説明

導光体および液晶表示装置

【課題】出射面の輝度が高くエリア・コントロールが可能な導光体を提供する。
【解決手段】導光体104は、隣接して配置された4つの導光体ユニット102a〜102dで構成さる。各導光体ユニットは、出射面と、2つの入射面と、各入射面に対向する2つの対向面と反射面とを備える。反射面は出射面に対向し、2つの入射面の境界から出射面に平行な面を経由して2つの対向面の境界に向かって傾斜している。各導光体ユニットは反射シート151a、151bで相互に光学的に分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非自発光型ディスプレイに使用するエッジライト型バックライトに関し、さらには、エリア・コントロールに適したエッジライト型バックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
非自発光型ディスプレイの典型である液晶ディスプレイは、液晶自体は発光しないので文字や画像を表示させるためには、何らかの光源が必要となる。液晶ディスプレイには投射型と直視型がある。直視型の液晶ディスプレイには光源の利用方法により、バックライトを利用する透過型液晶ディスプレイ、自然光や室内光を利用する反射型液晶ディスプレイ、および透過型と反射型の機能を備えた半透過型液晶ディスプレイが存在している。そして、液晶テレビやパーソナル・コンピュータには、高い輝度の画面を表示できる透過型液晶ディスプレイが採用されている。
【0003】
透過型液晶ディスプレイのバックライトには、液晶パネルに対する光源の位置によりエッジライト型バックライトと直下型バックライトが存在する。エッジライト型バックライトでは、液晶パネルの側面に配置した一つまたは複数の光源から放射された光を液晶パネルの裏面に配置した導光板で全反射させながら進行させて、散乱した光を液晶パネル方向の面光源として利用する。直下型バックライト方式では、複数の発光源が面光源を形成するように液晶パネルの裏側に配置され液晶パネルを直射する。
【0004】
エッジライト型バックライトは、液晶パネルの側面に光源を配置することができるため、薄型の液晶テレビやノートブック型コンピュータに多く採用されている。しかし、エッジライト型バックライトは、光源の配置場所が導光板の周囲に限定されてしまうため輝度を高くすることが課題になっている。特許文献1は、平面長方形状であって隣接する2側面を入射面とし、表面を出射面とし、裏面を各入射面側からその各対向辺側に向かって厚さが異なる割合で漸次薄くなるように傾斜した2つの傾斜面とし、かつ、2つの傾斜面が対角線上で交差するように構成した導光板を開示する(図2)。
【0005】
また、同文献は、平面長方形状であって4側面を入射面とし、表面を出射面とし、裏面を各入射面側からその間の中心点に向かって厚さが異なる割合で漸次薄くなるように傾斜した4つの傾斜面15とした導光板を開示する(図6)。特許文献2は、表面と裏面と4つの側面を有する板状の透明樹脂成形体で形成され、表面が光出射面であり、4つの側面のうちの少なくとも対向する2面が光入射面であり、裏面が光入射面から中央に向かって板厚が減少するように形成された面からなる光反射面となっている導光板を開示する。特許文献3は、導光板をブロックに分割してその間にLEDを配置しブロック毎にLEDを駆動する技術を開示する。
【特許文献1】特開2001−167622号公報
【特許文献2】国際公開第2004/081444号パンフレット
【特許文献3】特開2007−293339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載された導光板はいずれも、2面以上の入射面を設けているため、入射面が1面の導光板よりも輝度を高くすることはできる。しかしこれらの文献に記載された導光板は、エリア・コントロールに利用するものではない。また、特許文献3に記載のバックライトは、LEDを分割された導光板の間に配置するものであり、LEDは液晶パネルの直下に配置される。サイドライト型バックライトでは導光板の表面の輝度が一様になるため、非自発光型ディスプレイにおけるエリア・コントロールは、専ら直下型バックライトで行われている。
【0007】
そこで本発明の目的は、出射面の輝度が高くエリア・コントロールが可能な導光体を提供することにある。さらに本発明の目的は、製造が容易な導光体を提供することにある。さらに本発明の目的は、これらの導光体を使用したバックライト、液晶表示装置およびテレビ受像機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様にかかる導光体は、4つの導光体ユニットで構成されている。各導光体ユニットは、出射面と、所定の角度で隣接して配置された2つの入射面と、各入射面に対向して配置された2つの対向面と、出射面に対向し、2つの入射面の境界の近辺から出射面に平行な面を経由して2つの対向面の境界に向かって傾斜している反射面とを含む。所定の角度はほぼ直角とすることができる。導光体は反射面が2つの入射面の境界近辺において出射面に平行な面を含むため、入射面の面積は導光体の厚さが許容される範囲で最大になり、光源からの入射効率を向上させて出射面の輝度を高くすることができる。また、導光体ユニットのそれぞれは相互に光学的に分離されているため、導光体ユニットの単位でエリア・コントロールをすることができる。
