小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)およびSIBO−関連状態を診断および治療する方法
【課題】ヒト対象における小腸バクテリアの異常繁殖(SIBO)またはSIBOにより生じる状態を治療する方法を開示する。
【解決手段】SIBOにより生じる状態は、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、損傷知的活動性、損傷記憶、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望症、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病を包含する。ヒト対象におけるSIBOの異常な存在し易さをスクリーニングする方法、並びにヒト対象におけるSIBOを検出する方法をも開示する。小腸バクテリアの異常繁殖(SIBO)が検出された、ヒト対象における、SIBOまたはSIBOにより生じる状態の重篤度を測定する方法をも開示する。
【解決手段】SIBOにより生じる状態は、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、損傷知的活動性、損傷記憶、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望症、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病を包含する。ヒト対象におけるSIBOの異常な存在し易さをスクリーニングする方法、並びにヒト対象におけるSIBOを検出する方法をも開示する。小腸バクテリアの異常繁殖(SIBO)が検出された、ヒト対象における、SIBOまたはSIBOにより生じる状態の重篤度を測定する方法をも開示する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該小腸内の該バクテリアの増殖を阻害するのに十分に、該バクテリア群の栄養分を枯渇させ、該ヒト対象におけるSIBOを少なくとも部分的に撲滅することを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
該SIBOに起因する状態が、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
更に、該ヒト対象において、SIBOが存在する場合に、
ある持続期間に渡り、該対象の胃腸管上部に達した際に、少なくとも部分的に予備消化される、栄養素から本質的になる食物を、該対象に消費させ、該持続期間が、該ヒト対象におけるSIBOを、少なくとも部分的に撲滅するのに十分な期間である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該期間が、少なくとも約3日間である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該少なくとも部分的に予備消化される栄養素が、食用全腸栄養素処方中に含まれている、請求項4記載の方法。
【請求項7】
更に、該対象に、食事前にまたは実質的に食事と同時に、膵液酵素サプルメントを投与して、該食事中に含まれる栄養素を、該膵液酵素サプルメントの活性により、該対象の上部胃腸管内で、少なくとも部分的に予備消化する、請求項4記載の方法。
【請求項8】
更に、該ヒト対象において、SIBOが存在する場合に、
該栄養素による、該ヒト対象の該上部胃腸管の通過を遅らせることによって、該ヒト対象の該上部胃腸管における、該栄養素の消化および吸収を増強し、該バクテリア群に対して、少なくとも部分的に該栄養素を枯渇させる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
更に、経口または腸内放出経路によって、該ヒト対象に薬理的に許容される組成物を投与する工程を含み、該ヒト対象が、その腸管壁内のペプチドYY-感受性主感覚ニューロンから、脊椎前の腹腔ガングリオンまで突出し、固有のコリン作動性求心性神経系路を有し、また該ガングリオンから該腸粘膜中の1以上のクロム親和性細胞および/または筋層間神経叢および/または粘膜下の神経叢においてオピオイド介在ニューロンと結合したセロトニン作動性介在ニューロンまで突出した、アドレナリン作動性遠心性神経系路を有し、該オピオイド介在ニューロンが、該ガングリオンまで突出した腸遠心性オピオイド経路によって、1以上のニューロン接続により、中枢神経系と結合し、かつ該ガングリオンから突出した腸に戻り、
該薬理的に許容される組成物が、活性薬物を含み、該活性薬物が(A) 活性脂質、(B) セロトニン、セロトニンアゴニスト、またはセロトニン再摂取阻害剤、(C) ペプチドYYまたはペプチドYY-機能性類似体、(D) カルシトニン遺伝子-関連ペプチドまたはその機能性類似体、(E) アドレナリン作動性アゴニスト、(F) オピオイドアゴニスト、(G) (A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)の任意の組合せ、および(H) (B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)の何れかに対するレセプタのアンタゴニスト
からなる群から選択され、該活性薬物が、該コリン作動性腸遠心性経路、少なくとも一つの脊椎前ガングリオン経路、該アドレナリン作動性遠心性神経経路、該セロトニン作動性介在ニューロンおよび/または該オピオイド介在ニューロンを、(A)〜(G)の何れかの作用によって活性化するような量および条件下で放出され、結果的に該対象における上部胃腸管移動速度を緩慢にし、該ヒト対象の上部胃腸管における、該栄養素の消化および/または吸収を増強する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
