説明

導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される導電性部材を提供すること。
【解決手段】例えば、シャフト30(基材の一例)と、シャフト30の外周面に配設された弾性層31と、弾性層31の外周面に配設された表面層32と、を有するロール部材で構成された導電性部材121Aにおいて、表面層32は、第1樹脂を含んで構成される海部33Aと第2樹脂を含んで構成される島部33Bとからなる海島構造を有すると共に、少なくとも島部33Bの内部にカーボンブラック34を含んで構成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体(像保持体)ドラムをはじめとする感光体を帯電装置を用いて帯電させ、帯電した感光体上に周囲の電位とは電位が異なる静電潜像を形成することによって印刷したいパターンの形成が行われることが多く、このようにして形成された静電潜像は、トナーで現像された後、最終的に記録用紙などの記録媒体上に転写される。
【0003】
例えば、特許文献1には、「帯電装置用の接触帯電部材において、被帯電体と接する層におけるN−メトキシメチル化ナイロンに対する比表面積が700〜1600m2 /g、吸油量(DBP)が150〜550cc/100gのカーボンブラックを分散させた表面層を用いて成る帯電部材の、前記N−メトキシメチル化ナイロンの架橋度が、100.24以下であり、且つ分散後のカーボンブラックの平均2次粒径が、1.0〜5.0μmであることを特徴とする接触帯電部材。前記カーボンブラックの添加量が、N−メトキシメチル化ナイロン樹脂100重量部に対して0.3〜5.0重量部の範囲であることを特徴とする、接触帯電部材。」が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、「ポリアミド(A)、変性ポリオレフィン及び/又はブタジエン・スチレン系共重合体の水素添加物(B)、必要により含まれるポリオレフィン(C)、カーボンブラック(D)からなる部材であって、複数の合成樹脂により形成される海島構造においてポリアミド(A)が海部分を形成しており、ポリアミド(A)以外の合成樹脂によって形成される島部分の平均径が5μm以下であることを特徴とするポリアミド系電子写真用部材。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−137186号公報
【特許文献2】特開平2004−210828公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、下記特定の海島構造を持つ表面層を有さない場合に比べ、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される導電性部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材と、
基材上に配置される弾性層と、
前記弾性層上に配置され、第1樹脂を含んで構成される海部と第2樹脂を含んで構成される島部とからなる海島構造を有すると共に、少なくとも前記島部の内部にカーボンブラックを含む表面層と、
を有する導電性部材。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記島部の直径が、100nm以上500nm以下である請求項1に記載の導電性部材。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記島部の内部に含まれるカーボンブラックの量が、前記表面層に含まれる全カーボンブラックに対して90%以上である請求項1又は2に記載の導電性部材。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記島部の内部に含まれるカーボンブラックが、前記島部と前記海部との界面側に偏在している請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性部材。
【0011】
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電装置。
【0012】
請求項6に係る発明は、
像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、を備え、
前記帯電手段が、請求項5に記載の帯電装置であるプロセスカートリッジ。
【0013】
請求項7に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備え、
前記帯電手段が、請求項5に記載の帯電装置である画像形成装置。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、上記特定の海島構造を持つ表面層を有さない場合に比べ、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
請求項2に係る発明によれば、島部の直径が上記範囲外の場合に比べ、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
請求項3に係る発明によれば、表面層に含まれる全カーボンブラックに対して島部の内部に含まれるカーボンブラックの量が上記範囲外の場合に比べ、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
請求項4に係る発明によれば、島部の内部に含まれるカーボンブラックが島部と海部との界面側に偏在しない場合に比べ、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
請求項5に係る発明によれば、上記特定の海島構造を持つ表面層を有さない導電性部材を適用した場合に比べ、少ない電流値で帯電ムラを抑制した帯電が実現される。
請求項6に係る発明によれば、上記特定の海島構造を持つ表面層を有さない導電性部材を適用した場合に比べ、白点が抑制された画像が得られる。
請求項7に係る発明によれば、上記特定の海島構造を持つ表面層を有さない導電性部材を適用した場合に比べ、白点が抑制された画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る帯電部材を示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。
【図3】本実施形態に係る帯電部材における表面層を示す拡大断面図である。
