説明

工作機械のテーブル案内装置

【課題】テーブルへの積載物の重量が増えた場合でも、大きい駆動力をもつモータを不要にする。
【解決手段】ベース12にテーブル11が垂直軸線C周りに旋回自在に支持されている。ベース12頂面にガイド63が設けられている。ガイド63は、テーブル11外周縁部の半径方向外側を通りかつテーブル11頂面外周縁部の上方に張り出している。ガイド63に下向きガイド面65が形成されている。ガイド面65は、テーブル11旋回軸線を中心とする円周上をのびている。テーブル11頂面外周縁部に、ガイド面65に摺接させられた上向き摺動面62が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械において、例えば、ワーク積載テーブルの垂直軸線周りの旋回を案内するための案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の案内装置としては、図2に示すように、ベース101にテーブル102が垂直軸線周りに旋回自在に支持されており、ベース101頂面に上向きガイド面103が形成されており、ガイド面103は、テーブル旋回軸線を中心とする円周上をのびており、テーブル102底面に、ガイド面103に摺接させられた下向き摺動面104が形成されているものが知られている。
【0003】
この案内装置では、テーブル102への積載物の重量が増えると、積載物の重量がテーブル102にこれを押下げようとする力が作用させられる。テーブル102が押下げられると、テーブル102とともに摺動面104のレベルが低下し、ガイド面103に対して摺動面104が押圧させられる。そうすると、ガイド面103に対する摺動面104の摺動抵抗が増大し、テーブル102を駆動させるモータに作用する負荷が増大し、大きい駆動力をもつモータが必要となる。
【0004】
さらに、適切な摺動抵抗を得るために、摺動面104を目視で点検するためには、ベース101からテーブル102を取り外す必要があり、摺動面104を簡単に点検することができないという問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、上記課題を解決し、テーブルへの積載物の重量が増えた場合でも、大きい駆動力をもつモータを必要としないテーブル案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による工作機械のテーブル装置は、ベースにテーブルが垂直軸線周りに旋回自在に支持されており、ベース頂面にガイドが設けられており、ガイドは、テーブル外周縁部の半径方向外側を通りかつテーブル外周縁部の上方に張り出しており、ガイドに下向きガイド面が形成されており、ガイド面は、テーブル旋回軸線を中心とする円周上をのびており、テーブル頂面外周縁部に、ガイド面に摺接させられた上向き摺動面が形成されているものである。
【0007】
この発明による工作機械のテーブル案内装置では、テーブルへの積載物の重量が増えると、積載物の重量がテーブルにこれを押下げようとする力が作用させられる。テーブルが押下げられると、テーブルとともに摺動面のレベルが低下し、ガイド面に対して摺動面が離隔させられる。このことは、ガイド面に対する摺動面の摺動抵抗が減少するように作用する。したがって、テーブルへの積載物の重量が増えた場合でも、大きい駆動力をもつモータを必要としない。
【0008】
さらに、ベースに対してガイドが着脱自在であると、ベースからガイドを取り外すことによって、ベースからテーブルを取り外すこと無く、摺動面の点検を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、テーブルへの積載物の重量が増えた場合でも、大きい駆動力をもつモータを必要としないテーブル案内装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明による案内装置の垂直縦断面図である。
【図2】従来例による案内装置の垂直縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、垂直状旋回軸線Cを有している水平円板状テーブル11と、テーブル11を旋回軸線C周りに支持しているベース12とを備えている。
【0012】
テーブル11の頂面には積載物載置用パレットPが位置決めされている。テーブル11の旋回軸線C上には中心孔21が上下貫通状に形成されている。
【0013】
ベース12は、旋回軸線Cと同心状をなしている有底垂直筒状ベース本体31と、ベース本体31内の底面から旋回軸線C上に起立させられている垂直丸棒状ベースセンタ32とよりなる。ベースセンタ32は、ベース本体31内に収容されている大径部32Aと、大径部32Aの上端に連なってベース本体31上方に突出させられかつ中心孔21に隙間嵌めされている小径部32Bとよりなる。
【0014】
スピンドル42の上端面は、テーブル11底面に当接させられかつボルト43によって固定されている。スピンドル42内面および大径部32A外面間には、テーブルブレーキ機構(図示略)を収容している間隙が形成されている。
【0015】
ベース本体31内面およびスピンドル42外面間には転がり軸受51が介在させられている。軸受51下方におけるスピンドル42外面には、ウォーム52と噛み合わされたウォームホイール53が固定されている。
【0016】
テーブル11の外周面下端部には外向き下フランジ61が設けられている。下フランジ61の上面には摺動面62が形成されている。ベース本体31の頂面には、垂直筒状ガイド63が下フランジ61を取り囲むように固定されている。ベース本体31に対するガイド63の固定は、例えば、ボルト(図示略)によって着脱自在となされている。ガイド63の上端には内向き上フランジ64が下フランジ61の上方に張り出すように設けられている。上フランジ64の下面にはスラストガイド面65が設けられている。スラストガイド面65は、摺動面62に上側から摺接させられている。
【0017】
ウォーム52およびウォームホイール53によって、テーブル11は、スピンドル42とともに旋回軸周りに回転駆動される。
【0018】
パレットPに積載物が載置されると、積載物の重量によって、テーブル11にはこれを押下げようとする力が作用させられる。テーブル11が押下げられると、テーブル11とともに摺動面62のレベルが低下し、スラストガイド面65から摺動面62が離隔させられる。これにより、スラストガイド面65に対する摺動面62の摺動抵抗が低下させられる。積載物の重量が増えたとしても、テーブル11を駆動するモータの駆動力を増大させる必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明による案内装置は、工作機械において、ワーク載置テーブルの回転を案内することを達成するのに適している。
【符号の説明】
【0020】
11 テーブル
12 ベース
62 摺動面
63 ガイド
65 ガイド面
C 旋回軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースにテーブルが垂直軸線周りに旋回自在に支持されており、ベース頂面にガイドが設けられており、ガイドは、テーブル外周縁部の半径方向外側を通りかつテーブル外周縁部の上方に張り出しており、ガイドに下向きガイド面が形成されており、ガイド面は、テーブル旋回軸線を中心とする円周上をのびており、テーブル外周縁部に、ガイド面に摺接させられた上向き摺動面が形成されている工作機械のテーブル案内装置。
【請求項2】
ベースに対してガイドが着脱自在である請求項1に記載の工作機械のテーブル案内装置。

【図1】
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【図2】
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