説明

小児期欠神てんかん関連遺伝子CACNA1H変異遺伝子を検出する方法及びCACNA1H変異遺伝子

本発明は、小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子の検出する方法に関し、記述した方法は直接シークエンシング法あるいは制限エンドヌクレア―ゼ法であり、同時にCACNA1H変異遺伝子に関し、さらに前記変異遺伝子の検出キット及びこのキットの応用に関する。なお、本発明は、前記検出方法と変異遺伝子の応用に関する。本発明は、CACNA1H遺伝子を小児期欠神てんかんの薬物治療に関連し、この疾病の薬物治療に新しいターゲットを提供し、同時に小児期欠神てんかんと外の類型のウィップル病全身性てんかん及びCACNA1H遺伝子に関連する外の系統疾病の新薬の研究と開発の基礎を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小児期欠神てんかん関連遺伝子CACNA1H変異遺伝子を検出する方法及びその変異遺伝子に関し、具体的には小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を検出する方法及びCACNA1H変異遺伝子に関し、さらに前記変異遺伝子の検出キット及びこのキットの応用に関する。また、本発明は、前記検出方法と変異遺伝子の小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
小児期欠神てんかん(childhood absence epilepsy:CAE)はウィップル病全身性てんかんの一つであり、小児てんかんの約5%−15%を占め、女児のほうが男児よりもかかりやすい。発病年齢は3−12才で多く、発病のピーク年齢は6−7才である。臨床的な特徴は突然に発生する意識喪失であるが、失神することはなく、両眼が前方に凝視し、行っている動作を停止し、数秒又は1−2分この状態を持続した後、意識が回復し、本来の活動を続ける。発作の後、昏迷状態或は昏睡状態とはならず、発作が頻繁に、毎日数回から数百回起きる。発作が起きる際は、脳電図は左右対称性となり、幅3Hzスパイク・ウェアウェーブ(spike and ware wave)の同期高波が約10秒間持続される。スパイク・ウェアウェーブは開始時に比較的速くて3.5−4Hzであり、中期には3Hzとなり、終了する時には2.5−2Hzまで遅くなる。発作期間中背景波は正常で、過呼吸を誘起する。欠神の頻繁な発作には勉学に影響するようになり、欠神の発作が速やかに制御できなく或は薬を飲むことを早期に中止する場合、40%は全身硬直と間代性けいれんを合弁するようになり、患者の勉学や生活に厳しく影響し、家庭と社会に大きな経済的負担をもたらす。小児期欠神てんか現在のところこの疾患は複雑な遺伝病であると考えられている。発病メカニズムは非常に複雑であり、その病原遺伝子は不明である。
【0003】
T型カルシウムチャンネルのヌクレオチド配列は他の類型のカルシウムチャンネルと異なるが、構造は類似している。他のカルシウムチャンネルと同様に、4つの繰り返しドメイン(I-IV)よりなり、それぞれのドメインは6つの膜貫通部(Transmembrane Regions) (S1-6)よりなり、トランジェントな性質で機能し、低電圧で非活性化になりやすく、視床皮質のリズム性振幅の重要な役割を果たす。
【0004】
これまで、既に三種類のT型カルシウムチャンネルをコードするファミリー遺伝子はクローニングされており、それらはCACNA1G、CACNA1H、CACNA1Iである。CACNA1Hが染色体系16p13.3に位置し、alpha 1hサブユニットをコードし、35個のエクソンよりなる。CACNA1H遺伝子は心臓、脳、腎臓に広く発現している。CACNA1H遺伝子は(genbank登録番号:AF051946)T型カルシウムチャンネルをコーディングする遺伝子ファミリーメンバーの一つとしてクローンされたが、その機能と疾病との関連についての報告はなく、これまでCACNA1H遺伝子を利用して小児期欠神てんかんを研究する報告はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、多数の候補遺伝子からT型カルシウムチャンネル遺伝子CACNA1Hを研究対象として選定し、大量の実験と大サンプルの統計分析により、118人の中国北方漢族CAE小児患者の中でCACNA1H遺伝子の35個のエクソンについて直接遺伝子配列の解析を行い、14人の小児患者の中で12個の異なるミスセンス突然変異点を見つけた。さらに変異CACNA1H遺伝子を取得し、その中の2つの突然変異点は共に2人の異なるCAE小児患者で発現しており、230人の正常な対照群ではすべて前記変異を有さなかったことから、これらの変異は良性の多型ではないと考えられた。この2つの変異は膜貫通部位(Transmembrane Regions)にあり、6つの突然変異点は高度に保存される。すなわち本発明は小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つを見付けるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を検出する方法を提供し、この方法は直接シークエンシング法あるいは制限エンドヌクレアーゼ法による。
【0007】
本発明は、また小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を提供する。
【0008】