【0009】
2つの対向面にはそれぞれ反射材料を設けることで、導光体ユニット間を光学的に分離して、かつ、光を有効に面光源として利用することができる。反射面は、それぞれほぼ平坦で出射面に平行な面と出射面に対して傾斜している面の2つの平面で形成することができる。この場合、形状が単純なので製造が容易である。さらに反射面は、それぞれほぼ平坦で出射面に平行な1つの面と出射面に対して傾斜している2つの面からなる3つの平面で形成することができる。
【0010】
導光体の出射面を均等に分割することで各導光体ユニットの出射面の形状を同一にすることができる。この場合導光体を形成するために対角の位置に配置される導光体ユニットは同一形状になるため製造が容易である。出射面の形状は長方形にしたり正方形にしたりすることができる。本発明にかかる導光体に対して各導光体ユニットの各入射面に対向した位置にそれぞれ独立した複数の光源を配置してバックライトを構成すれば、光源の単位で輝度調整を行うことができる。光源には、蛍光ランプやLEDを採用することができる。LEDを採用すれば、決めの細かい電力制御を行って節電を図ることができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様に示した4つの導光体ユニットを導光体の4つのコーナーのそれぞれに配置し、間に他の形状の2つの導光体ユニットを配置する。2つの導光体ユニットのそれぞれは、出射面と、入射面と、入射面に対向して配置された対向面と、出射面に対向し、入射面から対向面に向かって傾斜している面を含む反射面とを有する。反射面が傾斜している面だけで構成してもよく、また、傾斜している面と出射面に平行な面で構成してもよい。そして6つの導光体ユニットのそれぞれが相互に光学的に分離されている。このような構成により、導光体を6分割してエリア・コントロールをすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、出射面の輝度が高くエリア・コントロールが可能な導光体を提供することができた。さらに本発明により、製造が容易な導光体を提供することができた。さらに本発明により、これらの導光体を使用したバックライト、液晶表示装置およびテレビ受像機を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、液晶表示装置とバックライトの概略構造を示す側面図と平面図である。液晶表示装置10は、主としてアレイ・セル基板11とサイドライト型バックライト(以下、単にバックライトという。)100で構成されている。図1(A)は、液晶表示装置10の側面図で、図1(B)はバックライト100の平面図である。図1(A)は、図1(B)のA−A矢視の位置からみた側面図に相当する。なお、サイドライト型バックライトは、エッジライト型バックライトまたは導光板型バックライトともいわれる。アレイ・セル基板11は、アクティブ・マトリクス方式に対応したアレイ基板と、カラーフィルター基板との間に液晶材料が挟まれて保持された構造である。アレイ基板には、薄膜トランジスタ(TFT)がマトリクス状に形成され、液晶で構成される画素容量とともに画素領域を形成している。
【0014】
バックライト100は、導光板101と光源とランプ・リフレクタ109a〜109dで構成されている。導光板101は、導光体104と光学シート103と反射シート105で構成されている。光源は、図1(A)では、蛍光ランプ107c2、107d2だけが記載されているが、各導光体ユニット102a〜102dの入射面に対応した位置において、ランプ・リフレクタ109a〜109dの中に収納されている。本実施の形態では、光源として冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、および外部電極蛍光管(EEFL)などの直線状の蛍光ランプを採用しているが、L字状の蛍光ランプや発光ダイオード(LED)を使用してもよい。
【0015】
導光体104は4つの分割された導光体ユニット102a〜102dで構成されている。導光体104のアレイ・セル基板11側には光学シート103が貼り付けられ、アレイ・セル基板11と反対側には反射シート105が貼り付けられている。なお、図1(B)では、光学シート103を省略して記載している。このような構成のバックライト100では、各蛍光ランプから放射された光およびランプ・リフレクタ109a〜109dで反射された光が各導光体ユニット102a〜102dに入射し、導光体ユニットの内部を全反射しながら進行して、臨界角を越えた光が光学シート103を通じてアレイ・セル基板11に入射する。
