説明

局所及び局部治療用の移植可能な医療デバイス

送達媒体を侵食されると放出するように適合された局所及び局部の治療用の移植可能な医療デバイスが開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、媒体を送達するように適合された、局所及び局部治療用の移植可能な医療デバイスに関する。
【0002】
[技術水準の記載]
本発明は、身体的障害の治療用の移植可能な医療デバイスに全般的に関する。移植可能な医療デバイスを用いる典型的な治療レジメン(regimen)は、選択された治療部位でのデバイスの移植を伴う。治療の間に、デバイスが身体組織を支持する必要があることがある。よって、デバイスの構造は、デバイスを同じ場所で保持し、周辺組織から加えられる力に耐えるための耐力構造要素又は基体を含むことができる。
【0003】
身体的障害の治療は、身体的障害を治療するための生物活性薬剤又は薬物の局所的送達も伴うことができる。薬剤は、種々の様式でデバイス内に組み込まれ、移植の領域又はその付近の罹患領域に直接送達され得る。
【0004】
さらに、多くの治療状況において、デバイスの存在が、ある限定された期間だけ必要である。よって、デバイスは、治療レジメンが完了するまで体内の条件に曝露されることにより分解、侵食又は崩壊する材料で全体又は部分的に構成されることができる。
【0005】
このようなデバイスの例は、身体の管腔に移植されるように適合された放射状拡張性内部人工器官を含む。「内部人工器官」は、体内に配置される人工デバイスに相当する。「管腔」は、血管のような管状器官の空洞のことをいう。
【0006】
ステントは、このような内部人工器官の一例である。ステントは、通常、円筒形状のデバイスで、血管又は尿管及び胆管のようなその他の解剖学的構造の管腔のセグメントを開存させ、時には拡張させるように機能する。ステントは、血管中のアテローム硬化性狭窄の治療に用いられることが多い。「狭窄」は、体内の通路又は開口部の直径の狭細又は収縮のことをいう。このような治療において、ステントは身体の管を補強し、血管系での血管形成術後の再狭窄を予防する。「再狭窄」は、治療(バルーン血管形成術、ステント留置又は弁形成術などによる)に明らかに成功した後に、血管又は心臓弁の狭窄が再発することをいう。
【0007】
ステントを用いた疾患部位又は損傷の治療は、ステントの送達と配備の両方を含む。「送達」は、身体の管腔を通して、治療を必要とする損傷のような管の領域にステントを導入及び輸送することをいう。「配備」は、治療領域にて管腔内でステントを拡張させることに相当する。ステントの送達及び配備は、カテーテルの一端付近にステントを置き、皮膚を通してカテーテルのその端を身体の管腔内に挿入し、身体の管腔内でカテーテルを所望の治療部位まで進め、治療部位にてステントを拡張させ、カテーテルを管腔から除去することにより達成される。
【0008】
バルーン拡張式ステントの場合、ステントは、カテーテル上に配置されたバルーン付近に載せられる。ステントの戴置は、ステントのバルーン上への圧縮又は圧着を典型的に伴う。ステントは、次いで、バルーンを膨張させることにより拡張される。バルーンは、次いで、収縮され、カテーテルが取り除かれる。自己拡張型ステントの場合、ステントは、格納式の鞘又はソックによりカテーテルに固定できる。ステントが身体の所望の部位にある場合、鞘は取り除くことができ、このことによりステントが自己拡張することが可能になる。
【0009】
ステントは、構造的負荷、すなわちステントが管壁を支持するのでステントに加えられる放射状圧縮力に耐えることができなければならない。よって、ステントは、適度な放射状強度を有さなければならず、該強度は、ステントが放射状圧縮力に抵抗する能力である。一旦拡張すると、ステントは、心臓の鼓動により誘導される周期的負荷を含む、ステントに加えられるであろう種々の力にもかかわらず、その奉仕期間の間に、そのサイズ及び形を適度に維持しなければならない。さらに、ステントは、圧着、拡張及び周期的負荷を可能にするための十分な柔軟性を有さなければならない。
【0010】
ステントの構造は、当該技術において支柱又はバーアームとしばしばよばれる相互連結構造要素のパターン又はネットワークを含む足場又は基体で典型的に構成される。足場は、ワイヤ、チューブ又は円筒形状に巻いた材料のシートから形成され得る。足場は、ステントが放射状に圧縮され(圧着を可能にするために)、放射状に拡張できる(配備を可能にする)ように設計される。
【0011】
さらに、薬物溶出性ステントは、金属又はポリマーのいずれかの足場の表面を、活性若しくは生物活性の薬剤又は薬物を含むポリマー担体で被覆することにより製作することができる。ポリマーの足場は、活性薬剤又は薬物の担体としても作用することがある。現在のところ、薬物又は薬物混合物は、典型的には、拡散又はコーティングを通しての溶出によりコーティングから放出される。さらに、コーティング中に分散された純粋薬物について、薬物の治療効果の時間枠は比較的短い。その結果、治療は、ステントの移植の領域に局所的な領域に限定される。
【0012】
多くの治療用途において、体内のステントの存在は、例えば血管開通性の維持及び/又は薬物送達の意図した機能が達成されるまでの限定された期間、必要な場合がある。よって、生体吸収性ポリマーのような生分解性、生体吸収性及び/又は生体侵食性の材料から製作されたステントを、その臨床的必要性が終了した後に完全に侵食されるように形成できる。
【0013】
いくつかの治療状況において、身体の組織障害を移植可能な医療デバイスを用いて局所的に治療することが困難又は不十分な場合がある。この不十分さは、組織障害が拡散し、複数の部位にあり得るという事実によることがある。このような状況での局所治療は、複数のデバイスを必要とし得る。例えば、血管障害は、血管に沿って拡散した損傷、多血管損傷及び分岐血管損傷のような複数の部位での損傷を含み得る。さらに、組織の罹患領域は、デバイスを移植するために近づくことができないことがあるので、局所治療は不可能である可能性がある。例えば、疾患血管は、ステントを移植するには小さすぎる場合がある。つまり、移植部位に局所的且つ局部的に組織障害を治療するために用いることができる移植可能な医療デバイスを得ることが所望されるだろう。
【0014】
[発明の概要]
本発明のある特定の実施形態は、活性薬剤を含む複数の放出可能な送達媒体が少なくとも部分的に充填された1つ又は複数の凹部を足場の表面に有する、腐食性金属から形成された足場を含むステントであって、活性薬剤が、移植されたステントから送達媒体が放出されると送達媒体から放出されるように適合されているステントを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ステントの図である。
【図2】(a)ステントが移植された血管の断面である。(b)送達粒子が埋め込まれたステントの侵食性マトリックスの間の界面の拡大部分である。
【図3】例示的な貯留部の形状を示す、ステントの支柱の断面図である。
【図4A】送達媒体が充填された貯留部を有する支柱の断面図である。
【図4B】送達媒体が充填された貯留部を有する支柱の断面図である。
【図5A】送達媒体の粒子を示す、送達媒体の拡大区画の概略図である。
【図5B】送達媒体の粒子を示す、送達媒体の拡大区画の概略図である。
【図6A】活性薬剤又は送達媒体を含有するウェルを有するステント支柱の俯瞰図である。
【図6B】ウェルの上に配置されたコーティング層を示す、図6Aの支柱の側面図である。
【図7】(a)腐食性金属基体を覆う送達媒体層である。(b)図7Aの層の拡大部分である。(c)腐食性金属基体を覆う送達媒体層を覆うトップコート層である。
【図8】3つのポリマー層を有するステントの支柱の断面図である。
【図9】層状支柱の断面図である。
【図10】3層支柱の断面図である。
【図11A】中心の層が部分的に侵食された3層支柱の断面図である。
【図11B】中央の層の崩壊後の層状支柱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、それらに限定されないが、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、ステントグラフト、血管グラフト、種々の身体の管腔又は開口部用のその他の拡張型管状デバイスを含む移植可能な医療デバイスに一般的に用いることができる。これらの実施形態は、それらに限定されないが、脆弱な斑(vulnerable plaque)、アテローム性の進行及び糖尿病性腎障害を含む、種々の身体の管腔の身体的障害の局所及び局部治療に用いることができる。
【0017】
図1は、支柱4で形成されるステント1の図を示す。ステント1は、連結支柱又は連結8で連結された、相互連結された円筒状の輪6を有する。本明細書で開示される実施形態は、図1に示すステント又はステントパターンに限定されない。これらの実施形態は、その他のステントパターン及びその他のデバイスに容易に応用できる。パターンの構造の変化は、実質的に制限されない。
【0018】
ステント1のようなステントは、レーザ切断のような技術を用いてパターンを形成することにより、チューブから製作してもよい。用い得るレーザの代表例は、エキシマ、二酸化炭素及びYAGを含む。その他の実施形態において、化学エッチングを用いて、伸長チューブ上にパターンを形成してもよい。
【0019】
上記のように、現在の技術水準は、担体全体にわたって純粋な形で分散された活性若しくは生物活性薬剤又は薬物を含むポリマー担体を有するコーティングを表面上に有する薬物溶出性ステントを含む。移植されると、活性薬剤は担体を通して拡散又は溶出し、管腔内に放出される。溶出された薬剤の治療効果は、移植されたステントのすぐ近傍の領域に限定される。
【0020】
本発明の種々の実施形態は、局所及び局部の両方で治療薬剤を用いて身体の組織障害を治療するためのステントのような移植可能な医療デバイスに関する。局部治療は、移植部位に近位及び/又は遠位である身体組織の領域の治療のことをいう。いくつかの実施形態において、ステントは、崩壊でき、且つ治療が一旦完了すると移植の領域から消滅できるように生分解性であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、複数の放出可能な送達媒体は、移植可能な医療デバイス内又はデバイス上に組み込まれてもよい。送達媒体は、移植されるとステントから放出され得る。ある特定の実施形態において、送達媒体は、移植部位に対して遠位に輸送され得る。送達媒体中又は上に組み込まれた活性薬剤は、持続様式で送達媒体から放出されてもよい。その結果、送達媒体からの送達は、延長された時間枠にわたって局所的及び局部的に生じることができる。
【0022】
以下により詳細に述べるように、送達媒体は、例えば、活性薬剤が中に封入又は分散されたか、送達粒子の表面に吸着されたか、或いは外表面内に吸収された粒子であり得る。或いは、送達粒子は、生物活性薬剤の沈殿物により、例えば希釈されていない生物活性薬剤又は溶解性が低い生物活性薬剤の塩により形成されてよい。含まれる活性薬剤は、デバイスからの送達媒体の放出後に、送達媒体から患者の体内へ放出される。送達媒体は、ステントインプラントからの送達媒体の放出後に、送達媒体から体内への活性薬剤の持続放出を可能にする。
【0023】
本明細書で用いる場合、「持続放出」とは、一般的に、ゼロ次放出、指数崩壊、階段関数放出又は例えば数時間から数年、好ましくは数日から数カ月、最も好ましくは数日から数週間の範囲の期間にわたって引き継がれるその他の放出プロフィールを含み得る薬剤又は薬物の放出プロフィールのことをいう。用語「ゼロ次放出」、「指数崩壊」及び「階段関数放出」並びにその他の持続放出プロフィールは、当該技術において公知である(例えば、Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,Edith Mathiowitz,Ed.,Culinary and Hospitality Industry Publications Servicesを参照されたい)。
【0024】
送達媒体は、本明細書でより詳細に記載されるように、種々の手段でステントインプラント中又はステントインプラント上に組み込んでよい。例えば、媒体は、基体の表面の貯留部若しくは穴内に配置できるか、基体の表面上のコーティング中に配置できるか、又はステントインプラントの基体中に埋め込む、若しくは分散させることができる。ある実施形態において、媒体の放出は、全体的又は部分的に、コーティング材料、基体材料又は送達媒体をステントインプラントへ若しくはステントインプラント内に結合させる材料の侵食或いは分解に帰するものであってもよい。さらなる実施形態において、放出された媒体は、放出後に、移植領域から離れて遠位及び/又は近位の領域に輸送され得る。活性薬剤は、媒体から輸送の間に放出されて、活性薬剤を用いた遠位及び/又は近位の領域の治療をもたらすことができる。
【0025】
