説明

少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う方法

長く伸びた溶接組合せ(4)の手段、すなわち、長く伸びた溶接ヘッド(1)および長く伸びたアンビル要素の組合せを用いて、少なくとも1つのウェブ(8、9)で超音波溶接を行う装置(10)には、溶接組合せ(4)が、移動可能に設けられている。また、その装置(10)は、その溶接組合せ(4)の移動を実現する手段を有する。溶接組合せ(4)は、装置(10)によってウェブ(8、9)が搬送される搬送方向(W)と垂直な方向に移動可能である。移動工程中、溶接ヘッドおよびアンビル要素の両方の移動が、正確に制御される。これにより、溶接組合せ(4)のそれらの構成部品の相互位置が、維持される。溶接組合せを移動可能に配置することにより、処理されるウェブ(8、9)の幅が制限されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う方法に関する。本発明の方法では、長く伸びた溶接ヘッドおよび長く伸びたアンビル要素の組合せ(combination)を有する装置が、用いられる。前記ウェブは、溶接ヘッドとアンビル要素との間に位置付けられる。溶接ヘッドおよびアンビル要素が、超音波溶接工程を行うために有効な相互位置に配置されている間、溶接ヘッドの超音波振動動作が実行される。また、ウェブと、溶接ヘッドおよびアンビル要素の組合せと、の相対動作が実行される。
【0002】
また、本発明は、少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う装置に関する。その装置は、溶接ヘッドおよびアンビル要素の組合せと、溶接ヘッドの超音波振動動作を実行する手段と、を有する。
【背景技術】
【0003】
上述した方法および装置は、よく知られており、例えば、特許文献1で開示されている超音波溶接装置は、電気高周波発生器で構成される超音波溶接装置と、高周波電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する変換器と、機械振動の振幅を増加させる増幅器と、その機械振動が往復運動の形で溶接ヘッドに送られるように、前記増幅器に接続される溶接ヘッドと、を有している。また、その超音波溶接装置は、突起形状で形成された周面を備えたアンビルが選択されたパターンで配置されているアンビルローラーと、アンビルローラーの周辺および溶接ヘッドの端部によって定義されるニップまたはギャップを通って接合されるウェブを移動させる運搬手段と、をさらに有する。
【0004】
従来の超音波溶接装置では、動作中、上述したように、ウェブがニップまたはギャップを通って移動される。また、アンビルローラーは、ウェブが走行する速度と同じ速度で回転する。そして、溶接ヘッドは、超音波範囲内で存在する周波数によりウェブ材料で上下に動くように、設けられている。従来の超音波溶接装置で機械加工工程を行った際、熱が発生し、材料が溶けることがある。このため、溶接ヘッドとアンビルローラーとの間に位置づけられたウェブ材料が溶け、その結果、それらが一緒に融合されてしまうことがある。なお、超音波溶接工程の手段によって接合させるために適切な材料としては、ポリプロピレンのような熱可塑性プラスチック材料が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許公開第95/13182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超音波溶接工程では、溶接ヘッドおよびアンビルローラーが、最も精密な方法で協力し合うことが重要である。実際の溶接工程は、溶接ヘッドの端部とアンビルローラーのアンビルとの間の小さな接触面で行われる。この理由の1つとしては、超音波溶接装置の幅に対する制限がある。また別の理由としては、大きくて重たい溶接ヘッドを有することは実用的ではなく、また、超音波振動動作を行うために、溶接ヘッドをさらに動作させる必要がある。
【0007】
溶接ヘッドに別々のヘッドユニットをいくつか備える実験があった。そのヘッドユニットは、長いアンビルローラーと連結され、互いに隣り合うように一列に配置されていた。しかしながら、それらの実験は、高価で不便な装置がこのように得られることができるということを証明した。具体的には、幅270mmの10個のヘッドユニット、または、幅300mmの9個のヘッドユニットが、使用された。実際、現在利用できる超音波溶接装置は、約2.7メートルの最大幅を有しており、超音波溶接工程は、その幅より大きな幅を有するウェブを処理する場合には、その装置を使用することはできない。また、6、8、または、10メートル以上の幅を有するウェブを従来の超音波溶接装置で処理する場合には、ウェブの幅が制限される問題があった。したがって、この問題を解決することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の方法は、長く伸びた溶接ヘッドおよび長く伸びたアンビル要素の組合せが、超音波溶接工程の間、前記溶接ヘッドの超音波振動動作が行われる方向と異なる方向に装置によって動かされると共に、前記溶接ヘッドおよび前記アンビル要素の有効な相互位置が維持されることを提供する。つまり、本発明によれば、適切な超音波溶接工程を行うために、溶接ヘッドおよびアンビル要素が従来の装置のように同じ相互位置で保持される。従来との違いは、溶接ヘッドおよびアンビル要素が、装置を通じて組合せて一緒に動作することである。現在の技術によれば、溶接ヘッドおよびアンビル要素は、装置において、固定された位置に配置されているが、それは、本発明が適用されるケースではない。溶接ヘッドおよびアンビル要素が、装置において移動することができない従来技術が放棄されることは、本発明の業績である。
【0009】
従来では、溶接工程の正確な実現のために必要とされる溶接ヘッドおよびアンビル要素の正確な相互位置決めが、維持されるような方法において、溶接装置を通じて、長く伸びた溶接ヘッドおよび長く伸びたアンビル要素を組合せとして動かすことが実質的に不可能であるという考えに基づいている。この考えの主な理由は、溶接ヘッドおよびアンビル要素が、処理される少なくとも1つのウェブによって、互いに離れて設けられているためである。特に、本発明は、溶接ヘッドとアンビル要素と間を直接物理的に接続することなく、少なくとも1つのウェブを超音波溶接に適応させることが可能であるという洞察に基づいている。
