少なくとも部分的に繊維材料を使用してニットウェアを製造するための丸編み機
少なくとも部分的に繊維材料を使用して編み物品を製造するための丸編み機が説明されている。この丸編み機は個々の編みシステム(6)と関連付けられてスライバ(10)、フライヤフレームスライバなどを供給し、けん切(attenuate)するドラフティングデバイス(8b)および前記ドラフティングデバイス(8b)に動作可能に接続されたドライブユニット(28)を備えている。本発明によれば、ドラフティングデバイス(8)が仕切りと取り付け壁(26)の下方に配置され、ドライブユニット(28)が仕切りと取り付け壁(26)の上方に配置され、これらをファイバタイト状の構成で分離し、そこでは、ドライブユニット(28)は、仕切りおよび取り付け壁(26)を通してドラフティングデバイス(8b)のドラフティングローラ(35、36)に結合されている(図3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載したタイプの丸編み機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの公知丸編み機(例えば、特許文献1)は、従来のヤーンではなく、編み目形成のためにストレッチした繊維材料からなる糸を支配的または排他的に使用することを特徴としている。これらの繊維材料は、編みシステム(knitting system)と関連付けられたドラフティングデバイス(drafting device)による編み目形成の前に直接にストレッチされており、編みシステムにはフライヤフレームスライバ(flyer frame sliver)、ドラフタスライバ(drafter sliver)などが開始材料(starting material)として供給されている。必要ならば、これらの繊維材料は、ドラフティングデバイスと編みシステムの間でスピニングデバイス(spinning device)によって真性撚り(genuine twist)もつ仮ヤーン(temporary yarn)に変換することができ、センシティブな繊維材料を長距離にわたって移送し、仮撚り(false twist)効果の結果として編み目形成の前に再び見えなくすることも可能にしている。従って、編み目形成は、通常のヤーンによって達成されるのでなく、若干の撚りの有無に関係のない糸でもって達成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】PCT WO2004/079068明細書
【特許文献2】PCT WO2004/079068 A2明細書
【特許文献3】PCT WO2007/093166明細書
【特許文献4】PCT WO2007/093164明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記タイプの丸編み機には、次のような問題がある。すなわち、フライヤフレームスライバ、ドラフタスライバなどの処理の結果として、大量の毛羽(fluff)が編みシステムの個所に形成され、これは飛散繊維、汚れた粒子などが関係している。このことは、繊維材料が純正コットンまたは便利な繊維混合物から作られているかどうかと無関係である。その結果、これらはほぼ露出しているため、特にドラフティングデバイスの駆動に使用されるドライブユニットは急速に汚れる傾向があるので頻繁なクリーニング作業を行なう必要があり、このことは編みプロセスの妨げとなっている。あるいは、比較的複雑な設計が要求されるため、必要とする操作と保守作業がより困難になっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を出発思想として、本発明の基礎となっている技術的課題は、ドライブユニットだけでなく、丸編み機のほぼ混乱のない操作が比較単純な手段でもっと保証されるように前記タイプの丸編み機を構成することである。さらに、ドラフティングデバイスのための安価なドライブシステムが提案されている。
【0006】
上記目的は、請求項1に記載した特徴を備えた丸編み機、すなわち、機械軸を横切るように配置されたにファイバタイト(fiber tight)状の仕切り壁が設けられ、ドラフティングデバイスは前記仕切り壁の下方に配置され、ドライブユニットは前記仕切り壁の上方に配置され、ドライブユニットは前記仕切り壁を通して関連のドラフティングローラに結合されていることを特徴とする丸編み機によって達成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、底部に位置し、望ましくない繊維毛羽の発生の原因となるドラフティングローラを、仕切り壁の上方に配置されたドライブユニットから仕切り壁でファイバタイト状に分離することにより、ドライブユニットが飛散繊維などから最適に保護されるという利点が得られる。さらに、仕切り壁は同時に取り付け面ともなるので、繊維供給、特にドラフティングデバイスとそのドライブユニットのすべての重要な構造部品をそこに取り付けることができる。仕切り壁が通常の作業エリアの上方、特に丸編み機の編みシステムの上方の高さに配置されている場合には、特に、ドラフティングデバイスがオペレータの手の届く範囲内に位置していても、ドラフティングデバイスが丸編み機で作業するオペレータの妨げとならないという利点がある。
【0008】
本発明のその他の利点のある特徴は、請求項1以降の請求項に記載されている通りである。
【0009】
本発明は、添付図面と関連付けて例示の実施形態を参照して以下に詳しく説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】少なくとも部分的に繊維材料を使用して編み物品を製造するためのすでに提案されている丸編み機を示す概略縦断断面図。
【図2】図1に図示の丸編み機を示す平面図であり、そこでは補助糸が省かれ、スピニングデバイスが組み込まれている。
【図3】本発明による仕切り壁を備えた丸編み機を示す概略縦断断面図。
【図4】図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図。
【図5】図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図。
【図6】(a)、(b)は、図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図である。
【図7】(a)は、図3に示す仕切り壁に接続可能であるドラフティングデバイス要素の挿入分の第1の実施形態を示す斜視図、 (b)は挿入部品の第2の実施形態を示す斜視図、(c)は挿入部品の第2の実施形態を示す平面図。
【図8】本発明による接線ベルトドライブを示す概略平面図。
【図9】図8に示す接線ベルトドライブのプーリを示す図、 (a)、(b)は図9に図示のプーリと関連付けられた補助ローラを示す図。
【図10】(a)は図3に示す仕切り壁のセグメントを、第1の変形実施形態に従ってそこに取り付けられた一部のドラフティングデバイスから見た底面図、 (b)は第2の変形実施形態による図10(a)に対応する図。
【図11】(a)は図10(a)に図示のセグメントを示す概略平面図であり、そこでは、垂直におよびセグメントの下方に配置されたドラフティングローラとギア部品は鎖線で示され、水平ローラは省略されている、 (b)は第2の変形実施形態による図11(a)に対応する図。
【図12】(a)はドライブユニットおよび図11(a)に示すギア部品を示す概略斜視図であり、そこでは仕切り壁セグメントが省かれている、 (b)は第2の変形実施形態による図12(a)に対応する図、 (c)は図10(a)乃至図12(b)に図示のドラフティングデバイス構成の供給ローラペア用のドライブユニットを示す前面図、 (d)は図12(a)中の矢印u方向における図10(a)乃至図12(b)に示すドラフティングデバイス構成の折り畳みゾーンのドラフティングローラ用のドライブユニットを示す側面図、 (e)は図10(a)乃至図12(a)に示すドラフティングデバイス構成の別のローラペア用のドライブユニットを示す図12(d)に対応する側面図、 (f)は図10(a)乃至図12(b)に図示のドラフティングデバイス構成の後退ローラペア用のドライブユニットを示す前面図、 (g)は図12(b)中の矢印vの方向における図10(b)乃至図12(b)に示すドラフティングデバイス構成の折り畳みゾーンのドラフティングローラ用のドライブユニットを示す側面図であり、そこでは実際には見えない平歯車(spur wheel)が図面の平面上から90度回転して示されている。
【図13】図3に示す丸編み機の完全な仕切り壁を示す平面斜視図であり、そこにドライブユニットが取り付けられている。
【図14】図13に対応する図であるが、ドライブユニットを被覆しているカバリングが仕切り壁に取り付けられたあとの図である。
【図15】本発明による仕切り壁セグメントの第2の例示実施形態を示す底面図であり、そこにはドラフティングデバイスペアが仕切り壁セグメントに取り付けられている。
【図16】本発明による仕切り壁セグメントの第2の例示実施形態を示す平面図であり、そこにはドラフティングデバイスペアが仕切り壁セグメントに取り付けられている。
【図17】図15および図16に示す多数の隣接セグメントを示す平面図である。
【図18】図15および図16に示す仕切り壁セグメントを示す側面図である。
【図19】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図20】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図21】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図22】図3に図示の仕切り壁に接続されたノズルアセンブリを示す側面図である。
【図23】図3に図示の仕切り壁に接続されたノズルアセンブリを示す平面図である。
【図24】ノズルアセンブリの第2の例示実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1および図2は、編みニードル3が移動可能に配置された回転可能ニードルシリンダ2を装備した丸編み機1を示す概略図である。丸編み機1の前面または丸編み機1を取り巻く個所に、作業エリアが概略図で示され、そこにはオペレータ5が通常の作業期間の間丸編み機1に位置している。丸編み機1の高さは、カム部品(図示せず)から形成された複数の編み目形成または編みシステム6(なお、図1にはその1つだけが示されている)がオペレータ5の手が届く範囲内に位置するような寸法になっているのが通常である。ここで「手が届く(reach)」という用語は、好ましくは、地面などの上の特に人間工学的に都合のよい距離に配置され、そこに丸編み機1およびオペレータ5が立っている個所を意味するものと解する。
【0012】
本発明の範囲内に属する丸編み機1は所謂紡糸/スピニング編み機(spinning/knitting)として構成されている。各編みシステム(knitting system)はドラフティングデバイス(drafting device)8が関連付けられており、ケンス(can)9から取り出したスライバ、供給コイルから取り出したフライヤフレームスライバ(flyer frame sliver)またはその他の繊維材料10がそこに供給されている。この繊維材料10は、それ自体が公知であるようにドラフティングデバイス8で糸11にけん切(attenuate)され、好ましくは糸ガイド12によって編み目形成のための編みニードル3に供給されている。さらに、補助糸(auxiliary thread)が参照符号14で示されており、編み地(knitted fabric)に、例えば、添え糸(plating thread)または弾性糸が追加的に供給される場合には、補助糸も糸ガイド12に供給可能になっている。
【0013】
上述したタイプの編み目形成機械は、例えば、特許文献2からこの分野の精通者に公知である。なお、特許文献2の内容は重複するのを防止するために参照によって本明細書の主題の一部になっている。
【0014】
特許文献3に提案されている別の従来丸編み機によれば、ドラフティングデバイス8は、編みシステム8と同様に、丸編み機1で作業するオペレータ5の手の届く範囲内にあるが、オペレータの上方に位置するように配置されている。この目的のために、ドラフティングデバイス8は、例えば、支持リング15に固定され、支持リング15は、支柱16によって丸編み機1のベースプレートまたはカムプレート17上に支持されている。さらに、その配置は、ドラフティングデバイス8のドラフティングローラ18の3または4以上のペアによって形成されたニップライン(nip line)が垂直面に位置するようになっている。これは、ドラフティングローラ18の軸を取り付け状態または使用状態にあるとき垂直に配置することによって達成されている。ドラフティングデバイス8が作業エリア4からオペレータ5が手に届くようにするだけでなく、全体を分解しなくても保守および/または修理が容易化されることを確実にするために、ドラフティングデバイス8は、その所謂上部ローラ18a(図2)をプレスアーム(press arm)19に取り付けることによって少なくとも部分的にオープンすることを可能にし、このプレスアーム19は、従来の手法とは異なり、上部にではなく側面に置かれ、例示した垂直ピボット軸20の周りを矢印vの方向にピボット回転可能になっている。
【0015】
図2に示すドラフティングデバイス8とニードルシリンダ2の周辺との間隔が大きい場合でも糸11が確実に編みニードル2に挿入されるようにするために、好ましくは、図2に示すようにドラフティングデバイス8と糸ガイド12の間に追加のスピニングデバイス21が設けられている。上記の特許文献から公知であるように、これらのスピニングデバイスは、例えば、撚り要素(twist element)22の形体をした少なくとも1つのスピニングノズルおよびそこに接続されたスピニングチューブまたは移送チューブ23を備えている。スピニングデバイスの目的は、第一に、ドラフティングデバイス8から排出された糸11を真性撚り(genuine twist)をもつ仮ヤーンに変換することであり、仮ヤーンは所謂仮撚り効果(false twist effect)のためにスピニングチューブ23の終端と編みシステム6の間で再び解放される。
【0016】
ドラフティングローラ18は直立しているので、円に配置され、ニードルシリンダ2の直交方向に延びている駆動ベルトによって簡単に駆動することができる。このために必要なことは、図示の3つのローラペアの各々の所謂下部ローラのシャフトに、例えば、その上端にそれぞれの歯付きプーリを設けることだけであり、これについては以下で詳しく説明する。
【0017】
最後に、図1および図2の例示実施形態によれば、そのローラ18が同軸方向に一方が他方の上になるように2またはそれ以上のドラフティングデバイス8を配置することにより、特別な利点が得られている。このように多重または二重のタンデム設計になっている結果、周辺方向にドラフティングデバイス用に必要なスペースを半分にすることも、あるいはさらにスペースを減少することも可能であるが、これは、このようなケースでは、2またはそれ以上の糸を、図1に2本の糸11で示すように、各ドラフティングデバイスセグメントから隣接編みシステム6に案内することができるからである。その結果、ドラフティングデバイスのパッケージ密度(package density)を二倍またはそれ以上にすることができる。
【0018】
図3は、図1および図2に示す丸編み機1と同様に、例えば、ダイヤルに配置された追加の編みニードル25によって概略図で示すように、第2のニードル列を備えることもできる丸編み機を示す図である。断りがない限り、図1および図2と同様に、図3では同じ部品に同じ参照符号が付けられている。
【0019】
本発明によれば、支持リング15の代わりに、または支持リング15に加えて、図3に示す丸編み機1は仕切り壁(partition wall)26を有し、これは、同時にニードルシリンダ2(図1)の回転軸を形成し、一般に垂直方向に延びている機械軸27に交差し、好ましくは直交して配置されると共に、この機械軸に同軸に都合よく配置され、例えば、パネルの形状に構成されている。以下に詳しく説明されているように、ドラフティングデバイス8は仕切り壁26の下方に機械軸27の周りに分布され、他方、仕切り壁26の上方には、ドラフティングローラを駆動するために必要なドライブユニット28、および必要ならば、毛羽を除去するためのブロワーおよび吸引システムの要素および/またはスピニングデバイス用のノズルアセンブリも配置されている。仕切り壁26は、ドラフティングデバイス8からドライブユニットをファイバタイト(fiber-tight)に分離する働きをするように構成または配置されている。ここで、「ファイバタイト(fiber-tight)」という用語は、ドラフティングデバイス8によって発生した繊維、毛羽、汚れた粒子などが、仕切り壁26の結果としてドライブユニット28に近づかないように保たれ、仕切り壁26に設けた開口を通過してドライブユニットに達しないことを意味している。従って、仕切り壁26は、好ましくは存在するすべてのドラフティングデバイスをその突起でカバーしている。さらに、仕切り壁26は上記に挙げた構造要素の取り付け壁にもなっているが、以下では、簡略化のために、仕切り壁とのみ言うことにする。
【0020】
仕切り壁26は、例えば、ベースプレートまたはカムプレート17を含む丸編み機の機械フレームに取り付けられている(その詳細は図示していない)。図1と同じように、機械軸27の周りに分布された複数の支柱は、好ましくはベースプレート17から突出し、支持リングを支持し、そこに仕切り壁26またはその多数のセグメントが取り付けられている。代替的にまたは付加的に、機械軸27から半径方向に離れた個所において、仕切り壁26は別の支柱29によって地面7上に支持可能になっているため、ドラフティングデバイス28およびそこに取り付けられたドライブユニットの重量を吸収しやすくしている。その他の場合には、仕切り壁26は1部品で構成することができ、例えば、機械軸27に同軸状に配置された好ましくは円形パネルとして、または機械軸27に同軸状に配置されたリング、特に円形リングとして構成することも、円錐構成にすることも可能である。
【0021】
機械軸27に対して角度をなして配置された仕切り壁26も可能である。しかし、代替的に、機械軸27を取り巻き、相互に対してファイバタイト状に隣接した多数のセグメントからパネルまたはリングを組み立てることも可能であり、これらのセグメントは好ましくは同じ構成になっていて、各々が関連ドラフティングデバイス8または関連ドラフティングデバイス構成を支持している。説明を簡単にするために、これらの可能な例示実施形態はすべて、「機械軸に直交して」という表現で表され、請求項にもそのように記載されている。
【0022】
さらに図3に示すように、仕切り壁26は、好ましくは、その上方側に好ましくはフード形状のカバリング30を備えており、このカバリングはファイバタイト状に仕切り壁に取り付けられ、仕切り壁と共に、リング形状のファイバタイトに密閉されたハウジングを形成してドライブユニット28を受け入れ、これらが仕切り壁28の内外の周囲に飛散する繊維によって汚れないようにしている。仕切り壁26がリング形状の場合は、カバリング30は、ファイバタイトエリアを形成する別のカバー要素31、32によって機械軸27の方向に補強することができる。この場合には、補助糸14は、例えば、それぞれのチューブ33によってこのエリアを通るように編みシステム6に案内される。
【0023】
ドラフティングデバイス8およびスピニングデバイス21は、好ましくは、同軸状に配置されたチューブ34a34bを備えた関連の中央吸引構成34を備え、この中央吸引構成34は参照符号puで図示した吸引デバイスに接続され、カバー要素31、31間のエリアに接続している。
【0024】
吸引チャネル34cはチューブ34aから吸引を受けるドラフティングデバイス8のローラに通じている。抽出された繊維は、例えば、カードによって循環材料としてプロセスに再び供給される。
【0025】