【図4】本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図6】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図7】実施例1で作製した帯電ロールの表面層試料の透過型顕微鏡(TEM)写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ、説明する。
【0017】
(導電性部材)
図1は、本実施形態に係る導電性部材を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る導電性部材の概略断面図である。図3は、本実施形態に係る導電性部材における表面層を示す拡大断面図である。なお、図2は、図1のA−A断面図である。
【0018】
本実施形態に係る導電性部材121Aは、図1及び図2に示すように、例えば、シャフト30(基材の一例)と、シャフト30の外周面に配設された弾性層31と、弾性層31の外周面に配設された表面層32と、を有するロール部材である。
そして、表面層32は、第1樹脂を含んで構成される海部33Aと第2樹脂を含んで構成される島部33Bとからなる海島構造を有すると共に、少なくとも島部33Bの内部にカーボンブラック34を含んで構成されている。
【0019】
本実施形態に係る導電性部材121Aは、上記構成に限られず、例えば、弾性層31とシャフト30との間に配設される接着層(プライマー層)、弾性層31と表面層32との間に配設される抵抗調整層又は移行防止層、表面層32の外側(最表面)に配設されるコーティング層(保護層)を設けた構成であってもよい。
また、本実施形態に係る導電性部材121Aでは、ロール状部材について説明するが、これに限られず、無端ベルト状部材であってもよいし、シート状部材であってもよい。
【0020】
以下、本実施形態に係る導電性部材121Aの各部材について説明する。
【0021】
シャフトについて説明する。
シャフト30は、導電性の棒状部材であり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、シャフト30としては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。シャフト30は、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。ここで、導電性とは、体積抵抗率が1013Ωcm未満を意味する。
【0022】
弾性層について説明する。
弾性層31は、例えば、弾性材料と、導電剤と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成される。
【0023】
弾性材料としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBR及びこれらのブレンドゴムが望ましく用いられる。これらの弾性材料は、発泡したものであっても無発泡のものであってもよい
【0024】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
ここで、カーボンブラックとして具体的には、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
【0026】
導電剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが望ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲であることがより望ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより望ましい。
【0027】
弾性層31に配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)等の通常弾性層に添加され得る材料が挙げられる。
【0028】
弾性層31の厚みは、平均膜厚で1mm以上10mm以下程度とすることが望ましく、2mm以上5mm以下程度とすることがより望ましい。そして、弾性層の体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下が望ましい。
【0029】
表面層について説明する。
表面層32は、図3に示すように、表面層32は、第1樹脂を含んで構成される海部33Aと第2樹脂を含んで構成される島部33Bとからなる海島構造を有すると共に、島部の内部にカーボンブラック34を含んで構成されている。
【0030】
海島構造において、島部33Bの直径は、例えば100nm以上500nm以下がよく、望ましくは150nm以上400nm以下である。この直径を上記範囲とすることで、カーボンブラックが適度な大きさの凝集体として島部33Bの内部に含まれ易くなる。その結果、導電性部材121Aは、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
なお、島部の直径は、表面層32をクライオミクトーム法により試料(切片)を調製し、この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察して、10箇所の島部33Bの最大径を測定し、この平均値とする。
【0031】
ここで、「海島構造」とは、少なくとも2つの樹脂(第1樹脂及び第2樹脂)が互いに非相溶状態で混在した構造で、一方の第1樹脂からなる連続相を海部33Aとし、当該連続相となる海部33Aに懸濁状態で存在する他方の第2樹脂からなる不連続相を島部33Bとする構造を意味する。
また、海島構造は、第1樹脂と第2樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の比(海部33Aを構成する第1樹脂のSP値/島部33Bを構成する第2樹脂のSP値)、第1樹脂と第2樹脂の混合比率を調整することで、形成される。第1樹脂と第2樹脂とのSP値比が大きい場合には、海島構造を形成しやすい。
【0032】
具体的には、第1樹脂と第2樹脂とのSP値差は、例えば、2以上10以下であることがよい。SP値差を上記範囲とすると、海島構造が形成され易くなる。
また、第1樹脂と第2樹脂との混合比率(質量比:第1樹脂/第2樹脂)は、例えば、98/2乃至75/25であることがよく、望ましくは95/乃至85/15である。この混合比率を上記範囲とすると、適度な大きさ島部(例えば、上記範囲の直径を持つ島部)を持つ海島構造が形成され易くなる。
【0033】
