説明

導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法および導電性フッ素樹脂薄膜

【課題】耐食性に優れ、高い電気伝導性を有する導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂分散液とを混合したのち、該混合分散液を基板上に塗布、乾燥することを特徴とする導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法。前記カーボンナノチューブの直径が、2〜100nmの範囲にあり、長さが1〜500μmの範囲にある。また、前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、耐食性に優れ、高い電気伝導性を有する導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池用セパレータ等の用途では、耐食性および導電性の高い被膜(成形体)が求められている。このため、一般的に耐食性に優れたフッ素樹脂と、導電性を付与するためのカーボンとを組合わせて、導電性薄膜が製造されていた。
【0003】
カーボン材として、カーボンナノチューブを使用すると、少量であっても導電性を発現できる。
このように、カーボンナノチューブとフッ素樹脂とを用いて導電性薄膜を形成することは、たとえば特開2004−124086号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、樹脂及びナノスケールカーボンチューブを含有する樹脂組成物が開示され、ナノスケールカーボンチューブとして、最外面を構成する炭素網面の長さが500nm以下のものであり、具体的にアモルファスナノスケールカーボンチューブ、ナノフレークカーボンチューブ、 (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトか
らなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属
−炭素複合体、などが例示されている。また、樹脂として、フッ素樹脂が例示されている(ただし、実施例で使用されたものはポリカーボネートのみである)。
【0004】
また、特開2004−261713号公報(特許文献2)には、特殊なフッ素系重合体を使用すれば、カーボンナノチューブを分散できることが記載されている。
【特許文献1】特開2004−124086号公報
【特許文献2】特開2004−261713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カーボンナノチューブは、一般にフッ素樹脂への親和性が低く、均一に混合することが困難であり、また、強い剪断力で混合すると、チューブが粉砕されてしまい、ナノチューブを使用する効果が充分に発揮できないという欠点があった。特許文献2はそもそもカーボンナノチューブの分散安定化剤としてフッ素系化合物が使用されているにすぎず、本発明の目的とする導電性薄膜のマトリックスとして使用されるフッ素系樹脂について一切開示がない。さらに特許文献2は、カーボンナノチューブをフィルム上に偏析させることを目的しており、また実施例をみれば、偏光フィルムとしての使用が開示されているにすぎず、本発明のように導電性薄膜とは目的自体が相違している。
【0006】
このため、凝集しやすいカーボンナノチューブを均一にフッ素樹脂中に分散させる方法の出現が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような状況のもと、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂分散液とを混合すれば、カーボンナノチューブが均一に分散した被膜を製造しうることに到達した。
【0008】
本発明の構成は以下の通りである。
[1]カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂分散液とを混合したのち、該混合分散液を
基板上に塗布、乾燥することを特徴とする導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法。
[2]カーボンナノチューブの直径が、2〜100nmの範囲にあり、長さが1〜500μmの範囲に
ある[1]に記載の製造方法。
[3]前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂であることを特徴とす
る[1]の製造方法。
[4]混合分散液中の、カーボンナノチューブとフッ素樹脂との合計重量に対して、カーボ
ンナノチューブの混合割合が5〜90重量%の範囲にある[1]の製造方法。
[5][1]〜[4]の製造方法で得られた導電性フッ素樹脂薄膜。
【0009】
なお、通常、水や有機溶媒中には分散しないカーボンナノチューブの分散液を調製する方法は、たとえば、特開2002-255528号公報、特開2003-238126号公報、特開2003-300716