チャネル34dをもつ中央吸引構成のチューブ34bも、一方のスピニングシステムから次のスピニングシステムに移る個所でスピニングデバイス21のスピニングチューブから排出されたすべての廃棄物をピックアップしている。この廃棄物は外皮(shell)部分とスピニング不能の短繊維からなっている。これらはリサイクリングされない。
【0026】
中央吸引構成34のチャネル34a、34bは同心状に配置されているので、半径方向に延びたすべての関連吸引チャネル34a、34dはそのカテゴリ内において同じ真空条件になっている。
【0027】
繊維を案内するドラフティングデバイス8は仕切り壁26の下側に取り付けられている。図3に概略図示するように、図1および図2とは対照的に、これらは水平配置のドラフティングローラ35および/または垂直配置ドラフティングローラ36を備えている。プリドラフティングフィールド(pre-drafting field)の水平ドラフティングローラ35は、好ましくは、1または2以上の、好ましくはプルアウト(pull-out)ドラフティングデバイスハウジング37内に回転可能に配置されており、これらのハウジングは、好ましくは、ねじ、差し込みクロージャ(bayonet closure)などによって容易に取り外せるように仕切り壁26に取り付けられている。これとは対照的に、メインドラフティングフィールドの垂直ドラフティングローラ36は、例えば、シャフトまたはシャフト端39を備え、これは仕切り壁26から直交方向に突出し、仕切り壁26の上方に位置し、そこに取り付けられたベアリングに回転可能に配置されている。代替的方法として、シャフト39は、図3に概略図示し、以下に詳しく説明するように、仕切り壁26から突出するカップリング要素40によってドライブユニット28の関連ドライブ要素に接続することが可能である。
【0028】
図4乃至図6は、例えば、仕切り壁26に選択的に接続可能な異種タイプのドラフティングデバイスを示している。なお、当然に理解されるように、代替的に他のタイプのドラフティングデバイスを設けることも可能になっている。
【0029】
図4は、フライヤフレームスライバの処理で使用されるような単純な3ローラドラフティングデバイスを示しており、そこではスライバは仕切り壁26に取り付けられたフィーダ(feeder)43によって矢印wの方向にドラフティングデバイスに供給されている。図4にはそれぞれのローラ44、45および46の1つだけが示されているが、繊維材料を案内するドラフティングローラのペアI、IIおよびIIIは、仕切り壁26に張り出している。すなわち、ドラフティングローラ44、45および46はそれぞれのベアリングポイント(図示せず)から下方に自由に突出している。中間部品47によって形成された繊維ガイドチャネルはペアIとIIの間に置かれて、繊維材料を通しやすくなっているのに対し、中央ローラ45と共にエプロンアセンブリを形成する標準的エプロン48を使用する繊維ガイド手段はペアIIとIIIの間に設けることが可能になっている。エプロン48と関連付けられた逆転レールまたは偏向要素は別々に示されていない。
【0030】
ドラフティングローラ44−46を駆動するのに必要なドライブユニットは、その上方に仕切り壁26に取り付けられ、仕切り壁26を通して関連ドラフティングローラ44、45および46に動作可能に接続されている。特に、仕切り壁26を通り抜けるドライブシャフト49は回転可能に仕切り壁26上に配置され、前記ドライブシャフトは仕切り壁26の上方に平歯車50を備え、仕切り壁26の上方または下方で供給ローラペアIの駆動側(下部)ローラに結合されている。好ましくは同じく仕切り壁26から突出していて、中央ローラペアIIの下部ローラを形成しているドラフティングローラ用の別のドライブシャフト51には、平歯車52が取り付けられ、プーリがその上方に位置する平面上に取り付けられている。最後に、プーリ55が、例えば、仕切り壁26から突出したドラフティングローラ46用の別のドライブシャフト54に取り付けられており、このドラフティングローラは後退ローラペアIIIの下部ローラになっている。プーリ53は、例えば、第1のドライブベルトによって駆動され、プーリ55は第2のドライブベルト(同じく図示せず)によって駆動される。なお、これについては以下に詳しく説明されている。平歯車50、52は変速ギア(図示せず)とかみ合っているので、第1のドライブベルトは供給ローラ44を同時に駆動し、平歯車50、52の歯数を選択することによって、事前選択のプリドラフトをローラペアIとIIの間に発生することができる。代替的に、2つの平歯車50、52は、連続歯付きベルトによって結合され、これらが同じ回転方向に駆動されることも可能である。図4に図示していないローラペアI、IIおよびIIIの上部ローラは、例えば、通常のプレスアーム(例えば、図2中の19)に配置され、スプリング力などによって下部ローラ44、45および46を押し付けられているので、上部ローラは摩擦によって下部ローラによって回転されるようになっている。
【0031】
図5は、図1および図2における同じように構成されたダブルの3ローラドラフティングデバイス8aの詳細を示す図である。これが図4に示すものと異なる主な点は、3つのドラフティングローラペアI、IIおよびIIIが各繊維材料ストランド(strand)用の2通路を形成し、その2通路は2つの重なり合った平面上で仕切り壁26の下方を走行していることである。この目的のために、一方が他方の上になるように置かれた2つのフィーダ43a、43bが仕切り壁26に取り付けられ、他方、仕切り壁26に垂直および直交方向に立っているドライブシャフト49、51および54自体は、それぞれ、一方が他方の上に同軸状に配置された2つのドラフティングローラ44a、44b、45a、45bおよび46a、46bに結合されている。さらに、エプロン48a、48bを設けることが可能であり、その各々は中央ローラ45a、45bと一緒にエプロンアセンブリを構成している。その結果、ドラフティングデバイスから排出された繊維材料は、例えば、2つのスピニングデバイス21aと21bによって丸編み機の隣接編みシステム間に供給されている。
【0032】
破線で示すように、エプロンアセンブリは共通挿入部品56に配置されており、共通挿入部品は、通常は、丸編み機の操作期間に仕切り壁26に取り付けられているが、好ましくは解除が容易である取り付け要素を取り外したあと、矢印wの方向に編みデバイス8aから下方に引き出すことが可能になっている。概略図示のカップリング40がさらに示すように、駆動されるエプロンアセンブリがそこに置かれているシャフトは、その上方に位置し、プーリ53を備えた同軸状配置のドライブシャフト51から挿入部品56が抜き出されるとき切り離すことができる。このように構成されていると、定期的に必要になるエプロン交換が容易化される。
【0033】
後退ローラ46a、46bに隣接して、好ましくは、基本的に閉じたハウジングからなるノズルアセンブリ59があり、そこには後退ローラ45a、46に吹き付けることを目とし、下述するエアノズル、さらにはばら繊維(loose fibers)用の抽出チャネルおよびスピニングデバイス21a、21b(図2参照)の空気圧撚り要素22a、22b用のエアサプライが別の機能部品として収容されている。ノズルアセンブリ59は下方に取り外し可能な挿入部品として構成することも可能であり、これは容易に取り外せるように仕切り壁26に接続されている。
【0034】
後退ローラ46a、46bは、同じように挿入部品に配置することも可能であり、この挿入部品は別のカップリングでもってドライブシャフト54に接続され、またはドライブシャフトから切り離されている。これとは対照的に、後退ローラは図2と同じように、丸編み機の機械軸27(図3)から半径方向に大きく離れているので、ペアIの被駆動ローラは、好ましくは、サイドに軸支可能であって、2つの個別プレスアームで置換可能でもある共通プレスアーム(図示せず)上に置かれている。
【0035】
図6aに示すドラフティングデバイス8bの例示実施形態は図3に示すものとほぼ同じであるが、図5に示すものと異なるのは、4ローラの折り畳み(folding)ドラフティングデバイス(folding drafting device)として構成され、これが、好ましくは、ドラフタスライバを処理するために使用される点である。この目的のために、動作期間に水平になっている第1のペアIのドラフティングローラ61およびこれらと共に、プリドラフティングゾーンを形成し、同様に動作期間に水平になっている第2のペアのドラフティングローラ62は、挿入部品63の側壁に配置されている。図5に示す挿入部品56と同様に、挿入部品63は容易に切り離されるように仕切り壁26に取り付けられ、ドラフティングデバイス8bからも、仕切り壁26からも矢印zの方向に下方に引き出すことが可能になっている。このようにして、ペアIIIのドラフティングデバイス要素の後続のエプロンアセンブリの前面にあるエリアを完全に開放することが可能であり、そこに後退ペアIVのドラフティングローラ65が繊維材料の移送方向に接続している。ペアIIIとIVのドラフティングローラは、例えば、図5と同じように構成され、配置されており、メインドラフティングゾーンを構成している。ペアIIとIIIは折り畳みゾーンを構成し、そこではペアIIのドラフティングローラとペアIIIのドラフティングローラ間の間隔は、特許文献2の同一出願人の別の先行出願で提案されているように、第2のペアIIから出た繊維の流れが特徴的な方法でペアIIIに折り畳まれるように選択されている。
【0036】
ペアIIIとIVの駆動側(下部)ローラは動作期間に垂直に配置されているので、好ましくは、図5と同じように駆動される。第1の2ペアIとIIのドラフティングローラ61、62の軸は水平に配置されているので、これらは垂直ドライブシャフト49(図5)に対応するドライブシャフトによって直接に駆動することができる。従って、それぞれが、例えば、図3と図6に黒の三角で示す傘歯車(bevel gear)67とカップリング40は、ここでは平歯車(spur gear)50を備えたドライブシャフト66と下部ローラ62を支持している第2のペアIIのシャフト間に配置されている。従って、挿入部品63の引き出し時または挿入時、ドラフティングローラ62は、傘歯車67、カップリング40および平歯車50と52を介して駆動動作のためにドライブシャフト51とプーリ52に結合されている。同じように、下部ローラ61のシャフトは、傘歯車68とカップリング40を介してプーリ69を備えた垂直配置のドライブシャフト70に結合されている。その結果、仕切り壁26の上方に設けられたすべてのドライブシャフト51、54、66および70を垂直に配置することが可能になる。
【0037】
その他の場合は、図6に示すドラフティングデバイス8bは図5に示すドラフティングデバイスと同様にタンデムドラフティングデバイス(tandem drafting device)として構成され、これは重なり合う平面上にそれぞれ2つの同一ペアのドラフティングローラを、従って、2つの繊維材料ストランドをドラフティングするための2通路を備えている。さらに、図4と図6に示す中間部品47に対応する中間部品によって形成された繊維ガイドチャネルは、参照符号47aで示されている。
【0038】
図6bに示す例示実施形態が図6aに示す実施形態と異なるのは、挿入部品56と63が仕切り壁26上を移動可能ではなく、ピボット回転可能に取り付けられている点である。そのために、ピボットポイント134によって支持アーム132が仕切り壁26上にピボット回転(矢印a)するように配置され、ねじ133などによってそこに取り外し可能に取り付けられているそのピボットポイント134は仕切り壁26の下側に設けられている。さらに、ピボットポイント133によって支持アーム135が挿入部品63上にピボット回転(矢印b)するように配置され、ねじ136などによってそこに取り外し可能に接続されているそのピボットポイント134は挿入部品63の下側に設けられている。挿入部品56は、繊維の移送方向に挿入部品63から突出した支持アーム135の部分に取り付けられている。この構成は、ねじ133を緩めると、挿入部品63と56の両方が支持アーム132によって矢印aの方向に一緒にピボット回転するように選択されている。ねじ136を緩めると、さらにエプロンアセンブリ64がアクセス可能になっている。さらに、挿入部品56と63は共に相互に対して開くことが可能になっている。
【0039】
上記とは別に、図6aは、仕切り壁26に取り付けられたベアリング137−140を介してドライブシャフト51、54、66および70を回転可能に装着する例を、カップリング40の可能な構成(図5および図6)と共により明確に示している。この例示実施形態では、これらは、傘歯車67、68に走行する中間シャフト141、142の前端に置かれたカップリングピン75を一方の側に備えている。ドラフティングローラ143用のカップリングピン143も設けられている。他方の側には、カップリング40は、関連ドライブシャフト51、66および70の前端に構成されたカップリングピン75に適合したカップリングブシュ76を備えている。この構成は、さらに、矢印a、bまたは矢印x、zの方向に挿入部品56、63をピボット回転または移動させると、それぞれの関連カップリング部品75、76が自動的に分離またはかみ合うような構成になっている。
【0040】
ドライブシャフト51、66および平歯車ステージの平歯車50、52は、好ましくは、仕切り壁26に取り付けられたハウジング内にファイバタイトに配置されている。
【0041】
以上から理解されるように、図3乃至図6aに基づいて説明したドラフティングデバイス8、8aおよび8bは好ましい実施形態の例を示したにすぎない。代替実施形態では、他のドラフティングデバイス、特に5ローラのドラフティングデバイスを設けることも可能であり、この代替例では、関連のドラフティングローラが垂直に配置されているか、水平に配置されているかに関係なく、カップリング40(図5)と傘歯車67、68または類似の構成部品によってすべてのドライブシャフトを垂直におよび仕切り壁26のほぼ上方に配置することが可能になっている。
【0042】
ドライブシャフト54は、ドライブシャフト51と66に比べて構成が短くなっている。ドライブシャフト53はドライブシャフト51に比べて高速に回転するので、その運動に関係する運動エネルギが減少している。これにより、動作の混乱時の制動が容易になっている。
【0043】
本発明によるタンデム設計では、少なくとも2つのドラフティングデバイスは一方が他方の上に置かれ、仕切り壁26の上方に位置する共通ドライブ要素を備えている。
【0044】
図7aは、好ましくは図5に示す3ローラドラフティングデバイス用に使用される挿入部品56を示している。挿入部品56は前面にH形状のハウジング71を含み、これは、外側にねじ穴、ねじ溝穴72などをもつ長脚71aを備えている。ドラフティングローラ45a、45b(下部ローラ)はH形状ハウジング71のクロスバー71bに回転可能に配置されている。これらは、上部と下部にクロスバーに配置された弾性質の関連ドラフティングローラ73a、73(上部ローラ)を備えている。さらに、上部と下部のドラフティングデバイス用の偏向要素74(逆転レール)は調節可能にクロスバー71bに取り付けられて、エプロン48a、48bを公知のように案内している。
【0045】
図7aは、さらに、例えば、ドラフティングローラ45aまたはそのシャフトが隣接ドラフティングローラ73aまたはそのシャフトよりも軸方向に長く構成され、例えば、図6bによれば、四角または六角カップリングピン75を持つ脚71aの上側から突出していることを示している。図6bによれば、このカップリングピン75はカップリングピン75側に開いたカップリングブシュ76と一緒に働き、これはエプロンアセンブリと関連付けられたドライブシャフト51の下端に取り付けられ、同じく四角または六角になっていて、回転が固定した状態でカップリングピン75を受け入れることを目的としている。従って、例えば、図7aに示すように構成された挿入部品56が仕切り壁26から下方にピボット回転されるかまたは抜き出されたとき、図5および図6aに概略図示するカップリング40を表している部品75と76が自動的に相互から分離される。他方、この構成は、挿入部品56が仕切り壁26側に動かされたとき、カップリングピン75がカップリングブシュ76に入り込み、従ってエプロンアセンブリを関連ドライブシャフト51に接続するようになっている。挿入部品56が仕切り壁26を押し付けるように置かれた後、これは、例えば、協働する弾性的キャッチ要素または類似要素によって取り付けねじ133、136(図6b)で固定される。
【0046】
挿入部品をX方向に引き出すと、エプロン48a、48baは容易に交換し、逆転レールを調整することができる。
【0047】
図6aおよび図6bに示すタイプのドラフティングデバイスは折り畳みドラフティングデバイスであり、その挿入部品56、63は仕切り壁2から引き出されるか、ピボット回転するように構成されている。
【0048】
シングルタンデム設計とダブルタンデム設計の2つの設計が可能である。
【0049】
シングルタンデム設計の場合には、一方が他方の上に置かれた2つのドラフティングデバイスは共通ドライブ要素を有し、これらは仕切り面26の上方と下方に置かれている(図6a、6bおよび7a)。
【0050】
ダブルタンデム設計の場合には、一方が他方の上に置かれた2つのドラフティングデバイスは一方が他方の上に平行に置かれた2つのドラフティングデバイスを備え、ドラフティングデバイスアセンブリに結合され、このドラフティングデバイスアセンブリは仕切り壁26の上方と下方に置かれた共通ドライブ要素を備えている(図6a、図6b、図7bおよび図12)。
【0051】
図6aおよび図6bに示すシングルタンデム設計の場合には、図7aに示すような構造を挿入部品56として適用することができる。
【0052】
ダブルタンデム設計の場合には、例えば、図7bに示す構成を挿入部品56として使用することができる。これは十字形状のハウジング71を備え、図6bに示す使用のために設けられている。ハウジング71はねじ136によって挿入部品63(図6b参照)上の支持アーム135に接続されている。ねじ136を緩めると、挿入部品56はピボット回転することができる。ハウジング71の陰影を付けた部分は動作状態にあるとき仕切り壁26に当接している。
【0053】
それぞれのドラフティングデバイスはハウジング71の4象限(quadrant)に置かれている。ドラフティングローラ143は重複して存在し、それぞれエプロン48a、48b、逆転レール74などが割り振られている。
【0054】
ドラフティングローラ143はカップリング40を有し、このカップリングを介して仕切り壁26の上方のドライブ要素によってトルクが引き起こされている。
【0055】
図7cは図7bの平面図である。点線の円は、弾性的に当接する関連上部ローラを含むドライブシャフト−メイン後退ドラフティングフィールドを示している。これらの構造部品はベアリング138を介して仕切り壁26に接続されている。ハウジング71は図6bと同じようにドラフティングローラ143を収めており、ドラフティングローラ143は確動カップリング(positive coupling)40を介してドライブに接続されている。
【0056】
エプロン48bは図示のように、クランプ要素48c(図7c)でテンションが加えられている。調節可能な逆転レール74が追加的に設けられている。支持アーム135が示されている。
【0057】
メインドラフティングフィールドの入口側のドラフティングローラ143は2つの平歯車50と52を介して相互に接続されている。これらの平歯車50と52は仕切り壁26の上方に配置されている(図12aも参照)。
【0058】
挿入部品56は仕切り壁からピボット回転することができる。その結果、エプロン48aは逆転レール74と共に、自由にアクセス可能になっている。エプロン48a、48bの交換および逆転レール74の調節も、容易化され、または可能にされている。
【0059】
