の形態を参照するようはっきりと指示する。
【0026】
導体10の最適な圧縮および溶接を導体の横断面に関係なく保証するために、各々の圧縮室は、導体10の横断面部分または導体10の数夫々に調整されることができる。この場合、まず、1つの圧縮室を、互いに直交して延びている2つの方向に調整可能に形成することが、DE-A-33 35 254に提案された。
【0027】
圧縮室を適切に変えることができるために、従来の技術では4つの要素が必要であるとき、本発明の教示では、3つの要素しか必要でない。これらの要素は、超音波振動を発生するソノトロード12の、対電極(以下ではアンビル14と呼ぶ)の、および側方の区画要素16の部分によって形成される。
【0028】
この場合、ソノトロード12は、圧縮室20の第1の区画面18を形成する。第2の区画面22はアンビル14によって供される。アンビルは区画要素16から移動可能に突き出ており、この区画要素自体は第3の区画面24を供する。
【0029】
この場合、アンビル14および区画要素16は通常互いに結合されている。アンビル14は、図1,2,3,5および7の実施の形態で、例えばDE-A-37 19 083から読み取れるように、区画要素16の移動方向(矢印26)に対し直角方向に調整されることができる。アンビル14の移動方向は、図1では、参照符号28を有する。
【0030】
図1に示した図から明らかなように、ソノトロード12の区画面18が、アンビル14のおよび区画要素16の区画面22,24に対し傾斜して延びている。従って、圧縮室20は、三角形の、開いた横断面を有する。この場合、これとは異なる形状、例えば台形が三角形状に取り囲む。この場合、三角形の先端は圧縮室20の底部または底部領域を形成する。
【0031】
ソノトロード12の区画面18は、アンビル14の区画面22に対し、好ましくは30°と60°の間にある角度αを形成する。ソノトロードの区画面18と、区画要素16の区画面24との間には、60°と30°の間にあるほうがよい角度βが延びている。図1の実施の形態では、アンビル14の区画面22は、区画要素16の区画面24に対し直角を形成する。
【0032】
圧縮室22の調整の際に、すなわち導体10の圧縮および溶接の際に、アンビル14、すなわち、アンビルの、ソノトロード近くに延びている横方向縁部30と、ソノトロード12の区画面18との間に、一定の間隔が保たれるために、アンビル14は、区画要素16の調整の際に、横方向縁部30の移動方向(矢印32)が区画面18に平行に延びているように、規制案内される。この場合、機械式のまたは電動式の規制案内がなされることができる。技術的に等しく作用する他の解決策も同様に可能である。
【0033】
この目的のためには、図1に示すように、突出部34がアンビル34から出ており、場合によっては線状の突出部として、スロット等として形成されていることができる規制案内手段36と協働することが全く原理的に提案されている。
【0034】
この場合、規制案内手段36が、ソノトロード12の区画面18に対し平行に延びているのは、アンビル14の縁部30が、圧縮室20の横断面部分の変化中に、区画面18に沿って調整されてなる領域においてである。
【0035】
複数の導体10を圧縮室20に問題なく挿入するために、区画要素16が持ち上げられる。次に、規制案内手段36の経路によって図1に明示されるように、アンビル14は、規制案内手段36の経路によって、圧縮室20から完全に引っ込められる。
【0036】
本発明に基づいて形成された圧縮室20の他の改善および実施の形態は、図2ないし7から見て取れる。同一の要素に対しては基本的に同一の参照符号が用いられる。
【0037】
ノードを周囲に構成するためには、図2の実施の形態では、圧縮室28自体も、周囲に構成されており、すなわち、複数の区画面18,22,24は、波、ワッフル、リブ等の形の構造体を有する。対応の構造体は参照符号38を有する。
【0038】
更に、ソノトロード12の区画面18が、圧縮室20に対して、凹面状のコースを有する可能性がある。このことが、一点鎖線のカーブ40によって示されることが意図される。この場合、従って、規制案内手段36は、適切なコース(カーブ42)を有する。その目的は、アンビル14、すなわち、アンビルの、ソノトロード近くの横方向縁部30と、区画面の、カーブ40によって示されたコースとの間には、更に、一定の間隔が与えられていることが、保証されているためである。
【0039】
本発明に係わる装置によって形成されたノード44が、丸くなった縦方向縁部46,48,50を有することを可能にするために、図3の本発明では、ソノトロード12と、アンビル14と、区画要素16との縁部が、各々の隣り合った区画面18、22、24の方向に、湾曲したコースを有することが提案されている。対応の突出する縁部部分は、図3では、参照符号52,54,56を有する。縁部部分52,54,56によって、区画面18,22,24は、圧縮室20に対し、角領域で、凹面状のコースを有する。
【0040】
換言すれば、圧縮室20の角を区画する、区画面18,22,24の横方向縁部52,54,56は、隣り合った区画面18,22,24の方向に延びている突出部として、形成されている。
【0041】
図5の実施の形態では、ソノトロード12と区画要素16との間に、中間プレート58のような中間要素が延びている。中間プレートは装置から突き出ており、従って圧縮室20に対して固定されていることができる。この措置によって、圧縮室20から除去される溶接されたノード44の、対応の縁部領域が、平らになっているという利点が生じる。
【0042】