号公報、特開2004-276232号公報、特開2005-162578号公報に記載されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カーボンナノチューブが、フッ素樹脂と均一に混合させることが可能となり、高い電気伝導性を有する導電性フッ素樹脂薄膜が製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明では、カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂分散液とを混合したのち、該混合分散液を基板上に塗布、乾燥する。
【0012】
カーボンナノチューブ分散液
カーボンナノチューブは、外径が、2〜100nmの範囲にあり、長さが1〜500μmの範囲にあるものが使用される。より好適には、外径が7〜70nm、さらには10〜40nmの範囲にあ
り、長さが70〜400μm、さらには100〜200μmの範囲にあるものが使用される。
【0013】
カーボンナノチューブは、グラフェンシートが5〜20層の範囲に多層型であり、純度が95%以上の範囲にあることが望ましい。なお、グラフェンシートとは、炭素原子が蜂の巣
状の規則正しい六員環のネットワークを平面状に形成したものであり、多層型とは、複数のグラフェンシートが同軸状に丸まったものであり、チューブ壁が多層をなすものである。
【0014】
カーボンナノチューブの長さ、外径およびグラフェンシートの層数は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定する。
かかるカーボンナノチューブは、たとえば、アルミニウム陽極酸化被膜を鋳型としてプロピレンの気相酸化を行う方法など[Kyotaniら、Chem.Mater.、第8巻、2109ページ、(1996年)]や、さらに末端が多面体的に閉じている構造をなすカーボンナノチューブを破砕することによっても得ることができる。また、大橋春日通商株式会社製カーボンナノチューブを使用することも可能である。
【0015】
溶媒として、水、メタノール、エタノール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、ジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などの溶媒を特に制限なく使用できる。なお、本発明では被膜を形成するため、溶剤は加熱すれば蒸散するものが好適である。
【0016】
またカーボンナノチューブは、表面にカルボキシル基や水酸基などの親水性が導入され
ていてもよい。
分散液のカーボンナノチューブ濃度としては、均一に分散しうるものであれば特に制限されるものではないが、固形分濃度で通常0.1〜10重量%、好ましく1〜5重量%の範囲に
あることが好ましい。
【0017】
また分散液には、カーボンナノチューブを安定に分散させるために分散剤が含まれていてもよく、具体的には、アルコール類、アミノ化合物、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩などの界面活性剤や、スルホコハク酸エステルなどを含んでいてもよい。分散剤の量は、導電性を阻害せずに、分散性が向上できる範囲で適宜選択される。
【0018】
このようなカーボンナノチューブ分散液としては、たとえば、前記した、特開2002-255528号公報、特開2003-238126号公報、特開2003-300716号公報、特開2004-276232号公報、特開2005-162578号公報に記載されたカーボンナノチューブ分散液が好適に使用できる。
【0019】
さらに、本発明では、分散液に被膜形成成分として、ゼラチンやセルロース誘導体が含まれていてもよい。ゼラチンとしては、公知のものを特に制限なく使用可能であり、たとえば、数平均分子量が数万〜数10万のものが好ましい。セルロース誘導体としては、重合度が100〜1000程度のものが好ましく、またセルロース誘導体のなかでもセルロースエ
ーテルが望ましく、具体的には、セルロースの水酸基の一部または全部がエーテル化されたもの、たとえばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリメチルセルロースなどが好適である。このような被膜形成成分の濃度は分散液中に1〜10重量%、好ましくは2〜10重量%の範囲にあることが望ましい。
【0020】
このような、被膜形成成分として、ゼラチンやセルロース誘導体を含むカーボンナノチューブ分散液としては、国際公開WO2005/082755号公報に記載されたものが使用可能であ
る。
フッ素樹脂分散液
前記フッ素樹脂としては特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体などが例示され、これらのなかでもポリ
テトラフルオロエチレン樹脂であることが好適である。
【0021】
ポリテトラフルオロエチレンとして市販のものを特に制限なく使用できるが、エチレンやプロプレンとの共重合体や、ポリフッ化ビニル成分を含むものでもよい。またカルボン酸基や水酸基が導入されたものであってもよい。ポリテトラフルオロエチレンの重量平均分子量としては数100万〜数1000万の範囲にあるものが好ましい。
【0022】