本発明は、さらに小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を検出するキット及び前記キットによる小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用を提供する。
【0009】
また、本発明は、前記検出方法と変異遺伝子の小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用を提供する。
【0010】
本発明のいずれかにより、本発明は、小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つのCACNA1H変異遺伝子の検出方法を提供し、この方法は直接シークエンシング法あるいは制限エンドヌクレアーゼ法である。
直接シークエンシング法は好ましくは、具体的に以下のステップを含む。
A:CACNA1H遺伝子の35個のエクソンに対してPCRプライマーを設計し、PCR増幅する。
B: PCR反応産物は精製してから直接シークエンシングし、取得したシーケンスはGenbank 中のシーケンスと比較し、突然変異点を確定する。
実施例3に記述するように、遺伝子レベルで直接的に遺伝子の変異を確定してもよいし、正常な読み込みフレーム(reading frame)によって翻訳してから蛋白質レベルで確定しても良い。この場合は適宜以下のステップを含む。
C:CACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するように正常な読み込みフレームにより翻訳する。
【0011】
また、本発明は、小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1Hの突然変異点を検出する別の方法を提供し、その方法は以下のステップを含む。
A:DNAを抽出し、突然変異点を含有するPCRプライマーを設計し、PCR反応する。
B: PCR反応産物は精製してから直接的にシークエンシングし、取得したシーケンスはGenbank 中のシーケンスと比較して突然変異点を確定する。
実施例3で記述するように、遺伝子レベルで直接的に遺伝子の変異を検出して良く、さらに正常な読み込みフレームフレーム(Read in Frame)によって翻訳してから蛋白質レベルで測定しても良く、その場合は以下のステップを含む。
C: CACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するようにけんじょう正常な読み込みフレームにより翻訳する。
【0012】
突然変異点は、ドメインIの膜貫通部位2と3(IS2-IS3)、ドメインIIの膜貫通部位2(IIS2)、ドメインIとIIのリンカー(linker I-II)、ドメインIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IS5-SS1) 或るいはドメインIIIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IIIS5-SS1)に位置することが好ましい。さらにそのDNA突然変異点は、少なくともC562A(アミノ酸変異F161L)、G923A(アミノ酸変異E282K)、T1445A(アミノ酸変異C456S)、G1574A (アミノ酸変異G499S)、C2022T (アミノ酸変異P648L)、G2310A (アミノ酸変異R744Q)、C2322T (アミノ酸変異A748V)、G2397A (アミノ酸変異G773D)、G2429A (アミノ酸変異G784S)、G2570A(アミノ酸変異V831M)、G2621A (アミノ酸変異G848S)、G4466A (アミノ酸変異D1463N)に位置することが好ましい。最も突然変異点は、ドメインIの膜貫通部位2と3(IS2-IS3)の変異C562A(アミノ酸変異F161L)、ドメインIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IS5-SS1)の変異G923A(アミノ酸変異E282K)、ドメインIIの膜貫通部位2(IIS2)の変異G2570A(アミノ酸変異V831M)とG2621A (アミノ酸変異G848S)、ドメインIとIIのリンカー(linker I-II)の変異T1445A(アミノ酸変異C456S) 及びドメインIIIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IIIS5-SS1)の変異G4466A (アミノ酸変異D1463N)に位置することが好ましい。
【0013】
本発明のひとつによれば、本発明の直接シークエンシング方法により、CAE小児患者の中で12個の異なるミスセンス突然変異点を見つけ(表3に示す)、さらに変異CACNA1H遺伝子を取得した。その中の突然変異点R744Q と G773Dは共に2人の異なるCAE小児患者で発現しており、230人の正常対照はすべて前記変異を発現せず、これらの変異は良性多型ではないと考えられる。2つの変異は膜貫通部位(Transmembrane Regions)に発生し、6つの突然変異点は高度に保存される。そのため、本発明により、小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つを見つけ、それがT型カルシウムチャンネル遺伝子CACNA1H配列を含むことを示し、且つ少なくとも一つの突然変異点は、ドメインIの膜貫通部位2と3(IS2-IS3)、ドメインIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IS5-SS1)、ドメインIIの膜貫通部位2(IIS2)、ドメインIとIIのリンカー(linker I-II)、ドメインIIIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IIIS5-SS1)に位置することを決定した。