【0016】
本明細書においては、導光体104および各導光体ユニット102a〜102dの光学シート103が張られている面を出射面といい、反射シート105が張られている面を反射面という。さらに各導光体ユニット102a〜102dにおいて、蛍光ランプに対向する面を入射面といい、入射面に対向する面を対向面ということにする。
【0017】
図2は、導光体104の一部を構成する導光体ユニット102dの外形を示す斜視図で、図3は、4つの導光体ユニット102a〜102dを組み合わせて形成した導光体104の外形を示す斜視図である。図2(A)、図3(A)は反射面を上にした図で、図2(B)、図3(B)は出射面を上にした図である。導光体ユニット102a〜102dは、ポリメタクリル酸メチル樹脂 (PMMA) やポリカーボネート(PC)などの透明の合成樹脂材料を使用して射出成形加工や切削加工で形成される。導光体の材料の透過率は90%以上が好ましい。本実施の形態では、矩形状の導光体104を均等に4分割するように構成するため、導光体ユニット102aと102cは出射面が長方形で内部も同一構造となっており、導光体102bと102dも出射面が長方形で内部も同一構造となっている。
【0018】
ただし、本発明は、均等に4分割された導光体ユニットを組み合わせた導光体104に限定するものではない。後に説明するエリア・コントロールの要求に合わせて分割位置を決めることができる。たとえば、画面の下側に帯状の文字領域が表示されるような場合は、それに合わせて細長い導光体ユニットを含むようにしてもよい。また、導光体104の出射面が正方形の場合は、それを均等に分割して各導光体ユニット102a〜102dの出射面を正方形にすることができる。導光体ユニット102a〜102dの構造は、いずれかの導光体ユニットを代表して説明することで理解することができるので以下、導光体ユニット102dについて説明する。
【0019】
導光体ユニット102dは、板状の直方体の形状から一部が取り除かれて傾斜した平面を含むような7面の構造となっている。なお、本明細書においては、平面には導光体ユニットの表面に光学的な処理をするために形成した微少な凹凸を備える場合も含む。頂点P1、P2、P6、P5で構成される入射面121d2と、頂点P2、P3、P7、P6で構成される入射面121d1はともに長方形で直角に連絡している。入射面121d1と入射面121d2の高さ方向の寸法は導光体104の厚さを画定する。
【0020】
頂点P7、P8、P4、P3で形成される対向面123d2と頂点P5、P8、P4、P1で形成される対向面123d1とは、ともに台形で入射面121d2と121d1にそれぞれ対向し、相互に直角に連絡している。頂点P5、P6、P7で形成された反射面127dは、頂点P1、P2、P3、P4で形成される出射面131dと平行になっている。対向面123d1と123d2の境界を画定する頂点P8とP4を結ぶ辺の長さは、入射面121d2と121d2の境界を画定する頂点P2とP6を結ぶ辺の長さより短くなっている。そして、頂点P5、P7、P8で形成された反射面129dは、頂点P5とP7を結ぶ辺から頂点P8に向かって傾斜している。
【0021】
いいかえると、導光体ユニット102dは反射面が、反射面127dと129dで構成され、入射面121d1と121d2との境界の近辺から、出射面131dに平行な反射面127dを経由して、反射面129dと出射面131d形成される厚さが対向面123d1、123d2が隣接する境界に向かって漸減しているといえる。導光体ユニット102dは、直角に隣接した2つの入射面121d1、121d2を有するため1つしか入射面を有しない導光体に比べて多くの入射光量を得ることができる。また、隣接する2つの入射面121d1、121d2の形状が台形や三角形ではなく長方形であるため、導光体104に許容される厚さの範囲で蛍光ランプから光が入射する面積が最大になり入射効率がよい。対向面123d1、123d2が隣接する頂点P8とP4の辺の長さは特に限定されないが、0.1mm程度以下にすることができる。ゼロにした場合は、対向面123d1、123d2の形状は三角形になる。
【0022】
4つの導光体ユニット102a〜102dは、出射面が矩形となる導光体104を形成するために図3のように配置されて組み立てられる。組み立て方法は、接着剤を用いたり、フレームに固定したりして行うことができる。導光体104の出射面に輝度のムラを生じさせないために導光体ユニット同士はできるだけ接近させて配置することが望ましい。各導光体ユニット102a〜102dは、長さの等しい対向面同士が向かい合い、かつ、入射面が導光体104の外側の各辺に向くように配置される。後に説明するように各入射面にそれぞれ対向した位置には複数の蛍光ランプが配置される。そして、各導光体ユニット102a〜102dは、対向面の間に設けられた反射シート151a〜151dで光学的に分離される。反射シート151a〜151dは各導光体ユニット102a〜102dの内部の光が対向面を透過して隣接する導光体ユニットに入射しないように、対向面に入射した光を当該導光体の方向に反射させる。
