説明

導電性インク組成物及びその製造方法

【課題】 電気的導通部位を形成する金属種が、低コストで、耐エレクトロマイグレーション性に優れる銅のみであり、且つ、配線に利用可能な高い導電性を発現できる導電性インク組成物及びその製造方法を提供する
【解決手段】 銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含み、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物であって、体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmであることを特徴とする導電性インク組成物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性インク組成物及びその製造方法に関するものであり、特にエレクトロニクス分野で配線形成用材料として好適に用いることができる導電性インク組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省コストや低環境負荷への観点から、スクリーン印刷等の印刷法で導電性インクを所望のパターンに印刷し、回路基板における配線や電極等の電気的導通部位を形成する技術が注目を集めている。
【0003】
現状、導電性インクとしては、導電性に優れる銀粒子を利用した導電性インクが主流となっているが、銀は、エレクトロマイグレーション(electromigration)が発生しやすいという問題や、銀自体が高価な金属であるといった問題がある。ここで、エレクトロマイグレーションとは、電界の影響で、金属成分(例えば、配線や電極に使用した金属)が非金属媒体(例えば、絶縁物)の上や中を横切って移動する現象である。
【0004】
そこで、低コストで、エレクトロマイグレーションが生じるおそれが少なく、且つ高い導電性をもつ銅を主成分とする電気的導通部位を、印刷法により形成可能な導電性インクが望まれている。
【0005】
銅を主成分とする導電性インクとしては、銅粒子をペースト化した銅ペーストが検討されている。銅ペーストとは、一般的には、銅粒子、バインダー樹脂、及び溶剤を混合しペースト状にしたものであり、バインダー樹脂の硬化収縮により、銅粒子相互を物理的に接触させ、電気的導通を発現させるものである(例えば、特許文献1参照)。しかし、銅は、酸化を受けやすく、銅粒子表面に形成された酸化被膜は電気的抵抗となり、銅粒子相互の接触による電気的導通を妨げるため、十分な導電性を得られない問題があった。
【0006】
そこで、導電性を向上させるための検討が行われている。
【0007】
例えば、導電性粉末、有機バインダー、および溶剤を必須成分とする導電性ペーストにおいて、該有機バインダーがアルキル基の炭素数が6〜28のアルキルサリチル酸および/またはその金属塩を含有することを特徴とする導電性ペースト、および該導電性ペーストを基材上に塗布または印刷後、硬化してなることを特徴とする導電性塗膜を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、例えば、銅粉末、熱硬化性樹脂、多価フェノールモノマー、及びイミダゾール化合物を必須成分とする導電性銅ペースト組成物を用いる方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
特許文献2の方法では、酸化防止剤としてアルキル基の炭素数が6〜28のアルキルサリチル酸および/またはその金属塩を含有することにより、銅粒子の耐酸化性を向上させ導電性の向上を図っている。しかし、その導電性は体積抵抗率として、60μΩ・cm以上であり、配線や電極等の高い導電性を要求される用途では利用できないおそれがあった。
【0010】
また、特許文献3の方法では、還元剤として多価フェノールモノマーを含有し、この多価フェノールモノマーが、銅粒子表面の酸化銅を還元することにより、導電性の向上を図っている。しかし、その導電性は上記と同様に十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平1−167385号公報
【特許文献2】特開平5−140484号公報
【特許文献3】特開平8−73780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気的導通部位を形成する金属種が、低コストで、耐エレクトロマイグレーション性に優れる銅のみであり、且つ、配線に利用可能な高い導電性を発現できる導電性インク組成物及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、鋭意検討した結果、銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含み、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物が、低い体積抵抗値(高い導電性)を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの導電性インク組成物及びその製造方法である。
[1]銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含み、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物であって、体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmであることを特徴とする導電性インク組成物。
[2]配位性化合物が、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、及び下記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性インク組成物。
【0015】
【化1】

【0016】
[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
[3]配位性化合物が、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、及び3−n−ブトキシプロピルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の導電性インク組成物。
[4]a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性インク組成物の製造方法。