少なくとも一つの突然変異点は、CACNA1H配列のC562A(アミノ酸変異F161L)、G923A(アミノ酸変異E282K)、T1445A(アミノ酸変異C456S)、G1574A (アミノ酸変異G499S)、C2022T (アミノ酸変異P648L)、G2310A (アミノ酸変異R744Q)、C2322T (アミノ酸変異A748V)、G2397A (アミノ酸変異G773D)、G2429A (アミノ酸変異G784S)、G2570A(アミノ酸変異V831M)、G2621A (アミノ酸変異G848S)、G4466A (アミノ酸変異D1463N)その中の一つに位置することが好ましい。さらに少なくとも一つの突然変異点は、ドメインIの膜貫通部位2と3(IS2-IS3)の変異C562A(アミノ酸変異F161L)、ドメインIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IS5-SS1)の変異G923A(アミノ酸変異E282K)、ドメインIIの膜貫通部位2(IIS2)の変異G2570A(アミノ酸変異V831M)とG2621A (アミノ酸変異G848S)、ドメインIとIIのリンカー(linker I-II)の変異T1445A(アミノ酸変異C456S) 及びドメインIIIの膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IIIS5-SS1)の変異G4466A (アミノ酸変異D1463N)に位置することが好ましい。
【0014】
本発明は、また小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を検出するキットを提供し、それは一つ或は複数の容器からなり、容器の中にCACNA1H変異遺伝子を検出するための一種又は多種の成分を含む。検出方法及び検出突然変異点の違いによって、キットは異なる成分を含む。これと共に政府薬物管理機関が審査決定した薬品或は生物製品の製造、使用及び販売に関する情報を提供できる。例えば、 PCR増幅した後(実施例1を参照)、サンプル中のCACNA1H遺伝子の突然変異点を直接検出する方法を採用するキットは、表1のような増幅用プライマー、dNTP、PCR反応に使用されるDNAポリメラーゼ及び緩衝液等のうち一又は複数を含んで良い。上記成分は例示であり、当業者であれば、記述されたプライマーは既知のDNA配列によって設計し、専用のコンピュータプログラムを利用して、通常15-30個の塩基よりなり、GC含量が45%-50%程度で、適当な温度でテンプレートと特異的に結合するものを設計できる。このようなソフトウェアとしては例えば(OLIGO 4.06プライマー分析ソフトウェア、Primer 3 software)があり、上記のPCR反応に用いるDNAポリメラーゼとしてはTaqDNAポリメラーゼ、例えば、Hotstar Taq酵素、 Klenowセグメント、Tth DNAポリメラーゼ、VENT DNAポリメラーゼ等がPCR増幅に使用可能である。
【0015】
使用方法について以下に説明する:
1)PCR増幅
ソフトウェアPrimer 3 を用いてCACNA1H遺伝子のエクソン35個に対するPCRプライマーを設計し、総計35対のプライマーを準備した(表1)。反応条件は94℃で30 秒間変性し、63℃で60秒間アニーリングし、72℃で110秒間伸長し、はじめの15サイクルのアニーリング温度は毎回0.5℃温度を下げ、後の25サイクルのアニーリング温度は56℃で固定して30秒間アニーリングし、72℃で40秒間伸長した。最後は72℃で10分伸長した。
2)PCR産物の精製
PCR産物を含むMultiScreen-PCRプレートから空気を除去し、脱イオン水を加えて静置し、その後MultiScreen-PCRプレートをミキサーに置いて振動し、精製したPCR産物を新たに溶解してから他の清潔な96ウェルのプレート中に入れた。
3)シークエンシングの反応及び検証
PCRプライマーをシークエンシングプライマーとしてPerkin Elmer 9700サーマルサイクラーでシークエンシング反応をした。反応終了後、伸長産物をサンプルとしてABI PRISM 3700 DNA 分析計にセットした。得られたチャートを分析し、おおよそハイブリッド二重ピークの所があえば、このサイトがハイブリッド状態にあると表明し、さらに検証する必要があると判断される。その場合まず一方のPCRプライマーをシークエンシングプライマーとしてシークエンシング反応を行う。結果がこのサイトが突然変異点となることを実証する場合、再びこの小児患者父母からこの突然変異点を有するDNAのシークエンシング反応を行った。その結果はあらゆる変異は全て小児患者の父母のいずれかで発現し、全てハイブリッド変異となることを発見した。一方230人の正常対照に対してこの遺伝子のあらゆる突然変異点のシークエンシング反応を行ったところ、突然変異点を発見しなかった。このキットは迅速かつ簡単に小児期欠神てんかん関連遺伝子CACNA1H変異遺伝子を検出でき、それによって小児期欠神てんかんの検出と/或は治療の方法に応用することができる。
【0016】
なお、直接的にある或は一部の突然変異点に対してプライマーを設計しても良く、例えば表1に示すプライマーの一または複数、dNTP、PCR反応に用いられたDNAポリメラーゼ及びその緩衝液等の一又は複数を含んでも良い。PCR増幅し、精製および配列解析を行い、この突然変異点を増幅するプライマーを含むキットにて調製を行う。