【0010】
本発明の以下の記述では、溶接ヘッドおよびアンビル要素の組合せが、溶接組合せとして見なされる。本発明の方法が適用されると、超音波組合せの移動が予想されるので、超音波溶接されるウェブの寸法の制限はなくなり、所望領域をカバーすることが可能である。実際、溶接組合せは、ウェブが装置によって動かされる方向に対して垂直方向に移動させてもよく、これにより、溶接組合せは、溶接組合せの所望のサイズより大きいかもしれないウェブの幅全体で動くことができる。これは、溶接組合せの構成部品が、例えば、WO95/13182で記載されている従来の状況で設けられている位置に対して、溶接ヘッドおよびアンビル要素が4分の1の回転で回転されることを意味する。それらの構成部品は、その移動方向と等しい方向ではなく、その移動方向と垂直な方向で、ウェブを処理するように位置付けされる。
【0011】
特に、実際には、本発明に係る超音波溶接工程は、以下に記載されているような状況を含むことができる。超音波溶接を受ける少なくとも1つのウェブが、溶接ヘッドおよびアンビル要素の間に位置付けられ、固定位置で維持される。超音波溶接工程は、その後、溶接組合せの手段によって行われる。溶接ヘッドは、超音波振動動作を提供し、アンビル要素のアンビルによって局所的に支持されたウェブの小さな部分で動く。この工程では、溶接組合せが、溶接組合せの幅および溶接組合せが移動する経路の長さによって定義される長方形と同じ大きさのウェブ領域で、超音波溶接工程を行うために、配置されている。溶接組合せが、その経路の端部に到達したとき、ウェブは、溶接組合せの幅によって決定される距離に沿って動かされる。この動作が終わるとすぐに、溶接組合せが、前のステップで処理されたウェブの部分に隣接するウェブの新しい部分で、超音波溶接工程を行うように、動かすこともできる。この工程では、溶接組合せが、前のステップの移動方向に対して逆方向に移動する。ゆえに、溶接組合せを前後に動かすと共に、溶接組合せの幅と関連する距離に沿って2つの相対する方向で溶接組合せの動作間でウェブを動かすことによって、ウェブ上で継続して超音波溶接工程を実現することができる。
【0012】
また、ウェブは、超音波溶接工程中に、装置によって動かすことも可能である。この場合、溶接組合せは、ウェブの移動に対応する構成部品の移動を行う。すなわち、溶接組合せは、前述したように、ウェブに対して動かすことができ、また、同時にウェブと一緒に装置で動かすことができる。この場合、溶接組合せが、ウェブをこえてその経路の端部に到達したとき、溶接組合せが、溶接ヘッドおよびアンビル要素の幅によって決定される距離に沿って、ウェブが装置で動かされる方向に、後ろに移動する。この工程では、ウェブの移動を続けることもできるが、この移動を一時的に止めることも可能である。例えば、ウェブが加工処理された部分に隣接するウェブの新しい部分で、超音波溶接工程を開始する目的で移動する際、溶接組合せの動作を一時的に止めることができる。
【0013】
アンビル要素に関しては、溶接組合せの構成部品が、ローラーを有することができるということが特徴である。このローラーは、超音波溶接工程および溶接組合せの関連移動の間に、その軸の周りを回転する。溶接ヘッドに関しては、溶接組合せの構成部品が、少なくとも2つのヘッドユニットを有していることが特徴である。少なくとも2つのヘッドユニットは、一列に配置されており、別々の独立したユニットである。
【0014】
本発明による超音波溶接方法およびその装置は、さまざまな状況で使用することができる。例えば、上述したように、ウェブを接合したり、溶接ヘッドおよびアンビル要素での処理の影響を受ける相互の接続を確立するために適切なウェブの材料を提供したり必要がある場合に用いることができる。本発明において、ウェブは、ポリプロピレンで構成されているが、本発明の範囲内で他の材料で構成することも可能である。接合されるウェブは、2つのウェブである。第1ウェブは、ローラーから引き出される支持ウェブであり、第2ウェブは、セグメントの形で提供される。そのセグメントは、支持ウェブを完全に覆うように、支持ウェブ上に位置付けられている。本発明の範囲内で、多数の選択肢が存在する。例えば、ウェブの数が、2つ以上あってもよく、それらのウェブが完全に重なっていたり、部分的に重なっていたりしてもよい。また、2つか3つの支持ウェブが、互いに隣接して位置付けられていてもよい。3つの支持ウェブの全幅に対応する長さを有するウェブセグメントは、支持ウェブを覆うために用いられる。
【0015】
超音波溶接工程は、ウェブの最終的な接続を提供するために用いられるが、その超音波溶接工程を、所望の相互の固定が実際に得られるまでウェブを相互接続することを目的とする動作を行うことによって、ウェブの相互位置が最初に固定される工程で、用いてもよい。そのウェブは、その後、最終的な接続を確定する工程を受ける。その工程は、積層工程のような公知の工程で適切に行われる。
【0016】
また、本発明に係る超音波溶接方法および装置は、ウェブを強化する目的で、単一のウェブ、特に、不織ウェブを処理するために、用いることもできる。
【0017】
本発明の超音波溶接工程では、溶接ヘッドおよびアンビル要素の両方が、処理される少なくとも1つのウェブに対して、移動する。移動工程を制御する高精度制御は、優れた溶接結果を得ることに貢献する。溶接ヘッドおよびアンビル要素は、それらを使用中、ウェブを介して離れて設けられており、また、ウェブがかなり大きな寸法を有しているので、実際、多くの場合、溶接組合せの2つの構成部品の直接な物理的接続を有することはできない。これを考慮して、本発明は、溶接ヘッドおよびアンビル要素を動かすサーボ技術を適用する。本発明による装置は、リニアモーターを備えることができる。一般的に知られているように、サーボ技術は、ネガティブフィードバック(negative feedback)の原理に基づいている。実際の位置は、測定されて、所望の位置と比較される。比較した結果は、実際の位置と所望の位置との間の差分である。この差分情報は、実際の位置を調整するために用いられる。この調整は、その差分を減らすためである。
【0018】