【0023】
反射シートの材料は特に問わないが白色または鏡面のフィルムまたはシートとすることができる。反射シートに代えて白色のインキを対向面に直接シルク・スクリーン印刷してもよい。また、光学的に分離するためには、黒色の遮光シートでもよいが、反射シートの方が入射した光を各導光体ユニット102a〜102dにおいて面光源に有効に利用できるので望ましい。
【0024】
導光体ユニット102dでは、2つの入射面121d1、121d2からそれぞれ入射した光は、反射面127d、129d、対向面123d1、123d2および出射面131dで反射または全反射して進行する。さらに散乱して臨界角以下で出射面131dに入射した光は、出射面131dを透過して光学シート103を通じてアレイ・セル基板11に入射する。臨界角以上で入射した光は、出射面131dで全反射され、導光体ユニット102dの内部で反射が繰り返される。導光体102dの内部で反射が繰り返された光は、入射面121d1、121d2から距離が遠くなるほど減衰量が多くなるが、楔形を形成する反射面129dと出射面131dとの間では、入射面からの距離が遠くなるほど臨界角が小さくなるように反射が繰り返されるため、出射までの光路長が次第に短くなり、出射面の輝度の均一化が図られる。
【0025】
なお、反射面127d、129dの表面に凹凸のパターンを形成したり、光を散乱させる微少なビーズを含んだ材料を所定のパターンでシルク・スクリーン印刷したりして出射面131dの一層の輝度の均一化を図るようにしてもよい。微細な凹凸パターンは、例えば、複数のV 型の溝や、円柱または半球の突起状でもよい。なお、反射面127d、129dに反射パターンを形成するのではなく、かかる機能を備える反射シートを用意し、これを反射面127d、129dの近傍に設けるようにしてもよい。
【0026】
図2では、反射面を2面で構成する例を示したが、本発明は反射面を3面以上で構成することも可能である。図4は、反射面を3面で構成した導光体ユニットを、反射面を上に向けて配置した斜視図である。反射面161は図で下面に位置する出射面に平行で、対向面167と169の境界を画定する辺は、入射面173と175の境界を画定する辺よりも短くなっている。反射面163、165はそれぞれ、対向面167、169に向かって導光体の厚さが漸減するように傾斜している。図4の導光体でも、入射面173、175を長方形にしているため、導光板の所定の厚さの範囲で入射面の面積を最大にしながら、傾斜面163、165により楔形の原理に基づいて出射面の輝度の均一化を図ることができる。
【0027】
本実施の形態では導光体が、複数の導光体ユニットで構成されている。出射面が長方形の導光体を均等に4分割した場合は、2つの導光体ユニットの形状は同一になる。成形加工および切削加工のいずれの場合でも、導光体は大型に一体形成するよりも小型の導光体ユニットで組み立てて形成する方がコスト上有利である。なお、導光体ユニットを金型による成型加工ではなく、切削加工で形成する場合は反射面の数が少ない図2の形状の方が製造は容易である。
【0028】
つぎに液晶表示装置にバックライト100を採用して、エリア・コントロールを行う方法を説明する。エリア・コントロールとは、液晶パネルを複数の表示領域に論理的に分割して分割された領域ごとに輝度を制御し、画面のコントラストを大きくしたり、バックライトの電力を低減したりすることをいう。エリア・コントロールは、自発光型ディスプレイでは、画素ごとに発光輝度を制御し、非自発光型ディスプレイではバックライトの輝度を表示領域ごとに制御することで行われる。
【0029】
つぎに、本実施の形態にかかるバックライト100を採用して、エリア・コントロールを行う方法を説明する。図5(A)は、液晶表示装置10の構成を示すブロック図で、図5(B)はバックライト制御回路21の構成を示すブロック図である。液晶表示装置10は、アレイ・セル基板11、バックライト100、液晶パネル制御回路19、およびバックライト制御回路21で構成されている。液晶パネル制御回路19は、ホスト装置となるテレビ受像器やコンピュータ・システムのグラフィック・メモリ(図示せず。)から、液晶パネル13に画像を表示するための赤色、緑色、青色の画像データRGBおよび同期信号SYNCを受け取り、時間軸上にシリアルな画像データを作成して、データ線駆動回路15および走査線駆動回路17に供給する。さらに、液晶パネル制御回路19は、ホスト装置または外部から電源DCを受け取る。
【0030】
アレイ・セル基板11は、液晶パネル13とデータ線駆動IC15と走査線駆動IC17で構成されている。データ線駆動IC15は、画像データに応じた信号電圧をTFTのドレインに印加し、走査線駆動IC17はTFTのゲートに線順次走査信号を印加することで、1フレーム期間ごとにシリアルな画像データを画素容量に順番に書き込んで液晶パネル13に平面的な画像を表示する。