図2A及び2Bは、ステントを用いた局部治療の概略図である。図2Aは、血管壁102を有する血管100の断面を示す。ステント104は、非流量制限損傷106に対して遠位に移植される。粒子のような送達媒体は、ステントの管腔外面、管腔内面、管腔外面と内面の両方、及び側壁上に選択的又は指向的に配置され得る。この様式の選択的配置粒子は、標的領域への粒子の指向性放出及び薬物の放出を可能にする。図2Aに示すように、送達粒子112は、ステント104から、血管壁102の組織中へ放出される。粒子は、血管壁102の組織を通って拡散でき、局所並びに損傷106のように脈管構造の遠位及び/又は近位の領域の両方へ送達できるように選択できる。
【0026】
図2Bは、送達粒子が埋め込まれたステント104の侵食性マトリックス110の間の界面の拡大部分を示す。侵食性マトリックス110は、ステント104の貯留部、ステント104を覆うコーティング、又はステント104の足場内に配置された材料であり得る。
【0027】
送達粒子は、移植後に、脈管構造の遠位及び/又は近位の治療のために、血流中へ放出されることもできる。送達粒子は、ステントから管腔の内部へ、例えばステントの管腔内面から放出され得る。放出された粒子は、移植されたステント104の矢印108により示されるように、損傷106のような脈管構造の近位又は遠位の領域へ、下流に向かって輸送され得る。いくつかの実施形態において、粒子は、脈管構造の近位又は遠位の領域の部分に対する親和性を有するように設計又は選択してもよい。このような粒子は、例えば、粒子の表面内へ、微小脈管構造の内皮細胞上で見出される受容体に対する親和性を有するペプチド又は抗体フラグメントを組み込むことにより、ある部分に選択的に結合してもよい。
【0028】
ある特定の実施形態において、移植可能な医療デバイスの足場又は基体は、生体安定性又は非腐食性材料から製作できる。このような材料は、生体安定性ポリマー、非腐食性金属又はそれらの組合せであり得る。
【0029】
上記のように、ステント足場又は基体のような移植可能な医療デバイスは、体内へ移植されると侵食される、又は崩壊する材料から製作できる。分解、吸収及び侵食並びに分解された、侵食された及び吸収されたとの用語は、相互交換可能に用いられ、身体の条件に曝露されたときに完全に侵食又は吸収され得る材料のことをいう。用語「腐食」又は「腐食する」は、金属の侵食について言及するために典型的に用いられる。このような材料は、身体により徐々に再吸収、吸収及び/又は除去され得るだろう。このような材料から作られたデバイスは、治療が一旦完了すると崩壊し、移植の領域から消滅してもよい。
【0030】
治療期間の長さは、治療される身体の障害に依存する。疾患血管でのステントの使用を伴う冠性心疾患の治療では、期間の長さは、1週間から数年までの範囲であり得る。しかし、期間の長さは、典型的には約6カ月から12カ月までの範囲である。
【0031】
ある特定の実施形態において、ステント足場又は基体は、その全体又は部分が腐食性金属から形成され得る。本発明による移植可能な医療デバイス用に選択される金属は、鉄のような単一元素を含んでもよいか、又は金属の組合せを含んでもよい。一般的に、金属(複数可)は、著しい炎症、新生内膜増殖又は血栓性事象を引き起こすことなく移植可能でなければならず、著しい悪影響なく体内で溶解、解離又は破壊されるように腐食性でなければならない。
【0032】
ある実施形態において、腐食性金属は、in vivo環境で自己溶解の傾向を有する金属であり得る。in vivo環境で自己溶解を受ける金属は、体液にさらされたときに腐食され、破壊される。自己溶解性金属は、患者に対してほとんど又は全く悪影響を与えないように選択できる。in vivo環境で自己溶解性の金属の代表例は、それらに限定されないが、Mg、Mn、K、Ca、Na、Zn、Cr、Fe、Cd、Al、Co、Sb、Sn、V、Cu、W及びMoを含む。
【0033】
或いは、腐食性金属は、材料が体液と接触すると電気溶解を受けるように電池対物質を創出するように選択された2つ以上の金属の組合せを含んでもよい。所望の腐食速度を達成するために電解腐食に依存することは、十分に高い静止電位差を有する金属対の選択を必要とする。静止電位差は、例えば塩水又はウマ血清のような同じ種類の溶液中で例えば標準カロメル電極(SCE)又は標準水素電極(NHE)のような参照電極に対して測定したときに、それら自体がそれぞれ特定の静止電位を有する2つの金属によりもたらされる。この差に起因する腐食に向かう駆動力は、組み合わせた材料の分解の速度を制御するように適応させてもよい。例えば、約500mVの駆動力は、一般的に、1V以上の駆動力よりも遅い溶解をもたらすだろう。適切な金属対は、Mg、Mn、K、Ca、Na、Zn、Cr、Fe、Cd、Al、Co、Sb、V、Cu及びMoの元素並びにこれらの元素に基づく合金から選択できる。
【0034】
分解速度は、約500mV以上の駆動力を有する金属の組合せを選択することにより適応させてもよい。ある実施形態において、駆動力は、約1V以上であろう。例えば、Tiは、SCEに対してウマ血清中で3.5Vの静止電位を有し、ほとんど全てのその他の金属と対にしたときに、適切な駆動力を生み出すだろう。或いは、Nb−Cr(SCEに対してウマ血清中で1.1Vの静止電位差)、Pd−W(SCEに対してウマ血清中で1.23Vの静止電位差)、Cr−W(SCEに対してウマ血清中で630mVの静止電位差)、及びIr−Zn(SCEに対してウマ血清中で830mVの静止電位差)の対形成も、適切な駆動力を生み出すだろう。
【0035】
いくつかの実施形態において、ステントは、多孔質腐食性金属から形成され得る。孔は、金属の腐食速度を加速する傾向がある体液との接触の表面積を増大させる。金属及び多孔度の程度を選択することにより、分解の速度を使用範囲に適応させ得る。表面積に対する腐食速度増大の比が材料の種類及びそれが曝露される環境に応じて0.3〜1.0まで変動することが見出される程度に、多孔度は、腐食の速度に対して実質的に影響する。金属の気泡サイズ及び多孔度を含む微小気泡多孔質金属の形態は、気泡サイズが非常に均質になり得るように制御でき、形成プロセスの間に種々のパラメータを操作することにより精密に制御できる。所望の多孔度は、それらに限定されないが、焼結、発泡、押出、チクソ成形、半凝固スラリー鋳造及び溶射を含む種々の技術により達成できる。ステント構造は、例えば管状形態のレーザ切断を含む公知の技術のいずれを用いて形成してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、デバイス、コーティング又は送達媒体についての結合剤、より具体的には粒子は、生分解性又は水溶性のポリマーで構成され得る。一般的に、ポリマーは生体安定性、生体吸収性、生分解性又は生体侵食性であり得る。生体安定性とは、生分解性でないポリマーのことをいう。生分解性、生体吸収性、生体侵食性及び溶解性、並びに分解、侵食、吸収及び溶解されたとの用語は、交換可能に用いられ、移植後に、例えば血液のような体液に曝露されたときに完全に侵食、吸収又は溶解され得、体に徐々に再吸収、吸収及び/又は除去され得るポリマーのことをいう。吸収又はクリアランスの機構は、生体侵食性ポリマーと生体溶解性ポリマーとでは完全に異なる。
【0037】
上記のように、送達媒体は、活性薬剤(複数可)を含む粒子を含み得る。粒子は、ナノ粒子又はマイクロ粒子であり得る。ナノ粒子は、約1nm〜約1,000nmの範囲の特徴的な長さ(すなわち直径)を有する粒子のことをいう。マイクロ粒子は、1,000nmを超えて約10マイクロメートル未満の範囲の特徴的な長さを有する粒子のことをいう。マイクロ粒子の製造方法は、当業者に公知である。マイクロ粒子は、いくつかの供給者(例えばAlkermes Inc.Cambridge MA)から商業的に入手可能である。
【0038】
粒子は、粒子材料中に混合、分散又は溶解された活性薬剤を有してもよい。粒子材料は、生体安定性又は生分解性のポリマー、金属又はセラミックであり得る。このような粒子は、活性薬剤で被覆してもよい。粒子は、ポリマー、金属又はセラミックの外殻と1つ又は複数の活性薬剤を含有する内部区画とを有することにより、1つ又は複数の活性薬剤を封入することもできる。或いは、粒子は、希釈されていない薬物の沈殿物から形成してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、粒子は、上記の組合せを用いるように設計されてもよく、例えば、粒子は、ポリマーと薬物、又は生体侵食性金属で被覆された薬物若しくは薬剤含浸コアを含んでもよい。さらに、粒子は、生物活性薬剤で被覆されたフラーレンを含んでもよい。粒子は、ポリマーソーム、ミセル、ベシクル、リポソーム、ガラス(生分解性又は生体安定性)及び微粒子化薬物も含んでもよい。
【0040】
粒子に用い得る材料の代表例は、それに限定されないが、生体安定性ポリマー;生体吸収性ポリマー;生体溶解性材料;生体ポリマー;生体安定性金属;生体侵食性金属;生体吸収性ポリマー若しくは生体ポリマーのブロックコポリマー;生体吸収性ガラスのようなセラミック材料;塩;フラーレン;脂質;カーボンナノチューブ;又はこれらの組合せを含む。
【0041】
「ミセル」は、界面活性剤分子の凝集体(又は集団)のことをいう。「界面活性剤」は、両親媒性である化学物質のことをいい、これは、疎水性基及び親水性基の両方を含有することを意味する。界面活性剤の濃度が臨界的ミセル濃度を超えたときに、ミセルが形成される傾向にある。ブロックコポリマー及び/又は脂質から形成されるミセルに、活性薬剤を装填してもよい。ミセルは、球状、円筒状及び円盤状を含む種々の形状で存在できる。ミセルは、ミセルを形成する界面活性剤分子の架橋により安定化してもよい。
【0042】
さらに、ブロックコポリマー及び又は脂質から形成されるベシクルに、生物活性薬剤を装填できる。ベシクルは比較的小さく、少なくとも1つの脂質2重層により形成される閉鎖区画又は殻である。ベシクルも、脂質2重層の殻を架橋することにより安定化してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、送達粒子は、デバイス基体、コーティング又は基体中の貯留部中へ、デバイス内又はデバイス上に粒子を一緒に保持する結合剤とともに組み込むことができる。ある実施形態において、界面活性剤を用いて、結合剤マトリックス中への粒子の組み込みを促進してもよい。結合剤は、全体又は部分的に、侵食性結合剤材料で構成してもよい。次いで、粒子は、結合剤材料が侵食されるとデバイスから放出され得る。結合剤に用い得る材料の代表例は、それに限定されないが、生体吸収性ポリマー;生体安定性であるが生体溶解性のポリマー;生体溶解性材料;生体ポリマー;生体安定性金属;生体侵食性金属;生体吸収性ポリマー若しくは生体ポリマーのブロックコポリマー;塩;生体侵食性ガラス;又はそれらの組合せを含む。
【0044】
さらに、送達粒子を表面修飾して、身体組織への生体薬品の標的送達を可能にしてもよい。このような表面修飾は、抗体又はそのフラグメント、小分子リガンド又は特異的受容体を用い得る。
【0045】
本発明の種々の実施形態は、放出可能な送達媒体を有するステントインプラントのような移植可能な医療デバイスを含む。このような送達媒体は、デバイス移植部位に対して局所及び局部の両方の治療のための活性薬剤の持続放出を提供する。
【0046】
デバイスのある特定の実施形態は、1つ又は複数の凹部を基体の表面に有する、腐食性金属から形成されるステントの基体又は足場を含み得る。凹部は、活性薬剤(複数可)を含む送達媒体で少なくとも部分的に充填され得る。送達媒体は、デバイスから媒体が放出されると媒体からの活性薬剤の持続放出を可能にする。
【0047】
凹部は、例えばデバイスの基体の表面にて貯留部又はチャネルを含み得る。送達媒体を保持するように形成された貯留部又はチャネルの多数の実施形態が可能である。例えば、貯留部は、デバイス上の1つ又は複数の任意の位置にあってもよい。凹部に加えて、中空の支柱を形成して、送達媒体の装填量を増大させ得る。このような中空の支柱は、当業者に知られる方法により作製できる。
【0048】
図3は、支柱120の管腔外面124に配置された例示的な貯留部128の形状を示す、ステントの支柱120の断面図を示す。支柱120は、幅Wを有する。貯留部128は、深さD及び直径Dを有する略円筒形状を有する。D及びDの適切な値は、実際の送達媒体、支柱の機械的完全性、貯留部の密度、及び送達媒体の放出の所望される時間枠のような因子に依存する。例えば、送達媒体の実際の量及びそこに含有される活性薬剤(複数可)が多いほど、深さD及び直径Dのいずれか又は両方がより大きくなる必要があるだろう。支柱上に配置される貯留部の密度が高いほど、個別の支柱内の送達媒体の必要量が減少し、よって貯留部の必要サイズが減少するだろう。さらに、貯留部のサイズ及び密度が増大すると、支柱の機械的強度は減少するだろう。さらに、薬物送達媒体のより長い持続放出は、より大きい深さDにより促進されることができる。円筒形貯留部128の直径Dは、幅Wの約10%〜約95%、約20%〜約80%、30%〜約70%又は約40%〜約60%の範囲であってもよい。
