説明

小型電子機器筐体用成形品の製造方法

【課題】アルミ合金等,真鍮その他の比較的柔らかい金属を材質とする場合に、表面に多様で生産性よく意匠性に優れた凹凸模様を形成することができる小型電子機器筐体用成形品の製造方法を提供すること。
【課題手段】目的形状に成形された金属製の被加工材の表面を、プレス面の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチによってプレスすることにより、前記被加工材の表面へ模様を形成する工程を含むことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用の電話機,電子辞書,電子手帳,ノートパソコンその他の小型電子機器筐体用成形品の製造方法に関するものであり、特にそれらの筐体用成形品がアルミニウム又はアルミニウム合金(以下「アルミ合金等」と言う。)その他の比較的柔らかい金属を材質とする場合に、その表面に種々の模様を有する成形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属材料の表面に凹凸による模様を形成するには、エッチング法によるのが一般的である(後記特許文献2〜4)が、時計ケースのように硬い金属材料の表面に凹凸模様を形成する方法としては、金属材料の表面にエッチング法により微細な多数の穴を形成し、型押しにより前記穴を押し潰して凹凸模様を形成する方法が提案されている(後記特許文献1)。
【0003】
金属材料の表面にエッチング法により微細な多数の穴を形成し、型押しによりそれらの穴を潰して凹凸模様を形成すると、模様の形態や意匠性が限定される。
一般的なエッチング法によれば、エッチング部分が深い(例えば100μm以上)と時間がかかる(生産性の低下)ほか、レジスト部分とエッチング部分の境界に微細なギザギザが表れるため、ライン状の凹凸(例えば溝)を形成する場合に外観を損なう(意匠性の低下)おそれがあった。
【特許文献1】特開2003−039894号公報
【特許文献2】特開平04−026780号公報
【特許文献3】特開平04−034167号公報
【特許文献4】特開昭63−121676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決課題は、小型電子機器筐体用成形品表面における凹凸模様設計の自由度の拡大、生産性及び意匠性の向上にある。
本発明の目的は、アルミ合金等,真鍮その他の比較的柔らかい金属を材質とする場合において、表面に多様で生産性よく意匠性に優れた凹凸模様を形成することができる小型電子機器筐体用成形品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る小型電子機器筐体用成形品の製造方法の一つは、目標形状に成形された金属製の被加工材の表面を、プレス面の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチによってプレスすることにより、前記被加工材の表面へ模様を形成する工程を含むことを最も主要な特徴としている。
【0006】
本発明に係る製造方法の他の一つは、プレス面の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチによって金属板材の表面をプレスすることにより、前記金属板材の表面へ模様を形成する工程と、表面へ模様が形成された金属板材を目標形状に成形する工程とを含むことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る小型電子機器筐体用成形品の製造方法によれば、パンチのプレス面に刻設された模様が被加工材や金属板材の表面へ忠実に転写される。
パンチのプレス面には多様な凹凸模様を加工することが可能であるから、被加工材や金属板材の表面にも凹凸による多様な模様を形成することができる。
プレス面に形成される凹凸の断面は自由な選択が可能であるから、被加工材や金属板材の表面には外観上意匠的に高度で優れた模様を形成することができる。
パンチによるプレス加工は冷間で迅速に行なわれるので、生産性も向上する。表面に模様を形成した金属板材を目標形状の成形する場合には、さらに生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照しながら本発に係る製造方法の実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態の製造方法を実施するプレス装置の部分断面図、図2は図1のプレス装置のパンチを除いた部分の部分平面図、図3は第1実施形態の製造方法を実施する他のプレス装置の部分断面図、図4は第1実施形態の製造方法を実施するさらに他のプレス装置の部分断面図、図5は第1実施形態の製造方法により製造された成形品の部分拡大斜視図である。