本発明による装置は、置換可能な溶接ヘッドおよびアンビル要素を備え、まっすぐに両方の構成部品を動かすために案内することができる。実際には、溶接ヘッドおよびアンビル要素の両方の動作において、ズレが生じ、その結果、溶接組合せの構成部品の誤った相互の位置決めの危険性がある。本発明によれば、この危険性を減らすために、最初に装置を使用する前に、アンビル要素の移動を詳細に測定し、それらの詳細情報をメモリに格納することが、想定されている。特に、その詳細情報は、直線に対してずれる可能性があり、長く伸びた溶接ヘッドおよび長く伸びたアンビル要素を支持するための構造の屈曲において、役割を果たすことができる。また、それらの詳細の情報は、溶接ヘッドの移動を制御する工程で用いることができる。溶接ヘッドの移動は、直線に対してアンビル要素の移動のように、同じエラーを有することがわかる。この場合、溶接ヘッドおよびアンビル要素の正しい相互位置が、どんなときにも維持される。その結果、超音波溶接工程は、非常に複雑な制御測定を必要としないで、非常に正確な方法で行うことができる。本発明は、また、溶接組合せの構成部品の移動を制御するのに、他の原理を適用することもできる。例えば、アンビル要素の移動は、溶接ヘッドを動かすための格納されたデータに基づいて制御することができる。
【0019】
本発明によれば、少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う溶接組合せは、溶接工程中、溶接ヘッドの超音波振動動作の方向と別の方向に移動される。この工程では、溶接組合せの主な2つの構成部品である溶接ヘッドおよびアンビル要素は、同じ有効な相互の位置で保持される。有効な相互位置としては、例えば、溶接ヘッドおよびアンビル要素が、超音波溶接工程を実現する最適な方法で互いに協力可能な場所が好ましい。完全を期すために、溶接ヘッドおよびアンビル要素を同じ有効な相互位置で保持するという事実が、超音波溶接工程中、それを用いるために、理解されていないことに注目すると、本発明では、溶接ヘッドおよびアンビル要素の相互位置の変化が全くない。溶接ヘッドおよびアンビル要素が、有効な相互位置に設けられ、超音波溶接工程を行うために動かされるとき、溶接ヘッドの超音波振動によって小規模で生じる変更を含んで超音波工程を行うために、溶接ヘッドおよびアンビル要素の相互位置でさらに変更が必要となる。さらに、アンビル要素は、回転するローラーである。しかしながら、超音波溶接工程を行う溶接ヘッドおよびアンビル要素の機能は、上述したように、角度位置の変更から独立しているので、そのようなローラーの角度の位置の変更は、溶接ヘッドに対して、アンビル要素の有効な相互位置での変更を構成するものとして見なされない。
【0020】
本発明の範囲内に存在する1つの可能性によれば、溶接組合せは、処理されるウェブと交差して前後に動くことができる。例えば、溶接組合せは、ウェブの一方の端部から他方の端部まで移動することができる。ウェブは、溶接工程が行われている間、その場所で保持される。また、ウェブは、溶接組合せの動作が逆に動く際に、溶接組合せの幅に関連する距離をこえて移動する。このため、ウェブの隣接した部分が、進行中の工程で処理することができる。
【0021】
また、処理される少なくとも1つのウェブと交差し、前後に溶接組合せを動かすコンセプトの範囲内では、溶接工程が行われている期間中に、ウェブを移動させることが可能である。溶接組合せは、ウェブの移動方向で溶接組合せの動作が逆に動かされる間、溶接組合せの幅に関連する距離をこえて後ろに移動する。このため、ウェブの隣接する部分は、進行中の工程で処理することができる。
【0022】
本発明の最大の重要な利点は、超音波溶接工程を受けるウェブの寸法に対して制限がないことである。このため、本発明の装置と従来の装置との間には、顕著な違いがある。本発明の装置は、ウェブを装置によって運ぶ方向に対して垂直な寸法が3メートルより大きいウェブを運ぶことができる。本発明は、3メートル以上、例えば、6メートル、8メートル、または、10メートルの幅を有するウェブで超音波溶接工程を行うことができる。実際、上述したように、ウェブの寸法に関して制限がまったくない。溶接ヘッドおよびアンビル要素の幅に関しては、ここでは標準の幅、具体的には、160mm、320mm、480mm、または、200mm、400mm、600mmである。
【0023】
通常、本発明の装置は、少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う装置である。本発明の装置は、長く伸びた溶接ヘッドおよび長く伸びたアンビル要素の組合せと、溶接ヘッドの超音波振動動作を実現する手段と、を備えている。溶接ヘッドおよびアンビル要素の組合せは、溶接ヘッドの超音波振動動作方向とは異なる方向に移動可能に装置に設けられている。また、その異なる方向に溶接ヘッドおよびアンビル要素の組合せの移動を実現する手段が、設けられている。
【0024】
米国特許第6,098,684号には、超音波加工ユニットを有する超音波溶接機/超音波打ち抜き機が開示されている。その超音波加工ユニットには、機械加工ローラーと、超音波が送られるツールホーンと、が設けられている。機械加工ローラーおよびツールホーンは、例えば、往復運動などを行うために、両方とも制御される。機械加工ローラーおよびツールホーンの移動速度は、等しくなるように、制御される。米国特許第6,098,684号の装置と本発明の装置との重要な違いは、機械加工ローラーおよびツールホーンの形状が異なることである。つまり、米国特許第6,098,684の装置に設けられた機械加工ローラーおよびツールホーンが、長く伸びた形状ではない。それどころか、機械加工ローラーはディスク形状であり、また、ホーンツールは円形の外周を有している。
【0025】
本発明は、長く伸びた溶接組合せの分野(field)であり、多数の寸法を有するウェブを処理するために適している。それに対して、米国特許第6,098,684号の溶接組合せは、比較的小さな幅を有するウェブを接合するために用いられるだけである。大きな寸法や長く伸びた形状は、より大きな重量となり、支持構造の曲げのような影響を及ぼす。本発明は、そのような寸法や形状の分野であり、曲げ(bending)が論点であり、標準のカレンダーローラーの原理の適用は、できない。
【0026】