[5]酸が、硝酸、硫酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸、亜硝酸、亜硫酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、及びクエン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記[4]に記載の製造方法。
[6]表面保護剤が、エタンチオール、n−プロパンチオール、n−ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−オクタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ピラゾール、1−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−フェニルピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ホモピペラジン、トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の製造方法。
[7]酸、及び表面保護剤とを含んでなる洗浄用組成物において、酸の濃度が1.0〜99.9999重量%、表面保護剤の濃度が0.0001〜99重量%の範囲であることを特徴とする上記[4]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]酸、及び表面保護剤とを含んでなる洗浄用組成物が、さらに希釈剤を含有することを特徴とする上記[4]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]洗浄時の温度が、0〜150℃であることを特徴とする上記[4]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]さらに、b)銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合する工程を経ることを特徴とする上記[4]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]混合時の温度が、0〜80℃であることを特徴とする上記[10]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下に示す効果を奏する。
【0018】
本発明の導電性インク組成物は、製造の際に銅粒子の表面酸化膜を酸で洗浄すると同時に表面保護剤により被覆するため、銅粒子の表面酸化を抑制し、高い導電性を有する導電性インク組成物であり、また凝集による二次粒子の生成を抑制することができ、印刷用インクとするために必要な均一性、分散性に優れた導電性インク組成物である。
【0019】
また、本発明の導電性インク組成物は、銅粒子、及びギ酸銅を含有し、金属成分は銅のみであるため、銅の優れた特性を有する導電膜や、導電性パターンを形成可能な導電性インク組成物である。
【0020】
また、本発明の導電性インク組成物の製造方法は、市販の安価な銅粒子を、利用することができ、また製造に際して特別な設備を必要としないため、コスト性、生産性に優れる。
【0021】
本発明の導電性インク組成物は、塗布、加熱といった簡便な方法で電気的導通部位を形成することが可能であり、省エネルギー、低コスト、低環境負荷を達成でき、工業的に極めて有用である。また、電気的導通部位形成工程において水素を含む還元雰囲気を必要とせず、窒素等の不活性雰囲気下での加熱で導電膜形成が可能であり、安全性に優れる。さらに、樹脂を基材として利用可能な温度で、電気的導通部位の形成が可能であり、汎用性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
本発明の導電性インク組成物は、銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含み、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物であって、体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmであることを特徴とする導電性インク組成物に関するものである。
【0024】
本発明における銅粒子は、特に限定するものではなく、少なくとも銅を主成分とする金属粒子である。単体であってもその他金属との合金であっても差し支えなく、銅の優れた特性を発現させるためには、銅の含有量が90重量%以上が好ましく、99重量%以上が特に好ましい。
【0025】
銅粒子の形状は、特に限定するものではなく、樹枝状、球状、鱗片状、又は不定型からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、中でも球状の銅粒子がインクとした際の印刷性の面から好ましい。
【0026】
銅粒子の平均粒子径は、金属表面の活性抑制及び銅粒子が沈降・メッシュが目詰まり防止の観点から、0.01〜100μmの範囲であることが好ましく、0.1〜10μmの範囲であることが特に好ましい。尚、銅粒子の平均粒子径の測定方法としては、一般的な測定方法を用いることができる。例えば、透過型電子顕微鏡(TEM),電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM),電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を適宜使用することができる。平均粒子径の値は、上記装置を用いて測定し、観測された視野の中から、粒子径が比較的そろっている箇所を3箇所選択し、粒径測定に最も適した倍率で撮影する。各々の写真から、一番多数存在すると思われる粒子を100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出する。これらの値を算術平均することにより求めることができる。
【0027】
また、銅粒子は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでも良く、特に限定はなく、工業用に市販されているもので十分である。また銅粒子の純度については特に限定はなく導電性薄膜とした際に、導電性に悪影響を与える恐れがあるため、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0028】
本発明における配位性化合物は、ギ酸銅粒子に対して配位能を有する化合物であればよく、特に限定するものではなく、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、及び下記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0029】