【0009】
この実施形態の製造方法は請求項1に対応するもので、目標形状に成形された金属製の被加工材1の表面を、プレス面30の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチ3によってプレスすることにより、前記被加工材1の表面へ例えば前記の模様2を形成する工程を含むことを特徴としている。
【0010】
便宜上、先ず第1実施形態の製造方法により製造された成形品について説明する。
幅50mm、高さ10mmであって、側面内側にリブ13を有するC形チャンネル状の成形品1aには、天面(上面)と、側面と、両面の交叉隅角に形成されている面取り状の面(断面円弧状又は傾斜した面)へ、各面にわたって連続するように模様2が形成されている。
【0011】
模様2は、経時的に前後して形成された一次模様2aと二次模様2bとから構成されている。
一次模様2aは10mm×10mm正方形のヘアライン調の模様部20と、同様な正方形のブラスト調の模様部21とが、交互に千鳥格子状に整列したパターンの微細な凹凸(例えば凹部深さ20μm以下)による連続模様である。
二次模様2bは、各一次模様2aの平面輪郭部に沿って形成されており、一次模様の凹凸に対して顕著な溝(深さ及び幅0.1〜0.25mm)溝である。この形態では、一次模様2aの模様部20,21の平面輪郭部相互は接しているので、前記二次模様2bを構成する溝は一次模様2aを構成する各模様部20,21の境界線に沿っている。
この形態の成形品1aは、例えば携帯電話機筐体用成形品として使用するのに適するものである。
【0012】
以下図1〜図4により第1実施形態の成形品の製造方法を説明する。
1は肉厚0.8mm、幅50mm、高さ10mmのアルミ合金等(例えばA6063−T5材)の押出形材からなるC形チャンネル状の被加工材であり、側面内側に天面とほぼ平行なリブ13を有し、適当な有効長さ(後記の位置決めの用切欠部を除く長さであって、例えば100mm前後)になるように切断されている。
被加工材1には、天面10と各側面11との交叉角部に断面円弧状ないし傾斜した面取り状の面12を有している。
なお、被加工材1の断面形状及びサイズは、当然ながら成形品1aが使用される小型電子機器の設計と適合するように設計される。
【0013】
前処理工程
前記被加工材1は、前処理として化学研磨を行い次いで陽極酸化処理する。陽極酸化処理は通常必要ないが、この実施形態では後記のプレス加工中その他の取り扱い中の表面傷を防止するため、膜厚3μm程度になるように陽極酸化処理を行なう。
被加工材1の表面に光沢面(図示せず)を他の模様部と混在させて形成する場合には、当該被加工材1の表面を前記化学研磨する前にバフ研磨する。
【0014】
模様形成工程
被加工材1の表面へ溝を形成するためのプレス機には、機械式プレスを使用することができるが、この実施形態では以下の各工程を通じて300ton油圧プレスを使用している。
第1工程
図1及び図2において、プレス金型のダイ4の上部は、所定のクリアランスをもって被加工材1の内部形状と適合する断面形状を有しており、被加工材1はダイ4の端部からその上部の受け部に沿ってスライドさせて当該ダイ4の上に配置される。
【0015】
ダイ4の長さ方向の両端部には、一端部の受けブロック50と他端部の押圧ブロック51からなる位置決め部材5が設置されており、両ブロック50,51の上部相対面には位置決め用の凸部50a,51aがそれぞれ形成されている。受けブロック50と押圧ブロック51の上端部は、第4の上面からやや上方へ突出しており、パンチ3は前記各凸部50a,51aとは干渉しない状態に配置されている(図2)。
被加工材1の両端部には、前記位置決め用の各凸部50a,51aとほぼ適合する位置決め用の切欠部15,16が形成されており、これらの切欠部15,16へそれぞれ対応する前記凸部50a,51aを案内する。この状態で、図示されていない加圧手段により、押圧ブロック51を介して被加工材1を前記受けブロック50へ押し付けて当該被加工材1をダイ4の上にセットする。
なお、前記各切欠部15,16は対応するブロック50,51へ、各凸部50a,51bは被加工材1へそれぞれ形成してもよい。
【0016】
パンチ3は被加工材1の天面10と適合するプレス面を有しており、このプレス面30には前記成形品1aの天面における一次模様2aと対応する凹凸模様が刻設されている。
すなわち、パンチ3のプレス面30には、ワイヤブラシ加工による10mm×10mm正方形のヘアライン調の模様部(図示せず)と、放電加工による同様な正方形のブラスト調の模様部(図示せず)とが、交互に千鳥格子状に整列したパターンで連続するように刻設されている。