担体および該担体中の本質的に活性脂質からなる分散体を含む、胃腸管移動を遅延させる組成物を、投与する工程を含み、該活性脂質が、飽和または不飽和脂肪酸、完全に加水分解された脂肪およびその混合物からなる群から選択される、該脂質と該対象の小腸との接触を促進し、胃腸管移動を遅延させ、かつ少なくとも部分的に該ヒト対象におけるSIBOを撲滅する、請求項8記載の方法。
【請求項11】
該活性脂質が(A) カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、トランス-ヘキサデカン酸、エライジン酸、コロンビン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セトレイン酸、ネルボン酸、ミード酸、アラキドン酸、チムノドン酸、クルパノドン酸、またはドコサヘキサエン酸;(B) (A)の何れかの製薬上許容される塩;および(C) (A)または(B)の任意の混合物からなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
該活性脂質が、オレイン酸または製薬上許容されるオレイン酸塩を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該活性脂質が、完全に加水分解された脂肪を含む、請求項10記載の方法。
【請求項14】
該活性脂質が脂肪酸または製薬上許容されるその塩を含む、請求項10記載の方法。
【請求項15】
該活性脂質が、(A) (C4-C24)飽和および不飽和脂肪酸からなる群から選択される脂肪酸;(B) (A)の何れかの製薬上許容される塩;または(C) (A)および/または(B)の任意の混合物である、請求項10記載の方法。
【請求項16】
該脂肪酸が、オレイン酸、製薬上許容されるオレイン酸塩、またはこれらと他の脂肪酸またはその塩との混合物を含む、請求項10記載の方法。
【請求項17】
経口投与が、被覆または未被覆の微小球または粒子、分散性の粉末または顆粒状処方物、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エリキシル、あるいは被覆または未被覆錠剤、トローチ、カプセル、カプレットまたはロゼンジの摂取により行われる、請求項9記載の方法。
【請求項18】
経口投与が、被覆または未被覆の微小球または粒子、分散性の粉末または顆粒状処方物、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エリキシル、あるいは被覆または未被覆錠剤、トローチ、カプセル、カプレットまたはロゼンジの摂取により行われる、請求項10記載の方法。
【請求項19】
該活性薬物が、セロトニン、セロトニンアゴニスト、セロトニン再摂取阻害剤、5-HT3レセプタアンタゴニストおよび5-HT4レセプタアンタゴニストからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項20】
該活性薬物がセロトニンであり、該セロトニンを、該ヒト対象に、食事前にまたは実質的に食事と同時に、体重1kg当たり約0.03〜約0.1mgなる範囲の量で投与する、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該小腸内の該バクテリアの増殖を阻害するのに十分な量の、製薬上許容される殺菌組成物を、該対象小腸の内腔に導入して、該ヒト対象におけるSIBOを少なくとも部分的に撲滅することを特徴とする、上記方法。
【請求項22】
該製薬上許容される殺菌組成物が、本質的に(A) 過酸化水素;(B) ビスマス‐含有化合物;(C) ヨウ素‐含有化合物;または(D) (B)または(C)の塩からなる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
該SIBOに起因する状態が、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項21記載の方法。
【請求項24】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該ヒト対象におけるマスト細胞‐媒介免疫応答を阻害するのに十分な量の、該小腸内腔壁におけるマスト細胞膜の安定化剤を含む、製薬上許容される組成物を、該対象に投与することを特徴とする、上記方法。
【請求項26】
該SIBOに起因する状態が、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
該マスト細胞膜の安定化剤がオキサタミドまたはクロモグリケートである、請求項25記載の方法。
【請求項29】
ヒト対象における、SIBOの異常な存在し易さにつきスクリーニングする方法であって、該対象から血清サンプルを得、該血清サンプル中のセロトニン、一種以上の非‐複合胆汁酸、および/または葉酸塩の濃度を定量的に測定し、これらの一種以上の異常に高い血清濃度が、SIBOが該対象に存在する通常の確率を越えるものであることを示す指標であることを特徴とする、上記方法。
【請求項30】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)の検出する方法であって、
該ヒト対象が、制御された量の基質を摂取した後に、該ヒト対象によって吐出されるガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量を検出する工程を含み、該混合ガスが、少なくとも部分的に、該ヒト対象の腸内微生物叢によって生成されることを特徴とする、上記方法。
【請求項31】
該基質が、同位体標識された糖またはヒトによっては余り消化されない糖である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
該糖が、グルコース、ラクトース、スクロース、ラクツロースまたはキシロースである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、ガスクロマトグラフィーおよび/または放射線検出装置によって行う、請求項30記載の方法。
