説明

山岳歩道

【課題】本発明は、砕石の運搬量を減らす山岳歩道の構造の提案にある。
【解決手段】本発明は、山岳歩道の構造において、砕石による基礎部と基礎部上に設けた荷重支持部と、荷重支持部上に敷設した天板部と天板部上に敷設した砕石部からなり、荷重支持部は踏み圧部と中空部からなる樹脂製のブロックを配置し、前記中空部には土嚢を配設し、荷重支持部から砕石部までを網体で覆った山岳歩道である。砕石を運搬する量を減少させるため、樹脂製のブロックを使用し発生土を利用するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳歩道の構造に属する。
【背景技術】
【0002】
山岳歩道はハイキングあるいは憩いを求める人々が大勢利用するようになり、整備が進められている。各種材料を用いた山岳歩道の整備があるが、特開2000−234302には逆U字形であって側壁の高さがそれぞれ異なる部材で側壁の高い部分と天上部に開口を有するものが提案されている。また一般にはフトン籠に砕石を充填し階段状に配置した例が普及している。このフトン籠による山岳歩道はその建設あるいは補修に多量の砕石およびフトン籠を運搬する必要がある。運搬方法はヘリコプターを利用して麓、中腹、山上まで運び後は人力により整備することになる。
特に砕石は重量物でありかつ量が多くなるためその費用がかさむ難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-234302
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、砕石の運搬量を減らす山岳歩道の構造の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、山岳歩道の構造において、砕石による基礎部と基礎部上に設けた荷重支持部と、荷重支持部上に敷設した天板部と天板部上に敷設した砕石部からなり、荷重支持部は踏み圧部と中空部からなる樹脂製のブロックを配置し、前記中空部には土嚢を配設し、荷重支持部から砕石部までを網体で覆った山岳歩道である。砕石を運搬する量を減少させるため、樹脂製のブロックを使用し発生土を利用するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、樹脂製のブロックを使用し発生土を利用するようにしたため以下の効果がある。ふとん籠である網体に充填する砕石の運搬量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】山岳歩道の構造を示す概念図の一例である。
【図2】山岳歩道の構造を示す概念図の他の例である。
【図3】図1の構造を並べた構成した山岳歩道の概念図である。
【図4】上部部材の他の例を示す概念図である。
【図5】山岳歩道の上端部の砕石部を示す一例である。
【図6】樹脂製のブロックを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
図1aは本山岳歩道の平面図、図1bはA−A’線での断面図を示している。
図2aは本山岳歩道の他の例を示す平面図、図2bはB-B’線での断面図を示している。図1は、図6aに示す樹脂製ブロックAを用いた山岳歩道であり、図2は、図6bに示す樹脂製ブロックBを用いた例である。
ブロックAもブロックBも筒状の踏み圧部と筒の内部及びその外部に中空部である空間を有している。
【0009】
上記山岳歩道はいずれも砕石による基礎部を設け、その上に樹脂製ブロックを配設し、荷重支持部としている。樹脂製ブロックの筒部による踏み圧部によって登山者の踏み圧を支え、中空部に山岳歩道の敷き設に伴い発生する発生土を充填している。発生土は洗掘による流出を防ぐため土嚢として充填する。
図では中空の筒部には発生土を充填するように示してないが、筒部の強度補完のため充填することが好ましい。
【0010】
ブロックの筒状部は上部に開口し孔となっているため、それを防ぐためブロックの上部を天板部として不職布等の土木用シートあるいは樹脂製の板で覆うことが好ましい。上記したように筒状部に発生土を充填してもよい。
天板部の上には砕石部として発生土あるいは砕石を敷き設する。雨水による流出を防ぐため好ましくは砕石を使用することが好ましい。
【0011】
荷重支持部から砕石部まで網体で一体的に包み、砕石が流出しないようにする。図では網体はきっちりと荷重支持部から砕石部まで包んでいるが、荷重支持部を構成するブロックの周囲に砕石を充填するようになる、大きめの網体でも使用可能である。
【0012】
図3は階段状に並べ山岳歩道を構成した概念図である。
砕石部は、図5示すように、図4に示す保護部材を用いて砕石の移動を制限することでさらに砕石部の流出を抑えることができる。保護部材は図に示すとおり複数の突状の踏み圧部をその下方でリブにより連結したものである。踏み圧部間の空間に砕石を充填し、突部の踏み圧部により砕石の移動を制限するものであり一般的に芝生の保護あるいは砂利の散逸防止に使用されているものが使用可能である。
【0013】
樹脂製のブロックは図6に示したものに限らず、上からの荷重に耐え、配設した時に、空洞部を形成し、発生土を充填可能な形状のものであれば使用可能である。雨水の流出抑制のための貯留浸透槽の形成に使用される充填材が使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
上記のように構成された山岳歩道は、登山用の歩道に限らず、斜面に設ける歩道にも使用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 山岳歩道
2 荷重支持部
3 上板部
4 砕石部
5 網体
6 樹脂製ブロック
61 踏み圧部
62 中空部
7 基礎部
8 保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
山岳歩道の構造において、砕石による基礎部と基礎部上に設けた荷重支持部と、荷重支持部上に敷設した天板部と天板部上に敷設した砕石部からなり、荷重支持部は踏み圧部と中空部からなる樹脂製のブロックを配置し、前記中空部には土嚢を配設し、荷重支持部から砕石部までを網体で覆った山岳歩道。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−190581(P2011−190581A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55904(P2010−55904)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】