【化2】

【0030】
[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
脂肪族アミンとしては、例えばエチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン等が挙げられ、芳香族アミンとしては、例えばピペリジン、ピリジン等が挙げられ、複素環式アミンとしては、例えばピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン等が挙げられる。
【0031】
一般式(1)のRにおける炭素数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の分岐状アルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、neo−ペンチル基、i−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環式のアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0032】
具体的な一般式(1)で示される化合物としては例えば、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン等が挙げられる。
【0033】
これらの中でも配位性化合物としては、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン等が好ましく、さらに好ましくはn−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、ピペリジン、N−エチルピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン、エタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン等であり、特に好ましくはn−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン等である。これらは1種又は2種以上用いることができる。
【0034】
配位性化合物は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよい。また、配位性化合物の純度は、特に限定するものではなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0035】
本発明におけるギ酸銅粒子は、銅イオンをカチオン種とし、ギ酸をアニオン種とする銅塩の粒子であればよく、特に限定するものではなく、例えば、一価のギ酸銅の粒子、及び二価のギ酸銅の粒子の少なくとも一種が挙げられる。これらの中でも、安定性、及び入手の容易さから、二価のギ酸銅粒子が好ましい。
【0036】
また、ギ酸銅粒子の平均粒子径は、特に限定するものではなく、粒子表面の活性抑制及び粒子の内部まで完全に反応できることから、0.001〜10μm未満の範囲であることが好ましい。
【0037】
ギ酸銅粒子の純度については特に限定するものではなく、あまりにも低純度であると電気的導通部位とした際に、導電性に悪影響を与えるおそれがあるため、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0038】
また、ギ酸銅粒子としては、市販のものでも、公知の方法により合成したものでも、さらには、銅イオンを含む化合物とギ酸を混合することにより、系中で形成させたものでも何ら差し支えなく使用することができ、特に限定されない。ギ酸銅粒子を製造する場合においては、特に限定はなく、例えば、ギ酸銅の粉末を機械的粉砕により粉砕する方法や、ギ酸銅の溶液から、ギ酸銅の粒子を析出させる方法等が挙げられる。これらのうち、粒子サイズの再現性が良好なことや、大量の溶媒及び大規模な設備が必要ないことから、ギ酸銅の粉末を機械的粉砕により粉砕する方法が好ましい。
【0039】
機械的粉砕としては、特に限定するものではなく、例えば、乾式であっても、湿式であっても一向に差し支えなく、具体的には、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ジェットミル、カッターミル、ハンマーミル、振動ミル、コロイドミル、ロールミル、乳鉢、及び石臼からなる群の一種又は二種以上を用いることができる。中でも微細粒子が効率的に得られることから、ビーズミルを用いることが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法においては、銅粒子が酸化されることがないことから、a)工程を非酸化性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0041】
該非酸化性ガスは、例えばヘリウム、窒素、ネオン、アルゴンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、中でも窒素がコストの面から最も好ましい。また、非酸化性ガスの含有酸素濃度は1%以下であることが好ましく、0.01%以下であることが特に好ましい。
【0042】
本発明の導電性インク組成物は、銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含む組成物であり、その製造方法は、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する。
【0043】
本発明の導電性インク組成物の製造方法に用いる洗浄用組成物は、酸、及び表面保護剤を含んで成るものである。
【0044】
洗浄洗浄組成物における酸は、銅粒子の表面酸化膜を除去できるものであれば、特に限定はなく、例えば硝酸、硫酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸、亜硝酸、亜硫酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ、その中でも硝酸、硫酸、塩酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸等が好ましく、特に塩酸、ギ酸、クエン酸等が好ましい。これら酸は1種又は2種以上用いることができる。
【0045】
洗浄洗浄組成物における表面保護剤は、銅粒子の表面酸化膜を酸で除去すると同時に、銅粒子の表面に吸着し、表面を保護し、再酸化の抑制、及び再凝集を抑制する効果を有する。
