説明

小麦粉食品及びその製造方法

【課題】 栄養が豊富で、品質が良く、しかも安価に提供できる小麦粉食品を提供する。
【解決手段】 小麦粉と、小麦以外の穀物と、を含む小麦粉食品であって、前記小麦以外の穀物が加熱され且つ粒がなくなるまで潰れた状態で前記小麦粉中に均等に存在している小麦粉食品である。その第一の製造方法は、小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することである。第二の製造方法は、小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、これを磨り潰し、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉を主原料とする加工食品と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
麺類やパンは、小麦粉を主原料とする加工食品の代表的なものである。これらの小麦粉食品には、小麦粉に加え、玄米粉を原料として使用したものがある(特許文献1,2参照)。
【0003】
また、玄米が入っているという視覚的な楽しみや、玄米粒の食感を楽しむことができるように、小麦粉に加えて玄米粒を原料とし、玄米粒が残るように加工した小麦粉食品も、特許文献3,4等で公知となっている。
【特許文献1】特開平10−108637号公報
【特許文献2】特開2005−198573号公報
【特許文献3】特開2005−73543号公報
【特許文献4】特開2004−121080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、玄米粉等の穀粉を原料の一部として使用する場合には、穀物の製粉コストを製品価格に転嫁せざるを得ないので、その分だけ製品価格が高くなってしまうという問題がある。
【0005】
また、玄米粒を原料とする場合には、製粉コストはかからないが、この方法は麺類の製造には適さないという問題がある。
【0006】
本発明は、前記の如き事情に鑑みてなされたもので、栄養が豊富で、品質が良く、しかも安価に提供できる小麦粉食品及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る小麦粉食品は、小麦粉と、小麦以外の穀物と、を含む小麦粉食品であって、前記小麦以外の穀物が加熱され且つ粒がなくなるまで潰れた状態で前記小麦粉中に均等に存在していることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
本発明に係る小麦粉食品には、麺類(そば、うどん、ラーメン、スパゲッティ等)、パン、ピザ、マカロニ、ギョーザやシューマイの皮、菓子等、原料として小麦粉を用いる食品が広く含まれる。また、小麦以外の穀物には、米(白米、玄米を問わない)、トウモロコシ、粟、稗、黍、そば等、小麦以外のあらゆる穀物が含まれる。さらに、本発明において穀物の「加熱」とは、穀物に熱と水分とを与えることをいい、具体的には、煮ることや炊くことや蒸すことが含まれる。
【0009】
本発明に係る小麦粉食品は、栄養が豊富である。その理由は、第一に、小麦粉に加えて小麦以外の穀物も含まれているからであり、第二に、前記小麦以外の穀物が製粉工程を経ないので、澱粉の損傷が少ないからである。澱粉の損傷が少ないことは、小麦粉食品の具体例が麺である場合に、茹で伸びが遅いという効果となって表れる。また、生麺やパンでは乾燥しにくいという効果ともなって表れる。
【0010】
また、本発明によれば、小麦以外の穀物が加熱されることで澱粉がアルファー化しているので、食感がよく旨味も多い。アルファー化していることはさらに、小麦粉食品が麺である場合に、茹で時間が早いという効果となって表れる。茹で時間が早く、しかも前記の通り茹で伸びが遅いので、飲食店や家庭での麺類の調理提供に大変好都合である。
【0011】
さらに、本発明によれば、小麦以外の穀物の製粉コストがかからないので、安価に提供できる。
【0012】
前記小麦以外の穀物の種類は、前記の通り種々あるが、中でも特に、入手しやすさや栄養面の観点から、また、精米コスト節約の観点からも、玄米が好適である(請求項2)。
【0013】
次に、本発明に係る小麦粉食品の製造方法は、小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することを特徴とする(請求項3)。
【0014】
好適な実施の一形態として、小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、これを磨り潰し、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練する製造方法でもよい(請求項4)。この製法は、加熱後でも小麦以外の穀物の粒の軟らかさが十分でない場合に好適な方法である。磨り潰しの程度は、穀物の粒が完全になくなるまでとする必要はなく、その後の混練工程で粒がなくなりさえすればよい。
【0015】