【請求項34】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、マススペクトロメトリーにより行う、請求項30記載の方法。
【請求項35】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、薄層クロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、電気化学的ボルタメトリックセンサまたはポーラログラフィーセルを使用して行う、請求項30記載の方法。
【請求項36】
該少なくとも一種の硫黄‐含有ガスが、硫化水素またはスルフヒドリル化合物である、請求項30記載の方法。
【請求項37】
該少なくとも一種の硫黄‐含有ガスが、メタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルジスルフィド、アリルメルカプタン、またはメチルメルカプタンである、請求項30記載の方法。
【請求項38】
SIBOが検出されたヒト対象における、SIBOまたはSIBOに起因する状態の相対的な重篤度を決定する方法であって、
適当な検出手段によって、該対象におけるSIBOの存在を検出し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、該対象において、SIBOが検出された場合には、適当な検出手段によって、該対象中の腸内透過性の相対的なレベルを検出する工程を含み、異常に高い腸内透過性が、該対象における比較的高い重篤度でのSIBOまたはSIBOに起因する状態の存在を示すことを特徴とする、上記方法。
【請求項39】
SIBOまたはSIBOに起因する状態を診断するためのキットであって、少なくとも一つの呼気採取用容器、予め測定された量の基質、およびヒト対象が所定量の該基質を摂取した後に、該対象によって吐出されたガス混合物中の、メタン、水素および少なくとも一種の硫黄-含有ガスの相対的な量を測定することによって、SIBOの有無を検出するための、ユーザーに対する指示を含むことを特徴とする、上記キット。
【請求項40】
該予め測定された量の基質が、同位体で標識されており、またはヒトによっては余り消化されない、請求項39記載のキット。
【請求項41】
該予め測定された量の基質が、グルコース、ラクトース、スクロース、ラクツロースまたはキシロースである、請求項39記載のキット。
【請求項42】
該予め測定された量の基質が糖である、請求項39記載のキット。
【請求項43】
更に、メタン、水素および少なくとも一種の硫黄-含有ガスの標準化されたサンプルをも含む、請求項39記載のキット。
【請求項44】
該少なくとも一種の硫黄-含有ガスが、硫化水素またはスルフヒドリル化合物である、請求項39記載のキット。
【請求項45】
該少なくとも一種の硫黄-含有ガスがメタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルジスルフィド、アリルメルカプタン、またはメチルメルカプタンである、請求項39記載の方法。
【請求項1】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該小腸内の該バクテリアの増殖を阻害するのに十分に、該バクテリア群の栄養分を枯渇させ、該ヒト対象におけるSIBOを少なくとも部分的に撲滅することを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
該SIBOに起因する状態が、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
更に、該ヒト対象において、SIBOが存在する場合に、
ある持続期間に渡り、該対象の胃腸管上部に達した際に、少なくとも部分的に予備消化される、栄養素から本質的になる食物を、該対象に消費させ、該持続期間が、該ヒト対象におけるSIBOを、少なくとも部分的に撲滅するのに十分な期間である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該期間が、少なくとも約3日間である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該少なくとも部分的に予備消化される栄養素が、食用全腸栄養素処方中に含まれている、請求項4記載の方法。
【請求項7】
更に、該対象に、食事前にまたは実質的に食事と同時に、膵液酵素サプルメントを投与して、該食事中に含まれる栄養素を、該膵液酵素サプルメントの活性により、該対象の上部胃腸管内で、少なくとも部分的に予備消化する、請求項4記載の方法。
【請求項8】
更に、該ヒト対象において、SIBOが存在する場合に、
該栄養素による、該ヒト対象の該上部胃腸管の通過を遅らせることによって、該ヒト対象の該上部胃腸管における、該栄養素の消化および吸収を増強し、該バクテリア群に対して、少なくとも部分的に該栄養素を枯渇させる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
更に、経口または腸内放出経路によって、該ヒト対象に薬理的に許容される組成物を投与する工程を含み、該ヒト対象が、その腸管壁内のペプチドYY-感受性主感覚ニューロンから、脊椎前の腹腔ガングリオンまで突出し、固有のコリン作動性求心性神経系路を有し、また該ガングリオンから該腸粘膜中の1以上のクロム親和性細胞および/または筋層間神経叢および/または粘膜下の神経叢においてオピオイド介在ニューロンと結合したセロトニン作動性介在ニューロンまで突出した、アドレナリン作動性遠心性神経系路を有し、該オピオイド介在ニューロンが、該ガングリオンまで突出した腸遠心性オピオイド経路によって、1以上のニューロン接続により、中枢神経系と結合し、かつ該ガングリオンから突出した腸に戻り、
