説明

導水型縁石ブロック

【課題】植栽帯への導水機能を持つ縁石ブロックの提供。
【解決手段】 植栽帯を道路表面等より低くした低湿地型植栽帯とし、導水型縁石ブロック11はブロック構造体12に貫通穴13を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路と植栽帯を区分する縁石ブロックの導水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2次コンクリート製品である縁石ブロックは、植栽帯に使用する場合、道路と植栽帯の区分を明確にし、植栽帯の土留め用として用いられる。
【0003】
縁石ブロックは、土留め用としての機能の為、植栽帯内の土の流失や道路表面等を流れる雨水の流入を遮断する機能を持つ。縁石ブロックは、積極的に植栽帯内に道路表面等を流れる雨水を通す機能を有するものではない。
【0004】
従来の植栽帯は、土盛りをして、道路表面より植栽土壌表面が高くしてある為、道路表面等より流れる雨水が流入することはない。ゼリスケ−プ(水循環を考えたランドスケープ)では、植栽帯を道路面等より低くし低湿地型とし、道路等の表面を流れる雨水を植栽帯に流入させ、水の浄化、地下浸透による地下水の涵養を目的とする方法がとられる。
【0005】
なお本発明に関する公知技術として次の非特許文献1を、挙げることが出来る。
【0006】
【非特許文献】「ゼリスケープ、低湿地の植栽」http://www.xeriscape−jp.org/xerix_top.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来技術としての縁石ブロックは、土留め用としての機能の為、土や道路表面等を流れる雨水を遮断する機能を持ち積極的に道路表面等を流れる雨水を通す機能を有するものではない。その為、植栽帯に水を導く機能はない。
【0008】
本発明は、低湿地型植栽帯に、道路表面等を流れる雨水を流入させる為、縁石ブロックに導水機能を持たせたものである。
【問題を解決する為の手段】
【0009】
上述の目的を達成する本発明の導水型縁石ブロックは、貫通した穴を有する穴あき縁石ブロックであって、低湿地型植栽帯への道路表面等を流れる雨水の流入を容易に行う為に、貫通した穴は、水平もしくは勾配を持たせてある。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、道路などの舗装面の表面排水を、導水型縁石ブロックの貫通した穴により、低湿地型植栽帯に容易に導くことができる。低湿地型植栽帯により、水の浄化、地下浸透による地下水の涵養、植物への灌水を行い環境機能向上に役立てることができる。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
図1〜図2は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1はその外観斜視図、図2は中央部の縦断面図である。
【0013】
図3〜図4は本発明の使用状況に係り、図3は使用状況の縦断面図、図4は低湿地型植栽帯と従来型植栽帯の縦断面図である。
【0014】
図1、図2に示すように、本導水型縁石ブロック11は、導水に使う貫通した穴13を有するコンクリート製縁石ブロック構造体12である。
【0015】
図2に示すように、貫通した穴13は、水平もしくは導水方向に導水を容易にする為の勾配を持っている。
【0016】
また貫通した穴13の端部には、ゴミなどの異物浸入防止用の格子17が取り付けられる。
【0017】
図3、図4に示すように低湿地型植栽帯面15は、道路面14より低く、集水された水は容易に低湿地型植栽帯に流入する。従来型植栽帯16は、道路面より高く水は、流入しない。
【0018】
さらに、実施例では、コンクリート製ブロックについて説明しているが、導水型縁石ブロックの構造体の材質はコンクリートに限られるものではなく、その他、例えば石材、木材、合成樹脂等、構造体として適当な任意の材質のものが利用でき、形状、大きさも任意に選定することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、建築用の導水型縁石ブロックを製造、販売する産業分野で利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る導水型縁石ブロックの外観斜視図である。
【図2】 図1の導水型縁石ブロックの中央部の縦断面図である。
【図3】 導水型縁石ブロックの使用状況の縦断面図である。
【図4】 導水型縁石ブロック使用状況における低湿地型植栽帯の縦断面図と従来型植栽帯の縦断面図である。
【符号の説明】
【0021】
11 導水型縁石ブロック
12 ブロック構造体
13 貫通穴
14 道路表面
15 低湿地型植栽帯表面
16 従来型植栽帯表面
17 異物浸入防止用格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の導水型縁石ブロックは、貫通した穴を有する導水型縁石ブロックであって、低湿地型植栽帯への道路表面等を流れる雨水の流入を容易に行うことができる。貫通した穴は、雨水の流入を容易に行う為に、水平もしくは勾配を持たせてあることを特徴とする導水型縁石ブロック。
【請求項2】
貫通した穴の端部には、ゴミなどの異物浸入防止用の格子が取り付けられることを特徴とする請求項1記載の導水型縁石ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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