好適な実施の一形態として、前記澱粉のアルファー化は、前記小麦以外の穀物を抗酸化水で加熱することにより行うこともできる(請求項5)。このようにすれば、小麦以外の穀物の酸化を遅らせることができるほか、小麦以外の穀物を柔らかく炊き上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。
【0017】
本発明に係る小麦粉食品には、麺類(そば、うどん、ラーメン、スパゲッティ等)、パン、ピザ、マカロニ、ギョーザやシューマイの皮、菓子等、原料として小麦粉を用いる食品が広く含まれる。また、麺には、即席麺、乾麺、茹で麺、生麺、冷凍麺等、あらゆる態様のものが含まれる。小麦粉食品の具体的な種類によってその製品の組成や製法の具体的な部分は異なるが、共通する製品組成及び製法として、次の特徴が挙げられる。
【0018】
製品としての本発明の特徴は、小麦粉と、小麦以外の穀物と、を含む小麦粉食品であって、前記小麦以外の穀物が加熱され且つ粒がなくなるまで潰れた状態で前記小麦粉中に均等に存在していることである。
【0019】
一方、製法としての本発明の特徴は、小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することである。この製法は、小麦粉及び水とともに混練することにより、前記小麦以外の穀物の粒を十分になくすることができるほど、加熱後の小麦以外の穀物が柔らかくなっている場合に有効な方法である。したがって、加熱後の小麦以外の穀物の柔らかさが足りず、小麦粉及び水とともに混練するだけでは小麦以外の穀物の粒が十分に消失しないような場合には、この方法は適さない。その場合には、次の方法を採用する。
【0020】
その方法とは、加熱により澱粉がアルファー化された小麦以外の穀物を、予め粒がなくなるまで磨り潰し、その後、小麦粉及び水とともに混練することである。この製造方法も本発明の範囲である。
【0021】
本発明の製法と従来の種々の小麦粉食品の製法との大きな違いは二つある。一つは、小麦と水とを混練する際に、加熱済みの小麦以外の穀物(穀粉ではない)を加えるかどうか(従来は加えていないが、本発明では加える)である。二つ目は、小麦粉食品内において、加熱済みの小麦以外の穀物の粒が完全に潰れて粒が消失しているかどうか(従来は粒が残されているものがあるが、本発明では残っていない)である。これら二点以外の製造工程及び添加される副材料の種類や量等については、従来の製法とほぼ同じである。
【0022】
本発明において、小麦以外の穀物には、米(白米、玄米を問わない)、トウモロコシ、粟、稗、黍、そば等、小麦以外のあらゆる穀物が含まれる。小麦を除く理由は、小麦はグルテン生成の元となる蛋白質を含むために、一度加熱するとグルテンが硬化して弾力を失ってしまい、再度の加熱時にもろさが出て適さないからである。また、本発明において「加熱」とは、小麦以外の穀物に熱と水分とを与えることをいい、具体的には、煮ることや炊くことや蒸すことが含まれる。加熱することにより、小麦以外の穀物の澱粉がアルファー化されて柔らかくなる。また、本発明では、小麦以外の穀物は製粉せずにそのまま利用するので、製粉コストがかからず、製粉により従来生じていた澱粉破壊も避けることができる。さらに、穀物の全体をそのまま食することにより、様々な栄養素を自然にバランス良く摂取することができる。
【0023】
本発明に係る小麦粉食品を製造するに当っては、加熱された小麦以外の穀物と小麦粉とを混練する際に加えるべき水の量に注意を要する。その理由は、小麦以外の穀物を加熱する際に、小麦以外の穀物が水分を保持(吸収)するからである。よって、「従来の製法で小麦粉に加えていた水の量」から、「小麦以外の穀物が保持した水分量」を差し引いた量の水を小麦粉に加えることになる。ここで、「小麦以外の穀物が保持した水分量」は、小麦以外の穀物の重量を、加熱前と加熱後のそれぞれの時点で計測し、その差を求めることで算出できる。加熱後における重量増加分が、加熱による水分の増加分、すなわち、加熱により小麦以外の穀物が保持した水分量である。
【0024】
なお、小麦以外の穀物を加熱するための水の量や加熱時間は、穀物の種類や、加熱後において目標とする柔らかさ等に応じて、適宜に決定することができる。但し、本発明に係る小麦粉食品において、小麦以外の穀物の配合割合を多くする場合には、小麦以外の穀物を多めの水及び弱火で長時間加熱し、柔らかく、且つ、水分が飛んだ状態に炊き上げるのが好ましい。
【0025】
また、小麦以外の穀物を加熱するための水として抗酸化水を用いれば、小麦以外の穀物の酸化を遅らせることができるほか、小麦以外の穀物を柔らかく炊き上げることができる。また、小麦以外の穀物を加熱する水に、日本酒を3〜5%加えれば、当該穀物が柔らかくなる利点も得られる。
【0026】
加熱された小麦以外の穀物と小麦粉と水との混練は、手で捏ねることのほか、周知の混練機を用いて行うことができるが、インバーターを備えた超高速のミキサーを用いると好適である。
【0027】
本発明の効果は次の通りである。
【0028】