【0049】
さらに、サイズ(例えば深さ、直径など)及び形状のような貯留部を特徴づける寸法パラメータは、炎症性応答の治療を促進するように設定してもよい。例えば、貯留部の寸法は、デバイスの分解の間を通して抗炎症性薬剤の持続送達を最大にして、分解副生成物の炎症性効果を打ち消すように設定してもよい。
【0050】
単一又は複数の貯留部は、デバイスの表面をエキシマレーザのようなレーザからのエネルギー放出に曝露することにより、ステント1のような移植可能な医療デバイスの本体上の1つ又は複数のレーザ溝として形成してもよい。貯留部を形成する代替の方法は、それらに限定されないが、物理的又は化学的なエッチング技術を含む。貯留部を形成するためのレーザ製作又はエッチングの技術は、当業者に公知である。貯留部は、実質的に、いずれのステント構造にも形成でき、上記の構造のみでない。
【0051】
図4Aは、送達媒体158で充填された貯留部154を有する支柱150の断面図を示す。図4Bは、貯留部158がコーティング160により被覆され得る別の実施形態を示す。コーティング160は、貯留部154からの送達媒体158の放出を遅延させ得る分解性ポリマーコーティングであり得る。或いは、保護スリーブをステントの上又はステント内に配置して、送達媒体の時期早尚の送達を低減又は防止できる。スリーブを移植の前又は後に除去して、ステントの侵食及び送達媒体の送達を可能にすることができる。スリーブは、捲縮ステントを覆ってスリップ又は摩擦ばめを有するような大きさにすることができる。このようなスリーブは、生体安定性、生分解性又は生体溶解性のポリマーから作製できる。例示的な実施形態において、スリーブは、例えばPhiladelphia,PAのArkema,Incからのペバックス(Pebax)(登録商標)のようなポリエーテルブロックアミドのような生体安定性エラストマーポリマーから作製できる。その他の例示的実施形態において、スリーブは、ポリカプロラクトン又はポリ(テトラメチレンカーボネート)のような生分解性エラストマーポリマーから形成できる。
【0052】
いくつかの実施形態において、コーティング160又は保護スリーブは、分散された活性薬剤を含み得る。活性薬剤(複数可)は、コーティングは、送達媒体中の活性薬剤と同じ又は異なる。例えば、ある実施形態において、送達媒体は抗炎症性薬剤を含むことができ、コーティングは増殖抑制薬を含むことができるか、又はその逆である。
【0053】
ある特定の実施形態において、送達媒体は、貯留部内に送達媒体の個別の粒子を一緒に保持する結合剤とともに貯留部内へ組み込むことができる。図5Aは、侵食性結合剤174内に分散された送達媒体の粒子170を示す、送達媒体158の拡大区画164の概略図である。送達媒体の量は、粒子の結合剤材料に対する比により変動できる。例えば、図5Bは、ほとんど又は全く結合剤材料を有さない粒子170を示す実施形態を示す。このような実施形態は、患者に送達される送達媒体の最大量を可能にできる。結合剤材料は、少なくともステントの移植まで貯留部中に粒子がとどまるように粒子が互いに及び貯留部の壁に接着することを可能にする粒子の表面上のコーティングであってもよい。例えば、コーティングは、ヒドロゲル又は水溶性ポリマーを含み得る。貯留部の開口部を覆うコーティングを用いて、貯留部中に結合剤材料を有さない粒子を含有できる。
【0054】
粒子は、結合剤材料が侵食又は溶解すると放出されるので、粒子の放出速度は、結合剤材料の選択により変動又は制御できる。急速侵食ポリマー又は水溶性ポリマーを選択して、粒子の急速又は急な放出をもたらすことができる。より緩慢な侵食ポリマーを選択して、粒子の緩慢又は漸次放出を得ることができる。上記のように、送達媒体の放出は、図4Bのコーティング160により示されるような貯留部の開口部を覆うコーティング層により遅らせることができる。
【0055】
代替の実施形態において、送達媒体は、貯留部内の懸濁物の形態であり得る。例えば、送達粒子を水溶液又はその他の生体適合性流体のような流体内に懸濁できる。このような実施形態において、貯留部の開口部は、コーティング160により示されるような侵食性コーティングにより被覆して、貯留部からの懸濁物の流れを低減又は防止できる。送達媒体の量は、粒子の溶液に対する比により変動できる。このような実施形態の放出プロフィールは、パルス放出であるように設定できる。なぜなら、送達媒体の粒子は、開口部を覆うコーティングが一旦分解されてなくなると、開口部から迅速に流出する傾向があり得るからである。「パルス放出」とは、通常、送達媒体の放出速度の突然の高まりを特徴とする放出プロフィールのことをいう。送達媒体の放出速度の高まりは、次いで、ある期間内になくなる。この用語のより詳細な定義は、Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,Edith Mathiowitz,Ed.,Culinary and Hospitality Industry Publications Servicesで見出すことができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、貯留部は、所望される治療の種類に応じて、ステントの表面の部分にて又はその付近に選択的に分布してもよい。このような実施形態において、ステントは、長手方向の軸に沿って選択的に分布した貯留部を有してもよい。例えば、ステントは、遠位末端、近位末端又は中心部にのみ又はさらなる貯留部を有し得る。
【0057】
貯留部は、ステントの管腔外面、管腔内面、管腔外及び内面の両方、並びに側壁上に選択的又は指向的に配置されてもよい。この様式の選択的配置粒子は、粒子の指向的放出及び標的にする領域への薬物放出を可能にするだろう。図2Aを参照して述べたように、送達粒子は、管腔外貯留部から血管壁組織へ移植後に放出され得る。送達粒子は、管腔内貯留部から血流中へ遠位血管の治療のために移植後に放出される。
【0058】
いくつかの実施形態において、送達粒子のための活性薬剤は、浸透圧により放出されてもよい。この実施形態において、活性薬剤又は送達媒体は、ステントの支柱内へ切り込まれたウェル中に配置される。図6Aは、活性薬剤又は送達媒体を含有するウェル204を有するステント支柱200の俯瞰図を示す。ウェルは、ウェル204を覆って開口部を有するコーティング層で被覆されてよい。図6Bは、ウェル204の上に配置されたコーティング層208を示す支柱200の側面図を示す。コーティング層208は、開口部210を有して、ウェル204からの活性薬剤又は送達粒子の送達を可能にする。ウェル204中とウェル204の外部とでの活性薬剤又は送達粒子、又は塩のような添加物の濃度の差が、浸透圧勾配を創出する。この勾配が、開口部を通しての活性薬剤又は送達粒子の制御送達を提供する。開口部は、管腔内又は管腔外のいずれかに指向されてよい。
【0059】
さらなる実施形態において、局所及び局部の両方の治療に適合された移植可能な医療デバイスは、活性薬剤(複数可)の持続放出を可能にする放出可能な送達媒体を含むコーティングを有する、腐食性金属から形成された基体を含む。コーティングは、基体の少なくとも一部分の上にあり得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、コーティングは、侵食性結合剤材料中に分散された粒子のような送達媒体を含み得る。移植されると、結合剤の侵食又は溶解が、粒子のような送達媒体の体内への放出を引き起こす。送達媒体の量は、送達媒体の結合剤材料に対する比により変動できる。図7Aは、腐食性金属基体230を覆う送達媒体層234を示す。図7Bは、侵食性結合剤材料240中に分散された送達粒子240を示す、層234の拡大した部分236を示す。結合剤材料240が侵食されると、粒子240は体内に放出され、治療のために遠位脈管構造まで輸送され得る。図7Cに示すように、侵食性トップコート層242は、送達媒体コーティング層234の上に配置されて、送達層の送達を遅延させることができる。送達粒子の放出は、結合剤材料の侵食速度により制御でき、侵食が速いほど粒子の放出が速い。
【0061】
ある特定の実施形態において、コーティングは、管腔外又は管腔内に選択的に配置して、送達媒体の指向的放出を可能にすることができる。図2を参照して、送達粒子は、管腔外層から血管壁組織に移植後に放出され得る。管腔内コーティングは、移植後に、遠位脈管構造の治療のために、薬物送達粒子の血流中への放出を可能にする。
【0062】
さらなる実施形態において、局所及び局部の両方の治療に適合された移植可能な医療デバイスは、基体内に分散された活性薬剤の持続放出を可能にする放出可能な送達媒体を含む侵食性ポリマーから形成された基体を含む。本明細書で記載する場合、送達媒体は、活性薬剤の持続放出に適合された粒子を含み得る。分散された送達媒体を有するデバイス基体は、特に有利であり得る。なぜなら、これは、基体の分解時間の全て又はほとんどの間に粒子のような送達媒体の放出を可能にするからである。
【0063】
分散された送達媒体を有するデバイス基体は、分散された粒子を用いて製作されたポリマー構造物から形成され得る。送達粒子は、ポリマー溶融物と混和でき、次いで、溶融物を押し出してチューブなどの構造物を形成できる。デバイスは、次いで、該構造物から形成でき、例えば、ステントパターンは、次いで、管を機械加工するレーザによりチューブに切り出すことができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、送達粒子を装填した基体は、送達粒子が充填された貯留部又は送達粒子を含むコーティングを含むこともできる。ある実施形態において、基体は、コーティング又は貯留部よりも、異なる種類の薬剤若しくは薬物又はそれらの混合物を有する粒子を有し得る。異なる薬剤若しくは薬物又はその混合物を有するコーティングは、異なる期間の間に、異なる薬剤又は薬物の段階的放出を可能にする。異なる薬剤又は薬物を有する貯留部は、重複する時間枠の間に異なる薬剤又は薬物の放出を可能にする。
【0065】
所定の治療に適する任意の生体適合性ポリマーを、ステントのようなデバイスで用いるために選択してもよい。基体からの送達媒体の放出プロフィールは、基体中の送達粒子の濃度及び侵食性ポリマーの侵食速度により制御できる。ある特定の実施形態において、ポリマーの侵食速度は、適切なコポリマー及びポリマー混和物の使用により適応させることができる。代表的なポリマーは、それらに限定されないが、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(DL−ラクチド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジオキサノン)、並びにそれらのコポリマー及び混和物を含む。コポリマーの例は、それらに限定されないが、90:10ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド);50:50ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド);70:30ポリ(L−ラクチド−co−ε−カプロラクトン);70:30ポリ(L−ラクチド−co−DL−ラクチド);70:30ポリ(L−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート);及び70:30ポリ(L−ラクチド−co−ジオキサノン)を含む。
【0066】
さらなる実施形態において、デバイスの基体は、2つ以上の異なるポリマー層を有することができ、少なくとも1つの層は分散された送達媒体を含む。ある実施形態において、ポリマーの種類は、同じ又は送達媒体の種類により異なる層を用いて異なることができる。層状構造で形成されたステントは、有利であり得る。なぜなら、層状構造は構造物の機械的安定性を増進させる傾向があるからである。
【0067】
図8は、ポリマー層252、254及び256を有するステントの支柱250の断面図を示す。例として、層252及び256は同じ種類の送達媒体を有することができ、層254は異なる送達媒体を有するか又は送達媒体を有さない。層254のポリマーは、機械的支持を提供するために堅く強度があるように選択してもよく、層252及び256は、柔軟性を提供するか又は送達媒体の送達のための選択された侵食速度を提供するように選択してもよい。ポリマー層は、チューブの共押出と、それに続いて層状チューブをパターンに切断することにより形成できる。
【0068】
さらなる実施形態において、ステント基体の侵食速度は、塩基性分解生成物を有するようにポリマー中に充填剤材料を含むことにより改変できる。加水分解性ポリマーが加水分解により分解する場合、ポリマー中の得られる酸性末端基は、自己触媒作用により分解速度を増大させる傾向がある。非晶質D−及びL−ラクチドコポリマーの分解に対する塩基性充填剤材料の影響は、以前に示されている。S.A.T.van der Meer et al.,Journal of Materials Science:Materials in Medicine,Volume 7,No.6,June,1996。特に、充填剤材料としてのヒドロキシアパタイトの使用は、充填されたポリマーの分解速度を減少させることが示された。ポリマー系の分解速度をその系の臨床上の必要性に調和させる能力は、特定の用途で用い得るポリマーの範囲を劇的に広げる。