【0031】
図5(A)においては、バックライト100から光学シート103およびランプ・リフレクタ109a〜109dを省略して記載している。各導光体ユニット102a〜102dの2つの入射面に対向する位置には、8個の直線型の蛍光ランプ107a1〜107d2が配置されている。バックライト制御回路21は、蛍光ランプ107a1〜107d2の発光量を制御することで液晶パネル13のエリア・コントロールを行う。液晶パネル13は、導光体ユニット102a〜102dに対応して表示領域が論理的に4つに分離されている。以下、論理的に分離された各表示領域を制御領域という。
【0032】
輝度分析部31は、アドレス情報格納部33を参照して液晶パネル制御回路19から受け取った赤色、緑色、青色の画像データRGBから制御領域ごとの平均輝度を計算する。アドレス情報部33は、各制御領域に対応するTFTのアドレス情報と蛍光ランプ107a1〜107d2のアドレス情報を格納している。制御部35は、輝度分析部31が生成した平均輝度とアドレス情報格納部33が格納するアドレス情報に基づいて、蛍光ランプ107a1〜107d2の発光量を決定するための発光情報を生成して調光部37に送る。
【0033】
制御部35は、各制御領域の平均輝度が小さい場合は光源の発光量を小さい値にし、平均輝度が大きい場合は発光量を大きな値にするように発光情報を計算する。調光部37はインバータを含む調光回路を備え、発光情報に基づいて各蛍光ランプ107a1〜107d2の発光量を制御する。バックライト100は、各導光体ユニット102a〜102dの対向面同士が遮光されているため、ある導光体ユニットを進行する光が他の導光体ユニットの内部に進行してその出射面の輝度に影響をあたえることがなく、確実にエリア・コントロールを行うことができる。
【0034】
バックライト制御回路21は、画像信号RGBに基づいてたとえば導光体ユニット102aに対する2つの蛍光ランプ107a1および107a2またはいずれか一方を消灯することで、蛍光ランプの電力を低減することができる。光源に蛍光ランプではなくLEDを使用すれば、LEDの駆動電流を制御することで調光と同時に決めの細かい電力制御を行うことができるので、電力の低減に一層有効である。
【0035】
液晶表示装置100は、RGBの画像信号をテレビの映像信号として受け取ることで、テレビ受像機に使用することができる。この場合、テレビ映像のマルチ画面表示やテレビ映像の一部にコンピュータ画面を表示する場合などのように異質な画面を表示するときにもエリア・コントロールを利用することができる。
【0036】
図6は、本実施の形態にかかるバックライトの他の例を示す図である。図6(A)は導光体210の出射面を上にしたバックライト200の平面図で、図6(B)は導光体210の反射面を上にした斜視図である。図6(B)で出射面が下面に位置する。図6(A)では、ランプ・リフレクタと光学シートを除いて記載している。導光体210は出射面の形状が長方形で、その出射面を均等に6つに分割するように配置された6つの導光体ユニット201〜211で構成されている。導光体210の4つのコーナーに配置される導光体ユニット201、205、207、211の構造は、図3に示した導光体ユニット102a、102b、102c、102dと同じである。
【0037】
コーナー以外に配置される2つの導光体ユニット203、209は同じ構造である。導光体ユニット203は、長方形の入射面203aと反射面203bを備えている。入射面203aの高さ(導光体の厚さ方向の寸法)は、導光体ユニット201、205の入射面の高さに等しい。反射面203bは、入射面203aに連絡する位置から中央に向かって、導光体の厚さが漸減するように傾斜している。この例では反射面を一面で構成しているが、他の導光体ユニットのように出射面に平行な面を含むように構成してもよい。
【0038】
各導光体ユニットの対向面の間には反射シート151が設けられており、各導光体ユニットは光学的に分離されている。各導光体ユニットの入射面に対向する位置には、10個の蛍光ランプ201a〜211bが配置されて、蛍光ランプの単位でエリア・コントロールが可能になっている。図7は、図5(A)に示した液晶表示装置における8個の直線型の蛍光ランプ107a1〜107d2に代えて4個のL字形の蛍光ランプ301a〜301dを配置した例である。蛍光ランプ301a〜301dはそれぞれ、導光体ユニット102a〜102dの2つの入射面に対向する位置に配置されている。この場合、バックライト制御回路21は、蛍光ランプ301a〜301dの単位でエリア・コントロールをすることができる。
【0039】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】液晶表示装置とバックライトの概略構造を説明する側面図と平面図である。