【0046】
表面保護剤としては、銅粒子の表面に対して吸着能を有する化合物であれば、特に限定はなく、例えばエタンチオール、n−プロパンチオール、n−ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−オクタンチオール、及び2−エチルヘキサンチオール、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ピラゾール、1−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−フェニルピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ホモピペラジン、トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられ、その中でもn−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、ピラゾール、3−フェニルピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピペラジン、ホモピペラジン、ベンゾトリアゾール等が好ましく、特にn−ドデシルアミン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール等が好ましい。これら酸は1種又は2種以上用いることができる。
【0047】
表面保護剤は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、純度としては、特に限定はなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0048】
洗浄用組成物における酸、及び表面保護剤の比率(組成比)は、特に制限はなく、コスト面、銅粒子の表面酸化膜の除去速度及び銅粒子表面の酸化や粒子同士の凝集防止の観点から、洗浄用組成物全量に対し、酸を1.0〜99.9999重量%、表面保護剤を0.0001〜99重量%とすることが好ましく、酸が70〜99.999重量%、表面保護剤は0.001〜30重量%とすることが特に好ましい。
【0049】
洗浄用組成物はさらに希釈剤を含んでも一向に差し支えない。
【0050】
希釈剤としては、銅粒子を溶解及び/又は酸化せず、また表面保護剤と反応しないものであれば、特に限定はなく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ホルムアミド類、ピロリドン類、ラクトン類、エステル類、スルホキシド類からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
【0051】
具体的には、アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、エーテル類としては、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられ、ホルムアミド類としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、ピロリドン類としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等が挙げられ、ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等が挙げられ、ラクトン類としては、例えばプロピオラクトン、ブチロラクトン等が挙げられ、エステル類としては、例えば酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセト酢酸エチル等が挙げられ、スルホキシド類としてはジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド等が挙げられ、これらより選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。上記具体例に挙げた希釈剤の中では、酸、及び/又は表面保護剤との相溶性、及びコストの面から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドからなる群の中から1種若しくは、2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、中でもエタノールを単独で用いるのが最も好ましい。希釈剤としては電子材料用に市販されている高純度のものを使用することができ、工業的に流通しているものを使用しても良い。
【0052】
希釈剤の純度は、特に限定はなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。また、イオン性物質やパーティクル等を極力低減させたものが好ましい。
【0053】
希釈剤の組成比は特に限定はなく、銅粒子表面の酸化膜を除去する能力に優れることから、例えば、洗浄用組成物全体の重量に対し、希釈剤の濃度が99.9重量%以下であることが好ましい。
【0054】
本発明におけるa)工程での上記洗浄液組成物による銅粒子の洗浄は、銅粒子と洗浄液組成物を接触させることで洗浄することができ、接触させる方法自体は特に制限はなく、公知のいずれの方法も使用できる。例えば、洗浄液組成物への銅粒子の含浸の他、スプレーなどによる流通式の洗浄を実施することができる。中でも作業性の向上、設備の簡素化の面から洗浄液組成物への銅粒子の含浸による洗浄が好ましい。さらに、洗浄効果を高めるために、同時に攪拌、揺動、超音波または非酸化性ガスのバブリングなどを組み合わせることができる。なお、これら洗浄に使用する装置としては、通常公知のものを用いることができる。なお、上記洗浄の方法や条件は、処理する銅粒子の量や、コスト面を考慮し、適宜選択することができる。
【0055】
また、洗浄液組成物により銅粒子を洗浄するときの温度は、特に制限はなく、銅粒子の再酸化抑制、良好な銅粒子表面酸化膜の除去性、及びユーティリティコスト低減のいずれの条件をも満たすことが必要なことから、洗浄液組成物の沸点にも拠るが、0〜150℃が好ましく、特に30〜120℃が好ましい。また、洗浄の時間は、被処理銅粒子の量、銅粒子の表面酸化膜の厚み等により適宜選択すればよく、作業効率向上の観点から、8時間を越えないことが好ましく、10分〜3時間が特に好ましい。
【0056】
また、a)工程で洗浄液組成物により銅粒子を洗浄した後に、洗浄後の銅粒子に残存する酸や、余分な表面保護剤を除去するためにリンス洗浄を行うことが好ましい。