なお、溶解度パラメータ(SP値)の計算方法は「ポリマーハンドブック第4版John Wiley & Sons」VII680〜683に記載されている方法を用いる。溶解度パラメータ(SP値)とは凝集エネルギー密度、すなわち1分子の単位体積あたりの蒸発エネルギーを1/2乗したもので、単位体積あたりの極性の大きさを示す値である。
樹脂の場合には、一般に次のsmallの式を用いて計算する。
式:SP(cal/cm1/2=dΣG/M
(式中、M:ポリマーの単位分子量、d:密度、G:原子団・基に固有の定数)
主な樹脂の溶解度パラメータは同ポリマーハンドブック第4版のVII702〜711に記載されている。溶解度パラメータを上記smallの式にHoyの凝集エネルギー定数を代入して導かれる値を採用してもよい。
【0034】
一方、島部33Bの内部にカーボンブラック34を含ませるためには、例えば、海部33Aを構成する第1樹脂としてカーボンブラック34が分散され難い樹脂種を選択し、島部33Bを構成する第2樹脂としてカーボンブラック34が分散され易い樹脂種を選択することがよい。
【0035】
海部を構成する第1樹脂としては、例えば、アクリル樹脂,セルロース樹脂,ポリアミド樹脂,共重合ナイロン,ポリウレタン樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリビニル樹脂,ポリアリレート樹脂,スチレンブタジエン樹脂,メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等)、尿素樹脂等が挙げられる。ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。また、第1樹脂としては、上記弾性層31に配合される弾性材料を適用してもよい。
なお、第1樹脂としては、2以上の樹脂種を併用してもよい。
【0036】
島部33Bを構成する第2樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0037】
カーボンブラック34としては、ケッチエンブラック、アセチレンブラック、pH5以下の酸化処理カーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとして具体的には、例えば、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
【0038】
カーボンブラック34のDBP吸油量は、例えば、80cc/100g以上160cc/100g以下であることがよく、望ましくは90cc/100g以上120cc/100g以下である。この吸油量が上記範囲であると、カーボンブラック34が島部33Bの内部に適度な大きさの凝集体(下記範囲の平均粒径を持つ凝集体)として含まれ易くなる。結果、導電性部材121Aは少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
なお、DBP吸油量(cc/100g)とは、カーボンブラック100gに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の量を示すものであり、ASTM(アメリカ標準試験法)D2414−6TTに定義される値である。
【0039】
カーボンブラック34は、島部33Bと海部33Aとの界面側に偏在して、島部33Bの内部に含まれることがよい。これにより、カーボンブラック34が適度な大きさの凝集体として島部33Bに含まれ易くなる。結果、導電性部材121Aは少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
この偏在の度合いとして具体的には、島部33Bと海部33Aとの界面から50nm内側の領域に存在するカーボンブラック34(その存在率)が、島部33Bに含まれる全カーボンブラック34に対して90%以上がよい。
なお、偏在するカーボンブラックの存在率は、表面層32をクライオミクトーム法により試料(切片)を調製し、この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)により、島部33Bを観察して、島部33Bに含まれるカーボンブラック34、及び海部33Aと島部33Bとの界面側に偏在するカーボンブラック34の面積を測定して算出し、これを10箇所について行った平均値とする。

【0040】
カーボンブラック34の含有量(表面層32に含まれる全カーボンブラックの含有量)は、例えば、10質量%以上20質量%以上がよく、望ましくは13質量%以上16質量%以下である。
但し、島部33Bの内部に含まれるカーボンブラックの量(存在率)は、表面層32に含まれる全カーボンブラックに対して90%以上(望ましくは90%以上)であることがよい。この含有量を上記範囲とすることで、海部に含まれるカーボンブラック34の量が少ないことから、導電性部材121Aは少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。
なお、島部33Bの内部に含まれるカーボンブラックの存在率は、表面層32をクライオミクトーム法により試料(切片)を調製し、この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)により、海部33Aと島部33Bを含む4μm×4μm四方を観察して海部33Aと島部33Bとのそれぞれに存在するカーボンブラックの面積を測定して算出し、これを10箇所について行った平均値とする。
【0041】
表面層32の厚み(全体厚み)は、平均膜厚で7μm以上25μm以下が望ましい。そして、表面層の体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下が望ましい。
【0042】
本実施形態に係る導電性部材121Aは、例えば、シャフト30の外周面に、例えば例えば、ブレード塗布法,マイヤーバー塗布法,スプレー塗布法,浸漬塗布法,ビード塗布法,エアーナイフ塗布法,カーテン塗布法等を利用して、シャフト30の外周面に、弾性層31及び表面層32を順次形成することで製造される。
【0043】
以上説明した本実施形態に係る導電性部材121Aでは、第1樹脂を含んで構成される海部33Aと第2樹脂を含んで構成される島部33Bとからなる海島構造を有すると共に、少なくとも島部33Bの内部にカーボンブラック34を含んで構成された表面層32を有している。これにより、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現される。また、これが長期にわたり維持される。