該薬理的に許容される組成物が、活性薬物を含み、該活性薬物が(A) 活性脂質、(B) セロトニン、セロトニンアゴニスト、またはセロトニン再摂取阻害剤、(C) ペプチドYYまたはペプチドYY-機能性類似体、(D) カルシトニン遺伝子-関連ペプチドまたはその機能性類似体、(E) アドレナリン作動性アゴニスト、(F) オピオイドアゴニスト、(G) (A)、(B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)の任意の組合せ、および(H) (B)、(C)、(D)、(E)および/または(F)の何れかに対するレセプタのアンタゴニスト
からなる群から選択され、該活性薬物が、該コリン作動性腸遠心性経路、少なくとも一つの脊椎前ガングリオン経路、該アドレナリン作動性遠心性神経経路、該セロトニン作動性介在ニューロンおよび/または該オピオイド介在ニューロンを、(A)〜(G)の何れかの作用によって活性化するような量および条件下で放出され、結果的に該対象における上部胃腸管移動速度を緩慢にし、該ヒト対象の上部胃腸管における、該栄養素の消化および/または吸収を増強する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
担体および該担体中の本質的に活性脂質からなる分散体を含む、胃腸管移動を遅延させる組成物を、投与する工程を含み、該活性脂質が、飽和または不飽和脂肪酸、完全に加水分解された脂肪およびその混合物からなる群から選択される、該脂質と該対象の小腸との接触を促進し、胃腸管移動を遅延させ、かつ少なくとも部分的に該ヒト対象におけるSIBOを撲滅する、請求項8記載の方法。
【請求項11】
該活性脂質が(A) カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、トランス-ヘキサデカン酸、エライジン酸、コロンビン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セトレイン酸、ネルボン酸、ミード酸、アラキドン酸、チムノドン酸、クルパノドン酸、またはドコサヘキサエン酸;(B) (A)の何れかの製薬上許容される塩;および(C) (A)または(B)の任意の混合物からなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
該活性脂質が、オレイン酸または製薬上許容されるオレイン酸塩を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該活性脂質が、完全に加水分解された脂肪を含む、請求項10記載の方法。
【請求項14】
該活性脂質が脂肪酸または製薬上許容されるその塩を含む、請求項10記載の方法。
【請求項15】
該活性脂質が、(A) (C4-C24)飽和および不飽和脂肪酸からなる群から選択される脂肪酸;(B) (A)の何れかの製薬上許容される塩;または(C) (A)および/または(B)の任意の混合物である、請求項10記載の方法。
【請求項16】
該脂肪酸が、オレイン酸、製薬上許容されるオレイン酸塩、またはこれらと他の脂肪酸またはその塩との混合物を含む、請求項10記載の方法。
【請求項17】
経口投与が、被覆または未被覆の微小球または粒子、分散性の粉末または顆粒状処方物、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エリキシル、あるいは被覆または未被覆錠剤、トローチ、カプセル、カプレットまたはロゼンジの摂取により行われる、請求項9記載の方法。
【請求項18】
経口投与が、被覆または未被覆の微小球または粒子、分散性の粉末または顆粒状処方物、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エリキシル、あるいは被覆または未被覆錠剤、トローチ、カプセル、カプレットまたはロゼンジの摂取により行われる、請求項10記載の方法。
【請求項19】
該活性薬物が、セロトニン、セロトニンアゴニスト、セロトニン再摂取阻害剤、5-HT3レセプタアンタゴニストおよび5-HT4レセプタアンタゴニストからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項20】
該活性薬物がセロトニンであり、該セロトニンを、該ヒト対象に、食事前にまたは実質的に食事と同時に、体重1kg当たり約0.03〜約0.1mgなる範囲の量で投与する、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該小腸内の該バクテリアの増殖を阻害するのに十分な量の、製薬上許容される殺菌組成物を、該対象小腸の内腔に導入して、該ヒト対象におけるSIBOを少なくとも部分的に撲滅することを特徴とする、上記方法。
【請求項22】
該製薬上許容される殺菌組成物が、本質的に(A) 過酸化水素;(B) ビスマス‐含有化合物;(C) ヨウ素‐含有化合物;または(D) (B)または(C)の塩からなる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
該SIBOに起因する状態が、過敏性腸症候群、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項21記載の方法。
【請求項24】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)またはSIBOに起因する状態を治療する方法であって、
該対象内において、適当な検出手段によって、SIBOの存在を検出し、ここで増殖中のバクテリア群は、該対象の小腸内に存在し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、かつSIBOの存在が、該対象において検出された場合には、
該ヒト対象におけるマスト細胞‐媒介免疫応答を阻害するのに十分な量の、該小腸内腔壁におけるマスト細胞膜の安定化剤を含む、製薬上許容される組成物を、該対象に投与することを特徴とする、上記方法。
【請求項26】
該SIBOに起因する状態が、線維筋肉痛、慢性骨盤痛症候群、慢性疲労症候群、うつ病、知的活動障害、記憶障害、口臭、耳鳴り、糖摂取渇望、自閉症、注意力欠乏/活動亢進障害、薬物過敏、自己免疫疾患、およびクローン病からなる群から選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
