説明

導管から残留物質を除去する方法

地下ケーブル(2)は、導電性部材(6)および絶縁油(12)で満たされた筐体(4)を含む。絶縁油を除去し、汚染を防止するために、適切には、架橋されたポリビニルアルコールから粘弾性配合物を調製し、ケーブル(2)へ導入する。ケーブルを通じて流体を通過させることによって、そこから絶縁油を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導管に関する。詳細には、本発明は、次に限定されないが、パイプまたはケーブルなどの導管からの残留物質の除去に関する。好適な実施形態は、電力ケーブル、特に地下に敷設されたそのようなケーブルからの残留物質の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力を送るために長いケーブルが地下に埋められていることは、よく知られている。一般的には、既知のケーブルは、金属である電気伝導体と、その伝導体の周囲に巻かれている電気絶縁層とを含む。この絶縁層は、絶縁油の含浸された紙その他の多孔質材料を含み得る。この油は、芳香族炭化水素、好適にはアルキルベンゼンであり、その一特定例はドデシルベンゼンである。
【0003】
ケーブルは、その有効寿命が過ぎた後、単に地下に放置される。しかしながら、時間を経て芳香族炭化水素がケーブルから浸出することが分かっており、このことは環境上許容されるものでない。
【0004】
ケーブルに圧縮空気を送り込み、ケーブルから絶縁油を吹き出させることによって、地下のケーブルを洗浄するための技術が存在する。しかしながら、そのような処理の後であっても、相当な量の残留油が残る。
【0005】
同様に、有毒な化学物質を運んだパイプが、その有効寿命の後、地下を放置される場合がある。しかしながら、やはり、例えばパイプが破損する場合や割れる場合、有毒な化学物質がパイプから浸出し、周辺地域の汚染を生じる危険が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様では、導管から残留物質を除去する方法を提供する。この方法は、水溶性ポリマー(随意で架橋されている)の水系配合物を導管へ導入し、その導管において残留物質と接触させ、その残留物質を第1の位置から第2の位置へ移動させることを含む。
【0008】
水溶性ポリマーの例には、次が含まれる:水に可溶なゴム(例えば、アラビアガム、カラヤガム、トラガカントガム、ガティガム、グアーガム);大豆誘導体(例えば、ローカストビーンガム、タマリンドガム);水に可溶な生体高分子(例えば、デキストラン、キサンタンガム);水に可溶なタンパク質(例えば、ゼラチン様物質、カラギーナン、寒天およびアルジネート、動物由来の誘導体、カゼイン、ペクチン);デンプンおよびデンプン誘導体(例えば、デンプン、加工デンプン、デンプン誘導体);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース);ポリビニルおよび無水マレイン酸コポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン);その他の水に可溶なポリビニル(例えば、無水マレイン酸コポリマー);ポリアクリレートおよび関連する系(例えば、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド);ポリイミンおよび関連する系(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール);水に可溶な表面活性ポリマー(例えば、リグニスルホネート関連する物質、リグニン樹脂(lignite)、
タンニン)。
【0009】
好適には、前記水溶性ポリマーは、アルコール、カルボン酸、カルボン酸誘導体(例えば、エステル)およびアミン基から選択される官能基を含む。このポリマーは、好適には、炭素原子を含む(好適には、本質的に炭素原子からなる)基本骨格を含む。基本骨格は好適には飽和である。基本骨格には、適切には上述の1つ以上の官能基が結合(pendent)している。このポリマーは、10,000以上、好適には50,000以上、特に75,000以上の数平均分子量(Mn)を有してよい。Mnは500,000未満、好適には400,000未満であってよい。このポリマーは好適にはポリビニルポリマーである。好適なポリマーには、随意で置換されるが好適には無置換の、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリプロピレングリコール)およびコラーゲン(およびその任意の成分)が含まれ、それらのうちでは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルまたはその両方をベースとしたポリマーが好適である。置換ポリマーの例には、炭化水素基で修飾されたポリビニルアルコールポリマーが含まれる。そのようなポリマーは、架橋されずに方法において用いられる。
【0010】
一実施形態では、好適な水溶性ポリマーは、そのポリマー基本骨格に結合した−O−部位を有するポリマー材料AAを含む。このポリマー材料AAのポリマー基本骨格は、好適には、炭素原子を含む。この炭素原子は、好適には−CH−部位の一部である。好適には、このポリマー基本骨格の繰返単位は、炭素炭素結合、好適にはC−C単結合を含む。好適には、このポリマー材料AAは、−CH−部位を含む繰返単位を含む。好適には、このポリマー基本骨格は任意の−O−部位(例えば、ポリエチレングリコールなどのアルキレンオキシポリマーに見られるような−C−O−部位)を含まない。このポリマー基本骨格は、好適には、ポリエーテルスルホンに見られるようなフェニル部位などの芳香族部位によって規定されない。このポリマー基本骨格は好適には−S−部位を含まない。このポリマー基本骨格は好適には窒素原子を含まない。このポリマー基本骨格は、好適には、本質的に炭素原子(好適にはC−C単結合の形態の)からなる。−O−部位は好適にはポリマー基本骨格に直接結合されている。このポリマー材料AAは、好適には、ポリマー基本骨格に結合した−O−部位を有する(平均で10以上、より好適には50以上)。この−O−部位は、好適には、ポリマー材料AAの繰返単位の一部である。好適には、この−O−部位は、ポリマー材料AAのポリマー基本骨格中の炭素原子に直接結合されており、適切には、ポリマー材料AAは次式の部位(好適には繰返単位の一部である)を含む:
【0011】
【化1】