この理由は定かでないが、次の理由によるものと推測される。海島構造における不連続相である島部33Bは、連続相である海部33Aに特定の大きさで偏在することなく分散された状態で含まれることから、この島部33Bの内部にカーボンブラック34を含まれるように構成することで、カーボンブラック34は適度な大きさの凝集体として、島部33Bと共に偏在することなく表面層32中に含まれた状態になると考えられる。つまり、樹脂の海島構造を利用して、島部33Bに含まれるようにしたカーボンブラック34は、異常放電の基点となり易い大型の凝集体の状態や、放電ムラの原因となり易い一次粒子の状態ではなく、島部の大きさにより制御された適度な大きさの凝集体としてバラツキなく表面層32中に含まれた状態となると考えられる。このため、このような状態でカーボンブラック34が含まれた表面層32を持つ導電性部材121Aは、少ない電流値で放電ムラを抑制した放電が実現され、これが長期にわたり維持されると考えられる。
【0044】
本実施形態に係る導電性部材121Aは、例えば、電子写真方式の画像形成装置における導電性部材(例えば帯電ロール)、転写部材(例えば転写ロール)等に適用される。
例えば、本実施形態に係る導電性部材121Aを帯電部材に適用した場合、少ない電流値で帯電ムラを抑制した帯電が実現され、当該帯電部材を備えた画像形成装置(又はプロセスカートリッジ)では帯電ムラに起因する白点の発生が抑制された画像が得られる。
また、例えば、本実施形態に係る導電性部材121Aを転写部材に適用した場合、少ない電流値で転写ムラを抑制した転写が実現され、当該帯電部材を備えた画像形成装置(又はプロセスカートリッジ)では転写ムラに起因する画像欠陥が抑制された画像が得られる。
【0045】
(帯電装置)
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。図4は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材として、上記本実施形態に係る導電性部材を適用した形態である。
【0046】
本実施形態に係る帯電装置12は、図4に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触している配置されている。そして、帯電部材121のシャフト30及びクリーニング部材122のシャフト122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように導電性軸受け123(導電性ベアリング)で保持されている。導電性軸受け123の一方には電源124が接続されている。なお、本実施形態に係る帯電装置は、上記構成に限られず、例えば、クリーニング部材122を備えない形態であってもよい。
【0047】
クリーニング部材122は、帯電部材121の表面を清掃するための清掃部材であり、例えば、ロール状で構成されている。クリーニング部材122は、例えば、シャフト122Aと、シャフト122Aの外周面に弾性層122Bと、で構成される。
【0048】
シャフト122Aは、導電性の棒状部材であり、その材質は例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、シャフト122Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。シャフト122Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
【0049】
弾性層122Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、内部や表面に空洞や凹凸部(以下、セルという。)が存在し、弾性を有していることがよい。弾性層122Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミン又はポリプロピレン、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーン、ニトリル、等の発泡性の樹脂材料又はゴム材料を含んで構成される。
【0050】
これらの発泡性の樹脂材料又はゴム材料のなかもで、帯電部材121との従動摺擦によりトナーや外添剤などの異物を効率的にクリーニングすると同時に、帯電部材121の表面にクリーニング部材122の擦れによるキズをつけ難くするために、また、長期にわたり千切れや破損が生じ難くするために、引き裂き、引っ張り強さなどに強いポリウレタンが特に好適に適用される。
【0051】
ポリウレタンとしては、特に限定するものではなく、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステル、アクリルポリールなど)と、イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなど)の反応物が挙げられ、これらの鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなど)による反応物であってもよい。なお、ポリウレタンは、発泡剤(水やアゾ化合物(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)を用いて発泡させるのが一般的である。
【0052】
弾性層122Bの25mm当たりのセル数(個/25mm)としては、20/25mm以上80/25mm以下であることが望ましく、30/25mm以上80/25mm以下であることがさらに望ましく、30/25mm以上50/25mm以下であることが特に望ましい。
【0053】
弾性層122Bの硬さとしては、100N以上500N以下が望ましく100N以上400N以下がさらに望ましく、150N以上400N以下が特に望ましい。
【0054】
導電性軸受け123は、帯電部材121とクリーニング部材122とを一体で回転自在に保持すると共に、当該部材同士の軸間距離を保持する部材である。導電性軸受け123は、導電性を有する材料で製造されていればいかなる材料及び形態でもよく、例えば、導電性のベアリングや導電性の滑り軸受けなどが適用される。
【0055】
電源124は、導電性軸受け123へ電圧を印加することにより帯電部材121とクリーニング部材122とを同極性に帯電させる装置であり、公知の高圧電源装置が採用される。
【0056】
本実施形態に係る帯電装置12では、電源124から導電性軸受け123に電圧が印加されることで、帯電部材121とクリーニング部材122とが同極性に帯電する。これにより、像保持体表面の異物(例えばトナーや外添剤)をクリーニング部材122及び帯電部材121表面に蓄積させるが抑制され、像保持体に移行でき、像保持体のクリーニング装置で異物が回収される。そのため、長期にわたり帯電部材121とクリーニング部材122とに汚れが蓄積することが抑制され、帯電性能が維持される。