上述したドラフティングデバイスは、ドラフティングデバイスの場合の通常の方法で駆動することができる。例えば、図3−図6bに示す各ドラフティングデバイスに下部ローラが異なるごとに別のドライブモータを設けることが可能である。図3、6aおよび6bでは、そのためにはそれぞれ3つのドライブモータが必要になり、図4と図5では、それぞれドラフティングデバイスごとに2つのドライブモータが必要になるため、マルチシステムの丸編み機の場合には比較的高価になる。丸編み機のすべてのドラフティングデバイスのプーリを、ドライブモータとすべての関連プーリを接線方向に取り巻くドライブベルトを備えたそれぞれの接線ベルトドライブによって一緒に駆動すると、相当の節減が可能になる(例えば、特許文献3の図11)。しかし、その結果として、非常に多数のドラフティングデバイスが存在するために、関連のプーリ50、53、55および69がそれぞれ、これらのプーリに当接する接線ベルトによってのみ比較小さな巻き付け角(angle of wrap)で巻き付けられるという問題点がある。
【0060】
さらに、接線ベルトは、これらが複数回偏向され、そのために交互の曲げ運動を受ける場合には、プーリの一部にだけ当接する可能性がある。しかし、これは、通常のドライブベルト、例えば、歯付きベルトとして構成されたドライブベルトを使用するとき、特に高速の周辺速度が必要であり、高トルクを伝達する必要がある場合には、歯付きベルトはその結果として磨耗が早くなるので望ましくない。従って、特に好適で、現在最良と考えられている本発明の例示実施形態によれば、図8−図12に示すドライブユニットが設けられている。
【0061】
図8は、円状に配置された多数のプーリ77を示し、そこでは、例えば、機械軸27の周囲に分布されたすべてのドラフティングデバイス8(図4−図6a)のプーリ53、55または69が関係している。これらのドライブシャフト49、51および54は垂直に配置されているので、図8に示すこれらシャフトまたはプーリ77はすべて1つの同一平面上に配置することができる。ドライブシャフト78がいま、これらのプーリ77およびドライブモータ80の出力シャフト上に置かれているドライブプーリ79に接線方向に当てられた場合には、図8の結果として図8に参照符合81を付けたプーリの一部は、これが複数回偏向されなければ、ドライブベルト78が接触しないことになる。この問題点を回避するために、少なくとも図9に対応するプーリ77はダブルプーリとして構成され、このダブルプーリは、図8に実線で示したドライブベルト78および図7と図8に鎖線で示した第2のドライブベルト83に当接すために軸方向に一方が他方の上に置かれた2つのセクション77aと77bを有している。従って、例えば、図8と図9に示す第1のドライブシャフト78はプーリ77のセクション77aとプーリ79に接線方向に当接するように置かれ、他方、第2のドライブベルト83はプーリ77のセクション77bに、さらにセクション77bと同じ平面上に置かれたプーリ81に、およびテンションローラ84にも接線方向に当接するように置かれている。その結果、プーリ81も、ドライブシャフト78および/または83を交互に曲げなくとも接線方向に駆動することが可能になっている。代替的に、当然であるが、プーリ81もプーリ77と同じように構成することが可能であり、その場合には、2セクション77a、77bの一方は自由のままになっている。さらに、2セクション77a、77bは同一シャフトに置かれる2つの個別プーリによって形成することが可能である。
【0062】
図8と図9に示す上述した構成の結果、丸編み機が30インチおよびそれ以上の径のニードルシリンダおよび非常に多数の編みシステムを備えている場合でも、例えば、90度の十分に大きな巻き付け角度でドライブプーリ79の周囲に第1のドライブベルトを置くことが可能になる。これとは対照的に、プーリ77と81は、例えば、比較的小さな10度の角度だけで巻き付けられている。これは、少なくとも、例えば、図4−図6においてプーリ55と69に加わる既存ペアリング摩擦に克服する必要のあるプーリについては十分である。このことが特に適用されるのは、マルチシステムの丸編み機の場合には、第2のドライブベルトが接線方向に非常に多数のプーリ77に当接しているのに対し、それによって駆動されるプーリ81の数が比較的少ないからである。
【0063】
例えば、関連ドラフティングローラ(例えば、45)を直接に駆動するだけでなく、歯車50、52(図4−図6)を介して隣接ドラフティングローラ(例えば、44)および/またはエプロンアセンブリ(例えば、図6中の64)も駆動する必要のある、または傘歯車によって活動状態のあるプーリ53に関しては、好ましくは使用されるドライブベルト78、83が以前にそうであったように上昇する傾向がある高い制動運動が発生することがある。このような場合には、ドライブベルト78、83の歯とそれぞれのプーリの歯の間に相対運動が起り、これは急激なジャーク(jerking)運動を引き起こし、あるいはドライブユニットを停止させる原因になることもある。図8に示すドライブユニットの好適な変形実施形態では、従って、それぞれのプーリの各々が関連補助ローラまたはコンタクトローラ85を備えるようになっており、このローラ85は外側から歯付きベルト78と83に当接し、これらをそれぞれプーリ77と81に押し付けている。必要ならば、補助ローラ85は、プーリ77と同様に、図9の意味におけるダブルローラとして構成することができる。さらに、補助ローラ85は、好ましくは、これがそれぞれのプーリ77(図9a)に当接している正確な個所でそれぞれのドライブベルトに置かれているか、あるいは短距離に位置している(例えば、多くても2歯分だけ)個所(図9b)に置かれて、前記損傷を引き起こす交互の曲げ運動を防止している。補助ローラ85はプーリの歯とドライブベルトがかみ合ったままにすることを保証するだけであるので、一般的に、補助ローラ85を半径方向に短距離で、すなわち、直接に接触することなくプーリ77、81に向き合わせるだけで十分である。
【0064】
図10a−図12aおよび図10b−図12bは、台形(trapezoid)の仕切り壁セグメント26aを、関連ドライブユニットを含むこのセグメント26a上に装着されたドラフティングデバイス構成の2つの変形実施形態と共に示している。図10a−図12aに示すドライブユニットが図10b−図12bに示すドライブユニットと異なっているのは、駆動トルクがドラフティングデバイス要素に伝達される点にある。ドラフティングデバイス要素の繊維案内部分の機能は両方の変形実施形態の場合も同じである。セグメント26aは両側縁86aと86が同じ長さで、内縁86cが短く、内縁は半径方向の内側に位置し、これに向き合う位置にある外縁86dは長くなっている。これらの縁86−86dは、多数のセグメント26aがケーキの断片のように相互に隣り合う位置にあり、機械軸27(図3)の周囲に置かれ、相互に接続されて、周辺方向にほぼ閉じたリングを形成されるように相互に接続できる寸法になっている。これは、隣り合う2つの部分的セグメント26および26cで図10aおよび図10bに示されている。個々のセグメント26a−26cの間には、必要ならば、好ましくは小さなファイバタイトギャップが残っているため、これらのセグメントは一緒になってファイバタイト仕切り壁を形成し、これはドラフティングデバイスとドライブユニットの間のエリアを完全にカバーしている。
【0065】
図12a、12bに関連して図10a、10bの底面図が示すように、各セグメント26aはドラフティンデバイス構成を有し、これは図6a、図6bに従って構成された2つのドラフティングデバイス8bから構成されているが、図10a、10bによる底面図では2つの下部ローラペアだけが示されている。従って、各ドラフティングデバイス8bは2ペアIの供給ローラ61を含み、これらは別の2ドラフティングローラペアIIのローラと共にそれぞれのプリドラフティングゾーン(6−10折り畳みドラフト)を形成している。そのあと、それぞれのエプロンアセンブリ64が続き、これはペアIIのドラフティングデバイス62と共に折り畳みゾーン(10%折り畳み)を形成しているが、図面を単純化するために、図12a、12bにはドラフティングローラ88だけが示され、関連エプロン89(図10a、図10b)は示されていない。後退ローラ65は終端を形成し、これらの各々はエプロンアセンブリ64とそのあとに続く可能性のあるノズルアセンブリ59と共にメインドラフティングフィールド59(例えば、20−30折り畳みドラフト)を形成している(各ケースにおいて図6参照)。特に図12aと図12bが示すように、各々のセグメント26aについて、2つのかかるドラフティングデバイス8bは相互に隣り合うように接続され、4つの編みシステムに必要な繊維材料を供給するドラフティングデバイスを構成すると共に、共通ドライブ要素によって相互に接続されている。下部ローラまたは駆動側ローラはそれぞれ図10、図10bおよび図11a、図11bには斜線を付けて示されている。上述した説明によれば、これは所謂折り畳みドラフティングデバイスに関係するものであり、ここではペアIとIIのローラはペアIIIとIVのローラに直交するように配置されているので、繊維材料は特徴のある方法でペアIIとIIIのドラフティングローラの間で折り畳まれている。
【0066】
このようなドラフティングデバイス8bは特にドラフタスライバを処理するのに適している。
【0067】
図10aおよび図10bによる表現はアセンブリを形成する4つの折り畳みドラフティングデバイスに関するものである(図6と図6b参照)。2つのドラフティングデバイスは、それぞれ左右対称平面98上の両側に一方が他方の上になるよう配置されている。
【0068】
折り畳みゾーンにおけるドラフティング(ペアII/III)は薄くなっている。これは伝送によって決まる。プリドラフトゾーンとメインドラフティングゾーンのドラフティングゾーンは自由に選択可能になっている。従って、すべてのドラフティングデバイスを駆動するには3つの同期モータが必要である。
【0069】
図10aと10bはさらにギアボックス97を示しており、これはピボットポイント131をもつ支持アーム132(図6b)を介して仕切り壁セグメント26a上に直接に置かれている。ペアI/IIのローラ61と62は両側でギアボックス97から突出している。例えば、繊維案内チャネル47aのような図6aに示す周囲の構造部品は示されていない。
【0070】
ギアボックス97の底部にはピボットポイント134があり、これに支持アームが関節接続でされている。エプロンアセンブリ(ペアIII)を含む挿入部品56を支持している(図6b参照)。
【0071】
ドラフティングローラ65またはそのシャフトは仕切り壁26aから突出し(図6b参照)、そのあとに続いて、スピニング要素と補助要素を含むそれぞれのゾーンアセンブリ59が存在する。
【0072】
被駆動ローラは図10aと図10bに斜線で示されている。図10aと図10bに示す構造上の違いは、左右対称平面98上に対するペアIIIの被駆動ローラの位置にある。これは、仕切り壁セグメント26aの上方に位置するペアII/IIIのドライブ要素の異なる構成と関連している。ドライブ要素の異なる構成は図11a、11bおよび12a、12bに示されている。これの理由は、編みツールの数が異なると発生する駆動トルクの大きさにある。
【0073】
ペアIとIVに必要な駆動トルクは低くなっている。基本的に克服する必要があるのはベアリング摩擦だけである。ドラフトとされる繊維材料に必要な動力はわずかである。ペアII/IIIに必要な駆動トルクは、エプロンが制動モーメントを発生するのでほぼ高くなっている。
【0074】
図11aと図11bは、各々仕切り壁セグメント26aの平面図を示している。ペアIに対するトルクは接線ベルト92および図6aのプーリ69に対応するベルトホイールZR1によって伝達されている。
【0075】
図11aと図12aに示す変形実施形態では、ペアII/IIIに対するトルクは、接線ベルト95を介して、図6aのプーリ53に対応するベルトホイールZRII/III 1とZRII/III 2に伝達されている。ベルトホイールZRII/III 1はペアIII(左)には直接に、ペアIIには図6aに示す平歯車50と52をもつ中間ギアを介して供給している。トルクの流れは図11aに二重矢印M1で示されている。ペアIII(右)にはベルトホイールZRII/III 2によって直接に供給される。
【0076】
ペアIVは、ベルトホイールZRIV 1とZRIV 2が当接している接線ベルト96を介してトルクを受け、これらは関連ペアIVに供給し、図6aのプーリ55に対応している。
【0077】
巻き付け角度W(図11a)は特にペアII/IIIのドライブでは重要である。図10a/11a/12aに示す第1の変形実施形態では、巻き付け角度Wは編みシステムの数に応じて次のようになっている。
【0078】
ペア 編みシステムの数
48 72 96
I 30° 20° 15°
II/III 15° 10° 7.5°
IV 15° 10° 7.5°
【0079】
巻き付け角度Wは編成システムの多いペアII/IIIでは、必要とされるトルクを伝達するには小さすぎるため、図10b、11b、12bに示す第2の変形実施形態がこの目的のために提案されている。
【0080】
ペアII/IIIの巻き付け角度Wを大きくする図10b、11b、12bの好適実施形態が提案されている。第1の変形実施形態(10a、11a、12a)とは対照的に、1つのベルトZRII/III 1だけが存在している。従って、巻き付け角度Wは編みシステムの数に応じて次のようになっている。
【0081】
ペア 編みシステムの数
48 72 96
I 30° 20° 15°
II/III 30° 20° 15°
IV 15° 10° 7.5°
【0082】
さらに、図12bに示すように、平歯車90aはここではドライブシャフト51に取り付けられており、これはドライブシャフト66(図6a)に置かれた平歯車90bとかみ合っている。ペアIIとIIIはその結果として、シングルベルトホイールZRII/III 1によってのみ駆動されているが、変形実施形態では、巻き付け角度Wを2倍のサイズにすることを可能にしている。
【0083】
ペアII/IIIの巻き付け角度が十分に大であることを考慮すると、第1のドライブ変形実施形態で好ましいと考えられることは、編みシステムの数を少なくすることだけである。第2の変形実施形態が好ましいのは、編みシステムの数が大きい場合である(例えば、72または96システム)。
【0084】
図12aおよび図12bに示すギアを備えたドラフティングドライバグループの構造を、このグループと仕切り壁セグメント26aとのやりとりと共に以下図12e−12gを参照して詳しく説明する。図12cはペアIのドライブを示している。歯付きベルト62は、ドライブシャフト70上に置かれたベルトホイールZR1を駆動する。カップリング40はトルクを中間シャフト142(図6bも参照)に伝達し、中間シャフトは傘歯車ステージ68と平歯車ステージ91a、91bを介してトルクをペアI(4)に伝達している。仕切り壁26aはこれらの間に位置し、ドライブを繊維案内部分から分離している。ギアボックス97は仕切り壁26a(引き出すことまたはピボット回転可能)と切り離し可能に関連付けられている。この構成は変形実施形態のどちらにも同じである。
【0085】
図12dおよび図12eは、第1の変形実施形態(図12a)によるペアII/IIIのドライブを示している。歯付きベルト95は、ドライブシャフト51上に置かれたベルトホイールZRII/IIIを駆動する。カップリング40はペアIIIの一部である中間シャフト143にトルクを伝達する。中間シャフト143は挿入部品56に置かれている。
【0086】
ドライブシャフト51上の平歯車52とかみ合う平歯車50はドライブシャフト66上に置かれている。トルクM1はここでブランチする(図11aも参照)。平歯車50と52は折り畳みドラフティング操作を定義している。平歯車52のトルクはドライブシャフト66と別のカップリング40を介して中間シャフト141に伝達され、そこからトルクが傘歯車ステージ67と平歯車ステージ93a、93bを介してペアII(4つ)に伝達される。仕切り壁26aはドライブを繊維案内部品から分離している。挿入部品5とギアボックス97(図6bには挿入部品63としても示されている)は切り離し可能に仕切り壁26aと関連付けられている。ペアIIと2つのペアIIIはこの構成でカバーされている。2つの目に見えないペアIIIは接線ベルト95に対する別のドライブを有している(図11aと12bを参照)。このドライブの構造は図12eに示されている。図12eによれば、ドライブはベルトホイールZRII/IIIを駆動する接線ベルト95によって行われる。トルクはドライブシャフト51とカップリング40によってドラフティングローラ143(図6b)またはドラフティングローラ88(図10a)によって向けられる。これは挿入部品56に配置されている。
【0087】
図12fはペアIVのドライブと動きを示している。これはどちらの変形実施形態(図12aと図12b)の場合も同じである。2ペアIV 1とIV 2は別々に取り付けられ、駆動されるが、その他については設計が同じである。接線ベルト96は、ドライブシャフト54に置かれ、下部供給ローラ165またはペアIVを表しているベルトホイールZRIV/1を駆動する。ドライブシャフト54は仕切り壁26/26a(図6b)に固定的に接続されたベアリング138内に設けられている。
【0088】
図12gは、図10b/11b/12bに示す第2の変形実施形態に対するドライブグループII/IIIの構造を示している。これは図12dに示すギアに対応している。さらに、平歯車ステージ90a、90b(図12b参照)が存在するが、これは図11bのトルクをM2に分割している。ステージ90a、90bの左側平歯車90bは、矢印v(図12b)による側面図では見えないので、分かりやすくするために図面の平面から90度回転して示されている。図12bは角度を付けた図の構成全体を示している。従って、すべてのペアII/III(4)はシングルベルトホイールZR II/IIIによって駆動されるので、巻き付け角度は十分に大きくなっている。
【0089】
上述した例示の実施形態は、本発明によれば、ドライブユニットが仕切り壁26の上方に設けられ、繊維案内ドラフティングローラが仕切り壁の下方またはそれぞれの仕切り壁セグメント26aの下方に設けられていることを示している。被駆動ユニットは特にプーリと歯付きベルトホイールを含み、ドライブ(歯付き)ベルトはこれらに当接し、および図8と図9に示すようにドライブモータがそのためなどに設けられている。これとは対照的に、例えば、異なる平歯車ステージ90、91および93や傘歯車(例えば、67、68)などの必要な歯車部品は都合よく仕切り壁の上方または下方に設けられ、必要ならば、別のギアボックス(例えば、97)に設けられている。さらに、理解されるように、ドライブシャフト(例えば、図6b中の54)は仕切り壁26または仕切り壁セグメント26aから突出可能であり、そのあと、仕切り壁26、26aの上方に置かれたセクションにおいて、ドラフトシャフトの機能を持つことができるが、仕切り壁26、26aの下方に置かれたセクションではドラフティングローラの機能を持ち、あるいはドラフティングローラ(例えば、図12fを参照)を形成する領域を備えることが可能になっている。
【0090】
その他の場合は、明らかであるように、上述した説明によれば、異なるドラフティングローラペアI−IVによって駆動されるのは常に所謂下部ローラだけであり、これらに対して、所謂上部ローラはプレスアームなどによってそこに押し付けられているので、摩擦より下部ローラによって引き掛けられている。しかし、例示の実施形態では、所謂下部ローラは下部に位置していないので、また所謂上部ローラは上部に位置していないので、下部ローラは好ましくは駆動側ドラフティングローラと呼ばれ、上部ローラは被駆動側ドラフティングローラと呼ばれている。
【0091】
ドライブベルト92、95および96を駆動するために、図8に示す3つのドライブモータ80が使用され、その出力スピードは望ましいドラフトがローラペアI、IIまたはII、IIIまたはIII、IVの間で調整されるように選択されている。その結果、非常に経済的なドライブユニットが、ドラフティングデバイス構成(図10a−12a)ごとに10個のギアまたは傘歯車または12個のギアまたは傘歯車(図10b−12b)の総計に関連して得られ、これらが比較的走行が遅いドラフティングローラを駆動するためにだけ必要になる環境のために、安いギアまたは傘歯車ホイールの使用を可能にしている。96編みシステムを備えた丸編み機では24のドライブユニットが必要である。さらに、実際に同じ構成要素であれば、例えば、72または48の編みシステムを備えた編み機はドラフティングローラの数を少なくしてセグメント26aによって操作することができる。