【0012】
ここで、G,Gはポリマー基本骨格の他の一部分であり、Gはポリマー基本骨格に結合した別の部位である。好適には、Gは水素原子を表す。
好適には、ポリマー材料AAは次の部位を含む。
【0013】
【化2】

【0014】
この部位Vは好適には繰返単位の一部である。この部位Vは、部位Vに比較して異なる種類の部位を含む繰返単位を含むコポリマーの一部であってもよい。適切には、ポリマー材料AAのうちの60モル%以上、好適には80モル%以上、より好適には90モル%以上は、部位Vを含む(好適には部位Vからなる)繰返単位を含む。好適には、ポリマー材料AAは、部位Vを含む(好適には部位Vからなる)繰返単位から本質的になる。
【0015】
適切には、ポリマー材料AAのうちの60モル%以上、好適には80モル%以上、より好適には90モル%以上、特に実質的に全部は、随意で架橋された、ビニル部位を含む。
好適には、ポリマー材料AAのポリマー基本骨格に結合している−O−部位(好適には部位IVおよびVも)における酸素原子に対する自由結合は、基R10に結合されている(このため、ポリマー材料AAのポリマー基本骨格に結合している部位は、式−O−R10である)。好適には、基R10は、10未満、より好適には5未満、特には3以下の炭素原子を含む。炭素、水素および酸素原子から選択される原子しか含まないことが好適である。R10は、好適には、水素原子およびアルキルカルボニル(特に、メチルカルボニル基)から選択される。好適には、ポリマー材料AAにおける部位−O−R10は、ヒドロキシル基または酢酸基である。
【0016】
ポリマー材料AAは、ヒドロキシル基および酢酸基から選択される複数の(好適には多様な)官能基(上述の−O−部位が組み込まれた)を含んでよい。ポリマー材料AAは、好適には、ポリマー基本骨格に結合した多様なヒドロキシル基を含む。ポリマー材料AAは、好適には、ポリマー基本骨格に結合した多様な酢酸基を含む。
【0017】
好適には、ポリマー材料AAのポリマー基本骨格に結合した−O−部位の酸素原子に対する各自由結合は、ポリマー材料AAの架橋に関与する自由結合を除いて、式−O−R10である。ここで、各−OR10基はヒドロキシル基および酢酸基から選択される。
【0018】
好適には、ポリマー材料AAはビニルアルコール部位(特に、ビニルアルコール繰返単位)を含む。ポリマー材料AAは、好適には、酢酸ビニル部位(特に、酢酸ビニル繰返単位)を含む。ポリビニルアルコールは、一般に、ポリ酢酸ビニルの加水分解によって得られる。ポリマー材料AAは、0〜100%、好適には5〜95%、より好適には60〜90wt%、特に70〜90wt%水和されたポリ酢酸ビニルであってもよい。
【0019】
ポリマー材料AAは、10,000以上、好適には50,000以上、特に75,000以上の数平均分子量(Mn)を有してよい。Mnは500,000未満、好適には400,000未満であってよい。このポリマー材料AAは好適にはポリビニルポリマーである。ポリマー材料AAはコポリマーであってもよい。
【0020】
このポリマー材料AAは、好適にはポリビニルアルコールポリマーまたはコポリマーである。
ポリマー材料AAはランダムコポリマーであっても、ブロックコポリマーであってもよ
い。
【0021】
一実施形態では、水溶性ポリマーは架橋されなくてもよい。例えば、架橋されていない水溶性ポリマー、例えば、架橋されていないポリ(ビニルアルコール)が用いられてもよい。好適な一実施形態では、しかしながら、水溶性ポリマーは架橋されている。この架橋は、少なくとも水溶性ポリマーを架橋する前に、水溶性ポリマーの存在下で反応して架橋重合体を形成することができる官能基を含む架橋物質によって行われてよい。
【0022】
架橋物質および水溶性ポリマーは、縮合反応により架橋重合体を形成するように構成されてよい。
架橋物質は、2価酸のアルデヒド、カルボン酸、尿素、アクロレイン、イソシアナート、ビニルスルファートまたは塩化ビニルであってもよく、水溶性ポリマー(例えば、ポリ(ビニルアルコール)上の1つ以上の基と反応(例えば、縮合)可能な任意の官能基を含んでもよい。上述の架橋物質の例には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールおよびグルタルアルデヒドや、2価酸のマレイン酸、シュウ酸、ジメチル尿素、ポリアクロレイン、ジイソシアナート、ジビニルスルファートおよび塩化物が含まれる。
【0023】
架橋物質は、好適には、アルデヒドを収容する化合物またはアルデヒドを生成する化合物である。好適には、架橋物質はアルデヒドを収容する化合物である。
架橋物質は1つ以上のアルデヒド基を含んでもよい。これは、ホルムアルデヒドなどのモノアルデヒドであってもよいが、好適には複数のアルデヒド基を含む。
【0024】
架橋物質は次の一般式を有してよい。
【0025】
【化3】