【0017】
前記位置決め状態で被加工材1の天面10をパンチ3でプレスすることにより、被加工材1の天面10には、パンチのプレス面30からの転写により一次模様2a(図5)が形成される。
パンチ3を所定量上昇させ、被加工材1を前記位置決め状態から開放するとともにダイ4の上から搬出して第1工程を終了する。
【0018】
第2工程
図3で示すように、この工程で使用するダイ4aの受け部は、所定のクリアランスをもって被加工材1の内部形状と適合する断面形状を有し、一方へ45度先下り傾斜する状態に形成されている。
前記ダイ4aの受け部へ被加工材1を45度傾斜した状態で一端部から他端部方向へスライドさせる要領で配置し、第1工程におけると同様な要領で当該被加工材1を位置決め状態でセットする。
【0019】
パンチ3aは、被加工材1の面取り状の面12と適合し、かつ被加工材1の側面11と当該側面11へ近接する天面10の一部にまたがるように適合するプレス面30aを有している。
このプレス面30aの両側部分を除く中央部分には、図1のパンチ3のプレス面30へ形成されているパターンの模様と連続するパターンの模様(図示せず。図5の成形品1aにおける面取り状の面の一次模様2aと適合する。)が刻設されている。
したがって図3のように、パンチ3aにより被加工材1における一方の面取り状の面12をプレスすると、当該面12にはパンチ3aのプレス面30aに刻設された模様が転写されて一次模様2a(図5)が形成される。その後、被加工材1を位置決め状態から開放するとともにダイ4aから搬出する。
【0020】
第3工程
図4で示すように、この工程で使用するダイ4bの受け部は、所定のクリアランスをもって被加工材1の内部形状と適合する断面形状を有し、垂直な状態に形成されている。
前記ダイ4bの受け部へ被加工材1を垂直姿勢で一端部から他端部方向へスライドさせる要領で配置し、第1工程におけると同様な要領で当該被加工材1を位置決め状態でセットする。
【0021】
パンチ3bは、被加工材1の側面11と適合し、かつ隣接する面取り状の面12の一部へまたがるように適合するプレス面30bを有している。
このプレス面30bには、図3のパンチ3aのプレス面30aへ形成されているパターンの模様と連続するパターンの模様(図示せず。図5の成形品1aにおける側面の一次模様2aと適合する。)が刻設されている。
したがって図4のように、パンチ3bにより被加工材1の一方の側面11をプレスすると、当該側面11にはパンチ3bのプレス面30bに刻設された模様が転写されて一次模様2a(図5)が形成される。その後、被加工材1を位置決め状態から開放するとともにダイ4bから搬出する。
なお、各符号31,31a及び31bは、それぞれ対応するパンチ3,3a,3bのパンチホルダである。
【0022】
第4工程,第5工程
第4及び第5工程では、図3及び図4を参照して説明した第2,第3工程と同様な要領により、被加工材1における他方の面取り状の面12と側面11へそれぞれ一次模様が形成される。
なお、第1工程〜第5工程は、経時的に前記の順序で実施する必要はなく、どの工程が先行しても差し支えない。
【0023】
第6工程〜第10工程
第6工程〜第10工程は、被加工材1の表面へ二次模様2bを形成する工程であり、第6工程〜第10工程におけるパンチ,ダイ及び位置決め部材は、図1〜図4を参照して説明した第1工程〜第5工程におけるものとほぼ同様であり、パンチのプレス面に形成される模様が、図5の溝からなる二次模様2bを形成するための凸条である点でそれらとは異なっている。
また、被加工材1の表面へ図5のように溝からなる二次模様2bを形成する要領も、第1工程〜第5工程と同様であるので、それらの説明は省略する。
なお、第6工程〜第10工程の順序は問わず、いずれの工程を先行させても同様に実施することができる。
【0024】
小型電子機器では、ほとんどの場合筐体の各面に操作キーや表示部等その他の部品を設置する窓孔や必要な切り欠き等が形成されるが、このような窓孔や切り欠き等は前記模様形成後の被加工材1に対して形成するのが好ましい(形崩れがない)。
しかし、被加工材1の肉厚やその他の寸法により、あるいは窓孔や切り欠き等の加工手段によって形崩れの心配がない場合は、前記前処理工程の前にそれらを形成することができる。
【0025】
仕上げ処理工程
前記のように加工された被加工材1は、両端部の切欠部15,16に相当する長さ部分を切除し、その後前処理における陽極酸化処理による皮膜の脱膜処理を行い、化学研磨を行った後、さらに陽極酸化処理を施して仕上げる。
陽極酸化処理においては、並行して表面に形成された一次模様と調和性のある着色皮膜を形成する。
【0026】