本発明に係る小麦粉食品は、栄養が豊富である。その理由は、第一に、小麦粉に加えて小麦以外の穀物も含まれているからであり、第二に、前記小麦以外の穀物が製粉工程を経ないので、澱粉の損傷が少ないからである。澱粉の損傷が少ないことは、小麦粉食品の具体例が麺である場合に、茹で伸びが遅いという効果となって表れる。また、生麺やパンでは乾燥しにくいという効果ともなって表れる。
【0029】
また、本発明によれば、小麦以外の穀物が加熱されることで澱粉がアルファー化しているので、水和がすすみ、食感がよく旨味も多い。アルファー化していることはさらに、小麦粉食品が麺である場合に、茹で時間が早いという効果となって表れる。茹で時間が早く、しかも前記の通り茹で伸びが遅いので、飲食店や家庭での麺類の調理提供に大変好都合である。
【0030】
さらに、本発明によれば、小麦以外の穀物の製粉コストがかからないので、安価に提供できる。
【実施例】
【0031】
次に、本発明の好適な実施例を紹介する。
【0032】
以下の実施例1〜4は、小麦粉食品としてのそば(日本そば)の例であり、小麦以外の穀物として、玄米を用いる例である。玄米は、白米に比べて栄養が豊富であり、また、精米コストもかからないので、好適である。
【0033】
<実施例1>
国産そば粉40重量部とつなぎ粉としての国産小麦粉44〜45重量部とを混合し、これに、柔らかく炊いて冷ました炊飯玄米43重量部(玄米10重量部、水分33重量部)を加えて混合する。そして、水7.5重量部を加えて全体を混練する。炊飯玄米に含まれている水分(33重量部)も入れれば、全体での水分は40.5重量部となる。こうしてできた生地を30分〜1時間寝かせ、手打ちで麺帯を作り、その後カットする。
【0034】
こうして得られた麺を食感官能検査(5段階評価:1=最悪、2=悪、3=普通、4=良い、5=優)したところ、製麺適正、麺の弾力性、つるみ、色調の変化、風味、旨み、経時変化、外見とも、ほぼ5(=優)の評価が得られた。
【0035】
<実施例2>
国産そば粉40重量部とつなぎ粉としての国産小麦粉44重量部とを混合し、これに、柔らかく炊いて冷ました炊飯玄米37.6重量部(玄米10重量部、水分27.6重量部)を加えて混合する。そして、水7.27重量部を加えて全体を混練する。炊飯玄米に含まれている水分(27.6重量部)も入れれば、全体での水分は34.87重量部となる。こうしてできた生地を30分〜1時間寝かせ、製麺機にかけて麺帯を作り、通常は1回のところを2〜3回複合する。その後30分熟成させた後にカットする。
【0036】
こうして得られた麺を食感官能検査(5段階評価:1=最悪、2=悪、3=普通、4=良い、5=優)したところ、製麺適正、麺の弾力性、つるみ、色調の変化、風味、旨み、経時変化、外見とも、ほぼ5(=優)の評価が得られた。
【0037】
<実施例3>
国産そば粉41.6重量部とつなぎ粉としての国産小麦粉45.7重量部とを混合し、これに、柔らかく炊いて冷ました炊飯玄米42.2重量部(玄米10重量部、水分32.2重量部)を加えて混合する。そして、水2.67重量部を加えて全体を混練する。炊飯玄米に含まれている水分(32.2重量部)も入れれば、全体での水分は34.87重量部となる。こうしてできた生地を30分〜1時間寝かせ、製麺機にかけて麺帯を作り、通常は1回のところを2〜3回複合する。その後30分熟成させた後にカットする。
【0038】
こうして得られた麺を食感官能検査(5段階評価:1=最悪、2=悪、3=普通、4=良い、5=優)したところ、製麺適正、麺の弾力性、つるみ、色調の変化、風味、旨み、経時変化、外見とも、ほぼ5(=優)の評価が得られた。
【0039】
<実施例4>
国産そば粉40重量部とつなぎ粉としての国産小麦粉44重量部とを混合し、これに、柔らかく炊いて冷ました炊飯玄米38.75重量部(玄米10重量部、水分29.9重量部)を加えて混合する。そして、水2.97重量部を加えて全体を混練する。炊飯玄米に含まれている水分(29.9重量部)も入れれば、全体での水分は32.87重量部となる。こうしてできた生地を30分〜1時間寝かせ、製麺機にかけて麺帯を作り、通常は1回のところを2〜3回複合する。その後30分熟成させた後にカットする。
【0040】
こうして得られた麺を食感官能検査(5段階評価:1=最悪、2=悪、3=普通、4=良い、5=優)したところ、製麺適正、麺の弾力性、つるみ、色調の変化、風味、旨み、経時変化、外見とも、ほぼ5(=優)の評価が得られた。
【0041】
前記各実施例のほかにも配合割合を様々に変えて麺を作成し、次の知見を得た。炊飯玄米の使用量は、玄米に換算して10%以上で20%以下が好ましい。そば粉は、玄米の使用に合わせて30%以上配合するのが好ましく、上限は50%までが良い。小麦粉の蛋白質の量を穀類全量に対して8%(+−0.2)以内に収めると良い。そば粉と炊飯玄米の比率を増やす場合は、つなぎ粉の蛋白量を増やすことと、炊飯玄米を軟らかく炊き、水分を少なくすることが好ましい。そば粉と炊飯玄米の比率を減らす場合は、つなぎ粉の蛋白量を少なくするのが好ましい。
【0042】