分散液は分散剤を含んでいてもよく、具体的には、水、アルコール、ケトン、パラフィンワックスなどが特に制限なく使用できる。アルコールとして、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。
【0023】
さらに分散剤として、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤の他に、上記したものを含んでいてもよい。
分散液中のフッ素樹脂の割合は、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%の範
囲にあることが好ましい。
【0024】
このようなフッ素樹脂分散液としては、たとえば、特開2006−316242号公報、特開2007−23088号公報、特開2006−348261号公報などに記載されたものを特に制限なく使用できる。
【0025】
混合分散液組成
上記カーボンナノチューブ分散液と、フッ素樹脂分散液とを混合するが、このときの混合液中の、カーボンナノチューブとフッ素樹脂との合計重量に対して、カーボンナノチューブの割合が5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。
【0026】
なお、各分散液を混合する際に、上記した界面活性剤や被膜形成成分を添加してもよい。
混合方法としては特に制限されるものではないが、ミキサー、ニーダー、ホモジナイザー、攪拌槽などが使用される。
【0027】
このように、分散液同士を混合すると、カーボンナノチューブが凝集することがなく、このためカーボンナノチューブが均一に分散したフッ素系薄膜を形成可能であり、たとえ、カーボンナノチューブの添加量が少なくとも高い電気伝導性が得られる。
【0028】
混合分散液中のカーボンナノチューブとフッ素樹脂の量比は、カーボンナノチューブとフッ素樹脂の合計重量に対して、カーボンナノチューブの割合が5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の範囲にあることが望ましい。
【0029】
また混合液としての固形分濃度は、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲にあることが望ましい。
基材上への塗布
次に、かかる混合分散液を基材上に塗布する。
【0030】
基材としては、特に制限されるものではないが、樹脂、ガラス、金属、木材、紙等が例示される。また、基材の形状としては、フィルム、シート、板、繊維、各種成形体等のいずれの形状であってもよい。
【0031】
混合分散液を、基材の表面にコーティングする方法は、基材の形状に応じて公知のコーティング方法を採用することができる。例えば、グラビアコーティング、ロールコーティング、ダイコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、刷毛塗り、静電塗装等を採用することができる。また、スクリーン印刷などの方法によりパターンを印刷してもよい。
【0032】
塗膜の加熱乾燥は、使用した溶媒の沸点にもよるが、通常30〜200℃程度で1分〜2時間程度乾燥すればよい。また必要に応じて、焼成処理を施してもよい。焼成温度としては、特に制限ないが、通常200〜400℃程度の温度で行われる。
【0033】
塗膜の厚さは特に制限されるものではないが、最終的に得られる薄膜の膜厚が、0.1〜100μmの範囲となるように適宜選択される。
薄膜中のカーボンナノチューブの含有量は、フッ素系樹脂とカーボンナノチューブとの合計量に対し、カーボンナノチューブの割合が5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の範囲にあることが望ましい。
【0034】
本発明によって得られる導電性フッ素樹脂薄膜は、カーボンナノチューブの凝集物が実
質的に含まれておらず、カーボンナノチューブ薄膜全体に亘ってフッ素樹脂が均一に分散している。本発明で製造される薄膜は、表面にカーボンナノチューブが露出し、かつ、フッ素系樹脂によって固定化されている。更に、均一に分散しているカーボンナノチューブは、相互に接触又は接近した状態で存在している。このため、高い導電性を発揮しうるとともに、フッ素系樹脂を含んでいるので耐薬品性や耐熱性にも優れている。
【0035】
このため、本発明にかかる導電性フッ素樹脂薄膜は、酸性雰囲気、アルカリ性雰囲気中でも腐食されない電極が作製可能となり、燃料電池用金属製セパレータ表面に本薄膜を被覆すれば金属製セパレータ表面の腐食を防ぐことができる。
【0036】
また、カーボンナノチューブとして、直径が10から40nmの範囲にあるものを使用すると、導電性フッ素樹脂薄膜は、電気化学センサー用微小電極として有効に使用できる。
本発明に係る導電性フッ素樹脂薄膜を、絶縁物など帯電する物質表面に本薄膜を被覆することで、帯電防止性能を付与することが可能となる。また、カーボンナノチューブはフッ素系樹脂によって固定化されているため、パーティクルダストの発生が少なく、クリーンルーム等での帯電防止用途にも使用可能となる。
[実施例]
以下、本発明を実施例にもとづき、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(i)フッ素樹脂分散液