第1実施形態の製造方法によれば、パンチのプレス面に刻設された凹凸模様を冷間プレス加工により、忠実にかつ迅速に被加工材1の表面へ転写することができるから、従来の方法と比較して生産性が向上する。特に、被加工材1への二次模様2bの加工の際、当該模様2bを構成する溝の深さが深くても模様の形成に時間がかからないので、エッチング法に比べてその生産性は一層向上する。
パンチのプレス面には多様な凹凸模様を加工することが可能であるから、被加工材1の表面へ凹凸による多様な模様を形成することができる。
パンチのプレス面に形成される凹凸模様の断面は自由な選択が可能であるから、被加工材1の表面には意匠的に高度で多彩な模様を形成することができる。
【0027】
前記第1実施形態及び後記第2実施形態において、二次模様2bは、同じパンチにより一次模様2aの形成と同時に、あるいは別なパンチにより一次模様2aの形成とは先行して形成しても差し支えない。
しかし、溝からなる二次模様2bを材料に対してより鮮明に形成するためには、一次模様2aを形成した後に二次模様2bを形成するのが好ましい。
【0028】
第2実施形態
図6は第2実施形態の製造方法により製造された成形品1aを示しており、この成形品1aの被加工材1は前記のように押出成形された形材ではなく、所定幅のアルミ合金等の金属板を適当な公知の手段によりほぼC形チャンネル状に成形したものである。
第1実施形態における被加工材1のように、チャンネル形状の内面へリブ13等を形成することができない点で効果を異にする。
この実施形態の製造方法において、被加工材1の表面へ模様2を形成する工程,前処理工程,仕上げ処理工程及びその他の作用効果は、前記第1実施形態の製造方法とほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0029】
第3実施形態
図7は第3実施形態の製造方法を説明するための金属板材の部分斜視図であり、アルミ合金等の圧延板からなる所定幅及び所定長さ(有効幅や有効長さは、仕上がり成形品の設計寸法に沿って設計される。)の金属板材14は、第1実施形態の製造方法と同様な前処理が施される。
この実施形態で使用されるパンチ3cは、例えば図8で示すように、保持枠(パンチホルダではない。)30f内へ密に並べて保持され、10mm×10mm正方形のプレス面をもつ垂直な多数の駒片30dと多数の駒片30eとが、交互にかつ千鳥形状に並ぶ状態に組み合わされている。各駒片30dのプレス面には微細な線状凹凸からなるヘアライン調の模様が刻設され、他の各駒片30eのプレス面には微細な多数の凹凸からなるブラスト調の模様が刻設されている。
各駒片30d,30eは、それらのプレス面が同一平面を形成する状態に組み合わされていることにより、全体として一つのプレス面30cを構成している。
【0030】
前記のパンチ30cと図示しないダイとを使用して、金属板材14の表面へ、第1実施形態と同様に、正方形のアライン調の模様部20と、正方形のブラスト調の模様部21とが、交互にかつ千鳥格子状に整列したパターンの微細な凹凸による一次模様2aを形成する。
この実施形態において、パンチ30cは、前記一次模様2aの形成と並行して金属板材14へ当該一次模様2aの平面輪郭に沿って溝からなる二次模様2bが形成されるように構成してある。
【0031】
図7のように金属板14の表面へ一次模様2aと二次模様2bからなる模様2を同時に形成した後、当該金属板14を、前記模様2が表面に表れる状態で、適当な公知の手段により例えば図6に示すようなほぼC形チャンネル状に成形し、その後それらを前記第1実施形態と同様に仕上げ処理して成形品1aを製造する。
この実施形態の製造方法は、表面の模様2を一工程で形成することができるから、生産性はさらに一層向上する。
【0032】
その他の実施形態
被加工材1は、製品である成形品1aの設計長さに見合う有効長さに切断するのが、模様2を鮮明に形成するためには好ましい。しかし、成形品1aの設計長さが短い場合には、図5のような断面形状の押出形材又は図6のようにフォーミング成形された形材を、当該設計長さの数倍の有効長さに切断し、模様形成後にそれらの形材を前記設計長さに切断し、それらを仕上げ処理しても差し支えない。この点は第3実施形態についても同様である。
被加工材1や金属板材14の表面に形成される模様は、前記のようにパターン化された模様のみでなく、パンチのプレス面に刻設可能のものであれば、各種キャラクターやロゴその他の模様を形成することができる。
また、被加工材1や金属板材の表面に形成される模様は、前記二次模様2bを省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る第1実施形態の製造方法を説明するためのプレス装置の部分断 面図である。
【図2】図1のプレス装置のパンチを除いた状態の部分平面図である。