【0026】
ここで、Gは直接結合またはリンク部位を表す。
は、−CHO基を離間させるように構成されてよく、これによって水溶性ポリマーの架橋の間隔に影響を与えることができる。
【0027】
一実施形態では、基Gは−(CH−部位であり、ここで、yは0〜8を表し、H原子のうちの1つ以上は別の原子または基によって置換されてもよい(しかしながら、好適には置換されない)。好適には、yは0〜6、より好適には0〜4、特に0〜2を表す。
【0028】
基Gは、水溶性ポリマーの架橋に幾らかの剛直性を導入するように構成されてもよい。例えば、基Gは、自由回転不可能な幾つかの共有結合を含んでもよい。例えば、基Gは、好適には、排他的に−CH−鎖からなる(この場合、各炭素炭素結合が自由回転可能である)のではなく、好適には、Gが−CH−鎖からなる場合と比較して自由回転を制限する原子もしくは基または他の手段を含む。例えば、Gには、かさ高い原子または基、不飽和の原子または基、電子的な効果のために自由回転を妨げる原子または基のうちの1つ以上が組み込まれてもよい。
【0029】
基Gは、2つの−CHO基の間に延びる鎖における1つ以上、好適には2以上、より好適には3以上、特に4以上の炭素原子を含んでもよい。
一実施形態では、基Gには1つ以上の芳香属基またはヘテロ芳香族基が組み込まれる。そのような基は上述のように回転を制限するように構成されてよい。好適なヘテロ芳香族基には、N含有ヘテロ芳香族基が含まれる。好適な芳香属基およびヘテロ芳香族基は、随意で置換されたフェニル基およびN含有芳香族基(ピリジニル基など)から選択される。
【0030】
基Gは、好適には、芳香属基およびN含有ヘテロ芳香族基の両方を含む。
基Gは、好適には、何らかの電荷分離を含む。好適には極性基を含む。好適にはカチオン性の基を含む。好適なカチオン性基はN部位を含むものである。
【0031】
基G自身が1つ以上のアルデヒド(または他の)官能基を含んでもよい。
この架橋された水溶性ポリマーは次式の部位を含んでよい。
【0032】
【化4】

【0033】
ここで、酸素原子の自由結合はポリマーの基本骨格に結合されており、炭素原子の自由結合は架橋物質の残基に結合されている。架橋物質の残基が別のポリマー鎖(例えば、上述の水溶性ポリマー)のポリマー基本骨格へ結合されることによって、水溶性ポリマーを架橋してもよい。
【0034】
架橋物質は好適には極性である。イオン性であってもよい。スルホネートアニオンを含んでもよい。ヘテロ芳香族部位を含んでもよい。4級アンモニウム部位(例えば、C部位)を含んでもよい。メチルスルファートは対イオンの一例であるが、他の対イオンが用いられてもよい。
【0035】
架橋物質は次を含んでよい:
(i)次式の繰返単位を有する第1のポリマー材料
【0036】
【化5】

【0037】
ここで、AおよびBは同じであるかまたは異なり、随意で置換された芳香族基およびヘテ
ロ芳香族基から選択され、少なくともいずれかは比較的極性の原子または基を含み、RおよびRは独立に比較的非極性の原子または基を含む;または、
(ii)水系溶媒において次の一般式の化合物を提供し、架橋ポリマーを形成するように化合物中のC=C基を互いに反応させることによって調整されるまたは調整可能な第1のポリマー材料。
【0038】
【化6】