【0069】
さらなる実施形態において、局所及び局部の両方の治療に適合されたステントのようなデバイスは、少なくとも1つの層が腐食性金属であり、少なくとも1つの層が侵食性ポリマーであるような2つ以上の層を有する足場を含んでもよい。上記のように、層状構造で形成されたステントは、有利であり得る。なぜなら、層状構造は、構造物の機械的安定性を増進させる傾向があるからである。層の数、層の並べ方、材料の種類の点での金属とポリマーの層の多様な組合せが、所望される治療の経過に応じて構想できる。層状足場は、金属層とポリマー層とが交互になった3つ以上の層を有し得る。最外層である管腔外及び管腔内層は、ともに金属であるか、一方が金属で一方がポリマーであるか、又は両方がポリマーであり得る。
【0070】
薬剤送達媒体を有する金属及びポリマーの層を有する足場は、金属及びポリマーの層を有する管から形成できる。このような管は、同軸に配向された金属管片同士の間にある(間にクリアランスを有して一方が他方の内部にある)金属チューブの周囲又は内部のポリマー層の共押出により形成できる。送達粒子は、層を形成するために用いられるポリマー溶融物とともに混和できる。さらに、金属チューブは浸漬被覆又は噴霧されて、金属チューブを覆うコーティングを形成できる。コーティング材料は、溶媒に溶解されたポリマーを含む。送達粒子は、コーティング材料内に含まれることもできる。ポリマー被覆金属チューブは、溶媒を除去することにより形成される。次いで、被覆金属チューブは、ポリマーと接触する面上が溶媒又はその他の接着剤を用いて被覆された金属表面を有して、互いの中に滑らせることができる。接着剤は、熱又は振動により活性化される接着剤であり得る。ポリマー及び金属の層は、均一の厚み又はチューブの長さに沿って変動する厚みであり得る。ステントパターンを、次いで、管を機械加工するレーザにより切断できる。
【0071】
層状足場の実施形態は、層の分解速度の違いにより送達媒体の段階的放出を可能にできる。段階的放出とは、重複するか又はしなくてもよい2つ以上の異なる時間間隔にわたって送達媒体を放出することをいう。異なる期間に放出される薬剤及び/又は薬物の種類は、同じ又は異なることができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、金属又はポリマーの層は、上記のように、放出可能な送達媒体を含み得る。あるこのような実施形態において、層は、放出可能な送達媒体で充填された貯留部を有することができる。別のこのような実施形態において、層状構造要素は、放出可能な送達媒体を含むコーティングを有することができる。図9は、金属の管腔外又は管腔内層261と、ポリマーの管腔外又は管腔内層262とを有する層状支柱260の断面図を示す。層は、放出可能な送達媒体で充填され得る貯留部266及び264も含み得る。コーティング層268は、層の上に配置され、トップコート層として作用できるか、又は放出可能な送達媒体を含むこともできる。ある実施形態において、金属及びポリマーは、ポリマーが金属層よりも速く侵食されるように選択できる。よって、金属は、送達媒体の放出時間の実質的な部分の間に足場に対して構造的支持を提供できる。
【0073】
図10は、金属外層271及び272並びにポリマー内層274を有する3層支柱270を示す。金属層271及び272は、放出可能な送達媒体で充填された貯留部276及び278をそれぞれ有する。ポリマー層274は、層内に分散された放出可能な送達媒体を有し得る。金属層及びポリマー層からの送達媒体の放出は、段階的な様式で生じてもよい。なぜなら、ポリマー層274の大部分が金属層270及び272で被覆されているからである。送達媒体の放出の2つ以上の段階は、さらなる内層により提供され得る。
【0074】
送達粒子の放出の間に1つ又は複数の層の侵食を遅延させることが望ましいことがある。層の侵食の遅延は、ステントの機械特性をより長い期間維持する。層の遅延侵食を可能にするある特定の実施形態は、自己溶解性金属から形成されていない2つの金属層の間に侵食性ポリマー層を有する構造要素を含み得る。2つの金属層は、金属層が接触したときに体液中で電気溶解を受けることができるように、電池対物質であり得る。
【0075】
図10を用いてこれらの実施形態を説明できる。金属層271及び272は電池対物質であり得、これらは接触したときに体液中で電気溶解を受ける。ポリマー層274は、図11Aに示すように、体液への曝露により側壁280で優先的に侵食される。さらに、ポリマー層274の内部も侵食されることができ、機械特性は、ポリマー層274内での流体の拡散により低下する。拡散の程度はポリマーに依存する。湿気の拡散速度が高いポリマーは、バルク侵食を特徴とすることができる。このようなポリマーは、機械特性が実質的に低減しても質量の損失をほとんど示さないことが可能である。ポリマー層274の質量及び機械特性の損失は、ポリマー層274の崩壊を引き起こし、図11Bに示すように、金属層270と272の間の接触をもたらす。接触すると、金属層270及び272は電解腐食を受ける。
【0076】
上記のように、分散された送達媒体を有するステントのポリマー足場は、分散された送達粒子を用いた溶融押出により形成された管から製作できる。さらに、分散された送達媒体を有するステントの足場のポリマー層は、ポリマー層の共押出により作製された管から形成できる。
【0077】
しかし、薬物送達媒体に含まれる活性薬剤は、上昇した温度で分解に感受性であることがある。例えば、いくつかの活性薬剤は、約80℃〜100℃を超える温度で分解する傾向がある。よって、ポリマー及び送達粒子をより低い温度で加工して、活性薬剤の分解を低減又は防止することが望ましいだろう。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態は、ステントのような移植可能な医療デバイスの形成において、分散された送達媒体を有するポリマーのゲル加工を含み得る。ゲル加工の重要な利点は、これが、ポリマーの溶融温度より実質的に低温度でポリマーの加工を可能にすることである。「ポリマーゲル」とは、通常、膨潤したか又は液体中で膨潤できるポリマーネットワークのことをいう。ポリマーネットワークは、共有結合、又はネットワーク接合部として作用する局所的秩序の領域との物理的凝集により形成されるネットワークであり得る。例えば、物理的架橋ネットワークは、物理的架橋又は網の点として作用するポリマー中の微結晶ドメインのネットワークであり得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、ゲルは、周囲温度若しくは室温にて又はその付近で加工できる。実施形態は、ステント足場用のチューブのような構造物の製作においてゲル加工を用いることを含む。ゲル加工は、コーティングを加工するために用いることもできる。ゲル加工において、ゲルを形成するポリマーと溶媒との混合物が加工される。
【0080】
物理的に凝集したポリマーゲルの代表例は、ポリビニルアルコール(PVA)と水での膨潤物である。ある実施形態において、PVA−水ゲルは、加水分解度が高いPVA及び水から製造される。加水分解度は、70%、80%又は90%を超えることができる。ゲルは、PVAを水中に約90℃の温度で溶解し、次いで溶液を冷却することにより形成できる。ゲル形成は、時間の関数であり、これは、凍結−融解プロセスを用いて促進できる。PVA−水ゲルは、物理的架橋として作用する微結晶ドメインを含む。
【0081】
物理的に凝集したゲルの別の例は、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル又はベンジルアルコールで膨潤させたポリ(L−ラクチド−グリコール酸)(PLGA)のブロックコポリマーである。このようなゲルは、典型的には、約50%PLGA及び50%溶媒(生体適合性)である。このようなゲルは、10〜30%の範囲の活性薬剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、ポリマーと溶媒との組合せは、ゲルを形成できるように選択される。ポリマーと溶媒を混合して、バッチミキサー又は押出機のような混合装置内でゲルを形成できる。上記の薬物送達媒体を含む活性薬剤は、ゲルと混合できる。ゲル混合物は、押出機のような形成装置内で加工して、チューブのようなポリマー構造物を形成できる。
【0082】
混合又は形成装置内でのゲルの温度は、ゲル内の活性薬剤がほとんど又は全く分解しないように十分に低いことが可能である。ある実施形態において、温度は、ゲル中のポリマーの溶融温度より低く、例えば室温又は略室温である。
【0083】
形成装置の代表例は、それらに限定されないが、単軸スクリュ押出機、噛合型同方向回転及び異方向回転2軸スクリュ押出機、並びにその他の多軸スクリュ混練押出機を含み得る。ゲルは形成装置を通して運搬されるので、溶媒の少なくとも一部は蒸発して除去される。ゲルは、次いで、ダイを通して運搬されて、チューブのようなポリマー構造物を形成できる。
【0084】
ある特定の実施形態において、ゲルから構造物を形成した後に、構造物を、ゲルから一部又は全ての溶媒を除去することにより乾燥させることができる。乾燥の後に、構造物は、ゲル化のために選択された溶媒を含まないポリマー又はポリマー配合の物理的特性を示す。いくつかの実施形態において、構造物中の溶媒の少なくとも一部は構造物中に残存することが可能である。溶媒は、移植するとin vivoで構造物から形成されたデバイスから外に溶出又は拡散できる。いくつかの実施形態において、デバイスは、体液に曝露されたときに膨潤しないポリマーから形成される。或いは、デバイスは、体液に曝露されると膨潤するポリマーから形成され得る。
【0085】
形成されたポリマー部分は、形成されたポリマー構造物を、選択された温度を有する冷却流体に接触させることにより乾燥又は冷却させることができる。例えば、形成されたポリマー構造物は、急冷浴中で冷却して、ゲルから溶媒を除去できる。或いは、形成されたポリマー構造物は、選択された温度にて空気又は何らかのその他の気体により冷却してもよい。冷却流体のいくつかの例は、それらに限定されないが、イソプロピルアルコール、クロロホルム、アセトン、水、及び任意の割合でのそれらの任意の混合物を含む。
【0086】
基体、結合剤、コーティング及び薬物送達媒体に用いて本明細書に開示される移植可能な医療デバイスの実施形態を製作してもよいポリマーの代表例は、それらに限定されないが、ポリ(N−アセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリエステルアミド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、co−ポリ(エーテル−エステル)(例えばPEO/PLA)、ポリホスファゼン、生体分子(例えばフィブリン、フィブリン糊、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸、エラスチン及びヒアルロン酸)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン−アルファオレフィンコポリマー、アクリルポリマー及びポリアクリル酸以外のコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー(例えばポリ塩化ビニル)、ポリビニルエーテル(例えばポリビニルメチルエーテル)、ポリハロゲン化ビニリデン(例えばポリ塩化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリ芳香族ビニル(例えばポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えばポリ酢酸ビニル)、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、ポリアミド(例えばナイロン66及びポリカプロラクタム)、チロシンベースのポリカーボネートを含むポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル並びにカルボキシメチルセルロースを含む。本明細書に開示される移植可能な医療デバイスの実施形態を製作するために用いるのに特に適するであろうポリマーのさらなる代表例は、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOH又は商品名EVALで通常知られている)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(フッ化ビニリデン−co−ヘキサフルオロプロペン)(例えば、Solvay Solexis PVDF、Thorofare、NJから入手可能なSOLEF 21508)、ポリフッ化ビニリデン(他にはATOFINA Chemicals、Philadelphia、PAから入手可能なKYNAR)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロックコポリマー及びポリエチレングリコールを含む。