【0092】
図13は仕切り壁26の概略平面図を示し、この仕切り壁は完全にセグメント26aからなるか、あるいは一部品で、ここでは丸リング形状に構成され、複数のローラ77、2つのテンションローラ84、ハウジング99に収容され、ドライブモータ92と95を駆動するドライブモータ99、および隠れたドラフティングデバイス8bを備えている。さらに、図13は、供給ローラ65用のドライブベルト96がそれと向き合う位置にあるプーリ100と直接に当接する変形実施形態を示し、そこでは、図8に示すように、供給ローラの他のプーリが第2のドライブシャフトを介して回転可能になっている。これは、例えば、2000rpm−4000rpmの速度で駆動される非常に早く回転するドラフティングローラに関するので、プーリ100は、好ましくは、軸方向に一方が他方の上に位置している3セクションを備え、そのうちの1つはドライブベルト96を案内している。他の2つのセクションに当接してさらに2つのドライブベルト101と102があり、これは各々テンションローラ103または104上を走行するので、テンションローラ84について図8に示すように、その領域内においてプーリの一部と当接していない。
【0093】
図14は図13に示す例示の実施形態を示しているが、カバリング30がファイバタイト状(図3)に取り付けられたあと、その結果としてドライブユニットが仕切り壁26の上方に位置する閉じたエリアに置かれている。さらに、ドライブユニットとドラフティングローラの間に置かれたギア部品はそれぞれギアボックス内に置かれているので、被駆動ユニットとギア部品の操作はほぼメインテナンスフリーになっている。
【0094】
図15−図21は例示の実施形態を示し、これは、異なる形成の仕切り壁26bの点で図10と図11に示す例示の実施形態と異なり、さらに、繊維材料用の2つの重なり合った通路を持つ5ローラドラフティングデバイス8cを有する点で、上述した他の例示の実施形態と異なっている。
【0095】
図15および図16に示す仕切り壁セグメント226bは、同じようにほぼ台形の形状をしており、フィーダ43a、43bの個所に短い内縁105bに向き合う位置にある長い外縁105aを備えている。第1の側縁105は凹状のくぼみを備え、第2の側縁105dは凸状のアタッチメント107を備えている。これは、凹状のくぼみに正確にはまり込むような陰影が付けられている。従って、図17に示す2またはそれ以上のセグメント26bはその側縁が相互に隣り合うように配置され、いずれかのセグメント26bのアタッチメント107はそれ自体が隣接セグメントのくぼみ106内に位置しているので、セグメント26bは図10と図11に示すようにケーキの断片のようにファイバタイト構成で相互に隣り合うように置かれ、例えば、全体が丸リング形状の仕切り壁を形成することを可能にしている。アタッチメント107の目的は、例えば、そこにプーリ77が配置されることである(例えば、図16参照)。
【0096】
さらに図15が示すように、フィーダ43a、43bに隣接してドラフティングデバイス8cは、一方が他方の上に置かれたドラフティングローラ108と109の2のそれぞれペアIとIIをもち、これらは図6に示すドラフティングローラ61と62に対応しているが、水平ではなく垂直に配置されている。さらに、2つのそれぞれペアIIIとIVのドラフティングデバイス要素が存在し、これは、図6と同じように、一方が他方の上に置かれた2つのエプロンアセンブリ64を形成し、ドラフティングローラ110と2つの供給ローラは一方が他方の上に位置している。ローラ108a、109a、65aおよびエプロンアセンブリ64aは強制的に駆動されるのに対し、その関連ドラフティングローラ108b、109b、65bおよびエプロンアセンブリ64bはそれぞれ駆動されるドラフティングデバイス要素になっている。
【0097】
水平に配置されたドラフティングローラ111からなる追加ペアのドラフティングデバイス要素はそれぞれドラフティングデバイスペアIIとIIIの間に設けられている。このケースでは、比率はローラ109と111が図6に示すドラフティングローラ62とエプロンアセンブリ64の間の折り畳みゾーンを意味する折り畳みゾーンを形成し、ローラ109a、109bのニップラインのスライバの供給幅が16mmにセットされ、ローラ109a、109bおよび111の間のニップラインの間隔が約30mmにセットされ、W形状の折り畳みが得られ、ローラ111を離れたスライバだけは約4mm幅になっている。他方、エプロンアセンブリ64a、64bのローラ111とローラ110a、110bのニップライン間の間隔はまだ約4mmのスライバに比べて約30mmであり、これはここでは十分に大きく、新しい折り畳みが発生しないように調整されている。
【0098】
図15−図21に示す例示の実施形態が特に利点があるのは、他のドラフティングローラが動作期間に垂直に置かれ、例えば、カップリング75、76(図5)を介して接続されているためにドラフティングローラ111を駆動するためにドライブ平歯車だけが必要になる点である。
【0099】
その他の点では、図15−図21に示す例示実施形態は図1−図14に示す例示の実施形態とほぼ同じであるので、同一部品は同一参照符号で示してある。これは、図15−図21にも存在するプーリ77を備えたドライブユニットにも特に適用される。
【0100】
特に図15にも示すように、被駆動ドラフティングローラ108bと109bは通常のプレスアーム19を用いて取り付けることが可能であり(図2も参照)、必要な場合には、これらと共にピボット回転させてサイドから引き離すことができる。
【0101】
最後に、図18−図21は、上記説明と共に、少なくともペアIII、IVおよびVのドラフティングローラは好ましくは、切り離し可能にセグメント26bに取り付けられたプルアウト(pull-out)挿入部品112と113に取り付けられている。図19は、下方に引き出された挿入部品112を概略示す図であり、図20は下方に引き出された挿入部品113を示している。代替的に、挿入部品112の代わりに、供給ローラ65a、65bが図19に破線で示すように、仕切り壁セグメント26bに固定的に取り付けることもできる。
【0102】
図5を参照して詳しく説明したように、図10と図11および図18−図21にも示すように、それぞれのノズルアセンブリ59は好ましくは繊維の移送方向に各ペアの供給ローラの背後に位置している。このノズルアセンブリ59は下方に引き出すことができる挿入部品として構成することも可能であり、図21は引き出された状態を示している。
【0103】
ラッピング(lapping)などの混乱の場合には、それぞれのホルダを引っ張ることによって、あるいは上部ローラ(図108b参照)をピボット回転することによってすべての繊維案内機能要素をクリーンすることができる。エプロンホルダとして構成された挿入部品112はその微妙なジオメトリ(前方ハング、ラグ、エプロンの逆転レールの位置)の点で調節可能に構成されている。この微妙なジオメトリは変化し、あるいは処理する繊維の材料特性がそれを必要とする場合には適応させる必要がある。本発明によれば、これのためのプロシージャは好ましくは次の通りある。すなわち、特定の微妙セッティングの試みが個々の編みシステムに対して行なわれ、これは所謂スピニング編み機の一部にすることができ、あるいは個別に操作される。これが試験によって判断された場合には、セッティング値が「ゲージ」として伝達される。すべてのエプロン挿入部品112は丸編み機以外の判断された寸法に調整され、そこに挿入される。このプロシージャによれば、高いリセッティング速度が得られると同時に、ドラフティングプロセスの完全な均一性と品質を残しておくことができる。
【0104】
ノズルアセンブリ59は、特に、スピニングデバイス(図2)でスピニングするのに必要な圧縮された吹き付け空気と吸入空気コンダクト手段を含んでいる。ノズルアセンブリ59と好ましい空気コンダクト手段の詳細は図22−図24に概略図で示されている。
【0105】
図22−図23はノズルアセンブリ59を示し、これは側面図で示すように仕切り壁26に接続されている。一方が他方の上に位置する2ペアの供給ローラ115は仕切り壁26の下方に位置している。そのあとに続くスピニングデバイス21のノズルまたは撚り要素22(図2)は供給ローラペア115のガセット(gusset)内に入り込み、仕切り壁26を通して活動状態の圧縮空気供給源116(pu)に接続されている。
【0106】
仕切り壁26から突出していている吹き付けエアダクトを介して吹き付け空気ソースに接続した吹き付け空気スロット117(図23)は各作業個所に置かれている。空気は吹き付け空気スロット117から出て、ローラペア115上で繊維および繊維粒子に渦を引き起こすので、これらは関連吸入チャネル120で、および吸入ソース(pu)に接続した抽出チューブ121を通して除去される。
【0107】
吹き付けおよび吸入システムは供給ローラペア115から短い距離に置かれている。吹き付け空気流が吸入チャネル120から放出されるよりも単位時間当たり少量の空気を放出する場合には通気開口122が設けられている。吹き付け空気チャネルと関連吹き付け空気スロット117および圧縮空気供給源116はノズルアセンブリ59の一部になっているか、あるいはこれに接続されている。ノズルアセンブリ59は、特に図21に示すように取り外し可能に仕切り面26に接続されている。
【0108】
吹き付け空気スロット117、吸入チャネル120および通気開口122によれば、吹き付け空気と吸入空気の単位時間当たりの非常に少ない空気量で十分な毛羽除去を達することができる。この結果として製造の安全性が向上している。これは、それぞれのスピニングデバイス21(図22、23)が1つだけの構成だけでなく、一方が他方の背後に置かれている複数のスピニングデバイス(図24)をもつ構成にも適用される。
【0109】
本発明は上述した例示の実施形態に限定されず、種々の態様で変更が可能である。これは、特に、上述したプレスアームおよび挿入部品に適用され、この実施形態は、種々の方法で変更が可能である単なる例を示したにすぎない、特に、挿入部品は、動作時に被駆動ローラおよびエプロンを弾性的に押し付け、または駆動ローラおよびエプロンを空気力で押し付けるために詳細に示されていない要素を備えることができる。特に、丸編み機の中心軸から遠くに離れた機能部品の場合、横方向に引き出すことができる挿入部品を別に設けることも可能である。さらに、明らかであるように、保守する必要があり、頻繁に交換する必要のある機能部品は、これらが開いた位置にあるとき容易に交換できるような形で、好ましくはプレスアーム、挿入部品にまたはピボット回転可能プレスアーム、挿入部品などに取り付けられる。このために望ましいことは、可能な場合には、ローラと偏向要素(例えば、図7中の74)を一端だけに(カンチレバ)し、その自由端を下部または側面に設けて、駆動側ローラの自由端側に望ましいように構成されているプレスアーム、挿入部品などをピボット回転し、または引き出したあと少なくともエプロンが取り除かれるようになっている。さらに、上述したドライブおよびギア要素も単なる好ましい例を示したにすぎない。特に、望ましいことは、少なくとも非常に急速に走行する供給ローラ(例えば、図6中の65)、ドライブシャフトおよびプーリ(例えば、図6中の54、55)を結合することであり、これらは可能な限り短く軸方向に作用して、動き質量を低く保ち、急速な加速と特に制動操作を可能にしている。例えば、歯付きベルトおよび歯付きプーリの代わりに、ドライブチェインおよびチェインホイールおよび/またはその他の要素をもつチェインギアを設けることも可能であり、平歯車50、52などは、例えば、ベルトドライブで取り替えることができる。上述したカップリングは上記に表したのと異なる方法で構成することができる。例えば、水平配置のドラフティングデバイス要素は螺旋ギアステージを介してドライブユニットに結合することもできる。さらに明らかであるように、ドラフティングローラは、好ましくは通常のコーティングを備えているか、あるいは通常の材料で作られ、特に上部ローラは都合よくフレキシブルなコーティングを備えている。さらに、異なる構造部品を簡単な手作業で解放することを可能にする急速解放は、好ましくは、ドラフティングデバイス構成および/または挿入部品を仕切り壁の下側に取り付けるのに適している。仕切り壁と仕切り壁セグメントの形状は、個々のケースに応じて異なる選択が可能であり、特に使用される丸編み機は、それぞれの丸編み機の設計に適応させる可能である。最後に、当然に理解されるように、上述し、図示したものとは異なる組み合わせで異なる特徴を適用することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載したタイプの丸編み機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの公知丸編み機(例えば、特許文献1)は、従来のヤーンではなく、編み目形成のためにストレッチした繊維材料からなる糸を支配的または排他的に使用することを特徴としている。これらの繊維材料は、編みシステム(knitting system)と関連付けられたドラフティングデバイス(drafting device)による編み目形成の前に直接にストレッチされており、編みシステムにはフライヤフレームスライバ(flyer frame sliver)、ドラフタスライバ(drafter sliver)などが開始材料(starting material)として供給されている。必要ならば、これらの繊維材料は、ドラフティングデバイスと編みシステムの間でスピニングデバイス(spinning device)によって真性撚り(genuine twist)もつ仮ヤーン(temporary yarn)に変換することができ、センシティブな繊維材料を長距離にわたって移送し、仮撚り(false twist)効果の結果として編み目形成の前に再び見えなくすることも可能にしている。従って、編み目形成は、通常のヤーンによって達成されるのでなく、若干の撚りの有無に関係のない糸でもって達成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】PCT WO2004/079068明細書
【特許文献2】PCT WO2004/079068 A2明細書
【特許文献3】PCT WO2007/093166明細書
【特許文献4】PCT WO2007/093164明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記タイプの丸編み機には、次のような問題がある。すなわち、フライヤフレームスライバ、ドラフタスライバなどの処理の結果として、大量の毛羽(fluff)が編みシステムの個所に形成され、これは飛散繊維、汚れた粒子などが関係している。このことは、繊維材料が純正コットンまたは便利な繊維混合物から作られているかどうかと無関係である。その結果、これらはほぼ露出しているため、特にドラフティングデバイスの駆動に使用されるドライブユニットは急速に汚れる傾向があるので頻繁なクリーニング作業を行なう必要があり、このことは編みプロセスの妨げとなっている。あるいは、比較的複雑な設計が要求されるため、必要とする操作と保守作業がより困難になっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を出発思想として、本発明の基礎となっている技術的課題は、ドライブユニットだけでなく、丸編み機のほぼ混乱のない操作が比較単純な手段でもっと保証されるように前記タイプの丸編み機を構成することである。さらに、ドラフティングデバイスのための安価なドライブシステムが提案されている。
【0006】
上記目的は、請求項1に記載した特徴を備えた丸編み機、すなわち、機械軸を横切るように配置されたにファイバタイト(fiber tight)状の仕切り壁が設けられ、ドラフティングデバイスは前記仕切り壁の下方に配置され、ドライブユニットは前記仕切り壁の上方に配置され、ドライブユニットは前記仕切り壁を通して関連のドラフティングローラに結合されていることを特徴とする丸編み機によって達成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、底部に位置し、望ましくない繊維毛羽の発生の原因となるドラフティングローラを、仕切り壁の上方に配置されたドライブユニットから仕切り壁でファイバタイト状に分離することにより、ドライブユニットが飛散繊維などから最適に保護されるという利点が得られる。さらに、仕切り壁は同時に取り付け面ともなるので、繊維供給、特にドラフティングデバイスとそのドライブユニットのすべての重要な構造部品をそこに取り付けることができる。仕切り壁が通常の作業エリアの上方、特に丸編み機の編みシステムの上方の高さに配置されている場合には、特に、ドラフティングデバイスがオペレータの手の届く範囲内に位置していても、ドラフティングデバイスが丸編み機で作業するオペレータの妨げとならないという利点がある。
【0008】
本発明のその他の利点のある特徴は、請求項1以降の請求項に記載されている通りである。
【0009】
本発明は、添付図面と関連付けて例示の実施形態を参照して以下に詳しく説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】少なくとも部分的に繊維材料を使用して編み物品を製造するためのすでに提案されている丸編み機を示す概略縦断断面図。
【図2】図1に図示の丸編み機を示す平面図であり、そこでは補助糸が省かれ、スピニングデバイスが組み込まれている。
【図3】本発明による仕切り壁を備えた丸編み機を示す概略縦断断面図。
【図4】図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図。
【図5】図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図。
【図6】(a)、(b)は、図3に示す仕切り壁に接続可能な種々タイプのドラフティングデバイスを示す図である。
【図7】(a)は、図3に示す仕切り壁に接続可能であるドラフティングデバイス要素の挿入分の第1の実施形態を示す斜視図、 (b)は挿入部品の第2の実施形態を示す斜視図、(c)は挿入部品の第2の実施形態を示す平面図。
【図8】本発明による接線ベルトドライブを示す概略平面図。
【図9】図8に示す接線ベルトドライブのプーリを示す図、 (a)、(b)は図9に図示のプーリと関連付けられた補助ローラを示す図。
【図10】(a)は図3に示す仕切り壁のセグメントを、第1の変形実施形態に従ってそこに取り付けられた一部のドラフティングデバイスから見た底面図、 (b)は第2の変形実施形態による図10(a)に対応する図。
【図11】(a)は図10(a)に図示のセグメントを示す概略平面図であり、そこでは、垂直におよびセグメントの下方に配置されたドラフティングローラとギア部品は鎖線で示され、水平ローラは省略されている、 (b)は第2の変形実施形態による図11(a)に対応する図。
【図12】(a)はドライブユニットおよび図11(a)に示すギア部品を示す概略斜視図であり、そこでは仕切り壁セグメントが省かれている、 (b)は第2の変形実施形態による図12(a)に対応する図、 (c)は図10(a)乃至図12(b)に図示のドラフティングデバイス構成の供給ローラペア用のドライブユニットを示す前面図、 (d)は図12(a)中の矢印u方向における図10(a)乃至図12(b)に示すドラフティングデバイス構成の折り畳みゾーンのドラフティングローラ用のドライブユニットを示す側面図、 (e)は図10(a)乃至図12(a)に示すドラフティングデバイス構成の別のローラペア用のドライブユニットを示す図12(d)に対応する側面図、 (f)は図10(a)乃至図12(b)に図示のドラフティングデバイス構成の後退ローラペア用のドライブユニットを示す前面図、 (g)は図12(b)中の矢印vの方向における図10(b)乃至図12(b)に示すドラフティングデバイス構成の折り畳みゾーンのドラフティングローラ用のドライブユニットを示す側面図であり、そこでは実際には見えない平歯車(spur wheel)が図面の平面上から90度回転して示されている。