本発明の装置では、溶接組合せの配置を有することが可能である。その組合せが、ウェブが装置によって運ばれる方向と異なる方向に移動可能である。上述したように、例えば、溶接組合せの移動方向が、ウェブの搬送方向に対して垂直にすることができる。この場合、溶接ヘッドおよびアンビル要素は、ウェブの搬送方向に伸ばすことができる。その結果、超音波溶接工程は、装置の幅を超えて、ウェブの一方から他方へ溶接組合せを動かすことによって、行うことができる。すでに述べているが、本発明の溶接組合せの位置付け(orientation)は、従来の超音波溶接装置における溶接組合せの位置付け(orientation)とは異なる。その違いは、4分の1の回転である。しかしながら、本発明の溶接組合せの位置付けが、従来の装置の場合と同じように位置付けすることも可能である。このような場合、ウェブの全幅が、ウェブの隣接する部分でウェブの搬送方向に超音波溶接工程を行うことによって、適用される。溶接組合せが、横方向に移動可能である。すなわち、溶接組合せが伸びる方向に移動することができる。ウェブの1つの部分が、超音波溶接工程に適用される際、溶接組合せは、横方向で見られるように、隣接する部分に移動される。そして、超音波溶接工程が、同様にこの隣接する部分上で行うことができる。この工程では、溶接組合せがウェブの搬送方向に移動することができるが、従来の装置の場合のように、超音波溶接工程中、ウェブだけを移動させて、溶接組合せを所定の位置に保持することも可能である。
【0027】
また、装置における溶接組合せの移動方向に対して、ウェブの搬送方向と垂直である構成部品を有することが可能である。この場合、装置において溶接組合せの移動方向の他の構成部品は、ウェブの運搬方向にある。特に、この場合では、ウェブが、超音波溶接工程中、動かされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】超音波溶接工程で用いられる溶接ヘッド、アンビルローラー、および、2つのウェブを示す概略図であり、超音波溶接工程を説明するために用いられる。
【図2】本発明に係る装置の構成、および、その装置によって処理されるウェブを示す概略図であり、ウェブおよびその装置の溶接組合せの第1動作を説明するために用いられる。
【図3】前記装置における溶接組合せの2つの異なる位置を示す概略図である。
【図4】本発明得に係る装置の構成部品、および、その装置によって処理されるウェブを示す概略図であり、ウェブおよびその装置の溶接組合せの第2動作を説明するために用いられる。
【図5】本発明に係る装置の溶接ヘッドの下部を示す概略図である。
【図6】図1の溶接ヘッド、アンビルローラー、および、溶接ヘッドとアンビルローラーとの間に位置付けられる2つのウェブの他の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、図を参照して、以下に詳細に説明される。図面において、同じ参照符号は、同じ部品を示す。
【0030】
図1および図6は、接合が必要なウェブ3で超音波溶接工程を行うために用いられる溶接ヘッド1およびアンビルローラー2を概略的に示す。溶接ヘッドおよびアンビルローラー2は、図6に示すように、長く伸びた形状を有している。また、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2は、同じ幅を有している。以下に、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の組合せが、溶接組合せ4として称される。超音波溶接の技術は、それ自体は知られているので、ここでは簡単に説明する。
【0031】
図6に示すように、溶接ヘッド1は、多数のヘッドユニット1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gを有する。そのヘッドユニット1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gは、密接に隣接した状態で配置されている。溶接ヘッド1およびアンビルローラー2は、かなり大きくすることができる。溶接ヘッド1およびアンビルローラー2を支持するため、かなり頑丈な構成が、必要とされる。例えば、ヘッドユニット1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gは、160mmの幅をそれぞれ有することが好ましく、この場合、溶接ヘッドおよびアンビルローラー2の全幅が、1,120mmとなる。本発明は、この実施形態で記載している幅より大きい寸法を有するウェブ3を処理するかなり大きく且つ重い構成部品の実現性に対して、提供する。
【0032】
溶接ヘッド1およびアンビルローラー2は、狭いギャップ5がそれらの間に設けられるように、互いに関連して位置付けられている。超音波溶接工程に用いられるウェブ3は、このギャップ5、すなわち、溶接ヘッド1とアンビルローラー2との間に位置付けられる。溶接ヘッド1は、ウェブ3上で上下に動かすために、構成されている。その溶接ヘッド1は、ホーンで溶接することも含む。アンビルローラー2は、適切なパターンで配置されている突起6を有する。その突起6は、溶接ヘッド1に対してアンビルとしての役割を果たすために、構成されており、溶接ヘッド1とアンビルローラー2との間に設けられたウェブ3の小さな部分をたたきつける。溶接ヘッド1は、超音波周波数で溶接ヘッド1を上下に動かすために構成された手段(図示せず)によって、動作される。
【0033】
従来の超音波溶接装置では、溶接組合せ4が固定して配置されている。超音波溶接装置が動作中、溶接ヘッド1は、超音波周波数で上下に動かされ、アンビルローラー2が回転することによって、ウェブ3が、ギャップ5を通って動かされる。アンビルローラー2の回転速度、および、ウェブ3の移動速度は、ウェブ3とアンビルローラー2との間でスリップが生じないように、構成されている。この配置において明らかなように、溶接組合せ4の幅は、少なくとも処理されるウェブの幅と同じぐらいの大きさが必要とされる。
【0034】
本発明によれば、溶接組合せ4は、移動可能に設けられている。本発明の範囲内に存在する実行可能な実施形態によれば、溶接組合せ4が、溶接ヘッド1の超音波振動動作方向およびアンビルローラー2の軸7が伸びている方向の両方に対して垂直な方向に、移動可能である。どんな場合でも、溶接組合せ4は、超音波溶接工程を行うために、制限なくウェブの全領域を移動することができる。その領域は、どんなサイズでも有することができる。
【0035】
図2を参照して、さらに本発明の方法を説明する。例として、図2には、3つの隣接するウェブ8と、複数のウェブセグメント9と、超音波溶接工程を行う装置10と、装置10のさまざまな構成部品と、が示されている。ウェブセグメント9は、ウェブ3に対して横方向に配置されており、超音波溶接によって3つのウェブ8に結合されている。以下では、この装置10は、溶接装置10として称される。溶接装置10によって、同じような方法で、かつ、それらの縦方向にウェブ8を搬送する搬送方向が、図2の矢印Wで示される。各ウェブ8の幅は、2メートルのサイズであることが好ましく、他の寸法としては、本発明の範囲内で実行可能であるという事実を変更しないサイズが望ましい。図2に示した例では、ウェブセグメント9の長さが、3つのウェブ8の全体の幅に等しい。また、図2に示すように、3つのウェブ8の各端部は、破線で示されている。