【0039】
ここで、A、B、RおよびRは上述の通りである。
上述の架橋ポリマーでは、A,Bまたはその両方は多環式の芳香族またはヘテロ芳香族基であってよい。好適には、A及びBは、随意で置換された5員環、より好適には6員環の芳香族およびヘテロ芳香族基から独立に選択される。ヘテロ芳香族基の好適なヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄原子を含み、それらのうちでは酸素、特には窒素が好適である。好適なヘテロ芳香族基は、1つのヘテロ原子しか含まない。好適には、このヘテロ原子または別のヘテロ原子は、ポリマー基本骨格へのヘテロ芳香族基の結合位置から最も遠くに位置する。例えば、ヘテロ芳香族基が6員環からなる場合、ヘテロ原子は、好適には、環とポリマー基本骨格との結合位置に対して4位に提供される。
【0040】
好適には、AとBとは異なる基を表す。好適には、AおよびBのうちの一方は、随意で置換された芳香族基を表し、他方は随意で置換されたヘテロ芳香族基を表す。好適には、Aは随意で置換された芳香族基を表し、Bは随意で置換されたヘテロ芳香族基(特に、ピリジニル基など窒素ヘテロ原子を含むもの)を表す。
【0041】
他に記載のない限り、本明細書に記載の随意で置換された基、例えば基AおよびBは、ハロゲン原子によって置換されてもよく、随意で置換されたアルキル、アシル、アセタール、ヘミアセタール、アセタールアルキルオキシ、ヘミアセタールアルキルオキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、スルフィニル、アルキルスルフィニル、スルホニル、アルキルスルホニル、スルホネート、アミド、アルキルアミド、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロカルボニルおよびハロアルキル基によって置換されてもよい。好適には3つ以内、より好適には1つ以内の随意の置換基が、随意で置換された基上に提供されてよい。
【0042】
他に記載のない限り、アルキル基は、10個以内、好適には6個以内、より好適には4個以内の炭素原子を有してよく、メチル基およびエチル基が特に好適である。
好適には、AおよびBは各々極性の原子または基を表す。すなわち、好適には基AおよびBには何らかの電荷分離が存在するか、基AおよびBが炭素および水素原子のみを含んでいるのではないか、またはその両方である。
【0043】
好適には、AおよびBのうちの1つ以上は、例えば、水溶性ポリマーとの反応に際し、縮合反応可能な官能基を含む。好適には、Aは縮合反応可能な官能基を含む。
好適には、基AおよびBのうちの一方は、カルボニルまたはアセタール基を含む随意の置換基を含む(ホルミル基が特に好適である)。基AおよびBのうちの他方は、アルキル
基である随意の置換基を含んでよい。随意で置換された(好適には無置換の)C1〜4アルキル基(例えば、メチル基)が特に好適である。
【0044】
好適には、Aはホルミル基によってまたは次の一般式の基によって置換(好適には、Aが随意で置換されたフェニル基を表す場合、ポリマー基本骨格に対して4位にて)された基(例えば、芳香族基、特にフェニル基)を表す。
【0045】
【化7】

【0046】
ここで、xは1〜6の整数であり、Rは各々独立にアルキル基もしくはフェニル基であるか、または1つのアルカレン(alkalene)基を共に形成する。
好適には、Bは、水素原子もしくはアルキルまたはアラルキル基によってヘテロ原子上で置換された、随意で置換されたヘテロ芳香族基(特に、窒素含有ヘテロ芳香族基)を表す。より好適には、Bは次の一般式の基を表す。
【0047】
【化8】

【0048】
ここで、Rは水素原子もしくはアルキルまたはアラルキル基を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xは強い酸性のイオンを表す。
好適には、RおよびRは、水素原子または随意で置換された(好適には無置換の)アルキル基から独立に選択される。好適には、RおよびRは同じ原子または基を表す。好適には、RおよびRは水素原子を表す。
【0049】
好適な架橋物質は、国際公開第98/12239号パンフレットに記載の方法によって、英国特許発明第2030575号明細書の第3頁第8〜39行に記載の化合物のうちの任意のものから調製可能である。これらの文献の内容を引用によって本明細書に援用する。
【0050】
架橋物質は次式であってもよい。
【0051】
【化9】

【0052】
ここで、A、B、RおよびRは上述の通りであり、nは整数である。整数nは、適切には10以下、好適には8以下、より好適には6以下、特に5以下である。整数nは、適切には1以上、好適には2以上、より好適には3以上である。
【0053】
架橋ポリマーは、適切には次式の部位を含む。
【0054】
【化10】

【0055】
ここで、R,RおよびBは上述の通りであり、Aは、水溶性ポリマーおよび架橋物質を伴う反応の後の上述の基Aの残基を表し、Yは、水溶性ポリマーおよび架橋物質を伴う反応の後の水溶性ポリマーの残基を表し、Xは、水溶性ポリマーと架橋物質との残基の間に延びるリンク原子または基を表す。好適な一実施形態では、Aは随意で置換されたフェニル基を表し、Xは次式の基を表す。
【0056】
【化11】