【図13】図3に示す丸編み機の完全な仕切り壁を示す平面斜視図であり、そこにドライブユニットが取り付けられている。
【図14】図13に対応する図であるが、ドライブユニットを被覆しているカバリングが仕切り壁に取り付けられたあとの図である。
【図15】本発明による仕切り壁セグメントの第2の例示実施形態を示す底面図であり、そこにはドラフティングデバイスペアが仕切り壁セグメントに取り付けられている。
【図16】本発明による仕切り壁セグメントの第2の例示実施形態を示す平面図であり、そこにはドラフティングデバイスペアが仕切り壁セグメントに取り付けられている。
【図17】図15および図16に示す多数の隣接セグメントを示す平面図である。
【図18】図15および図16に示す仕切り壁セグメントを示す側面図である。
【図19】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図20】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図21】図18に示す仕切り壁セグメントを示す斜視図であり、そこでは3つの挿入部品が設けられ、その1つは、各々のケースにおいて仕切り壁セグメントから取り除かれた状態に置かれている。
【図22】図3に図示の仕切り壁に接続されたノズルアセンブリを示す側面図である。
【図23】図3に図示の仕切り壁に接続されたノズルアセンブリを示す平面図である。
【図24】ノズルアセンブリの第2の例示実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1および図2は、編みニードル3が移動可能に配置された回転可能ニードルシリンダ2を装備した丸編み機1を示す概略図である。丸編み機1の前面または丸編み機1を取り巻く個所に、作業エリアが概略図で示され、そこにはオペレータ5が通常の作業期間の間丸編み機1に位置している。丸編み機1の高さは、カム部品(図示せず)から形成された複数の編み目形成または編みシステム6(なお、図1にはその1つだけが示されている)がオペレータ5の手が届く範囲内に位置するような寸法になっているのが通常である。ここで「手が届く(reach)」という用語は、好ましくは、地面などの上の特に人間工学的に都合のよい距離に配置され、そこに丸編み機1およびオペレータ5が立っている個所を意味するものと解する。
【0012】
本発明の範囲内に属する丸編み機1は所謂紡糸/スピニング編み機(spinning/knitting)として構成されている。各編みシステム(knitting system)はドラフティングデバイス(drafting device)8が関連付けられており、ケンス(can)9から取り出したスライバ、供給コイルから取り出したフライヤフレームスライバ(flyer frame sliver)またはその他の繊維材料10がそこに供給されている。この繊維材料10は、それ自体が公知であるようにドラフティングデバイス8で糸11にけん切(attenuate)され、好ましくは糸ガイド12によって編み目形成のための編みニードル3に供給されている。さらに、補助糸(auxiliary thread)が参照符号14で示されており、編み地(knitted fabric)に、例えば、添え糸(plating thread)または弾性糸が追加的に供給される場合には、補助糸も糸ガイド12に供給可能になっている。
【0013】
上述したタイプの編み目形成機械は、例えば、特許文献2からこの分野の精通者に公知である。なお、特許文献2の内容は重複するのを防止するために参照によって本明細書の主題の一部になっている。
【0014】
特許文献3に提案されている別の従来丸編み機によれば、ドラフティングデバイス8は、編みシステム8と同様に、丸編み機1で作業するオペレータ5の手の届く範囲内にあるが、オペレータの上方に位置するように配置されている。この目的のために、ドラフティングデバイス8は、例えば、支持リング15に固定され、支持リング15は、支柱16によって丸編み機1のベースプレートまたはカムプレート17上に支持されている。さらに、その配置は、ドラフティングデバイス8のドラフティングローラ18の3または4以上のペアによって形成されたニップライン(nip line)が垂直面に位置するようになっている。これは、ドラフティングローラ18の軸を取り付け状態または使用状態にあるとき垂直に配置することによって達成されている。ドラフティングデバイス8が作業エリア4からオペレータ5が手に届くようにするだけでなく、全体を分解しなくても保守および/または修理が容易化されることを確実にするために、ドラフティングデバイス8は、その所謂上部ローラ18a(図2)をプレスアーム(press arm)19に取り付けることによって少なくとも部分的にオープンすることを可能にし、このプレスアーム19は、従来の手法とは異なり、上部にではなく側面に置かれ、例示した垂直ピボット軸20の周りを矢印vの方向にピボット回転可能になっている。
【0015】
図2に示すドラフティングデバイス8とニードルシリンダ2の周辺との間隔が大きい場合でも糸11が確実に編みニードル2に挿入されるようにするために、好ましくは、図2に示すようにドラフティングデバイス8と糸ガイド12の間に追加のスピニングデバイス21が設けられている。上記の特許文献から公知であるように、これらのスピニングデバイスは、例えば、撚り要素(twist element)22の形体をした少なくとも1つのスピニングノズルおよびそこに接続されたスピニングチューブまたは移送チューブ23を備えている。スピニングデバイスの目的は、第一に、ドラフティングデバイス8から排出された糸11を真性撚り(genuine twist)をもつ仮ヤーンに変換することであり、仮ヤーンは所謂仮撚り効果(false twist effect)のためにスピニングチューブ23の終端と編みシステム6の間で再び解放される。
【0016】
ドラフティングローラ18は直立しているので、円に配置され、ニードルシリンダ2の直交方向に延びている駆動ベルトによって簡単に駆動することができる。このために必要なことは、図示の3つのローラペアの各々の所謂下部ローラのシャフトに、例えば、その上端にそれぞれの歯付きプーリを設けることだけであり、これについては以下で詳しく説明する。
【0017】
最後に、図1および図2の例示実施形態によれば、そのローラ18が同軸方向に一方が他方の上になるように2またはそれ以上のドラフティングデバイス8を配置することにより、特別な利点が得られている。このように多重または二重のタンデム設計になっている結果、周辺方向にドラフティングデバイス用に必要なスペースを半分にすることも、あるいはさらにスペースを減少することも可能であるが、これは、このようなケースでは、2またはそれ以上の糸を、図1に2本の糸11で示すように、各ドラフティングデバイスセグメントから隣接編みシステム6に案内することができるからである。その結果、ドラフティングデバイスのパッケージ密度(package density)を二倍またはそれ以上にすることができる。
【0018】
図3は、図1および図2に示す丸編み機1と同様に、例えば、ダイヤルに配置された追加の編みニードル25によって概略図で示すように、第2のニードル列を備えることもできる丸編み機を示す図である。断りがない限り、図1および図2と同様に、図3では同じ部品に同じ参照符号が付けられている。
【0019】
本発明によれば、支持リング15の代わりに、または支持リング15に加えて、図3に示す丸編み機1は仕切り壁(partition wall)26を有し、これは、同時にニードルシリンダ2(図1)の回転軸を形成し、一般に垂直方向に延びている機械軸27に交差し、好ましくは直交して配置されると共に、この機械軸に同軸に都合よく配置され、例えば、パネルの形状に構成されている。以下に詳しく説明されているように、ドラフティングデバイス8は仕切り壁26の下方に機械軸27の周りに分布され、他方、仕切り壁26の上方には、ドラフティングローラを駆動するために必要なドライブユニット28、および必要ならば、毛羽を除去するためのブロワーおよび吸引システムの要素および/またはスピニングデバイス用のノズルアセンブリも配置されている。仕切り壁26は、ドラフティングデバイス8からドライブユニットをファイバタイト(fiber-tight)に分離する働きをするように構成または配置されている。ここで、「ファイバタイト(fiber-tight)」という用語は、ドラフティングデバイス8によって発生した繊維、毛羽、汚れた粒子などが、仕切り壁26の結果としてドライブユニット28に近づかないように保たれ、仕切り壁26に設けた開口を通過してドライブユニットに達しないことを意味している。従って、仕切り壁26は、好ましくは存在するすべてのドラフティングデバイスをその突起でカバーしている。さらに、仕切り壁26は上記に挙げた構造要素の取り付け壁にもなっているが、以下では、簡略化のために、仕切り壁とのみ言うことにする。
【0020】
仕切り壁26は、例えば、ベースプレートまたはカムプレート17を含む丸編み機の機械フレームに取り付けられている(その詳細は図示していない)。図1と同じように、機械軸27の周りに分布された複数の支柱は、好ましくはベースプレート17から突出し、支持リングを支持し、そこに仕切り壁26またはその多数のセグメントが取り付けられている。代替的にまたは付加的に、機械軸27から半径方向に離れた個所において、仕切り壁26は別の支柱29によって地面7上に支持可能になっているため、ドラフティングデバイス28およびそこに取り付けられたドライブユニットの重量を吸収しやすくしている。その他の場合には、仕切り壁26は1部品で構成することができ、例えば、機械軸27に同軸状に配置された好ましくは円形パネルとして、または機械軸27に同軸状に配置されたリング、特に円形リングとして構成することも、円錐構成にすることも可能である。
【0021】
機械軸27に対して角度をなして配置された仕切り壁26も可能である。しかし、代替的に、機械軸27を取り巻き、相互に対してファイバタイト状に隣接した多数のセグメントからパネルまたはリングを組み立てることも可能であり、これらのセグメントは好ましくは同じ構成になっていて、各々が関連ドラフティングデバイス8または関連ドラフティングデバイス構成を支持している。説明を簡単にするために、これらの可能な例示実施形態はすべて、「機械軸に直交して」という表現で表され、請求項にもそのように記載されている。
【0022】
さらに図3に示すように、仕切り壁26は、好ましくは、その上方側に好ましくはフード形状のカバリング30を備えており、このカバリングはファイバタイト状に仕切り壁に取り付けられ、仕切り壁と共に、リング形状のファイバタイトに密閉されたハウジングを形成してドライブユニット28を受け入れ、これらが仕切り壁28の内外の周囲に飛散する繊維によって汚れないようにしている。仕切り壁26がリング形状の場合は、カバリング30は、ファイバタイトエリアを形成する別のカバー要素31、32によって機械軸27の方向に補強することができる。この場合には、補助糸14は、例えば、それぞれのチューブ33によってこのエリアを通るように編みシステム6に案内される。
【0023】
ドラフティングデバイス8およびスピニングデバイス21は、好ましくは、同軸状に配置されたチューブ34a34bを備えた関連の中央吸引構成34を備え、この中央吸引構成34は参照符号puで図示した吸引デバイスに接続され、カバー要素31、31間のエリアに接続している。
【0024】
吸引チャネル34cはチューブ34aから吸引を受けるドラフティングデバイス8のローラに通じている。抽出された繊維は、例えば、カードによって循環材料としてプロセスに再び供給される。
【0025】
チャネル34dをもつ中央吸引構成のチューブ34bも、一方のスピニングシステムから次のスピニングシステムに移る個所でスピニングデバイス21のスピニングチューブから排出されたすべての廃棄物をピックアップしている。この廃棄物は外皮(shell)部分とスピニング不能の短繊維からなっている。これらはリサイクリングされない。
【0026】
中央吸引構成34のチャネル34a、34bは同心状に配置されているので、半径方向に延びたすべての関連吸引チャネル34a、34dはそのカテゴリ内において同じ真空条件になっている。
【0027】
繊維を案内するドラフティングデバイス8は仕切り壁26の下側に取り付けられている。図3に概略図示するように、図1および図2とは対照的に、これらは水平配置のドラフティングローラ35および/または垂直配置ドラフティングローラ36を備えている。プリドラフティングフィールド(pre-drafting field)の水平ドラフティングローラ35は、好ましくは、1または2以上の、好ましくはプルアウト(pull-out)ドラフティングデバイスハウジング37内に回転可能に配置されており、これらのハウジングは、好ましくは、ねじ、差し込みクロージャ(bayonet closure)などによって容易に取り外せるように仕切り壁26に取り付けられている。これとは対照的に、メインドラフティングフィールドの垂直ドラフティングローラ36は、例えば、シャフトまたはシャフト端39を備え、これは仕切り壁26から直交方向に突出し、仕切り壁26の上方に位置し、そこに取り付けられたベアリングに回転可能に配置されている。代替的方法として、シャフト39は、図3に概略図示し、以下に詳しく説明するように、仕切り壁26から突出するカップリング要素40によってドライブユニット28の関連ドライブ要素に接続することが可能である。
【0028】
図4乃至図6は、例えば、仕切り壁26に選択的に接続可能な異種タイプのドラフティングデバイスを示している。なお、当然に理解されるように、代替的に他のタイプのドラフティングデバイスを設けることも可能になっている。
【0029】
図4は、フライヤフレームスライバの処理で使用されるような単純な3ローラドラフティングデバイスを示しており、そこではスライバは仕切り壁26に取り付けられたフィーダ(feeder)43によって矢印wの方向にドラフティングデバイスに供給されている。図4にはそれぞれのローラ44、45および46の1つだけが示されているが、繊維材料を案内するドラフティングローラのペアI、IIおよびIIIは、仕切り壁26に張り出している。すなわち、ドラフティングローラ44、45および46はそれぞれのベアリングポイント(図示せず)から下方に自由に突出している。中間部品47によって形成された繊維ガイドチャネルはペアIとIIの間に置かれて、繊維材料を通しやすくなっているのに対し、中央ローラ45と共にエプロンアセンブリを形成する標準的エプロン48を使用する繊維ガイド手段はペアIIとIIIの間に設けることが可能になっている。エプロン48と関連付けられた逆転レールまたは偏向要素は別々に示されていない。
【0030】
ドラフティングローラ44−46を駆動するのに必要なドライブユニットは、その上方に仕切り壁26に取り付けられ、仕切り壁26を通して関連ドラフティングローラ44、45および46に動作可能に接続されている。特に、仕切り壁26を通り抜けるドライブシャフト49は回転可能に仕切り壁26上に配置され、前記ドライブシャフトは仕切り壁26の上方に平歯車50を備え、仕切り壁26の上方または下方で供給ローラペアIの駆動側(下部)ローラに結合されている。好ましくは同じく仕切り壁26から突出していて、中央ローラペアIIの下部ローラを形成しているドラフティングローラ用の別のドライブシャフト51には、平歯車52が取り付けられ、プーリがその上方に位置する平面上に取り付けられている。最後に、プーリ55が、例えば、仕切り壁26から突出したドラフティングローラ46用の別のドライブシャフト54に取り付けられており、このドラフティングローラは後退ローラペアIIIの下部ローラになっている。プーリ53は、例えば、第1のドライブベルトによって駆動され、プーリ55は第2のドライブベルト(同じく図示せず)によって駆動される。なお、これについては以下に詳しく説明されている。平歯車50、52は変速ギア(図示せず)とかみ合っているので、第1のドライブベルトは供給ローラ44を同時に駆動し、平歯車50、52の歯数を選択することによって、事前選択のプリドラフトをローラペアIとIIの間に発生することができる。代替的に、2つの平歯車50、52は、連続歯付きベルトによって結合され、これらが同じ回転方向に駆動されることも可能である。図4に図示していないローラペアI、IIおよびIIIの上部ローラは、例えば、通常のプレスアーム(例えば、図2中の19)に配置され、スプリング力などによって下部ローラ44、45および46を押し付けられているので、上部ローラは摩擦によって下部ローラによって回転されるようになっている。
【0031】
図5は、図1および図2における同じように構成されたダブルの3ローラドラフティングデバイス8aの詳細を示す図である。これが図4に示すものと異なる主な点は、3つのドラフティングローラペアI、IIおよびIIIが各繊維材料ストランド(strand)用の2通路を形成し、その2通路は2つの重なり合った平面上で仕切り壁26の下方を走行していることである。この目的のために、一方が他方の上になるように置かれた2つのフィーダ43a、43bが仕切り壁26に取り付けられ、他方、仕切り壁26に垂直および直交方向に立っているドライブシャフト49、51および54自体は、それぞれ、一方が他方の上に同軸状に配置された2つのドラフティングローラ44a、44b、45a、45bおよび46a、46bに結合されている。さらに、エプロン48a、48bを設けることが可能であり、その各々は中央ローラ45a、45bと一緒にエプロンアセンブリを構成している。その結果、ドラフティングデバイスから排出された繊維材料は、例えば、2つのスピニングデバイス21aと21bによって丸編み機の隣接編みシステム間に供給されている。
【0032】
破線で示すように、エプロンアセンブリは共通挿入部品56に配置されており、共通挿入部品は、通常は、丸編み機の操作期間に仕切り壁26に取り付けられているが、好ましくは解除が容易である取り付け要素を取り外したあと、矢印wの方向に編みデバイス8aから下方に引き出すことが可能になっている。概略図示のカップリング40がさらに示すように、駆動されるエプロンアセンブリがそこに置かれているシャフトは、その上方に位置し、プーリ53を備えた同軸状配置のドライブシャフト51から挿入部品56が抜き出されるとき切り離すことができる。このように構成されていると、定期的に必要になるエプロン交換が容易化される。
【0033】
後退ローラ46a、46bに隣接して、好ましくは、基本的に閉じたハウジングからなるノズルアセンブリ59があり、そこには後退ローラ45a、46に吹き付けることを目とし、下述するエアノズル、さらにはばら繊維(loose fibers)用の抽出チャネルおよびスピニングデバイス21a、21b(図2参照)の空気圧撚り要素22a、22b用のエアサプライが別の機能部品として収容されている。ノズルアセンブリ59は下方に取り外し可能な挿入部品として構成することも可能であり、これは容易に取り外せるように仕切り壁26に接続されている。
【0034】
後退ローラ46a、46bは、同じように挿入部品に配置することも可能であり、この挿入部品は別のカップリングでもってドライブシャフト54に接続され、またはドライブシャフトから切り離されている。これとは対照的に、後退ローラは図2と同じように、丸編み機の機械軸27(図3)から半径方向に大きく離れているので、ペアIの被駆動ローラは、好ましくは、サイドに軸支可能であって、2つの個別プレスアームで置換可能でもある共通プレスアーム(図示せず)上に置かれている。
【0035】