アンビル14の、摩擦の少ない規制案内を可能にするために、図6の実施の形態では、アンビル14が、区画要素16の移動路26に対し直角方向にではなく、本発明に係わる教示から離れることないことなしに、87°と89°の間にある角度δで移動されることができることが、誇張した図で、提案されている。この措置によって、アンビル14の移動が、圧縮室20の横断面部分の減少の際に、力の僅かな消費によって可能になるという利点が生じる。しかし、これとは別に、アンビル14の、ソノトロード付近にある横方向縁部30が、圧縮室20の横断面部分の変化の際に、ソノトロード12の区画面18に対し平行に移動される。このことは、二重矢印32によって示されている。
【0043】
図6で既に原理的に示されたように、ソノトロードは複数の区画面18を有することができる。最適な利用を可能にするために、ソノトロード12は、複数の区画面18を有する自らの領域で、図7から明らかなように、多角形、特に八角形として形成されていることができる。
【0044】
本発明では、従来の技術とは異なり、圧縮室20は、ソノトロード12と、対電極すなわちアンビル14ならびに側方の区画要素16の実施の形態で、3つの互いに移動可能でありかつ振動される要素によってのみ区画される。更に、図5の実施の形態に従って、中間要素58が万一設けられている場合には、このような実施の形態は、同様に、圧縮室20が3つの要素のみによって区画され、圧縮室が、所望の周面で、2つの互いに直交して延びる方向に、移動されることができる、という思想に含まれる。
【0045】
圧縮室20が三角形の形状を有し、三角形の一角が、圧縮室20の最下の点であることによって、更に、少数の導体10が、圧縮室20の形状に基づいて、相並んでではなく、いわば上下に重なり合って設けられるので、これらの導体も、問題なく、圧縮かつ溶接されることができるという利点が生じる。従って、導体10の積み重ねがなされる。
【0046】
更に、すべての区画面18,22,24が構造化されていることができる。このことは、横断面が調整可能である圧縮室を有する、知られた超音波溶接装置では、原理的に与えられていない利点である。
【0047】
アンビルが、移動の際に、区画面18に対して一定のまたはほぼ一定のギャップを有することが、アンビル14の規制案内によって保証されているので、ソノトロード12によって形成された区画面18が、圧縮室に対し、平面状にではなく、湾曲状に、好ましくは凹面状に、場合によっては凸面状に形成されていることができるという利点も、圧縮室の三角形の形状によって与えられている。
【0048】
更に、図1ないし3および5ないし7は、ソノトロード12によって形成された第1の区画面18が、水平線に対し傾斜してかつ角度δで延びていることを明示する。
【0049】
図8および9からは、図1ないし7について説明したように複数の導体を溶接するための抵抗溶接装置または圧接溶接装置の、電極装置が原理的に見て取れる。この場合、これらの電極は、調整可能な実質的に三角形の横断面を有する圧縮室を形成するように、互いに割り当てられている。
【0050】
かくて、図8には、ソノトロード12に対応し、かつ自らの縦軸に対し斜めに延びている第1の区画面118を有する第1の電極112が示されている。この第1の電極112には対電極114が割り当てられており、対電極は、矢印の位置が明示するように、区画要素として用いられるアイソレータ116から移動可能に突き出ている。第2の電極114は第2の区画面122を形成し、区画要素すなわちアイソレータ116は、区画される圧縮室120のための第3の区画面124を形成する。アイソレータ116は、ギャップ132を保ちつつ第1の電極112の方へ調整されることができる担体130から突き出ている(二重矢印126を参照せよ)。
【0051】
図9に示すように、同一の参照符号を有する圧縮室120は、都合3つの電極によって、すなわち、第1の電極112と、第2の電極114と、図8のアイソレータ116を代替する第3の電極134とによって、区画されていることができる。しかし、第3の電極は第2の電極114と同じ電位にある。この場合、第3の電極134は、アイソレータ136によって、図8に示す担体130に接続されている。実際また、第1の電極112と第3の電極134との間には、絶縁式のギャップ138が延びている。
【0052】
このような電極装置を用いて、複数の導体を、抵抗溶接または圧接溶接によって溶接することができる。その目的は、断面が三角形のビアノードまたはエンドノードを製造するためである。この場合、電極112,114,116,134または電極の区画面118,122,124は、圧縮室120を区画する自らの端部領域で、圧縮室120の方向に延びている区画縁部を有することができる。その目的は、ノードの角張りを防ぐためである。
【0053】
図8および9に示すように、固定式の電極112の区画面118は、ソノトロード12の区画面18に対応して、水平線に対し傾斜して延びている。
【0054】
更に、本発明に係わる教示は、自動制御式の溶接工程を実行する可能性を供する。何故ならば、複数の導体の圧縮後に、圧縮室の特徴的な大きさ、例えば高さが測定されるとき、圧縮室の横断面が直ちに知られ、その結果、メモリに格納された溶接パラメータが、最適な溶接工程を実行するために、特徴的な大きさに基づいて取り出されることができるという利点が与えられているからである。換言すれば、EP-B-0 723 713の教示の基本思想が用いられ、より容易に実行されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】超音波溶接装置の圧縮室の第1の実施の形態の原理図を示す。
【図2】圧縮室の第2の実施の形態を示す。
【図3】圧縮室の第3の実施の形態を示す。
【図4】ノードの横断面を示す。
【図5】圧縮室の第4の実施の形態を示す。
【図6】圧縮室の第5の実施の形態を示す。
【図7】圧縮室の第6の実施の形態を示す。
【図8】抵抗溶接装置の電極装置の第1の実施の形態の原理図を示す。