【0036】
溶接装置10は、溶接組合せ4と、その溶接組合せ4および他の構成部品の動作を制御する、例えば、マイクロコントローラーのような制御手段11と、を有する。溶接組合せ4の溶接ヘッド1が、図2に示されている。溶接組合せ4の移動手段12に対する制御手段11の制御信号は、破線矢印で概略的に示されている。
【0037】
溶接ヘッド1およびアンビルローラー2は、溶接装置10によってウェブが搬送されるW方向と垂直な方向で移動可能に溶接装置10に設けられている。また、図2には、溶接組合せ4の構成部品が移動可能な方向が、矢印Cで示されている。完全を期すために、このC方向は、溶接装置10の動作中に溶接ヘッド1が振動する方向に対して垂直である。図3には、溶接組合せ4が、溶接装置10において移動可能である方向が示されている。図3では、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の第1位置が実線で示されており、それらの第2位置が破線で示されている。さらに、図3には、移動方向であるC方向が示されている。図3は、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2が、接合が必要なウェブ3に沿って、同じ動作を行うことを示す明確な実例を提供する。
【0038】
本発明の溶接装置10の実用的な実施形態によれば、ガイド13は、ウェブ8およびウェブセグメント9全体で溶接ヘッド1およびアンビルローラー2を移動させて、それらを案内するために、設けられている。溶接される材料が、溶接ヘッド1とアンビルローラー2との間に位置付けられるという事実を考慮すると、ガイド13を溶接装置10の一方だけに伸ばすことが必要とされる。つまり、ガイド13に対して交差する支持物を有すると、その支持物が溶接される材料の妨げとなるので、ガイド13がそのような支持物を有することはできない。したがって、一方向だけに伸びたガイドが必要とされる。ガイド13は、比較的長く、その長さは、かなりの長さのメートル数になる。このため、ガイド13のほとんどが硬く正確であることが重要となる。したがって、ガイド13の製造工程は、難しい工程である。また、一方でそのガイド13における溶接ヘッド1の移動、および、他方でそのガイド13におけるアンビルローラー2の移動、を調整する工程は、後述するように、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2のとても正確な相互の位置決めを保証するために有用である。最初に、溶接装置10を適用する際にウェブ8とそのウェブ8の上に位置付けられるウェブセグメント9との超音波接着工程が行われる方法が、以下に述べられている。
【0039】
ウェブ8およびそのウェブ8上に配置されるウェブセグメント9の超音波接着工程が、さまざまなステップで行うことができ、それらのステップは連続して繰り返される。溶接装置10の動作中、溶接ヘッド1は、超音波周波数で振動するために、動かされる。第1のステップでは、溶接組合せ4が、溶接装置10の一方から他方へと移動する。ウェブ8およびウェブセグメント9の最初の領域は、カバーされて、超音波溶接工程を受ける。ウェブ8の搬送方向であるW方向におけるこの最初の領域のサイズは、溶接組合せ4の幅によって、決定される。溶接組合せ4の移動中、アンビルローラー2は、アンビルローラー2の軸7の周りで回転するように、動かされる。また、ウェブ8およびウェブセグメント9は、固定位置で保持される。ウェブ8およびウェブセグメント9を保持するために、適切な手段(図示せず)が用いられる。この適切な手段として、ウェブおよびウェブセグメントを保持する方法が、欧州特許第1719609号、および、欧州特許第2039493に出願人の名前で開示されている。
【0040】
第2のステップでは、溶接組合せ4がすぐに他方へ到達し、ウェブ8およびそのウェブ8の上に配置されるウェブセグメント9が、溶接組合せ4の幅によって決定される制限された距離をこえるように、溶接装置10によってさらに動かされる。この時点で、新しい領域が超音波溶接工程を受ける位置に置かれる。
【0041】
第3のステップでは、溶接組合せ4が、再び移動して、前の溶接工程に対して初期位置として示される位置に戻ってくる。この工程では、前の領域に隣接する新しい領域で、ウェブ8および少なくとも1つのウェブセグメント9の接着が行われる。
【0042】
新しい領域が、完全に覆われたとき、制限された距離をこえてウェブ8およびウェブセグメント9を移動し、その後、溶接組合せ4を一方から他方へと移動させる工程が、再度開始されて連続的に繰り返される。したがって、この実施形態では、交互にC方向に溶接組合せ4を移動させて、特定の長さに対してウェブ8およびウェブセグメント9の新しい領域を溶接組合せ4の到達内に持ってくることによって、超音波接着工程が、ウェブ8およびウェブセグメント9の全体で行われる。この工程では、溶接組合せ4が前後に動くと共に、ウェブ8およびウェブセグメント9のみが、溶接装置10によって前方に移動する。
【0043】
超音波溶接工程を実行中に、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の相互の位置が正確であった場合には、超音波溶接工程で良い接着効果を生み出す。したがって、アンビルローラー2のアンビル6が、要望どおり局所的な熱効果を実現するために、比較的小さくすることが必要とされる。また、溶接ヘッド1の端部が、所定の方法でウェブ8およびウェブセグメント9を介して、アンビル6にぶつかる必要がある。全体として、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の移動の正確な制御を有することが最も望ましく、それらの相互位置が、正確に維持されなければならない。
【0044】