【0057】
この基は、酸素原子を介して水溶性ポリマーの残基に結合されている。例えば、基Xは水溶性ポリマーのポリマー基本骨格に結合されてよい。
第1の態様の方法には、記載のような水系配合物を調製する工程が含まれてよい。この方法には、水の存在下に水溶性ポリマーおよび架橋物質を接触させることが含まれてよい。
【0058】
架橋反応前における、水系配合物中の水溶性ポリマーのwt%に対する架橋物質のwt%の比は、適切には0.15未満、好適には0.10未満、より好適には0.75以下、特に0.60以下である。この比は0.02以上、好適には0.04以上であってよい。好適には、この比は0.04〜0.06の範囲にある。
【0059】
水溶性ポリマーおよび架橋物質のwt%の合計は、1wt%以上、好適には1.5wt%、より好適には2wt%以上であってよい。この合計は、5wt%未満、好適には4wt%未満で、より好適には3wt%未満であってよい。
【0060】
水系配合物は、90wt%以上、好適には95wt%以上の水を含んでよい。
水系配合物は、好適には、水溶性ポリマーおよび架橋物質の反応を触媒するための触媒を含む。この触媒は好適にはプロトン性の酸である。この酸は、好適には、10−6を越える、より好適には10−4を越える、特に10−2を越える酸解離定数の値を有する。制限配合物は、適切には2wt%未満、好適には1wt%未満、特に0.5wt%未満の触媒を含む。
【0061】
水系配合物のpH(適切には、導管へ導入される直前に測定される)は、適切には6未満、好適には4未満、より好適には3未満である。pHは適切には1より高い。触媒として含まれる上述のプロトン性の酸を用いて、所望のレベルにpHを調節することができる。
【0062】
水系配合物は、配合物の温度が5℃未満または0℃未満であるとき、配合物のゲル化を制限するための手段を含んでよい。この制限手段は、冷凍状態から溶けた後、材料のゲル化を制限するためのものであってもよい。
【0063】
水系配合物は、例えば、冷凍時、冷凍後またはその両方の際に配合物のゲル化を制限するために、1つ以上のヒドロキシル部位を有する材料を含んでもよい。この材料は好適には2つ以上の水酸基を含む。この材料はポリマーであってもよい。このポリマーは、100以上、好適には200以上、より好適には300以上の分子量を有してよい。この分子量は、2000未満、好適には750未満、より好適には500未満であってよい。この材料は、例えば、そのポリマー基本骨格に、エーテル部位を含んでもよい。この材料は、好適には、グリコール(例えば、ポリエチレングリコール)である。
【0064】
第1の態様の方法では、導管は好適にはケーブル(例えば、電力ケーブル)である。このケーブルは導電体および絶縁手段を含んでよい。
この導管(例えば、ケーブル)は、適切には除去される必要のある、残留物質を収容していてもよい。この残留物質は絶縁手段の成分であってもよい。この残留物質は油(例えば、絶縁油)を含んでよい。
【0065】
この残留物質はアルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン)を含んでよい。
この導管は、1cm以上、好適には2cm以上の直径を有し、10m以上、好適には50m以上の長さを有してよい。
【0066】
この導管は、好適には、例えば、20cm以上、好適には50cm以上の深さ(少なくとも部分的には)で地下に埋められる。
水系配合物は好適には導管へ送り込まれる。この水系配合物は、好適には、導管内をその第1の部分(例えば、第1の端部)から第2の部分(例えば、第2の端部)へ移動するように構成されている。水系配合物は、導管に沿って5cm以上、好適には10m以上の距離を送られてよい。
【0067】
水系配合物は、導管へ導入されるとき、100s−1の剪断速度で測定される0.005〜0.015Pa・s(5〜15cP)の範囲の粘度を有してよい。この配合物は、適切には、粘弾性である。
【0068】
この水系配合物は、好適には、導管の部分から残留物質を放出し、第2の位置に向かっ
て残留物質を押しやる。
この第2の位置にて、残留物質が導管を出て収集されてもよい。導管を通過した水系配合物も、この第2の位置にて収集されてよい。導管と同じ長さの通過または導管を越える長さの通過において、収集された水系配合物を再使用することが可能であってもよい。
【0069】
第2の位置にて、残留物質が収集され、表面へもたらされてもよい。次いで、この残留物質が処理のため離れた位置へ輸送されてもよい。
残留物質が導管から除去された後、導管が封止されてもよい。一実施形態では、導管は、導管内部に配置され、導管において保持されるゲルの形態である封止配合物を導入することによって、封止されてよい。例えば、導管内でゲル化し、ほぼ移動不可能に導管に保持されるのに充分に硬質になるように構成された配合物が、導管へ導入されてもよい。このゲルは、好適には、架橋された水溶性ポリマーを含む。このゲルは好適にはヒドロゲルを含む。