【0017】
本発明のキットはまた制限エンドヌクレアーゼの方法を利用して調製でき、例えば本発明のキットは以下のものを含む:
1)増幅用プライマー。
2)PCR増幅酵素及び相応な緩衝液。
3)異なる突然変異点の切断に適切な制限エンドヌクレアーゼ。
4)異なる突然変異点の制限酵素地図。
【0018】
当業者にとっては、異なる突然変異点に対し、プライマーと制限エンドヌクレアーゼをもちいて検出できることは公知の技術であるから、適切に設計することができる。患者からの血液由来DNAサンプルをPCR増幅し、そしてPCR産物を酵素で切断し、キットに含まれる制限酵素地図と比較する等ステップについても公知である。
【0019】
本発明は、またCACNA1H変異遺伝子検出方法が小児期欠神てんかんの検出と/或は治療方法への応用、及び変異CACNA1H遺伝子が小児期欠神てんかんの検出と/或は治療方法への応用を提供する。例えば、本発明は、CACNA1H遺伝子が小児期欠神てんかんの関連遺伝子であって、特に変異がlinker I-II 間に集中することを実証したので、CACNA1H遺伝子が小児期欠神てんかんの薬物治療に関連付けられたため、本発明は薬物治療のための新しいターゲットを提供するものである。今後、適当な薬物を探索する際に、例えばこれらサイトにある程度作用する因子を探すことでてんかんの治療の可能性が見出されると共に、小児期欠神てんかんの新薬の研究開発に理論的根拠を提供する。
【0020】
最後に、本発明は、また、その他の類型のウィップル病てんかんの発病メカニズム及び感受性遺伝子の研究に新しい考えの筋道を開拓するものであるといえる。例えば、CACNA1H遺伝子その他サイトの変異はウィップル病てんかんのその他類型の臨床発作を起こす可能がある。実際上、この視床皮質ループ上に豊富に発現する遺伝子の変異は全てウィップル病てんかんの臨床発作を起こす可能性がある。
【実施例1】
【0021】
CACNA1H遺伝子各エクソンのPCR増幅
1.対象:北京大学第一病院、北京児童病院及び首都児科研究所の小児神経専門外来患者診療及び病室から118例の北方漢民族CAE小児患者が選ばれた。小児患者年齢は2.9−14歳であり、平均年齢は8.5歳、平均発病年齢は7.2歳である。対照とした230例の健常人も北方漢民族の同一地区から選ばれ、年齢は17−23歳、平均年齢は19.5歳である。CAE診断は1989年国際抗てんかん協会の提出したてんかん及びてんかん複合体分類診断標準に従った。CAE小児患者が症状例グループに選ばれた臨床基準は以下の項目を含む:(1)3から12歳に初期兆候としての欠神と共に障害が現れる。病気の経過中、一般的な緊張間代発作及び/或いは間代性筋けいれんを起こす場合もある。(2)発作期間中、脳波図(EEG)は、左右対称性、同期的、3Hz周期的遅辣徐波型、又はマルチスパイク低速波を示す。通常中間の主要部分では3Hzであり、初期には3Hzより若干早く(約2.5Hz)、終了時には3Hzよりやや遅い(3.5−4Hz)。背景活動は正常である。治療を施されていない患者では、過呼吸の際に、容易に臨床的な発作と発射を引き起こす。(3)神経系の検査では正常を示す。(4)神経イメージ(CT或はMRI)検査では正常を示す。
【0022】
2. DNA抽出:Miller改良塩析法を採用して外周血白血球ゲノムDNAを抽出する。
1)クエン酸ナトリウム或はEDTANa2などの抗凝全血薬を5−15ml(できるだけヘパリン抗凝を使用せず)取り、50ml蓋付き遠心管に入れる。
2) 3−5倍体積の冷却蒸留水を入れ、上下に何度か振り均一に混ぜ、氷上で5分間冷却し、 4℃、2000rpmで20分遠心する。
3)ゆっくりと上清液をデカンテーションにより除去し、沈殿物の中にあらかじめ冷却しておいた0.1% Triton-X100(体積比)を加え、ゆっくりと均一的に混合し沈殿を洗浄し、再度遠心し、上清を捨てる。
4)沈殿物に4mlの分解液(50mM Tris-Cl10mM EDTA、pH8.0)を加え、完全に沈殿物を懸濁し、終濃度が0.5%になるよう10% SDSを加え均一に混合する。
5)終濃度が200ug/mlになるまでプロテアーゼK(10mg/ml)を加え、均一に混合し、55℃で3時間、或は37℃で一晩放置し消化を行う(一晩放置するほうが好ましい)。
6)6M NaCl 1.2mlを加え、20秒間激しく混合する。
7)2200rpmで10分遠心し、上清液を新しい蓋付き遠心管中に移す。
8)2倍体積量の無水アルコールを加え、綿状DNA 沈殿が現れるまで上下に振り、均一に混ぜ、DNAを選別してEppendorfチューブに入れる。
9)75%アルコールでDNA を2回洗浄する。
10)0.5ml TE(10mM Tirs-ClEDTA、pH8.0)或は蒸留水でDNAを溶解し、DNAセグメントの大きさを電気泳動で確認し、或は260nm/280nm OD比率を測定する。
【0023】
3. PCR増幅:ソフトウェア「Primer 3」でCACNA1H遺伝子の35個のエクソンに対して32対のPCRプライマーを設計した(表1)。PCR溶液は総体積が15 μlであり、50 ngのゲノムDNA、10 mM Tris-HCl (pH 8.4)、 50 mM KCl、 3.0 mM MgCl2、200 μM of dNTPs (Amersham Pharmcia社製)、0.6 U HotStartaqTM DNA Polymerase、 0.3μMの両プライマーを含む。Perkin Elmer 9700サーマルサイクラー(美国応用生物系会社)でPCR反応する。反応条件は94℃で30秒間変性し、63℃で60秒間アニーリングし、72℃で110 秒間伸長し、始めの15回サイクルはアニーリング温度を毎回0.5℃低下させ、後の25回サイクルのアニーリング温度を56℃ で固定して30秒間アニーリングし、72℃で40秒間伸長する。最後は72℃で 10分伸長する。