【0057】
(画像形成装置、プロセスカートリッジ)
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える。そして、帯電手段(帯電装置)として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
【0058】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば上記構成の画像形成装置に脱着され、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、を備える。そして、帯電手段として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段及び転写後の像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
【0059】
次に、本実施形態に係る画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて図面を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図6は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【0060】
本実施形態に係る画像形成装置101は、図5に示すように、像保持体10を備え、その周囲に、像保持体を帯電する帯電装置12と、帯電装置12により帯電された像保持体10を露光して潜像を形成する露光装置14と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、現像装置16により形成したトナー像を記録媒体Aに転写する転写装置18と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を備える。また、転写装置18により記録媒体Aに転写されたトナー像を定着する定着装置22を備える。
【0061】
そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、帯電装置12として、例えば、帯電部材121と、帯電部材121に接触配置されたクリーニング部材122と、帯電部材121及びクリーニング部材122の軸方向両端を各部材が回転自在となるように保持する導電性軸受け123(導電性ベアリング)と、導電性軸受け123の一方に接続された電源124と、が配設された、上記本実施形態に係る帯電装置が適用されている。
【0062】
一方、本実施形態の画像形成装置101は、帯電装置12(帯電部材121)以外の構成については、従来から電子写真方式の画像形成装置の各構成として公知の構成が適用される。以下、各構成の一例につき説明する。
【0063】
像保持体10は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、いわゆる機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。また、像保持体10は、その表面層が電荷輸送性を有し架橋構造を有するシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂で構成された感光体も好適に適用される。
【0064】
露光装置14としては、例えば、レーザー光学系やLEDアレイ等が適用される。
【0065】
現像装置16は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体10に接触若しくは近接させて、像保持体10の表面の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置である。現像装置16の現像方式は、既知の方式として二成分現像剤による現像方式が好適に適用される。この二成分現像剤による現像方式には、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。
【0066】
転写装置18としては、例えば、コロトロン、スコロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Aを介して導電性の転写ロールを像保持体10に接触させ記録媒体Aにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
【0067】
クリーニング装置20は、例えば、クリーニングブレードを像保持体10の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。クリーニング装置20としては、クリーニングブレード以外にクリーニングブラシ、クリーニングロール等を適用してもよい。
【0068】
定着装置22としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好適に適用される。加熱定着装置は、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し特定の接触圧で接触して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラ又は加圧ベルトと、で構成される。未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ローラと加圧ローラ又は加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Aを挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
【0069】
なお、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
【0070】
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、図6に示すように、上記図5に示す画像形成装置において、露光のための開口部24A、除電露光のための開口部24B及び取り付けレール24Cが備えられた筐体24により、像保持体10と、像保持体を帯電する帯電装置12と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を一体的に組み合わせて保持して構成したプロセスカートリッジ102である。そして、プロセスカートリッジ102は、上記図5に示す画像形成装置101に脱着自在に装着されている。