該自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデスあるいは多発性硬化症である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
該マスト細胞膜の安定化剤がオキサタミドまたはクロモグリケートである、請求項25記載の方法。
【請求項29】
ヒト対象における、SIBOの異常な存在し易さにつきスクリーニングする方法であって、該対象から血清サンプルを得、該血清サンプル中のセロトニン、一種以上の非‐複合胆汁酸、および/または葉酸塩の濃度を定量的に測定し、これらの一種以上の異常に高い血清濃度が、SIBOが該対象に存在する通常の確率を越えるものであることを示す指標であることを特徴とする、上記方法。
【請求項30】
ヒト対象における小腸バクテリアの異常増殖(SIBO)の検出する方法であって、
該ヒト対象が、制御された量の基質を摂取した後に、該ヒト対象によって吐出されるガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量を検出する工程を含み、該混合ガスが、少なくとも部分的に、該ヒト対象の腸内微生物叢によって生成されることを特徴とする、上記方法。
【請求項31】
該基質が、同位体標識された糖またはヒトによっては余り消化されない糖である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
該糖が、グルコース、ラクトース、スクロース、ラクツロースまたはキシロースである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、ガスクロマトグラフィーおよび/または放射線検出装置によって行う、請求項30記載の方法。
【請求項34】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、マススペクトロメトリーにより行う、請求項30記載の方法。
【請求項35】
該吐出ガス混合物中の、メタン、水素、および少なくとも一種の硫黄‐含有ガスの相対的な量の検出を、薄層クロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、電気化学的ボルタメトリックセンサまたはポーラログラフィーセルを使用して行う、請求項30記載の方法。
【請求項36】
該少なくとも一種の硫黄‐含有ガスが、硫化水素またはスルフヒドリル化合物である、請求項30記載の方法。
【請求項37】
該少なくとも一種の硫黄‐含有ガスが、メタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルジスルフィド、アリルメルカプタン、またはメチルメルカプタンである、請求項30記載の方法。
【請求項38】
SIBOが検出されたヒト対象における、SIBOまたはSIBOに起因する状態の相対的な重篤度を決定する方法であって、
適当な検出手段によって、該対象におけるSIBOの存在を検出し、あるいは該手段によってSIBOが存在しないことを検出し、該対象において、SIBOが検出された場合には、適当な検出手段によって、該対象中の腸内透過性の相対的なレベルを検出する工程を含み、異常に高い腸内透過性が、該対象における比較的高い重篤度でのSIBOまたはSIBOに起因する状態の存在を示すことを特徴とする、上記方法。
【請求項39】
SIBOまたはSIBOに起因する状態を診断するためのキットであって、少なくとも一つの呼気採取用容器、予め測定された量の基質、およびヒト対象が所定量の該基質を摂取した後に、該対象によって吐出されたガス混合物中の、メタン、水素および少なくとも一種の硫黄-含有ガスの相対的な量を測定することによって、SIBOの有無を検出するための、ユーザーに対する指示を含むことを特徴とする、上記キット。
【請求項40】
該予め測定された量の基質が、同位体で標識されており、またはヒトによっては余り消化されない、請求項39記載のキット。
【請求項41】
該予め測定された量の基質が、グルコース、ラクトース、スクロース、ラクツロースまたはキシロースである、請求項39記載のキット。
【請求項42】
該予め測定された量の基質が糖である、請求項39記載のキット。
【請求項43】
更に、メタン、水素および少なくとも一種の硫黄-含有ガスの標準化されたサンプルをも含む、請求項39記載のキット。
【請求項44】
該少なくとも一種の硫黄-含有ガスが、硫化水素またはスルフヒドリル化合物である、請求項39記載のキット。
【請求項45】
該少なくとも一種の硫黄-含有ガスがメタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルジスルフィド、アリルメルカプタン、またはメチルメルカプタンである、請求項39記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−102401(P2009−102401A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16943(P2009−16943)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【分割の表示】特願2002−582263(P2002−582263)の分割
【原出願日】平成14年4月16日(2002.4.16)
【出願人】(501433527)シーダース シナイ メディカル センター (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【分割の表示】特願2002−582263(P2002−582263)の分割
【原出願日】平成14年4月16日(2002.4.16)
【出願人】(501433527)シーダース シナイ メディカル センター (1)
【Fターム(参考)】
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