【0087】
基体、結合剤、コーティング及び薬物送達媒体に用いて本明細書に開示される移植可能な医療デバイスの実施形態を製作し得る生体溶解性物質の代表例は、それらに限定されないが、ポリ(エチレンオキサイド);ポリ(アクリルアミド);ポリ(ビニルアルコール);酢酸セルロース;生体溶解性ポリマーと生体吸収性及び/又は生体安定性ポリマーとの混和物;N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド;及びセラミックマトリックスコンポジットを含む。
【0088】
送達媒体は、抗炎症薬、増殖抑制薬及びその他の生物活性薬剤のような活性薬剤(複数可)を組み込むことができる。
【0089】
増殖抑制薬剤は、細胞毒素のような天然タンパク質薬剤、又は合成分子であり得る。好ましくは、活性薬剤は、アクチノマイシンD又はその誘導体及び類似体(Sigma−Aldrich 1001 West Saint Paul Avenue、Milwaukee、WI53233により製造される;又はMerckから入手可能なコスモゲン(COSMEGEN))(アクチノマイシンDの類義語は、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX及びアクチノマイシンCを含む)、タキソール、ドセタキセル及びパクリタキセル、パクリタキセル誘導体のような全てのタキソイド、マクロライド抗生物質、ラパマイシン、エベロリムス、ラパマイシンの構造的誘導体及び機能的類似体、エベロリムスの構造的誘導体及び機能的類似体、FKBP−12媒介mTOR阻害剤、バイオリムス、ペルフェニドンのような全てのオリムス薬物、それらのプロドラッグ、それらのコドラッグ及びそれらの組合せのような増殖抑制物質を含む。代表的なラパマイシン誘導体は、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピルラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン又は40−O−テトラゾール−ラパマイシン、40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(Abbot Laboratories、Abbot Park、Illinoisにより製造されるABT−578)、それらのプロドラッグ、それらのコドラッグ、及びそれらの組合せを含む。ある実施形態において、増殖抑制薬剤はエベロリムスである。
【0090】
抗炎症薬物は、ステロイド性抗炎症薬剤、非ステロイド性抗炎症薬剤、又はそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態において、抗炎症薬物は、それらに限定されないが、アルクロフェナク、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アルゲストンアセトニド、アルファアミラーゼ、アムシナファル、アムシナフィド、アンフェナクナトリウム、アミプリロース塩酸塩、アナキンラ、アニロラク、アニトラザフェン、アパゾン、ベルサラジド2ナトリウム、ベンダザック、ベノキサプロフェン、ベンジダミン塩酸塩、ブロメライン、ブロペラモール、ブデソニド、カルプロフェン、シクロプロフェン、シンタゾン、クリプロフェン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、クロピラック、プロピオン酸クロチカゾン、酢酸コルメタゾン、コルトドキソン、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、2酢酸ジフロラゾン、ジフルミドンナトリウム、ジフルニサール、ジフルプレドナート、ジフタロン、ジメチルスルホキシド、ドロシノニド、エンドリソン、エンリモマブ、エノリカムナトリウム、エピリゾール、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナク、フェナモール、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンドサール、フェンピパロン、フェンチアザク、フラザロン、フルアザコート、フルフェナミン酸、フルミゾール、酢酸フルニゾリド、フルニキシン、フルニキシンメグルミン、フルオコルチンブチル、酢酸フルオロメトロン、フルクアゾン、フルビプロフェン、フルレトフェン、プロピオン酸フルチカゾン、フラプロフェン、フロブフェン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、酢酸ハロプレドン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウム、イブプロフェンピコノール、イロニダップ、インドメタシン、インドメタシンナトリウム、インドプロフェン、インドキソール、イントラゾール、酢酸イソフルプレドン、イソキセパク、イソキシカム、ケトプロフェン、ロフェミゾール塩酸塩、ロモキシカム、エタボン酸ロテプレドノール、メクロフェナミン酸ナトリウム、メクロフェナミン酸、メクロリゾンジブチラート、メフェナミン酸、メサラミン、メセクラゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モミフルメート、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキソール、ニマゾン、オルサラジンナトリウム、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、パラニリン塩酸塩、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、フェンブタゾンナトリウムグリセレート、ピルフェニドン、ピロキシカム、桂皮酸ピロキシカム、ピロキシカムオラミン、ピルプロフェン、プレドナザート、プリフェロン、プロドール酸、プロカゾン、プロキサゾール、クエン酸プロキサゾール、リメキソロン、ロマザリット、サルコレクス、サルナセジン、サルサラート、サンギナリンクロリド、セクラゾン、セルメタシン、スドキシカム、スリンダク、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルマート、タロサラート、テブフェロン、テニダップ、テニダップナトリウム、テノキシカム、テシカム、テシミド、テトリダミン、チオピナック、チキソコルトールピバラート、トルメチン、トルメチンナトリウム、トリクロニド、トリフルミダート、ジドメタシン、ゾメピラックナトリウム、アスピリン(アセチルサリチル酸)、サリチル酸、コルチコステロイド、グルココルチコイド、タクロリムス、ピメコルリムス、それらのプロドラッグ、それらのコドラッグ、及びそれらの組合せを含む。ある実施形態において、抗炎症薬剤はクロベタゾールである。
【0091】
或いは、抗炎症薬は、炎症誘発性シグナル伝達分子の生物学的阻害剤であってよい。生物学的抗炎症薬剤は、このような生物学的炎症性シグナル伝達分子に対する抗体を含む。
【0092】
さらに、粒子及び結合剤は、増殖抑制薬剤又は抗炎症薬剤以外の薬剤を含んでよい。これらの活性薬剤は、治療薬、予防薬又は診断薬である任意の薬剤であり得る。いくつかの実施形態において、このような薬剤は、増殖抑制薬剤又は抗炎症薬剤と組み合わせて用いてもよい。これらの薬剤も増殖抑制及び/又は抗炎症の特性を有し得るか、又は抗悪性腫瘍剤、抗血小板薬、抗凝固剤、抗フィブリン薬、抗血栓剤、有糸分裂阻害薬、抗生物質、抗アレルギー剤、抗酸化剤及び細胞分裂阻害剤(cystostatic agent)のようなその他の特性を有し得る。適切な治療及び予防薬剤の例は、治療、予防又は診断活性を有する合成の無機及び有機の化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びその他の糖類、脂質並びにDNA及びRNA核酸配列を含む。核酸配列は、遺伝子、相補的DNAに結合して転写を阻害するアンチセンス分子、及びリボザイムを含む。その他の生物活性薬剤のいくつかのその他の例は、抗体、受容体リガンド、酵素、接着性ペプチド、血液凝固因子、阻害剤又はストレプトキナーゼ若しくは組織プラスミノゲンアクチベータ−のような血塊溶解剤、免疫化用の抗原、ホルモン及び成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムのようなオリゴヌクレオチド、並びに遺伝子治療用のレトロウイルスベクターを含む。抗悪性腫瘍薬及び/又は有糸分裂阻害薬の例は、メトトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、ドキソルビシン塩酸塩(例えばPharmacia&Upjohn、Peapack N.J.からのアドリアマイシン(Adriamycin)(登録商標))及びマイトマイシン(例えばBristol−Myers Squibb Co.、Stamford、Conn.からのムタマイシン(Mutamycin)(登録商標))を含む。このような抗血栓剤、抗凝固剤、抗フィブリン薬及び抗トロンビンの例は、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血栓膜受容体拮抗剤抗体、組換えヒルジン、アンジオマックスエー(Angiomax a)(Biogen,Inc.、Cambridge、Mass.)のようなトロンビン阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬(例えばニフェジピン)、コルヒチン、繊維芽細胞成長因子(FGF)拮抗剤、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミン拮抗剤、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素の阻害剤、コレステロール降下薬、Merck&Co.,Inc.、Whitehouse Station、NJからの商標名メバコア(Mevacor)(登録商標))、モノクローナル抗体(例えば、血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的なもの)、ニトロプルシッド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)、酸化窒素又は酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣物、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、エストラジオール、抗癌剤、種々のビタミン類のような食餌補助剤、並びにそれらの組合せを含む。このような細胞分裂阻害剤の例は、アンギオペプチン、カプトプリル(例えばBristol−Myers Squibb Co.、Stamford、Conn.からのカポテン(Capoten)(登録商標)及びカポジド(Capozide)(登録商標))、シラザプリル又はリシノプリル(例えばMerck&Co.,Inc.、Whitehouse Station、NJからのプリニヴィル(Prinivil)(登録商標)及びプリンジド(Prinzide)(登録商標))のようなアンギオテンシン変換酵素阻害剤を含む。抗アレルギー剤の例は、ペルミロラストカリウムである。適切であろうその他の治療物質又は薬剤は、アルファ−インターフェロン及び遺伝子工学により作製された上皮細胞を含む。上記の物質は、例示のために列挙され、限定することを意味しない。
【0093】
その他の生物活性薬剤は、抗ウイルス剤のような抗感染薬;鎮痛薬及び鎮痛薬の組合せ;食欲抑制薬;駆虫薬;抗関節炎剤;抗ぜんそく薬;抗けいれん薬;抗鬱薬;抗利尿薬;止瀉薬;抗ヒスタミン剤;抗片頭痛製剤;抗悪心薬;抗パーキンソン病薬;鎮痒薬;抗精神病薬;解熱剤;鎮痙薬;抗コリン薬;交感神経模倣薬;キサンチン誘導体;カルシウムチャネル遮断薬並びにピンドロール及び抗不整脈薬のようなベータ遮断薬を含む心血管系製剤;降圧剤;利尿薬;冠血管全般、末梢及び大脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激物質;うっ血除去薬を含む咳及び感冒用製剤;睡眠薬;免疫抑制薬;筋弛緩剤;副交感神経遮断薬;覚醒剤;鎮静剤;精神安定剤;天然由来又は遺伝子工学的に作製されたリポタンパク質;並びに再狭窄抑制剤を含んでよい。現在利用可能であるか又は将来開発されるであろうその他の活性薬剤も利用できる。
【0094】