【0024】
PCRプライマー
【表1】



【実施例2】
【0025】
PCR産物の精製
PCR産物1μlを、1%アガロース電気泳動で検出し、おおよその定量をした後、96ウェル(millipore会社)純製プレートを用いて精製をした。精製ステップは以下のようである:
1.第一回PCR産物 (15μl)に80μl 脱イオン水を入れ、震盪して均一に混合した後、Multiscreen-PCRプレート中の孔に移す。
2.Multiscreen-PCRプレートを真空吸引濾過フレーム上に置いて真空乾燥する。圧力は0.085 Mpa、時間は5-10分であった。それぞれの孔はすべて空になるまで抽出した後、再び最大で30 秒間抽出する。
3.Multiscreen-PCRプレートを真空フレーム上から取り、各孔15-30μlの脱イオン水を入れ、室温で30 分置く。
4.Multiscreen-PCRプレートをミキサー上で5 分震盪し、精製された産物を新たに溶解する。メスピペットで新しい96ウュルプレートに移動する。
5. 精製後産物を2μl取り、電気泳動で定量する。
【実施例3】
【0026】
シークエンシング反応及び検証
1.シークエンシング反応:上述の精製産物2μlをとリ、テンプレートとして、美国応用生物系会社(PE社)の生産したBig-Dye末端標記キットを用いて、PCR反応一側プライマー(2μMになる希釈)をシークエンシングプライマーとしてPE社製3700自動シークエンシング装置にシークエンシング反応を行う。
反応液10μ中の各成分は表2のようである:
【0027】
表2:反応液
【表2】

ddH2Oを10μlまで補完し、Perkin Elmer 9700サーマルサイクラー(美国応用生物系会社産品)上でシークエンシング反応を行う。
【0028】
2.シークエンシング反応産物の精製及び配列の測定:シークエンシング反応産物はアルコールで沈殿し、ABI377或は3700自動シークエンシングメーター(美国応用生物系会社産品)でDNAの測定を行った。
3.さらに正常読み込みフレームによって翻訳してから蛋白質レベルで確定する場合は、如下のステップを含む:CACNAIH遺伝子の突然変異点を確定するように正常読み込みフレームによって翻訳する。
【0029】
結果分析
取得した配列図録を分析して、ハイブリッド二重ピークがおおよそあると判断されれば、図1−図12のように、このサイトがハイブリッド状態にあるとし、さらに検証する必要があると判断した。その場合、他の一方のPCRプライマーをシークエンシングプライマーとしてシークエンシング反応を行い、その結果、このサイトが突然変異点となることが実証されれば、再びこの小児患者の両親から、この突然変異点を含有するDNA断片のシークエンシング反応を行った。その結果、あらゆる変異は全て小児患者両親のいずれか一方で発現し、全てハイブリッド変異となることを発見した。そして230人が正常対照としてこの遺伝子のあらゆる突然変異点に対するシークエンシング反応を行い、結果は、いずれの突然変異点も発現していなかった。
【0030】
発明者は、大量の実験と大サンプルの統計分析により、118人の中国北方漢族CAE小児患者の中でCACNA1H遺伝子の35個のエクソンに直接的にシークエンシングし、14人の小児患者の中で12個の異なるミスセンス突然変異点を見つけ、それの所在するエクソン、DNAの入れ替え、アミノ酸の入れ替え、構造位置は表3、ドメインみとり模式図は図13のようである:
【0031】
【表3】


注.変異DNAと相応のアミノ酸の位置変更はgenbank のデータに従った。登録番号AF051946.1.
【実施例4】
【0032】
突然変異点の保守性の研究
ヒトの3つのT型カルシウムチャンネル遺伝子(CACNA1G、CACNA1HとCACNA1I)がコードするアミノ酸とマウスとラットのそれぞれの2つのTカルシウムチャンネル遺伝子がコーディングするアミノ酸と比較し研究を行った。そのところ、図14のように、ドメインI膜貫通部位2と3(IS2-IS3)における変異F161L、ドメインI膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所E282K(IS5-SS1)、ドメインIII膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所D1463N(IIIS5-SS1)、ドメインII膜貫通部位2(IIS2)における変異V831M と G848S、及びドメインIとIIのリンカー(linker I-II)における変異C456Sは、7つの全てのT型カルシウムチャンネル遺伝子産物の高度保存アミノ酸サイトに存在する。且つ、ドメインII膜貫通部位2(IIS2)の突然変異点G848Sもヒトとその他の、7つの高電圧活性化(high voltage-activated、HVA)されたカルシウムチャンネル遺伝子産物の中で高度保存されている。
【実施例5】
【0033】
小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子を検出するキット及びその応用
1.キット内容:
増幅用プライマー:表4のとおりである
【0034】
【表4】






Hotstar Tag酵素 5U/μl。
10×緩衝液(15mM Mgcl2を含む)。