【0070】
このゲルは本明細書に記載したような架橋物質によって架橋された、本明細書に記載したような水溶性ポリマーを含んでもよい。
このゲルは水溶性ポリマー(特にポリ(ビニルアルコール))と、架橋物質(特に式Iの第1の重合体材料)との接触によって調製されてもよい。ゲルを調製するために、水系配合物における水溶性ポリマーのwt%に対する架橋物質のwt%の比は、0.05以上であってよく、0.2以下であってよい。
【0071】
本発明の第2の態様では、随意で架橋された水溶性ポリマーの水系配合物を収容している容器と、残留物質を含む導管とを備える組立体が提供される。この容器は、容器から導管へ流体を通過させるように、導管と連通している。
【0072】
組立体は、容器から導管へ流体が導入される第1の位置から離間された第2の位置において導管を出る流体を収集するための手段を含んでもよい。
この容器は、100L以上、好適には1000L以上、より好適には5000L以上の容積を有する。
【0073】
組立体は、容器から導管へ流体を送り込むためのポンプ手段を含んでもよい。ポンプ手段は、約68.9kPa(10psi)以上、より好適には約137.9kPa(20psi)以上、特に約206.8kPa(30psi)以上の圧力で流体を送り込むように構成されている。
【0074】
組立体は、好適には、導管を通じた通過後に流体を収集するための手段を含んでよい。
本発明の第3の態様では、導管から除去された残物(例えばアルキルベンゼン)と、随意で架橋された水溶性ポリマーとを収容している容器が提供される。
【0075】
この容器は、収容されていた流体の輸送の媒体と関連付けられてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
図1を参照すると、地下に埋められるケーブル2は、鉄パイプまたは他の金属構造を含み得る筐体4を備え、筐体4内には導電性部材6が配置されている。導電性部材6は撚りワイヤ導体8を備え、その周囲には多孔性の紙の層10が巻かれている。筐体4には、互いに接する複数の部材6が充填されている。図1には3つの部材しか示していないが、より多くの部材が筐体内に包囲されてよいことが認められる。筐体は、筐体を充填し、部材6の層10を含浸する絶縁油12(例えばドデシルベンゼンなどのアルキルベンゼンを含む)も収容している。図2に示すように、何マイルものケーブル2が地面20の下に配置されてもよい。
【0077】
ケーブルがもはや動作しなくなった後、アルキルベンゼンを除去して地面20の汚染を防止することが所望される。これは、以下の実施例3および4の記載のようにして達成できる。実施例において用いられる物質は、実施例1および2の記載のようにして調製できる。
【0078】
実施例1−ポリ(ビニルアルコール)溶液の調製
既知量の水をゆっくりと撹拌し、撹拌した水へ既知量の88%加水分解ポリ(ビニルアルコール)(分子量300,000)を添加することによって、2wt%のポリ(ビニルアルコール)溶液を調製した。懸濁液を1時間撹拌し、その後、懸濁粒子が溶けて溶液が透明になるまで、懸濁液を60℃の温度で加熱した。次いで、この溶液を5℃未満に冷却し、使用するまでその温度で保管した。
【0079】
実施例2−ポリ(1,4−ジ(4−(N−メチルピリジニル))−2,3−ジ(4−(1−ホルミルフェニル)ブチリデンの調製
これは、PCT/GB97/02529のExample1の記載のようにして調製した。その内容を引用によって本明細書に援用する。この方法では、周囲温度にて4−(4−ホルミルフェニルエテニル)−1−メチルピリジニウムメソスルホネート(SbQ)を水と混合することによって、1wt%超のSbQ水溶液を調製する。そのような条件下では、SbQ分子は集合体を形成する。次いで、この溶液を紫外線に曝露した。これによって、集合体における隣接した4−(4−ホルミルフェニルエテニル)−1−メチルピリジニウムメソスルホネート分子(I)の炭素炭素二重結合間に光化学反応が生じ、ポリマー、すなわち、ポリ(1,4−ジ(4−(N−メチルピリジニル))−2,3−ジ(4−(1−ホルミルフェニル)ブチリデンメソスルホネート(II)が生成する。
【0080】
実施例3−粘弾性洗浄配合物の調製
実施例1のポリ(ビニルアルコール)溶液へ実施例2のブチリデンポリマーを添加し、混合することによって、ポリ(ビニルアルコール)およびブチリデンを含有する2wt%溶液を調製した。ブチリデンポリマーに対するポリ(ビニルアルコール)の重量比は1対20であった。この混合物に、pHを2.5まで低下させるのに充分なパラトルエンスルホン酸(PTSA)または塩酸を添加した。その結果、ポリ(ビニルアルコール)とブチリデンポリマーとの間で反応が開始し、ブチリデンがポリビニルアルコールを架橋して、粘弾性の流体が生成する。この架橋反応は次のようにまとめられる。
【0081】
【化12】