本発明の具体的な実施形態を示して記載してきたが、より広い態様における本発明から逸脱することなく変更及び改変を行うことができることが当業者には明らかである。よって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、本発明の真の意図及び範囲内にあるそのような変更及び改変の全てを含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食性の金属から形成された足場を含み、前記足場の表面に1つ又は複数の凹部を有するステントであって、前記凹部は、少なくとも部分的に、活性薬剤を含む複数の放出可能な伝達媒体が充填されており、前記活性薬剤が、移植されたステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステント。
【請求項2】
前記送達媒体が、前記移植されたステントから前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性薬剤の持続放出を可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属が多孔質である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属が、少なくとも50%の多孔度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属が、体液に曝露されると溶解する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属が体液と接触すると電気溶解を受けるように、前記金属が、電池対物質を創出するように選択された2つ以上の金属の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記凹部が、基体の表面に複数の貯留部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記凹部がステントの管腔内面上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記凹部がステントの管腔外面上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記送達媒体が侵食性ポリマー中に混合又は分散されており、前記送達媒体の少なくとも一部が、前記侵食性ポリマーが侵食されると前記移植されたステントから放出される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記移植されたステントからの前記送達媒体の放出を遅延させるように適合されている侵食性コーティングを、貯留部の開口部の上にさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記送達媒体がナノ粒子を含み、活性薬剤が前記ナノ粒子内に封入されているか、前記ナノ粒子上に被覆されているか、又は前記ナノ粒子内に分散されている、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つの侵食性ポリマー層を含む足場を含むステントであって、前記ポリマー層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含み、前記活性薬剤が、少なくとも1つのポリマー層が侵食されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステント。
【請求項14】
前記送達媒体が、前記移植されたステントから前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性薬剤の持続放出を可能にする、請求項13に記載のステント。
【請求項15】
複数の前記送達媒体が、前記活性薬剤を含む複数の粒子を含む、請求項13に記載のステント。
【請求項16】
前記ポリマー層の少なくとも2つが同じ送達媒体を含む、請求項13に記載のステント。
【請求項17】
前記ポリマー層の少なくとも2つが異なる送達媒体を含む、請求項13に記載のステント。
【請求項18】
前記ポリマー層の少なくとも1つが、他のポリマー層の少なくとも1つよりも大きい剛性を有するポリマーを含む、請求項13に記載のステント。
【請求項19】
前記ポリマー層の少なくとも1つが、前記足場の侵食速度を改変する充填剤材料を含む、請求項13に記載のステント。
【請求項20】
前記充填剤が、ステント足場の侵食速度を低減させる塩基性分解生成物を有する、請求項19に記載のステント。
【請求項21】
前記充填剤がヒドロキシアパタイトである、請求項20に記載のステント。
【請求項22】
少なくとも2つの侵食性ポリマー層を含む足場を含むステントであって、前記ポリマー層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含み、前記活性薬剤が、少なくとも1つのポリマー層が侵食されると前記送達媒体から放出されるように適合されており、前記ポリマー層の少なくとも1つが、前記足場の侵食速度を改変する充填剤材料を含み、前記充填剤が、ステント足場の侵食速度を低減させる塩基性分解生成物を有するステント。
【請求項23】
各層が侵食性ポリマーから形成された、管腔外層、管腔内層、及び前記管腔外層と前記管腔内層との間の中間層を有する支柱を含む足場を含むステントであって、複数の送達媒体が前記管腔外層又は管腔内層内に分散されており、活性薬剤が、前記足場から前記送達媒体を放出する前記管腔外層又は管腔内層の侵食の間に、移植されたステントの前記足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステント。
【請求項24】
前記中間層が、管腔外ポリマー層及び管腔内ポリマー層よりも大きい剛性を有するポリマーを含むことにより、前記足場に構造的支持を与える、請求項23に記載のステント。
【請求項25】
前記ポリマー層の少なくとも1つが、前記足場の侵食速度を改変する充填剤材料を含む、請求項23に記載のステント。
【請求項26】
前記充填剤が、ステント足場の侵食速度を低減させる塩基性分解生成物を有する、請求項25に記載のステント。
【請求項27】
前記充填剤がヒドロキシアパタイトである、請求項26に記載のステント。
【請求項28】
管腔外層、管腔内層、及び中間層を有する侵食性ポリマー支柱を含むステントであって、活性薬剤を含む複数の送達媒体が前記管腔外層又は管腔内層内に分散されており、前記活性薬剤が、前記足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されており、前記管腔外層又は管腔内層の侵食により前記足場から前記送達媒体が放出され、前記層の少なくとも1つが、前記足場の侵食速度を改変する充填剤材料を含み、前記充填剤が、ステント足場の侵食速度を低減させる塩基性分解生成物を有し、前記充填剤がヒドロキシアパタイトであるステント。
【請求項29】
少なくとも2つの侵食性ポリマー層を含むチューブを共押出しするステップであり、前記2つの侵食性ポリマー層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含むステップと、
前記チューブでステントパターンを切断して、少なくとも2つの侵食性ポリマー層を含むステント足場を形成するステップと
を含む、ステントを製作する方法であって、前記活性薬剤が、少なくとも2つのポリマー層の侵食により移植されたステントのポリマー層から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されている方法。
【請求項30】
複数の前記送達媒体が、前記活性薬剤を含む複数の粒子を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
侵食性ポリマー層及び侵食性金属層を有する足場を含むステントであって、前記層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含み、前記活性薬剤が、足場層の1つの侵食により移植されたステントの足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステント。
【請求項32】
前記層の一方の層が管腔外層であり、他方の層が管腔内層である、請求項31に記載のステント。
【請求項33】
前記送達媒体が、移植されたステントの足場から前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性薬剤の持続放出を可能にする、請求項31に記載のステント。
【請求項34】
前記ポリマー層が前記送達媒体を含む、請求項31に記載のステント。
【請求項35】
前記金属層が前記送達媒体を含む、請求項31に記載のステント。
【請求項36】
前記金属層及びポリマー層の侵食速度が異なることにより、前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性薬剤の段階的放出が可能になる、請求項31に記載のステント。
【請求項37】
前記送達媒体が、前記層の少なくとも1つの表面の凹部内に配置されている、請求項31に記載のステント。
【請求項38】
前記送達媒体が前記ポリマー層内に分散されている、請求項31に記載のステント。
【請求項39】
前記送達媒体が、前記層の少なくとも1つの上に配置された侵食性コーティング内に分散されている、請求項31に記載のステント。
【請求項40】
前記金属層が、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、モリブデン、アンチモン及びそれらの合金からなる群より選択される金属から形成される、請求項31に記載のステント。
【請求項41】
侵食性ポリマー層及び侵食性金属層を有する足場を含むステントであって、前記層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含み、前記活性薬剤が、前記層の1つの侵食により移植されたステントの足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されており、前記金属層が、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、モリブデン、アンチモン及びそれらの合金からなる群より選択される金属から形成されるステント。
【請求項42】
2つの侵食性金属層の間に侵食性ポリマー層を含む足場を含むステントであって、前記層の少なくとも1つが、活性薬剤を含む複数の放出可能な送達媒体を含み、前記活性薬剤が、移植されたステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステント。
【請求項43】
前記金属層が管腔外層及び管腔内層を含む、請求項42に記載のステント。
【請求項44】
前記金属層が前記ポリマー層からの前記送達媒体の放出を遅延させることにより、前記金属層及びポリマー層から前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性薬剤の段階的放出が可能になる、請求項42に記載のステント。
【請求項45】
前記金属層が、前記ポリマー層からの前記送達媒体の放出の間に構造的支持を提供する、請求項42に記載のステント。
【請求項46】
前記金属層の侵食が前記ポリマー層により遅延される、請求項42に記載のステント。
【請求項47】
前記金属層が自己溶解性である、請求項42に記載のステント。
【請求項48】
前記金属層が、接触すると電気侵食を受ける電池対物質である、請求項30に記載のステント。
【請求項49】
前記送達媒体が、前記移植されたステントから前記送達媒体が放出されると患者の体内への活性物質の持続放出を可能にする、請求項42に記載のステント。
【請求項50】
前記金属層が、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、モリブデン、アンチモン及びそれらの合金からなる群より選択される金属から形成される、請求項42に記載のステント。
【請求項51】
ステントを製作する方法であって、
侵食性ポリマー層を含む層状チューブを侵食性金属チューブの内部又は周囲に形成するステップであり、前記侵食性ポリマー層が、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含むステップと、
前記層状チューブでステントパターンを切断して、侵食性金属層及び侵食性ポリマー層を有するステント足場を形成するステップと
を含み、前記活性薬剤が、移植されたステントの足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されている方法。
【請求項52】