dNTP 2mM。
Big-Dye mix
【0035】
2.使用方法:
主に以下のようなステップを含む:
A: DNAを抽出し、 上記プライマーを利用してPCR反応を行う。
B: PCR反応産物を精製した後、直接シークエンシングし、取得した配列をGenbank (登録番号AF051946.1)中の配列と比較して突然変異点を確定する。
さらにCを含む: CACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するように正常な読み込みフレームにより翻訳する。
具体方法は実施例1から3参照。
【実施例6】
【0036】
小児期欠神てんかんの関連遺伝子の一つであるCACNA1Hの突然変異点F161Lを検出するキット及びその応用
1.キット内容:
エクソン4を増幅するプライマー:
順方向プライマー:5-gctgagctgagctgttcca (SEQ ID NO 7)
逆方向プライマー:5-tctttacaggtgggacacagg (SEQ ID NO 8)
Hotstar Tag酵素 5U/μl
10×緩衝液(15mM Mgcl2を含む)、
dNTP 2mM
Big-Dye mix
【0037】
2.使用方法:
主に以下のようなステップを含む:
A: DNAを抽出し、上記プライマーを利用してPCR反応を行う。
B: PCR反応産物を精製した後、直接シークエンシングし、取得した配列をGenbank (登録番号AF051946.1)中の配列と比較して突然変異点を確定する。
さらにCを含む: CACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するように正常な読み込みフレームにより翻訳する。
【実施例7】
【0038】
小児期欠神てんかんの関連遺伝子の一つであるCACNA1Hの突然変異点E282Kを検出するキット及びその応用
1.キット内容:
突然変異点を増幅するプライマー:
順方向プライマー:5-GGGAAGTTCTACTACTGCGAGGGCCCCTATAGACACCAGG (SEQ ID NO65)
逆方向プライマー:5-CTGTGCGCACCTGCTGGTCGACACCCACGGCATCCAGCCCG (SEQ ID NO66)
Hotstar Tag酵素 5U/μl
10×緩衝液(15mM Mgcl2を含む)、
dNTP 2mM、
制限酵素EcoRV
制限酵素地図
【0039】
2.使用方法
A: DNAを抽出し、 上記プライマーを利用してPCR反応を行う。
B: PCR反応産物を精製した後、直接シークエンシングし、取得した配列をGenbank 中の配列と比較して突然変異点を確定する。
C:PCR産物をEcoRV酵素で切断する。
D:キットの制限酵素地図と比較する。
【0040】
当業者であれば、上記キットの成分の一部、例えばプライマー、制限エンドヌクレアーゼ等、検出された突然変異点の違いによって相応に変更でき、先に上記方法を利用して患者からの血DNAサンプルをPCR増幅してから、PCR産物を制限エンドヌクレアーゼで切断し、キットの制限酵素地図と比較することができる。
【0041】
本発明の上記の説明内容を理解し、当業者は本発明に対して、様々な変更或は修正をしても良いが、変更或は修正による等価形式は本特許請求の範囲の限定した範囲にあることを理解すべである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】小児期欠神てんかん患者と正常対照のCACNA1H遺伝子のC562A(アミノ酸変異F161L)突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部、B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部、C:F161L突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図2】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG923A(アミノ酸変異E282K) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:E282K突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図3】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のT1445A(アミノ酸変異C456S) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す、B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:C456S突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図4】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG1574A (アミノ酸変異G499S) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:G499S突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図5】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のC2022T (アミノ酸変異P648L) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:E282K突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図6】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG2310A (アミノ酸変異R744Q) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:R744Q突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図7】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のC2322T (アミノ酸変異A748V) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:A748V突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。ntは変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図8】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG2397A (アミノ酸変異G773D) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:G773D突然変異点を含有するDNAの一部と対応するアミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図9】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG2429A (アミノ酸変異G784S) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:G784S突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図10】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG2570A(アミノ酸変異V831M) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。その中で、A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:V831M突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。
【図11】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG2621A (アミノ酸変異G848S) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。その中で、A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:G848S突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。
【図12】小児期欠神てんかん患者と正常対照からCACNA1H遺伝子のG4466A (アミノ酸変異D1463N) 突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。その中で、A:患者の突然変異点を含有するDNAの遺伝子配列チャートの一部を示す。B:正常対照のDNAの遺伝子配列チャートの一部。C:D1463N突然変異点を含有するDNAの一部と相応アミノ酸配列。ntは 変異DNAのAF051946中での位置を示す。
【図13】CACNA1H遺伝子ドメインの模式図を表示し、図の中で突然変異点を示す。
【図14】保存される突然変異点の結果を示す。a1A_homo_s、 a1B_homo_s、a1C_homo_s、 a1D_homo_s、 a1E_homo_s、 a1F_homo_s、 a1G_homo_s、a1H_homo_s、 a1I_homo_s、 a1S_homo_sは、ヒトのa1A、a1B、a1C、a1D、a1E、a1F、a1G、a1H、a1I、a1S遺伝子、a1H_Mus-mu、a1G_Mus-muはマウスのa1H、a1G遺伝子、a1G_Rattus、a1I_Rattusはラットのa1G、a1I遺伝子を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子の検出する方法であって、直接シークエンシング法あるいは制限エンドヌクレアーゼ法であることを特徴とする検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、上記CACNA1H変異遺伝子の少なくとも一つの突然異変点は、ドメインI膜貫通部位2と3、ドメインI膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所、ドメインII膜貫通部位2、ドメインIとIIのリンカー或はドメインIII膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所に位置することを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、上記CACNA1H変異遺伝子の少なくとも一つの突然異変点は、C562A、G923A、T1445A、G1574A、C2022T、G2310A、C2322T、G2397A、G2429A、G2570A、G2621A、G4466Aに位置することを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項4】