【0057】
リンス洗浄に用いるリンス液としては、特に限定はなく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ホルムアミド類、ピロリドン類、ラクトン類、エステル類、スルホキシド類からなる群より選ばれる少なくとも一種や、無機酸の希薄水溶液、アルカリ金属塩の希薄水溶液等を用いることができ、インクとした後の除去性、コスト低減の観点から、アルコール類を用いることが好ましい。使用に適したアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらの中から1種を単独、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また、リンス洗浄においても上記と同様に、リンス液を銅粒子に接触させることで行うことができ、その方法自体は特に制限はなく、公知のいずれの方法も使用できる。
【0058】
本発明の銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物は、上記の如くa)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経ることにより、体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmと低い体積抵抗率(高い導電性)を有する組成物となるものである。
【0059】
本発明の導電性インク組成物は,体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmであり、好ましくは2.0X10−5〜4.0〜10−6Ω・cmであり、特に好ましくは1.5X10−5〜5.0〜10−6Ω・cmである。
【0060】
本発明の導電性インク組成物における銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子の濃度比は、特に限定するものではく、例えば、導電性インク組成物全量に対し、銅粒子が1〜98重量%、配位性化合物が1〜98重量%、及びギ酸銅粒子が1〜98重量%の範囲であることが好ましい。
【0061】
銅粒子の濃度をこの範囲とすることにより、インク中の銅粒子濃度が十分となり、電気的導通部位を形成する際、所望の膜厚とするために、何度も塗り重ねる必要がなく、また、固化することもないことから、好ましい。
【0062】
また、配位性化合物の濃度をこの範囲とすることにより、銅粒子、及び/又はギ酸銅粒子が十分に分散し、また導電性インク組成物全量における銅の濃度が低下し、所望する膜厚の電気的導通部位を得るための導電性インク組成物の塗布量が増加することもないことから、好ましい。
【0063】
さらに、ギ酸銅粒子の濃度をこの範囲とすることにより、ギ酸銅粒子から生じる金属銅の量が十分であり、十分な導電性を有する電気的導通部位を形成でき、導電性インク組成物の粘度上昇又は固化が起こることもないことから、好ましい。
【0064】
本発明の導電性インク組成物は、本発明の導電性インク組成物において希釈剤を含有したものであってもよい。該希釈剤としては、例えば前記a)工程で使用できる希釈剤を挙げることができる。
【0065】
本発明の導電性インク組成物において、銅の濃度が低下し、所望する膜厚の導電膜を得るために塗布量が増加することがないことから、希釈剤の濃度が1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0066】
本発明の導電性インク組成物は、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物であり、より導電性に優れるものとなることから。a)工程の後、さらにb)銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合する工程を経て製造する導電性インク組成物であることが好ましい。
【0067】
a)工程で洗浄した銅粒子は、洗浄後、粉体、若しくはスラリーの状態でb)工程の原料として使用することが好ましい。銅粒子を粉体として得ようとした場合、銅粒子と洗浄液組成物との分離操作としては、特に限定するものではなく、例えば、濾過、沈降分離、遠心分離、及び銅粒子以外の成分の留去等の一般的な操作の少なくとも一種を行うことができる。
【0068】
分離操作が濾過である場合、その濾過効率を向上させるため、貧溶媒を添加し銅粒子の凝集を促すことができる。貧溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等の非極性溶媒から選ばれる1種若しくは相溶性のある2種以上の混合物を用いることができる。
【0069】
分離操作が沈降分離、又は遠心分離である場合、公知の方法を用いることができる。
【0070】
分離操作が銅粒子以外の成分の留去である場合、公知の方法を用いることができ、その方法は特に限定するものではなく、留去に必要な加熱温度が、90℃以上である場合、減圧条件下で行うことが好ましい。
【0071】
また、銅粒子をスラリー状態として得ようとした場合、酸や、余分な表面保護剤の残存を避けるために、リンス洗浄を行った後、銅粒子がリンス液中に分散したスラリーとすることが好ましい。銅粒子がリンス液中に分散したスラリーとする方法としては、特に限定するものではなく、例えば銅粒子と洗浄液組成物との混合物において、銅粒子を自然沈降や、遠心分離によって沈降させた後、洗浄液組成物を抜出すことにより除去し、次にリンス液を添加し、銅粒子がリンス液中に分散したスラリーとする方法等が挙げられる。
【0072】
本発明の製造方法において、b)工程ではa)工程で洗浄した銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合し、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物とする。
【0073】
本発明の製造方法において、b)工程で、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合する方法については、特に制限はなく、公知の方法を利用できる。公知の方法としては、例えば、具体的には、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、カッターミル、コロイドミル、ローラーミル、乳鉢、及び石臼からなる群の少なくとも一種を用いる混合方法を挙げることができる。これらの中でも効率的に混合を行うことができることからローラーミル、及び/又はビーズミルを用いる混合方法が好ましい。