図6aに示すドラフティングデバイス8bの例示実施形態は図3に示すものとほぼ同じであるが、図5に示すものと異なるのは、4ローラの折り畳み(folding)ドラフティングデバイス(folding drafting device)として構成され、これが、好ましくは、ドラフタスライバを処理するために使用される点である。この目的のために、動作期間に水平になっている第1のペアIのドラフティングローラ61およびこれらと共に、プリドラフティングゾーンを形成し、同様に動作期間に水平になっている第2のペアのドラフティングローラ62は、挿入部品63の側壁に配置されている。図5に示す挿入部品56と同様に、挿入部品63は容易に切り離されるように仕切り壁26に取り付けられ、ドラフティングデバイス8bからも、仕切り壁26からも矢印zの方向に下方に引き出すことが可能になっている。このようにして、ペアIIIのドラフティングデバイス要素の後続のエプロンアセンブリの前面にあるエリアを完全に開放することが可能であり、そこに後退ペアIVのドラフティングローラ65が繊維材料の移送方向に接続している。ペアIIIとIVのドラフティングローラは、例えば、図5と同じように構成され、配置されており、メインドラフティングゾーンを構成している。ペアIIとIIIは折り畳みゾーンを構成し、そこではペアIIのドラフティングローラとペアIIIのドラフティングローラ間の間隔は、特許文献2の同一出願人の別の先行出願で提案されているように、第2のペアIIから出た繊維の流れが特徴的な方法でペアIIIに折り畳まれるように選択されている。
【0036】
ペアIIIとIVの駆動側(下部)ローラは動作期間に垂直に配置されているので、好ましくは、図5と同じように駆動される。第1の2ペアIとIIのドラフティングローラ61、62の軸は水平に配置されているので、これらは垂直ドライブシャフト49(図5)に対応するドライブシャフトによって直接に駆動することができる。従って、それぞれが、例えば、図3と図6に黒の三角で示す傘歯車(bevel gear)67とカップリング40は、ここでは平歯車(spur gear)50を備えたドライブシャフト66と下部ローラ62を支持している第2のペアIIのシャフト間に配置されている。従って、挿入部品63の引き出し時または挿入時、ドラフティングローラ62は、傘歯車67、カップリング40および平歯車50と52を介して駆動動作のためにドライブシャフト51とプーリ52に結合されている。同じように、下部ローラ61のシャフトは、傘歯車68とカップリング40を介してプーリ69を備えた垂直配置のドライブシャフト70に結合されている。その結果、仕切り壁26の上方に設けられたすべてのドライブシャフト51、54、66および70を垂直に配置することが可能になる。
【0037】
その他の場合は、図6に示すドラフティングデバイス8bは図5に示すドラフティングデバイスと同様にタンデムドラフティングデバイス(tandem drafting device)として構成され、これは重なり合う平面上にそれぞれ2つの同一ペアのドラフティングローラを、従って、2つの繊維材料ストランドをドラフティングするための2通路を備えている。さらに、図4と図6に示す中間部品47に対応する中間部品によって形成された繊維ガイドチャネルは、参照符号47aで示されている。
【0038】
図6bに示す例示実施形態が図6aに示す実施形態と異なるのは、挿入部品56と63が仕切り壁26上を移動可能ではなく、ピボット回転可能に取り付けられている点である。そのために、ピボットポイント134によって支持アーム132が仕切り壁26上にピボット回転(矢印a)するように配置され、ねじ133などによってそこに取り外し可能に取り付けられているそのピボットポイント134は仕切り壁26の下側に設けられている。さらに、ピボットポイント133によって支持アーム135が挿入部品63上にピボット回転(矢印b)するように配置され、ねじ136などによってそこに取り外し可能に接続されているそのピボットポイント134は挿入部品63の下側に設けられている。挿入部品56は、繊維の移送方向に挿入部品63から突出した支持アーム135の部分に取り付けられている。この構成は、ねじ133を緩めると、挿入部品63と56の両方が支持アーム132によって矢印aの方向に一緒にピボット回転するように選択されている。ねじ136を緩めると、さらにエプロンアセンブリ64がアクセス可能になっている。さらに、挿入部品56と63は共に相互に対して開くことが可能になっている。
【0039】
上記とは別に、図6aは、仕切り壁26に取り付けられたベアリング137−140を介してドライブシャフト51、54、66および70を回転可能に装着する例を、カップリング40の可能な構成(図5および図6)と共により明確に示している。この例示実施形態では、これらは、傘歯車67、68に走行する中間シャフト141、142の前端に置かれたカップリングピン75を一方の側に備えている。ドラフティングローラ143用のカップリングピン143も設けられている。他方の側には、カップリング40は、関連ドライブシャフト51、66および70の前端に構成されたカップリングピン75に適合したカップリングブシュ76を備えている。この構成は、さらに、矢印a、bまたは矢印x、zの方向に挿入部品56、63をピボット回転または移動させると、それぞれの関連カップリング部品75、76が自動的に分離またはかみ合うような構成になっている。
【0040】
ドライブシャフト51、66および平歯車ステージの平歯車50、52は、好ましくは、仕切り壁26に取り付けられたハウジング内にファイバタイトに配置されている。
【0041】
以上から理解されるように、図3乃至図6aに基づいて説明したドラフティングデバイス8、8aおよび8bは好ましい実施形態の例を示したにすぎない。代替実施形態では、他のドラフティングデバイス、特に5ローラのドラフティングデバイスを設けることも可能であり、この代替例では、関連のドラフティングローラが垂直に配置されているか、水平に配置されているかに関係なく、カップリング40(図5)と傘歯車67、68または類似の構成部品によってすべてのドライブシャフトを垂直におよび仕切り壁26のほぼ上方に配置することが可能になっている。
【0042】
ドライブシャフト54は、ドライブシャフト51と66に比べて構成が短くなっている。ドライブシャフト53はドライブシャフト51に比べて高速に回転するので、その運動に関係する運動エネルギが減少している。これにより、動作の混乱時の制動が容易になっている。
【0043】
本発明によるタンデム設計では、少なくとも2つのドラフティングデバイスは一方が他方の上に置かれ、仕切り壁26の上方に位置する共通ドライブ要素を備えている。
【0044】
図7aは、好ましくは図5に示す3ローラドラフティングデバイス用に使用される挿入部品56を示している。挿入部品56は前面にH形状のハウジング71を含み、これは、外側にねじ穴、ねじ溝穴72などをもつ長脚71aを備えている。ドラフティングローラ45a、45b(下部ローラ)はH形状ハウジング71のクロスバー71bに回転可能に配置されている。これらは、上部と下部にクロスバーに配置された弾性質の関連ドラフティングローラ73a、73(上部ローラ)を備えている。さらに、上部と下部のドラフティングデバイス用の偏向要素74(逆転レール)は調節可能にクロスバー71bに取り付けられて、エプロン48a、48bを公知のように案内している。
【0045】
図7aは、さらに、例えば、ドラフティングローラ45aまたはそのシャフトが隣接ドラフティングローラ73aまたはそのシャフトよりも軸方向に長く構成され、例えば、図6bによれば、四角または六角カップリングピン75を持つ脚71aの上側から突出していることを示している。図6bによれば、このカップリングピン75はカップリングピン75側に開いたカップリングブシュ76と一緒に働き、これはエプロンアセンブリと関連付けられたドライブシャフト51の下端に取り付けられ、同じく四角または六角になっていて、回転が固定した状態でカップリングピン75を受け入れることを目的としている。従って、例えば、図7aに示すように構成された挿入部品56が仕切り壁26から下方にピボット回転されるかまたは抜き出されたとき、図5および図6aに概略図示するカップリング40を表している部品75と76が自動的に相互から分離される。他方、この構成は、挿入部品56が仕切り壁26側に動かされたとき、カップリングピン75がカップリングブシュ76に入り込み、従ってエプロンアセンブリを関連ドライブシャフト51に接続するようになっている。挿入部品56が仕切り壁26を押し付けるように置かれた後、これは、例えば、協働する弾性的キャッチ要素または類似要素によって取り付けねじ133、136(図6b)で固定される。
【0046】
挿入部品をX方向に引き出すと、エプロン48a、48baは容易に交換し、逆転レールを調整することができる。
【0047】
図6aおよび図6bに示すタイプのドラフティングデバイスは折り畳みドラフティングデバイスであり、その挿入部品56、63は仕切り壁2から引き出されるか、ピボット回転するように構成されている。
【0048】
シングルタンデム設計とダブルタンデム設計の2つの設計が可能である。
【0049】
シングルタンデム設計の場合には、一方が他方の上に置かれた2つのドラフティングデバイスは共通ドライブ要素を有し、これらは仕切り面26の上方と下方に置かれている(図6a、6bおよび7a)。
【0050】
ダブルタンデム設計の場合には、一方が他方の上に置かれた2つのドラフティングデバイスは一方が他方の上に平行に置かれた2つのドラフティングデバイスを備え、ドラフティングデバイスアセンブリに結合され、このドラフティングデバイスアセンブリは仕切り壁26の上方と下方に置かれた共通ドライブ要素を備えている(図6a、図6b、図7bおよび図12)。
【0051】
図6aおよび図6bに示すシングルタンデム設計の場合には、図7aに示すような構造を挿入部品56として適用することができる。
【0052】
ダブルタンデム設計の場合には、例えば、図7bに示す構成を挿入部品56として使用することができる。これは十字形状のハウジング71を備え、図6bに示す使用のために設けられている。ハウジング71はねじ136によって挿入部品63(図6b参照)上の支持アーム135に接続されている。ねじ136を緩めると、挿入部品56はピボット回転することができる。ハウジング71の陰影を付けた部分は動作状態にあるとき仕切り壁26に当接している。
【0053】
それぞれのドラフティングデバイスはハウジング71の4象限(quadrant)に置かれている。ドラフティングローラ143は重複して存在し、それぞれエプロン48a、48b、逆転レール74などが割り振られている。
【0054】
ドラフティングローラ143はカップリング40を有し、このカップリングを介して仕切り壁26の上方のドライブ要素によってトルクが引き起こされている。
【0055】
図7cは図7bの平面図である。点線の円は、弾性的に当接する関連上部ローラを含むドライブシャフト−メイン後退ドラフティングフィールドを示している。これらの構造部品はベアリング138を介して仕切り壁26に接続されている。ハウジング71は図6bと同じようにドラフティングローラ143を収めており、ドラフティングローラ143は確動カップリング(positive coupling)40を介してドライブに接続されている。
【0056】
エプロン48bは図示のように、クランプ要素48c(図7c)でテンションが加えられている。調節可能な逆転レール74が追加的に設けられている。支持アーム135が示されている。
【0057】
メインドラフティングフィールドの入口側のドラフティングローラ143は2つの平歯車50と52を介して相互に接続されている。これらの平歯車50と52は仕切り壁26の上方に配置されている(図12aも参照)。
【0058】
挿入部品56は仕切り壁からピボット回転することができる。その結果、エプロン48aは逆転レール74と共に、自由にアクセス可能になっている。エプロン48a、48bの交換および逆転レール74の調節も、容易化され、または可能にされている。
【0059】
上述したドラフティングデバイスは、ドラフティングデバイスの場合の通常の方法で駆動することができる。例えば、図3−図6bに示す各ドラフティングデバイスに下部ローラが異なるごとに別のドライブモータを設けることが可能である。図3、6aおよび6bでは、そのためにはそれぞれ3つのドライブモータが必要になり、図4と図5では、それぞれドラフティングデバイスごとに2つのドライブモータが必要になるため、マルチシステムの丸編み機の場合には比較的高価になる。丸編み機のすべてのドラフティングデバイスのプーリを、ドライブモータとすべての関連プーリを接線方向に取り巻くドライブベルトを備えたそれぞれの接線ベルトドライブによって一緒に駆動すると、相当の節減が可能になる(例えば、特許文献3の図11)。しかし、その結果として、非常に多数のドラフティングデバイスが存在するために、関連のプーリ50、53、55および69がそれぞれ、これらのプーリに当接する接線ベルトによってのみ比較小さな巻き付け角(angle of wrap)で巻き付けられるという問題点がある。
【0060】
さらに、接線ベルトは、これらが複数回偏向され、そのために交互の曲げ運動を受ける場合には、プーリの一部にだけ当接する可能性がある。しかし、これは、通常のドライブベルト、例えば、歯付きベルトとして構成されたドライブベルトを使用するとき、特に高速の周辺速度が必要であり、高トルクを伝達する必要がある場合には、歯付きベルトはその結果として磨耗が早くなるので望ましくない。従って、特に好適で、現在最良と考えられている本発明の例示実施形態によれば、図8−図12に示すドライブユニットが設けられている。
【0061】
図8は、円状に配置された多数のプーリ77を示し、そこでは、例えば、機械軸27の周囲に分布されたすべてのドラフティングデバイス8(図4−図6a)のプーリ53、55または69が関係している。これらのドライブシャフト49、51および54は垂直に配置されているので、図8に示すこれらシャフトまたはプーリ77はすべて1つの同一平面上に配置することができる。ドライブシャフト78がいま、これらのプーリ77およびドライブモータ80の出力シャフト上に置かれているドライブプーリ79に接線方向に当てられた場合には、図8の結果として図8に参照符合81を付けたプーリの一部は、これが複数回偏向されなければ、ドライブベルト78が接触しないことになる。この問題点を回避するために、少なくとも図9に対応するプーリ77はダブルプーリとして構成され、このダブルプーリは、図8に実線で示したドライブベルト78および図7と図8に鎖線で示した第2のドライブベルト83に当接すために軸方向に一方が他方の上に置かれた2つのセクション77aと77bを有している。従って、例えば、図8と図9に示す第1のドライブシャフト78はプーリ77のセクション77aとプーリ79に接線方向に当接するように置かれ、他方、第2のドライブベルト83はプーリ77のセクション77bに、さらにセクション77bと同じ平面上に置かれたプーリ81に、およびテンションローラ84にも接線方向に当接するように置かれている。その結果、プーリ81も、ドライブシャフト78および/または83を交互に曲げなくとも接線方向に駆動することが可能になっている。代替的に、当然であるが、プーリ81もプーリ77と同じように構成することが可能であり、その場合には、2セクション77a、77bの一方は自由のままになっている。さらに、2セクション77a、77bは同一シャフトに置かれる2つの個別プーリによって形成することが可能である。
【0062】
図8と図9に示す上述した構成の結果、丸編み機が30インチおよびそれ以上の径のニードルシリンダおよび非常に多数の編みシステムを備えている場合でも、例えば、90度の十分に大きな巻き付け角度でドライブプーリ79の周囲に第1のドライブベルトを置くことが可能になる。これとは対照的に、プーリ77と81は、例えば、比較的小さな10度の角度だけで巻き付けられている。これは、少なくとも、例えば、図4−図6においてプーリ55と69に加わる既存ペアリング摩擦に克服する必要のあるプーリについては十分である。このことが特に適用されるのは、マルチシステムの丸編み機の場合には、第2のドライブベルトが接線方向に非常に多数のプーリ77に当接しているのに対し、それによって駆動されるプーリ81の数が比較的少ないからである。
【0063】
例えば、関連ドラフティングローラ(例えば、45)を直接に駆動するだけでなく、歯車50、52(図4−図6)を介して隣接ドラフティングローラ(例えば、44)および/またはエプロンアセンブリ(例えば、図6中の64)も駆動する必要のある、または傘歯車によって活動状態のあるプーリ53に関しては、好ましくは使用されるドライブベルト78、83が以前にそうであったように上昇する傾向がある高い制動運動が発生することがある。このような場合には、ドライブベルト78、83の歯とそれぞれのプーリの歯の間に相対運動が起り、これは急激なジャーク(jerking)運動を引き起こし、あるいはドライブユニットを停止させる原因になることもある。図8に示すドライブユニットの好適な変形実施形態では、従って、それぞれのプーリの各々が関連補助ローラまたはコンタクトローラ85を備えるようになっており、このローラ85は外側から歯付きベルト78と83に当接し、これらをそれぞれプーリ77と81に押し付けている。必要ならば、補助ローラ85は、プーリ77と同様に、図9の意味におけるダブルローラとして構成することができる。さらに、補助ローラ85は、好ましくは、これがそれぞれのプーリ77(図9a)に当接している正確な個所でそれぞれのドライブベルトに置かれているか、あるいは短距離に位置している(例えば、多くても2歯分だけ)個所(図9b)に置かれて、前記損傷を引き起こす交互の曲げ運動を防止している。補助ローラ85はプーリの歯とドライブベルトがかみ合ったままにすることを保証するだけであるので、一般的に、補助ローラ85を半径方向に短距離で、すなわち、直接に接触することなくプーリ77、81に向き合わせるだけで十分である。
【0064】
図10a−図12aおよび図10b−図12bは、台形(trapezoid)の仕切り壁セグメント26aを、関連ドライブユニットを含むこのセグメント26a上に装着されたドラフティングデバイス構成の2つの変形実施形態と共に示している。図10a−図12aに示すドライブユニットが図10b−図12bに示すドライブユニットと異なっているのは、駆動トルクがドラフティングデバイス要素に伝達される点にある。ドラフティングデバイス要素の繊維案内部分の機能は両方の変形実施形態の場合も同じである。セグメント26aは両側縁86aと86が同じ長さで、内縁86cが短く、内縁は半径方向の内側に位置し、これに向き合う位置にある外縁86dは長くなっている。これらの縁86−86dは、多数のセグメント26aがケーキの断片のように相互に隣り合う位置にあり、機械軸27(図3)の周囲に置かれ、相互に接続されて、周辺方向にほぼ閉じたリングを形成されるように相互に接続できる寸法になっている。これは、隣り合う2つの部分的セグメント26および26cで図10aおよび図10bに示されている。個々のセグメント26a−26cの間には、必要ならば、好ましくは小さなファイバタイトギャップが残っているため、これらのセグメントは一緒になってファイバタイト仕切り壁を形成し、これはドラフティングデバイスとドライブユニットの間のエリアを完全にカバーしている。
【0065】
図12a、12bに関連して図10a、10bの底面図が示すように、各セグメント26aはドラフティンデバイス構成を有し、これは図6a、図6bに従って構成された2つのドラフティングデバイス8bから構成されているが、図10a、10bによる底面図では2つの下部ローラペアだけが示されている。従って、各ドラフティングデバイス8bは2ペアIの供給ローラ61を含み、これらは別の2ドラフティングローラペアIIのローラと共にそれぞれのプリドラフティングゾーン(6−10折り畳みドラフト)を形成している。そのあと、それぞれのエプロンアセンブリ64が続き、これはペアIIのドラフティングデバイス62と共に折り畳みゾーン(10%折り畳み)を形成しているが、図面を単純化するために、図12a、12bにはドラフティングローラ88だけが示され、関連エプロン89(図10a、図10b)は示されていない。後退ローラ65は終端を形成し、これらの各々はエプロンアセンブリ64とそのあとに続く可能性のあるノズルアセンブリ59と共にメインドラフティングフィールド59(例えば、20−30折り畳みドラフト)を形成している(各ケースにおいて図6参照)。特に図12aと図12bが示すように、各々のセグメント26aについて、2つのかかるドラフティングデバイス8bは相互に隣り合うように接続され、4つの編みシステムに必要な繊維材料を供給するドラフティングデバイスを構成すると共に、共通ドライブ要素によって相互に接続されている。下部ローラまたは駆動側ローラはそれぞれ図10、図10bおよび図11a、図11bには斜線を付けて示されている。上述した説明によれば、これは所謂折り畳みドラフティングデバイスに関係するものであり、ここではペアIとIIのローラはペアIIIとIVのローラに直交するように配置されているので、繊維材料は特徴のある方法でペアIIとIIIのドラフティングローラの間で折り畳まれている。