次に、本発明の別の実施例として、小麦以外の穀物として玄米を用いてパンを作る場合の、小麦粉と炊飯玄米と水と副材料の配合例を紹介する。本発明を製パンに適用する場合には、炊飯した玄米等の穀類の水分値と、小麦粉の蛋白量(グルテン量)を計り、パンの種類に合わせて必要量の加水を行う。また、粉類と炊飯玄米とがよく混ざり炊飯玄米の粒がなくなるように、材料のミキシング時間を、炊飯玄米なしの従来の場合よりも、2倍程度に長くする。ミキシング時間を長くすることにより、水和が良くなり、且つ、生地の伸展性も向上する。、
<実施例5>
国産小麦粉2,646.5gと炊飯玄米2,110.5g(玄米502.5g、水分1,608g)とを、副材料331g(補強用グルテン、米麹、イースト)とともに水345gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。これを4時間寝かせて中種ができる。
【0043】
この中種に、国産小麦粉1,287gと炊飯玄米1,039.5g(玄米247.5g、水分792g)とを、副材料1,065.5g(補強用グルテン、砂糖、塩、脱脂粉乳、バター、ショートニング)とともに水480gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。この生地を使用してパンを焼く。
【0044】
実施例5により製造されたパンは、乾燥の遅い、ぱさつきのないしっとりとしたパンであった。炊飯玄米を使用しない従来の国産小麦粉製パンと比べて、約2日乾燥が遅かった、味は、玄米の風味と国産小麦粉の旨みが合っており、非常によい。食感は、モチモチ感が出た。
【0045】
<実施例6>
外国産強力小麦粉2,747.5gと炊飯玄米2,195.5g(玄米502.5g、水分1,693g)とを、副材料230g(補強用グルテン、米麹、イースト)とともに水478gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。これを所定時間寝かせて中種ができる。
【0046】
この中種に、外国産強力小麦粉1,353gと炊飯玄米1,081.5g(玄米247.5g、水分834g)とを、副材料999.5g(補強用グルテン、砂糖、塩、脱脂粉乳、バター、ショートニング)とともに水580gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。この生地を使用してパンを焼く。
【0047】
実施例6により製造されたパンも、乾燥の遅い、ぱさつきのないしっとりとしたパンであった。ミミまでおいしく、トーストにすると、中はモッチリ外はカリッとしていた。
【0048】
<実施例7>
国産小麦粉78gと炊飯玄米72g(玄米15g、水分57g)とを、副材料48.5g(補強用グルテン、上白糖、黒糖、脱脂粉乳、塩、生イースト、天然酵母、ショートニング、米麹等)とともに水8gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。この生地を使用してパンを焼く。
【0049】
<実施例8>
外国産強力小麦粉84gと炊飯玄米72g(玄米15g、水分57g)とを、副材料42.5g(上白糖、黒糖、脱脂粉乳、塩、生イースト、天然酵母、ショートニング、米麹等)とともに水18gを加えて攪拌混合し捏ね上げる。この生地を使用してパンを焼く。
【0050】
実施例7,8のパンは、常温で40日の賞味期限の菓子パンである。いずれの例のパンも、乾燥の遅い、ぱさつきのないしっとりとしたパンであった。また、古くなった場合でも、レンジで10〜20秒加熱すると、焼きたての風味が再現できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉と、小麦以外の穀物と、を含む小麦粉食品であって、前記小麦以外の穀物が加熱され且つ粒がなくなるまで潰れた状態で前記小麦粉中に均等に存在している、小麦粉食品。
【請求項2】
前記小麦以外の穀物が玄米である、請求項1に記載の小麦粉食品。
【請求項3】
小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することを特徴とする、小麦粉食品の製造方法。
【請求項4】
小麦以外の穀物を加熱して澱粉をアルファー化させ、これを磨り潰し、前記小麦以外の穀物の粒がなくなるまで小麦粉及び水とともに混練することを特徴とする、小麦粉食品の製造方法。
【請求項5】
前記澱粉のアルファー化を、前記小麦以外の穀物を抗酸化水で加熱することにより行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載の小麦粉食品の製造方法。

【公開番号】特開2010−98955(P2010−98955A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270764(P2008−270764)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(504331417)
【Fターム(参考)】