【0074】
混合する順序に関しても特に制限はなく、例えば、洗浄後の銅粒子に、順次、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を添加する方法等が挙げられる。
【0075】
また、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子の混合比は、特に限定するものではなく、例えば、導電性インク組成物全量に対し、銅粒子が1〜98重量%、配位性化合物が1〜98重量%、及びギ酸銅粒子が1〜98重量%の範囲であることが好ましい。
【0076】
銅粒子の濃度をこの範囲とすることにより、インク中の銅粒子濃度が十分となり、電気的導通部位を形成する際、所望の膜厚とするために、何度も塗り重ねる必要がなく、また、固化することもないことから、好ましい。
【0077】
また、配位性化合物の濃度をこの範囲とすることにより、銅粒子、及び/又はギ酸銅粒子が十分に分散し、また導電性インク組成物全量における銅の濃度が低下し、所望する膜厚の電気的導通部位を得るための導電性インク組成物の塗布量が増加することもないことから、好ましい。
【0078】
さらに、ギ酸銅粒子の濃度をこの範囲とすることにより、ギ酸銅粒子から生じる金属銅の量が十分であり、十分な導電性を有する電気的導通部位を形成でき、導電性インク組成物の粘度上昇又は固化が起こることもないことから、好ましい。
【0079】
銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合するときの温度は、特に制限はなく、銅粒子の再酸化抑制、及びユーティリティコスト低減のいずれの条件をも満たすことが必要なことから、0〜80℃が好ましく、特に10〜50℃が好ましい。また、混合の時間は、混合する方法、処理量等により適宜選択すればよいが、作業効率向上の観点から、8時間を越えないことが好ましく、1分〜3時間が特に好ましい。
【0080】
本発明の製造方法において、b)工程で銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合する際に、流動性、分散性を向上させるために、希釈剤を添加しても一向に差し支えない。
【0081】
希釈剤としては、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を溶解せず、また反応しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
【0082】
具体的には、アルコール類としては、例えば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオール等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。脂肪族炭化水素類としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、デカリン等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。これらの中でもコスト、及び安全性の面から、ヘキサノール、ターピネオール、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0083】
希釈剤の純度は、特に限定するものではなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
【0084】
希釈剤の濃度は特に限定するものではなく、例えば、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子の総重量に対し、希釈剤の濃度が1〜2000重量%の範囲であることが好ましい。
【0085】
また、希釈剤を添加した場合、銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子の混合が終わった後に、必要に応じて除去することができる。除去する方法としては、特に限定するものではなく、希釈剤を留去する方法が挙げられる。留去の方法としては、公知の方法を用いることができ、その方法は特に限定するものではなく、留去に必要な加熱温度が、90℃以上である場合、減圧条件下で行うことが好ましい。
【0086】
本発明の製造方法においては、銅粒子が酸化されることがないことから、b)工程を非酸化性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0087】
該非酸化性ガスは、例えばヘリウム、窒素、ネオン、アルゴンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、中でも窒素がコストの面から最も好ましい。また、非酸化性ガスの含有酸素濃度は1%以下であることが好ましく、0.01%以下であることが特に好ましい。
【0088】
本発明の製造方法においては、a)、b)以外の工程を追加して実施しても一向に差し支えない。例えば、銅粒子を物理的に研磨する工程、超音波印加する工程、加熱する工程、分級する工程、濾過する工程、乾燥する工程、その他薬液で処理する工程などを適宜実施することができる。
【0089】
本発明の導電膜インク組成物は、インクジェットやディスペンサー又はスクリーン印刷で基板上に描画し加熱処理することによりプリント配線に利用することができ、またそれ以外の用途としては、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、光記録材料、偏光材料、偽造防止用インク、電磁波シールド材等の材料等が挙げられる。
【実施例】
【0090】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0091】
なお、以下の実施例において、銅粒子、及びギ酸銅粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で、観測した視野の中から、粒子径が比較的そろっている箇所を3箇所選択し、10,000倍の倍率で撮影を行い、それぞれの写真から、粒子を計100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより求めた。TEMは日本電子製、商品名「JEM−2000FX」を使用した。
【0092】
また、銅粒子の洗浄、及び導電性インク組成物の調製は窒素ガスを20L/分で流通したグローブボックス内において行った。尚、グローブボックス中の酸素濃度は0.1%以下であった。
【0093】
参考例1 ギ酸銅微粒子の調製