前記侵食性ポリマー層が、前記侵食性ポリマー層を前記侵食性金属チューブの内部又は周囲に共押出しすることにより形成される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記侵食性ポリマー層が、前記侵食性金属チューブを被覆することにより形成される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記足場の前記侵食性金属層に空洞を形成し、前記空洞内に複数の送達媒体を配置するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
ステントを製作する方法であって、
侵食性ポリマー層を含む層状チューブを侵食性金属チューブの内部又は周囲に形成するステップであり、前記侵食性ポリマー層が、活性薬剤を含む複数の送達媒体を含み、前記活性薬剤が、移植されたステントの足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステップと、
前記層状チューブでステントパターンを切断して、侵食性金属層及び侵食性ポリマー層を有するステント足場を形成するステップと、
前記足場の前記侵食性金属層に空洞を形成するステップと、
前記空洞内に複数の送達媒体を配置するステップと
を含む方法。
【請求項56】
侵食性ポリマーと、溶媒と、複数の送達媒体とを含むゲル混合物を形成するステップであり、前記送達媒体が活性薬剤を含むステップと、
前記ゲル混合物を加工して、前記侵食性ポリマー及び前記送達媒体が内部に分散されたチューブを形成するステップと、
前記チューブからステントを形成するステップと
を含む、ステントを形成する方法。
【請求項57】
前記ゲル混合物が、室温又はその付近で加工される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記侵食性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリ(L−ラクチド−グリコール酸)(PLGA)のブロックコポリマーを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記溶媒が、水、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル及びベンジルアルコールからなる群より選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記ゲル混合物が、バッチミキサー及び押出機からなる群より選択される混合装置において形成される、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記活性薬剤が、移植されたステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されている、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記加工が、前記ゲル混合物を押し出して前記チューブを形成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記溶媒が、前記チューブの形成の間及び後に前記ゲル混合物から除去される、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記溶媒が、冷却流体を用いて前記ゲル混合物を冷却することにより除去される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
侵食性ポリマーと、溶媒と、複数の送達媒体とを含むゲル混合物を形成するステップであり、前記送達媒体が活性薬剤を含むステップと、
前記ゲル混合物を加工して、前記侵食性ポリマー及び前記送達媒体が内部に分散されたチューブを形成するステップと、
前記チューブからステントを形成するステップと、
冷却流体を用いて前記ゲル混合物を冷却することにより、前記チューブの形成の間及び後に前記媒体を前記ゲル混合物から除去するステップと
を含む、ステントを形成する方法。
【請求項66】
前記加工が、ポリマー又は金属のチューブの周囲又は内部に前記ゲル混合物を共押出しして前記チューブを形成することを含み、前記チューブが、前記ゲル混合物から形成された層と前記ポリマー又は金属チューブを含む層とを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
ステントを形成する方法であって、
侵食性ポリマーと、溶媒と、複数の送達媒体とを含むゲル混合物を形成するステップであり、前記送達媒体が活性薬剤を含むステップと、
前記ゲル混合物を加工して、前記侵食性ポリマー及び前記送達媒体が内部に分散されたチューブを形成するステップであり、前記加工が、ポリマー又は金属のチューブの周囲又は内部に前記ゲル混合物を共押出しして前記チューブを形成することを含み、前記チューブが、前記ゲル混合物から形成された層と前記ポリマー又は金属チューブを含む層とを含むステップと、
前記チューブからステントを形成するステップと
を含む方法。
【請求項68】
前記ステントが、前記チューブでステントパターンを切断することにより形成される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
侵食性ポリマーと、溶媒と、活性薬剤を含む複数の送達媒体とを含むゲル混合物を形成するステップと、
形成装置を用いて、前記ゲル混合物から、前記侵食性ポリマーを含む層と前記層内に分散された前記送達媒体とを含むチューブを製作するステップと、
前記チューブからステントを形成するステップと
を含む、ステントを形成する方法。
【請求項70】
前記ゲル混合物が、室温又はその付近で加工される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記形成装置が押出機を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記形成装置が押出機及びダイを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記ゲル混合物を、ポリマー又は金属のチューブの周囲又は内部に共押出しして前記チューブを形成し、前記チューブが、前記ゲル混合物から形成された前記層と前記ポリマー又は金属のチューブを含む層とを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記活性薬剤が、移植されステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されている、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
侵食性ポリマーと、溶媒と、活性薬剤を含む複数の送達媒体とを含むゲル混合物を形成するステップであり、前記活性薬剤が、移植されたステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されているステップと、
形成装置を用いて、前記ゲル混合物から、前記侵食性ポリマーを含む層と前記層内に分散された前記送達媒体とを含むチューブを製作するステップと、
前記チューブからステントを形成するステップと
を含む、ステントを形成する方法。
【請求項76】
活性薬剤を含む複数の放出可能な送達媒体を含む空洞が内部に配置された構造要素を含むステントであって、前記空洞と前記構造要素の表面との間の浸透圧勾配により、前記空洞から前記送達媒体が放出されるステント。
【請求項77】
前記活性薬剤が、前記移植されたステントから前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出されるように適合されている、請求項76に記載のステント。
【請求項78】
開口部が、前記構造要素の管腔外面又は管腔内面上にある、請求項76に記載のステント。
【請求項79】
前記構造要素が前記空洞を覆うコーティング層を含み、開口部が前記コーティング層を貫通する、請求項76に記載のステント。
【請求項80】
前記コーティングが侵食性である、請求項79に記載のステント。
【請求項81】
複数の放出可能な送達媒体を含む空洞が内部に配置された構造要素を含むステントであって、前記空洞と前記構造要素の表面との間の浸透圧勾配により、前記空洞から前記送達媒体が放出され、前記構造要素が前記空洞を覆うコーティング層を含み、開口部が前記コーティング層を貫通し、前記コーティングが侵食性であるステント。
【請求項82】
前記浸透圧勾配が、前記空洞内と前記構造要素の表面での前記送達媒体又は活性薬剤の濃度の差により形成される、請求項76に記載のステント。
【請求項83】
前記浸透圧勾配が、前記空洞内と前記構造要素の表面での添加物の濃度の差により形成される、請求項76に記載のステント。
【請求項84】
前記添加物が塩である、請求項83に記載のステント。
【請求項85】
複数の放出可能な送達媒体を含む空洞が内部に配置された構造要素を含むステントであって、前記空洞と前記構造要素の表面との間の浸透圧勾配により、前記空洞から前記送達媒体が放出され、前記浸透圧勾配が、前記空洞内と前記構造要素の表面での添加物の濃度の差により形成され、前記添加物が塩であるステント。
【請求項86】
前記構造要素が侵食性金属から形成される、請求項76に記載のステント。
【請求項87】
活性薬剤を含む複数の放出可能な送達媒体を含む空洞が内部に配置された構造要素を含むステントであって、前記空洞と前記構造要素の表面との間に開口部があり、前記空洞と前記構造要素の表面との間の浸透圧勾配により、移植されたステントから前記開口部を介して前記送達媒体が放出され、前記構造要素が侵食性金属から形成されるステント。
【請求項88】
前記構造要素が、マグネシウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、アルミニウム、コバルト、錫、バナジウム、銅及びモリブデンからなる群より選択される金属から形成される、請求項76に記載のステント。
【請求項89】
活性薬剤を含む複数の放出可能な送達媒体を含む空洞が内部に配置された構造要素を含むステントであって、前記空洞と前記構造要素の表面との間の浸透圧勾配により、前記空洞と前記構造要素の表面との間の開口部を介して前記送達媒体が放出され、前記構造要素が、マグネシウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、アルミニウム、コバルト、錫、バナジウム、銅及びモリブデンからなる群より選択される金属から形成されるステント。
【請求項90】
複数の放出可能な粒子を含む侵食性足場を含むステントであって、前記粒子が、活性薬剤を含み、前記足場が侵食されると前記ステントから放出されるように適合されているステント。
【請求項91】
前記活性薬剤が、前記足場から前記粒子が放出されると前記粒子から放出されるように適合されている、請求項90に記載のステント。
【請求項92】
前記粒子がナノ粒子である、請求項90に記載のステント。
【請求項93】
前記粒子が、前記足場上又は足場内に前記粒子を一緒に保持する侵食性結合剤を用いて前記足場上又は足場内に組み込まれる、請求項90に記載のステント。
【請求項94】
前記粒子が、前記足場の表面の凹部内に配置されている、請求項90に記載のステント。
【請求項95】
前記粒子が、前記足場の表面の上に配置された侵食性結合剤中に分散されている、請求項90に記載のステント。
【請求項96】
前記活性薬剤が、前記粒子内に封入されているか、前記粒子上に被覆されているか、又は前記粒子内に分散されている、請求項90に記載のステント。
【請求項97】
前記足場の少なくとも一部分が侵食性ポリマーから形成される、請求項90に記載のステント。
【請求項98】
前記足場の少なくとも一部分が侵食性金属から形成される、請求項90に記載のステント。
【請求項99】
前記粒子が、希釈されていない生物活性薬剤の沈殿物から形成される、請求項90に記載のステント。
【請求項100】
前記粒子がポリマー及び薬物を含む、請求項90に記載のステント。
【請求項101】
前記粒子が、薬物が含浸されたコアと生体侵食性コーティングとを含む、請求項90に記載のステント。
【請求項102】
前記粒子が、生物活性薬剤コーティングを有するフラーレンを含む、請求項90に記載のステント。
【請求項103】
前記粒子が、ポリマーソーム、ミセル、ベシクル、リポソーム、生分解性ガラス、生体安定性ガラス、カーボンナノチューブ及び微粒子化薬物からなる群より選択される、請求項90に記載のステント。
【請求項104】
前記粒子が、生体吸収性ポリマー、生体安定性ポリマー、生体溶解性材料、生体ポリマー、生体安定性金属、生体侵食性金属、生体吸収性ポリマーのブロックコポリマー、生体ポリマーのブロックコポリマー、セラミック、塩、脂質及びそれらの組合せからなる群より選択される材料から形成される、請求項90に記載のステント。
【請求項105】
前記粒子の表面が、脈管構造の一部分に結合するように適合されている、請求項90に記載のステント。
【請求項106】