【図2】導光体ユニットの斜視図である。
【図3】導光体の外形を示す斜視図である。
【図4】導光体ユニットの他の例を示す斜視図である。
【図5】液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図6】バックライトの他の例を示す図である。
【図7】L字状の蛍光ランプを使用したときの例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10…液晶表示装置
11…アレイ・セル基板
100、200…サイドライト型バックライト
101…導光板
102a〜102d…導光体ユニット
104、210…導光体
107a1〜107d2…蛍光ランプ
121d1、121d2…入射面
123d1、123d2…対向面
131d…出射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接して配置された4つの導光体ユニットで構成されたバックライト用の導光体であって、
各導光体ユニットが、
出射面と、
所定の角度で隣接する2つの入射面と、
各入射面に対向する2つの対向面と、
前記出射面に対向し、前記2つの入射面の境界の近辺から前記出射面に平行な面を経由して前記2つの対向面の境界に向かって傾斜している反射面とを含み、
前記導光体ユニットのそれぞれが相互に光学的に分離されている導光体。
【請求項2】
各導光体ユニットの前記2つの対向面に反射材料が設けられている請求項1に記載の導光体。
【請求項3】
前記反射面がほぼ平坦な2つの平面で形成されている請求項1または請求項2に記載の導光体。
【請求項4】
前記反射面がほぼ平坦な3つの平面で形成されている請求項1または請求項2に記載の導光体。
【請求項5】
各導光体ユニットの出射面の形状が同一である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の導光体。
【請求項6】
前記出射面の形状が長方形である請求項5に記載の導光体。
【請求項7】
前記出射面の形状が正方形である請求項5に記載の導光体。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された導光体と、
各導光体ユニットの各入射面に対向してそれぞれ独立して配置された複数の光源と
を有するバックライト。
【請求項9】
前記光源が蛍光ランプである請求項8に記載のバックライト。
【請求項10】
前記光源がLEDである請求項8に記載のバックライト。
【請求項11】
アレイ・セル基板と、
画像信号に基づいて前記アレイ・セル基板に設けられた薄膜トランジスタの動作を制御する液晶パネル制御回路と、
前記アレイ・セル基板を照射するバックライトと、
画像信号に基づいて前記バックライトの光源の輝度を個別に制御するバックライト制御回路とを有し、
前記バックライトが請求項8ないし請求項10のいずれかに記載されたバックライトである液晶表示装置。
【請求項12】
隣接して配置された6つの導光体ユニットで構成されたバックライト用の導光体であって、
前記導光体の各コーナーに配置される4つの各導光体ユニットが、
出射面と、
所定の角度で隣接する2つの入射面と、
各入射面に対向する2つの対向面と、
前記出射面に対向し、前記2つの入射面の境界の近辺から前記出射面に平行な面を経由して前記2つの対向面の境界に向かって傾斜している反射面とを有し、
その他の2つの各導光体ユニットが、
出射面と、
入射面と、
前記入射面に対向する対向面と、
前記出射面に対向し、前記入射面から前記対向面に向かって傾斜している面を含む反射面とを有し、
前記導光体ユニットのそれぞれが相互に光学的に分離されている導光体。
【請求項13】
請求項12に記載された導光体と、
各導光体ユニットの各入射面に対向してそれぞれ独立して配置された複数の光源と
を有するバックライト。
【請求項14】
アレイ・セル基板と、
画像信号に基づいて前記アレイ・セル基板に設けられた薄膜トランジスタの動作を制御する液晶パネル制御回路と、
前記アレイ・セル基板を照射するバックライトと、
画像信号に基づいて前記バックライトの光源の輝度を個別に制御するバックライト制御回路とを有し、
前記バックライトが請求項13に記載されたバックライトである液晶表示装置。
【請求項15】
請求項11または請求項14に記載された液晶表示装置を備えるテレビ受像機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−55771(P2010−55771A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216310(P2008−216310)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(508124707)ビデオコン・インダストリーズ・リミテッド (17)
【Fターム(参考)】