【図3】第1実施形態の製造方法で使用される他のプレス装置の部分断面図である。
【図4】第1実施形態の製造方法で使用されるさらに他のプレス装置の部分断面図で ある。
【図5】第1実施形態の製造方法により製造された成形品の部分拡大斜視図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の製造方法により製造された成形品の部分拡大斜 視図である。
【図7】本発明に係る第3実施形態の製造方法により表面に模様が形成された金属板 材の部分拡大斜視図である。
【図8】第3実施形態の製造方法で使用されるパンチの部分底面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 被加工材
10 天面
11 側面
12 面取り状の面
13 リブ
14 金属板材
15,16 切欠部
1a 成形品
2 模様
2a 一次模様部
2b 二次模様部
20,21 模様部
3,3a、3b、3c パンチ
30,30a,30b,30c プレス面
30d,30e 駒片
30f 保持枠
4 ダイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標形状に成形された金属製の被加工材の表面を、プレス面の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチによってプレスすることにより、前記被加工材の表面へ模様を形成する工程を含むことを特徴とする小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項2】
前記被加工材の形状はほぼC形チャンネル状である、請求項1に記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項3】
前記被加工材が天面と側面との交叉隅角に面取り状の面を有し、前記天面と面取り状の面へそれぞれ模様を形成する場合において、前記天面は当該天面と適合するプレス面を有するパンチによってプレスされ、前記面取り状の面は当該面取り状の面と適合するプレス面を有するパンチによってプレスされる、請求項2に記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項4】
前記被加工材が天面と側面との交叉隅角に面取り状の面を有し、前記天面,前記側面及び前記面取り状の面へ模様を形成する場合において、前記天面は当該天面と適合するプレス面を有するパンチによってプレスされ、前記側面は当該側面と適合するプレス面を有するパンチによってプレスされ、前記面取り状の面は当該面取り状の面と適合するパンチによってプレスされる、請求項2に記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項5】
前記被加工材はアルミニウム又はアルミニウム合金の押出形材である、請求項2〜4のいずれかに記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項6】
前記被加工材の表面へ形成された模様は所定のパターンで連続する連続模様である、請求項1〜5のいずれかに記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項7】
前記被加工材の表面へ模様を形成する工程は、微細な凹凸による一次模様を形成する工程と、前記一次模様の平面輪郭部に沿い前記凹凸に対して顕著な溝からなる二次模様を形成する工程とを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項8】
プレス面の少なくとも一部に模様が刻設されたパンチによって金属板材の表面をプレスすることにより、前記金属板材の表面へ模様を形成する工程と、表面へ模様が形成された前記金属板材を目標形状に成形する工程とを含むことを特徴とする小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項9】
前記金属板材の表面へ形成された模様は所定のパターンで連続する連続模様である、請求項8に記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。
【請求項10】
前記金属板材の表面へ模様を形成する工程は、微細な凹凸による一次模様を形成する工程と、前記一次模様の平面輪郭部に沿い前記凹凸に対して顕著な溝からなる二次模様を形成する工程とを含む、請求項8又は9に記載の小型電子機器筐体用成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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