本発明によれば、ウェブ8およびウェブセグメント9の一方で溶接ヘッド1の移動、および、ウェブ8およびウェブセグメント9の他方でアンビルローラー2の移動を制御するさまざまな方法が、存在する。好ましい選択によって、サーボ技術が適用され、リニアモーターのような適切な手段が、さまざまな構成部品を動かす目的で用いられる。また、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の一方を、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の他方と共に進ませることを目的とする手段を取ることが有利な選択である。例えば、アンビルローラー2の移動が正確に測定されると、想像上の逸脱(deviations)、好ましくは、直線に対するずれを見つけることが可能である。溶接装置10が、メモリ14を備え、アンビルローラー2の移動および関連するエラーに関するデータが、そのメモリ14に格納される場合、制御手段11は、溶接ヘッド1の移動を制御する際にそれらのデータを使用することができる。また、アンビルローラー2の移動のように、直線に対する同じエラーによって溶接ヘッド1の移動を特徴付けることが可能である。したがって、溶接ヘッド1およびアンビルローラー2の正確な相互位置が、移動工程の間中、維持される。
【0045】
図4は、超音波溶接工程中、ウェブ8および溶接組合せ4の動作に対して、代替オプションを示す。このオプションによれば、ウェブ8は、固定位置で保持されていないが、その代わりウェブ8の搬送するW方向に移動する。
【0046】
第1のステップでは、溶接組合せ4が、C′方向に溶接装置10の一方から他方へ移動し、それと同時に、ウェブ8の搬送方向であるW方向にウェブ8と共に移動する。そして、ウェブ8およびウェブセグメント9の第1領域が、カバーされ、超音波溶接工程に適用される。すなわち、溶接組合せ4の動作は、ウェブ8およびウェブセグメント9をまっすぐに横切る2つの構成部品を有する。つまり、溶接組合せ4は、ウェブの搬送方向であるW方向に移動する構成部品と、溶接装置10の一方から他方に移動する方向のC′方向に移動する構成部品と、を有する。ゆえに、溶接装置10における溶接組合せの移動の結果として生じる方向であるR方向が、ウェブ8の運搬方向であるW方向と、溶接装置10の一方から他方へウェブ8およびウェブセグメント9をまっすぐに横切る動作方向であるC′方向と、の間にある。このため、結果として生じる方向であるR方向が、溶接装置10において斜めの方向として表示されている。溶接組合せ4が、前方に移動するだけでなく、ウェブ8の移動に従うために、同じように斜めに移動する。
【0047】
さらに、図4には、ウェブ8およびウェブセグメント9の全域で溶接装置10の一方から他方へとC′方向に溶接組合せ4を移動させる移動手段12、および、ガイド13に対して、ウェブ8の搬送する方向であるW方向にガイド13を移動させる移動手段15が、示されている。また、この追加の移動手段15に対する制御手段11の制御信号は、概略的に破線の矢印で示されている。同様に、ガイド13における溶接組合せ4の移動手段12に対する制御手段11の制御信号も、概略的に破線の矢印で示されている。
【0048】
第2のステップでは、溶接組合せ4が他方に到達するとすぐに、溶接組合せ4は、溶接組合せ4の幅によって決められた制限された距離をこえて、ウェブ8の搬送方向であるW方向に後退動作を行う。このとき、溶接組合せ4は、超音波溶接工程で、ウェブ8およびウェブセグメント9の新しい領域を受ける位置にある。溶接組合せ4が、上述したように後退動作を行っている間、ウェブ8は、その動作を続けることができるが、溶接組合せ4が、超音波溶接工程で次の工程を行うための新しい位置に到達するまでこの動きを一時的に中断することも可能である。
【0049】
第3のステップでは、溶接組合せ4が、再度移動される。その移動は、逆方向に行われる。溶接組合せ4が、再度、他方に到達した際、上述したように、ウェブ8の搬送方向であるW方向に溶接組合せ4を後方に動かす間、第4ステップが行われる。このため、溶接組合せ4が、超音波溶接工程で次の工程を行う場所に位置付けられる。溶接組合せ4の動作、すなわち、溶接装置10の一方から他方へと前後に動く動作とウェブ8と一緒に動く動作は、所望の長さのウェブと所望の数のウェブセグメント9を接着するために必要な限り、繰り返される。
【0050】
図5は、本発明の溶接装置10で用いられる溶接ヘッド1の可能な実施形態の下部を示す。従来の溶接装置10では、溶接ヘッド1が、接合されるウェブ3、8、9全域で移動しない。また、従来の溶接ヘッド1は、一方側だけからウェブ3、8、9に接近する。つまり、ウェブ3、8、9が供給される側で従来の溶接ヘッドが近づく。多くの場合、アンビルローラー2に対向する溶接ヘッド1の表面は、溶接ヘッド1の超音波動作方向に対して垂直な位置からある程度基準から外れている位置に、設けられている。その表面の最も高い端部は、ウェブ3、8、9によって近づく溶接ヘッド1側に存在する。
【0051】
本発明の溶接装置10では、溶接ヘッド1は、超音波溶接工程の間、ウェブ3、8、9に近づく。この接近は、溶接ヘッド1の2つの端部のうちのいずれか1つで行うことができる。この場合、図2および図4に基づいて上述したように、溶接組合せ4を前後に動かす。この事実を考慮して、アンビルローラー2に向かい合う溶接ヘッド1の表面20は、2つの端部21、22を有する。2つの端部21、22は、それぞれ溶接ヘッド1の超音波振動動作の方向に対して、傾斜している。特に、端部21、22は、対向する方向から見られるように、同じ角度(α、β)で方向付けされている。このため、ウェブ3、8、9が溶接ヘッド1に近づくような方法は、溶接ヘッドのすべての動作と同じである。例えば、溶接装置10の一方から他方へと前や後ろに動く動作と同じである。通常、溶接ヘッド1の表面20は、例えば、図5に示すように、鏡面対称の出現(mirror-symmetrical appearance)を有することができる。
【0052】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0053】
本発明の溶接装置10は、当然のことながら、前述で記載されている構成部品より多くの構成部品と特徴を有することができる。特に、従来の溶接装置で知られている構成部品と特徴を有することが可能である。例えば、DE4439284に開示されているように、溶接装置10に位置付けられるウェブ8とウェブセグメント9を案内する手段や、溶接工程中および/または事前に溶接ヘッド1とアンビルローラー2との間のギャップ5のサイズを調整する手段を有することができる。そのような構成部品や特徴の記載の省略は、本発明と直接関連していないという事実を考慮すると、正当化される。