【0066】
このようなドラフティングデバイス8bは特にドラフタスライバを処理するのに適している。
【0067】
図10aおよび図10bによる表現はアセンブリを形成する4つの折り畳みドラフティングデバイスに関するものである(図6と図6b参照)。2つのドラフティングデバイスは、それぞれ左右対称平面98上の両側に一方が他方の上になるよう配置されている。
【0068】
折り畳みゾーンにおけるドラフティング(ペアII/III)は薄くなっている。これは伝送によって決まる。プリドラフトゾーンとメインドラフティングゾーンのドラフティングゾーンは自由に選択可能になっている。従って、すべてのドラフティングデバイスを駆動するには3つの同期モータが必要である。
【0069】
図10aと10bはさらにギアボックス97を示しており、これはピボットポイント131をもつ支持アーム132(図6b)を介して仕切り壁セグメント26a上に直接に置かれている。ペアI/IIのローラ61と62は両側でギアボックス97から突出している。例えば、繊維案内チャネル47aのような図6aに示す周囲の構造部品は示されていない。
【0070】
ギアボックス97の底部にはピボットポイント134があり、これに支持アームが関節接続でされている。エプロンアセンブリ(ペアIII)を含む挿入部品56を支持している(図6b参照)。
【0071】
ドラフティングローラ65またはそのシャフトは仕切り壁26aから突出し(図6b参照)、そのあとに続いて、スピニング要素と補助要素を含むそれぞれのゾーンアセンブリ59が存在する。
【0072】
被駆動ローラは図10aと図10bに斜線で示されている。図10aと図10bに示す構造上の違いは、左右対称平面98上に対するペアIIIの被駆動ローラの位置にある。これは、仕切り壁セグメント26aの上方に位置するペアII/IIIのドライブ要素の異なる構成と関連している。ドライブ要素の異なる構成は図11a、11bおよび12a、12bに示されている。これの理由は、編みツールの数が異なると発生する駆動トルクの大きさにある。
【0073】
ペアIとIVに必要な駆動トルクは低くなっている。基本的に克服する必要があるのはベアリング摩擦だけである。ドラフトとされる繊維材料に必要な動力はわずかである。ペアII/IIIに必要な駆動トルクは、エプロンが制動モーメントを発生するのでほぼ高くなっている。
【0074】
図11aと図11bは、各々仕切り壁セグメント26aの平面図を示している。ペアIに対するトルクは接線ベルト92および図6aのプーリ69に対応するベルトホイールZR1によって伝達されている。
【0075】
図11aと図12aに示す変形実施形態では、ペアII/IIIに対するトルクは、接線ベルト95を介して、図6aのプーリ53に対応するベルトホイールZRII/III 1とZRII/III 2に伝達されている。ベルトホイールZRII/III 1はペアIII(左)には直接に、ペアIIには図6aに示す平歯車50と52をもつ中間ギアを介して供給している。トルクの流れは図11aに二重矢印M1で示されている。ペアIII(右)にはベルトホイールZRII/III 2によって直接に供給される。
【0076】
ペアIVは、ベルトホイールZRIV 1とZRIV 2が当接している接線ベルト96を介してトルクを受け、これらは関連ペアIVに供給し、図6aのプーリ55に対応している。
【0077】
巻き付け角度W(図11a)は特にペアII/IIIのドライブでは重要である。図10a/11a/12aに示す第1の変形実施形態では、巻き付け角度Wは編みシステムの数に応じて次のようになっている。
【0078】
ペア 編みシステムの数
48 72 96
I 30° 20° 15°
II/III 15° 10° 7.5°
IV 15° 10° 7.5°
【0079】
巻き付け角度Wは編成システムの多いペアII/IIIでは、必要とされるトルクを伝達するには小さすぎるため、図10b、11b、12bに示す第2の変形実施形態がこの目的のために提案されている。
【0080】
ペアII/IIIの巻き付け角度Wを大きくする図10b、11b、12bの好適実施形態が提案されている。第1の変形実施形態(10a、11a、12a)とは対照的に、1つのベルトZRII/III 1だけが存在している。従って、巻き付け角度Wは編みシステムの数に応じて次のようになっている。
【0081】
ペア 編みシステムの数
48 72 96
I 30° 20° 15°
II/III 30° 20° 15°
IV 15° 10° 7.5°
【0082】
さらに、図12bに示すように、平歯車90aはここではドライブシャフト51に取り付けられており、これはドライブシャフト66(図6a)に置かれた平歯車90bとかみ合っている。ペアIIとIIIはその結果として、シングルベルトホイールZRII/III 1によってのみ駆動されているが、変形実施形態では、巻き付け角度Wを2倍のサイズにすることを可能にしている。
【0083】
ペアII/IIIの巻き付け角度が十分に大であることを考慮すると、第1のドライブ変形実施形態で好ましいと考えられることは、編みシステムの数を少なくすることだけである。第2の変形実施形態が好ましいのは、編みシステムの数が大きい場合である(例えば、72または96システム)。
【0084】
図12aおよび図12bに示すギアを備えたドラフティングドライバグループの構造を、このグループと仕切り壁セグメント26aとのやりとりと共に以下図12e−12gを参照して詳しく説明する。図12cはペアIのドライブを示している。歯付きベルト62は、ドライブシャフト70上に置かれたベルトホイールZR1を駆動する。カップリング40はトルクを中間シャフト142(図6bも参照)に伝達し、中間シャフトは傘歯車ステージ68と平歯車ステージ91a、91bを介してトルクをペアI(4)に伝達している。仕切り壁26aはこれらの間に位置し、ドライブを繊維案内部分から分離している。ギアボックス97は仕切り壁26a(引き出すことまたはピボット回転可能)と切り離し可能に関連付けられている。この構成は変形実施形態のどちらにも同じである。
【0085】
図12dおよび図12eは、第1の変形実施形態(図12a)によるペアII/IIIのドライブを示している。歯付きベルト95は、ドライブシャフト51上に置かれたベルトホイールZRII/IIIを駆動する。カップリング40はペアIIIの一部である中間シャフト143にトルクを伝達する。中間シャフト143は挿入部品56に置かれている。
【0086】
ドライブシャフト51上の平歯車52とかみ合う平歯車50はドライブシャフト66上に置かれている。トルクM1はここでブランチする(図11aも参照)。平歯車50と52は折り畳みドラフティング操作を定義している。平歯車52のトルクはドライブシャフト66と別のカップリング40を介して中間シャフト141に伝達され、そこからトルクが傘歯車ステージ67と平歯車ステージ93a、93bを介してペアII(4つ)に伝達される。仕切り壁26aはドライブを繊維案内部品から分離している。挿入部品5とギアボックス97(図6bには挿入部品63としても示されている)は切り離し可能に仕切り壁26aと関連付けられている。ペアIIと2つのペアIIIはこの構成でカバーされている。2つの目に見えないペアIIIは接線ベルト95に対する別のドライブを有している(図11aと12bを参照)。このドライブの構造は図12eに示されている。図12eによれば、ドライブはベルトホイールZRII/IIIを駆動する接線ベルト95によって行われる。トルクはドライブシャフト51とカップリング40によってドラフティングローラ143(図6b)またはドラフティングローラ88(図10a)によって向けられる。これは挿入部品56に配置されている。
【0087】
図12fはペアIVのドライブと動きを示している。これはどちらの変形実施形態(図12aと図12b)の場合も同じである。2ペアIV 1とIV 2は別々に取り付けられ、駆動されるが、その他については設計が同じである。接線ベルト96は、ドライブシャフト54に置かれ、下部供給ローラ165またはペアIVを表しているベルトホイールZRIV/1を駆動する。ドライブシャフト54は仕切り壁26/26a(図6b)に固定的に接続されたベアリング138内に設けられている。
【0088】
図12gは、図10b/11b/12bに示す第2の変形実施形態に対するドライブグループII/IIIの構造を示している。これは図12dに示すギアに対応している。さらに、平歯車ステージ90a、90b(図12b参照)が存在するが、これは図11bのトルクをM2に分割している。ステージ90a、90bの左側平歯車90bは、矢印v(図12b)による側面図では見えないので、分かりやすくするために図面の平面から90度回転して示されている。図12bは角度を付けた図の構成全体を示している。従って、すべてのペアII/III(4)はシングルベルトホイールZR II/IIIによって駆動されるので、巻き付け角度は十分に大きくなっている。
【0089】
上述した例示の実施形態は、本発明によれば、ドライブユニットが仕切り壁26の上方に設けられ、繊維案内ドラフティングローラが仕切り壁の下方またはそれぞれの仕切り壁セグメント26aの下方に設けられていることを示している。被駆動ユニットは特にプーリと歯付きベルトホイールを含み、ドライブ(歯付き)ベルトはこれらに当接し、および図8と図9に示すようにドライブモータがそのためなどに設けられている。これとは対照的に、例えば、異なる平歯車ステージ90、91および93や傘歯車(例えば、67、68)などの必要な歯車部品は都合よく仕切り壁の上方または下方に設けられ、必要ならば、別のギアボックス(例えば、97)に設けられている。さらに、理解されるように、ドライブシャフト(例えば、図6b中の54)は仕切り壁26または仕切り壁セグメント26aから突出可能であり、そのあと、仕切り壁26、26aの上方に置かれたセクションにおいて、ドラフトシャフトの機能を持つことができるが、仕切り壁26、26aの下方に置かれたセクションではドラフティングローラの機能を持ち、あるいはドラフティングローラ(例えば、図12fを参照)を形成する領域を備えることが可能になっている。
【0090】
その他の場合は、明らかであるように、上述した説明によれば、異なるドラフティングローラペアI−IVによって駆動されるのは常に所謂下部ローラだけであり、これらに対して、所謂上部ローラはプレスアームなどによってそこに押し付けられているので、摩擦より下部ローラによって引き掛けられている。しかし、例示の実施形態では、所謂下部ローラは下部に位置していないので、また所謂上部ローラは上部に位置していないので、下部ローラは好ましくは駆動側ドラフティングローラと呼ばれ、上部ローラは被駆動側ドラフティングローラと呼ばれている。
【0091】
ドライブベルト92、95および96を駆動するために、図8に示す3つのドライブモータ80が使用され、その出力スピードは望ましいドラフトがローラペアI、IIまたはII、IIIまたはIII、IVの間で調整されるように選択されている。その結果、非常に経済的なドライブユニットが、ドラフティングデバイス構成(図10a−12a)ごとに10個のギアまたは傘歯車または12個のギアまたは傘歯車(図10b−12b)の総計に関連して得られ、これらが比較的走行が遅いドラフティングローラを駆動するためにだけ必要になる環境のために、安いギアまたは傘歯車ホイールの使用を可能にしている。96編みシステムを備えた丸編み機では24のドライブユニットが必要である。さらに、実際に同じ構成要素であれば、例えば、72または48の編みシステムを備えた編み機はドラフティングローラの数を少なくしてセグメント26aによって操作することができる。
【0092】
図13は仕切り壁26の概略平面図を示し、この仕切り壁は完全にセグメント26aからなるか、あるいは一部品で、ここでは丸リング形状に構成され、複数のローラ77、2つのテンションローラ84、ハウジング99に収容され、ドライブモータ92と95を駆動するドライブモータ99、および隠れたドラフティングデバイス8bを備えている。さらに、図13は、供給ローラ65用のドライブベルト96がそれと向き合う位置にあるプーリ100と直接に当接する変形実施形態を示し、そこでは、図8に示すように、供給ローラの他のプーリが第2のドライブシャフトを介して回転可能になっている。これは、例えば、2000rpm−4000rpmの速度で駆動される非常に早く回転するドラフティングローラに関するので、プーリ100は、好ましくは、軸方向に一方が他方の上に位置している3セクションを備え、そのうちの1つはドライブベルト96を案内している。他の2つのセクションに当接してさらに2つのドライブベルト101と102があり、これは各々テンションローラ103または104上を走行するので、テンションローラ84について図8に示すように、その領域内においてプーリの一部と当接していない。
【0093】
図14は図13に示す例示の実施形態を示しているが、カバリング30がファイバタイト状(図3)に取り付けられたあと、その結果としてドライブユニットが仕切り壁26の上方に位置する閉じたエリアに置かれている。さらに、ドライブユニットとドラフティングローラの間に置かれたギア部品はそれぞれギアボックス内に置かれているので、被駆動ユニットとギア部品の操作はほぼメインテナンスフリーになっている。
【0094】
図15−図21は例示の実施形態を示し、これは、異なる形成の仕切り壁26bの点で図10と図11に示す例示の実施形態と異なり、さらに、繊維材料用の2つの重なり合った通路を持つ5ローラドラフティングデバイス8cを有する点で、上述した他の例示の実施形態と異なっている。
【0095】
図15および図16に示す仕切り壁セグメント226bは、同じようにほぼ台形の形状をしており、フィーダ43a、43bの個所に短い内縁105bに向き合う位置にある長い外縁105aを備えている。第1の側縁105は凹状のくぼみを備え、第2の側縁105dは凸状のアタッチメント107を備えている。これは、凹状のくぼみに正確にはまり込むような陰影が付けられている。従って、図17に示す2またはそれ以上のセグメント26bはその側縁が相互に隣り合うように配置され、いずれかのセグメント26bのアタッチメント107はそれ自体が隣接セグメントのくぼみ106内に位置しているので、セグメント26bは図10と図11に示すようにケーキの断片のようにファイバタイト構成で相互に隣り合うように置かれ、例えば、全体が丸リング形状の仕切り壁を形成することを可能にしている。アタッチメント107の目的は、例えば、そこにプーリ77が配置されることである(例えば、図16参照)。
【0096】
さらに図15が示すように、フィーダ43a、43bに隣接してドラフティングデバイス8cは、一方が他方の上に置かれたドラフティングローラ108と109の2のそれぞれペアIとIIをもち、これらは図6に示すドラフティングローラ61と62に対応しているが、水平ではなく垂直に配置されている。さらに、2つのそれぞれペアIIIとIVのドラフティングデバイス要素が存在し、これは、図6と同じように、一方が他方の上に置かれた2つのエプロンアセンブリ64を形成し、ドラフティングローラ110と2つの供給ローラは一方が他方の上に位置している。ローラ108a、109a、65aおよびエプロンアセンブリ64aは強制的に駆動されるのに対し、その関連ドラフティングローラ108b、109b、65bおよびエプロンアセンブリ64bはそれぞれ駆動されるドラフティングデバイス要素になっている。
【0097】
水平に配置されたドラフティングローラ111からなる追加ペアのドラフティングデバイス要素はそれぞれドラフティングデバイスペアIIとIIIの間に設けられている。このケースでは、比率はローラ109と111が図6に示すドラフティングローラ62とエプロンアセンブリ64の間の折り畳みゾーンを意味する折り畳みゾーンを形成し、ローラ109a、109bのニップラインのスライバの供給幅が16mmにセットされ、ローラ109a、109bおよび111の間のニップラインの間隔が約30mmにセットされ、W形状の折り畳みが得られ、ローラ111を離れたスライバだけは約4mm幅になっている。他方、エプロンアセンブリ64a、64bのローラ111とローラ110a、110bのニップライン間の間隔はまだ約4mmのスライバに比べて約30mmであり、これはここでは十分に大きく、新しい折り畳みが発生しないように調整されている。
【0098】
図15−図21に示す例示の実施形態が特に利点があるのは、他のドラフティングローラが動作期間に垂直に置かれ、例えば、カップリング75、76(図5)を介して接続されているためにドラフティングローラ111を駆動するためにドライブ平歯車だけが必要になる点である。
【0099】
その他の点では、図15−図21に示す例示実施形態は図1−図14に示す例示の実施形態とほぼ同じであるので、同一部品は同一参照符号で示してある。これは、図15−図21にも存在するプーリ77を備えたドライブユニットにも特に適用される。
【0100】
特に図15にも示すように、被駆動ドラフティングローラ108bと109bは通常のプレスアーム19を用いて取り付けることが可能であり(図2も参照)、必要な場合には、これらと共にピボット回転させてサイドから引き離すことができる。
【0101】
最後に、図18−図21は、上記説明と共に、少なくともペアIII、IVおよびVのドラフティングローラは好ましくは、切り離し可能にセグメント26bに取り付けられたプルアウト(pull-out)挿入部品112と113に取り付けられている。図19は、下方に引き出された挿入部品112を概略示す図であり、図20は下方に引き出された挿入部品113を示している。代替的に、挿入部品112の代わりに、供給ローラ65a、65bが図19に破線で示すように、仕切り壁セグメント26bに固定的に取り付けることもできる。
【0102】
図5を参照して詳しく説明したように、図10と図11および図18−図21にも示すように、それぞれのノズルアセンブリ59は好ましくは繊維の移送方向に各ペアの供給ローラの背後に位置している。このノズルアセンブリ59は下方に引き出すことができる挿入部品として構成することも可能であり、図21は引き出された状態を示している。
【0103】
ラッピング(lapping)などの混乱の場合には、それぞれのホルダを引っ張ることによって、あるいは上部ローラ(図108b参照)をピボット回転することによってすべての繊維案内機能要素をクリーンすることができる。エプロンホルダとして構成された挿入部品112はその微妙なジオメトリ(前方ハング、ラグ、エプロンの逆転レールの位置)の点で調節可能に構成されている。この微妙なジオメトリは変化し、あるいは処理する繊維の材料特性がそれを必要とする場合には適応させる必要がある。本発明によれば、これのためのプロシージャは好ましくは次の通りある。すなわち、特定の微妙セッティングの試みが個々の編みシステムに対して行なわれ、これは所謂スピニング編み機の一部にすることができ、あるいは個別に操作される。これが試験によって判断された場合には、セッティング値が「ゲージ」として伝達される。すべてのエプロン挿入部品112は丸編み機以外の判断された寸法に調整され、そこに挿入される。このプロシージャによれば、高いリセッティング速度が得られると同時に、ドラフティングプロセスの完全な均一性と品質を残しておくことができる。
【0104】
ノズルアセンブリ59は、特に、スピニングデバイス(図2)でスピニングするのに必要な圧縮された吹き付け空気と吸入空気コンダクト手段を含んでいる。ノズルアセンブリ59と好ましい空気コンダクト手段の詳細は図22−図24に概略図で示されている。
【0105】
図22−図23はノズルアセンブリ59を示し、これは側面図で示すように仕切り壁26に接続されている。一方が他方の上に位置する2ペアの供給ローラ115は仕切り壁26の下方に位置している。そのあとに続くスピニングデバイス21のノズルまたは撚り要素22(図2)は供給ローラペア115のガセット(gusset)内に入り込み、仕切り壁26を通して活動状態の圧縮空気供給源116(pu)に接続されている。