【0082】
実施例4−実施例3の粘弾性配合物を用いたケーブルの洗浄
実施例3に記載のように調製される粘弾性配合物は、地表面24より上の容器22に収容されている。貯蔵器はパイプ26を介してケーブル2の端部29へ接続される。ケーブル2は、ケーブル中の油のうちの一部をケーブルから追い出すために圧縮空気噴射を用いて既に処理されている。ポンプ28は、ケーブルに沿って矢印30の方向に残りの絶縁油
12を追い出すために、パイプ26に沿って容器22からケーブル2へ配合物を送り込むように構成されている。油は、実際には、ケーブルに形成されたダクト(図示せず)へ追い出されてもよい。このダクトは、ケーブルの一端から他端へ延びている。配合物を充分にゆっくり押してケーブルを通過させることによって、配合物がケーブルからアルキルベンゼンを押し出すことが可能であり、両者の界面にはわずかな量の混合しか生じない。配合物は二重の役割を有する。第1に、この配合物は、その粘弾性のため、絶縁油に対し流体圧を加え、ケーブル20を通じて絶縁油を押しやることが可能である。また、第2に、この配合物は、界面張力を減少させることによって、例えば、紙の層10および筐体4の内面16から油を放出するように、ケーブルの各部分から油を放出するのを補助する。したがって、配合物がケーブル2のある領域を通過した後、その領域に残る絶縁油の濃度は無視できるレベルまで減少する。
【0083】
ケーブル2の採集領域、すなわち、端部29の下流において、配合物および絶縁油が収集される。収集は、端部29から10mを越える距離、50mを越える距離または500mを越える距離で行われてもよい。収集された流体が表面へ運ばれ、次いで、処理に適切な位置へ輸送されてもよい。配合物と油との間の界面における乱流混合を回避するようにケーブルを通じて配合物を充分にゆっくりと移動させる限り、収集時に、配合物および油は界面に混合のほとんど無い2つの層を形成する。
【0084】
ある長さのケーブル2が最大量の油を除去するように充分に処理されることを保証するために、収集された流体が定期的に分析されてもよい。流体中にごくわずかな油しか見出されない場合(または油が全く見出されない場合)、容器22からの流体の送り込みが中断されてもよい。
【0085】
実施例5−ケーブルにおける硬質ゲルの生成
周囲温度(約25℃)の水(95.5重量部)を低速で(泡立ち防止のため)撹拌し、溶液中に4.5重量部のポリ(ビニルアルコール)が与えられるように、実施例1に参照されるポリ(ビニルアルコール)を添加した。実施例2のブチリデンポリマー(0.4重量部)を添加し、休むことなく撹拌を継続した。コポリマーおよびブチリデンポリマーの溶解後、pH2.5までパラトルエンスルホン酸(PTSA)を添加し、配合物へ徹底的に混合した。この配合物の粘度は、0.010〜0.020Pa・s(10〜20cP)であった。添加した酸の量は、以下に記載のように、ポリ(ビニルアルコール)とブチリデンポリマーとが反応する速度に影響を与える。この量は、ケーブルに溶液を配置するのに必要な時間に応じて選択されてよい。
【0086】
酸の添加後、ゲル化反応が開始する。記載の配合物は、固体ゲルの生成までに25℃で約4.5時間を要する。
ゲル化反応は、上述において実施例3に記載の通りである。
【0087】
記載のように調製された配合物は(有意なゲル化の前に)、実施例4に関して記載したようにケーブル2へ容器22から送り込まれてよい。しかしながら、この場合、配合物は少なくとも何らかの乱流を与えるのに充分に大きい速度で送り込まれるので、配合物によって微量の油が乳化され、形成されるゲル中に保持される。ケーブルが配合物で満たされると、容器22からのさらなる配合物の送り込みは停止されてよい。この結果、ケーブルは配合物で満たされたままとなる。最終的に配合物は、ケーブルを充填し、ケーブル中のすべての油を包含する硬質のゲルとなる。これによって、油は所定の場所に保持されるので、環境的な危険を示すとは考えられない。
【0088】
実施例5の配合物の成分の量、素性またはその両方は、ゲルの形成および特性に影響を与えるように、次のように変更されてもよい。
(a)ブチリデンポリマーについて。用いられるポリマーの濃度を上昇させると、配合物がゲルを形成する時間が短くなる傾向にある。ブチリデンポリマーの濃度が大きいほど、形成されたゲルは脆くなる傾向があるので、ブチリデンポリマーの濃度は、配合物中のポリビニルアルコールの量の10wt%以下を用いることが好適である。
【0089】
(b)ポリビニルアルコールについて。濃度は配合物がゲルを形成する時間および最終的なゲルの強度に影響を与える。配合物の総ポリビニルアルコール濃度は、好適には、5wt%以下である。配合物中のポリビニルアルコール濃度が高すぎる場合、ゲルの形成は早すぎる傾向があり、初期粘度も容易に送り込むには高すぎる可能性がある。
【0090】
これに加えて、ポリ(ビニルアルコール)コポリマーの分子量は、配合物の初期粘度に影響を与える。例えば、比較的低い分子量(例えば、約100,000)の単一の型の88%の加水分解ポリ(ビニルアルコール)を用いる場合、調製される配合物の初期粘度は比較的低くなることがある。しかしながら、高分子量の材料が用いられる場合(例えば、300,000を越えるもの)、配合物の初期粘度はより高い。適切な分子量の1つ以上のポリビニルアルコールを選択することによって、配合物の粘度(したがって送り込みの容易さ)を広い範囲にわたって変化させることができる。
【0091】
(c)触媒について。これは、ブチリデンポリマーとポリビニルアルコールとの反応の触媒となる。触媒の量および素性は、ゲル強度および配合物がゲルになるまでの時間に対し影響を与える。一般に、酸の量が増大すると、ゲルの形成速度が増大する傾向があるが、ゲルの強度が減少する場合がある。塩酸などの鉱酸が用いられてもよく、それらの酸は、比較的遅いゲル化反応を生じるPTSAと比較して、比較的速いゲル生成速度を示す。一般に、配合物のpHが低いほど、ゲル化反応が速くなる。
【0092】
加えて、ゲル化反応中の温度および圧力によって、ゲルの形成および特性に影響が与えられる場合がある。一般に、これらのパラメータのいずれかの増大によって、ゲルの形成速度は上昇する。
【0093】
実施例3の配合物は、約300の分子量を有するポリエチレングリコールを0.5wt%添加することによって、変更されてもよい。これによって、冷凍状態から溶けた後の配合物のゲル化を防止する。この結果、冷凍配合物は、溶けると、送り込みに充分な流体となる。溶けた後にゲルが生成する場合、溶けた後にも、導管を通じて配合物を容易に送り込むことを可能とするにはゲルの粘性が高すぎることがある。
【0094】
このように、記載の配合物の使用によって、ケーブルが洗浄され、比較的環境的に安全となることが認められる。
この特定の実施形態ではケーブルの処理について記載しているが、記載の方法を用いて他の種類の導管が処理されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ケーブルを通じて断面図。
【図2】地下のケーブルの一部を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管から残留物質を除去する方法であって、随意で架橋された水溶性ポリマーの水系配合物を導管へ導入し、同導管において残留物質と接触させ、同残留物質を第1の位置から第2の位置へ移動させることを含む方法。
【請求項2】
前記ポリマーは、炭素原子からなる基本骨格と、同基本骨格に結合したアルコール、カルボン酸、カルボン酸誘導体およびアミン基から選択される官能基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーは、そのポリマー基本骨格に結合した−O−部位を有するポリマー材料AAを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー材料AAは、次式の部位Vを含む請求項3に記載の方法。
【化1】