【0071】
なお、上記本実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置(その帯電部材)として、上記本実施形態に係る導電性部材を備えた形態を説明したが、転写装置(その転写部材)として上記本実施形態に係る導電性部材を備えた形態であってもよい。
【実施例】
【0072】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
【0073】
[実施例1]
(帯電ロールの作製)
−弾性層の形成−
弾性材料(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム) 100質量部に対して、導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製)15質量部、加硫剤(硫黄 200メッシュ:鶴見化学工業社製)1質量部、及び加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製):2.0質量部等を加えた混合物を、オープンロールで混練りし、SUS303からなる直径8mmのシャフト(導電性支持体)外周面に接着層を介してプレス成形機を用いて、厚み7mmの弾性層を形成し、直径15mmのロールを得た。その後、研磨により、厚み6mmの弾性層を有する直径14mmの導電性弾性ロールを得た。
【0074】
−表面層の形成−
第1樹脂としてナイロン樹脂をメタノール、1−ブタノールの混合液(混合質量比=メタノール:1−ブタノール=3:1)に溶解した液(ナイロン樹脂溶液:固形分濃度8質量%)100質量部に対して、第2樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(PVB)10質量部、カーボンブラック(商品名「MONARCH880」Cabot社製)12質量部、及び硬化剤(クエン酸)2質量部
を加えて混合物を、ビーズミルにて分散し、これをメタノールで希釈して分散液を得た。そして、分散液に、上記導電性弾性ロールの表面に浸漬塗布し、160℃で20分間加熱乾燥して、厚み10μmの表面層を形成した。なお、用いる材料の詳細は表1に示す。
このようにして帯電ロールを得た。
【0075】
[実施例2〜6、比較例1〜2]
表1に従って、第1樹脂、第2樹脂、カーボンブラックを変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ロールを得た。
【0076】
[帯電ロールの評価]
−表面層の特性−
既述の通りにして、透過型顕微鏡(TEM)により、海島構造の有無、島部の直径、表面層に含まれる全カーボンブラックに対する島部に含まれるカーボンブラックの割合(表1中、島部CB存在率)、島部に含まれるカーボンブラックの凝集体の平均粒径(表1中、CB凝集体平均粒径と標記)、島部に含まれるカーボンブラックが島部と海部との界面側に偏在している否かの確認(表1中、CB偏在有無と標記)について調べた。結果を表1に示す。
なお、実施例1で作製した帯電ロールの表面層の透過型顕微鏡(TEM)写真を図7に示す。図7のTEM写真において、白っぽい不連続相である領域が島部を示し、黒い点状の領域がカーボンブラックを示している。
この図7から、帯電ロールの表面層において、カーボンブラックが島部の内部に含まれていると共に、島部と海部との界面側に偏在していることがわかる。
【0077】
−帯電特性評価−
富士ゼロックス製カラー複写機DocuCentre Color a450のプロセスカートリッジに、作製した帯電ロールを組み込み、温度10℃、湿度15%の環境下で表2に示すように電流値を変化させながらハーフトーン(画像濃度50%)で画像出しを行った。帯電ロールによる帯電ムラに起因する白点の発生がなければ◎、10個以下であれば○、30個以下であれば△、それ以上であれば×とした。結果を表2に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、電流値が少なくても、放電ムラが抑制され、それに起因する白点の発生が抑制されることがわかる。
【符号の説明】
【0081】
10 像保持体、12 帯電装置、14 露光装置、16 現像装置、18 転写装置、20 クリーニング装置、22 定着装置、24 筐体、24A 開口部、24B 開口部、24C 取り付けレール、30 シャフト、31 弾性層、32 表面層、33A 海部、33B 島部、101 画像形成装置、102 プロセスカートリッジ、121 帯電部材、121A導電性部材、122 クリーニング部材、123 導電性軸受け、122A シャフト、122B 弾性層、124 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
基材上に配置される弾性層と、
前記弾性層上に配置され、第1樹脂を含んで構成される海部と第2樹脂を含んで構成される島部とからなる海島構造を有すると共に、少なくとも前記島部の内部にカーボンブラックを含む表面層と、
を有する導電性部材。
【請求項2】
前記島部の直径が、100nm以上500nm以下である請求項1に記載の導電性部材。
【請求項3】
前記島部の内部に含まれるカーボンブラックの量が、前記表面層に含まれる全カーボンブラックに対して90%以上である請求項1又は2に記載の導電性部材。
【請求項4】
前記島部の内部に含まれるカーボンブラックが、前記島部と前記海部との界面側に偏在している請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電装置。
【請求項6】
像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、を備え、
前記帯電手段が、請求項5に記載の帯電装置であるプロセスカートリッジ。
【請求項7】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備え、
前記帯電手段が、請求項5に記載の帯電装置である画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−22410(P2011−22410A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168005(P2009−168005)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】