【0106】
仕切り壁26から突出していている吹き付けエアダクトを介して吹き付け空気ソースに接続した吹き付け空気スロット117(図23)は各作業個所に置かれている。空気は吹き付け空気スロット117から出て、ローラペア115上で繊維および繊維粒子に渦を引き起こすので、これらは関連吸入チャネル120で、および吸入ソース(pu)に接続した抽出チューブ121を通して除去される。
【0107】
吹き付けおよび吸入システムは供給ローラペア115から短い距離に置かれている。吹き付け空気流が吸入チャネル120から放出されるよりも単位時間当たり少量の空気を放出する場合には通気開口122が設けられている。吹き付け空気チャネルと関連吹き付け空気スロット117および圧縮空気供給源116はノズルアセンブリ59の一部になっているか、あるいはこれに接続されている。ノズルアセンブリ59は、特に図21に示すように取り外し可能に仕切り面26に接続されている。
【0108】
吹き付け空気スロット117、吸入チャネル120および通気開口122によれば、吹き付け空気と吸入空気の単位時間当たりの非常に少ない空気量で十分な毛羽除去を達することができる。この結果として製造の安全性が向上している。これは、それぞれのスピニングデバイス21(図22、23)が1つだけの構成だけでなく、一方が他方の背後に置かれている複数のスピニングデバイス(図24)をもつ構成にも適用される。
【0109】
本発明は上述した例示の実施形態に限定されず、種々の態様で変更が可能である。これは、特に、上述したプレスアームおよび挿入部品に適用され、この実施形態は、種々の方法で変更が可能である単なる例を示したにすぎない、特に、挿入部品は、動作時に被駆動ローラおよびエプロンを弾性的に押し付け、または駆動ローラおよびエプロンを空気力で押し付けるために詳細に示されていない要素を備えることができる。特に、丸編み機の中心軸から遠くに離れた機能部品の場合、横方向に引き出すことができる挿入部品を別に設けることも可能である。さらに、明らかであるように、保守する必要があり、頻繁に交換する必要のある機能部品は、これらが開いた位置にあるとき容易に交換できるような形で、好ましくはプレスアーム、挿入部品にまたはピボット回転可能プレスアーム、挿入部品などに取り付けられる。このために望ましいことは、可能な場合には、ローラと偏向要素(例えば、図7中の74)を一端だけに(カンチレバ)し、その自由端を下部または側面に設けて、駆動側ローラの自由端側に望ましいように構成されているプレスアーム、挿入部品などをピボット回転し、または引き出したあと少なくともエプロンが取り除かれるようになっている。さらに、上述したドライブおよびギア要素も単なる好ましい例を示したにすぎない。特に、望ましいことは、少なくとも非常に急速に走行する供給ローラ(例えば、図6中の65)、ドライブシャフトおよびプーリ(例えば、図6中の54、55)を結合することであり、これらは可能な限り短く軸方向に作用して、動き質量を低く保ち、急速な加速と特に制動操作を可能にしている。例えば、歯付きベルトおよび歯付きプーリの代わりに、ドライブチェインおよびチェインホイールおよび/またはその他の要素をもつチェインギアを設けることも可能であり、平歯車50、52などは、例えば、ベルトドライブで取り替えることができる。上述したカップリングは上記に表したのと異なる方法で構成することができる。例えば、水平配置のドラフティングデバイス要素は螺旋ギアステージを介してドライブユニットに結合することもできる。さらに明らかであるように、ドラフティングローラは、好ましくは通常のコーティングを備えているか、あるいは通常の材料で作られ、特に上部ローラは都合よくフレキシブルなコーティングを備えている。さらに、異なる構造部品を簡単な手作業で解放することを可能にする急速解放は、好ましくは、ドラフティングデバイス構成および/または挿入部品を仕切り壁の下側に取り付けるのに適している。仕切り壁と仕切り壁セグメントの形状は、個々のケースに応じて異なる選択が可能であり、特に使用される丸編み機は、それぞれの丸編み機の設計に適応させる可能である。最後に、当然に理解されるように、上述し、図示したものとは異なる組み合わせで異なる特徴を適用することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に繊維材料(10、11)を使用して編み物品を製造するための丸編み機であって、機械軸(27)、機械軸(27)の周囲に分布された多数の編みシステム(6)、前記編みシステム(6)の少なくとも一部に繊維材料を供給するドラフティングローラを備えたドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)および関連のドラフティングローラに作用状態で接続されてドラフティングローラを駆動するドライブユニットを装備したものにおいて、機械軸を横切るように配置されたにファイバタイト状の仕切り壁(26)が設けられ、ドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)は前記仕切り壁(26)の下方に配置され、ドライブユニット(28)は前記仕切り壁(26)の上方に配置され、ドライブユニット(28)は前記仕切り壁(26)を通して関連のドラフティングローラに結合されていることを特徴とする丸編み機。
【請求項2】
ベースプレートまたはカムプレート(17)を備え、仕切り壁(26)は、機械軸(27)の周囲に分布され、ベースプレートまたはカムプレート上におよび/または地面上に支持された多数の支持柱(16)によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の丸編み機。
【請求項3】
仕切り壁(26)は機械軸(27)をリング形状にまたは円錐状に取り囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の丸編み機。
【請求項4】
仕切り壁(26)は、周辺方向にファイバタイト状の構成で相互に密接するように置かれた多数のセグメントを収容していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の、丸編み機。
【請求項5】
仕切り壁(26)はその上方側に設けられ、ほぼ閉じたカバリング(30)がドライブユニット(28)の1つを取り囲んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項6】
カバリング(30)は、機械軸(27)の方向に突出したカバリング要素(31、32)によって補強されていることを特徴とする請求項5に記載の丸編み機。
【請求項7】
ドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)は、設置された状態にある供給ローラ(46、65)の各ペア用に機械軸(27)に平行に配置されたシャフトを有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項8】
ドラフティングデバイス(8)は繊維排出用の関連吸引チャネル(34b)および汚れた断片用の吸引チャネル(34d)を備え、前記吸引チャネル(34c、34d)は中央抽出機(34)に接続されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項9】
ドラフティングデバイス(8a、8b、8c)はそれぞれ少なくとも2つの繊維材料(10、11)を並列に供給することを目的とした二重ドラフティングデバイスとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項10】
重なり合った2つのドラフティングデバイスおよび前記ドラフティングデバイスに平行のさらに2つのドラフティングデバイスからなるが少なくとも1つのドラフティングデバイス構成を含んでおり、これらのドラフティングデバイスは共通の駆動要素(ZRI、ZRII/III1、ZRII/III2、ZRIV1、ZRIV2)を有しており、プリドラフティンググループ(I、II)は水平シャフト(67)を有し、メインドラフティンググループ(III、IV)は機械軸(27)に平行に立っている(垂直)シャフト(65)を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項11】
ドラフティングローラは少なくとも部分的に挿入部品(56、63、112、113)内に配置され、挿入部品はカップリング(40)によって切り離し可能に仕切り壁(26)に接続されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項12】
少なくとも1つの挿入部品(56)は、ドラフティングデバイスが4象限に置かれている十字形状に構成されており、挿入部品(56)は支持アーム(135)によって別の挿入部品(63)上にピボット回転可能に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の丸編み機。
【請求項13】
少なくとも1つのドラフティングデバイス(8b)は、支持アーム(132)と第1のピボットポイント(131)を介して仕切り壁(26)上に直接にピボット回転可能に配置された第1の挿入部品および支持アーム(132)と第2のピボットピン(134)を介してピボット回転するように前記第1の挿入部品(63)に接続された第2の挿入部品(56)を備えていて、前記第2のピボットポイント(134)は前記第1の挿入部品(63)の前部下隅に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の丸編み機。
【請求項14】
ドライブユニット(28)は接線ベルトドライブとして構成され、ドラフティングデバイス(8)の後退ローラ(46、65)用の少なくとも1つのドライブユニットは少なくとも第1と第2のドライブベルト(78、83)およびプーリ(77、81)の形体の多数のドライブを含み、前記プーリは機械軸(27)の周囲に分布されていると共に、少なくとも部分的に重なり合った第1と第2のセクション(77a、77b)を備えていて、前記第1のベルトドライブ(78)はプーリ(77)の第1の部分の第1のセクション(77a)を接線方向に取り巻いており、前記第2のドライブベルト(83)はプーリ(77、71)の第2の部分の第2のセクションを接線方向に取り巻いていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項15】
ドライブベルト(78)はドライブモータ(80)のドライブプーリ(79)に、および第2のドライブベルト(83)はテンションローラ(84)に、それぞれ接線方向におよび交互に屈曲することなく取り巻いていることを特徴とする請求項14に記載の丸編み機。
【請求項16】
プーリ(77、81)の少なくとも一部は、第1および/または第2のドライブベルト(78、83)用の関連補助ローラ(85)を備えていて、前記補助ローラ(85)はそれぞれのドライブベルト(78、83)の開始ポイントに、または開始ポイントから短い距離を置いて配置されていることを特徴とする請求項14または15に記載の丸編み機。
【請求項17】
ドラフティングデバイスの後退ローラ(115)の背後の繊維材料の移送方向に、ブロアーと吸引システムを備えたそれぞれのノズルアセンブリ(59)が仕切り壁に取り付けられ、仕切り壁(26)には、後退ローラペア(115)と関連付けられたブロアーと吸引開口(117、122)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項1】
少なくとも部分的に繊維材料(10、11)を使用して編み物品を製造するための丸編み機であって、機械軸(27)、機械軸(27)の周囲に分布された多数の編みシステム(6)、前記編みシステム(6)の少なくとも一部に繊維材料を供給するドラフティングローラを備えたドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)および関連のドラフティングローラに作用状態で接続されてドラフティングローラを駆動するドライブユニットを装備したものにおいて、機械軸を横切るように配置されたにファイバタイト状の仕切り壁(26)が設けられ、ドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)は前記仕切り壁(26)の下方に配置され、ドライブユニット(28)は前記仕切り壁(26)の上方に配置され、ドライブユニット(28)は前記仕切り壁(26)を通して関連のドラフティングローラに結合されていることを特徴とする丸編み機。
【請求項2】
ベースプレートまたはカムプレート(17)を備え、仕切り壁(26)は、機械軸(27)の周囲に分布され、ベースプレートまたはカムプレート上におよび/または地面上に支持された多数の支持柱(16)によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の丸編み機。
【請求項3】
仕切り壁(26)は機械軸(27)をリング形状にまたは円錐状に取り囲んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の丸編み機。
【請求項4】
仕切り壁(26)は、周辺方向にファイバタイト状の構成で相互に密接するように置かれた多数のセグメントを収容していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の、丸編み機。
【請求項5】
仕切り壁(26)はその上方側に設けられ、ほぼ閉じたカバリング(30)がドライブユニット(28)の1つを取り囲んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項6】
カバリング(30)は、機械軸(27)の方向に突出したカバリング要素(31、32)によって補強されていることを特徴とする請求項5に記載の丸編み機。
【請求項7】
ドラフティングデバイス(8、8a、8b、8c)は、設置された状態にある供給ローラ(46、65)の各ペア用に機械軸(27)に平行に配置されたシャフトを有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項8】
ドラフティングデバイス(8)は繊維排出用の関連吸引チャネル(34b)および汚れた断片用の吸引チャネル(34d)を備え、前記吸引チャネル(34c、34d)は中央抽出機(34)に接続されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項9】
ドラフティングデバイス(8a、8b、8c)はそれぞれ少なくとも2つの繊維材料(10、11)を並列に供給することを目的とした二重ドラフティングデバイスとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項10】
重なり合った2つのドラフティングデバイスおよび前記ドラフティングデバイスに平行のさらに2つのドラフティングデバイスからなるが少なくとも1つのドラフティングデバイス構成を含んでおり、これらのドラフティングデバイスは共通の駆動要素(ZRI、ZRII/III1、ZRII/III2、ZRIV1、ZRIV2)を有しており、プリドラフティンググループ(I、II)は水平シャフト(67)を有し、メインドラフティンググループ(III、IV)は機械軸(27)に平行に立っている(垂直)シャフト(65)を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項11】
ドラフティングローラは少なくとも部分的に挿入部品(56、63、112、113)内に配置され、挿入部品はカップリング(40)によって切り離し可能に仕切り壁(26)に接続されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項12】
少なくとも1つの挿入部品(56)は、ドラフティングデバイスが4象限に置かれている十字形状に構成されており、挿入部品(56)は支持アーム(135)によって別の挿入部品(63)上にピボット回転可能に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の丸編み機。
【請求項13】
少なくとも1つのドラフティングデバイス(8b)は、支持アーム(132)と第1のピボットポイント(131)を介して仕切り壁(26)上に直接にピボット回転可能に配置された第1の挿入部品および支持アーム(132)と第2のピボットピン(134)を介してピボット回転するように前記第1の挿入部品(63)に接続された第2の挿入部品(56)を備えていて、前記第2のピボットポイント(134)は前記第1の挿入部品(63)の前部下隅に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の丸編み機。
【請求項14】
ドライブユニット(28)は接線ベルトドライブとして構成され、ドラフティングデバイス(8)の後退ローラ(46、65)用の少なくとも1つのドライブユニットは少なくとも第1と第2のドライブベルト(78、83)およびプーリ(77、81)の形体の多数のドライブを含み、前記プーリは機械軸(27)の周囲に分布されていると共に、少なくとも部分的に重なり合った第1と第2のセクション(77a、77b)を備えていて、前記第1のベルトドライブ(78)はプーリ(77)の第1の部分の第1のセクション(77a)を接線方向に取り巻いており、前記第2のドライブベルト(83)はプーリ(77、71)の第2の部分の第2のセクションを接線方向に取り巻いていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の丸編み機。
【請求項15】
ドライブベルト(78)はドライブモータ(80)のドライブプーリ(79)に、および第2のドライブベルト(83)はテンションローラ(84)に、それぞれ接線方向におよび交互に屈曲することなく取り巻いていることを特徴とする請求項14に記載の丸編み機。
【請求項16】
プーリ(77、81)の少なくとも一部は、第1および/または第2のドライブベルト(78、83)用の関連補助ローラ(85)を備えていて、前記補助ローラ(85)はそれぞれのドライブベルト(78、83)の開始ポイントに、または開始ポイントから短い距離を置いて配置されていることを特徴とする請求項14または15に記載の丸編み機。
【請求項17】
ドラフティングデバイスの後退ローラ(115)の背後の繊維材料の移送方向に、ブロアーと吸引システムを備えたそれぞれのノズルアセンブリ(59)が仕切り壁に取り付けられ、仕切り壁(26)には、後退ローラペア(115)と関連付けられたブロアーと吸引開口(117、122)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の丸編み機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図12f】
【図12g】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2010−529321(P2010−529321A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511487(P2010−511487)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000945
【国際公開番号】WO2008/151608
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509156398)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000945
【国際公開番号】WO2008/151608
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509156398)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]