【請求項5】
ポリマー材料AAのうちの60モル%以上は部位Vを含む繰返単位を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー材料AAのうちの60モル%以上は、随意で架橋された、ビニル部位を含む請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー材料AAはビニルアルコール部位を含む請求項4乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー材料AAは、随意で架橋された、ポリビニルアルコールポリマーまたはコポリマーである請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー材料AAは架橋されている請求項4乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記水系配合物は、次式の架橋物質を用いて架橋されたポリマー材料AAを含む、架橋された水可溶性ポリマーを含み、Gは直接結合またはリンク部位を表す請求項4乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【化2】

【請求項11】
は1つ以上の芳香族基またはヘテロ芳香族基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水溶性ポリマーは架橋されており、次式の部位を含み、
【化3】

酸素原子の自由結合はポリマーの基本骨格に結合されており、炭素原子の自由結合は架橋物質の残基に結合されている請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋物質は、
(i)次式の繰返単位を有する第1のポリマー材料
【化4】

[ここで、AおよびBは同じであるかまたは異なり、随意で置換された芳香族基およびヘテロ芳香族基から選択され、少なくともいずれかは比較的極性の原子または基を含み、RおよびRは独立に比較的非極性の原子または基を含む]
または
(ii)水系溶媒中に次式の化合物を提供し、
【化5】

[ここで、A、B、RおよびRは上述の通りである]
前記架橋ポリマーを形成するように同化合物中のC=C基を互いに反応させることによって調整されるまたは調整可能な第1のポリマー材料を含む請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記導管へ導入される直前の水系配合物のpHは6未満である請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記導管はケーブルである請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記導管は除去の必要な残留物質を収容しており、前記残留物質は絶縁油を含む請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記残留物質はアルキルベンゼンを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記水系配合物は導管に送り込まれ、同導管内を同導管の第1の端部から第2の端部へ移動するように構成されている請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
残留物質が除去された後、前記導管を封止することをさらに含み、同封止は、同導管内部に配置され、同導管において保持されるゲルの形態である封止配合物を導入することを含む請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ゲルはポリビニルアルコールポリマーまたはコポリマーに由来する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
随意で架橋された水溶性ポリマーの水系配合物を収容している容器と、残留物質を含む導管とを備え、前記容器から前記導管へ流体を通過させるように前記容器が前記導管と連通している組立体。
【請求項22】
導管から除去された残留物(例えば、アルキルベンゼン)と、随意で架橋された水溶性ポリマーとを収容している容器。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−534187(P2009−534187A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507150(P2009−507150)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001501
【国際公開番号】WO2007/125309
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506172300)エイジーティ サイエンシズ リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】AGT SCIENCES LIMITED
【Fターム(参考)】