前記粒子の表面が、脈管構造の一部分に選択的に結合するために前記表面に組み込まれた物質を含み、前記物質が、ペプチド、抗体、小分子リガンド及び内皮細胞上に存在する受容体に対する親和性を有する特異的受容体からなる群より選択される、請求項90に記載のステント。
【請求項107】
複数の放出可能な粒子を含む侵食性足場を含むステントであって、前記粒子が、活性薬物を含み、前記足場が侵食されると前記ステントから放出されるように適合されており、前記活性薬物が、前記足場から前記粒子が放出されると前記粒子から放出されるように適合されているステント。
【請求項108】
複数の放出可能な粒子を含む侵食性足場を含むステントであって、前記粒子が、活性薬物を含み、前記足場が侵食されると前記ステントから放出されるように適合されており、前記粒子が、前記足場上又は足場内で前記粒子を一緒に保持する侵食性結合剤を用いて、前記足場上又は足場内に組み込まれているステント。
【請求項109】
侵食性足場を含むステントであって、前記足場は複数の放出可能な粒子を含み、前記粒子が、活性薬物を含み、前記足場が侵食されると前記ステントから放出されるように適合されており、前記粒子が、前記足場の表面の上に配置された侵食性結合剤中に分散されているステント。
【請求項110】
複数の放出可能な粒子を含む侵食性足場を含むステントであって、前記粒子が、活性薬物を含み、前記足場が侵食されると前記ステントから放出されるように適合されており、前記活性薬物が、前記粒子内に封入されているか、前記粒子上に被覆されているか、又は前記粒子内に分散されているステント。
【請求項111】
活性薬物を含む複数の放出可能な送達媒体を含む、侵食性材料から形成された足場を含むステントを脈管構造の移植部位に配備するステップと、
前記送達媒体が前記足場から放出され、前記脈管構造の標的領域に輸送されることを可能にするステップと
を含む、患者の脈管構造を治療する方法。
【請求項112】
前記送達媒体が、前記脈管構造の前記標的領域に結合することを可能にするステップをさらに含む、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記送達媒体の表面が、前記脈管構造の前記標的領域に結合するように適合されている、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
前記送達媒体の表面が、前記脈管構造の一部分に選択的に結合するために前記表面に組み込まれた物質を含み、前記物質が、ペプチド、抗体、小分子リガンド及び内皮細胞上に存在する受容体に対する親和性を有する特異的受容体からなる群より選択される、請求項111に記載の方法。
【請求項115】
前記侵食性材料が、侵食性ポリマー、侵食性金属又はそれらの組合せを含む、請求項111に記載の方法。
【請求項116】
前記活性薬物が、前記足場から前記送達媒体が放出されると前記送達媒体から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項117】
前記活性薬物が、輸送の間に前記脈管構造の前記標的領域において前記送達媒体から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項118】
前記放出された送達媒体が、前記脈管構造内への前記活性薬物の持続放出をもたらす、請求項111に記載の方法。
【請求項119】
前記送達媒体が、前記侵食性材料の侵食により前記足場から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項120】
前記送達媒体が、前記脈管構造中に放出され、血液内で輸送される、請求項111に記載の方法。
【請求項121】
前記送達媒体が放出され、血管壁を介して前記標的領域まで輸送される、請求項111に記載の方法。
【請求項122】
前記送達媒体が、前記足場の管腔内面から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項123】
前記送達媒体が、前記足場の管腔外面から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項124】
前記送達媒体が、前記足場の管腔外面と管腔内面との間の面から放出される、請求項111に記載の方法。
【請求項125】
前記脈管構造の前記標的領域が、前記ステントの前記移植部位から遠位にある、請求項111に記載の方法。
【請求項126】
前記脈管構造の前記標的領域が前記足場の近位にある、請求項111に記載の方法。
【請求項127】
前記送達媒体が、前記足場上又は足場内に粒子を一緒に保持する侵食性結合剤を用いて前記足場上又は足場内に組み込まれている、請求項111に記載の方法。
【請求項128】
前記結合剤が生分解性ポリマー又は水溶性ポリマーを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
活性薬物を含む複数の放出可能な送達媒体を含む、侵食性材料から形成された足場を含むステントを脈管構造の移植部位に配備するステップであり、前記送達媒体が、前記足場上又は足場内に粒子を一緒に保持する侵食性結合剤を用いて前記足場上又は足場内に組み込まれており、前記結合剤が生分解性ポリマー又は水溶性ポリマーを含むステップと、
前記送達媒体が前記足場から放出され、前記脈管構造の標的領域に輸送されることを可能にするステップと
を含む、患者の脈管構造を治療する方法。
【請求項130】
前記送達媒体が、前記足場の表面の凹部内に配置される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記送達媒体が、前記足場の表面の上に配置された前記侵食性結合剤中に分散される、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
活性薬物を含む複数の放出可能な送達媒体を含む、侵食性材料から形成された足場を含むステントを脈管構造の移植部位に配備するステップであり、前記送達媒体の表面が、前記脈管構造の標的領域に結合するように適合されているステップと、
前記送達媒体が前記足場から放出され、前記脈管構造の前記標的領域に輸送されることを可能にするステップと
を含む、患者の脈管構造を治療する方法。
【請求項133】
活性薬物を含む複数の放出可能な送達媒体を含む、侵食性材料から形成された足場を含むステントを脈管構造の移植部位に配備するステップであり、前記送達媒体の表面が、前記脈管構造の一部分に選択的に結合するために前記表面に組み込まれた物質を含み、前記物質が、ペプチド、抗体、小分子リガンド及び内皮細胞上に存在する受容体に対する親和性を有する特異的受容体からなる群より選択されるステップと、
前記送達媒体が前記足場から放出され、前記脈管構造の標的領域に輸送されることを可能にするステップと
を含む、患者の脈管構造を治療する方法。
【請求項134】
活性薬物を含む複数の放出可能な送達媒体を含む、侵食性材料から形成された足場を含むステントを脈管構造の移植部位に配備するステップであり、前記送達媒体が、前記足場上又は足場内に粒子を一緒に保持する侵食性結合剤を用いて前記足場上又は足場内に組み込まれているステップと、
前記送達媒体が前記足場から放出され、前記脈管構造の標的領域に輸送されることを可能にするステップと
を含む、患者の脈管構造を治療する方法。
【請求項135】
ステントであって、
侵食性材料から形成された足場と、
前記足場の少なくとも一部分の上に配置された送達コーティングであり、侵食性結合剤材料中に分散された放出可能な送達媒体を含む送達コーティングとを含み、前記結合剤材料が、ステントが移植されると侵食され前記送達媒体を放出するように適合されているステント。
【請求項136】
前記送達コーティングが、前記足場の管腔外面又は管腔内面の上に選択的に配置されている、請求項135に記載のステント。
【請求項137】
前記侵食性材料が侵食性ポリマーである、請求項135に記載のステント。
【請求項138】
前記侵食性材料が腐食性金属である、請求項135に記載のステント。
【請求項139】
前記結合剤材料が、生体吸収性ポリマー及び生体溶解性ポリマーからなる群より選択される、請求項135に記載のステント。
【請求項140】
前記送達媒体が活性薬剤を含み、前記送達媒体が、前記結合剤材料から前記送達媒体が放出されると患者の体内への前記活性薬剤の持続放出を可能にする、請求項135に記載のステント。
【請求項141】
前記送達コーティングの上に、前記送達コーティングからの前記送達媒体の放出を遅延させるように適合されている侵食性トップコーティングをさらに含む、請求項135に記載のステント。
【請求項142】
ステントであって、
侵食性材料から形成された足場と、
前記足場の少なくとも一部分の上に配置された送達コーティングであり、侵食性結合剤材料内に分散された放出可能な送達媒体を含む送達コーティングとを含み、前記結合剤材料が、前記ステントが移植されると侵食され前記送達媒体を放出するように適合されており、前記送達コーティングが、前記足場の管腔外面又は管腔内面の上に選択的に配置されているステント。
【請求項143】
ステントであって、
侵食性材料から形成された足場と、
前記足場の少なくとも一部分の上に配置された送達コーティングであり、侵食性結合剤材料内に分散された放出可能な送達媒体を含む送達コーティングとを含み、前記結合剤材料が、前記ステントが移植されると侵食され前記送達媒体を放出するように適合されており、前記送達媒体が活性薬剤を含み、前記送達媒体が、前記結合剤材料から前記送達媒体が放出されると患者の体内への前記活性薬剤の持続放出を可能にするステント。
【請求項144】
ステント足場に、溶媒中に溶解された侵食性ポリマーと前記溶媒中に分散された複数の送達媒体とを含むコーティング材料を塗布するステップと、
全て又は実質的に全ての溶媒を除去して、前記足場を覆う送達コーティングであり、前記侵食性ポリマー中に分散された前記複数の送達媒体を含む送達コーティングを形成するステップであり、前記侵食性ポリマーが、前記ステントが移植されると侵食され前記送達媒体を放出するように適合されているステップと
を含む、被覆されたステントを製作する方法。
【請求項145】
前記送達コーティングが、前記足場上に前記コーティング材料を噴霧するか、又は前記足場を前記コーティング材料中に浸漬することにより塗布される、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記コーティング材料が、前記足場の管腔外面又は管腔内面を覆って選択的に配置されて、管腔外又は管腔内コーティングを形成する、請求項144に記載の方法。
【請求項147】
前記ステント足場が侵食性材料から形成される、請求項144に記載の方法。
【請求項148】
前記侵食性材料が侵食性ポリマーである、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記侵食性材料が腐食性金属である、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記コーティングポリマーが、生体吸収性ポリマー及び生体溶解性ポリマーからなる群より選択される、請求項144に記載の方法。
【請求項151】
前記送達媒体が活性薬剤を含み、前記送達媒体が、前記送達コーティングから前記送達媒体が放出されると患者の体内への前記活性薬剤の持続放出を可能にする、請求項144に記載の方法。
【請求項152】
前記送達コーティングの上に、前記送達コーティングからの前記送達媒体の放出を遅延させるように適合された侵食性トップコーティングを形成するステップをさらに含む、請求項144に記載の方法。
【請求項153】
ステント足場に、溶媒中に溶解された侵食性ポリマーと前記溶媒中に分散された複数の送達媒体とを含むコーティング材料を塗布するステップと、
全て又は実質的に全ての溶媒を除去して、前記足場を覆う送達コーティングであり、前記侵食性ポリマー中に分散された前記複数の送達媒体を含む送達コーティングを形成するステップであり、前記侵食性ポリマーが、前記ステントが移植されると侵食され前記送達媒体を放出するように適合されているステップと、
前記送達コーティングの上に、前記送達コーティングからの前記送達媒体の放出を遅延させるように適合された侵食性トップコーティングを形成するステップと
を含む、被覆されたステントを製作する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate


【公表番号】特表2010−528780(P2010−528780A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511339(P2010−511339)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/065981
【国際公開番号】WO2008/151299
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】