【0054】
少なくとも2つのウェブ3、8、9を接合する発明の適用に関して、超音波溶接を通じて接続される適切なさまざまなタイプがある。例えば、本発明の溶接装置10によって加工処理されたウェブ3、8、9は、金属の薄片(foil)、不織布、一方向シート(UDシート)、クロスプライシートなどであってもよい。それらは、所望の実用的な組合せで作ることができる。特に、本発明は、溶接不織布の材料の分野において、超音波技術を用いることによって、従来の超音波溶接装置における不織布の材料の大きなシートを接合することができない問題を解決することが可能である。
【0055】
前述では、長く伸びた溶接組合せ4、すなわち、長く伸びた溶接ヘッド1および長く伸びたアンビルローラー2を用いて、少なくとも1つのウェブ3、8、9で超音波溶接工程を行うために適している装置10が開示されている。前記装置10では、溶接組合せ4が、移動可能に設けられており、また、溶接組合せ4の移動を実現する手段が提供されている。実行可能な実施形態によれば、溶接組合せ4は、装置10によってウェブが搬送されるW方向と垂直な方向であるC方向に移動可能である。移動工程中、溶接ヘッド1およびアンビル要素2の両方の移動は、正確に制御される。このため、それらの構成部品の有効な位置が、維持される。溶接組合せ4の移動可能な配置の重要な利点は、処理されるウェブ3、8、9の幅に制限されないことである。
【符号の説明】
【0056】
1 溶接ヘッド
2 アンビルローラー(アンビル要素)
3、8 ウェブ
4 溶接組合せ(溶接ヘッドおよびアンビルローラーの組合せ)
5 ギャップ
6 突起
7 軸
9 ウェブセグメント
10 溶接装置
11 制御手段
12、15 移動手段
13 ガイド
14 メモリ
W 搬送方向(W方向)
C 移動方向(C方向)
R 結果として生じる方向(R方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長く伸びた溶接ヘッド(1)および長く伸びたアンビル要素(2)の組合せ(4)を有する装置(10)を用いて、少なくとも1つのウェブ(3、8、9)で超音波溶接工程を行う方法において、
前記ウェブ(3、8、9)を前記溶接ヘッド(1)と前記アンビル要素(2)との間に位置付け、
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)が、超音波溶接工程を行うために有効な相互位置に配置されている間、前記溶接ヘッド(1)の超音波振動動作を実行し、
前記ウェブ(3、8、9)と、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)と、の相対運動を実現し、前記超音波溶接工程中、前記装置(10)において、前記溶接ヘッド(1)の前記超音波振動動作が行われる方向と異なる方向(C、R)に、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)を移動すると共に、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記有効な相互位置を同時に維持する
ことを特徴とする少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う方法。
【請求項2】
前記超音波溶接工程中、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が前記ウェブ(3、8、9)に対して移動する移動方向(C、C′)が、前記ウェブ(3、8、9)が前記装置(10)によって搬送される搬送方向(W)から外れる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波溶接工程中、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が前記ウェブ(3、8、9)に対して移動する前記移動方向(C、C′)が、前記ウェブ(3、8、9)が前記装置(10)によって搬送される前記搬送方向(W)と垂直である
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェブ(3、8、9)が、前記超音波溶接工程中かつ前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せの移動中に、前記装置(10)によって移動する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェブ(3、8、9)が、前記超音波溶接工程中かつ前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せの移動中に、前記装置(10)の固定位置で保持される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が、前記ウェブ(3、8、9)の一端から他端へと前後に連続的に移動する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が、前記ウェブ(3、8、9)の端部に位置し、かつ、前記ウェブ(3、8、9)に対する前記組合せ(4)の動きが逆転されるとき、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の組合せ(4)が、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の幅に関連する距離に沿って、前記装置(10)によって前記ウェブ(3、8、9)が搬送される搬送方向(W)に、連続して移動する
ことを特徴とする請求項6(ただし、請求項1〜4を引用する部分のみ)に記載の方法。
【請求項8】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が、前記ウェブ(3、8、9)の端部に位置し、かつ、前記ウェブ(3、8、9)に対する前記組合せ(4)の動きが逆転されるとき、前記ウェブ(3、8、9)が、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の幅に関連する距離に沿って連続して移動する
ことを特徴とする請求項6(ただし、請求項1〜3および5を引用する部分のみ)に記載の方法。
【請求項9】