テトラヒドロフラン40gにギ酸銅粉末(関東化学社製 平均粒子径:12μm)2.24g、及びジルコニア製ビーズ(ニッカトー社製、商品名「YZT ボール」、サイズ:Φ0.1mm)150g、オクチルアミン0.65gを添加し、攪拌用モーターに連結した攪拌羽を用い、周速10m/秒で、1時間攪拌し粉砕を行った。次にこのスラリー状の混合物を、目開き0.075mmの篩に通し、ジルコニア製ビーズを分離した。続いてこの、分離液にジルコニア製ビーズ(ニッカトー社製、商品名「YZT ボール」、サイズ:Φ0.05mm)150gを添加し、攪拌用モーターに連結した攪拌羽を用い、周速10m/秒で、8時間攪拌し粉砕を行った。次にこのスラリー状の混合物を、目開き0.025mmの篩に通し、ジルコニア製ビーズを分離し、ギ酸銅粒子2.04gを得た。このギ酸銅粒子の平均粒子径を測定したところ、524nmであった。
【0094】
実施例1 銅粒子、n−オクチルアミン、ギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物の調製
a)塩酸、及び1,2,3−ベンゾトリアゾールを含む洗浄液組成物により洗浄した銅粒子の調製
5%塩酸50mlに表面保護剤として1,2,3−ベンゾトリアゾール(和光純薬社製 特級)2.4mgを添加し、完全に溶解させ、窒素ガスを30分バブリングしガス置換を行い洗浄用組成物(酸:99.995重量%、表面保護剤:0.005重量%)とした。
【0095】
この洗浄用組成物に銅粒子(三井金属社製、平均粒子径2.4μm)1.6gを添加し、80℃で1時間攪拌を行った。室温まで冷却し、遠心分離機で銅粒子を沈降させた後、上澄の洗浄液組成物を除去した。次にリンス液として予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換したエタノール(日本アルコール産業社製 純度99%)50mlを銅粒子に加え、銅粒子を10分攪拌し、リンス液を除去することでリンス洗浄を行った。上記と同様のリンス洗浄を更に2回繰り返し、洗浄処理した銅粒子を得た。
【0096】
b)導電性インク組成物の調製
予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換したテトラヒドロフラン(キシダ化学社製 特級)10gに参考例1で調製したギ酸銅微粒子0.65g、脂肪族アミンであるn−オクチルアミン(和光純薬社製 特級)0.65gを順次添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。次に、a)で調製した銅粒子1.35gを添加し、更に乳鉢で完全な分散状態になるまで十分に混練した。この混合物を、減圧条件で40℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物(銅粒子:49.8重量%、配位性化合物:25.1重量%、ギ酸銅粒子:25.1重量%)を調製した(以下、表記を簡潔にするため、ペーストAと称する)。
【0097】
実施例2 銅粒子、ヘキサメチレンイミン、ギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物の調製
a)ギ酸、及びピラゾールを含む洗浄液組成物により洗浄した銅粒子の調製.
酸としてギ酸(キシダ化学社製 純度98%)、表面保護剤としてピラゾール(和光純薬社製 特級)、リンス液として予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換した水を用い実施例1に記載の方法と同様の方法により、洗浄処理した銅粒子を得た。
【0098】
b)導電性インク組成物の調製
予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換したテトラヒドロフラン10gに参考例1で調製したギ酸銅微粒子0.65g、複素環式アミンであるヘキサメチレンイミン(東京化成社製 特級)0.65g、希釈剤であるエチレングリコール(キシダ化学社製 特級)0.13gを順次添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。次に、a)で調製した銅粒子1.35gを添加し、更に乳鉢で完全な分散状態になるまで十分に混練した。この混合物を、減圧条件で40℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物(銅粒子:48.4重量%、配位性化合物:23.3重量%、ギ酸銅粒子:23.3重量%、希釈剤:5.0重量%)を調製した(以下、表記を簡潔にするため、ペーストBと称する)。
【0099】
実施例3 銅粒子、3−n−ブトキシプロピルアミン、ギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物の調製
予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換したテトラヒドロフラン10gに参考例1で調製したギ酸銅微粒子0.65g、一般式(1)で示されるアミン化合物である3−n−ブトキシプロピルアミン0.65gを順次添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。次に、実施例2a)で調製した銅粒子1.35gを添加し、更に乳鉢で完全な分散状態になるまで十分に混練した。この混合物を、減圧条件で40℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物(銅粒子:49.8重量%、配位性化合物:25.1重量%、ギ酸銅粒子:25.1重量%)を調製した(以下、表記を簡潔にするため、ペーストCと称する)。
【0100】
比較例1 未洗浄銅粒子、n−オクチルアミン、ギ酸銅粒子を含む導電性インク組成物の調製
予め窒素ガスを30分バブリングしガス置換したテトラヒドロフラン(キシダ化学社製 特級)10gに参考例1で調製したギ酸銅微粒子0.65g、n−オクチルアミン(和光純薬社製 特級)0.65gを順次添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。次に、洗浄を行っていない銅粒子1.35gを添加し、更に乳鉢で完全な分散状態になるまで十分に混練した。この混合物を、減圧条件で40℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物(銅粒子:49.8重量%、配位性化合物:25.1重量%、ギ酸銅粒子:25.1重量%)を調製した(以下、表記を簡潔にするため、ペーストDと称する)。
【0101】
実施例4〜6、比較例2 導電性評価.