【図9】抵抗溶接装置の電極装置の第2実施の形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導体(10)を圧縮および/または溶接するための、特に、ストランド状の導体のビアノードまたはエンドノードを製造するための超音波溶接装置であって、ソノトロード(12)を具備し、このソノトロードの一部分は、前記導体を収容する圧縮室(20)の第1の区画面(18)であり、前記圧縮室は、更に、対電極(14)の、第2の区画面(22)を形成する部分によって、ならびに区画要素(16)の部分によって形成された少なくとも1つの他の第3の区画面(24)によって、区画されており、前記圧縮室(20)は、実質的に三角形の開いた横断面部分を有し、この横断面部分は、前記ソノトロード(12)と、前記区画要素(16)と、前記対電極(14)との互いに調整可能な部分によって囲繞されており、前記対電極は、前記区画要素の調整の際に規制案内されていて、前記対電極の、前記ソノトロード近くの縁部(30)は、前記導体(10)の圧縮および/または溶接中に、一定のまたはほぼ一定のギャップを保ちつつ、前記第1の区画面(18)に沿って調整されることができてなる超音波溶接装置において、
前記ソノトロード(12)の前記部分によって形成された前記第1の区画面(18)は、水平線に対し斜めに延びていること、前記区画要素(16)によって形成された前記第3の区画面(24)は、垂直方向に延びていること、および前記対電極(14)は、前記区画要素から移動可能に突き出ていることを特徴とする超音波溶接装置。
【請求項2】
前記第1の区画面(18)と前記第3の区画面(24)とは、角度βをなし、このβは、30°<β<60°であることを特徴とする請求項1に記載の超音波溶接装置。
【請求項3】
前記対電極(14)によって形成された前記第2の区画面(22)は、前記区画要素(16)によって形成された第3の区画面(24)に対して角度γをなし、このγはγ=90°またはγ>90°であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記規制案内は、機械的なまたはモータによる制御でなされ、前記対電極(14)は規制案内手段と協働し、この規制案内手段のコースは、少なくとも部分的に、前記第1の区画面(18)のコースに対応することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
すべての区画面(18,22,24)は、構造化されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ソノトロード(12)は、複数の区画面(18)を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ソノトロード(12)は、前記区画面(18)を有する自らの領域で、八角形のような多角形の横断面部分を有することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記対電極(14)は、この対電極が、前記複数の導体を前記圧縮室(20)に挿入するために、前記圧縮室の外側に延びているように、規制案内されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
前記ソノトロード(12)と前記区画要素(16)との間に、中間プレートのような中間要素(58)が延びていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記ソノトロード(12)の、前記区画要素(16)に隣接する縁部(56)および/または前記区画要素(16)の、前記対電極(14)に隣接する縁部(54)および/または前記対電極の、前記ソノトロードに隣接する縁部(52)は、前記圧縮室(20)の前記横断面部分が、相応に丸くなった角部を有するように、形成されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
ストランド状の複数の導体を圧縮し続いて溶接するための方法であって、前記導体は、2つの直交する方向に横断面部分の調整のために調整されることができ、かつソノトロードの少なくとも1つの面と、対電極の面と、区画要素の面とによって区画されている圧縮室に入れられ、前記導体は、前記横断面部分の減少のために、まず圧縮され、圧縮後に、前記圧縮室の特徴的な大きさが算出され、この特徴的な大きさに基づいて、メモリに格納された溶接パラメータが取り出され、次に、前記導体が溶接される方法において、
前記圧縮室は、前記導体のための貫通孔を形成する実質的に三角形の横断面部分を有し、かつ前記ソノトロードと、対電極と、区画要素との夫々の面によって形成される3つの区画面を有する圧縮室が用いられ、前記ソノトロードの前記面は、水平線に対し傾斜して延びており、前記区画要素の前記面は垂直方向に延びていること、前記導体は、前記対電極の前記面が前記圧縮室の外側に延びているとき、前記圧縮室に入れられること、および、溶接中に、前記ソノトロードの、前記対電極のおよび前記区画要素の、前記導体に作用する各面が減少されることを特徴とする方法。
【請求項12】
特徴的な大きさとしては、前記圧縮室の前記貫通孔に対し横方向にある、区画面の長さが、測定されることを特徴とする請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−503313(P2007−503313A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524312(P2006−524312)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009404
【国際公開番号】WO2005/021203
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(505404688)シュンク・ウルトラシャルテヒニーク・ゲーエムベーハー (15)
【Fターム(参考)】