前記アンビル要素(2)が、前記超音波溶接工程中、および、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)の移動中に、軸(7)で回転するローラーを有する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記アンビル要素(2)の移動に関するデータ、好ましくは、完全な直線に対する逸脱のデータが、前記アンビル要素(2)の動きに正確に続く動作を前記溶接ヘッド(1)に提供するために、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)の次の移動に用いられる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)の動作が、サーボ技術に基づいて制御される
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのウェブ(3、8、9)が、金属の薄片、不織布、UDシート、および/または、クロスプライシートである、又は、前記ウェブが2つ以上の場合には、前記金属の薄片、前記不織布、前記UDシート、および/または、前記クロスプライシートのいずれかの組合せで構成される
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのウェブ(3、8、9)で超音波溶接工程を行う装置(10)において、
長く伸びた溶接ヘッド(1)および長く伸びたアンビル要素(2)の組合せ(4)と、
前記溶接ヘッド(1)の超音波振動動作を実現する手段と、を有し、
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が、前記溶接ヘッド(1)の超音波振動動作に対する方向とは異なる方向(C、R)で移動可能に前記装置(10)に設けられ、
前記異なる方向(C、R)に前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)の移動を実現する移動手段(12、15)が、設けられている
ことを特徴とする少なくとも1つのウェブで超音波溶接工程を行う装置。
【請求項14】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が移動する移動方向(C、R)が、超音波溶接工程で用いられる前記ウェブ(3、8、9)が前記装置(10)によって搬送される搬送方向(W)から外れる
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が移動する前記移動方向(C)が、前記超音波溶接工程で用いられる前記ウェブ(3、8、9)が前記装置(10)によって搬送される前記搬送方向(W)と垂直である
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)が、前記搬送方向(W)と垂直である構成部品(C′)を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記移動手段(12)は、前記溶接ヘッド(1)および前記アンビル要素(2)の前記組合せ(4)に往復運動を提供するために構成された制御手段(11)を有する
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記アンビル要素(2)の移動に関するデータ、好ましくは、完全な直線に対する逸脱のデータを格納するメモリ(14)をさらに備え、
前記溶接ヘッド(1)の動作と前記アンビル要素(2)の動作との正確な適応を実現するために、前記制御手段(11)が、前記メモリにアクセスし、前記移動手段(12)を制御する目的で格納された前記データを使用するために構成されている
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記移動手段(12、15)が、リニアモーターで構成されている
ことを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記アンビル要素(2)が、軸(7)の周りを回転可能に配置されたローラーを有すると共に、前記軸(7)の周りで前記アンビル要素(2)を回転させる手段を有する
ことを特徴とする請求項13〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置(10)は、少なくとも1つのウェブ(3、8、9)を運ぶのに適しており、
前記装置(10)によって前記ウェブ(3、8、9)が搬送される搬送方向(W)と垂直な前記ウェブの寸法が、3メートルより大きい
ことを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記アンビル要素(2)に向かい合う前記溶接ヘッド(1)の表面(20)が、前記溶接ヘッド(1)の超音波振動動作の方向に対して、それぞれの角度(α、β)で傾斜する2つの端部(21、22)を有する
ことを特徴とする請求項13〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記2つの端部(21、22)のうちの一方の前記角度(α、β)が、反対方向から見て前記端部の他方の角度(α、β)に等しい
ことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記アンビル要素(2)に向かい合う前記溶接ヘッド(1)の前記表面(20)は、鏡面対称の外観を有する
ことを特徴とする請求項22または23に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−501619(P2013−501619A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523576(P2012−523576)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/NL2010/000116
【国際公開番号】WO2011/016716
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(506152520)ベイラー ベヒアー ビー.ブイ. (4)
【氏名又は名称原語表記】Beiler Beheer B.V.
【住所又は居所原語表記】Middelgraaf 62, 5032 EG Tilburg, The Netherlands
【Fターム(参考)】