請求項3に記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、上記CACNA1H変異遺伝子の少なくとも一つの突然異変点は、C562A, G923A, G2570A G2621A, T1445A, G4466Aに位置することを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、具体的に
A:CACNA1H遺伝子の35個のエクソンに対してPCRプライマーを設計し、 PCR増幅する;
B: PCR反応産物は精製してから直接的にシークエンシングし、取得したシーケンスはGenbank 中のシーケンスと比較し、突然変異点を確定する;
のステップを含むことを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項6】
請求項5に記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、さらに
C:CACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するように正常な読み込みフレームにより翻訳する
以上のステップを含むことを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、
A:DNAを抽出し、突然異変点を含有するPCRプライマーを設計し、 PCR反応する;
B: PCR反応産物は精製してから直接的にシークエンシングし、取得したシーケンスはGenbank 中のシーケンスと比較して突然変異点を確定する
以上のステップを含むことを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項8】
請求項7に記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法であって、さらに
C:ACNA1H遺伝子の突然変異点を確定するように正常な読み込みフレームにより翻訳する
以上のステップを含むことを特徴とするCACNA1H変異遺伝子の検出方法。
【請求項9】
小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子であって、それがT型カルシウムチャンネル遺伝子CACNA1H配列を含み、且つ少なくとも一つの突然変異点は、ドメインI膜貫通部位2と3、ドメインI膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所、ドメインII膜貫通部位2、ドメインIとIIのリンカー、ドメインIII膜貫通部位S5とコア部位のリンクする所(IIIS5-SS1)に位置する。
【請求項10】
請求項9に記載のCACNA1H変異遺伝子であって、上記CACNA1H変異遺伝子の少なくとも一つの突然異変点は、C562A、G923A、T1445A、G1574A、C2022T、G2310A、C2322T、G2397A、G2429A、G2570A、G2621A、G4466Aに位置することを特徴とするCACNA1H変異遺伝子。
【請求項11】
請求項10に記載のCACNA1H変異遺伝子であって、上記CACNA1H変異遺伝子の少なくとも一つの突然異変点は、C562A, G923A, G2570A G2621A, T1445A, G4466Aに位置することを特徴とするCACNA1H変異遺伝子。
【請求項12】
小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子の検出するキットであって、増幅用プライマー、dNTP、PCR反応に使用されたDNAポリメラーゼ及びその緩衝液等の一種又は多種を含むもの。
【請求項13】
小児期欠神てんかん関連遺伝子の一つであるCACNA1H変異遺伝子の検出するキットであって、以下の物を含む:
1)突然変異点増幅用プライマー;
2) PCR増幅用酵素及び相応緩衝液;
3) 異なる突然変異点の酵素で切断に相応な制限エンドヌクレアーゼ;
4)異なる突然変異点の制限酵素地図。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のキットの小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用。
【請求項15】
請求項1乃至8のいずれかに記載のCACNA1H変異遺伝子の検出方法の小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用。
【請求項16】
請求項9乃至11のいずれかに記載の変異遺伝子の小児期欠神てんかんの検出と/又は治療方法への応用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−512919(P2006−512919A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567214(P2004−567214)
【出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000087
【国際公開番号】WO2004/067769
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505283289)
【Fターム(参考)】