ガラス基材上に、ペーストA〜Dを、スクリーン印刷法(スクリーン仕様、メッシュ数:200、線径:40μm、織厚:115μm、目開き:87μm、空間率:46.9%、ペースト透過体積:53.94mg/cm)を用いてガラス基板に塗布し、幅2mm×長さ30mm、膜厚54μmの均一な塗布膜とした。次に、窒素ガスを6L/分の流量で流通した加熱炉で、これらペーストを塗布したガラス基材を30分間、加熱処理を行い、導電膜を得た。加熱温度は、表1に示した。形成された各導電膜について、表面抵抗値を四探針抵抗測定機(三菱化学社製商品名、「ロレスタGP」)にて測定した。
【0102】
また、形成された各導電膜を切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、各導電膜の平均膜厚を評価した。すなわち、各導電膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)で観測した視野の中から、ランダムに3箇所選択し、5000倍の倍率で撮影を行い、それぞれの写真において、導電膜の膜厚を計測し、これらの値を撮影倍率で除し、3箇所の膜厚を算術平均して得られた値を各導電膜の平均膜厚とした。
【0103】
導電性の評価は、各導電膜において、表面抵抗値と、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果から得られた平均膜厚から算出した以下の式に基づく体積抵抗値の比較により行った。
【0104】
体積抵抗率(Ω・cm)=表面抵抗率(Ω/□)×膜厚(cm)。
【0105】
これら評価の結果を表1に併せて示す。
【0106】
【表1】

【0107】
表1から明らかな通り、本発明の製造方法により製造した導電性インク組成物は優れた導電性(低い体積抵抗値)を示した。一方、洗浄してない銅粒子を含む導電性インク組成物を用いた比較例2では、明らかに導電性が低かった(高い体積抵抗値)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅粒子、配位性化合物及びギ酸銅粒子を含み、a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造する導電性インク組成物であって、体積抵抗値が3.0X10−5〜3.0〜10−6Ω・cmであることを特徴とする導電性インク組成物。
【請求項2】
配位性化合物が、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、及び下記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の導電性インク組成物。
【化1】

[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
【請求項3】
配位性化合物が、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ホモピペラジン、ヘキサメチレンイミン、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、及び3−n−ブトキシプロピルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性インク組成物。
【請求項4】
a)酸、及び表面保護剤を含んでなる洗浄用組成物で銅粒子を洗浄する工程を経て製造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性インク組成物の製造方法。
【請求項5】
酸が、硝酸、硫酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸、亜硝酸、亜硫酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、及びクエン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
表面保護剤が、エタンチオール、n−プロパンチオール、n−ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−オクタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ピラゾール、1−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−フェニルピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ホモピペラジン、トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
酸、及び表面保護剤とを含んでなる洗浄用組成物において、酸の濃度が1.0〜99.9999重量%、表面保護剤の濃度が0.0001〜99重量%の範囲であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
酸、及び表面保護剤とを含んでなる洗浄用組成物が、さらに希釈剤を含有することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
洗浄時の温度が、0〜150℃であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
さらに、b)銅粒子、配位性化合物、及びギ酸銅粒子を混合する工程を経ることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
混合時の温度が、0〜80℃であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−126815(P2012−126815A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278976(P2010−278976)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】