フッ素樹脂分散液として、ダイキン製ポリフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン分散液(PETF分散液、溶媒:水)を用いた。
【0037】
液中のPTFEの割合は、質量比で約60重量%であった。
(ii)カーボンナノチューブ分散液
カーボンナノチューブ分散液としては、大橋春日通商製のもの(溶媒:水)を使用した。分散液中のCNTの割合は質量比で3重量%であった。
【0038】
(iii)混合分散液の調製
以上のフッ素樹脂分散液とカーボンナノチューブ分散液とを混合した。このときに、混合分散液中に含まれているカーボンナノチューブとフッ素樹脂との合計に対するカーボンナノチューブの割合を5重量%、10重量%、25重量%、50重量%、75重量%、90重量%に変化させた。
【0039】
なお、フッ素樹脂分散液中にカーボンナノチューブ分散液を加える際に、カーボンナノチューブ分散液中にエタノールを添加し、両分散液が容易に混ざり合うようにした。
(iv)塗布・乾燥
得られた混合分散液をガラス基板上に塗布した。その後、試料を40℃に加熱し、乾燥させた。乾燥させた薄膜は、次に350℃まで加熱し、焼成を行った。焼成後の薄膜の膜厚は
、平均して約10μmであった。
【0040】
なお、比較のために、乾燥した粉末状のカーボンナノチューブをフッ素樹脂分散液に混ぜ合わせ、フッ素樹脂とカーボンナノチューブとの混合分散液の調製を試みたが、カーボンナノチューブは分散せず、凝集体となった。このため、薄膜を形成できなかった。
(v)評価
得られた導電性フッ素樹脂薄膜の評価は、光学顕微鏡による表面形状、四探針測定法による導電率測定によって行った。
【0041】
図1に、50重量%カーボンナノチューブを添加したフッ素樹脂薄膜の光学顕微鏡写真を示
す。図1より、作製した試料は、均一な薄膜であり、カーボンナノチューブの凝集は観察されなかった。
【0042】
図2には、25重量%カーボンナノチューブを添加したフッ素樹脂薄膜の透過電子顕微鏡
写真を示す。図2より、作製した試料内には、カーボンナノチューブが均一分散していることが分かる。カーボンナノチューブの直径は、20nm程度であった。
【0043】
図3には、カーボンナノチューブの混合割合に対する薄膜の導電率の変化を示す。カーボンナノチューブを添加していないフッ素樹脂薄膜では、導電性が低く、四探針測定法では導電率は測定不可能であった。図3より、カーボンナノチューブを添加すると、フッ素樹脂薄膜に導電性が発現し,その導電率はO.1S/cmと
なった。薄膜中のカーボンナノチューブの混合割合を増加させることで導電率は増加し、90重量%カーボンナノチューブを添加した薄膜ではその導電率が200S/cmとなった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
1)電極への耐酸性、耐アルカリ性被膜
酸性およびアルカリ性雰囲気中でも腐食されない電極が作製可能である。具体的には、燃料電池用金属製セパレータ表面に本薄膜を被覆することで、金属製セパレータ表面の腐食を防ぐことができる。
2)電気化学センサー
本発明で得られた薄膜は、表面にカーボンナノチューブが露出した構造であり、フッ素系樹脂によって固定化されているため、容易にカーボンナノチューブが破壊されることがなく、電気化学センサー用電極として好適である。
3)帯電防止被膜
絶縁物など帯電する物質表面に本薄膜を被覆することで,帯電を防止することが可能と
なる。本発明で得られた薄膜は、パーティクルダストの発生が少なく、帯電防止被膜としてクリーンルーム等でも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、実施例にて調製した、50重量%カーボンナノチューブを添加したフッ素樹脂薄膜の光学顕微鏡写真を示す。
【図2】図2は、実施例にて調製した、25重量%カーボンナノチューブを添加したフッ素樹脂薄膜の透過電子顕微鏡写真を示す。
【図3】図3は、カーボンナノチューブの混合割合に対する薄膜の導電率の変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂分散液とを混合したのち、該混合分散液を基板上に塗布、乾燥することを特徴とする導電性フッ素樹脂薄膜の製造方法。
【請求項2】
カーボンナノチューブの直径が、2〜100nmの範囲にあり、長さが1〜500μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
混合分散液中の、カーボンナノチューブとフッ素樹脂との合計重量に対して、カーボンナノチューブの混合割合が5〜90重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られた導電性フッ素樹脂薄膜。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−200608(P2008−200608A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39740(P2007−39740)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】